JPH0729983Y2 - 洗濯機の洗剤投入装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、洗濯槽内に洗剤を自動的に投入する洗濯機の
洗剤投入装置に関する。

〔従来の技術〕

洗濯機の洗剤投入装置として、従来、例えば特開昭63−
257596号公報に示すものが、これは第２図に示したよう
に外箱（１）内に防振機構である複数の吊り棒（11）に
より外槽（10）を懸架し、この外槽（10）内に底部に攪
拌翼（５）を備えた洗濯槽（９）を配設し、外槽（10）
の下方にはモーター（６）を設けて該モーター（６）を
Ｖベルト（７）及び通常ギヤー等による減速装置等より
なる機構部（８）を介して攪拌翼（５）及び洗濯槽
（９）に切換可能に連結してある。

図中（13）は洗剤投入用の洗剤箱を示し、これはトップ
パネル（２）の下方にスライド自在に装着されるもの
で、上方の開口部（14）を給水弁（22）を介して給水口
（21）に臨ませ、下部に形成した注水口（16）を洗濯槽
（９）に開口している。

また、トップパネル（２）には洗濯物投入口（12）が形
成され、ここに蓋（３）が開閉自在に取付けられる。図
中（23）は洗濯槽（９）内に設けたリントフィルターを
示す。

このようにして、洗濯槽（９）内に洗剤を投入するに
は、蓋（３）を開いて洗剤箱（３）を手前にスライドさ
せて引出し、洗剤箱（13）内に所定量の洗剤を投入した
後、蓋（３）を閉じて操作スイッチにより運転内容を設
定して洗濯運転を開始する。

運転開始により、給水弁（22）が開いて給水口（21）か
らの水が開口部（14）を介して洗剤箱（13）内に流入
し、洗剤箱（13）内に洗剤は流入した水とともに注水口
（16）より押し出されて洗濯槽（９）内に供給される。

そして、給水が停止すると、モーター（６）に通電され
て、攪拌翼（５）が回転し、洗い運転が行われ、洗い運
転中に発生するリントはリントフィルター（23）で補集
される。

ところで、このリントフィルター（23）による洗濯時に
おけるリントの回収率を高めるようにしたものとして、
例えば第３図に示した実公昭58−9572号があり、これは
外槽（10）の底部と上部とを循環ホース（18）で連通
し、該循環ホース（18）の途中に循環ポンプ（17）を設
けて洗濯槽（９）内の洗濯液を強制循環させるととも
に、攪拌翼（５）の上部にリントフィルター（23）とし
て働くリント回収皿を設け、循環ポンプ（17）により洗
濯槽（９）の底部から循環ホース（18）内に汲上げた洗
濯水を洗濯槽（９）上部のリントフィルター（23）内に
吐出するようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

特開昭63−257596号に示されている洗剤投入装置は、給
水と同時にこの水により洗剤箱内の洗剤を洗濯槽内に流
し出すようにしているため、洗剤を投入できる時期が給
水時間中に限定されてしまい、その結果、洗剤の種類に
よっては水により流れにくいと給水時間終了時に洗剤が
洗剤箱内に残留することがある。

また、洗剤箱への洗剤の投入は、蓋を開いてさらに洗剤
箱を手前に引出してこれを行う必要があるため、投入作
業は手間を要し面倒なものであった。

他方、実公昭58−9572号に示されているリントフィルタ
ーは、洗濯槽の上部をほとんど覆う程の大きさのリント
回収皿を攪拌翼に取付けているため、洗濯槽内への衣類
の出入れに際してはその都度、リント回収皿を取外し、
また取付ける必要があり、取扱いが面倒で作業性がよく
なかった。

本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、洗剤投入
機構を洗濯液の循環機構と組合わせることにより、洗剤
箱内に洗剤が残留することを防止し、同時に洗剤の溶解
も促進でき、しかも衣類の出入れの邪魔になることなく
リントを効率よく回収できる洗濯機の洗剤投入装置を提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記目的を達成するため、洗濯槽の底部と上部
とに連通し途中に循環ポンプを設けた循環流路を外箱内
に配設し、該循環流路の途中に洗剤箱への給水用の開口
部を臨ませるとともに、該洗剤箱の下部に洗濯槽への注
水口を、該洗濯槽の中央部に配設した攪拌翼に向けて設
け、また、洗剤箱の上部に洗剤箱蓋を開閉自在に設け、
この蓋をトップパネルの一部として形成したことを要旨
とするものである。

〔作用〕

本考案によれば、循環ポンプにより洗濯槽の底部から循
環流路内に汲上げられた洗濯水が給水用の開口部を介し
て洗剤箱内に供給されると、洗剤箱内に入れてある洗剤
はこの洗濯水により、洗剤箱の下部に形成してある注水
口から洗濯液により押し出され、洗濯槽内の中央部に配
設した攪拌翼に向けて洗濯水と洗剤とが供給される。か
かる洗剤の投入は、循環ポンプを駆動している限り行わ
れ、洗剤箱内に洗剤が残留することがなく、また、洗剤
の溶解を促進でき、さらに洗剤箱内にリント網を設けれ
ばここでリントの回収も行える。また、洗剤箱内への洗
剤の投入はトップパネルの一部として形成した蓋を開け
ばよいので、上方から簡単に行える。

〔実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説明する。

第１図は本考案の洗濯機の洗剤投入装置の実施例を示す
縦断側面図で第２図、第３図について既に説明した従来
例と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。

まず、洗濯機の全体構成を説明すると、従来と同様、外
箱（１）内に防振機構である複数の吊り棒（11）により
外槽（10）を吊設し、この外槽（10）の内部に中央に攪
拌翼（５）を備えた洗濯槽（９）を配設し、外槽（10）
の下方にはモーター（６）を設けてこのモーター（６）
をＶベルト（７）及び通常ギヤー等による減速装置等で
構成される機構部（８）を介して攪拌翼（５）及び洗濯
槽（９）の回転軸に切換可能に連結した。

図中（12）はトップパネル（２）に形成した洗濯物投入
口を示し、この洗濯物投入口（12）には蓋（３）が開閉
自在に取付けてある。また図中（４）は洗濯内容等の設
定を行うスイッチ、（20）は外槽（10）の底部に連通す
る排水ホースを示し、該排水ホース（20）の途中には排
水バルブ（19）が設けてある。

本考案は、かかる構成の洗濯機において、一端が外槽
（10）の底部に開口し、他端が洗濯槽（９）の上方に開
口する循環ホース（18）を外箱（１）内で外槽（10）外
に配設し、この循環ホース（18）の途中に循環ポンプ
（17）を設けて洗濯液の循環流路を形成する。

そして、循環ホース（18）の吐出開口部端に位置させて
トップパネル（２）の下方に洗剤箱（13）を配設し、洗
剤箱（13）への給水用の開口部（14）を循環ホース（1
8）の前記吐出開口部と連通し、さらに洗剤箱（13）の
下部には循環する洗濯水の吐出口となる注水口（16）を
設け、この注水口（16）を洗濯槽（９）の上方位置で、
洗濯槽（９）内の中央部に配設した攪拌翼（５）に向け
て開口した。

図中（15）は洗剤箱（13）の上面開口を開閉自在に覆う
蓋を示し、この蓋（15）はトップパネル（２）の一部と
して該トップパネル（２）と同一面上に設けられる。

また、洗剤箱（13）はリント回収箱を兼用するもので、
内部にはリント網（図示は省略した）が着脱自在に設け
てある。

次に使用法及び動作について説明する。

洗濯を開始するには、洗濯槽（９）に衣類を投入すると
ともに、洗剤箱（13）の蓋（15）を上方に開いて洗剤箱
（13）内に所定量の洗剤を投入し、スイッチ（４）を操
作すれば、予め設定されたプログラムにより洗濯槽
（９）内に給水される。

給水量が所定値に達すると、モーター（６）に通電され
てこれが回転し、攪拌翼（５）が回転して洗濯運転が開
始すると同時に、循環ポンプ（17）が駆動して洗濯槽
（９）内の洗濯水を循環ホース（18）内に汲上げる。

循環ホース（18）内に汲上げられた洗濯液は上端の開口
部（14）から洗剤箱（13）内に流入し、これにより洗剤
箱（13）内の洗剤は流入してきた洗濯液に押し出されて
下部の注水口（16）から洗濯液とともに洗濯槽（９）内
に投入される。この場合、洗剤は洗濯槽（９）内の中央
部に配設した攪拌翼（５）に向かって投入されるから、
洗濯槽（９）の中心部で攪拌翼（５）によって攪拌さ
れ、洗濯槽（９）内でさらに充分に溶解され、洗濯物に
対する洗浄作用が充分に発揮される。

このようにして循環ポンプ（17）が駆動している間は、
循環ホース（18）、洗剤箱（13）により循環流路が形成
され、洗濯槽（９）の底部から汲上げられた洗濯液が循
環ホース（18）を介して洗剤箱（13）内に給水され続
け、ここから洗濯槽（９）内に再び注水されるので、洗
剤箱（13）内の洗剤は残すことなく完全に洗濯槽（９）
内に投入され、また、充分に溶解されて投入される。

さらに、洗剤箱（13）内にリント網（図示は省略した）
を設けておけば、循環する洗濯液がこの洗剤箱（13）を
通過する際に、洗濯液中に含まれているリントがリント
網に引掛りここで捕集される。この場合、リント網は洗
剤箱（13）内に配設されるので、リント網が洗濯槽
（９）内に突出したり、該洗濯槽（９）の上部を広く覆
ったりするようなことがなく、衣類の出入れや洗濯の邪
魔になることはない。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の洗濯機の洗剤投入装置は、洗
濯液の循環流路中に洗剤投用箱を設けたので、循環ポン
プが駆動している限りは洗剤箱内に循環洗濯液が給水さ
れ続け、洗濯槽内に注水されるから、洗剤箱内の洗剤は
循環水により完全に押し流され洗剤箱内に残留すること
を防げる。

また、洗剤は充分に溶解された状態で洗濯槽内の中央部
に配設の攪拌翼に向けて投入され、攪拌翼により洗濯槽
の中心部でさらに攪拌されるから、より洗浄力を高める
ことができ、洗剤箱への洗剤の投入もトップパネルの一
部として形成した上部の蓋を開けばよいだけであるので
簡単に行われる。

さらに、洗剤箱内にリント網を取付ければ、衣類の出入
れの邪魔になることなくリントも効率よく回収できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の洗濯機の洗剤投入装置の実施例を示す
縦断側面図、第２図は従来例を示す縦断側面図、第３図
は他の従来例を示す縦断側面図である。 （１）…外箱、（２）…トップパネル （３）…蓋、（４）…スイッチ （５）…攪拌翼、（６）…モーター （７）…Ｖベルト、（８）…機構部 （９）…洗濯槽、（10）…外槽 （11）…吊り棒、（12）…投入口 （13）…洗剤箱、（14）…開口部 （15）…蓋、（16）…注水口 （17）…循環ポンプ、（18）…循環ホース （19）…排水バルブ、（20）…排水ホース （21）…給水口、（22）…給水弁 （23）…リントフィルター

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 斉藤 猛 千葉県船橋市山手１丁目１番１号 日本建 鉄株式会社船橋製作所内 (72)考案者 小高 栄一 千葉県船橋市山手１丁目１番１号 日本建 鉄株式会社船橋製作所内 (72)考案者 香内 由美子 千葉県船橋市山手１丁目１番１号 日本建 鉄株式会社船橋製作所内 (56)参考文献 実開 昭56−101980（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭62−49075（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯槽の底部と上部とに連通し途中に循環
   ポンプを設けた循環流路を外箱内に配設し、該循環流路
   の途中に洗剤箱への給水用の開口部を臨ませるととも
   に、該洗剤箱の下部に洗濯槽への注水口を、該洗濯槽の
   中央部に配設した攪拌翼に向けて設け、また、洗剤箱の
   上部に洗剤箱蓋を開閉自在に設け、この蓋をトップパネ
   ルの一部として形成したことを特徴とする洗濯機の洗剤
   投入装置。