JPH0729903Y2 - 椅 子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、足掛けに使用する載置台を備えた椅子に関す
る。

〔従来の技術〕

主として製図作業に用いられる椅子には、座板の前方の
下方に足掛けが配置されている。製図作業時、座板を回
転させたり、あるいは座板を昇降させたとき、座板と足
掛けが互いに同期して回転及び昇降するように、座板に
足掛けを連結具を介して固定した椅子が実開昭50−1181
3号公報に開示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

製図作業時、作業者は、座板を高くして作業をするた
め、足掛けが必要とされるが、通常のデスクワーク時に
は、椅子は、座板を低くして用いる。その場合、足掛け
が座板の前方の下方に位置していると、この足掛けが、
椅子使用者にとって邪魔になってしまう。しかるに、従
来の足掛け付きの椅子は、足掛けを座板の後方の下方に
移動することができないという欠陥が存した。本考案は
上記欠陥を除去した椅子を提供することを目的とするも
のである。

〔問題点を解決する手段〕 上記目的を達成するため、本考案は、床面上に載置され
る脚部２と、該脚部２に支持された軸方向に伸縮調整可
能な支柱4,6と、該支柱4,6の上部に支持された座板８
と、前記支柱4,6の下部に回転可能に支持された前記支
柱4,6の周囲の一部を占める幅を有する載置台10と、前
記座板８と前記載置台10とを脱着可能に回転方向に連結
する回転連結機構とを設けたものである。

〔作用〕

上記した構成において、回転連結機構を用いて座板８と
載置台10とを回転方向に連結すると、座板８の回転と連
動して載置台10が座板８に対して所定の方向を向いたま
ま回転する。回転連結機構の連結を解除すれば、載置台
10を、座板８の後方の下方に回転することができ、載置
台10を座板８の前方の下方位置から除去することができ
る。

〔実施例〕

以下に本考案の構成を添付図面に示す実施例を参照して
詳細に説明する。

２は椅子の脚部であり、キャスターが取り付けられてい
る。前記脚部２の中央には、ガスプリングのシリンダー
から成る筒状の下部支柱４が垂直に立設されている。前
記下部支柱４には、ガスプリングのピストンロッドから
成る円柱状の上部支柱６が回転自在且つ昇降自在に嵌挿
されている。前記上部支柱６は、下部支柱４に対して所
定の範囲内で高さ調整をすることができるように構成さ
れ、調整した高さ位置で、前記上部支柱６を公知の固定
手段（図示省略）により、下部支柱４に脱着可能に固定
し得るように構成されている。前記上部支柱６の上部に
は、座板８が取り付けられている。10は略扇形の板状の
載置台であり、その足掛け部の円弧幅は、前記下部支柱
４を中心とする前記円弧と同一線上の円周長に対して略
1/5の寸法に設定されている。前記載置台10の基部に
は、管状部10aが形成され、該管状部10aは、前記下部支
柱４の外周面にスライド且つ回転自在に嵌合している。
前記載置台10の下面と前記脚部２の中心基部2aの上面と
の間には、公知の昇降ガススプリング12,14が配置さ
れ、該ガススプリング12,14の上方弾発力と前記載置台1
0の自重による落下力は丁度バランスするように設定さ
れている。16は、前記ガススプリング12,14を隠すため
のジャバラであり、その上端が前記載置台10の下面に取
り付けられ、その下端は前記中心基部2aの上面に取り付
けられている。18は前記座板８に固定された同期用の盤
であり、中心部に形成された管状部が前記下部支柱４に
回転自在に嵌挿されている。前記盤18には、前記下部支
柱４を中心として略180度の範囲にわたってＴ溝20が形
成され、該Ｔ溝20に軸体22の拡径頭部と軸部が移動自在
に配置されている。前記載置台10の後部にはガイド支柱
24が立設され、該支柱24には、軸方向にキー溝26が形成
されている。28は、前記盤18の管状部の下部外周面に回
転自在に嵌合する案内板であり、これに筒体30が固設さ
れている。前記ガイド支柱24は、前記筒体30にスライド
自在に嵌挿し、前記筒体30の周壁に透設されたねじ穴に
螺合するねじ軸32の先端が前記キー溝26に嵌合してい
る。前記ねじ軸32にはハンドル32aが固着されている。
前記案内板28の偏心位置にはねじ穴が透設され、該ねじ
穴に前記軸体22のねじ部が螺合している。前記軸体22に
は、これを回転操作するためのレバー34が固着されてい
る。

次に本実施例の作用について説明する。

ハンドル32aを締付け方向に回転すると、ねじ軸32の先
端はガイド支柱24のキー溝26の底面に圧着し、載置台10
は、ガイド支柱24、筒体30、案内板28及び盤18を介し
て、座板８に連結する。該状態において、座板８を昇降
方向に移動すると、座板８の昇降と同期して載置台10が
昇降する。ハンドル32aをゆるめる方向に回転してねじ
軸32先端のガイド支柱24に対する圧着を解除すると、載
置台10は、座板８に対して自由に昇降可能となり、所望
の高さに設定することができる。レバー34を締付け方向
に回転すると、軸体22の頭部下面とレバー34の上面と
で、盤18と案内板28とが互いに挾圧され、案内板28は盤
18に固定される。案内板28を盤に固定し、ガイド支柱24
を筒体30に固定した状態において、座板８を回転させる
と、この回転と連動して載置台10が回転し、常に載置台
10を、足掛けに適した座板８の前方の下方に位置させる
ことができる。レバー34を緩める方向に揺動し、案内板
28の盤18に対する固定を解除すると、案内板28は、盤18
に対して180度回転自在となる。該状態において、載置
板10を、下部支柱４を中心として、180度回転し、載置
台10の足掛け部を、座板８の前方の下方位置から、後方
の下方位置に移動することができる。上記の説明から明
らかなように、筒体30、ガイド支柱24及びねじ軸32は、
座板８と載置台10とを脱着可能に昇降方向に連結する昇
降連結機構を構成し、盤18、Ｔ溝20、案内板28、軸体22
及びレバー34は座板８と載置台10とを脱着可能に回転方
向に連結する回転連結機構を構成している。

〔効果〕

本考案は上述の如く構成したので、載置台を座板の前方
の下方に位置させたまま、座板の回転と同期して載置台
を回転させることができるとともに、載置台を足掛けと
して使用しない場合には、載置台を常に座板の後方の下
方に位置させておくことができるという効果が存する。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の断面図、第２図は外観図である。 ２…脚部、４…下部支柱、６…上部支柱、８…座板、10
…載置台、12,14…ガススプリング、16…ジャバラ、18
…盤、20…Ｔ盤、22…軸体、24…ガイド支柱、26…キー
溝、28…案内板、30…筒体、32…ねじ軸、34…レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床面上に載置される脚部２と、該脚部２に
   支持された軸方向に伸縮調整可能な支柱4,6と、該支柱
   4,6の上部に支持された座板８と、前記支柱4,6の下部に
   回転可能に支持された前記支柱4,6の周囲の一部を占め
   る幅を有する載置台10と、前記座板８と前記載置台10と
   を脱着可能に回転方向に連結する回転連結機構とを設け
   たことを特徴とする椅子。