JPH07300768A - 金属被覆繊維布帛 - Google Patents
金属被覆繊維布帛Info
- Publication number
- JPH07300768A JPH07300768A JP11215594A JP11215594A JPH07300768A JP H07300768 A JPH07300768 A JP H07300768A JP 11215594 A JP11215594 A JP 11215594A JP 11215594 A JP11215594 A JP 11215594A JP H07300768 A JPH07300768 A JP H07300768A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- metal
- zinc
- fibers
- coated fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Decoration Of Textiles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高強力、高弾性率で高耐熱性、耐摩擦性、耐
衝撃性及び難燃性を有し、それ自身が優れた電磁波シ−
ルド材として有用である繊維布帛或は電磁シ−ルド性を
有する金属被覆繊維布帛を提供する。 【構成】 ポリベンザゾ−ル繊維よりなる布帛の少なく
ともその片面に金属を溶射して金属被膜を形成されてな
る金属被覆繊維布帛及び該金属被覆繊維布帛を補強材と
して使用した繊維強化複合材料。
衝撃性及び難燃性を有し、それ自身が優れた電磁波シ−
ルド材として有用である繊維布帛或は電磁シ−ルド性を
有する金属被覆繊維布帛を提供する。 【構成】 ポリベンザゾ−ル繊維よりなる布帛の少なく
ともその片面に金属を溶射して金属被膜を形成されてな
る金属被覆繊維布帛及び該金属被覆繊維布帛を補強材と
して使用した繊維強化複合材料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタライジングされた高
強力、高弾性率、高耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性及び難
燃性の性能を持つポリベンザゾ−ル繊維よりなる繊維布
帛を補強材として使用した各種電磁波シ−ルド材或は該
シ−ルド材の複合材料の補強材として好適に使用される
金属被覆繊維布帛に関するものである。
強力、高弾性率、高耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性及び難
燃性の性能を持つポリベンザゾ−ル繊維よりなる繊維布
帛を補強材として使用した各種電磁波シ−ルド材或は該
シ−ルド材の複合材料の補強材として好適に使用される
金属被覆繊維布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自然雑音はパ−ソナルコンピユ−タ−、
ワ−ドプロセツサ−、誘導加熱装置、電子レンジ、自動
車の精密機器等により発生し、その周波数範囲は発生源
にもよるが一般に10KHz〜9GHzといわれてい
る。この電磁波によるコンピユ−タ−の誤動作、テレビ
のゴ−スト、レ−ダ−の偽像、人体・生物への影響など
に関する所謂電磁波障害等が問題となつている。従来か
かる電磁波障害を低減する手段の一つとして30〜40
デシベル(dB)のシ−ルド効果を有する電磁波シ−ル
ド材が使用されていた。上記シ−ルド効果を得るには電
磁波シ−ルド材の体積固有抵抗値は1オ−ム・cm以下が
目安といわれ、この目標値を得るために電磁波シ−ルド
材と導電性物質との複合材料が使用される。電磁波シ−
ルド材が繊維系である場合、繊維又は布帛の表面に金属
を付与する方法としては、(1) ラミネ−ト、(2) 溶射、
(3) 真空蒸着、(4) スパツタリング、(5) 導電性塗料、
(6) メツキ、(7) 金属繊維混合等が知られており、例え
ばアクリル繊維と銅、またポリエステル繊維とニツケル
の組合わせによる金属化合成繊維が市販されている。電
磁波シ−ルド性を付与した繊維布帛又は繊維強化複合材
の用途の具体例としては電磁波シ−ルドカ−テン、電子
機器ハウジング材、シ−ルド用建材、自動車用電子装置
シ−ルド材、シ−ルドケ−ブル、無線機、医療機器及び
計測器用シ−ルド材等を挙げることができる。一方、電
磁波シ−ルド材は用途によつてはシ−ド性又は帯電防止
性に加えて高い力学特性、例えば高強力、高弾性率が要
求される。このためス−パ−繊維と称される全芳香族系
ポリアミド繊維、全芳香族系ポリエステル繊維、超高分
子量ポリエチレン繊維等又は/及び編織物に金属加工を
施して電磁波シ−ルド性を付与したものや該繊維又は該
編織物を補強材に用いた繊維強化複合材料の開発が盛ん
に行われている。例えば亜鉛被覆編織物を補強材として
使用した繊維強化複合材料(特開平2−118173号
公報)、アルミニウム材料とアラミド繊維とをラミネ−
トしたもの(特開昭57−137148号公報)及び導
電性複合繊維混紡糸(特開昭63−59432号公報)
等の発明がある。一方、最近では防災の観点から電磁波
シ−ルド材に難燃性が要求されるようになつた。全芳香
族系ポリアミド繊維を使用することで、ある程度までは
この要求を満たすことが可能であるが、性能的には充分
とはいえない。
ワ−ドプロセツサ−、誘導加熱装置、電子レンジ、自動
車の精密機器等により発生し、その周波数範囲は発生源
にもよるが一般に10KHz〜9GHzといわれてい
る。この電磁波によるコンピユ−タ−の誤動作、テレビ
のゴ−スト、レ−ダ−の偽像、人体・生物への影響など
に関する所謂電磁波障害等が問題となつている。従来か
かる電磁波障害を低減する手段の一つとして30〜40
デシベル(dB)のシ−ルド効果を有する電磁波シ−ル
ド材が使用されていた。上記シ−ルド効果を得るには電
磁波シ−ルド材の体積固有抵抗値は1オ−ム・cm以下が
目安といわれ、この目標値を得るために電磁波シ−ルド
材と導電性物質との複合材料が使用される。電磁波シ−
ルド材が繊維系である場合、繊維又は布帛の表面に金属
を付与する方法としては、(1) ラミネ−ト、(2) 溶射、
(3) 真空蒸着、(4) スパツタリング、(5) 導電性塗料、
(6) メツキ、(7) 金属繊維混合等が知られており、例え
ばアクリル繊維と銅、またポリエステル繊維とニツケル
の組合わせによる金属化合成繊維が市販されている。電
磁波シ−ルド性を付与した繊維布帛又は繊維強化複合材
の用途の具体例としては電磁波シ−ルドカ−テン、電子
機器ハウジング材、シ−ルド用建材、自動車用電子装置
シ−ルド材、シ−ルドケ−ブル、無線機、医療機器及び
計測器用シ−ルド材等を挙げることができる。一方、電
磁波シ−ルド材は用途によつてはシ−ド性又は帯電防止
性に加えて高い力学特性、例えば高強力、高弾性率が要
求される。このためス−パ−繊維と称される全芳香族系
ポリアミド繊維、全芳香族系ポリエステル繊維、超高分
子量ポリエチレン繊維等又は/及び編織物に金属加工を
施して電磁波シ−ルド性を付与したものや該繊維又は該
編織物を補強材に用いた繊維強化複合材料の開発が盛ん
に行われている。例えば亜鉛被覆編織物を補強材として
使用した繊維強化複合材料(特開平2−118173号
公報)、アルミニウム材料とアラミド繊維とをラミネ−
トしたもの(特開昭57−137148号公報)及び導
電性複合繊維混紡糸(特開昭63−59432号公報)
等の発明がある。一方、最近では防災の観点から電磁波
シ−ルド材に難燃性が要求されるようになつた。全芳香
族系ポリアミド繊維を使用することで、ある程度までは
この要求を満たすことが可能であるが、性能的には充分
とはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】繊維系電磁波シ−ルド
材は、(1) 導電性繊維、例えば金属繊維、炭素繊維又は
導電性微粒子を分散したポリマ−を複合紡糸した複合繊
維等を使用する、(2) 導電加工繊維、例えば真空蒸着法
やメツキ法で金属被膜を形成した繊維、導電性ペ−スト
を塗布した繊維、その他スパツタリング法、ラミネ−ト
法や溶射法で加工した繊維等が利用される。しかし金属
繊維を使用すると布帛の色調が限定され、審美性に欠け
る。また比重が大きくて重く、錆びる等。また炭素繊維
は耐衝撃性が低く、金属繊維と同様に色調が限定され、
審美性に欠ける等の問題がある。また複合紡糸で複合繊
維化する方法をス−パ−繊維に適用することは困難であ
る。
材は、(1) 導電性繊維、例えば金属繊維、炭素繊維又は
導電性微粒子を分散したポリマ−を複合紡糸した複合繊
維等を使用する、(2) 導電加工繊維、例えば真空蒸着法
やメツキ法で金属被膜を形成した繊維、導電性ペ−スト
を塗布した繊維、その他スパツタリング法、ラミネ−ト
法や溶射法で加工した繊維等が利用される。しかし金属
繊維を使用すると布帛の色調が限定され、審美性に欠け
る。また比重が大きくて重く、錆びる等。また炭素繊維
は耐衝撃性が低く、金属繊維と同様に色調が限定され、
審美性に欠ける等の問題がある。また複合紡糸で複合繊
維化する方法をス−パ−繊維に適用することは困難であ
る。
【0004】従来の導電加工繊維を得る各種の方法は次
のような短所がある。例えば真空蒸着法には(1) アンダ
−コ−トが必要である、(2) 真空容器のサイズでハウジ
ングの大きさに制限を受ける。またメツキ法には(1) 設
備費用が高い、(2) 適用可能な繊維素材が制限を受け
る、(3) 廃液の処理が必要である。更に導電性塗料法に
は(1) 酸化を受けやすい、(2) 導電性が低い。スパツタ
リング法は(1) 装置が高価。ラミネ−ト法は(1) 複雑な
形状に加工しにくい。更に溶射法は(1) 熱膨張差が原因
で密着性が低い等である。しかし上記各種導電加工法の
長所と短所を詳細に比較すると繊維表面の膜厚や体積固
有抵抗値及び加工費の点で溶射法が比較的優れていると
いえる。本出願人の発明になる特開平2−118173
号発明はス−パ−繊維の一つである高強力、高弾性率の
超高分子量ポリエチレン繊維に亜鉛を溶射した亜鉛被覆
編織物及び該編織物を補強材として用いた繊維強化複合
材料に関するものであり、同公報記載の発明は従来スパ
ツタリング法、真空蒸着法若しくはラミネ−ト法によつ
て得られたものに比べると繊維表面に対する亜鉛の結合
強度がはるかに強化されている。一方、問題点として、
投入する電気エネルギ−が20KJ/cm3 を越えるとき
は溶射粒子により繊維表面が熱分解し、ガスが発生して
亜鉛粒子の付着が低下することが報告されている。本発
明はメタライジング加工性に優れ、かつ高強力・高弾性
率で高耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性及び難燃性を有し、
それ自身、優れた電磁波シ−ルド材として有用である繊
維布帛或は電磁シ−ルド性を有する合成樹脂強化金属被
覆繊維布帛を提供することを目的とするものである。
のような短所がある。例えば真空蒸着法には(1) アンダ
−コ−トが必要である、(2) 真空容器のサイズでハウジ
ングの大きさに制限を受ける。またメツキ法には(1) 設
備費用が高い、(2) 適用可能な繊維素材が制限を受け
る、(3) 廃液の処理が必要である。更に導電性塗料法に
は(1) 酸化を受けやすい、(2) 導電性が低い。スパツタ
リング法は(1) 装置が高価。ラミネ−ト法は(1) 複雑な
形状に加工しにくい。更に溶射法は(1) 熱膨張差が原因
で密着性が低い等である。しかし上記各種導電加工法の
長所と短所を詳細に比較すると繊維表面の膜厚や体積固
有抵抗値及び加工費の点で溶射法が比較的優れていると
いえる。本出願人の発明になる特開平2−118173
号発明はス−パ−繊維の一つである高強力、高弾性率の
超高分子量ポリエチレン繊維に亜鉛を溶射した亜鉛被覆
編織物及び該編織物を補強材として用いた繊維強化複合
材料に関するものであり、同公報記載の発明は従来スパ
ツタリング法、真空蒸着法若しくはラミネ−ト法によつ
て得られたものに比べると繊維表面に対する亜鉛の結合
強度がはるかに強化されている。一方、問題点として、
投入する電気エネルギ−が20KJ/cm3 を越えるとき
は溶射粒子により繊維表面が熱分解し、ガスが発生して
亜鉛粒子の付着が低下することが報告されている。本発
明はメタライジング加工性に優れ、かつ高強力・高弾性
率で高耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性及び難燃性を有し、
それ自身、優れた電磁波シ−ルド材として有用である繊
維布帛或は電磁シ−ルド性を有する合成樹脂強化金属被
覆繊維布帛を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するためにメタランジング加工性に優れ、かつ高強
力・高弾性率で高耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性及び難燃
性を有し、優れた電磁波シ−ルド材として有用である繊
維布帛或は電磁シ−ルド性を有する合成樹脂強化複合材
料について検討した。その結果、ポリベンザゾ−ル繊維
からなる繊維布帛に溶射法を適用して金属被覆を施すこ
とによつて高強力・高弾性率で高耐熱性、耐摩耗性、耐
衝撃性を損なうことなく電磁波シ−ルド性に優れた繊維
布帛及び合成樹脂強化複合材料が得られることを見出し
た。即ち本発明はポリベンザゾ−ル繊維よりなる布帛
で、少なくともその片面に金属を溶射した金属被覆繊維
布帛並びに該金属被覆繊維布帛を補強材として使用した
繊維強化複合材料に関するものである。
達成するためにメタランジング加工性に優れ、かつ高強
力・高弾性率で高耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性及び難燃
性を有し、優れた電磁波シ−ルド材として有用である繊
維布帛或は電磁シ−ルド性を有する合成樹脂強化複合材
料について検討した。その結果、ポリベンザゾ−ル繊維
からなる繊維布帛に溶射法を適用して金属被覆を施すこ
とによつて高強力・高弾性率で高耐熱性、耐摩耗性、耐
衝撃性を損なうことなく電磁波シ−ルド性に優れた繊維
布帛及び合成樹脂強化複合材料が得られることを見出し
た。即ち本発明はポリベンザゾ−ル繊維よりなる布帛
で、少なくともその片面に金属を溶射した金属被覆繊維
布帛並びに該金属被覆繊維布帛を補強材として使用した
繊維強化複合材料に関するものである。
【0006】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明に係る金属被覆繊維布帛及び該繊維布帛を補強材に用
いた繊維強化複合材料を構成するポリベンザゾ−ル繊維
とは下記PBZポリマ−からなるド−プを紡糸して得ら
れたものである。即ちポリベンザゾ−ル(PBZ)と
は、ポリベンズオキサゾ−ル(PBO)ホモポリマ−、
ポリベンゾチアゾ−ル(PBT)ホモポリマ−及びそれ
らPBO、PBTのランダム、シ−ケンシヤル或はブロ
ツク共重合ポリマ−をいう。ここでポリベンゾオキサゾ
−ル、ポリベンゾチアゾ−ル及びそれらのランダム、シ
−ケンシヤル或はブロツク共重合ポリマ−は、米国特許
第4,703,103 号〔10月27日(1987)〕、米国特許第4,
533,692 号〔8月6日(1985)〕、米国特許第4,533,724
号〔号8月6日(1985)〕、米国特許第4,533,693 号〔8
月6日(1985)〕、米国特許第4,359,567 号〔11月16
日(1982)〕、米国特許第4,578,432 号〔3月25日(198
6)〕等に記載がある。PBZポリマ−に含まれる構造単
位としては、好ましくはリオトロビツク液晶ポリマ−か
ら選択される。モノマ−単位は構造式(a) −(h) に記載
されているモノマ−単位からなり、更に好ましくは本質
的に構造式(a) −(c)から選択されたモノマ−単位から
なる。PBZポリマ−のド−プを形成するための好適な
溶媒としては、クレゾ−ルやそれらのポリマ−を溶解し
得る非酸化性の酸が含まれる。好適な酸溶媒の例として
は、ポリリン酸、メタンスルホン酸及び高濃度の硫酸或
はそれらの混合物が挙げられる。更に好適な溶媒はポリ
リン酸及びメタンスルホン酸である。また最も適する溶
媒はポリリン酸である。溶媒中のポリマ−濃度は好まし
くは少なくとも約7重量%であり、更に好ましくは少な
くとも10重量%、最も好ましくは少なくとも14重量
%である。最大濃度は、例えばポリマ−の溶解性やド−
プ粘度といつた実際上の取扱い性により限定される。そ
れらの限界要因のためにポリマ−濃度は通常では20重
量%を超えることはない。好適なポリマ−やコポリマ−
或はド−プは公知の手法、例えば特表昭60−5005
38号記載のド−プの製造方法により合成される。また
米国特許第4,533,693 号〔8月6日(1985)〕、米国特許
第4,772,678 号〔9月20日(1988)〕、米国特許第4,84
7,350 号〔7月11日(1989)〕においても見られる。ま
たPBZポリマ−は、米国特許第5,089,591 号〔2月1
8日(1992)〕によると、脱水性の酸溶媒中での比較的高
温、高剪断条件下において高い反応速度での高分子量化
が可能である。
明に係る金属被覆繊維布帛及び該繊維布帛を補強材に用
いた繊維強化複合材料を構成するポリベンザゾ−ル繊維
とは下記PBZポリマ−からなるド−プを紡糸して得ら
れたものである。即ちポリベンザゾ−ル(PBZ)と
は、ポリベンズオキサゾ−ル(PBO)ホモポリマ−、
ポリベンゾチアゾ−ル(PBT)ホモポリマ−及びそれ
らPBO、PBTのランダム、シ−ケンシヤル或はブロ
ツク共重合ポリマ−をいう。ここでポリベンゾオキサゾ
−ル、ポリベンゾチアゾ−ル及びそれらのランダム、シ
−ケンシヤル或はブロツク共重合ポリマ−は、米国特許
第4,703,103 号〔10月27日(1987)〕、米国特許第4,
533,692 号〔8月6日(1985)〕、米国特許第4,533,724
号〔号8月6日(1985)〕、米国特許第4,533,693 号〔8
月6日(1985)〕、米国特許第4,359,567 号〔11月16
日(1982)〕、米国特許第4,578,432 号〔3月25日(198
6)〕等に記載がある。PBZポリマ−に含まれる構造単
位としては、好ましくはリオトロビツク液晶ポリマ−か
ら選択される。モノマ−単位は構造式(a) −(h) に記載
されているモノマ−単位からなり、更に好ましくは本質
的に構造式(a) −(c)から選択されたモノマ−単位から
なる。PBZポリマ−のド−プを形成するための好適な
溶媒としては、クレゾ−ルやそれらのポリマ−を溶解し
得る非酸化性の酸が含まれる。好適な酸溶媒の例として
は、ポリリン酸、メタンスルホン酸及び高濃度の硫酸或
はそれらの混合物が挙げられる。更に好適な溶媒はポリ
リン酸及びメタンスルホン酸である。また最も適する溶
媒はポリリン酸である。溶媒中のポリマ−濃度は好まし
くは少なくとも約7重量%であり、更に好ましくは少な
くとも10重量%、最も好ましくは少なくとも14重量
%である。最大濃度は、例えばポリマ−の溶解性やド−
プ粘度といつた実際上の取扱い性により限定される。そ
れらの限界要因のためにポリマ−濃度は通常では20重
量%を超えることはない。好適なポリマ−やコポリマ−
或はド−プは公知の手法、例えば特表昭60−5005
38号記載のド−プの製造方法により合成される。また
米国特許第4,533,693 号〔8月6日(1985)〕、米国特許
第4,772,678 号〔9月20日(1988)〕、米国特許第4,84
7,350 号〔7月11日(1989)〕においても見られる。ま
たPBZポリマ−は、米国特許第5,089,591 号〔2月1
8日(1992)〕によると、脱水性の酸溶媒中での比較的高
温、高剪断条件下において高い反応速度での高分子量化
が可能である。
【0007】
【化1】
【0008】本発明の合成樹脂強化複合繊維布帛を構成
するPBZ繊維は引張強度が4.0 GPa以上で且つ初期
引張弾性率が140 GPa以上を有することが好ましい。
引張強度が4.0 GPa未満、或は初期引張弾性率が140
GPa未満のPBZ繊維からなる繊維布帛又は該布帛を
補強材に用いた繊維強化複合材料が一定の強力を得るに
は繊維使用量を増やす必要があるため軽量性の点で従来
の素材に比べて利点が少ない。単繊維繊度には特に制限
はなく1〜7デニ−ルの範囲のものが好適に使用され
る。なお溶射において基材となるポリベンザゾ−ル繊維
と金属層との優れた密着性を得るために予備処理を施し
て表面を活性化させることが望ましく、具体的にはコロ
ナ放電処理、プラズマ処理、化学エツチング、コ−テイ
ング処理等が挙げられる。また金属層との密着性を高め
るため予めPBZ繊維に無機充填材を加えてもよい。
するPBZ繊維は引張強度が4.0 GPa以上で且つ初期
引張弾性率が140 GPa以上を有することが好ましい。
引張強度が4.0 GPa未満、或は初期引張弾性率が140
GPa未満のPBZ繊維からなる繊維布帛又は該布帛を
補強材に用いた繊維強化複合材料が一定の強力を得るに
は繊維使用量を増やす必要があるため軽量性の点で従来
の素材に比べて利点が少ない。単繊維繊度には特に制限
はなく1〜7デニ−ルの範囲のものが好適に使用され
る。なお溶射において基材となるポリベンザゾ−ル繊維
と金属層との優れた密着性を得るために予備処理を施し
て表面を活性化させることが望ましく、具体的にはコロ
ナ放電処理、プラズマ処理、化学エツチング、コ−テイ
ング処理等が挙げられる。また金属層との密着性を高め
るため予めPBZ繊維に無機充填材を加えてもよい。
【0009】本発明の金属被覆繊維布帛は主としてPB
Z繊維で構成されるが、引張強度1.3 GPa以上、初期
引張弾性率45GPa以上で且つ融点が300 ℃以上、或
は分解開始温度が450 ℃以上の耐熱性繊維を複合した繊
維布帛であつてもよい。複合する繊維としては例えば全
芳香族系ポリアミド繊維や全芳香族系ポリエステル繊維
等が挙げられる。金属被覆繊維布帛においてPBZ繊維
に複合する高強度、高弾性率、高耐熱性繊維の割合に関
しては特に制限はないが耐熱性、軽量性及び力学特性等
を勘案すると30重量%未満が好ましい。
Z繊維で構成されるが、引張強度1.3 GPa以上、初期
引張弾性率45GPa以上で且つ融点が300 ℃以上、或
は分解開始温度が450 ℃以上の耐熱性繊維を複合した繊
維布帛であつてもよい。複合する繊維としては例えば全
芳香族系ポリアミド繊維や全芳香族系ポリエステル繊維
等が挙げられる。金属被覆繊維布帛においてPBZ繊維
に複合する高強度、高弾性率、高耐熱性繊維の割合に関
しては特に制限はないが耐熱性、軽量性及び力学特性等
を勘案すると30重量%未満が好ましい。
【0010】次に被覆に使用される金属の種類及び溶射
条件について説明する。溶射法では基本的にどのような
金属でも利用可能であるが溶射に際して粒子の熱容量を
対象とする基材の種類によつては制限を受けることもあ
る。しかしPBZ繊維は優れた力学特性と耐熱性とを有
するため広範囲の金属の使用が可能である。例えば亜
鉛、アルミニユウム、鉛、錫、銀、銅、ニツケル、クロ
ム、金、コバルト、鉄、マンガン等が挙げられる。しか
し溶射の際の金属粒子の熱容量、被膜形成の安定性能、
電磁波シ−ルド効果、合成樹脂との接着性、更に経済性
等の点を考慮すると好ましい金属は亜鉛、銅、ニツケル
等である。次に溶射条件について述べる。
条件について説明する。溶射法では基本的にどのような
金属でも利用可能であるが溶射に際して粒子の熱容量を
対象とする基材の種類によつては制限を受けることもあ
る。しかしPBZ繊維は優れた力学特性と耐熱性とを有
するため広範囲の金属の使用が可能である。例えば亜
鉛、アルミニユウム、鉛、錫、銀、銅、ニツケル、クロ
ム、金、コバルト、鉄、マンガン等が挙げられる。しか
し溶射の際の金属粒子の熱容量、被膜形成の安定性能、
電磁波シ−ルド効果、合成樹脂との接着性、更に経済性
等の点を考慮すると好ましい金属は亜鉛、銅、ニツケル
等である。次に溶射条件について述べる。
【0011】溶射条件は使用する金属の種類によるが、
以下に亜鉛の溶射条件について説明する。亜鉛線材に投
入する電気エネルギ−密度は5〜80KJ/cm3 が好ま
しく、電気エネルギ−密度が5KJ/cm3 に満たない場
合は溶射に際して亜鉛の粒子化が生じにくく均一な亜鉛
被膜が形成されないため、(1) 好ましい電磁波シ−ルド
効果が得られない、(2) 複合材料の補強材に用いた際に
良好な接着性が得られない等の結果になる。電気エネル
ギ−密度を極度に高めると亜鉛の付着効率が低下するか
ら80KJ/cm3 を超えないことが好ましい。また溶射
距離は素材とする亜鉛線材直径の1〜15倍にするのが
好ましい。1倍未満の溶射距離では繊維と亜鉛の爆発位
置に近すぎるため、繊維の位置の正確な設定が難しくな
り付着斑を生じるため好ましくない。一方、溶射距離が
15倍を超えると繊維までの距離が遠すぎるため亜鉛粒
子の持つ運動エネルギ−、熱エネルギ−の減衰が大き
く、繊維表面への強固な付着が困難となるため好ましく
ない。また繊維表面に形成する亜鉛膜厚は15〜55μ
mが好ましい。膜厚が15μm未満では亜鉛被膜が薄す
ぎるために、また均一な亜鉛被膜を形成することが困難
であり、(1) 好ましい電磁波シ−ルド効果が得られな
い、(2) 複合材料の補強材に使用する際にマトリツクス
との結合性が不充分となる等の結果になる。他方、膜厚
が55μmを超えると亜鉛被膜が厚くなり過ぎるため、
ハンドリング性が悪化し、補強材として用いた場合は界
面層が脆化し、強い補強効果を得ることができない。
以下に亜鉛の溶射条件について説明する。亜鉛線材に投
入する電気エネルギ−密度は5〜80KJ/cm3 が好ま
しく、電気エネルギ−密度が5KJ/cm3 に満たない場
合は溶射に際して亜鉛の粒子化が生じにくく均一な亜鉛
被膜が形成されないため、(1) 好ましい電磁波シ−ルド
効果が得られない、(2) 複合材料の補強材に用いた際に
良好な接着性が得られない等の結果になる。電気エネル
ギ−密度を極度に高めると亜鉛の付着効率が低下するか
ら80KJ/cm3 を超えないことが好ましい。また溶射
距離は素材とする亜鉛線材直径の1〜15倍にするのが
好ましい。1倍未満の溶射距離では繊維と亜鉛の爆発位
置に近すぎるため、繊維の位置の正確な設定が難しくな
り付着斑を生じるため好ましくない。一方、溶射距離が
15倍を超えると繊維までの距離が遠すぎるため亜鉛粒
子の持つ運動エネルギ−、熱エネルギ−の減衰が大き
く、繊維表面への強固な付着が困難となるため好ましく
ない。また繊維表面に形成する亜鉛膜厚は15〜55μ
mが好ましい。膜厚が15μm未満では亜鉛被膜が薄す
ぎるために、また均一な亜鉛被膜を形成することが困難
であり、(1) 好ましい電磁波シ−ルド効果が得られな
い、(2) 複合材料の補強材に使用する際にマトリツクス
との結合性が不充分となる等の結果になる。他方、膜厚
が55μmを超えると亜鉛被膜が厚くなり過ぎるため、
ハンドリング性が悪化し、補強材として用いた場合は界
面層が脆化し、強い補強効果を得ることができない。
【0012】亜鉛溶射の素材となるPBZ繊維布帛の形
態は編物、織物、直交不織布の何れでもよい。なぜなら
亜鉛溶射は布帛の平面に対して行われるため上記形態の
方が繊維糸条のときよりも溶射効率を挙げることができ
るからである。布帛を構成する繊維の形態は、長繊維、
短繊維或は長繊維と短繊維との混用品の何れであつても
よいが、補強材としてより高い効果を得るには長繊維を
用いることが好ましい。なお布帛が織物である場合、織
密度は10本/インチが好ましい。織密度が10本/イ
ンチ未満では繊維間隙があきすぎるため溶射により付与
された亜鉛に対する支持が弱くなり亜鉛が脱落しやすく
なる。また前記したようにPBZ繊維に全芳香族系ポリ
アミド繊維又は全芳香族系ポリエステル繊維が複合され
た布帛も対象とすることができる。その際に複合布帛を
得る具体的な方法としては、長繊維状のPBZ繊維と全
芳香族系ポリアミド繊維を用いた織物において経糸、緯
糸のそれぞれについて(1) PBZ繊維と全芳香族系ポリ
アミド繊維の各100 %素材を1本乃至数本交互に複合す
る方法、(2) PBZ繊維と全芳香族系ポリアミド繊維を
引き揃えた糸を1本乃至数本交互に複合する方法、(3)
経糸又は緯糸の何れか一方にPBZ繊維、全芳香族系ポ
リアミド繊維の各100 %素材を使用し、他方に上記引き
揃え糸1本乃至数本を交互に複合する方法、更には(4)
PBZ繊維と全芳香族系ポリアミド繊維の組合わせによ
つて、フイラメント混繊糸とした後に複合する方法等を
採用することができる。また直交不織布においては、
(1) PBZ長繊維と全芳香族系ポリアミド長繊維をそれ
ぞれ100 %使用して単層とした後、該異種単層シ−トを
多層に積層し、次いで直交不織布とする方法、(2) PB
Z長繊維と全芳香族系ポリアミド長繊維の引き揃え糸を
使用して単層とし、該単層シ−トを多層に積層し、次い
で直交不織布とする方法、(3) PBZ長繊維と全芳香族
系ポリアミド長繊維を1本乃至数本交互に組合わせて単
層シ−トとし、該単層シ−トを多層積層後、次いで直交
不織布とする方法、(4) PBZ長繊維と全芳香族系ポリ
アミド長繊維のフイラメント混繊糸を使用して単層とし
た後、次いで該単層シ−トを多層積層後、直交不織布と
する方法が挙げられる。なお布帛が何れの形態であつて
も繊維表面に存在する不純物は亜鉛溶射粒子と繊維表面
との直接結合を阻害する。従つて溶射を施す前に洗浄、
具体的には脱脂処理を行うことによつて亜鉛と繊維間に
強い結合を形成せしめることができる。
態は編物、織物、直交不織布の何れでもよい。なぜなら
亜鉛溶射は布帛の平面に対して行われるため上記形態の
方が繊維糸条のときよりも溶射効率を挙げることができ
るからである。布帛を構成する繊維の形態は、長繊維、
短繊維或は長繊維と短繊維との混用品の何れであつても
よいが、補強材としてより高い効果を得るには長繊維を
用いることが好ましい。なお布帛が織物である場合、織
密度は10本/インチが好ましい。織密度が10本/イ
ンチ未満では繊維間隙があきすぎるため溶射により付与
された亜鉛に対する支持が弱くなり亜鉛が脱落しやすく
なる。また前記したようにPBZ繊維に全芳香族系ポリ
アミド繊維又は全芳香族系ポリエステル繊維が複合され
た布帛も対象とすることができる。その際に複合布帛を
得る具体的な方法としては、長繊維状のPBZ繊維と全
芳香族系ポリアミド繊維を用いた織物において経糸、緯
糸のそれぞれについて(1) PBZ繊維と全芳香族系ポリ
アミド繊維の各100 %素材を1本乃至数本交互に複合す
る方法、(2) PBZ繊維と全芳香族系ポリアミド繊維を
引き揃えた糸を1本乃至数本交互に複合する方法、(3)
経糸又は緯糸の何れか一方にPBZ繊維、全芳香族系ポ
リアミド繊維の各100 %素材を使用し、他方に上記引き
揃え糸1本乃至数本を交互に複合する方法、更には(4)
PBZ繊維と全芳香族系ポリアミド繊維の組合わせによ
つて、フイラメント混繊糸とした後に複合する方法等を
採用することができる。また直交不織布においては、
(1) PBZ長繊維と全芳香族系ポリアミド長繊維をそれ
ぞれ100 %使用して単層とした後、該異種単層シ−トを
多層に積層し、次いで直交不織布とする方法、(2) PB
Z長繊維と全芳香族系ポリアミド長繊維の引き揃え糸を
使用して単層とし、該単層シ−トを多層に積層し、次い
で直交不織布とする方法、(3) PBZ長繊維と全芳香族
系ポリアミド長繊維を1本乃至数本交互に組合わせて単
層シ−トとし、該単層シ−トを多層積層後、次いで直交
不織布とする方法、(4) PBZ長繊維と全芳香族系ポリ
アミド長繊維のフイラメント混繊糸を使用して単層とし
た後、次いで該単層シ−トを多層積層後、直交不織布と
する方法が挙げられる。なお布帛が何れの形態であつて
も繊維表面に存在する不純物は亜鉛溶射粒子と繊維表面
との直接結合を阻害する。従つて溶射を施す前に洗浄、
具体的には脱脂処理を行うことによつて亜鉛と繊維間に
強い結合を形成せしめることができる。
【0013】このようにして得られる金属被覆繊維布帛
はそれ自身が電磁波シ−ルド材、例えば電磁波シ−ルド
カ−テンとして用いることができるが更に複合材料の補
強材として利用することができる。後者の場合、マトリ
ツクス材料は特に限定されず、ゴムや熱可塑性合成樹脂
等が利用できる。ここでいうゴムとはクロロプレンゴ
ム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエ
ンゴム、エチレンプロピレンタ−ポリマ−、シリコンゴ
ム等を非限定的に挙げることができる。また本発明に使
用される合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂等の全てが挙げられるが好ましいのは
熱硬化性樹脂であり、その中でも特に好ましいものとし
ては、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、例えばヘツト酸ポリエステル、ビスフエノ−ルAポ
リエステル、ビニルポリエステル樹脂(直鎖状樹脂)或
はエポキシ樹脂、例えばグリシジルエ−テル系、グリシ
ジルエステル系、クリシジルアミン系、線状脂肪族エポ
キサイド系、脂肪族エポキサイド系等の樹脂が挙げられ
る。本発明に係る繊維強化複合材料に占める前記繊維の
好ましい含有率は接着、補強効果及び耐層間剥離性等を
考慮して35〜70重量%の範囲である。合成樹脂の硬
化方法は使用するマトリツクス樹脂の種類や成形方法等
によつても異なるが、通常コ−ルドプレス法やヒ−トプ
レス法等を使用して熱硬化させる。
はそれ自身が電磁波シ−ルド材、例えば電磁波シ−ルド
カ−テンとして用いることができるが更に複合材料の補
強材として利用することができる。後者の場合、マトリ
ツクス材料は特に限定されず、ゴムや熱可塑性合成樹脂
等が利用できる。ここでいうゴムとはクロロプレンゴ
ム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエ
ンゴム、エチレンプロピレンタ−ポリマ−、シリコンゴ
ム等を非限定的に挙げることができる。また本発明に使
用される合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂等の全てが挙げられるが好ましいのは
熱硬化性樹脂であり、その中でも特に好ましいものとし
ては、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、例えばヘツト酸ポリエステル、ビスフエノ−ルAポ
リエステル、ビニルポリエステル樹脂(直鎖状樹脂)或
はエポキシ樹脂、例えばグリシジルエ−テル系、グリシ
ジルエステル系、クリシジルアミン系、線状脂肪族エポ
キサイド系、脂肪族エポキサイド系等の樹脂が挙げられ
る。本発明に係る繊維強化複合材料に占める前記繊維の
好ましい含有率は接着、補強効果及び耐層間剥離性等を
考慮して35〜70重量%の範囲である。合成樹脂の硬
化方法は使用するマトリツクス樹脂の種類や成形方法等
によつても異なるが、通常コ−ルドプレス法やヒ−トプ
レス法等を使用して熱硬化させる。
【0014】以下に本発明において評価に用いた特性の
測定法は下記の通りである。 <繊度>試料を標準状態(温度22±2度、相対湿度6
5±2%の状態)の試験室で24時間静置した後、ラツ
プリ−ルを用いて試料90mを採取し、その重量を測定
して9000mの重量に換算して繊度(デニ−ル)とした。 <繊維の強伸度特性の測定法>JIS L1013(1
981)の7.5.1に準じ、標準状態の試験室でオリ
エンテツク株式会社製のテンシロン型試験機を使用し
て、把み間隔20cm、引張速度100 %/分、n=10で
強伸度を測定し、初期引張弾性率、破断時の引張強度及
び伸度を算出した。 <亜鉛膜厚の測定法>走査電子顕微鏡を用いて膜亜鉛被
覆繊維布帛を観察して膜厚を測定した。 <亜鉛の脱落率の測定法>JIS K6328(198
1)に準じ、揉試験を2000回実施し、重量変化により脱
落率を求めた。 <電磁波シ−ルド性の測定法>ASTM−1951.デ
ユアルチヤンバ−法に準じ、周波数30MHz〜1GH
z帯域においてシ−ルド効果(dB)を測定した。 <複合材料の剥離試験法>亜鉛被覆繊維で強化した複合
材料を標準状態の試験室に24時間コンデイシヨニング
した後、オリエンテツク株式会社製のテンシロン型試験
機を使用して、把み間隔1cm、引張速度5cm/分の条件
でT−剥離により剥離試験を行つた。
測定法は下記の通りである。 <繊度>試料を標準状態(温度22±2度、相対湿度6
5±2%の状態)の試験室で24時間静置した後、ラツ
プリ−ルを用いて試料90mを採取し、その重量を測定
して9000mの重量に換算して繊度(デニ−ル)とした。 <繊維の強伸度特性の測定法>JIS L1013(1
981)の7.5.1に準じ、標準状態の試験室でオリ
エンテツク株式会社製のテンシロン型試験機を使用し
て、把み間隔20cm、引張速度100 %/分、n=10で
強伸度を測定し、初期引張弾性率、破断時の引張強度及
び伸度を算出した。 <亜鉛膜厚の測定法>走査電子顕微鏡を用いて膜亜鉛被
覆繊維布帛を観察して膜厚を測定した。 <亜鉛の脱落率の測定法>JIS K6328(198
1)に準じ、揉試験を2000回実施し、重量変化により脱
落率を求めた。 <電磁波シ−ルド性の測定法>ASTM−1951.デ
ユアルチヤンバ−法に準じ、周波数30MHz〜1GH
z帯域においてシ−ルド効果(dB)を測定した。 <複合材料の剥離試験法>亜鉛被覆繊維で強化した複合
材料を標準状態の試験室に24時間コンデイシヨニング
した後、オリエンテツク株式会社製のテンシロン型試験
機を使用して、把み間隔1cm、引張速度5cm/分の条件
でT−剥離により剥離試験を行つた。
【0015】
【実施例1】強度5.8 GPa、初期引張弾性率269 GP
aで繊度1500デニ−ル/1000フイラメントのポリベンズ
オキサゾ−ル(PBO繊維)長繊維束を用い、経糸及び
緯糸各々35本/インチの織密度で製織した後、一片が
10cmの正方形に切り出し亜鉛被覆用の織布を得た。該
亜鉛被覆用の織布に対して、直径0.1cm 、長さ5cmの亜
鉛線を、溶射距離1.5cm 、電気エネルギ−1.2 KJで3
回溶射した。このようにして得た亜鉛被覆繊維布帛の膜
厚、亜鉛脱落率、電磁波シ−ルド性等を〔表1〕に纏め
て示した。
aで繊度1500デニ−ル/1000フイラメントのポリベンズ
オキサゾ−ル(PBO繊維)長繊維束を用い、経糸及び
緯糸各々35本/インチの織密度で製織した後、一片が
10cmの正方形に切り出し亜鉛被覆用の織布を得た。該
亜鉛被覆用の織布に対して、直径0.1cm 、長さ5cmの亜
鉛線を、溶射距離1.5cm 、電気エネルギ−1.2 KJで3
回溶射した。このようにして得た亜鉛被覆繊維布帛の膜
厚、亜鉛脱落率、電磁波シ−ルド性等を〔表1〕に纏め
て示した。
【0016】
【表1】
【0017】
【比較例1】実施例1に記載した亜鉛被覆用の織布に以
下の条件からなるスバツタ法によつて亜鉛を付与して亜
鉛被覆繊維布帛を得た。 アルゴンガス圧力 : 30×10-3 Torr 電極間距離 : 10cm 高周波出力 : 13.5MHz、200W このようにして得た亜鉛被覆繊維布帛の膜厚、亜鉛脱落
率、電磁波シ−ルド性等を〔表1〕に纏めて示した。
下の条件からなるスバツタ法によつて亜鉛を付与して亜
鉛被覆繊維布帛を得た。 アルゴンガス圧力 : 30×10-3 Torr 電極間距離 : 10cm 高周波出力 : 13.5MHz、200W このようにして得た亜鉛被覆繊維布帛の膜厚、亜鉛脱落
率、電磁波シ−ルド性等を〔表1〕に纏めて示した。
【0018】
【比較例2】JIS K6760に基づいて測定した融
点が145 ℃、ASTMD2857に基づいて求めた平均
分子量が200 万、引張強度2.6 GPa、初期引張弾性率
87GPa、繊度1600デニ−ル、フイラメント数1560本
である超高分子量ポリエチレン繊維(東洋紡績株式会社
製)を用い経糸及び緯糸各々22本/インチの織密度で
製織した後、一片が10cmの正方形に切り出して亜鉛溶
射用の繊維布帛を作成した。該繊維布帛に対して直径0.
1 cm、長さ5cmの亜鉛線を1.5cm の溶射距離にとつて電
気エネルギ−0.7 KJで5回溶射した。このようにして
得た亜鉛被覆繊維布帛の膜厚、亜鉛脱落率、電磁波シ−
ルド性等を〔表1〕に纏めて示した。
点が145 ℃、ASTMD2857に基づいて求めた平均
分子量が200 万、引張強度2.6 GPa、初期引張弾性率
87GPa、繊度1600デニ−ル、フイラメント数1560本
である超高分子量ポリエチレン繊維(東洋紡績株式会社
製)を用い経糸及び緯糸各々22本/インチの織密度で
製織した後、一片が10cmの正方形に切り出して亜鉛溶
射用の繊維布帛を作成した。該繊維布帛に対して直径0.
1 cm、長さ5cmの亜鉛線を1.5cm の溶射距離にとつて電
気エネルギ−0.7 KJで5回溶射した。このようにして
得た亜鉛被覆繊維布帛の膜厚、亜鉛脱落率、電磁波シ−
ルド性等を〔表1〕に纏めて示した。
【0019】〔表1〕から明らかなように本発明に属す
る金属(亜鉛)被覆繊維布帛は、(1) 皮膜が厚い、(2)
金属の繊維表面に対する結合性が強い、(3) 電磁波の減
衰が大きく高いシ−ルド性を示す等のこと及び溶射に際
して、(1) 繊維が高耐熱性であることから電気エネルギ
−密度を高くして溶射回数を低減することができる等の
ことが判かる。
る金属(亜鉛)被覆繊維布帛は、(1) 皮膜が厚い、(2)
金属の繊維表面に対する結合性が強い、(3) 電磁波の減
衰が大きく高いシ−ルド性を示す等のこと及び溶射に際
して、(1) 繊維が高耐熱性であることから電気エネルギ
−密度を高くして溶射回数を低減することができる等の
ことが判かる。
【0020】
【実施例2、比較例3〜4】下記組成のEPDMゴムを
マトリツクスとし、実施例1で得た亜鉛被覆繊維布帛を
補強材として下記のようにして加硫を行ない繊維強化複
合材料を得て、これを実施例2とした。なお実施例2に
おいて補強材を前記比較例1〜2で得た亜鉛被覆繊維布
帛に代えた以外は同一の処理を行なつて繊維強化複合材
料を得た。これを比較例3〜4とした。得られた繊維強
化複合材料の剥離強度を〔表2〕に纏めて示した。 (1) EPDMゴム組成 E501A〔エスブレン、住友化学工業株式会社製〕 100.0重量部 ZnO 5.0重量部 ステアリン酸 1.0重量部 FEFブラツク〔カ−ボンブラツク、東海カ−ボン株式会社製〕 1.0重量部 サンバ−2260〔パラフイン系オイル、日本サンオイル株式会社製〕 10.0重量部 ソクシノ−ルBZ〔ジブチルジチオカルバメ−ト亜鉛塩、 住友化学工業株式会社製〕 1.0重量部 ソクシノ−ルTT〔テトラメチルチウラムジサルフアイド、 住友化学工業株式会社製〕 1.0重量部 ソクシノ−ルM〔2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、 住友化学工業株式会社製〕 0.5重量部 硫黄 1.0重量部 (2) 加硫 前記組成のEPDMゴムを厚さ1mmのシ−トにした後、
一辺が10cmの正方形に切り、該亜鉛被覆布帛を2枚の
EPDMゴムの間に挟んで1Kg/cm2 、130 ℃の温度で
20分間加硫を行なつた。
マトリツクスとし、実施例1で得た亜鉛被覆繊維布帛を
補強材として下記のようにして加硫を行ない繊維強化複
合材料を得て、これを実施例2とした。なお実施例2に
おいて補強材を前記比較例1〜2で得た亜鉛被覆繊維布
帛に代えた以外は同一の処理を行なつて繊維強化複合材
料を得た。これを比較例3〜4とした。得られた繊維強
化複合材料の剥離強度を〔表2〕に纏めて示した。 (1) EPDMゴム組成 E501A〔エスブレン、住友化学工業株式会社製〕 100.0重量部 ZnO 5.0重量部 ステアリン酸 1.0重量部 FEFブラツク〔カ−ボンブラツク、東海カ−ボン株式会社製〕 1.0重量部 サンバ−2260〔パラフイン系オイル、日本サンオイル株式会社製〕 10.0重量部 ソクシノ−ルBZ〔ジブチルジチオカルバメ−ト亜鉛塩、 住友化学工業株式会社製〕 1.0重量部 ソクシノ−ルTT〔テトラメチルチウラムジサルフアイド、 住友化学工業株式会社製〕 1.0重量部 ソクシノ−ルM〔2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、 住友化学工業株式会社製〕 0.5重量部 硫黄 1.0重量部 (2) 加硫 前記組成のEPDMゴムを厚さ1mmのシ−トにした後、
一辺が10cmの正方形に切り、該亜鉛被覆布帛を2枚の
EPDMゴムの間に挟んで1Kg/cm2 、130 ℃の温度で
20分間加硫を行なつた。
【0021】
【表2】
【0022】〔表2〕から明らかなように本発明に属す
る繊維強化複合材料(実施例2)はスパツタ法による金
属被覆繊維布帛を補強材に用いた場合(比較例3)や被
溶射基材として超高分子量ポリエチレン繊維を用いた場
合(比較例4)と比べると樹脂との接着性に優れた繊維
強化複合材料の得られることが判かる。
る繊維強化複合材料(実施例2)はスパツタ法による金
属被覆繊維布帛を補強材に用いた場合(比較例3)や被
溶射基材として超高分子量ポリエチレン繊維を用いた場
合(比較例4)と比べると樹脂との接着性に優れた繊維
強化複合材料の得られることが判かる。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
ポリベンザゾ−ル繊維の優れた力学特性、即ち高強力、
高弾性率で高耐熱、難撚性、耐摩耗性、耐衝撃性等の特
性を維持し、且つ高い電磁波シ−ルド性を有する金属被
覆繊維布帛を提供することが可能になつた。また該繊維
布帛を補強材として用いると繊維と樹脂との接着性が改
善された繊維強化複合材料が得られる。なお該補強材は
金属被覆が施されているため、得られる繊維強化複合材
料は優れた電磁波シ−ルド性や帯電防止機能を有する。
ポリベンザゾ−ル繊維の優れた力学特性、即ち高強力、
高弾性率で高耐熱、難撚性、耐摩耗性、耐衝撃性等の特
性を維持し、且つ高い電磁波シ−ルド性を有する金属被
覆繊維布帛を提供することが可能になつた。また該繊維
布帛を補強材として用いると繊維と樹脂との接着性が改
善された繊維強化複合材料が得られる。なお該補強材は
金属被覆が施されているため、得られる繊維強化複合材
料は優れた電磁波シ−ルド性や帯電防止機能を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 4/06 D06M 101:30
Claims (3)
- 【請求項1】 引張強力が4.0 GPa以上、かつ初期引
張弾性率が140 GPa以上を有するポリベンザゾ−ル繊
維よりなる布帛の少なくともその片面に金属を溶射して
被膜が形成されてなることを特徴とする金属被覆繊維布
帛。 - 【請求項2】 引張強力が4.0 GPa以上、かつ初期引
張弾性率が140 GPa以上を有するポリベンザゾ−ル繊
維よりなる直交不織布の少なくともその片面に金属を溶
射して被膜が形成されてなることを特徴とする金属被覆
直交不織布。 - 【請求項3】 請求項1記載の金属被覆繊維布帛を補強
材として使用してなることを特徴とする繊維強化複合材
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11215594A JPH07300768A (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 金属被覆繊維布帛 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11215594A JPH07300768A (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 金属被覆繊維布帛 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07300768A true JPH07300768A (ja) | 1995-11-14 |
Family
ID=14579615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11215594A Pending JPH07300768A (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 金属被覆繊維布帛 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07300768A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997034026A1 (en) * | 1996-03-13 | 1997-09-18 | Cerma Shield (Proprietary) Limited | The coating of materials |
WO2000015860A1 (de) * | 1998-09-14 | 2000-03-23 | Frenzelit-Werke Gmbh & Co. Kg | Verfahren zur herstellung von formkörpern |
CN103469424A (zh) * | 2013-09-02 | 2013-12-25 | 江苏红豆实业股份有限公司 | 具有抗菌和电磁屏蔽功能面料的制备方法 |
CN115807204A (zh) * | 2022-11-25 | 2023-03-17 | 国网黑龙江省电力有限公司大兴安岭供电公司 | 一种碳纤维复合材料表面金属化的方法及其应用 |
-
1994
- 1994-04-26 JP JP11215594A patent/JPH07300768A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997034026A1 (en) * | 1996-03-13 | 1997-09-18 | Cerma Shield (Proprietary) Limited | The coating of materials |
WO2000015860A1 (de) * | 1998-09-14 | 2000-03-23 | Frenzelit-Werke Gmbh & Co. Kg | Verfahren zur herstellung von formkörpern |
CN103469424A (zh) * | 2013-09-02 | 2013-12-25 | 江苏红豆实业股份有限公司 | 具有抗菌和电磁屏蔽功能面料的制备方法 |
CN115807204A (zh) * | 2022-11-25 | 2023-03-17 | 国网黑龙江省电力有限公司大兴安岭供电公司 | 一种碳纤维复合材料表面金属化的方法及其应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4522889A (en) | Lightning protection composite material | |
US9822228B2 (en) | Prepreg and carbon fiber reinforced composite materials | |
US9683326B2 (en) | Prepreg and carbon fiber reinforced composite material | |
US5395691A (en) | Rigid polyethylene reinforced composites having improved short beam shear strength | |
EP2416102A2 (en) | Aramid composite, and method for preparing same | |
JP2000273762A (ja) | 電磁波シールド材料用基布及びそれを用いた電磁波シールド材料 | |
JPH07300768A (ja) | 金属被覆繊維布帛 | |
DE10149645C1 (de) | Verfahren zur Herstellung elektrisch leitfähiger Polymerverbunde mit elektromagnetisch abschirmender Funktion | |
US20060199004A1 (en) | Electroconductive adhesive tape | |
De Temmerman | New metallized materials for EMI/RFI shielding | |
JP2512912B2 (ja) | ゴム系複合材料の製造方法 | |
JP2000208984A (ja) | 電磁波シ―ルド材およびその製造方法 | |
Lin et al. | Reinforcing techniques and property evaluations of electromagnetic shielding effective fabrics based on polypropylene-coated carbon fibers | |
Lin et al. | A novel processing technique of carbon fiber/copper wire reinforced thermoplastic composites to improve EMI SE performance | |
JPH02118173A (ja) | 亜鉛被覆編織物 | |
KR101397247B1 (ko) | 아라미드 복합재 및 그 제조방법 | |
JPS6350569A (ja) | 導電性布帛状物 | |
JPS60264240A (ja) | 複合材料 | |
JPH0397932A (ja) | 電磁波遮蔽性成形材料用複合糸およびそれを用いた成形用材料およびその成形体 | |
JP2019029674A (ja) | 電磁波シールド材料及び電磁波シールド材料の製造方法 | |
JP2917382B2 (ja) | ゴムの複合化方法 | |
JPH04108168A (ja) | 導電繊維シート | |
RU2763379C1 (ru) | Способ получения электропроводящего металлизированного текстильного материала | |
JPH02272798A (ja) | 高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材料 | |
JPS63282365A (ja) | 導電性ポリエステル繊維 |