JPH0730028B2 - アシル−コエンチームa:コレステロールアシルトランスフェラーゼの抑制剤としてのn−アシル−テトラヒドロイソキノリン類 - Google Patents
アシル−コエンチームa:コレステロールアシルトランスフェラーゼの抑制剤としてのn−アシル−テトラヒドロイソキノリン類Info
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- JPH0730028B2 JPH0730028B2 JP4127144A JP12714492A JPH0730028B2 JP H0730028 B2 JPH0730028 B2 JP H0730028B2 JP 4127144 A JP4127144 A JP 4127144A JP 12714492 A JP12714492 A JP 12714492A JP H0730028 B2 JPH0730028 B2 JP H0730028B2
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- C07D217/12—Heterocyclic compounds containing isoquinoline or hydrogenated isoquinoline ring systems with radicals, substituted by hetero atoms, attached to carbon atoms of the nitrogen-containing ring
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−アシル−1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリン類、ならびにそれら
の化合物を含有するアテローム性動脈硬化の治療および
予防に有用な薬剤組成物に関するものである。
3,4−テトラヒドロイソキノリン類、ならびにそれら
の化合物を含有するアテローム性動脈硬化の治療および
予防に有用な薬剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】アテロ
ーム性冠動脈硬化性心臓疾患は西欧における死亡および
冠血管罹患率の主因である。アテローム性冠動脈硬化性
心臓疾患の危険因子には、高血圧、真性糖尿病、家族
歴、男性、喫煙および血清コレステロールが含まれる。
225−250mg/dlを越える全コレステロール水
準は有意の危険率上昇を伴う。
ーム性冠動脈硬化性心臓疾患は西欧における死亡および
冠血管罹患率の主因である。アテローム性冠動脈硬化性
心臓疾患の危険因子には、高血圧、真性糖尿病、家族
歴、男性、喫煙および血清コレステロールが含まれる。
225−250mg/dlを越える全コレステロール水
準は有意の危険率上昇を伴う。
【0003】コレステロールエステルはアテローム性動
脈硬化の病変の主要素であり、動脈壁細胞におけるコレ
ステロールの主な貯蔵形態である。コレステロールエス
テルの形成は食物コレステロールの腸吸収における重要
な工程でもある。コレステロールの細胞内エステル化は
酵素アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェ
ラーゼA(ACAT,EC2.3.1.26)により触
媒される。従ってACATを抑制すると、アテローム性
動脈硬化の病変の進行が抑制され、動脈壁におけるコレ
ステロールエステルの蓄積が減少し、食物コレステロー
ルの腸吸収が遮断されると思われる。
脈硬化の病変の主要素であり、動脈壁細胞におけるコレ
ステロールの主な貯蔵形態である。コレステロールエス
テルの形成は食物コレステロールの腸吸収における重要
な工程でもある。コレステロールの細胞内エステル化は
酵素アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェ
ラーゼA(ACAT,EC2.3.1.26)により触
媒される。従ってACATを抑制すると、アテローム性
動脈硬化の病変の進行が抑制され、動脈壁におけるコレ
ステロールエステルの蓄積が減少し、食物コレステロー
ルの腸吸収が遮断されると思われる。
【0004】多数のN−アシル−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン系の酵素抑制剤が知られている。
米国特許第4,743,450号、米国特許第4,63
4,715号、米国特許第4,555,503号明細書
および欧州特許出願公告第259,838号明細書に
は、アンギオテンシンI転換酵素(ACE)抑制剤であ
るN−アシル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン−3−カルボン酸が示されている。
ラヒドロイソキノリン系の酵素抑制剤が知られている。
米国特許第4,743,450号、米国特許第4,63
4,715号、米国特許第4,555,503号明細書
および欧州特許出願公告第259,838号明細書に
は、アンギオテンシンI転換酵素(ACE)抑制剤であ
るN−アシル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン−3−カルボン酸が示されている。
【0005】米国特許第4,460,775号明細書に
は、ACE抑制剤であるN−アシル−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸誘導体が示
されている。
は、ACE抑制剤であるN−アシル−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸誘導体が示
されている。
【0006】ドイツ特許出願第3,324,744号明
細書には、ACE抑制剤であるN−アシル−1−オキソ
−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カ
ルボン酸が示されている。
細書には、ACE抑制剤であるN−アシル−1−オキソ
−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カ
ルボン酸が示されている。
【0007】米国特許第4,729,985号明細書に
は、レニン抑制剤である次式のN−アシル−1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリンが示されている: 式中、RはHまたはメチルであり;R1はフェニル、1
−ナフチル、4−ヒドロキシフェニル、プロピル、イソ
プロピル、4−イミダゾリルおよび4−メトキシフェニ
ルであり;R2はH、低級アルキル、低級アルコキシ、
フェニルまたはR3−置換フェニルであり、ここでR3は
(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ、フル
オロまたはクロロである。
は、レニン抑制剤である次式のN−アシル−1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリンが示されている: 式中、RはHまたはメチルであり;R1はフェニル、1
−ナフチル、4−ヒドロキシフェニル、プロピル、イソ
プロピル、4−イミダゾリルおよび4−メトキシフェニ
ルであり;R2はH、低級アルキル、低級アルコキシ、
フェニルまたはR3−置換フェニルであり、ここでR3は
(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ、フル
オロまたはクロロである。
【0008】さらにステンレイク(Stenlake)
ら,Chem.Abstracts82(9):579
76vには、下記構造式のN−アシル−1,2,3,4
−テトラヒドロイソキノリンが示されている。
ら,Chem.Abstracts82(9):579
76vには、下記構造式のN−アシル−1,2,3,4
−テトラヒドロイソキノリンが示されている。
【0009】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の新規化合物は式
Iにより表されるもの: (式中、R1は炭素原子10−25個、分枝鎖または直
鎖、飽和または1個もしくは2個以上の二重結合を含む
アルキル鎖;ジ−(低級アルキル)アミノおよびArよ
りなる群から選ばれる置換基1個もしくは2個以上によ
り置換された、上記に定めるアルキル鎖;−O−、−S
Op−、−NH−、−C(O)−、フェニレン、R2−置
換フェニレン、ヘテロアリーレンおよびR2−置換ヘテ
ロアリーレンよりなる群から選ばれる基1個もしくは2
個以上により中断された、上記に定めるアルキル鎖(こ
こでp=0、1または2であり、ただしアルキル鎖が1
個もしくは2個以上の−NH−基により中断されている
場合、該−NH−基は−C(O)−基と共にアミド基を
形成することはない);1個もしくは2個以上のジ−
(低級アルキル)アミノまたはAr基により置換され
た、上記に定める中断されたアルキル鎖;ジフェニルア
ミノ;ジ−(R2−置換フェニル)アミノ;ジ−(ヘテ
ロアリール)アミノ;ジ−(R2−置換ヘテロアリー
ル)アミノ;ジフェニルメチル;あるいはジ−(R2−
置換フェニル)メチルであり;R2は互いに無関係にヒ
ドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲノ、
アミノ、低級アルキルアミノおよびジ−(低級アルキ
ル)アミノよりなる群から選ばれ;R3、R4およびR5
は互いに無関係にHまたは−(CH2)n−Arであり;
Arはフェニル、R2−置換フェニル、ヘテロアリール
およびR2−置換ヘテロアリールよりなる群から選ば
れ;n=0、1または2であり;m=0、1または2で
ある)またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類であ
る。
Iにより表されるもの: (式中、R1は炭素原子10−25個、分枝鎖または直
鎖、飽和または1個もしくは2個以上の二重結合を含む
アルキル鎖;ジ−(低級アルキル)アミノおよびArよ
りなる群から選ばれる置換基1個もしくは2個以上によ
り置換された、上記に定めるアルキル鎖;−O−、−S
Op−、−NH−、−C(O)−、フェニレン、R2−置
換フェニレン、ヘテロアリーレンおよびR2−置換ヘテ
ロアリーレンよりなる群から選ばれる基1個もしくは2
個以上により中断された、上記に定めるアルキル鎖(こ
こでp=0、1または2であり、ただしアルキル鎖が1
個もしくは2個以上の−NH−基により中断されている
場合、該−NH−基は−C(O)−基と共にアミド基を
形成することはない);1個もしくは2個以上のジ−
(低級アルキル)アミノまたはAr基により置換され
た、上記に定める中断されたアルキル鎖;ジフェニルア
ミノ;ジ−(R2−置換フェニル)アミノ;ジ−(ヘテ
ロアリール)アミノ;ジ−(R2−置換ヘテロアリー
ル)アミノ;ジフェニルメチル;あるいはジ−(R2−
置換フェニル)メチルであり;R2は互いに無関係にヒ
ドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲノ、
アミノ、低級アルキルアミノおよびジ−(低級アルキ
ル)アミノよりなる群から選ばれ;R3、R4およびR5
は互いに無関係にHまたは−(CH2)n−Arであり;
Arはフェニル、R2−置換フェニル、ヘテロアリール
およびR2−置換ヘテロアリールよりなる群から選ば
れ;n=0、1または2であり;m=0、1または2で
ある)またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類であ
る。
【0011】好ましいものは、R1がCH3(CH2)7C
H=CH(CH2)7−(すなわち−C(O)−R1がオ
レオイルである)、ジフェニルアセチルまたはジフェニ
ルアミノである式Iの化合物である。
H=CH(CH2)7−(すなわち−C(O)−R1がオ
レオイルである)、ジフェニルアセチルまたはジフェニ
ルアミノである式Iの化合物である。
【0012】同様に好ましいものは、R3、R4またはR
5が互いに無関係にHまたは−(CH2)n−Ar(式
中、ArはフェニルまたはR2−置換フェニルである)
である式Iの化合物である。
5が互いに無関係にHまたは−(CH2)n−Ar(式
中、ArはフェニルまたはR2−置換フェニルである)
である式Iの化合物である。
【0013】他の好ましい一群の化合物は、R3、R4ま
たはR5の1つが−(CH2)n−Ar(式中、Arはフ
ェニルまたはR2−置換フェニルである)であり、他が
Hであるものである。
たはR5の1つが−(CH2)n−Ar(式中、Arはフ
ェニルまたはR2−置換フェニルである)であり、他が
Hであるものである。
【0014】より好ましいものは、R5がHまたはフェ
ニルであり、R1がCH3(CH2)7CH=CH(C
H2)7−(すなわち−C(O)−R1がオレオイルであ
る)、ジフェニルメチルまたはジフェニルアミノである
式Iの化合物である。
ニルであり、R1がCH3(CH2)7CH=CH(C
H2)7−(すなわち−C(O)−R1がオレオイルであ
る)、ジフェニルメチルまたはジフェニルアミノである
式Iの化合物である。
【0015】より好ましい他の一群の化合物は、R4が
H、フェニルまたはジ−(低級アルコキシ)フェニルで
あり、R1がCH3(CH2)7CH=CH(CH2)7−
(すなわち−C(O)−R1がオレオイルである)、ジ
フェニルメチルまたはジフェニルアミノであるものであ
る。
H、フェニルまたはジ−(低級アルコキシ)フェニルで
あり、R1がCH3(CH2)7CH=CH(CH2)7−
(すなわち−C(O)−R1がオレオイルである)、ジ
フェニルメチルまたはジフェニルアミノであるものであ
る。
【0016】さらに他の、より好ましい一群の化合物
は、R3がH、2−(4−クロロフェニル)エチル、
3,4−ジメトキシフェニルメチル、ベンジルまたは2
−メチルアミノ−5−クロロ−フェニルよりなる群から
選ばれ、R1がCH3(CH2)7CH=CH(CH2)7−
(すなわち−C(O)−R1がオレオイルである)、ジ
フェニルメチルまたはジフェニルアミノであるものであ
る。
は、R3がH、2−(4−クロロフェニル)エチル、
3,4−ジメトキシフェニルメチル、ベンジルまたは2
−メチルアミノ−5−クロロ−フェニルよりなる群から
選ばれ、R1がCH3(CH2)7CH=CH(CH2)7−
(すなわち−C(O)−R1がオレオイルである)、ジ
フェニルメチルまたはジフェニルアミノであるものであ
る。
【0017】極めて好ましいものは、R5がHまたはフ
ェニルであり、R4がH、フェニルまたはジ−(低級ア
ルコキシ)フェニルであり、R3がH、2−(4−クロ
ロフェニル)エチル、3,4−ジメトキシフェニルメチ
ル、ベンジルまたは2−メチルアミノ−5−クロロ−フ
ェニルよりなる群から選ばれ、R1がCH3(CH2)7C
H=CH(CH2)7−(すなわち−C(O)−R1がオ
レオイルである)式Iの化合物である。
ェニルであり、R4がH、フェニルまたはジ−(低級ア
ルコキシ)フェニルであり、R3がH、2−(4−クロ
ロフェニル)エチル、3,4−ジメトキシフェニルメチ
ル、ベンジルまたは2−メチルアミノ−5−クロロ−フ
ェニルよりなる群から選ばれ、R1がCH3(CH2)7C
H=CH(CH2)7−(すなわち−C(O)−R1がオ
レオイルである)式Iの化合物である。
【0018】同様に本発明は、式IのACAT抑制剤を
薬剤学的に受容しうるキャリヤー中に含む薬剤組成物に
関するものである。
薬剤学的に受容しうるキャリヤー中に含む薬剤組成物に
関するものである。
【0019】さらに他の観点においては、本発明は式I
aの化合物: (式中、R1aは炭素原子1−25個、分枝鎖または直
鎖、飽和または1個もしくは2個以上の二重結合を含む
アルキル鎖;Uよりなる群から選ばれる置換基1個もし
くは2個以上により置換された、上記に定めるアルキル
鎖;−O−、−SOp−、−NH−、−C(O)−、フ
ェニレン、R2−置換フェニレン、ヘテロアリーレンお
よびR2−置換ヘテロアリーレンよりなる群から選ばれ
る基1個もしくは2個以上により中断された、上記に定
めるアルキル鎖(ここでp=0、1または2である);
Uよりなる群から選ばれる置換基1個もしくは2個以上
により置換された、上記に定める中断されたアルキル鎖
であり;R2は互いに無関係にヒドロキシ、低級アルキ
ル、低級アルコキシ、ハロゲノ、アミノ、低級アルキル
アミノおよびジ−(低級アルキル)アミノよりなる群か
ら選ばれ;R3、R4およびR5は互いに無関係にHまた
は−(CH2)n−Arであり;Arはフェニル、R2−
置換フェニル、ヘテロアリールおよびR2−置換ヘテロ
アリールよりなる群から選ばれ;Uはジ−(低級アルキ
ル)アミノ、ジフェニルアミノ、ジ−(R2−置換フェ
ニル)アミノ、ジヘテロアリールアミノ、ジ−(R2−
置換ヘテロアリール)アミノおよびArよりなる群から
選ばれ;n=0、1または2であり;m=0、1または
2である)またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類を
ACAT抑制剤として使用することに関するものであ
る。
aの化合物: (式中、R1aは炭素原子1−25個、分枝鎖または直
鎖、飽和または1個もしくは2個以上の二重結合を含む
アルキル鎖;Uよりなる群から選ばれる置換基1個もし
くは2個以上により置換された、上記に定めるアルキル
鎖;−O−、−SOp−、−NH−、−C(O)−、フ
ェニレン、R2−置換フェニレン、ヘテロアリーレンお
よびR2−置換ヘテロアリーレンよりなる群から選ばれ
る基1個もしくは2個以上により中断された、上記に定
めるアルキル鎖(ここでp=0、1または2である);
Uよりなる群から選ばれる置換基1個もしくは2個以上
により置換された、上記に定める中断されたアルキル鎖
であり;R2は互いに無関係にヒドロキシ、低級アルキ
ル、低級アルコキシ、ハロゲノ、アミノ、低級アルキル
アミノおよびジ−(低級アルキル)アミノよりなる群か
ら選ばれ;R3、R4およびR5は互いに無関係にHまた
は−(CH2)n−Arであり;Arはフェニル、R2−
置換フェニル、ヘテロアリールおよびR2−置換ヘテロ
アリールよりなる群から選ばれ;Uはジ−(低級アルキ
ル)アミノ、ジフェニルアミノ、ジ−(R2−置換フェ
ニル)アミノ、ジヘテロアリールアミノ、ジ−(R2−
置換ヘテロアリール)アミノおよびArよりなる群から
選ばれ;n=0、1または2であり;m=0、1または
2である)またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類を
ACAT抑制剤として使用することに関するものであ
る。
【0020】式Iaの化合物は好ましくは薬剤学的に受
容しうるキャリヤー中において投与され、哺乳動物にお
ける血中脂質低下薬および血中コレステロール低下薬と
して用いられる。
容しうるキャリヤー中において投与され、哺乳動物にお
ける血中脂質低下薬および血中コレステロール低下薬と
して用いられる。
【0021】ここで用いる“低級アルキル”は炭素原子
1−6個の直鎖または分枝鎖アルキル鎖を意味し、“低
級アルコキシ”は同様に炭素原子1−6個のアルコキシ
基を表す。
1−6個の直鎖または分枝鎖アルキル鎖を意味し、“低
級アルコキシ”は同様に炭素原子1−6個のアルコキシ
基を表す。
【0022】ハロゲノはフッ素、塩素、臭素またはヨウ
素ラジカルを表す。
素ラジカルを表す。
【0023】“フェニレン”は2価フェニル基を意味
し、オルト、メタおよびパラ置換を含み、“ヘテロアリ
ーレン”は同様に2価ヘテロアリール基を意味する。
し、オルト、メタおよびパラ置換を含み、“ヘテロアリ
ーレン”は同様に2価ヘテロアリール基を意味する。
【0024】ヘテロアリールは、5−6個の環員子を含
み、それらのうち1−3個の環員子が互いに無関係に窒
素、酸素およびイオウよりなる群から選ばれる芳香族残
基を意味する。ヘテロアリール基の例は、ピリジル、ピ
リミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、フ
ラニルおよびチアニルである。
み、それらのうち1−3個の環員子が互いに無関係に窒
素、酸素およびイオウよりなる群から選ばれる芳香族残
基を意味する。ヘテロアリール基の例は、ピリジル、ピ
リミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、フ
ラニルおよびチアニルである。
【0025】テトラヒドロイソキノリル部分が2個以上
のR2基により置換されている場合(すなわちm=
2)、これらのR2基は同一か、または異なり、環系の
5、6、7または8位に位置しうる。
のR2基により置換されている場合(すなわちm=
2)、これらのR2基は同一か、または異なり、環系の
5、6、7または8位に位置しうる。
【0026】R1およびR1aにおいて定めるアルキル鎖
は、合成または天然の脂肪酸の残基であってもよく、こ
れらは飽和であるか、または1個もしくは2個以上の炭
素−炭素二重結合を含み、あるいは鎖中の炭素原子1個
または2個以上を−O−、−S−、−SO−、−SO2
−、−C(O)−、−NH−、フェニレン、R2−置換
フェニレン、ヘテロアリーレンまたはR2−置換ヘテロ
アリーレン基で交換した中断されたアルキル鎖であって
もよい。ジ置換アミノ、または任意に置換されたフェニ
ルもしくはヘテロアリール基により置換されている場
合、アルキル鎖または中断されたアルキル鎖は異なる炭
素原子において互いに無関係に置換されているか、また
は1個の炭素原子においてジ置換されているか、または
両者であってもよい。
は、合成または天然の脂肪酸の残基であってもよく、こ
れらは飽和であるか、または1個もしくは2個以上の炭
素−炭素二重結合を含み、あるいは鎖中の炭素原子1個
または2個以上を−O−、−S−、−SO−、−SO2
−、−C(O)−、−NH−、フェニレン、R2−置換
フェニレン、ヘテロアリーレンまたはR2−置換ヘテロ
アリーレン基で交換した中断されたアルキル鎖であって
もよい。ジ置換アミノ、または任意に置換されたフェニ
ルもしくはヘテロアリール基により置換されている場
合、アルキル鎖または中断されたアルキル鎖は異なる炭
素原子において互いに無関係に置換されているか、また
は1個の炭素原子においてジ置換されているか、または
両者であってもよい。
【0027】R1およびR1aにおいて定める中断された
アルキル鎖が1個または2個以上の基−NH−を含む場
合、これらの−NH−基が−C(O)−基に直接に結合
してそれらが一緒にアミド基を構成することはできな
い。2個以上の中断する−NH−基が存在する場合、こ
れら2個の−NH−基が同一の−C(O)−基に直接に
結合してそれらが一緒にウレア基を構成してもよい。
アルキル鎖が1個または2個以上の基−NH−を含む場
合、これらの−NH−基が−C(O)−基に直接に結合
してそれらが一緒にアミド基を構成することはできな
い。2個以上の中断する−NH−基が存在する場合、こ
れら2個の−NH−基が同一の−C(O)−基に直接に
結合してそれらが一緒にウレア基を構成してもよい。
【0028】存在する二重結合、鎖中の炭素原子の交
換、および鎖中の炭素原子上に存在する置換基の数がす
べて鎖の長さに依存し;短いアルキル鎖は長いアルキル
鎖ほど多数の結合、炭素の交換または置換基を収容し得
ないことは、当業者に自明であろう。不飽和アルキル鎖
は一般に1−4個の共役または非共役二重結合を含む。
炭素原子が交換されている場合、一般に1−4個の交換
基が存在しうる。同様に、炭素原子が置換されている場
合、1−4個の置換基が存在しうる。
換、および鎖中の炭素原子上に存在する置換基の数がす
べて鎖の長さに依存し;短いアルキル鎖は長いアルキル
鎖ほど多数の結合、炭素の交換または置換基を収容し得
ないことは、当業者に自明であろう。不飽和アルキル鎖
は一般に1−4個の共役または非共役二重結合を含む。
炭素原子が交換されている場合、一般に1−4個の交換
基が存在しうる。同様に、炭素原子が置換されている場
合、1−4個の置換基が存在しうる。
【0029】アルキル鎖の例は下記のものであり、ここ
では基−C(O)−R1を挙げる:パルミトイル、ステ
アロイルおよび2,2−ジメチルドデカノイル。
では基−C(O)−R1を挙げる:パルミトイル、ステ
アロイルおよび2,2−ジメチルドデカノイル。
【0030】不飽和−C(O)−R1基の例は、オレオ
イル、リノレイオイル、リノレノイル、エライドイル、
アイコサテトラエノイル、アイコサペンタエノイルおよ
びアラキドノイルである。
イル、リノレイオイル、リノレノイル、エライドイル、
アイコサテトラエノイル、アイコサペンタエノイルおよ
びアラキドノイルである。
【0031】鎖中の炭素原子が交換されている−C
(O)−R1基の例は、3−メトキシ−4−(テトラデ
シルオキシ)ベンゾイル、11−[N−(2,2−ジフ
ェニルアセチル)アミノ]ウンデカノイルおよびフェノ
キシウンデカノイルである。
(O)−R1基の例は、3−メトキシ−4−(テトラデ
シルオキシ)ベンゾイル、11−[N−(2,2−ジフ
ェニルアセチル)アミノ]ウンデカノイルおよびフェノ
キシウンデカノイルである。
【0032】ジ置換アミノ−C(O)−R1基の例は
N,N−ジフェニルアミノカルボニルである。
N,N−ジフェニルアミノカルボニルである。
【0033】式Iaの化合物は式Iの化合物すべて、お
よび基R1aの形態により定められる他の群の化合物を包
含するという点で、式Iの化合物は式Iaの化合物のサ
ブクラスである。基R1aの定義には、R1により定めら
れるC10−C25鎖のほかに、C1−C9のアルキル鎖、置
換されたアルキル鎖、中断されたアルキル鎖、ならびに
置換および中断されたアルキル鎖が含まれる。
よび基R1aの形態により定められる他の群の化合物を包
含するという点で、式Iの化合物は式Iaの化合物のサ
ブクラスである。基R1aの定義には、R1により定めら
れるC10−C25鎖のほかに、C1−C9のアルキル鎖、置
換されたアルキル鎖、中断されたアルキル鎖、ならびに
置換および中断されたアルキル鎖が含まれる。
【0034】本発明の化合物は1個または2個以上の不
斉炭素原子を含み、従って回転異性体を含む場合があ
る。本発明は純粋な形、およびラセミ混合物を含めて混
合した形の双方の可能な立体異性体すべてを包含する。
異性体は常法により、鏡像体である出発物質を反応させ
ることによって、または式Iの化合物の異性体を分離す
ることによって調製しうる。
斉炭素原子を含み、従って回転異性体を含む場合があ
る。本発明は純粋な形、およびラセミ混合物を含めて混
合した形の双方の可能な立体異性体すべてを包含する。
異性体は常法により、鏡像体である出発物質を反応させ
ることによって、または式Iの化合物の異性体を分離す
ることによって調製しうる。
【0035】たとえばR1が二重結合を含む場合、異性
体には幾何学的異性体が含まれる場合がある。これらの
異性体はすべて本発明に包含される。
体には幾何学的異性体が含まれる場合がある。これらの
異性体はすべて本発明に包含される。
【0036】アミノ基を含む本発明化合物は、有機およ
び無機の酸と薬剤学的に受容しうる塩類を形成すること
ができる。塩類の形成に適した酸の例は、当業者に周知
の塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マ
ロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、
アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならび
に他の鉱酸およびカルボン酸である。塩類は、遊離塩基
形を塩類の形成に十分な量の目的とする酸と接触させる
ことにより調製される。遊離塩基形は塩類を適切な希塩
基水溶液、たとえば希炭酸水素ナトリウム水溶液で処理
することにより再生しうる。遊離塩基形はある種の物理
的特性、たとえば極性溶剤中での溶解性においてそのそ
れぞれの塩形と若干異なるが、他の点では塩類は本発明
の目的に対してそのそれぞれの遊離塩基形と均等であ
る。
び無機の酸と薬剤学的に受容しうる塩類を形成すること
ができる。塩類の形成に適した酸の例は、当業者に周知
の塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マ
ロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、
アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならび
に他の鉱酸およびカルボン酸である。塩類は、遊離塩基
形を塩類の形成に十分な量の目的とする酸と接触させる
ことにより調製される。遊離塩基形は塩類を適切な希塩
基水溶液、たとえば希炭酸水素ナトリウム水溶液で処理
することにより再生しうる。遊離塩基形はある種の物理
的特性、たとえば極性溶剤中での溶解性においてそのそ
れぞれの塩形と若干異なるが、他の点では塩類は本発明
の目的に対してそのそれぞれの遊離塩基形と均等であ
る。
【0037】本発明のある種の化合物は酸性である(た
とえばフェノール残基またはカルボキシル基を含む化合
物)。これらの化合物は有機および無機の塩基と薬剤学
的に受容しうる塩類を形成することができる。これらの
塩類の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アル
ミニウム、金および銀の塩である。薬剤学的に受容しう
るアミン、たとえばアンモニア、アルキルアミン、ヒド
ロキシアルキルアミン、N−メチルグルカミンなどと形
成される塩類も包含される。
とえばフェノール残基またはカルボキシル基を含む化合
物)。これらの化合物は有機および無機の塩基と薬剤学
的に受容しうる塩類を形成することができる。これらの
塩類の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アル
ミニウム、金および銀の塩である。薬剤学的に受容しう
るアミン、たとえばアンモニア、アルキルアミン、ヒド
ロキシアルキルアミン、N−メチルグルカミンなどと形
成される塩類も包含される。
【0038】式Iの化合物は当技術分野で周知の標準的
反応条件下で製造しうる。たとえば式IIのカルボン酸
を、溶剤、たとえばジクロロメタン中において、チオニ
ルまたはオキサリルクロリドで処理することにより酸ク
ロリドに変換し、次いで第三アミン塩基、たとえばトリ
エチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMA
P)またはN−メチルモルホリン(NMM)の存在下で
式IIIのアミンと反応させることができる: あるいは式IIIのアミンの塩類を同様に処理して式I
の化合物を製造することができる。
反応条件下で製造しうる。たとえば式IIのカルボン酸
を、溶剤、たとえばジクロロメタン中において、チオニ
ルまたはオキサリルクロリドで処理することにより酸ク
ロリドに変換し、次いで第三アミン塩基、たとえばトリ
エチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMA
P)またはN−メチルモルホリン(NMM)の存在下で
式IIIのアミンと反応させることができる: あるいは式IIIのアミンの塩類を同様に処理して式I
の化合物を製造することができる。
【0039】他の方法は、式IIの酸と式IIIのアミ
ンを、カップリング剤、たとえばジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)または1−(3′−ジメチルアミ
ノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC
I)、および塩基、たとえばトリエチルアミン、ジメチ
ルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルモルホ
リン(NMM)の存在下に、溶剤、たとえばジクロロメ
タン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミド
中で反応させることによる。
ンを、カップリング剤、たとえばジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)または1−(3′−ジメチルアミ
ノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC
I)、および塩基、たとえばトリエチルアミン、ジメチ
ルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルモルホ
リン(NMM)の存在下に、溶剤、たとえばジクロロメ
タン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミド
中で反応させることによる。
【0040】第4の方法においては、酸IIのカルボキ
シル基を活性エステル中間体、たとえば1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(HOBT)から誘導されるものに
より活性化することができる。
シル基を活性エステル中間体、たとえば1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(HOBT)から誘導されるものに
より活性化することができる。
【0041】式IIの出発酸は市販されているか、また
は周知の方法により製造することができる。式IIIの
アミンは市販されているか、または種々の方法により製
造することができ、その数例を以下に示す。
は周知の方法により製造することができる。式IIIの
アミンは市販されているか、または種々の方法により製
造することができ、その数例を以下に示す。
【0042】R4が−Arであり、R3がHである式II
Iaのアミンの製法においては、式IVのカルボン酸を
チオニルクロリドまたはオキサリルクロリドにより酸ク
ロリドVに変換する。この酸クロリドを芳香族化合物A
r−H(VI)と縮合させて式VIIのケトンを得る。
このケトンを塩酸ヒドロキシルアミンと反応させてオキ
シムVIIIを形成する。オキシムVIIIを約2.8
−3.5kg/cm2(40−50psi)において適
切な触媒、たとえば炭素上10%パラジウムの存在下で
水素添加してアミンIXを得る。アミンIXとホルムア
ルデヒドをメタノール中で反応させたのち、酸、たとえ
ば塩酸で処理することにより、式IIIaのアミンを形
成する: 式IVの出発酸および式VIのアリール化合物は市販さ
れているか、または当業者に周知の方法で容易に製造さ
れる。
Iaのアミンの製法においては、式IVのカルボン酸を
チオニルクロリドまたはオキサリルクロリドにより酸ク
ロリドVに変換する。この酸クロリドを芳香族化合物A
r−H(VI)と縮合させて式VIIのケトンを得る。
このケトンを塩酸ヒドロキシルアミンと反応させてオキ
シムVIIIを形成する。オキシムVIIIを約2.8
−3.5kg/cm2(40−50psi)において適
切な触媒、たとえば炭素上10%パラジウムの存在下で
水素添加してアミンIXを得る。アミンIXとホルムア
ルデヒドをメタノール中で反応させたのち、酸、たとえ
ば塩酸で処理することにより、式IIIaのアミンを形
成する: 式IVの出発酸および式VIのアリール化合物は市販さ
れているか、または当業者に周知の方法で容易に製造さ
れる。
【0043】R4がHである式IIIbのアミンの製法
においては、式XIのアミンを式Xのアルデヒドと縮合
させて式XIIのイミンを得る。このイミンを塩化アル
ミニウムの存在下に酸クロリド、たとえば2−クロロア
セチルクロリドで処理して、環式アミドXIIIを形成
する。アミドXIIIをエタノール中でチオ尿素により
加水分解して、目的のアミンIIIbを得る: 式XIの出発アミンおよび式Xのアルデヒドは市販され
ているか、または周知の方法で容易に製造される。
においては、式XIのアミンを式Xのアルデヒドと縮合
させて式XIIのイミンを得る。このイミンを塩化アル
ミニウムの存在下に酸クロリド、たとえば2−クロロア
セチルクロリドで処理して、環式アミドXIIIを形成
する。アミドXIIIをエタノール中でチオ尿素により
加水分解して、目的のアミンIIIbを得る: 式XIの出発アミンおよび式Xのアルデヒドは市販され
ているか、または周知の方法で容易に製造される。
【0044】式IIIbのアミンを製造するための他の
方法は、式XIVの酸を式XIのアミンと結合させてア
ミドXVを形成することによる。このアミドをオキシ塩
化リンで処理してイミンXVIを製造し、これを水素化
ホウ素ナトリウムで還元してアミンIIIbとなす: 式XIVの出発酸は市販されているか、または既知の方
法で容易に製造される。
方法は、式XIVの酸を式XIのアミンと結合させてア
ミドXVを形成することによる。このアミドをオキシ塩
化リンで処理してイミンXVIを製造し、これを水素化
ホウ素ナトリウムで還元してアミンIIIbとなす: 式XIVの出発酸は市販されているか、または既知の方
法で容易に製造される。
【0045】式IIIbのアミンを製造するための第3
の方法は、式XVIIのアミンを式XVIIIのエポキ
シドと反応させる。得られたアミノ−アルコールXIX
をメタンスルホン酸で処理して、目的のアミンIIIを
得る: 出発アミンXVIIおよびエポキシドXVIIIは市販
されているか、または当業者に周知の方法で容易に製造
することができる。
の方法は、式XVIIのアミンを式XVIIIのエポキ
シドと反応させる。得られたアミノ−アルコールXIX
をメタンスルホン酸で処理して、目的のアミンIIIを
得る: 出発アミンXVIIおよびエポキシドXVIIIは市販
されているか、または当業者に周知の方法で容易に製造
することができる。
【0046】上記の処理に関与しない反応性基は反応に
際して通常の保護基で保護しておき、反応後にこれを標
準法により除去することができる。下記の表は若干の一
般的保護基を示す: 式Iaの化合物は同様な方法により製造することができ
る。
際して通常の保護基で保護しておき、反応後にこれを標
準法により除去することができる。下記の表は若干の一
般的保護基を示す: 式Iaの化合物は同様な方法により製造することができ
る。
【0047】本発明者らは、式IおよびIaの化合物は
インビトロでACATの抑制剤であることを見出した。
式Iの新規化合物は式Iaの化合物のサブクラスをな
す。従って本発明の化合物は、それらがコレステロール
のエステル化および腸吸収を抑制しうることによる血中
コレステロール低下剤および血中脂質低下剤であり;従
ってそれらは哺乳動物、特にヒトにおいて、アテローム
性動脈硬化の治療および予防に有用である。
インビトロでACATの抑制剤であることを見出した。
式Iの新規化合物は式Iaの化合物のサブクラスをな
す。従って本発明の化合物は、それらがコレステロール
のエステル化および腸吸収を抑制しうることによる血中
コレステロール低下剤および血中脂質低下剤であり;従
ってそれらは哺乳動物、特にヒトにおいて、アテローム
性動脈硬化の治療および予防に有用である。
【0048】従って本発明は化合物の観点のほかに、特
に血清コレステロールを低下させることによるアテロー
ム性動脈硬化の治療法に関するものでもあり、この方法
はそのような治療を必要とする哺乳動物に血中コレステ
ロール低下に有効な量の式IもしくはIaの化合物また
はそれらの薬剤学的に受容しうる塩類を投与することよ
りなる。これらの化合物は好ましくは経口投与に適した
薬剤学的に受容しうるキャリヤー中において投与され
る。
に血清コレステロールを低下させることによるアテロー
ム性動脈硬化の治療法に関するものでもあり、この方法
はそのような治療を必要とする哺乳動物に血中コレステ
ロール低下に有効な量の式IもしくはIaの化合物また
はそれらの薬剤学的に受容しうる塩類を投与することよ
りなる。これらの化合物は好ましくは経口投与に適した
薬剤学的に受容しうるキャリヤー中において投与され
る。
【0049】式IまたはIaの化合物のインビトロ活性
は以下の方法により測定することができる。
は以下の方法により測定することができる。
【0050】ACATアッセイ法(インビトロ) このアッセイ法は、トリチウム化オレイン酸がACAT
媒介によりアシル−CoAからコレステロールへ伝達さ
れて標識コレステロールオレエートとなるのを測定する
ことによって、ACAT活性を測定するものである。ラ
ット肝ミクロソームをACAT源として用いる。アッセ
イは丸底ミクロタイタープレート中で、全インキュベー
ション容量50μLを用いて行われる。各インキュベー
ションウェルに10μLのアッセイ緩衝液(0.5M
KHPO4、10μMジチオトレイトール、pH7.
4)、7.5μLの40mg/mL BSA(ウシ血清
アルブミン)および12.5μgのミクロソーム蛋白質
を装入する。被験化合物(最終濃度0.1−25μMと
なるのに十分な量)、基準化合物、またはビヒクル対照
を添加し、最終容量を47μLとなす。次いでミクロタ
イタープレートを37℃の水浴の表面に15分間浮遊さ
せる。3μLの3H−アシルCoA(1μCi/ウェ
ル、最終濃度10μMアシルCoA)の添加によりイン
キュベーションを開始する。次いでプレートを水浴に1
5分間戻す。次いで各インキュベーションから15μL
を薄層プレート(シリカゲルGF20×20cm)の各
列に付与することにより、インキュベーションを停止さ
せる。コレステロールを同定しうるように、基準物質を
数列に付与する。プレートを乾燥させたのち、90:1
0:1石油エーテル:ジエチルエーテル:酢酸で溶離す
る。基準物質をヨウ素蒸気で視覚化し、コレステロール
エステルに対応する領域を7mLのシンチレーションバ
イアル中へ掻き取る。各バイアルに4mLのシンチラン
トを添加し、放射能を定量する。バックグラウンド計数
は煮沸した対照により測定される。全活性はビヒクルの
存在下での活性により測定される。抑制率は対照および
被験試料の双方からバックグラウンドを差し引き、被験
値を対照に対するパーセントとして計算することにより
算出される。IC50の判定のためには、対数目盛り上に
抑制率を薬物量に対してプロットし、50%抑制が得ら
れる濃度を判定する。
媒介によりアシル−CoAからコレステロールへ伝達さ
れて標識コレステロールオレエートとなるのを測定する
ことによって、ACAT活性を測定するものである。ラ
ット肝ミクロソームをACAT源として用いる。アッセ
イは丸底ミクロタイタープレート中で、全インキュベー
ション容量50μLを用いて行われる。各インキュベー
ションウェルに10μLのアッセイ緩衝液(0.5M
KHPO4、10μMジチオトレイトール、pH7.
4)、7.5μLの40mg/mL BSA(ウシ血清
アルブミン)および12.5μgのミクロソーム蛋白質
を装入する。被験化合物(最終濃度0.1−25μMと
なるのに十分な量)、基準化合物、またはビヒクル対照
を添加し、最終容量を47μLとなす。次いでミクロタ
イタープレートを37℃の水浴の表面に15分間浮遊さ
せる。3μLの3H−アシルCoA(1μCi/ウェ
ル、最終濃度10μMアシルCoA)の添加によりイン
キュベーションを開始する。次いでプレートを水浴に1
5分間戻す。次いで各インキュベーションから15μL
を薄層プレート(シリカゲルGF20×20cm)の各
列に付与することにより、インキュベーションを停止さ
せる。コレステロールを同定しうるように、基準物質を
数列に付与する。プレートを乾燥させたのち、90:1
0:1石油エーテル:ジエチルエーテル:酢酸で溶離す
る。基準物質をヨウ素蒸気で視覚化し、コレステロール
エステルに対応する領域を7mLのシンチレーションバ
イアル中へ掻き取る。各バイアルに4mLのシンチラン
トを添加し、放射能を定量する。バックグラウンド計数
は煮沸した対照により測定される。全活性はビヒクルの
存在下での活性により測定される。抑制率は対照および
被験試料の双方からバックグラウンドを差し引き、被験
値を対照に対するパーセントとして計算することにより
算出される。IC50の判定のためには、対数目盛り上に
抑制率を薬物量に対してプロットし、50%抑制が得ら
れる濃度を判定する。
【0051】代表的結果は下記のとおりである: 以下は出発物質の製造例および式Iの化合物を製造する
ための実施例である。
ための実施例である。
【0052】
【実施例】製造例1: 6,7−ジメトキシ−3−フェニル−1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 工程A: 3.9gのオキサリルクロリド、2.0gの
3,4−ジメトキシフェニル酢酸および50mLのベン
ゼンを混和し、混合物を60℃で2.5時間撹拌した。
過剰のオキサリルクロリドを留去し、溶液を20mLの
容量に濃縮した。溶液を室温に冷却し、ベンゼン300
mL中の無水塩化アルミニウム(1.6g)の懸濁液に
12時間にわたって徐々に添加した。反応混合物を6時
間撹拌し、氷および濃塩酸の混合物に注入し、次いで酢
酸エチルで抽出した。有機抽出液をNa2SO4で乾燥さ
せ、濾過し、濾液を濃縮して残渣を得た。残渣をシリカ
ゲル上で3:7酢酸エチル/ヘキサンを用いてクロマト
グラフィー処理して、847mgのα−(3,4−ジメ
トキシフェニル)−アセトフェノンを得た。1HNMR
(CDCl3):δ 8.1−7.98(2H,m);
7.62−7.4(3H,m);6.76−6.9(3
H,m);4.24(2H,s);3.85(6H,
s)。
2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 工程A: 3.9gのオキサリルクロリド、2.0gの
3,4−ジメトキシフェニル酢酸および50mLのベン
ゼンを混和し、混合物を60℃で2.5時間撹拌した。
過剰のオキサリルクロリドを留去し、溶液を20mLの
容量に濃縮した。溶液を室温に冷却し、ベンゼン300
mL中の無水塩化アルミニウム(1.6g)の懸濁液に
12時間にわたって徐々に添加した。反応混合物を6時
間撹拌し、氷および濃塩酸の混合物に注入し、次いで酢
酸エチルで抽出した。有機抽出液をNa2SO4で乾燥さ
せ、濾過し、濾液を濃縮して残渣を得た。残渣をシリカ
ゲル上で3:7酢酸エチル/ヘキサンを用いてクロマト
グラフィー処理して、847mgのα−(3,4−ジメ
トキシフェニル)−アセトフェノンを得た。1HNMR
(CDCl3):δ 8.1−7.98(2H,m);
7.62−7.4(3H,m);6.76−6.9(3
H,m);4.24(2H,s);3.85(6H,
s)。
【0053】工程B: 250mgの塩酸ヒドロキシル
アミンをピリジン10mL中の工程Aからのケトンの溶
液に0℃で添加し、3.5時間撹拌した。反応混合物を
水に注入し、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル抽
出液を水および1N HCl(水溶液)で洗浄し、次い
でNa2SO4で乾燥させた。濾過し、濾液を濃縮して残
渣を得た。残渣をクロマトグラフィー処理して(シリカ
ゲル、1:1酢酸エチル/ヘキサン)、853mgの目
的とするオキシムを得た。1H NMR(CDCl3):
δ 7.67−7.55(2H,m);7.4−7.2
7(3H,m);6.86−6.64(3H,m);
4.16(2H,s);3.8(3H,s);3.78
(3H,s)。
アミンをピリジン10mL中の工程Aからのケトンの溶
液に0℃で添加し、3.5時間撹拌した。反応混合物を
水に注入し、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル抽
出液を水および1N HCl(水溶液)で洗浄し、次い
でNa2SO4で乾燥させた。濾過し、濾液を濃縮して残
渣を得た。残渣をクロマトグラフィー処理して(シリカ
ゲル、1:1酢酸エチル/ヘキサン)、853mgの目
的とするオキシムを得た。1H NMR(CDCl3):
δ 7.67−7.55(2H,m);7.4−7.2
7(3H,m);6.86−6.64(3H,m);
4.16(2H,s);3.8(3H,s);3.78
(3H,s)。
【0054】工程C: 工程Bからのオキシムをエタノ
ール(20mL)中の1M HClの溶液に溶解し、約
3.4kg/cm2(48psi)で炭素上10%パラ
ジウム(25mg)上において3時間、水素添加した。
混合物を濾過し、濾液をNaHCO3(水溶液)で中和
し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を濃縮して、2
75mgの1−フェニル−2−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)エチル−アミンを得た。1H NMR(CDC
l3):δ 7.42−7.2(5H,m);6.84
−6.68(2H,m);6.57(1H,d,J=2
Hz);4.17(1H,dd,J=9および5H
z);3.86(3H,s);3.78(3H,s);
2.97(1H,dd,J=14および5Hz);2.
78(1H,dd,J=14および9Hz);1.57
(2H,br.s)。
ール(20mL)中の1M HClの溶液に溶解し、約
3.4kg/cm2(48psi)で炭素上10%パラ
ジウム(25mg)上において3時間、水素添加した。
混合物を濾過し、濾液をNaHCO3(水溶液)で中和
し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を濃縮して、2
75mgの1−フェニル−2−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)エチル−アミンを得た。1H NMR(CDC
l3):δ 7.42−7.2(5H,m);6.84
−6.68(2H,m);6.57(1H,d,J=2
Hz);4.17(1H,dd,J=9および5H
z);3.86(3H,s);3.78(3H,s);
2.97(1H,dd,J=14および5Hz);2.
78(1H,dd,J=14および9Hz);1.57
(2H,br.s)。
【0055】工程D: 工程Cからのアミン、36%ホ
ルムアルデヒド(1mL)および1.5mLのメタノー
ルの混合物を2時間、加熱還流した。溶剤を留去し、残
渣に3mLのベンゼンを添加し、真空中で濃縮して残渣
を得た。3mLのベンゼンを添加し、再度濃縮して残渣
を得た。2mLのメタノール性HCl(1.5N)を添
加し、混合物を2時間、加熱還流した。混合物を水に注
入し、NH4OHで中和し、酢酸エチルで抽出した。抽
出液を濃縮して、286mgの表題化合物を得た。1H
NMR(CDCl3):δ 7.53−7.23(5
H,m);6.6(2H,d,J=2Hz);4.3−
3.72(3H,m);3.87(3H,s);3.8
5(3H,s);2.9(2H,d,J=7Hz)。
ルムアルデヒド(1mL)および1.5mLのメタノー
ルの混合物を2時間、加熱還流した。溶剤を留去し、残
渣に3mLのベンゼンを添加し、真空中で濃縮して残渣
を得た。3mLのベンゼンを添加し、再度濃縮して残渣
を得た。2mLのメタノール性HCl(1.5N)を添
加し、混合物を2時間、加熱還流した。混合物を水に注
入し、NH4OHで中和し、酢酸エチルで抽出した。抽
出液を濃縮して、286mgの表題化合物を得た。1H
NMR(CDCl3):δ 7.53−7.23(5
H,m);6.6(2H,d,J=2Hz);4.3−
3.72(3H,m);3.87(3H,s);3.8
5(3H,s);2.9(2H,d,J=7Hz)。
【0056】同様な方法により3−(3,4−ジメトキ
シ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロイソキノリンを製造しうる。
シ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロイソキノリンを製造しうる。
【0057】製造例2: 6,7−ジメトキシ−1−フ
ェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 工程A: 2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル
アミン(1g)およびベンズアルデヒド(585mg)
のトルエン(25mL)中の溶液を3時間、加熱還流し
た。溶剤を留去してN−[2−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)エチル]ベンジルイミン(1.5g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.14(1H,
s);7.74−7.66(2H,m);7.46−
7.36(3H,m);6.82−6.72(3H,
m);3.85(3H,s);3.84(2H,t,J
=7Hz);3.79(3H,s);2.98(2H,
t,J=7Hz)。
ェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 工程A: 2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル
アミン(1g)およびベンズアルデヒド(585mg)
のトルエン(25mL)中の溶液を3時間、加熱還流し
た。溶剤を留去してN−[2−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)エチル]ベンジルイミン(1.5g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.14(1H,
s);7.74−7.66(2H,m);7.46−
7.36(3H,m);6.82−6.72(3H,
m);3.85(3H,s);3.84(2H,t,J
=7Hz);3.79(3H,s);2.98(2H,
t,J=7Hz)。
【0058】工程B: 工程Aからのイミン200mg
を1,2−ジクロロエタン(8mL)に溶解し、84m
gの2−クロロアセチルクロリドを添加し、混合物を1
5分間撹拌した。100mgの塩化アルミニウム(無
水)を添加し、3時間撹拌した。反応混合物を濃HCl
および氷に注入し、次いでクロロホルムで抽出した。ク
ロロホルム抽出液を順次、水、NaHCO3(水溶液)
およびブラインで洗浄し、次いで濃縮して、200mg
のN−(2−クロロアセチル)−6,7−ジメトキシ−
1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リンを得た。
を1,2−ジクロロエタン(8mL)に溶解し、84m
gの2−クロロアセチルクロリドを添加し、混合物を1
5分間撹拌した。100mgの塩化アルミニウム(無
水)を添加し、3時間撹拌した。反応混合物を濃HCl
および氷に注入し、次いでクロロホルムで抽出した。ク
ロロホルム抽出液を順次、水、NaHCO3(水溶液)
およびブラインで洗浄し、次いで濃縮して、200mg
のN−(2−クロロアセチル)−6,7−ジメトキシ−
1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リンを得た。
【0059】工程C: チオ尿素(45mg)、工程B
の生成物およびエタノール(8mL)の混合物を3時
間、加熱還流した。溶剤を真空中で除去し、残渣をクロ
ロホルムに溶解し、濾過した。濾液を濃縮して、153
mgの表題化合物を得た。1HNMR(CDCl3):δ
7.4−7.18(5H,m);6.63(1H,
s);6.24(1H,s);5.03(1H,s);
3.85(3H,s);3.61(3H,s);3.2
8−2.65(4H,m);2.3(1H,br.
s)。
の生成物およびエタノール(8mL)の混合物を3時
間、加熱還流した。溶剤を真空中で除去し、残渣をクロ
ロホルムに溶解し、濾過した。濾液を濃縮して、153
mgの表題化合物を得た。1HNMR(CDCl3):δ
7.4−7.18(5H,m);6.63(1H,
s);6.24(1H,s);5.03(1H,s);
3.85(3H,s);3.61(3H,s);3.2
8−2.65(4H,m);2.3(1H,br.
s)。
【0060】製造例3: 1−[2−(4−クロロフェ
ニル)エチル]−6−メチル−7−メトキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリン 工程A: 2−(3−メチル−4−メトキシフェニル)
エチルアミン(64.4g)および3−(4−クロロフ
ェニル)−プロピオン酸(70.2g)のキシレン(6
00mL)中の溶液を、ディーン−スタークトラップに
より5.5時間、加熱還流した。高温の反応混合物を水
に注入し、一夜放置した。固体を濾取し、エタノールか
ら再結晶して、N−[2−(3−メチル−4−メトキシ
フェニル)エチル]−3−(4−クロロフェニル)プロ
ピオンアミド(101.1g)を得た。融点=142−
144℃。
ニル)エチル]−6−メチル−7−メトキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリン 工程A: 2−(3−メチル−4−メトキシフェニル)
エチルアミン(64.4g)および3−(4−クロロフ
ェニル)−プロピオン酸(70.2g)のキシレン(6
00mL)中の溶液を、ディーン−スタークトラップに
より5.5時間、加熱還流した。高温の反応混合物を水
に注入し、一夜放置した。固体を濾取し、エタノールか
ら再結晶して、N−[2−(3−メチル−4−メトキシ
フェニル)エチル]−3−(4−クロロフェニル)プロ
ピオンアミド(101.1g)を得た。融点=142−
144℃。
【0061】工程B: 工程Aからのアミド(10.0
g)、五酸化リン(25g)、オキシ塩化リン(15m
L)およびキシレン(250mL)の混合物を2時間、
加熱還流した。反応混合物を冷却し、水(500mL)
を徐々に添加し、NaOHで塩基性となし、ベンゼンで
抽出した。ベンゼン抽出液を濃縮して残渣となし、ジエ
チルエーテルで摩砕処理して、6−メチル−7−メトキ
シ−1−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−3,
4−ジヒドロイソキノリン(4.95g)を得た。融点
=122−124℃。
g)、五酸化リン(25g)、オキシ塩化リン(15m
L)およびキシレン(250mL)の混合物を2時間、
加熱還流した。反応混合物を冷却し、水(500mL)
を徐々に添加し、NaOHで塩基性となし、ベンゼンで
抽出した。ベンゼン抽出液を濃縮して残渣となし、ジエ
チルエーテルで摩砕処理して、6−メチル−7−メトキ
シ−1−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−3,
4−ジヒドロイソキノリン(4.95g)を得た。融点
=122−124℃。
【0062】工程C: 水素化ホウ素ナトリウム(2.
0g)を、エタノール(175mL)中の工程Bからの
ジヒドロイソキノリン(4.75g)の懸濁液に添加
し、混合物を2時間撹拌した。残渣を濃縮し、水で処理
し、水蒸気浴上で0.75時間加熱した。混合物を室温
に冷却し、エーテルで抽出し、エーテル抽出液を濃縮し
て残渣となした。残渣を酢酸エチルに溶解し、1.7g
のマレイン酸で処理し、得られた塩をエタノール/酢酸
エチルから再結晶して、表題化合物をマレイン酸塩とし
て得た(4.05g)。元素分析:C19H22ClNO2
につき計算値 C=63.9%,H=6.03%,N=
3.25%;実測値,C=63.91,H=5.99,
N=3.22。
0g)を、エタノール(175mL)中の工程Bからの
ジヒドロイソキノリン(4.75g)の懸濁液に添加
し、混合物を2時間撹拌した。残渣を濃縮し、水で処理
し、水蒸気浴上で0.75時間加熱した。混合物を室温
に冷却し、エーテルで抽出し、エーテル抽出液を濃縮し
て残渣となした。残渣を酢酸エチルに溶解し、1.7g
のマレイン酸で処理し、得られた塩をエタノール/酢酸
エチルから再結晶して、表題化合物をマレイン酸塩とし
て得た(4.05g)。元素分析:C19H22ClNO2
につき計算値 C=63.9%,H=6.03%,N=
3.25%;実測値,C=63.91,H=5.99,
N=3.22。
【0063】同様な方法により1−ベンジル−6,7−
ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリ
ンを製造しうる。
ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリ
ンを製造しうる。
【0064】製造例4: 6,7−ジメトキシ−4−フ
ェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 工程A: 3,4−ジメトキシベンジル−アミン(1
6.7g)およびスチレンオキシド(12.0g)のア
セトニトリル(250mL)中の溶液を16時間、加熱
還流した。残渣を濃縮し、残渣を蒸留し、120℃
(0.5mm)以上で留出する画分を採取した。固化し
た留出物をベンゼン/ヘキサンから再結晶して、N−
(3,4−ジメトキシベンジル)−2−ヒドロキシ−2
−フェニルエチル−アミン(13.4g)を得た。融点
=93−94℃。
ェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 工程A: 3,4−ジメトキシベンジル−アミン(1
6.7g)およびスチレンオキシド(12.0g)のア
セトニトリル(250mL)中の溶液を16時間、加熱
還流した。残渣を濃縮し、残渣を蒸留し、120℃
(0.5mm)以上で留出する画分を採取した。固化し
た留出物をベンゼン/ヘキサンから再結晶して、N−
(3,4−ジメトキシベンジル)−2−ヒドロキシ−2
−フェニルエチル−アミン(13.4g)を得た。融点
=93−94℃。
【0065】工程B: 工程Aからのアミノアルコール
(2.2g)をメタンスルホン酸(100mL)および
ジクロロメタン(150mL)の混合物に添加し、室温
で一夜撹拌した。混合物を氷水に注入し、有機層を濃縮
して残渣を得た。ベンゼンで摩砕処理し、次いでエタノ
ールから再結晶して、表題のアミン8.7gをメタンス
ルホン酸塩として得た。融点=198−199℃。
(2.2g)をメタンスルホン酸(100mL)および
ジクロロメタン(150mL)の混合物に添加し、室温
で一夜撹拌した。混合物を氷水に注入し、有機層を濃縮
して残渣を得た。ベンゼンで摩砕処理し、次いでエタノ
ールから再結晶して、表題のアミン8.7gをメタンス
ルホン酸塩として得た。融点=198−199℃。
【0066】製造例5: 1−ベンジル−6,7−ジヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 1−ベンジル−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン(10g)を48%HBr
(100mL)で処理し、混合物を窒素下に2時間、加
熱還流した。混合物を室温に冷却し、一夜結晶を形成さ
せた。結晶を採取し、冷エタノールで洗浄して、表題の
化合物7.5gをそのHBr塩として得た。融点=23
3−236℃。
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン 1−ベンジル−6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン(10g)を48%HBr
(100mL)で処理し、混合物を窒素下に2時間、加
熱還流した。混合物を室温に冷却し、一夜結晶を形成さ
せた。結晶を採取し、冷エタノールで洗浄して、表題の
化合物7.5gをそのHBr塩として得た。融点=23
3−236℃。
【0067】実施例1: N−(6,7−ジメトキシ−
1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン)−9−Z−オクタデセンアミド 188mgのオレイルクロリドを、6,7−ジメトキシ
−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン(153mg)およびトリエチルアミン(76m
g)のジクロロメタン(5mL)中の溶液に添加し、2
時間撹拌した。混合物を水に注入し、ジクロロメタンで
抽出し、抽出液を濃縮して残渣を得た。残渣をクロマト
グラフィー処理して(シリカゲル、5:95酢酸エチル
/ジクロロメタン)、表題化合物(230mg)を得
た。ms(FAB)=534(M+1)。
1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン)−9−Z−オクタデセンアミド 188mgのオレイルクロリドを、6,7−ジメトキシ
−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン(153mg)およびトリエチルアミン(76m
g)のジクロロメタン(5mL)中の溶液に添加し、2
時間撹拌した。混合物を水に注入し、ジクロロメタンで
抽出し、抽出液を濃縮して残渣を得た。残渣をクロマト
グラフィー処理して(シリカゲル、5:95酢酸エチル
/ジクロロメタン)、表題化合物(230mg)を得
た。ms(FAB)=534(M+1)。
【0068】同様な方法により下記の化合物を製造し
た: 実施例2: N−(6,7−ジメトキシ−4−フェニル
−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン)−9−
Z−オクタデセンアミド 350mgのオレイルクロリドを、6,7−ジメトキシ
−4−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリンのメタンスルホン酸塩(350mg)およびトリ
エチルアミン(435mg)のジエチルエーテル中の溶
液に添加し、2.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチル
で希釈し、濾過し、濾液を濃縮して残渣を得た。シリカ
ゲル上でクロマトグラフィー処理して(4:6酢酸エチ
ル/ヘキサン)、480mgの表題化合物を得た。ms
=534(M+1)。
た: 実施例2: N−(6,7−ジメトキシ−4−フェニル
−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン)−9−
Z−オクタデセンアミド 350mgのオレイルクロリドを、6,7−ジメトキシ
−4−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリンのメタンスルホン酸塩(350mg)およびトリ
エチルアミン(435mg)のジエチルエーテル中の溶
液に添加し、2.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチル
で希釈し、濾過し、濾液を濃縮して残渣を得た。シリカ
ゲル上でクロマトグラフィー処理して(4:6酢酸エチ
ル/ヘキサン)、480mgの表題化合物を得た。ms
=534(M+1)。
【0069】実施例3: N−(6,7−ジメトキシ−
3−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン)−9−Z−オクタデセンアミド ジクロロメタン中の6,7−ジメトキシ−3−フェニル
−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(286
mg)の溶液を、オレイン酸(300mg)、240m
gのジシクロヘキシル−カルボジイミド(DCC)、5
mgの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)および
塩化メチレン(5mL)の混合物に添加し、22時間撹
拌した。混合物を濾過し、濃縮して残渣を得た。シリカ
ゲル上でクロマトグラフィー処理して(3:7酢酸エチ
ル/ヘキサン)、表題化合物(346mg)を得た。m
s=534(M+1)。
3−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン)−9−Z−オクタデセンアミド ジクロロメタン中の6,7−ジメトキシ−3−フェニル
−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(286
mg)の溶液を、オレイン酸(300mg)、240m
gのジシクロヘキシル−カルボジイミド(DCC)、5
mgの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)および
塩化メチレン(5mL)の混合物に添加し、22時間撹
拌した。混合物を濾過し、濃縮して残渣を得た。シリカ
ゲル上でクロマトグラフィー処理して(3:7酢酸エチ
ル/ヘキサン)、表題化合物(346mg)を得た。m
s=534(M+1)。
【0070】同様な方法により下記の化合物を製造し
た:N−[6,7−ジメトキシ−3−(3.4−ジメト
キシフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン]−9−Z−オクタデセンアミド、ms=594
(M+1);およびN−[1−(2−メチルアミノ−5
−クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイ
ソキノリン]−9−Z−オクタデセンアミド、ms(F
AB)=537(M+1)。
た:N−[6,7−ジメトキシ−3−(3.4−ジメト
キシフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン]−9−Z−オクタデセンアミド、ms=594
(M+1);およびN−[1−(2−メチルアミノ−5
−クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイ
ソキノリン]−9−Z−オクタデセンアミド、ms(F
AB)=537(M+1)。
【0071】実施例4: N−(1−ベンジル−6,7
−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン)−9−Z−オクタデセンアミド 1−(3′−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミド塩酸塩(410mg)を1−ベンジル−
6,7−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリン(500mg)、オレイン酸(560m
g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(290m
g)、N−メチル−モルホリン(220mg)およびジ
メチルホルムアミド(8mL)の混合物に添加し、18
時間撹拌した。混合物を水に注入し、酢酸エチルで抽出
し、抽出液を合わせてNa2SO4で乾燥させ、濾過し、
濾液を濃縮して残渣を得た。残渣をシリカゲル上でクロ
マトグラフィー処理して(1:1酢酸エチル/ヘキサ
ン)、表題化合物(460mg)を得た。ms=520
(M+1)。
−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン)−9−Z−オクタデセンアミド 1−(3′−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミド塩酸塩(410mg)を1−ベンジル−
6,7−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリン(500mg)、オレイン酸(560m
g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(290m
g)、N−メチル−モルホリン(220mg)およびジ
メチルホルムアミド(8mL)の混合物に添加し、18
時間撹拌した。混合物を水に注入し、酢酸エチルで抽出
し、抽出液を合わせてNa2SO4で乾燥させ、濾過し、
濾液を濃縮して残渣を得た。残渣をシリカゲル上でクロ
マトグラフィー処理して(1:1酢酸エチル/ヘキサ
ン)、表題化合物(460mg)を得た。ms=520
(M+1)。
【0072】以下の配合物は本発明の剤形の若干を例示
する。それぞれにおいて″有効化合物″という語は式I
またはIaの化合物、好ましくはN−(6,7−ジメト
キシ−4−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイ
ソキノリン)−9−Z−オクタデセンアミドを表す。た
だしこの化合物の代わりに同様に有効量の他の式Iまた
はIaの化合物を用いることができる。
する。それぞれにおいて″有効化合物″という語は式I
またはIaの化合物、好ましくはN−(6,7−ジメト
キシ−4−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイ
ソキノリン)−9−Z−オクタデセンアミドを表す。た
だしこの化合物の代わりに同様に有効量の他の式Iまた
はIaの化合物を用いることができる。
【0073】 実施例A 錠剤 No . 成分 mg/錠剤 mg/錠剤 1 有効化合物 100 500 2 ラクトースUSP 122 113 3 コーンスターチ、食品用、 30 40 精製水中10%ペーストとしてNo . 成分 mg/錠剤 mg/錠剤 4 コーンスターチ、食品用 45 40 5 ステアリン酸マグネシウム 3 7 合計 300 700調製法 成分No.1および2を適切なミキサー中で10−15
分間混合する。混合物を成分No.3と共に顆粒化す
る。湿潤顆粒を必要により粗いスクリーン(たとえば1
/4″、0.63cm)を通して微粉砕する。湿潤顆粒
を乾燥させる。必要により乾燥顆粒を篩分け、成分N
o.4と混和し、10−15分間混合する。成分No.
5を添加し、1−3分間混合する。混合物を適切な打錠
機で適宜なサイズおよび重量にプレスする。
分間混合する。混合物を成分No.3と共に顆粒化す
る。湿潤顆粒を必要により粗いスクリーン(たとえば1
/4″、0.63cm)を通して微粉砕する。湿潤顆粒
を乾燥させる。必要により乾燥顆粒を篩分け、成分N
o.4と混和し、10−15分間混合する。成分No.
5を添加し、1−3分間混合する。混合物を適切な打錠
機で適宜なサイズおよび重量にプレスする。
【0074】 実施例B カプセル剤 No . 成分 mg/錠剤 mg/錠剤 1 有効化合物 100 500 2 ラクトースUSP 106 123 3 コーンスターチ、食品用、 40 70 5 ステアリン酸マグネシウムNF 4 7 合計 250 700調製法 成分No.1、2および3を適切なブレンダー中で10
−15分間混合する。成分No.4を添加し、1−3分
間混合する。混合物を適切なカプセル封入機で適宜な2
個構成ハードゼラチンカプセルに充填する。
−15分間混合する。成分No.4を添加し、1−3分
間混合する。混合物を適切なカプセル封入機で適宜な2
個構成ハードゼラチンカプセルに充填する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 217/20
Claims (4)
- 【請求項1】 次式の化合物: (式中、R1は炭素原子10−25個、分枝鎖もしくは
直鎖、飽和もしくは1−4個の二重結合を含むアルキル
鎖;ジ−(低級アルキル)アミノおよびArよりなる群
から選ばれる置換基1−4個により置換された、上記に
定めるアルキル鎖;−O−、−SOp−、−NH−、−
C(O)−、フェニレン、R2−置換フェニレン、ヘテ
ロアリーレンおよびR2−置換ヘテロアリーレンよりな
る群から選ばれる基1−4個により中断された、上記に
定めるアルキル鎖(ここでp=0、1または2であり、
ただしアルキル鎖が1−4個の−NH−基により中断さ
れている場合、該−NH−基は−C(O)−基と共にア
ミド基を形成することはない);1−4個のジ−(低級
アルキル)アミノもしくはAr基により置換された、上
記に定める中断されたアルキル鎖;ジフェニルアミノ;
ジ−(R2−置換フェニル)アミノ;ジ−(ヘテロアリ
ール)アミノ;ジ−(R2−置換ヘテロアリール)アミ
ノ;ジフェニルメチル;またはジ−(R2−置換フェニ
ル)メチルであり; R2は互いに無関係にヒドロキシ、低級アルキル、低級
アルコキシ、ハロゲノ、アミノ、低級アルキルアミノお
よびジ−(低級アルキル)アミノよりなる群から選ば
れ; R3、R4およびR5は互いに無関係にHまたは−(C
H2)n−Arであり; Arはフェニル、R2−置換フェニル、ヘテロアリール
およびR2−置換ヘテロアリールよりなる群から選ば
れ; n=0、1または2であり; m=0、1または2である) またはそれらの薬剤学的に受容しうる塩類。 - 【請求項2】 −C(O)−R1がオレオイル、ジフェ
ニルアセチルまたはN,N−ジフェニルアミノカルボニ
ルであり; R2がヒドロキシ、メチルまたは低級アルコキシであ
り、m=0または2であり; R3がH、2−(4−クロロフェニル)エチル、3,4
−ジメトキシフェニルメチル、ベンジルまたは2−メチ
ルアミノ−5−クロロ−フェニルよりなる群から選ばれ
るものであり; R4がH、フェニルまたはジ−(低級アルコキシ)フェ
ニルであり; R5がHまたはフェニルである、請求項1に記載の化合
物。 - 【請求項3】 次式により表される、請求項1に記載の
化合物: ここで、 。 - 【請求項4】 ACAT−抑制に有効な量の請求項1に
記載の化合物を薬剤学的に有効なキャリヤー中に含む、
哺乳動物におけるアテローム性動脈硬化治療用薬剤組成
物。
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