JPH07302438A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体及びその製造方法

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JPH07302438A
JPH07302438A JP7051454A JP5145495A JPH07302438A JP H07302438 A JPH07302438 A JP H07302438A JP 7051454 A JP7051454 A JP 7051454A JP 5145495 A JP5145495 A JP 5145495A JP H07302438 A JPH07302438 A JP H07302438A
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JP
Japan
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hydrogen atom
mask layer
atom
recording medium
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Application number
JP7051454A
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English (en)
Inventor
Akira Miyashita
晃 宮下
Tetsuya Iida
哲哉 飯田
Yoichi Okumura
陽一 奥村
Shinichi Yokozeki
伸一 横関
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録が可能な光情報記録媒体及びその
製造方法を提供する。 【構成】 透明基板と、透明基板上に形成されかつ、光
の吸収により不安定な消色状態へ変化する安定な着色状
態の逆フォトクロミック材料及び樹脂の混合物からなる
マスク層と、マスク層上に形成された記録層とを有す
る。その製造方法は、所定プリピットを担持するスタン
パー及び透明基板を用意する工程と、少なくとも消色状
態を含む逆フォトクロミック材料及び未硬化の紫外線硬
化型樹脂の混合物を含む流動性のマスク層材料を、スタ
ンパー及び透明基板間に供給する工程と、スタンパー及
び透明基板を、マスク層材料に接触せしめ、マスク層材
料に紫外線を照射してこれを硬化せしめマスク層を透明
基板上に形成する転写工程と、マスク層を担持する透明
基板をスタンパーから剥離する工程と、マスク層上に記
録層を形成する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録可能な光情
報記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光情報記録媒体には、ヒートモード記録
の光ディスクがある。かかる光ディスクの記録には、レ
ーザ光が持つ熱エネルギーによる色素記録膜の穴形成、
バブル形成の物理変化として情報が記録されるものや、
合金の記録膜の磁気光学効果を利用した光磁気記録や、
合金の記録膜の結晶及び非結晶間の相変化を利用した相
変化記録がある。更に、光に応答して着色、消色を可逆
的に繰り返すフォトクロミック材料を記録膜に用いる光
ディスクも開発されつつある。
【0003】例えば、フォトクロミック材料としては、
スピロピラン化合物について多く研究されている。スピ
ロピラン化合物は、通常、その安定状態では無着色の消
色体であり、紫外線を吸収し、フォトンによる反応によ
り高速でメロシアニン型の準安定状態に変化して分光状
態が変わり着色体となる。一方、このメロシアニン型の
準安定状態は不安定であり、紫外線を遮断して加熱又は
別の長波長の光の照射によって、再び元のスピロピラン
状態の消色体に戻る(フォトクロミズム)。この従来の
スピロピラン化合物の記録媒体としての使用において、
着色状態の安定化が望まれている。
【0004】一方、このフォトクロミック材料を記録層
ではなく、透明基板と記録層との間に配置したマスク層
として用い、記録媒体の超解像に用いる試みもある(特
開平4ー192122号公報)。すなわち、読取光とマ
スキング補助光とを消色マスク層へ照射し、読取光によ
り情報を読取ることができる領域(以下、情報読取領域
という)以外の周辺領域を着色体として読取光に対して
着色マスクして、情報読取領域のみの記録情報を再生す
る。これは、可視光ビームスポット及びこれを一部分覆
う所定マスク形状の紫外線ビームスポットを、フォトク
ロミック材料の消色マスク層上に照射し、スポットを着
色状態マスクとして該マスクに覆われていない微小面積
の消色マスク層を透過する可視読取光によって情報の読
取りを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のフォトクロミッ
ク材料を記録層ではなくマスク層として用いた光情報記
録媒体においては、通常のフォトクロミック材料は読取
光で消色するものの消色状態が安定であるために、読取
スポットの前後にて紫外線を照射して消色マスク層を透
過率の低い着色状態にする必要がある。
【0006】さらに、かかる光情報記録媒体において予
めピットを形成した光ディスクとする場合は、フォトク
ロミック材料を適当な溶剤と共にスピンコート法によっ
て塗布して形成する。しかし、かかる方法では、溶剤成
分が気化した後でもマスク層のダレによるピット形状の
劣化が生じ、再生時のノイズの原因となっている。そこ
で、本発明の目的は、かかる問題に鑑み、高密度記録が
可能な光情報記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光情報記録媒体
は、透明基板と、前記透明基板上に形成されかつ、光の
吸収により不安定な消色状態へ変化する安定な着色状態
の逆フォトクロミック材料及び樹脂の混合物からなるマ
スク層と、前記マスク層上に形成された記録層とを有す
ることを特徴とする。
【0008】また、本発明の光情報記録媒体の製造方法
は、所定プリピットを担持するスタンパー及び透明基板
を用意する工程と、少なくとも消色状態を含む前記逆フ
ォトクロミック材料及び未硬化の紫外線硬化型樹脂の混
合物を含む流動性のマスク層材料を、前記スタンパー及
び前記透明基板間に供給する工程と、前記スタンパー及
び前記透明基板を、前記マスク層材料に接触せしめ、前
記マスク層材料に紫外線を照射してこれを硬化せしめマ
スク層を前記透明基板上に形成する転写工程と、前記マ
スク層を担持する前記透明基板を前記スタンパーから剥
離する工程と、前記マスク層上に記録層を形成する工程
とを含むことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明によれば、着色状態の逆フォトクロミッ
ク材料のマスク層を介して記録層へ読取光が照射される
と、マスク層は、ピット等の記録部分を読取可能な高い
透過率の消色状態になり、読取光が非照射となるとマス
ク層の低い透過率の変化前の着色状態に迅速に戻る光情
報記録媒体が得られる。また、本発明の方法によれば、
転写工程中に逆フォトクロミック材料のマスク層を安定
な着色状態とすることができる。
【0010】
【実施例】以下に図面を参照しつつ本発明による実施例
を説明する。図1に示すように、実施例の光情報記録媒
体1は、ディスク形状の透明基板2と、ピットが形成さ
れ逆フォトクロミック材料からなるマスク層3と、ピッ
ト上の反射膜である記録層4と、これら機能層を外部か
らの劣化要因から保護する保護層5とからなる。ピット
は、予め形成されるプリピットとして、記録すべき情報
やアドレスに対応した凹凸でも、ウオッブルピットや、
案内溝(プリグルーブ)などトラッキングに必要な凹凸
でも良い。透明基板2としては、ガラス、ポリメチルメ
タクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等の
無機、有機材料が用いられる。記録層4としてはピット
上のアルミニウムなどの金属のほかに、反射率の高い有
機色素等も用いられる。さらに、記録層4として、ヒー
トモード記録の光磁気記録、相変化記録に応じた材料か
らなる薄膜を形成しても良い。
【0011】マスク層3を構成する樹脂には紫外線硬化
型樹脂若しくはポリメチルメタクリレート(PMMA)、
ポリカーボネート(PC)等の透明樹脂が用いられる。マ
スク層3を構成する逆フォトクロミック材料はその安定
な着色状態において、下記(1)式、
【0012】
【化5】
【0013】その不安定な消色状態において、下記
(2)式
【0014】
【化6】
【0015】(両式中、R1は炭素数1〜20のアルキ
ル基、アラルキル基、ヒドロキシチエル基、アクリロキ
シエチル基、又はメタクリロキシエチル基を示し、
2,R3,R4及びR5は少なくとも1つが炭素数1〜3
のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基であり、
それ以外の基は同一又は異なって、水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基、アリール基、アラルキル基、炭素数
1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、トリ
クロルメチル基、トリフルオルメチル基又はニトロ基を
示し、R6及びR7は同一又は異なって、水素原子、炭素
数1〜6のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハ
ロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を示し、R 8は水素
原子、ビニル基、-CH2OR9又は-CH2OCOC(R
10)=CH2を示し、R9は水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基、R10は水素原子又はメチル基を示し、Xは
酸素原子または硫黄原子を示す)で表されるスピロピラ
ン化合物(消色体)又はこれと酸性化合物との塩(消色
体)が用いられる。
【0016】また、逆フォトクロミック材料として、上
記(1)及び(2)式中、それぞれ、R1はメチル基、
エチル基、プロピル基、オクタデシル基、ヒドロキシエ
チル基又はメタクリロキシエチル基を示し、R2は水素
原子を示し、R3は水素原子、アミノ基、ジメチルアミ
ノ基又はジエチルアミノ基を示し、R4は水素原子、メ
チル基又はメトキシ基を示し、R5は水素原子、アミノ
基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基を示し、R
6及びR7は水素原子を示し、R8は水素原子、ビニル
基、ヒドロキシメチル基又はメタクリロキシメチル基を
示し、かつ、Xは酸素原子又は硫黄原子を示すスピロピ
ラン化合物又はこれと酸性化合物との塩が好ましくマス
ク層に用いられる。
【0017】さらにまた、逆フォトクロミック材料とし
て、上記(1)及び(2)式中、それぞれ、R1は炭素
数1〜20のアルキル基、アラルキル基、ヒドロキシチ
エル基、アクリロキシエチル基、又はメタクリロキシエ
チル基を示し、R2及びR4は同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、シ
アノ基、トリクロルメチル基、トリフルオルメチル基又
はニトロ基を示し、R3及びR5は同一又は異なって、水
素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原
子、シアノ基、トリクロルメチル基、トリフルオルメチ
ル基、ニトロ基、アミノ酸、ジメチルアミノ基又はジエ
チルアミノ基を示し、R6及びR7は同一又は異なって、
水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を示
し、R8は水素原子、ビニル基、基-CH2OR9又は基-
CH2OCOC(R10)=CH 2を示し、R9は水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基、R10は水素原子又はメ
チル基を示し、Xは酸素原子または硫黄原子を示すスピ
ロピラン化合物と酸性化合物との塩も好ましくマスク層
に用いられる。
【0018】さらにまた、逆フォトクロミック材料とし
て、上記(1)及び(2)式中、それぞれ、R1がメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−オクタデシル
基、ヒドロキシエチル基又はメタクリロキシメチル基、
2が水素原子、R3が水素原子、メチル基、メトキシ
基、ニトロ基、アミノ基、ジメチルアミノ基又はジエチ
ルアミノ基、R4が水素原子、メチル基又はメトキシ
基、R5が水素原子、ニトロ基、アミノ基、ジメチルア
ミノ基又はジエチルアミノ基、R6及びR7が水素原子、
8は水素原子、ビニル基、ヒドロキシメチル基又はメ
タクリロキシメチル基、Xが酸素原子又は硫黄原子を示
す)で表されるスピロピラン化合物と酸性化合物との塩
も好ましくマスク層に用いられる。
【0019】さらに具体的には、マスク層3を構成する
逆フォトクロミック材料には、下記(3)式で示される
ベンゾセレナゾリノスピロベンゾピラン誘導体(消色
体)が含まれることが好ましく、紫外線の吸収によっ
て、これが開環しメロシアニン誘導体(着色体)とな
る。なお、紫外線照射前の製造過程においては両誘導体
が含まれていてもよい。紫外線照射により着色体へ変化
するからである。
【0020】
【化7】
【0021】また、上記例はアミン体であるが、逆フォ
トクロミック材料には、スピロピラン化合物と酸性化合
物との塩(消色体)、例えばアンモニウム塩としては、
下記(4)式で示される2の状態のものが含まれる。
【0022】
【化8】
【0023】さらにまた、他の逆フォトクロミック材料
の塩形態の着色体の好適な例としては、下記(5)及び
(6)式で示されるヒドロキシメチル体、並びに(7)
及び(8)式で示されるメタクリロキシメチル体が挙げ
られ、さらに、下記(9)及び(10)式に示すスピロ
チオベンゾピラン化合物の塩形態のものも好ましい。
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】これら逆フォトクロミック材料のスピロピ
ラン化合物及びスピロチオピラン化合物は、ベンゾセレ
ナゾル誘導体とニトロサリチルアルデヒド誘導体とから
合成され得る。例えば、上記(4)式の消色体の6−ジ
メチルアミノ−3,5−ジメチル−6’−ニトロスピロ
[ベンゾセレナゾリン−2,2’−[2’H]−1’−
ベンゾピラン]2塩酸塩は、下記(11)式に示す出発
原料の2,5−ジメチルベンゾセレナゾル、
【0031】
【化15】
【0032】から誘導されたベンゾセレナゾル誘導体の
下記(12)式に示す6−ジメチルアミノ−2,3,5
−トリメチルベンゾセレナゾレニウムヨージドと、
【0033】
【化16】
【0034】ニトロサリチルアルデヒド誘導体の下記
(13)式に示す5−ニトロサリチルアルデヒドと、
【0035】
【化17】
【0036】をアミン等の塩基存在下で縮合させて、ア
ミン体を合成し、さらにアミン体を塩酸と反応させて上
記アンモニウム体として製造され得る。図2に示すよう
に、これら逆フォトクロミック材料のアンモニウム塩形
態の着色状態では波長430〜450nmの吸収光ピーク
を有しており、短波長レーザ光の使用に適していること
が分かる。
【0037】次に、透明基板及び記録層間に転写層とし
て逆フォトクロミック材料及び樹脂からなるマスク層を
有する上記光情報記録媒体の製造方法を説明する。図3
に示すように、所定プリピットを担持するスタンパー1
0をそのプリピット担持面を上方に向けて、転写装置に
装填する。次に予め用意してある逆フォトクロミック材
料及び未硬化の紫外線硬化型樹脂の混合物を含む流動性
のマスク層材料3aを、スタンパー10のプリピット担
持面に供給する(図3(a))。
【0038】次に予め用意してある洗浄乾燥した透明基
板2をマスク層材料3aを挾んでスタンパー10のプリ
ピット担持面に押圧し、気泡をマスク層材料内に包含し
ないようにスタンパー及び透明基板をマスク層材料に接
触せしめプリピット間に一様に行き渡らせる(図3
(b))。次に、透明基板2側から例えば波長350n
mの紫外線をマスク層材料3aに照射して、マスク層材
料3aを硬化せしめマスク層3を透明基板上に形成する
(図3(c))。
【0039】次に、マスク層3を担持する透明基板2を
スタンパー10から剥離する(図3(d))。次に、真
空蒸着法によりアルミニウムをマスク層3上に記録層4
として形成する(図3(e))。記録層4は多重反射膜
として金属や誘電体から形成できる。次に、保護層5を
記録層4上に形成してディスク形状の光情報記録媒体が
得られる(図3(f))。保護層5は有機無機材料を問
わず、積層された機能層を保護するものを用いる。
【0040】具体的に上記(4)式に示した逆フォトク
ロミック材料を用いた場合の光情報記録媒体におけるレ
ーザ光の照射による消色特性と着色特性とを、反射率の
経時変化の測定によって調べた。先ず消色特性は、図4
に示すように、逆フォトクロミック材料は波長457.9nm
の消色光ビーム(読取光)を照射したとき、約20ミリ
秒で低反射率(着色体)から高反射率(消色体)へと変
化した。このときの照射光の出力は9.3mWで、対物レ
ンズの開口数NAは0.2である。
【0041】次に着色特性は、図5に示すように、80
ミリ秒間光ビーム照射して低反射率(着色体)から高反
射率(消色体)へと変化させた後に、光ビーム照射を停
止し逆フォトクロミック材料が元の着色体の状態に戻る
時間が、上記消色反応と比較して遅いものの、50〜6
0ミリ秒であった。従って、反射率は70%以上であれ
ば読み取りに十分であり、40%以下であればマスク層
として機能するので、例えば12cm径の光ディスクと
した場合、読取光が或る記録トラックに照射されて記録
情報が読み出され、隣接する次の記録トラックの記録情
報を読取るまでの回転時間約100ミリ秒までには、先
に読み出された記録トラックが確実に元の着色状態に戻
る。これによって、両隣接記録トラックの情報が読み出
されることはなく、正確な情報再生ができることがわか
る。
【0042】これにより、読取光をマスク層3を介して
記録層4へ照射した場合、その光強度分布に対応して読
取光6の光強度が強い領域においては、フォトンの数は
光強度に比例するから、マスク層3中で消色体が優勢と
なり、透過率が大きく上昇して反射層4により読取光6
が反射されて記録層2の情報を読取ることができる。ま
た、光強度が弱いフォトンの数が少ない周縁領域におい
ては、初期の着色体優位の中で消色体が生じ透過率が多
少上昇するものの、フォトンの数が少ないので、記録層
2の着色体により情報を読取ることができない。反射光
は狭い消色体を通過する。
【0043】すなわち、図6(a)に示すように、本実
施例の光ディスクに読取光6のビームスポットが形成さ
れた場合、図6(c)に示すようにビーム強度がガウス
分布を有するので、マスク層3はビーム中心の光強度が
強いところほど速く透明化する。よって、図6(b)に
示すようにマスク層3の消色体22に変化していない領
域21よって、更に小さい直径に絞られる。つまりピッ
トに照射される面におけるビーム径φ2は、マスク層が
ない場合のビーム径φ1(=Kλ/NA)より小さくなる
(K:定数、λ:波長、NA:開口数)。
【0044】従って従来では、読取光のビームスポット
に複数入ってしまうような、微小な記録マークやピット
も解像(超解像再生)することができる。また、図7
(a)に示すように、アポディゼーションを利用してか
かる光ディスクに読取光6のビームの回折像スポットが
形成された場合、その回折像スポットが図7(b)に示
すようにサイドローブを伴う強度分布を有していても、
図7(c)に示すようにマスク層3により、ピットから
は入射光のメインローブの直径よりさらに小さい直径の
反射光強度分布が得られる。また、サイドローブ成分が
隣接のピットにまで到達しても、本実施例の光ディスク
からの反射光強度は、マスク層3により、周囲のサイド
ローブからの反射光はより減少する。読取光スポット内
に複数のピットが存在したときでも、回折像中心の強度
に応じてマスク層3の消色領域だけが検出され、その周
囲のピットは反射光量が少ないので検出されることはな
い。これによって、サイドローブによるクロストークが
減少し、みかけ上の有効スポット直径が小さくなり記録
面密度の高い情報記録の読み取りが達成される。
【0045】従って、記録層4の情報読取領域を小さく
するように、マスク層について逆フォトクロミック材料
濃度、膜厚を、また照射光学系について光強度分布を設
定すれば、マスク層を透過後の読取光6のビーム径を理
論値よりも小さくすることができ、高密度に記録した情
報を再生することが可能となる。上記実施例では、記録
層に予めプリピットを形成した光ディスクについて説明
したが、ヒートモード記録方式のカー効果等の合金記録
膜の磁気光学効果を利用した光磁気記録や、合金記録膜
の結晶及び非結晶間の相変化を利用した相変化記録等の
記録層を用いて組み合わせることができる。
【0046】また、読取光による読取りと同時に、読取
補助光を照射して、これによって隣接する記録トラック
上を着色体が優勢な状態に強制的に戻し、隣接記録トラ
ックからのクロストークを減少させることも可能とな
る。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、着色状態の逆フォトク
ロミック材料のマスク層が安定でかつ、これに対する読
取光の照射及び非照射において、高感度で消色状態及び
着色状態を繰り返すマスク層を有する光情報記録媒体が
得られる。また、本発明の方法によれば、転写工程中に
紫外線照射によって逆フォトクロミック材料のマスク層
を安定な着色状態とすることができる紫外線硬化樹脂を
用いた転写方法が採用できるので、ピットが形成された
基板にスピンコートでマスク層を形成する場合のような
マスク層のピット形状の劣化が生ぜず、再生時のノイズ
が減少できる。さらに、情報を読取りたい領域に読取光
を照射することにより情報読取領域の範囲を制御するこ
とが可能となる高密度記録が可能な光情報記録媒体を得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の光情報記録媒体の拡大部分断面図であ
る。
【図2】実施例にかかる逆フォトクロミック材料の波長
に対する吸光度特性を示すグラフである。
【図3】実施例の光情報記録媒体の製造過程における各
部材の拡大部分断面図である。
【図4】実施例の光情報記録媒体のマスク層の着色体か
ら消色体へと変化する実施例の消色光の照射中における
反射率の経時変化を示すグラフである。
【図5】実施例の光情報記録媒体のマスク層の消色体か
ら着色体へと変化する実施例の消色光の照射停止後にお
ける反射率の経時変化を示すグラフである。
【図6】本発明の光情報記録媒体における入射光ビーム
径及び入射光強度を説明する概略図である。
【図7】本発明の光情報記録媒体の入射及び反射光の強
度を説明する概略図である。
【主要部分の符号の説明】
1 光情報記録媒体 2 基板 3 マスク層 4 記録層(反射層) 5 保護層 6 読取光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/685 1/76 G11B 7/26 531 7215−5D (72)発明者 横関 伸一 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号パイ オニア株式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、前記透明基板上に形成され
    かつ、光の吸収により不安定な消色状態へ変化する安定
    な着色状態の逆フォトクロミック材料及び樹脂の混合物
    からなるマスク層と、前記マスク層上に形成された記録
    層とを有することを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】前記逆フォトクロミック材料はその安定な
    着色状態において、下記(1)式 【化1】 その不安定な消色状態において、下記(2)式 【化2】 (両式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、アラル
    キル基、ヒドロキシチエル基、アクリロキシエチル基、
    又はメタクリロキシエチル基を示し、R2,R3,R4
    びR5は少なくとも1つが炭素数1〜3のアルキル基で
    置換されていてもよいアミノ基であり、それ以外の基は
    同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基、炭素数1〜5のアルコ
    キシ基、ハロゲン原子、シアノ基、トリクロルメチル
    基、トリフルオルメチル基又はニトロ基を示し、R6
    びR7は同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜6の
    アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原
    子、シアノ基又はニトロ基を示し、R 8は水素原子、ビ
    ニル基、-CH2OR9又は-CH2OCOC(R10)=C
    2を示し、R9は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
    基、R10は水素原子又はメチル基を示し、Xは酸素原子
    または硫黄原子を示す)で表されるスピロピラン化合物
    又はこれと酸性化合物との塩であることを特徴とする請
    求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記逆フォトクロミック材料は前記
    (1)及び(2)式、(両式中、R1はメチル基、エチ
    ル基、プロピル基、オクタデシル基、ヒドロキシエチル
    基又はメタクリロキシエチル基を示し、R2は水素原子
    を示し、R3は水素原子、アミノ基、ジメチルアミノ基
    又はジエチルアミノ基を示し、R4は水素原子、メチル
    基又はメトキシ基を示し、R5は水素原子、アミノ基、
    ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基を示し、R6
    びR7は水素原子を示し、R8は水素原子、ビニル基、ヒ
    ドロキシメチル基又はメタクリロキシメチル基を示し、
    Xは酸素原子又は硫黄原子を示す)で表されるスピロピ
    ラン化合物又はこれと酸性化合物との塩であることを特
    徴とする請求項2記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】前記逆フォトクロミック材料はその安定な
    着色状態において、下記(1)式 【化3】 その不安定な消色状態において、下記(2)式 【化4】 (両式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、アラル
    キル基、ヒドロキシチエル基、アクリロキシエチル基、
    又はメタクリロキシエチル基を示し、R2及びR4は同一
    又は異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、
    アリール基、アラルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ
    基、ハロゲン原子、シアノ基、トリクロルメチル基、ト
    リフルオルメチル基又はニトロ基を示し、R3及びR5
    同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基、炭素数1〜5のアルコ
    キシ基、ハロゲン原子、シアノ基、トリクロルメチル
    基、トリフルオルメチル基、ニトロ基、アミノ酸、ジメ
    チルアミノ基又はジエチルアミノ基を示し、R6及びR7
    は同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキ
    ル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子、シア
    ノ基又はニトロ基を示し、R8は水素原子、ビニル基、
    基-CH2OR9又は基-CH2OCOC(R10)=CH2
    示し、R9は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、
    10は水素原子又はメチル基を示し、Xは酸素原子また
    は硫黄原子を示す)で表されるスピロピラン化合物と酸
    性化合物との塩であることを特徴とする請求項1記載の
    光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記逆フォトクロミック材料は前記
    (1)及び(2)式、(R1がメチル基、エチル基、n
    −プロピル基、n−オクタデシル基、ヒドロキシエチル
    基又はメタクリロキシメチル基、R2が水素原子、R3
    水素原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、アミノ
    基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基、R4が水
    素原子、メチル基又はメトキシ基、R5が水素原子、ニ
    トロ基、アミノ基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミ
    ノ基、R6及びR7が水素原子、R8は水素原子、ビニル
    基、ヒドロキシメチル基又はメタクリロキシメチル基、
    Xが酸素原子又は硫黄原子を示す)で表されるスピロピ
    ラン化合物と酸性化合物との塩であることを特徴とする
    請求項4記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記樹脂は紫外線硬化型樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の光
    情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記マスク層にはプリピットが形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに
    記載の光情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 透明基板と、前記透明基板上に形成され
    かつ、光の吸収により不安定な消色状態へ変化する安定
    な着色状態の逆フォトクロミック材料及び樹脂の混合物
    からなるマスク層と、前記マスク層上に形成された記録
    層とを有する光情報記録媒体の製造方法であって、 所定プリピットを担持するスタンパー及び透明基板を用
    意する工程と、 少なくとも消色状態を含む前記逆フォトクロミック材料
    及び未硬化の紫外線硬化型樹脂の混合物を含む流動性の
    マスク層材料を、前記スタンパー及び前記透明基板間に
    供給する工程と、 前記スタンパー及び前記透明基板を、前記マスク層材料
    に接触せしめ、前記マスク層材料に紫外線を照射してこ
    れを硬化せしめマスク層を前記透明基板上に形成する転
    写工程と、 前記マスク層を担持する前記透明基板を前記スタンパー
    から剥離する工程と、 前記マスク層上に記録層を形成する工程とを含むことを
    特徴とする製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100565569B1 (ko) * 1999-05-10 2006-03-29 엘지전자 주식회사 광기록 매체

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