JPH07304876A - 水性分散液組成物及びその製造方法 - Google Patents

水性分散液組成物及びその製造方法

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JPH07304876A
JPH07304876A JP12065294A JP12065294A JPH07304876A JP H07304876 A JPH07304876 A JP H07304876A JP 12065294 A JP12065294 A JP 12065294A JP 12065294 A JP12065294 A JP 12065294A JP H07304876 A JPH07304876 A JP H07304876A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】短時間に保護コロイド形成能を有し生産性が高
く、濃度分布のバラツキが少なく成分が均一な膜を製造
でき、耐水性に優れ防水膜として好適に利用でき、しか
も接着力に優れ接着剤としても好適に利用でき、製造後
すぐに使用しても防水接着機能を発揮する水性分散液組
成物及びその製造方法を提供すること 【構成】水性分散液組成物は、(a)軟化点160℃以
下のアスファルト又は(x)軟化点160℃以下の石油
樹脂、(y)軟化点160℃以下のエチレン・酢酸ビニ
ル共重合樹脂、(z)廃ポリエチレン、廃塩化ビニル、
廃ポリスチレン、廃ポリプロピレン等から選ばれる少な
くとも1種を含む融点が160℃以下の廃プラスチック
から選ばれる少なくとも1種を原料とし、分散剤として
重合度300〜3,000、鹸化度70〜98%であり
予め水で膨潤されスポンジ状のブロック形態を成す部分
鹸化ポバールを用い、かつ原料と分散剤との配合比が原
料=97〜70重量部、分散剤=3〜30重量部である
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性分散液組成物及びそ
の製造方法に関し、詳しくは、短時間に保護コロイド形
成能を有し生産性が高く、濃度分布のバラツキが少なく
成分が均一な膜を製造でき、耐水性に優れ防水膜として
好適に利用でき、しかも接着剤としても好適に利用で
き、製造後すぐに使用しても防水接着機能を発揮する水
性分散液組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶解したアスファルトを原料と
し、分散剤としてポリビニルアルコール(以下、必要に
より、ポバールという。)を用い、少量の水を用いて混
練して水性エマルジョンを製造する試みがなされてい
る。しかし、原料とポバールと少量の水を同時に混練し
ても水性エマルジョンを製造することはできない。また
予めポバールと水を混合し、ペースト状又はパテ状にし
てから溶解したアスファルトを混合・混練する方法も試
みられているが(特公昭54−11328号公報第6欄
3〜4行参照)、この方法ではポバールの粉末やペース
ト状のポバールがアスファルトに包み込まれ、保護コロ
イド形成能を失い、エマルジョンが製造できない欠点が
ある。
【0003】この対策として、溶解せずブロック状のア
スファルトを使用することも考えられるが、ポバール添
加後の混練に大きな動力を要し、その後の昇温にも長時
間と大きなエネルギーを要するので、生産性が著しく低
い欠点がある。
【0004】またアスファルトを含まない原料、例えば
熱可塑性樹脂を用いた場合には、従来のペースト状のポ
バールを用いた場合には、ポバールの使用量を正規の2
〜5倍に増やさないと原料の周囲に保護コロイドが形成
されたエマルジョンが製造できない欠点がある。またこ
のようにして製造したエマルジョンは粘性が異常に高か
ったり、ポバールが多過ぎるため、膜の耐水性が悪く、
防水膜には使用できない欠点がある。更にポバールを正
規の量にしてエマルジョンを製造しようとすれば、製造
時間を10〜100倍と長くすれば製造可能であるが、
著しく生産性が悪いという致命的欠点がある。
【0005】更に原料の如何に拘わらず、従来のポバー
ルを膨潤せずにそのまま用いたりあるいは膨潤してもペ
ースト状のものを用いてエマルジョンを製造した場合に
は、外見的にはエマルジョンを呈するが、濃度分布がバ
ラツキ、粘性の経時変化が激しくて、このエマルジョン
を使用時期を間違って早く使用したりすると、防水接着
機能を損なって、耐水性の悪い防水膜になったり、また
成分の不均一な膜になったり、更には接着力の低い接着
剤となってしまう欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、短時間に保護コロイド形成能を有し生産性が高い水
性分散液組成物及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】また本発明の他の目的は、濃度分布のバラ
ツキが少なく成分が均一な膜を製造できる水性分散液組
成物及びその製造方法を提供することにある。
【0008】更に本発明の他の目的は、耐水性に優れ防
水膜として好適に利用でき、しかも接着力に優れ接着剤
としても好適に利用できる水性分散液組成物及びその製
造方法を提供することにある。
【0009】更にまた本発明の他の目的は、製造後すぐ
に使用しても防水接着機能を発揮する水性分散液組成物
及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明に係る水性分散液組成物は、下記(a)又は(b)か
ら選ばれる少なくとも1種を原料とし、分散剤として重
合度300〜3,000、鹸化度70〜98%であり予
め水で膨潤されスポンジ状のブロック形態を成す部分鹸
化ポバールを用い、かつ原料と分散剤との配合比が原料
=97〜70重量部、分散剤=3〜30重量部であるこ
とを特徴とする。
【0011】(a)軟化点160℃以下のアスファルト (b)下記(x)〜(z)から選ばれる熱可塑性樹脂の
少なくとも1種 (x)軟化点160℃以下の石油樹脂 (y) 軟化点160℃以下のエチレン・酢酸ビニル共重
合樹脂 (z) 廃ポリエチレン、廃塩化ビニル、廃ポリスチレ
ン、廃ポリプロピレン等から選ばれる少なくとも1種を
含む融点が160℃以下の廃プラスチック
【0012】また上記課題を解決する本発明に係る水性
分散液組成物の製造方法は、予め加温された混練機に原
料と分散剤を投入し、次いで剪断力を加えて混練し、次
いで少量の水を加え原料を軟化点以上まで昇温し、次い
で原料の軟化・混合状態の終点を確認した後水を加えて
所定濃度の水性分散液を製造する方法において、原料と
して下記(a)又は(b)から選ばれる少なくとも1種
を用い、原料と分散剤の配合比が原料=97〜70重量
部、分散剤=3〜30重量部であり、かつ分散剤として
重合度300〜3,000、鹸化度70〜98%であり
予め水で6時間を越える時間放置して膨潤させた部分鹸
化ポバールを用いることを特徴とする。
【0013】(a)軟化点160℃以下のアスファルト (b)下記(x)〜(z)から選ばれる熱可塑性樹脂の
少なくとも1種 (x)軟化点160℃以下の石油樹脂 (y) 軟化点160℃以下のエチレン・酢酸ビニル共重
合樹脂 (z)廃ポリエチレン、廃塩化ビニル、廃ポリスチレ
ン、廃ポリプロピレン等から選ばれる少なくとも1種を
含む融点が160℃以下の廃プラスチック
【0014】
【作用】本発明では分散剤として予め水で6時間を越え
る時間放置して膨潤させた部分鹸化ポバール、即ちスポ
ンジ状のブロック化形態に至るまで膨潤させた部分鹸化
ポバールを用いているため、その理由は定かでないが、
原料の周囲に短時間に保護コロイドを形成する。従って
本発明は6時間以下の膨潤しかしていないペースト状の
部分鹸化ポバールを用いた従来のエマルジョンに比し生
産性が高い。
【0015】また、ペースト状の部分鹸化ポバールを用
いた従来のエマルジョンに比し、本発明の水性分散液組
成物は濃度分布のバラツキが少なく成分が均一な膜を製
造でき、その結果、耐水性に優れ防水膜として好適に利
用でき、しかも接着力に優れ接着剤としても好適に利用
できる。
【0016】更に本発明の水性分散液組成物は短時間に
保護コロイド形成するが故に、製造後すぐに使用しても
防水接着機能を発揮する。
【0017】
【具体的構成】以下、本発明の内容について詳述する。
【0018】原料中の(a)成分であるアスファルトと
しては、石油アスファルトと天然アスファルトがある。
石油アスファルトとしてはストレートアスファルト、ブ
ローンアスファルト、脱色アスファルト(ホワイトアス
ファルト)があり、また天然アスファルトとしてはター
ルサンドが挙げられる。本発明では、軟化点が160℃
を越えるアスファルトを用いると混練機を加圧してスチ
ームジャケットの温度を上げても製造の途中に水を加え
るので水性分散液にはならないため、いずれも軟化点1
60℃以下のアスファルトが用いられる。これらは1種
で用いてもよいし、2種以上混合使用してもよい。
【0019】(b)成分としては、(x)軟化点160
℃以下の石油樹脂、 (y) 軟化点160℃以下のエチレ
ン・酢酸ビニル共重合樹脂及び (z) 廃ポリエチレン、
廃塩化ビニル、廃ポリスチレン、廃ポリプロピレン等か
ら選ばれる少なくとも1種を含む融点が160℃以下の
廃プラスチックから選ばれる熱可塑性樹脂の少なくとも
1種を用いることができる。
【0020】(x)成分である石油樹脂は、 5 〜C9
樹脂が好ましく、より好ましくは、C9 樹脂であり、軟
化点が160℃を越える石油樹脂を用いると混練機を加
圧してスチームジャケットの温度を上げても製造の途中
に水を加えるので水性分散液にはならないため、いずれ
も軟化点160℃以下のものが用いられる。これらは1
種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用する
こともできる。
【0021】(z) 成分である廃プラスチックは、農業
用ポリエチレンフィルムの廃材と発泡スチロールの魚箱
の廃材並びに建築用塩化ビニルシートの廃材を混合し、
(イ)可塑剤(DBP)に浸漬して軟化したものを用い
るか、或は(ロ)炉の中に入れ、酸素を遮断して500
℃で、30分間加熱し熱分解し、軟化点が100℃前後
のワックス状を呈したものを用いる。
【0022】廃プラスチックには、塩化ビニル等の軟化
点が160℃を越えるものが含まれることが避けられな
いが、これらが混入されても、前述のように前処理とし
て一度例えば乾溜釜で熱分解し、低分子化し、融点(軟
化点)160℃以下に下げれば良い。また融点(軟化
点)160℃以下の1種又は2種以上の廃プラスチック
の場合にはそのまま前処理することなく用いることがで
きる。
【0023】かかる1種又は2種以上の組み合わせから
なる廃プラスチックを原料として用いることによって産
業廃棄物のリサイクルに貢献する効果がある。
【0024】本発明において、(x)〜(z)から選ば
れる軟化点乃至融点が160℃以下の熱可塑性樹脂は、
1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ使用して
もよい。
【0025】本発明においては、原料と分散剤との配合
比は原料=97〜70重量部、分散剤=3〜30重量部
であり、この範囲を越えると目的とする水性分散液組成
物が得られない。
【0026】本発明の水性分散液組成物には、上記の原
料以外に、用途に応じアクリル酸アルキル/スチレン共
重合体や合成ゴム等を本発明の目的の範囲内で添加して
もよい。
【0027】本発明において、分散剤としては、重合度
300〜3,000、鹸化度70〜98%であり予め水
で膨潤されスポンジ状のブロック化した部分鹸化ポバー
ルを用いる。
【0028】部分鹸化ポバールとして重合度が低いもの
を使用すると水性分散液の粘性が低下し、反面高いもの
を使用すると乳化力が増大すると共にバイダーとしての
用途において接着力が増大する傾向にあるので、重合度
としては300〜3,000の範囲、好ましくは1,0
00〜2,000の範囲で、本発明の水性分散液組成物
の用途によって重合度の異なったものを使用することは
好ましいことである。また鹸化度の低いものは乳化しや
すい反面、高いものは接着面の耐熱性、耐水性が向上す
るので、水性分散液組成物の用途によって鹸化度70〜
98%の範囲、好ましくは80〜90%の範囲で選択使
用することが好ましい。
【0029】本発明において、水で膨潤されスポンジ状
のブロック化した部分鹸化ポバールというのは、具体的
には膨潤して静置しておく時間(膨潤時間)が6時間を
越えるものを意味する。
【0030】水への部分鹸化ポバールの溶解時間とその
形態については、本発明者の研究によって以下の表1に
記載の関係があることが判明している。
【0031】
【表1】
【0032】次に、本発明の水性分散液組成物の製造方
法について説明する。
【0033】始めに、部分鹸化ポバールと水を混合し6
時間を越える時間放置して部分鹸化ポバールをスポンジ
状のブロック形態になるまで膨潤させる。
【0034】部分鹸化ポバールを水で膨潤させる場合、
部分鹸化ポバールと水の混合割合は水の割合が多いと乳
化作用が早いが混練機の温度が上がりにくいので、部分
鹸化ポバール:水=1:0.5〜3(重量比)が好まし
く、より好ましくは、部分鹸化ポバール:水=1:1〜
2(重量比)である。
【0035】また膨潤時間は6時間を越えればいくらで
もよく、好ましくは12時間以上である。
【0036】次いで予め混練機を加温する。混練機とし
ては、ニーダー又は加圧ニーダーが用いられ、以下、ニ
ーダーを用いた例について説明する。ニーダーを加温す
る手段は特に限定されないが、例えばニーダーにスチー
ムジャケットを設ける方法がある。ニーダーの初期温度
は高過ぎると一挙に原料が軟化し溶融するため油状とな
り、分散剤と混合しなくなって水性分散液が製造でき
ず、一方低過ぎると生産に長時間を要し、しかも粒径が
粗い製品となるので、原料成分の軟化点の−10℃の前
後が好ましい。
【0037】次いで予め加温されたニーダーに原料と部
分鹸化ポバールを投入する。原料と部分鹸化ポバールの
投入順序は特に限定されない。原料と部分鹸化ポバール
の配合比は上記の水性分散液組成物で述べた範囲であれ
ばよい。
【0038】原料のうちアスファルトは、液状であれば
計量性や作業性が向上するので加温して液状にして用い
ることが好ましい。また、熱可塑性樹脂はペレット状、
ブロック状のものを使用するのが普通であるが、低軟化
点のものは液状のものでもよい。更に廃プラスチックは
液状のものでも、固体のものでも用いることができる。
【0039】次いでニーダーのブレードを回転させ、十
分な剪断力を加えて混練する。かかる剪断を加えること
によって水飴状となるまで混練することが好ましい。
【0040】次いで少量の水を加え原料を軟化点以上ま
で昇温する。昇温する温度は好ましくは原料の軟化点の
+10℃〜+20℃の範囲が好ましい。温度が高過ぎる
と成分が溶融し油状となって水性分散液が製造できな
い。かかる昇温下で混練することによって成分を完全に
部分鹸化ポバールと混合する。
【0041】次いで原料の軟化・混合状態の終点を確認
した後水を加えて所定濃度の水性分散液を製造する。終
点の確認は通常目視による。水性分散液の濃度は20〜
80重量%の範囲が好ましい。
【0042】上記の製造は60分前後の時間で1バッチ
を行うようにすることが好ましい。短すぎると粒径が粗
く製品のバラツキが多くなって好ましくないからであ
る。
【0043】本発明の水性分散液組成物はコンクリート
の品質改良材として利用できる。即ち、原料としてアス
ファルトを含有する水性分散液組成物をコンクリートに
混合することによって、コンクリートの水密性向上、防
水性向上に寄与し、また塩害予防、耐薬品性を向上させ
てコンクリートの早期劣化を予防でき、更にコンクリー
トの結露、粉塵発生予防が可能となる。
【0044】またコンクリートの塗膜防水剤として利用
できる。即ち、アスファルトを含有する水性分散液組成
物をコンクリート表面に塗布すれば防水膜を形成し、塗
膜防水剤となる。
【0045】更にコンクリートの接着剤として利用でき
る。即ち、コンクリートブロックをコンクリート面やア
スファルト舗装面に接着する際に、アスファルトや熱可
塑性樹脂を含有する水性分散液組成物を接着剤として用
いることができる。
【0046】更に又、漏水や止水の補修剤として利用で
きる。即ち、アスファルトや熱可塑性樹脂を含有する水
性分散液組成物をドリル穴から注入すれば、雨漏れや地
下水の漏れを止水し、補修剤となる。
【0047】更に地盤改良剤としても利用できる。廃プ
ラスチック等の熱可塑性樹脂を含有する水性分散液組成
物は単独で又はセメント固化材との併用によって、水密
性地盤を形成でき、地盤の強度向上を可能にし、良好な
地盤改良材となる。また水性分散液組成物を希釈してホ
ースでまけば地盤の防塵対策にも効果的である。
【0048】更に又、廃プラスチックやオイルサンドの
ような廃棄物又は利用度の低い廃材を活用でき、資源の
有効利用に貢献する。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例に基き、更に本発明に
ついて詳細に説明するが、かかる実施例によって本発明
が限定されるものではない。
【0050】実施例1 始めにポバール(日本合成化学社製 ゴーセノール G
H17)と水とを、重量比で1:2(ポバール:水=
1:2)となるように混合し、24時間放置しスポンジ
状のブロック形態に膨潤された部分鹸化ポバールを製造
した。
【0051】次いで、ニーダーをスチームで80℃に加
温した。加温されたニーダーにストレートアスファルト
(針入度60〜80)を液状にした原料を100kg投
入した。
【0052】次いで、引き続き予め膨潤した前記の部分
鹸化ポバールを60kg(ポバール換算で20kg)投
入した。
【0053】次いで80℃の温度で約10分間混練し、
次いで約10kgの水を加えてから再びニーダーにスト
レートアスファルトを100kg投入してニーダーの蓋
を閉じて温度を120℃まで昇温した。
【0054】約20分後混練が十分であることを目視で
確認してからスチーム加温を止め、水を徐々に投入し、
約30分間で水を210kg投入した。ニーダーの温度
は50℃まで下がった。
【0055】次いで殺菌剤、防かび剤を所定量投入して
濃度50%のアスファルト水性分散液を製造した。
【0056】この分散液はコンクリートとコンクリート
との接着剤として利用され、接着強度11.9kgf/
cm2 を示した。
【0057】比較のために、ポバール(日本合成化学社
製 ゴーセノール GH17)と水とを、重量比で1:
2(ポバール:水=1:2)となるように混合し、3時
間放置しペースト状の部分鹸化ポバールを製造した。
【0058】これを実施例1と同様にして原料と混練
し、アスファルト水性分散液を製造しようとしたが、ペ
ースト状の部分鹸化ポバールがアスファルトに包み込ま
れ、保護コロイド形成能を失い、アスファルト水性分散
液が得られなかった。
【0059】実施例2 始めに実施例1と同様に24時間放置してスポンジ状の
ブロック形態に膨潤された部分鹸化ポバールを製造し
た。
【0060】次いで、ニーダーをスチームで90℃に加
温した。加温されたニーダーに石油樹脂(日本石油化学
社製 日石ネオポリマー#90)をペレットにした原料
を150kg投入した。
【0061】次いで、引き続き予め膨潤した前記の部分
鹸化ポバールを36kg(ポバール換算で12kg)投
入した。
【0062】次いで90℃前後の温度で約10分間混練
し、次いで約10kgの水を加えてから再びニーダーの
温度を140℃まで昇温した。
【0063】約20分後混練が十分であることを目視で
確認してからスチーム加温を止め、水を徐々に投入し、
約30分間で水を130kg投入した。
【0064】ニーダーの温度は50℃まで下がり、三菱
油化バーディシェ社製の「アクロナール295DN」ア
クリルディスパージョン45kgを約10分間混合し
た。
【0065】次いで殺菌剤、防かび剤及び可塑剤として
ジブチルフタレート(DBP)を少量混合して濃度50
%の石油樹脂を主成分とする水性分散液を製造した。
【0066】この分散液は漏水の止水注入剤として利用
され、コンクリート製屋上のアスファルト防水部の漏水
個所に注入し、漏水を完全に止めた。
【0067】比較のために、ポバール(日本合成化学社
製 ゴーセノール GH17)と水とを、重量比で1:
2(ポバール:水=1:2)となるように混合し、5時
間放置しペースト状の部分鹸化ポバールを製造した。
【0068】これを実施例2と同様にして石油樹脂原料
と混練し、石油樹脂を主成分とする水性分散液を製造し
ようとしたが、部分鹸化ポバールが不足するため水性分
散液が得られなかった。またペースト状の部分鹸化ポバ
ールの量を108kg(ポバール換算で36kg)と実
施例2の3倍量に増やしたところ、保護コロイドは形成
されたが、得られた水性エマルジョンの粘性が高過ぎて
耐水性が悪く、止水注入剤としては利用できなかった。
【0069】実施例3 始めにポバール(日本合成化学社製 ゴーセノール G
M14)と水とを、重量比で1:2(ポバール:水=
1:2)となるように混合し、24時間放置しスポンジ
状のブロック形態に膨潤された部分鹸化ポバールを製造
した。
【0070】次いで、ニーダーをスチームで80℃に加
温した。加温されたニーダーにストレートアスファルト
(針入度60〜80)を液状にした原料を80kg投入
した。また石油樹脂(日本石油化学社製 日石ネオポリ
マー#90)をペレットにした原料を32kg投入し
た。
【0071】次いで、引き続き予め膨潤した前記の部分
鹸化ポバールを45kg(ポバール換算で15kg)投
入した。
【0072】次いで80℃の温度で約10分間混練し、
次いで約10kgの水を加えてから再びニーダーにスト
レートアスファルトを80kg投入してニーダーの蓋を
閉じて温度を120℃まで昇温した。
【0073】約20分後混練が十分であることを目視で
確認してからスチーム加温を止め、水を徐々に投入し、
約30分間で水を200kg投入した。ニーダーの温度
は50℃まで下がった。
【0074】次いで殺菌剤を所定量投入して濃度50%
のアスファルト水性分散液を製造した。
【0075】この分散液はコンクリート混和型防止剤と
して利用され、生コンクリート1m3 に対し、この水性
分散液を10kg混合したものの吸水率を測定した結
果、無混入のコンクリートと比べ、吸水率は60%と水
密なコンクリートが得られた。
【0076】比較のために、ポバール(日本合成化学社
製 ゴーセノール GM14)と水とを、重量比で1:
2(ポバール:水=1:2)となるように混合し、5時
間放置しペースト状の部分鹸化ポバールを製造した。
【0077】これを実施例3と同様にして原料と混練
し、水性分散液を製造しようとしたが、ペースト状の部
分鹸化ポバールがアスファルトに包み込まれ、保護コロ
イド形成能を失い、水性分散液が得られなかった。
【0078】実施例4 始めに実施例1と同様に24時間放置してスポンジ状の
ブロック形態に膨潤された部分鹸化ポバールを製造し
た。
【0079】次いで、ニーダーをスチームで100℃に
加温した。加温されたニーダーに廃プラスチックを20
0kg投入した。廃プラスチックは農業用ポリエチレン
フィルムの廃材と発泡スチロールの魚箱廃材並びに建築
用塩化ビニルシートの廃材を混合し、炉の中に入れ、酸
素を遮断して500℃で30分間加熱し熱分解して軟化
点が100℃前後のワックス状を呈したものを用いた。
【0080】次いで、引き続き予め膨潤した前記の部分
鹸化ポバールを60kg(ポバール換算で20kg)投
入した。
【0081】次いで100℃前後の温度で約10分間混
練し、次いで約10kgの水を加えてから再びニーダー
の温度を140℃まで昇温した。
【0082】約20分後混練が十分であることを目視で
確認してからスチーム加温を止め、水を徐々に投入し、
約30分間で水を200kg投入した。
【0083】ニーダーの温度は50℃まで下がり、濃度
50%の水性分散液を製造した。
【0084】この分散液を遮水性地盤のための混和剤と
して利用するために、以下の試験を行った。
【0085】土砂 1m3 セメント固化剤 120kg (三菱マテリアル社製 スタビライトM15) 本発明の水性分散液 6kg を混合・混練し、敷きならした地盤の透水係数を測定し
たところ、以下の結果が得られた。また比較のために本
発明の水性分散液を無添加の場合も測定した。
【0086】本発明 2×10-6cm/sec 比 較 3×10-3cm/sec 実施例5 始めに実施例1と同様に24時間放置してスポンジ状の
ブロック形態に膨潤された部分鹸化ポバールを製造し
た。
【0087】次いで、ニーダーをスチームで100℃に
加温した。加温されたニーダーにストレートアスファル
ト(針入度60〜80)を液状にした原料を50kg投
入した。引き続き予め膨潤した前記の部分鹸化ポバール
を60kg(ポバール換算で20kg)投入した。更に
実施例4で用いた廃プラスチックを100kg投入し
た。
【0088】次いで100℃前後の温度で約10分間混
練し、次いで約10kgの水を加えてから再びニーダー
にストレートアスファルトを50kg投入してニーダー
の蓋を閉じて温度を140℃まで昇温した。
【0089】約20分後混練が十分であることを目視で
確認してからスチーム加温を止め、水を徐々に投入し、
約30分間で水を200kg投入した。
【0090】ニーダーの温度は50℃まで下がり、濃度
50%の水性分散液を製造した。
【0091】この分散液について、実施例4と同様に、
遮水性地盤のための混和剤として利用するために以下の
試験を行った。
【0092】土砂 1m3 セメント固化剤 120kg (三菱マテリアル社製 スタビライトM15) 本発明の水性分散液 6kg を混合・混練し、敷きならした地盤の透水係数を測定し
たところ、1×10-6cm/secと更に向上した。
【0093】実施例6 始めに実施例1と同様に24時間放置してスポンジ状の
ブロック形態に膨潤された部分鹸化ポバールを製造し
た。
【0094】次いで、ニーダーをスチームで100℃に
加温した。加温されたニーダーに実施例4で用いた廃プ
ラスチックを150kg投入した。また、石油樹脂(日
本石油化学社製 日石ネオポリマー#90)をペレット
にした原料を50kg投入した。
【0095】次いで、引き続き予め膨潤した前記の部分
鹸化ポバールを60kg(ポバール換算で20kg)投
入した。
【0096】次いで100℃前後の温度で約10分間混
練し、次いで約10kgの水を加えてから再びニーダー
の温度を140℃まで昇温した。
【0097】約20分後混練が十分であることを目視で
確認してからスチーム加温を止め、水を徐々に投入し、
約30分間で水を200kg投入した。
【0098】ニーダーの温度は50℃まで下がり、濃度
50%の水性分散液を製造した。
【0099】この分散液を土中注入防水止水剤として利
用するために以下の試験を行った。即ち、地下室の漏水
個所のコンクリートを貫通する孔をあけ、本発明の水性
分散液を圧入して、土中に拡散させ、コンクリートに逆
浸透させて水の進入路を閉塞し、止水したところ、良好
な止水効果が得られた。
【0100】実施例7 始めに実施例1と同様に24時間放置してスポンジ状の
ブロック形態に膨潤された部分鹸化ポバールを製造し
た。
【0101】次いで、ニーダーをスチームで110℃に
加温した。加温されたニーダーにエチレン酢酸ビニル共
重合体(三菱油化社製 EVA M−50)を200k
g投入した。
【0102】次いで、引き続き予め膨潤した前記の部分
鹸化ポバールを60kg(ポバール換算で20kg)投
入した。
【0103】次いで100℃前後の温度で約10分間混
練し、次いで約10kgの水を加えてから再びニーダー
の温度を150℃まで昇温した。
【0104】約20分後混練が十分であることを目視で
確認してからスチーム加温を止め、水を徐々に投入し、
約20分間で水を200kg投入した。
【0105】ニーダーの温度は50℃まで下がり、次い
で殺菌剤、防かび剤を所定量投入して濃度50%の水性
分散液を製造した。
【0106】この分散液をポリプロピレン製人工芝のバ
ッキング材として用い、接着強度を測定したところ、8
kgf/cm2を示した。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、短時間に保護コロイド
形成能を有し生産性が高い水性分散液組成物及びその製
造方法を提供でき、また濃度分布のバラツキが少なく成
分が均一な膜を製造できる水性分散液組成物及びその製
造方法を提供でき、更に耐水性に優れ防水膜として好適
に利用でき、しかも接着力に優れ接着剤としても好適に
利用できる水性分散液組成物及びその製造方法を提供す
ることができ、更に又製造後すぐに使用しても防水接着
機能を発揮する水性分散液組成物及びその製造方法を提
供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)又は(b)から選ばれる少なく
    とも1種を原料とし、分散剤として重合度300〜3,
    000、鹸化度70〜98%であり予め水で膨潤されス
    ポンジ状のブロック形態を成す部分鹸化ポリビニルアル
    コールを用い、かつ原料と分散剤との配合比が原料=9
    7〜70重量部、分散剤=3〜30重量部であることを
    特徴とする水性分散液組成物。 (a)軟化点160℃以下のアスファルト (b)下記(x)〜(z)から選ばれる熱可塑性樹脂の
    少なくとも1種 (x)軟化点160℃以下の石油樹脂 (y) 軟化点160℃以下のエチレン・酢酸ビニル共重
    合樹脂 (z) 廃ポリエチレン、廃塩化ビニル、廃ポリスチレ
    ン、廃ポリプロピレン等から選ばれる少なくとも1種を
    含む融点が160℃以下の廃プラスチック
  2. 【請求項2】予め加温された混練機に原料と分散剤を投
    入し、次いで剪断力を加えて混練し、次いで少量の水を
    加え原料を軟化点以上まで昇温し、次いで原料の軟化・
    混合状態の終点を確認した後、水を加えて所定濃度の水
    性分散液を製造する方法において、原料として下記
    (a)又は(b)から選ばれる少なくとも1種を用い、
    原料と分散剤の配合比が原料=97〜70重量部、分散
    剤=3〜30重量部であり、かつ分散剤として重合度3
    00〜3,000、鹸化度70〜98%であり予め水で
    6時間を越える時間放置して膨潤させた部分鹸化ポリビ
    ニルアルコールを用いることを特徴とする水性分散液組
    成物の製造方法。 (a)軟化点160℃以下のアスファルト (b)下記(x)〜(z)から選ばれる熱可塑性樹脂の
    少なくとも1種 (x)軟化点160℃以下の石油樹脂 (y) 軟化点160℃以下のエチレン・酢酸ビニル共重
    合樹脂 (z) 廃ポリエチレン、廃塩化ビニル、廃ポリスチレ
    ン、廃ポリプロピレン等から選ばれる少なくとも1種を
    含む融点が160℃以下の廃プラスチック
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6238082B1 (en) * 1998-10-16 2001-05-29 Akira Takemura Process for producing aqueous dispersion of a polymer substance
JP2002371135A (ja) * 1998-10-16 2002-12-26 Sansei Kako Kk 水性分散液の製造方法
WO2009142335A1 (ja) * 2008-05-23 2009-11-26 住友化学株式会社 α-オレフィン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体含有水性エマルション及びその製造方法

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