JPH07303688A - 移動する気体中に存在する微生物等の殺菌方法と殺菌装置 - Google Patents

移動する気体中に存在する微生物等の殺菌方法と殺菌装置

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JPH07303688A
JPH07303688A JP6124536A JP12453694A JPH07303688A JP H07303688 A JPH07303688 A JP H07303688A JP 6124536 A JP6124536 A JP 6124536A JP 12453694 A JP12453694 A JP 12453694A JP H07303688 A JPH07303688 A JP H07303688A
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microorganisms
corona discharge
ultraviolet rays
lamp
ultraviolet radiation
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Katsumi Sato
克己 佐藤
Hideto Takahashi
秀人 高橋
Soichiro Sakata
総一郎 阪田
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Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空調設備の給気ダクト内の空気のように移動
する気体中に存在する微生物等を十分に殺菌できる殺菌
方法と殺菌装置を提供する。 【構成】 移動する気体中に存在する微生物等に,負コ
ロナ放電もしくは正コロナ放電により発生させた負イオ
ンもしくは正イオンを付着させることにより該微生物等
を負もしくは正に帯電させ,その負もしくは正に帯電し
た微生物等を正もしくは負の、または接地した集塵電極
に捕集し,該捕集した微生物等に紫外線を照射すること
により殺菌を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば医療施設,食品
製造施設,半導体製造施設,バイオテクノロジー関連施
設などのような清潔さが要求される設備に供給する清浄
空気を作り出すために,気体中に存在するビールス,黴
類,ダニなどの微生物等,その他の塵,油煙などをその
供給途中において捕集し,紫外線照射やオゾンによって
殺菌する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】1934年にアメリカのゼネラルエレク
トリック社で開発された低圧水銀放電による紫外放射ラ
ンプが最初の殺菌ランプである。また,同社のLuckies
H.M.による研究結果が1946年に発表され,基本的な
殺菌ランプの利用技術の体系が作られた。
【0003】一方,我国においても,食品添加物の規制
により防腐剤や殺菌剤の使用が制限されるようになっ
て,食品製造工場などの環境を衛生に保つために殺菌ラ
ンプが使われるようになり,その使用が一般化してい
る。また,最近では,エイズ対策用として理容器具や美
容器具の消毒,半導体の製造工程で使用される洗浄水の
殺菌,バイオテクノロジー関連施設における空気や水の
殺菌など,殺菌ランプは工業用に広く使われている。
【0004】従来の殺菌ランプの型式には,例えば図2
6に示すようなホルダ型の殺菌ランプ100,図27に
示すような壁付け型の殺菌ランプ101,図28に示す
ような吊り下げ型の殺菌ランプ102などがある。ま
た,殺菌ランプ自体の形状にも種々のものがあり,例え
ば図29に示すような螺旋状の殺菌ランプ103,螺旋
状で片側支持の殺菌ランプ104,ケース付きの殺菌ラ
ンプ105,直線形状の殺菌ランプ106,107,1
08,円形状の殺菌ランプ109,W字形状の殺菌ラン
プ110,U字形状の殺菌ランプ111,片側支持の殺
菌ランプ112,球形状の殺菌ランプ113,長円形状
の殺菌ランプ114,小型サイズの殺菌ランプ115な
どが知られている。そして,従来は,以上のような殺菌
ランプを施設の天井面や壁面に設置して,施設内雰囲気
に紫外線を照射することにより気体中に存在する微生物
等を殺菌するようにしている。
【0005】また,以上のような殺菌ランプをケース内
に設置し,施設内雰囲気を該ケース内に順次少しづつ循
環させながらケース内で紫外線を照射して,その後照射
済みの空気を施設内に戻すことにより施設内雰囲気全体
を殺菌するエアハンドリングユニットタイプの屋内据え
付け型の殺菌装置も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし,以上のように
施設内雰囲気に紫外線を直接照射して殺菌する場合,空
気中の酸素に紫外線が照射されたことによってオゾンが
発生し,施設内の環境を悪化させるといった懸念があっ
た。オゾンは毒性が強く,0.01ppm程度の濃度で
も健康障害を引き起こす恐れがある。
【0007】一方,施設内に給気する空調設備において
空気中に存在する微生物等を予め殺菌させることも考え
られる。しかし,例えば空調設備の給気ダクト中に紫外
放射ランプを設けてダクト内を流れる空気に紫外線を照
射した場合,空気中に存在する微生物等に対して照射さ
れる紫外線量は殺菌線照度と照射時間の積となり,照射
域を通過する給気速度と反比例する。また,給気ダクト
内に殺菌ランプを数箇所に配置しても,通常数m/sの
給気速度を有するダクト内空気中に存在している微生物
に紫外線が照射される時間はせいぜい数秒にしかならな
い。このような短時間の照射によって移動する空気中に
存在している微生物を十分に殺菌することは到底不可能
である。
【0008】また,エアハンドリングユニットタイプの
屋内据え付け型の殺菌装置にあっては,十分な照射時間
を得るために装置内の処理風速をあまり早くすることが
できないため,処理能力が小さく,施設内の全空気を処
理するために極めて長い時間を要していた。
【0009】本発明は,以上のような空調設備の給気ダ
クト内の空気のように,移動する気体中に存在する微生
物等を十分に殺菌できる殺菌方法と殺菌装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の殺菌方法は,移
動する気体中に存在する微生物等に,負コロナ放電もし
くは正コロナ放電により発生させた負イオンもしくは正
イオンを付着させることにより該微生物等を負もしくは
正に帯電させ,その負もしくは正に帯電した微生物等を
正もしくは負の,または接地した集塵電極に捕集し,該
捕集した微生物等に紫外線を照射することにより殺菌を
行うことを特徴とする。
【0011】また,この殺菌方法において, ・微生物等に波長が100〜280nmの紫外線を照射
することにより殺菌を行うこと ・波長が200nm以下の紫外線を気体中に照射してオ
ゾンを発生させ,上記捕集された微生物等がそのオゾン
によっても殺菌されるように構成したこと を特徴とする。
【0012】そして,本発明の殺菌装置は,気体が移動
する流路の途中に紫外線を照射できる紫外放射ランプと
負コロナ放電もしくは正コロナ放電により負イオンもし
くは正イオンを発生させる直流コロナ放電電極を配置す
ると共に,該紫外放射ランプからの紫外線が照射される
位置であって,かつ直流コロナ放電電極よりも流路の下
流側に正もしくは負の,または接地した集塵電極を配置
したことを特徴とする。
【0013】また,この殺菌装置において, ・気体が移動する流路は空調設備の給気ダクトであるこ
と ・紫外放射ランプは波長が100〜280nmの紫外線
を照射するものであること ・紫外放射ランプは低圧水銀放電ランプであること ・紫外放射ランプの表面に清浄空気を吹き付けるノズル
を設けたこと ・紫外放射ランプから波長が200nm以下の紫外線を
気体中に照射してオゾンを発生させ,上記捕集された微
生物等がそのオゾンによっても殺菌されるように構成し
たこと ・気体が移動する流路の下流側にオゾン分解器を設けた
こと ・紫外放射ランプ及び直流コロナ放電電極よりも流路の
上流側に移動する気体中に存在する粒子を粗取りするプ
レフィルタを設けたこと を特徴とする。
【0014】
【作用】上述したように,空調設備の給気ダクト中など
における移動している気体に紫外線を照射して,気体中
に浮遊している微生物等を殺菌しようとしても,照射時
間が短いために十分な殺菌効果は期待できない。そこ
で,本発明にあっては,移動する気体中に存在する微生
物等を捕集し,その捕集された微生物等に紫外線を照射
することにより確実な殺菌を行うようにしたものであ
る。
【0015】微生物等を捕集する方法には,移動する気
体中に存在する微生物等に,負コロナ放電もしくは正コ
ロナ放電により発生させた負イオンもしくは正イオンを
付着させることにより該微生物等を負もしくは正に帯電
させ,その負もしくは正に帯電した微生物等を正もしく
は負の,または接地した集塵電極に捕集するといった方
法が採用される。
【0016】即ち,気体が移動する流路内において直流
コロナ放電電極から負イオンまたは正イオンを放出さ
せ,そのイオンを気体中に浮遊状態で存在するビール
ス,細菌などの微生物やその他の塵,油煙などの微粒子
に付着させて,微生物等を負または正に帯電させる。そ
して,流路内に正もしくは負の,または接地した集塵電
極を設けておくことにより,帯電させた微生物等をその
電極に電気引力で吸着させて,捕集する。
【0017】そして,集塵電極に捕集した微生物等に,
波長が100〜280nmの紫外線を紫外放射ランプか
ら照射する。しかして,このように捕集状態において微
生物等に長時間にわたって紫外線を照射することによ
り,確実な殺菌ができるようになる。
【0018】このように気体中に存在する微生物等をコ
ロナ放電を利用して集塵する技術は,電気集塵機として
従来から周知である。空調用としても,例えば「静電気
の辞典」(朝倉書店発行 P237〜238)には,平
板形状2段形の湿式の電気集塵機が記載されている。本
願発明においては,コロナ放電を利用して気体中に存在
する微生物等を集塵して紫外線を照射することにより,
それらを完全に死滅させようとするものである。
【0019】直流コロナ放電電極としては,例えばタン
グステンのような導電性材料を針状に加工した放電電極
を構成する。そのような放電電極に負極性もしくは正極
性の高圧直流電圧を印加することによってコロナ放電を
発生させることができる。なお,直流コロナ放電電極に
負極性の高圧直流電圧を印加する場合には,その近傍に
正極性の直流電圧を加えた対向電極や接地した対向電極
を配置することによって,低い印加電圧でもコロナ放電
を発生させることが可能になる。また同様に,直流コロ
ナ放電電極に正極性の高圧直流電圧を印加する場合に
は,その近傍に負極性の直流電圧を加えた対向電極や接
地した対向電極を配置することによって,低い印加電圧
でもコロナ放電を発生させることが可能になる。
【0020】ここで,国際照明委員会によれば,波長領
域によって紫外線は表1のように分類されている。
【0021】
【表1】
【0022】微生物を殺菌する作用は,主に波長が10
0〜280nmの範囲にある紫外線を照射して,微生物
細胞中のDNAを損傷させることによって生じる。図2
5に示されるように,紫外線の殺菌作用は,その波長域
が250nm〜260nmのときが最大となる。本発明
にあっては,上述のように流路中の設置した集塵電極や
除塵用フィルタで捕集した微生物等に,主に波長が10
0〜280nmの範囲にある紫外線を紫外放射ランプか
ら照射して殺菌を行う。
【0023】そして,低圧水銀放電ランプによれば水銀
の共鳴線254nmの紫外放射によって,殺菌作用が最
も強い範囲の紫外線を照射することができる。従って,
低圧水銀放電ランプは本発明において好適に利用され
る。
【0024】なお,従来より波長が254nm近傍の紫
外線(殺菌線)を照射して殺菌を行う殺菌ランプが知ら
れている。この殺菌ランプは,通常は低圧水銀放電ラン
プを意味し,殺菌線とは波長が254nmの水銀の共鳴
線を意味する。但し,一般の殺菌ランプは,オゾンの発
生をなくすために殺菌ランプのガラス管の透過特性を調
整し,波長が200nm以下の紫外放射を吸収するよう
にしている。そこで,本発明では,紫外放射ランプから
波長が200nm以下の紫外線を気体中に積極的に照射
させることによりオゾンを発生させ,上記したように集
塵電極や除塵用フィルタに捕集した微生物等をそのオゾ
ンによっても殺菌できるようにも構成している。
【0025】なお,微生物を殺菌するのに必要な紫外線
の照射量は微生物の種類によって異なるため,紫外線の
照度や照射時間は気体中に存在する微生物の種類に応じ
て制御しなければならない。ここで,殺菌線(波長が2
54nmの水銀の共鳴線)を種々の微生物に照射した場
合の殺菌線量(殺菌線の照度と照射時間との積)と殺菌
率(1−生残率)の関係を表2〜5に示す。微生物の生
残率は殺菌線量に対し指数関数的に減少する関係にあ
り,90%の殺菌線量の2倍の殺菌線量で99%の殺菌
率が得られ,3倍の殺菌線量で99.9%,4倍で99.
99%の殺菌率が得られる。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【実施例】以下,空調設備の給気ダクトに本発明の実施
例を適用した例をもとにして説明する。
【0031】図1は本発明実施例にかかる殺菌装置を備
えた給気ダクト1の説明図であり,図中右方向に気流が
生じている。給気ダクト1の上流側(左側)は送風機ダ
クトに接続されている。以上のような給気ダクト1の内
部に紫外線を照射する紫外線照射ランプ2を取り付け
る。この実施例の紫外放射ランプ2は低圧水銀放電ラン
プであり,波長が254nm近傍の紫外線(殺菌線)を
主に照射する。
【0032】紫外放射ランプ2の下流側にコロナ放電に
よりイオンを発生させる直流コロナ放電電極3を設け
る。実施例の直流コロナ放電電極3は負のイオン5を発
生させる負直流コロナ放電電極であり,この直流コロナ
放電電極3から発生された負のイオン5が給気ダクト1
の内部に存在している微生物等6に付着し,該微生物等
6を負に帯電させる。直流コロナ放電電極3にはタング
ステンのような導電性材料からなる放電電極針4が多数
取り付けてある。
【0033】この直流コロナ放電電極3の下流側には,
集塵電極7を配置する。集塵電極7は,例えばステンレ
ス鋼板や亜鉛鉄板などの導電性材料で形成する。
【0034】以上のような直流コロナ放電電極3に電源
8の負の直流電圧を印加し,集塵電極7に電源8の正の
直流電圧を印加する。なお,集塵電極7を接地する構成
としても良い。従って,給気ダクト1の内部において集
塵電極7から直流コロナ放電電極3に向かう電界が形成
され,上述の負のイオン5の付着により負に帯電させら
れた微生物等6が,この電界とは逆向きの方向に引き寄
せられて,微生物等6は集塵電極7に吸着捕集される。
【0035】かくして,以上に説明した殺菌装置によれ
ば,給気ダクト1中において直流コロナ放電電極3から
負イオン5を放出させ,そのイオン5を気流中に浮遊状
態で存在するビールス,細菌などの微生物やその他の
塵,油煙などの微粒子等6に付着させて,微生物等6を
負に帯電させる。そして,給気ダクト1の下流側に設け
た集塵電極7に電気引力で吸着させて,捕集する。そし
て,このように集塵電極7に捕集した微生物等6に,波
長が100〜280nm紫外線を紫外放射ランプ2から
照射する。しかして,このように捕集状態において微生
物等6に長時間にわたって紫外線を照射することによ
り,確実な殺菌を行うことができる。
【0036】なお,この実施例のように,紫外放射ラン
プ2の下流側に直流コロナ放電電極3を設置することに
よって,直流コロナ放電電極3より発生したイオンが紫
外放射ランプ2によって遮られず,イオンが紫外放射ラ
ンプ2の表面に付着したりすることがないので,直流コ
ロナ放電電極3より発生したイオンが有効に活用され
て,集塵電極7への微生物等6の捕集効率が向上すると
いった利点がある。また,イオンによって帯電された微
生物等6が紫外放射ランプ2に付着しないので,ランプ
の放射面が微生物6によって汚されるといった問題も生
じない。但し,この実施例の場合,紫外放射ランプ2か
ら放射された紫外線の一部が下流側の直流コロナ放電電
極3によって遮られ,その部分においては微生物の殺菌
が有効に行われなくなる心配がある。そこで,かかる心
配を減らすために,このように紫外放射ランプ2の下流
側に直流コロナ放電電極3を設置する場合は,直流コロ
ナ放電電極3の大きさをなるべく小さくして集塵電極7
に生じる紫外線の影部分を少なくするように構成するこ
とが望ましい。
【0037】次に,紫外放射ランプから波長が200n
m以下の紫外線を気体中に照射してオゾンを発生させ,
微生物等がそのオゾンによっても殺菌されるように構成
した殺菌装置の実施例を説明する。
【0038】図2に示すものは,微生物等をオゾンによ
っても殺菌できるように構成された本発明実施例にかか
る殺菌装置を備えた給気ダクト10の説明図であり,図
中右方向に気流が生じている。給気ダクト10の上流側
(左側)は送風機ダクトに接続されている。以上のよう
な給気ダクト10の内部に紫外線照射ランプ11を取り
付ける。この実施例の紫外放射ランプ11の紫外放出面
は石英ガラスで構成される。これにより,給気ダクト1
0の内部において波長が254nm近傍の紫外線(殺菌
線)を照射すると同時に,波長が185nm近傍の紫外
線を給気中に放射してオゾンを発生させることができ
る。
【0039】なお,先に図1で説明したものと同様に,
紫外放射ランプ11の下流側に多数の放電電極針12を
備える直流コロナ放電電極13を設け,直流コロナ放電
電極13の下流側に集塵電極15を配置する。直流コロ
ナ放電電極13に電源16の負の直流電圧を印加し,集
塵電極15に電源16の正の直流電圧を印加する。な
お,集塵電極15を接地する構成としても良い。こうし
て,給気ダクト10の内部において集塵電極15から直
流コロナ放電電極13に向かう電界を形成し,負のイオ
ン18の付着により負に帯電させられた微生物等20
を,集塵電極15に吸着捕集できる構成とする。
【0040】しかして,この実施例によれば,次の作用
を奏する。即ち,波長が254nm近傍の紫外線には微
生物に対する殺菌作用があり,また,波長が185nm
近傍の紫外線には給気中の酸素を反応させてオゾンを発
生させる作用がある。従って,紫外放射ランプ11によ
って,波長が254nm近傍の紫外線の他に波長が18
5nm近傍の紫外線を照射して,オゾンを発生させ,殺
菌力効果を更に高めることが可能になる。また,波長が
254nm近傍の紫外線とオゾンとの反応によってラジ
カル酸素が生成され,そのラジカル酸素と波長が254
nm近傍の紫外線との複合的な化学反応により,微生物
を含む有機物全般の分解が更に促進される。
【0041】なお,このようにラジカル酸素と紫外線と
の複合的な化学反応によって有機物の分解を促進させる
反応は,例えば,液晶基板ガラスやシリコンウエハの精
密洗浄,ポリエチレンフィルムの親水化処理などの分野
において,UV/O3ドライ洗浄として従来から用いら
れている。表6に各種の有機化合物における原子間の化
学結合エネルギーを示し,また,UV/O3洗浄の原理
を表7に示す。
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】波長が254nm近傍の紫外線の有するエ
ネルギーは約113kcal/molであり,波長が1
85nm近傍の紫外線の有するエネルギーは約155k
cal/molであるから,これらの紫外線が有する光
エネルギーは大部分の原子間の化学結合エネルギーより
大きい。従って,給気ダクト10の内部に存在する微生
物等に波長が254nm近傍の紫外線と波長が185n
m近傍の紫外線を照射することによって,その結合を切
断し,揮発物質に分解することができる。
【0045】かくして,先に図1で説明した場合と同様
に,給気ダクト10中において直流コロナ放電電極13
から負イオン18を放出させ,そのイオン18を気流中
に浮遊状態で存在する微粒子等20に付着させて負に帯
電させる。そして,給気ダクト10の下流側に設けた集
塵電極15に電気引力で吸着させて,捕集する。このよ
うに集塵電極15に微生物等20を捕集した状態におい
て長時間にわたって紫外線を照射することにより,確実
な殺菌を行うことができる。
【0046】そして,本実施例の殺菌装置によれば,波
長が185nm近傍の紫外線が給気中に放射されたこと
によってオゾンが発生し,集塵電極15に吸着捕集され
た微生物等20はそのオゾンに曝され続ける。これによ
り,微生物等20を完全に死滅させ,殺菌がより確実と
なる。
【0047】但し,本実施例のようにオゾンを発生させ
た場合には,表7の式(3),(4)の反応で分解でき
なかったオゾンが,そのまま給気ダクト10を通過して
空調空間に供給されてしまう恐れがある。オゾンは微生
物の殺菌や有機物の分解には有効であるが,人間の健康
には有害である。従って,給気中のオゾンの濃度が0.
01ppmを超えてしまうことのないように配慮する必
要がある。
【0048】そこで,本実施例のように給気中に波長が
185nm近傍の紫外線を放射してオゾンを発生させる
ような場合には,給気ダクト10の内部において流路の
下流側にオゾン分解器(図示せず)を設けると良い。オ
ゾン分解器には,触媒型と紫外放射ランプ型がある。な
お,触媒型は通気抵抗がかなり大きいのに比べて,紫外
放射ランプ型は通気抵抗がほとんどない点で,移動する
気体を対象としている本発明に適している。
【0049】紫外放射ランプ型は,波長が254nm近
傍の紫外線は含むが,波長が185nm近傍の紫外線は
含まない紫外線を照射する紫外照射ランプを備えたオゾ
ン分解器である。表7の式(1)(2)に示したよう
に,波長が185nm近傍の紫外線は給気中の酸素分子
を分解させてオゾンを発生させるが,式(3)に示した
ように,波長が254nm近傍の紫外線は逆にオゾンを
分解させる作用がある。従って,殺菌処理後の給気に対
し,波長が254nm近傍の紫外線は含むが波長が18
5nm近傍の紫外線は含まない紫外線を照射すれば,式
(3)に示した作用によって残存オゾンを完全に分解で
きる。
【0050】なお,近年の事務オフィスで使用される複
写機やレーザプリンタには,稼働時に発生するオゾンを
分解する触媒型のオゾン分解器が内蔵されている。本発
明において,そのようなオゾン分解器を利用することも
できる。
【0051】しかして本発明の基本構成について説明し
たが,本発明は以上に説明した実施例に限定されないこ
とはもちろんであり,適宜変形実施することが可能であ
る。以下に,変形実施例について詳述する。
【0052】(紫外放射ランプ)紫外放射ランプ2及び
11(以下,単に「紫外放射ランプ2」とする)は,例
えば以下の構成とすることができる。
【0053】図3,4に示すように,紫外放射ランプ2
の上方には入り口21から供給された清浄空気を溜める
チャンバー22があり,このチャンバー22の下側に形
成されたノズル23,24,25から紫外放射ランプ2
の表面に清浄空気が吹き付けられる。図3に示すよう
に,ノズル23,24,25は紫外放射ランプの全長に
わたって設けられ,チャンバー22に圧入されてノズル
23,24,25から吹き付けられた清浄空気は紫外放
射ランプ2の表面を包み込むように流れ,ランプ表面に
給気中の塵や油煙などが付着するのを防止する。これに
より,給気ダクト1及び10(以下,単に「給気ダクト
1」とする)の断面全体に紫外線がむらなく照射される
ようになる。
【0054】紫外放射ランプ2には給気ダクト1内を流
れる気体が常に接触するので,時間の経過と共に給気中
の塵や油煙などがランプ表面に付着し,ランプ表面にお
ける紫外線の透過率が低下するという問題がある。例え
ば紫外放射ランプ2からの照射量が約70%に低下する
と,初期に比べて約40%程度の過剰の出力が必要とな
り,不経済である。本実施例の如く紫外放射ランプ2の
表面にノズル23,24,25から清浄空気を吹き付け
られる構成とすれば,ランプ表面に給気中の塵や油煙な
どが付着するのを防止でき,長時間の運転によっても紫
外線の透過率は下がることがなく,従って,ランプ出力
を上げる必要がない。
【0055】図5,図6は紫外放射ランプ2の背部にL
字型のチャンバー30を設けた実施例を示す正面図と断
面図である。L字型のチャンバー30の内側三箇所には
ノズル31,32,33が形成され,入り口35からチ
ャンバー30に圧入されてノズル31,32,33から
吹き付けられた清浄空気が紫外放射ランプ2の表面を包
み込むように流れ,ランプ表面に給気中の塵や油煙など
が付着するのを防止する。チャンバー30をL字型に形
成し,紫外放射ランプ2を全体的に包み込むように形成
しているので,紫外放射ランプ2の照射面に特に良好に
清浄空気を吹き付けることができる。
【0056】図7,図8に,ランプソケット40で片持
ち支持された紫外放射ランプ2の基端部に円筒のチャン
バー41を設け,該チャンバー41に環状のノズル42
を形成した実施例を示す。この実施例によれば,片持ち
支持の構造でありながら,入り口43からチャンバー4
1に圧入された清浄空気が環状ノズル42から吹き出し
て紫外放射ランプ2の表面を包み込むように流れ,ラン
プ表面に給気中の塵や油煙などが付着するのを防止する
ことができる。
【0057】図9は紫外放射ランプ2の背部に円弧状の
チャンバー50を設けた実施例を示す断面図である。円
弧状のチャンバー50の内側三箇所にはノズル51,5
2,53が形成され,入り口54からチャンバー50に
圧入されてノズル51,52,53から吹き付けられた
清浄空気が紫外放射ランプ2の表面を包み込むように流
れ,ランプ表面に給気中の塵や油煙などが付着するのを
防止する。また,この実施例では,チャンバー50の内
側に,紫外線の反射板55を装着して,紫外放射ランプ
2からの紫外線を効率よく給気ダクト1内を流れる気体
全体に照射できるように構成している。
【0058】かかる構成によれば,ノズル51,52,
53から吹き付けられた清浄空気によってランプ表面に
給気中の塵や油煙などが付着するのを防止できると共
に,紫外放射ランプ2からの紫外線を直接光と反射光を
利用して,給気ダクト1の断面全体に紫外線をむらなく
均一に照射できる。
【0059】その他,例えば給気ダクト1の中に多数の
紫外放射ランプ2を配設した構成とすることもできる。
そのように多数の紫外放射ランプ2を配設することによ
って,給気ダクト1の断面全体に紫外線を均等に行き渡
らせることができ,漏れのない完全な殺菌ができるよう
になる。
【0060】(直流コロナ放電電極)直流コロナ放電電
極3及び13(以下,単に「直流コロナ放電電極3」と
する)は,例えば以下の構成とすることができる。
【0061】図10は,直流コロナ放電電極3を最も上
流側に設置し,紫外放射ランプ2を直流コロナ放電電極
3の下流側に設置し,更に,その下流側に正の集塵電極
7を設置した実施例を示している。この実施例によれ
ば,紫外放射ランプ2から照射された紫外線が直流コロ
ナ放電電極3によって遮られることなく,障害物のない
状態で集塵電極7に到達することとなり,直流コロナ放
電電極3の存在によって影ができることによる殺菌漏れ
といった心配が解消される。他方,このように直流コロ
ナ放電電極3の下流側に紫外放射ランプ2を設置した場
合は,直流コロナ放電電極3より発生したイオンが紫外
放射ランプ2によって遮られることとなるので,イオン
及びイオンを帯電した微生物等6が紫外放射ランプ2の
周囲に付着して放射面を汚し,運転時間が長くなるにつ
れて紫外放射量が減少するといった問題を生ずる。そこ
で,このような不具合を防ぐために,直流コロナ放電電
極3の下流側に紫外放射ランプ2を設置する場合は,先
に図3〜図9で説明したような,ランプ表面に清浄空気
を吹き付ける構成を採用すると良い。
【0062】ここで,先に図1及び図2で説明したよう
に,直流コロナ放電電極3によって負のイオンを発生さ
せた場合は,正のイオンを発生させた場合に比べて若干
高い放電流が得られるので,微生物等をイオン化する際
に有利である。しかし,負のイオンを発生させるコロナ
放電を行った場合は,正のイオンを発生させるコロナ放
電を行った場合に比べてオゾンを10倍も多く発生させ
るといった問題がある。オゾンは0.2ppm以上で人
体への慢性暴露障害を引き起こす。そこで,オゾンの発
生を特に減らす必要があるときは,直流コロナ放電電極
3に正の高圧直流電圧を印加することによって直流コロ
ナ放電電極3から正のイオンを発生させると良い。この
場合,微生物等は正に帯電されるので,集塵電極7及び
15には負の直流電圧を印加するか,または接地して,
微生物等を捕集する。
【0063】その他,例えば給気ダクト1の中に多数の
直流コロナ放電電極3を配設した構成とすることもでき
る。図11は気流の流れ方向と直交する3機の直流コロ
ナ放電電極3を給気ダクト1の天井面に設置した実施例
を示す斜視図であり,このように直流コロナ放電電極3
を給気ダクト1の中に多数配設することによって,給気
ダクト1の断面全体にイオンを均等に行き渡らせ,気流
中に浮遊状態で存在するビールス,細菌などの微生物を
すべて帯電させることができ,漏れのない完全な捕集及
び殺菌ができるようになる。なお、図示はしないが、例
えば気流の流れ方向と平行な複数機の直流コロナ放電電
極3を給気ダクト1の天井面に設置する,気流の流れ方
向と平行な直流コロナ放電電極3を給気ダクト1の天井
面と床面にそれぞれ設置する、気流の流れ方向と直交す
る直流コロナ放電電極3を給気ダクト1の天井面と床面
にそれぞれ設置するといったことももちろん可能であ
る。なお,図11に示した実施例のように,給気ダクト
1の内壁面の一部(図示の例では天井面)に直流コロナ
放電電極3を取り付けた場合は,直流コロナ放電電極3
を取り付けた面と対向する面(図示の例では床面)を導
電性材料で構成し,該面に直流コロナ放電電極3と逆の
極性の電圧を印加するか,または接地することによって
床面等を電極に構成して,微生物等を捕集することもで
きる。
【0064】また、直流コロナ放電電極3を網状に形成
して,放電電極針4及び12(以下,単に「放電電極針
4」とする)を給気ダクト1の断面中の広い範囲におい
て取り付ける構成とすることも考えられる。図12は気
流の流れ方向と直交するように網状の直流コロナ放電電
極3を給気ダクト1の縦断面に設置した実施例を示す斜
視図である。また、図示はしないが、例えば網状の直流
コロナ放電電極3を給気ダクト1の天井面と床面にそれ
ぞれ設置するといったことも考えられる。更に,放電電
極針4の取り付け位置は,図13に示すように給気ダク
ト1に横設された直流コロナ放電電極3の下流側に設け
るようにしても良いが,図14に示すように給気ダクト
1に横設された直流コロナ放電電極3の上下にそれぞれ
設けることもできる。更にまた,図示はしないが、給気
ダクト1に立設された直流コロナ放電電極3の下流側に
設ける,給気ダクト1に立設された直流コロナ放電電極
3の左右にそれぞれ設ける,などといったことも考えら
れる。このように,直流コロナ放電電極3の設置方向は
給気ダクト1内において横設しても立設しもかまわない
が,何れの場合も気流に直交する方向に直流コロナ放電
電極3を設けるようにした方がイオン化の効率がよい。
また,図12に示した実施例のように,給気ダクト1内
の広い範囲においてコロナ放電を行えるように構成すれ
ば,気流中の微生物等を均一にイオン化できるといった
利点がある。
【0065】なお,図11乃至図14等で説明した直流
コロナ放電電極3の配置のバリエーションは,直流コロ
ナ放電電極3によって負のイオンを発生させる場合と,
正のイオンを発生させる場合の何れについても適用可能
である。
【0066】(集塵電極)集塵電極7及び15(以下,
単に「集塵電極7」とする)は,例えば以下の構成とす
ることができる。
【0067】図15は,格子状の集塵電極7を給気ダク
ト1の縦断面に設けた実施例を示す斜視図である。集塵
電極7には,帯電した微生物等を捕集するために,電源
8によって正もしくは負の直流電圧が印加されるか,ま
たは接地される。この実施例のように,集塵電極7を格
子形状に構成すると,給気ダクト1内の気流を乱すこと
が無く,微生物等を均一に捕集できるようになる。
【0068】図16,図17は,平板状の集塵電極7を
給気ダクト1内において気流の方向に平行に複数枚設け
た実施例を示す斜視図と正面図である。図示の例では,
集塵電極7に正の直流電圧を印加すると共に,複数枚の
集塵電極7の間に複数枚の対向電極60を介装させて,
それら対向電極60を接地することにより,集塵電極7
から対向電極60に向かう電界を形成している。従っ
て,この実施例によれば,直流コロナ放電電極3によっ
て負に帯電させられた微生物等6を,集塵電極7から対
向電極60に向かって形成された電界によって,効率よ
く引き寄せることができ,微生物等6を集塵電極7に確
実に吸着捕集できるといった利点がある。また,平板状
の集塵電極7を気流の方向に平行に設置しているので,
奥行きを持って微生物等を捕集できる。
【0069】(プレフィルタ)次に,以上に説明した本
発明の殺菌装置にあっては,給気ダクト1内において紫
外放射ランプ2及び直流コロナ放電電極3よりも更に上
流側に,微生物等を予め粗取りするプレフィルタを設け
るようにしても良い。図18は先に図1及び図2で説明
したように,給気ダクト1内において紫外放射ランプ2
が直流コロナ放電電極3の上流側に設けられたものにつ
いて,それらの更に上流側にプレフィルタ61を設けた
実施例を示したが,紫外放射ランプ2が直流コロナ放電
電極3の下流側に設けられたものについて,それらの更
に上流側にプレフィルタ61を設けることも可能であ
る。
【0070】この実施例のように,給気ダクト1内にお
いて紫外放射ランプ2及び直流コロナ放電電極3よりも
更に上流側にプレフィルタ61を設けて微生物等を予め
粗取りするによって,次のような利点がある。 ・紫外放射ランプ2については,ランプ表面に粒子やゴ
ミが付着することを防止でき,紫外放射ランプ2表面に
おける紫外線の透過率の低下といった問題を防止でき
る。 ・直流コロナ放電電極3については,直流コロナ放電電
極3上に粒子やゴミなどのダストが堆積すると,コロナ
電流が減少し,集塵効率が低下するといった問題が生ず
るが,プレフィルタ61を設けることによりこれの問題
を解消でき,集塵能力向上をはかることができる。 ・集塵電極7については,大量のゴミなどが集塵電極7
に付着して目詰まりを生じるといった問題を防止でき
る。
【0071】(紫外放射ランプ,直流コロナ放電電極,
集塵電極等の配置)紫外放射ランプ2,直流コロナ放電
電極3,集塵電極7等の配置は,例えば以下の構成とす
ることができる。
【0072】図19は,給気ダクト1内において紫外放
射ランプ2を直流コロナ放電電極3の上流側と下流側の
両方に設けた実施例を示している。これら紫外放射ラン
プ2の上流側に更にプレフィルタ61を設けることも可
能である。また,図20に示すように,給気ダクト1内
において,直流コロナ放電電極3の上流側に設置された
紫外放射ランプ2に,先に図9で説明した紫外線の反射
板55を装着することにより,紫外放射ランプ2からの
紫外線を効率よく集塵電極7に向けて照射できるように
構成することも有効である。このように反射板55を装
着したことにより,集塵電極7への紫外線の照射強度が
増し,殺菌効果が向上する。例えば,紫外放射ランプと
集塵電極の距離が200mmのとき,集塵電極上において
25地点で測定した紫外線の照射強度の平均値で比較す
ると,反射板がない場合は210μW/cm2であるのに対
して,反射板がある場合は819μW/cm2であり,反射
板を装着することにより,約4倍近くも紫外線の照射強
度を増加させることが可能である。
【0073】次に,図21は,給気ダクト1内におい
て,先に図2で説明した波長が200nm以下の紫外線
を照射することによりオゾンを発生させる紫外放射ラン
プ11を直流コロナ放電電極3の上流側に設け,先に図
1で説明した波長が254nm近傍の紫外線(殺菌線)
を主に照射する紫外放射ランプ2を直流コロナ放電電極
3の下流側に設けた実施例を示している。このように,
本発明の殺菌装置にあっては,オゾンを発生させる紫外
放射ランプ11と,殺菌線を主に照射する紫外放射ラン
プ2の両方を設置することもできる。また,これら紫外
放射ランプ11及び紫外放射ランプ2の更に上流側に,
更にプレフィルタ61を設けても良い。
【0074】次に,先に図2において説明したように,
紫外放射ランプ11により波長が200nm以下の紫外
線を照射してオゾンを発生させる場合には,表7の式
(3),(4)の反応で分解できなかったオゾンが,そ
のまま給気ダクト10を通過して空調空間に供給されて
しまう恐れがある。オゾンは微生物の殺菌や有機物の分
解には有効であるが,人間の健康には有害である。そこ
で,かかる場合には,図22に示すように,給気ダクト
10の内部において流路の下流側にオゾン分解器63を
設けると良い。オゾン分解器には,触媒型と紫外放射ラ
ンプ型があるが,触媒型は通気抵抗がかなり大きいのに
比べて,紫外放射ランプ型は通気抵抗がほとんどない点
で,移動する気体を対象としている本発明に適してい
る。また,近年の事務オフィスで使用される複写機やレ
ーザプリンタに内蔵されているようなオゾン分解器を利
用することもできる。また,紫外放射ランプ11の更に
上流側にプレフィルタ61を設けても良い。なお,先に
図10で説明したものと同様に,紫外放射ランプ11は
直流コロナ放電電極13の下流側に設置しても良く,ま
た,上流側にプレフィルタ61を設けることも可能であ
る。
【0075】(実験例)以下に,本発明の殺菌装置を用
いて実際に殺菌を行った実験を説明する。
【0076】(捕集効率の測定)先ず,コロナ放電によ
り負イオンを発生させて微粒子等を負に帯電させ,正の
集塵電極に捕集する実験を行った。微粒子等は0.7μ
mの枯草菌粒子を対象とした。枯草菌は,人体には無害
で,かつ紫外線照射などによる殺菌に対する耐性が極め
て強いという特性を有し,殺菌効果を確かめる実験に好
適に利用できる。また,近年の病院などにおいて院内感
染の原因となる黄色ブドウ状球菌などは数ミクロン程度
の大きさがあり,その他の感染力の強い菌なども気中浮
遊無生物粒子に付着して,通常は数ミクロン以上の大き
さの状態で存在する。従って,一般に集塵装置の特性と
して粒子径が大きくなるほど捕集効率は著しく上がるか
ら,0.7μmの枯草菌粒子に対して良好な捕集効率と
殺菌効率が得られれば,実用上十分な捕集効率と殺菌効
率が期待できる。
【0077】捕集効率の測定に用いた実験装置の概要を
図23に示す。両端にフィルタ68,69を取り付けた
断面積が280mm×180mmの流路70に空気と枯草菌
の粒子を流し,流路70中に設けた直流コロナ放電電極
71より負のイオンを発生させて,負に帯電させた粒子
を正の電圧を印加したステンレス製の集塵電極72に捕
集した。なお,直流コロナ放電電極71の放電電極針
は,流路70中に単位断面積当たりの本数密度が0.1
25本/cm2となるように均等に配置した。また,集塵
電極72の間には,複数枚の対向電極73を介装させ
て,それらを接地した。集塵電極72と対向電極73は
何れも厚みが0.5mmで大きさが140mm×180mmの
ステンレス板からなり,そのような集塵電極72と対向
電極73を,先に図16で説明したように構成して,流
路70の気流方向と平行となるように配置した。また,
直流コロナ放電電極71と,集塵電極72または対向電
極73の上流側端部との距離は10cmとした。なお,図
23では捕集効率の測定のみを目的としたので,殺菌灯
は取り付けていない。
【0078】集塵電極72の下流側において空気をサン
プリングし,浮遊粒子数濃度を測定した。集塵電極72
に正の電圧を印加しない場合をバックグランド濃度と
し,集塵電極72に正の電圧を印加した場合の濃度とバ
ックグラウンド濃度の比を透過率Pと定義し,(1−
P)を捕集効率ηと定義した。なお,流路70内を流れ
た空気は,フィルタ69を通過させた後,室内に流出さ
せた。測定結果を表8に示す。
【0079】
【表8】
【0080】表8に示されるように,気流速度1〜5m
/sの範囲において優れた捕集効率ηを示すことが分か
った。
【0081】(殺菌効果の確認)図24に示すように,
紫外線殺菌ランプ74を直流コロナ放電電極71よりも
10cm上流側に配置した。紫外線殺菌ランプ74は,
管長135mm,管径16mm,殺菌線出力0.5W,
波長253.7nm,殺菌線照度5.4μW/cm2(1
メートルの距離において)のものを使用した。その他
は,先に図23で説明したものと同様の構成である。
【0082】先ず,以上のような実験装置において,紫
外線殺菌ランプ74をOFFにしたまま,気流速度1.
0m/sの条件で枯草菌入りの空気を流した。複数枚の
ステンレス板で構成された集塵電極72の一枚当たりに
表裏合わせて5.6個/分の枯草菌が付着するような濃
度の枯草菌入り空気を供給した。約1時間処理を続け,
集塵電極72の一枚当たりに約300個の枯草菌が付着
したところで,枯草菌の供給を停止した。なお,1.0
m/sの無菌空気の送風はそのまま継続させた。この状
態で一時送風を止めて,集塵電極72板(A)を一枚を
取り出し,それに付着した菌体数を寒天培地法で調べ
た。次に,送風を再開し,紫外線殺菌ランプ74を90
分間照射した後,送風を止めて別の集塵電極72板
(B)を一枚を取り出した。紫外線殺菌ランプ74から
照射された紫外線は複数枚のステンレス板で構成された
集塵電極72の間を下流側へくぐり抜けた。集塵極板
(A)では290個の菌体数がカウントされたのに対し
て,集塵極板(B)では0個であった。従って,集塵電
極72に捕集された枯草菌は,殺菌線を90分間照射さ
れてことごとく死滅したことがわかる。
【0083】次に,図24に示すように,104個の枯
草菌を培養した寒天培地を入れた内径90mmのシャー
レ75を,直流コロナ放電電極71と集塵電極72の間
に置いて,1.0m/sの無菌空気を送風しながら紫外
線殺菌ランプ74を90分間照射したところ,枯草菌は
ことごとく死滅した。
【0084】以上のように,本発明による殺菌装置は,
気流速度1.0m/sの条件下では0.7μmの枯草菌の
如く実際の気中に浮遊している菌体よりもかなり小さい
ものですら100%の捕集性能を有する。そして,枯草
菌は殺菌耐性が極めて強いにもかかわらず,一時間半程
度紫外線に曝すことにより完全に死滅させることができ
た。本発明を実際に実施した場合は,集塵電極に捕集さ
れた微生物等は紫外線に曝されっぱなしになるから,本
発明の殺菌効果は非常に高いことが分かる。
【0085】しかして,以上に説明した本発明におい
て,給気ダクト内の下流側に更に除塵用フィルタを配設
して,集塵電極に捕集できなかった微生物等を下流側の
除塵用フィルタで完全に除去する構成を採ることも考え
られる。この場合,除塵用フィルタの前面(上流側面)
に紫外放射ランプから紫外線が照射されるようにすれ
ば,除塵用フィルタで捕捉した微生物を完全に死滅せし
めることが可能となる。
【0086】また,直流コロナ放電電極において負のイ
オンを発生させるコロナ放電を行う場合は,正のイオン
を発生させるコロナ放電を行う場合よりも,微生物等を
イオン化する際に有利である。しかし,負コロナ放電は
人体に有害なオゾンを10倍も多く発生させる懸念があ
る。そこで,図1で説明したような低圧水銀放電ランプ
からなる紫外放射ランプ2によって,オゾンを分解する
作用のある254nmの紫外線をコロナ放電部に照射で
きるように構成すれば,コロナ放電によって発生したオ
ゾンを分解でき,オゾン濃度を人体に害の無い程度にま
で低減させることができる。この場合,波長が254n
m近傍の紫外線とオゾンとの反応によってラジカル酸素
が生成され,そのラジカル酸素と波長が254nm近傍
の紫外線との複合的な化学反応により,微生物等を含む
有機物全般の分解が促進され,人体に有害なオゾンも分
解される。なお,オゾンを発生させないで殺菌を行う場
合には,紫外放射ランプのランプ面の透過特性を調整
し,200nm以下の,オゾン生成に関与する紫外線を
ランプ面で吸収して外に照射しないように構成すれば良
い。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば,空調設備の給気ダクト
内の空気のように移動する気体中に存在する微生物等を
確実に殺菌できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気ダ
クトの説明図
【図2】微生物等をオゾンによっても殺菌できるように
構成された本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの説明図
【図3】紫外放射ランプの正面図
【図4】図1におけるA−A断面矢視図
【図5】L字型のチャンバーの内側三箇所にノズルを形
成した実施例を示す紫外放射ランプの正面図
【図6】図5におけるB−B断面矢視図
【図7】環状のノズルを形成した実施例を示す紫外放射
ランプの正面図
【図8】環状のノズルを形成した実施例を示す紫外放射
ランプのC−C断面矢視図
【図9】背部に円弧状のチャンバーを設けた紫外放射ラ
ンプの断面図
【図10】直流コロナ放電電極を最も上流側に設置した
実施例を示す給気ダクトの説明図
【図11】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの斜視図
【図12】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの斜視図
【図13】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの斜視図
【図14】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの斜視図
【図15】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの斜視図
【図16】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの斜視図
【図17】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの説明図
【図18】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの説明図
【図19】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの説明図
【図20】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの説明図
【図21】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの説明図
【図22】本発明実施例にかかる殺菌装置を備えた給気
ダクトの説明図
【図23】本発明の実験例の説明図
【図24】本発明の実験例の説明図
【図25】紫外線の波長と作用の関係を示すグラフ図
【図26】ホルダ型の殺菌ランプの斜視図
【図27】壁付け型の殺菌ランプの斜視図
【図28】吊り下げ型の殺菌ランプの斜視図
【図29】殺菌ランプの形状の説明図
【符号の説明】
1 給気ダクト 2 紫外放射ランプ 3 直流コロナ放電電極 7 集塵電極

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する気体中に存在する微生物等に,
    負コロナ放電により発生させた負イオンを付着させるこ
    とにより該微生物等を負に帯電させ,その負に帯電した
    微生物等を正の,または接地した集塵電極に捕集し,該
    捕集した微生物等に紫外線を照射することにより殺菌を
    行うことを特徴とする移動する気体中に存在する微生物
    等の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 移動する気体中に存在する微生物等に,
    正コロナ放電により発生させた正イオンを付着させるこ
    とにより該微生物等を正に帯電させ,その正に帯電した
    微生物等を負の,または接地した集塵電極に捕集し,該
    捕集した微生物等に紫外線を照射することにより殺菌を
    行うことを特徴とする移動する気体中に存在する微生物
    等の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 微生物等に波長が100〜280nmの
    紫外線を照射することにより殺菌を行うことを特徴とす
    る請求項1または2に記載された移動する気体中に存在
    する微生物等の殺菌方法。
  4. 【請求項4】 波長が200nm以下の紫外線を気体中
    に照射してオゾンを発生させ,上記捕集された微生物等
    がそのオゾンによっても殺菌されるように構成したこと
    を特徴とする請求項1,2,3の何れかに記載された移
    動する気体中に存在する微生物等の殺菌方法。
  5. 【請求項5】 気体が移動する流路の途中に紫外線を照
    射できる紫外放射ランプと負コロナ放電により負イオン
    を発生させる直流コロナ放電電極を配置すると共に,該
    紫外放射ランプからの紫外線が照射される位置であっ
    て,かつ直流コロナ放電電極よりも流路の下流側に正
    の,または接地した集塵電極を配置したことを特徴とす
    る移動する気体中に存在する微生物等の殺菌装置。
  6. 【請求項6】 気体が移動する流路の途中に紫外線を照
    射できる紫外放射ランプと正コロナ放電により正イオン
    を発生させる直流コロナ放電電極を配置すると共に,該
    紫外放射ランプからの紫外線が照射される位置であっ
    て,かつ直流コロナ放電電極よりも流路の下流側に負
    の,または接地した集塵電極を配置したことを特徴とす
    る移動する気体中に存在する微生物等の殺菌装置。
  7. 【請求項7】 気体が移動する流路は空調設備の給気ダ
    クトであることを特徴とする請求項5または6に記載さ
    れた移動する気体中に存在する微生物等の殺菌装置。
  8. 【請求項8】 紫外放射ランプは波長が100〜280
    nmの紫外線を照射するものであることを特徴とする請
    求項5,6,7の何れかに記載された移動する気体中に
    存在する微生物等の殺菌装置。
  9. 【請求項9】 紫外放射ランプは低圧水銀放電ランプで
    あることを特徴とする請求項5,6,7の何れかに記載
    された移動する気体中に存在する微生物等の殺菌装置。
  10. 【請求項10】 紫外放射ランプの表面に清浄空気を吹
    き付けるノズルを設けたことを特徴とする請求項5,
    6,7,8,9の何れかに記載された移動する気体中に
    存在する微生物等の殺菌装置。
  11. 【請求項11】 直流コロナ放電電極を紫外線ランプよ
    りも流路の上流側に設けたことを特徴とする請求項5,
    6,7,8,9,10の何れかに記載された移動する気
    体中に存在する微生物等の殺菌装置。
  12. 【請求項12】 気体が移動する流路の下流側にオゾン
    分解器を設けたことを特徴とする請求項5,6,7,
    8,9,10,11の何れかに記載された移動する気体
    中に存在する微生物等の殺菌装置。
  13. 【請求項13】 紫外放射ランプ及び直流コロナ放電電
    極よりも流路の上流側に移動する気体中に存在する粒子
    を粗取りするプレフィルタを設けたことを特徴とする請
    求項5,6,7,8,9,10,11,12の何れかに
    記載された移動する気体中に存在する微生物等の殺菌装
    置。
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