JPH07294678A - 制御棒駆動機構漏洩水検出装置及び沸騰水型原子炉 - Google Patents

制御棒駆動機構漏洩水検出装置及び沸騰水型原子炉

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JPH07294678A
JPH07294678A JP6091191A JP9119194A JPH07294678A JP H07294678 A JPH07294678 A JP H07294678A JP 6091191 A JP6091191 A JP 6091191A JP 9119194 A JP9119194 A JP 9119194A JP H07294678 A JPH07294678 A JP H07294678A
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water
rod drive
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Takeshi Takahashi
高橋  健
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】多数ある制御棒駆動機構のうち漏洩水量の多い
ものを特定できる制御棒駆動機構漏洩水検出装置及び沸
騰水型原子炉を提供する。 【構成】制御棒駆動機構漏洩水検出装置100は、制御
棒駆動機構からの漏洩水が導かれるリーク水配管52
と、漏洩水の量を個別に視認可能なフローグラス54と
を有する。リーク水配管52は複数本ずつで1つの配管
群を形成し、これらが1つのフローグラス54に接続さ
れる。フローグラス54は、箱状容器58と、覗き窓5
9と、リーク水配管52の先端をすりガラス60を通し
て照らす照明装置61とを有し、1台のフローグラス5
4には1つの配管群の複数本のリーク水配管52が接続
される。リーク水配管52の先端部分はフローグラス5
4の内側空間に突出した状態で互いに分離独立して固定
され、すべてのリーク水配管52の漏洩水を覗き窓59
から目視可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉の制御
棒を駆動する制御棒駆動機構に係わり、特に、制御棒駆
動機構からの漏洩水を検出する制御棒駆動機構漏洩水検
出装置及びこれを用いた沸騰水型原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉は、原子炉圧力
容器と、原子炉圧力容器の内側に配置されたシュラウド
と、シュラウド内に配置され多数の燃料集合体が装荷さ
れた炉心と、燃料集合体間に配置され原子炉の反応度を
制御する多数の制御棒と、それぞれの制御棒の下端に1
対1に連結されそれぞれの制御棒を上下動させる多数の
制御棒駆動機構とを有する。
【0003】それぞれの制御棒駆動機構は、原子炉圧力
容器の底部を貫通して固定された制御棒駆動機構ハウジ
ングと、制御棒駆動機構ハウジングの下方に設けられ高
圧スクラム水やパージ水の供給口となるアウターチュー
ブと、アウターチューブの下方に設けられた下部機構で
あるスプールピースと、スプールピースのさらに下方の
制御棒駆動機構全体の下端に設けられたモータとを備え
ている。モータには駆動軸が連結されており、駆動軸の
周囲には例えばグランドパッキン等の軸封部が配置され
ている。制御棒駆動機構内においては、ボールねじ押え
とアウターチューブとの隙間を介して炉水が駆動軸の周
囲に流入し、通常時でも原子炉圧力より若干高い水圧が
加わり、スクラム時においては原子炉圧力より大幅に昇
圧された高圧が加わるので、軸封部はこれらの水圧をシ
ールする役割を果たす。
【0004】軸封部のすぐ下方にはスプールピースを貫
通する通水孔が接続され、さらに通水孔にはスプールピ
ース外壁に沿って設けられたリーク水配管が接続されて
いる。これにより、もし軸封部から漏洩水が生じた場合
でも、この漏洩水は通水孔及びリーク水配管を介し制御
棒駆動機構外へ導かれるので、制御棒駆動機構の下端に
設けられたモータにおいて漏電や回路の短絡が発生する
ことが防止される。そしてリーク水配管へ流れてきた漏
洩水は、リーク水配管に接続された集合管であるドレン
配管に導かれ、さらに最終的にドレンタンクへと導かれ
て処理される。
【0005】また、この軸封部は非金属材料(例えばア
スベスト等)を用いてシール性を維持しており、シール
性が低下した場合には定期検査時に交換される。この軸
封部の交換は毎定期検査時に制御棒駆動機構の数十台ず
つについて行われ、ひとつの軸封部が極端に長い期間に
わたって使われることのないように計画的に交換され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
制御棒駆動機構に関しては、以下の課題が存在する。す
なわち、軸封部において、プラント運転上問題のない範
囲において何らかの理由で漏洩水の増加が生じた場合に
は、軸封部のシール性の低下を意味するものであるか
ら、早期に軸封部を交換する必要がある。しかしなが
ら、上記従来の構成にあっては、軸封部からの漏洩水
は、多数個ある制御棒駆動機構からのすべての漏洩水が
集合管であるドレン配管に集められ、その後に排出され
る構造である。よって多数ある制御棒駆動機構のうち漏
洩水量の多いものを特定し検出することができず、例え
ばある特定の制御棒駆動機構の軸封部だけが漏洩してい
るのか、全ての制御棒駆動機構の軸封部が平均的に漏洩
しているのかを見極めることが困難であった。一方、前
述したように、作業効率上、制御棒駆動機構の点検は定
期検査時に全制御棒駆動機構の数十台程度ずつしか行わ
れない。漏洩の発生した制御棒駆動機構が特定できれ
ば、その制御棒駆動機構を含めて数十台の制御棒駆動機
構を点検し漏洩を修復すれば足りるが、上記のように漏
洩の発生した制御棒駆動機構が特定できない現状では、
点検する数十台の制御棒駆動機構の中にシール性が低下
しているものが含まれるかどうかは単に偶然に左右され
る。もし、点検する数十台の制御棒駆動機構の中にシー
ル性が低下しているものが含まれなければ、そのシール
性が低下した軸封部の交換は行われず漏洩が放置された
まま、定期検査後の次の運転に入ってしまうことになっ
て好ましくない。そしてこのようにシール性が低下した
まま放置された軸封部においては、炉水が制御棒駆動機
構を通って外部へ流出し、また、通常、制御棒駆動機構
の中を通って炉内へ流れているパージ水が減少し、炉内
で発生したクラッド等の沈降防止及び除去作用が低下し
制御棒駆動機構の正常な動作を阻害し故障が発生しやす
くなるという不都合があった。
【0007】本発明の目的は、多数ある制御棒駆動機構
のうち漏洩水量の多いものを特定できる制御棒駆動機構
漏洩水検出装置及び沸騰水型原子炉を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、原子炉の反応度を制御する複数の
制御棒をそれぞれ上下動させる複数の制御棒駆動機構か
らの漏洩水がそれぞれ導かれる複数本のリーク水配管
と、前記複数本のリーク水配管に接続されて漏洩水が導
かれそれぞれのリーク水配管からの漏洩水の量を個別に
視認可能な少なくとも1つのフローグラスと、そのフロ
ーグラスに接続され漏洩水を排出するドレン管とを有
し、前記複数本のリーク水配管のそれぞれは、少なくと
も1本のリーク水配管からなる少なくとも1つの配管群
に属しており、前記フローグラスは、前記配管群のそれ
ぞれの群に対し1つずつ設けられていることを特徴とす
る制御棒駆動機構漏洩水検出装置が提供される。
【0009】好ましくは、前記制御棒駆動機構漏洩水検
出装置において、前記複数の制御棒駆動機構は前記原子
炉において第1の配列をもって配置されており、前記少
なくとも1つのフローグラスは前記原子炉において第2
の配列をもって配置されており、前記1つの配管群に属
する少なくとも1本のリーク水配管は第3の配列をもっ
てその配管群に対応する1つのフローグラスに接続され
ており、前記リーク水配管の第3の配列は、前記フロー
グラスの第2の配列を介し、前記制御棒駆動機構の第1
の配列と1対1に関連づけられていることを特徴とする
制御棒駆動機構漏洩水検出装置が提供される。
【0010】また好ましくは、前記制御棒駆動機構漏洩
水検出装置において、前記1つの配管群に属する複数本
のリーク水配管は、その配管群に対応する1つのフロー
グラスの外周を外側から内側に貫通しかつそれらの先端
部分が前記フローグラスの内側空間に突出した状態で固
定されていることを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検
出装置が提供される。
【0011】さらに好ましくは、前記制御棒駆動機構漏
洩水検出装置において、前記ドレン管に備えられるとと
もに前記排出される漏洩水の流量を検出し対応する流量
信号を出力する流量検出手段と、前記流量信号が入力さ
れるとともにその流量信号に対応する流量が所定の流量
より大きい場合には警報を発する警報手段とを設けたこ
とを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装置が提供さ
れる。
【0012】また好ましくは、前記制御棒駆動機構漏洩
水検出装置において、前記フローグラスは、そのフロー
グラスに接続された前記リーク水配管を照らす照明装置
を有することを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装
置が提供される。
【0013】さらに好ましくは、前記制御棒駆動機構漏
洩水検出装置において、前記フローグラスは前記原子炉
の格納容器内に設けられており、かつ、前記フローグラ
スを前記格納容器外から遠隔操作で監視可能な監視手段
を設けたことを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装
置が提供される。
【0014】また好ましくは、前記制御棒駆動機構漏洩
水検出装置において、前記リーク水配管は、開閉可能な
弁手段を有することを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水
検出装置が提供される。
【0015】さらに好ましくは、前記制御棒駆動機構漏
洩水検出装置において、前記1つの配管群は複数本のリ
ーク水配管からなる複数の小群にさらに分けられている
とともに、その小群に属する複数本のリーク水配管は下
流側において合流してその配管群に対応する1つのフロ
ーグラスに接続された1つのリーク水集合配管を形成し
ており、前記フローグラスは、それぞれのリーク水集合
配管からの漏洩水の量を個別に視認可能であることを特
徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装置が提供される。
【0016】また好ましくは、前記制御棒駆動機構漏洩
水検出装置において、前記フローグラスは前記原子炉の
格納容器の外側に配置されており、前記複数本のリーク
水配管は前記格納容器の壁面を貫通して設けられている
ことを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装置が提供
される。
【0017】さらに上記目的を達成するために、本発明
によれば、原子炉圧力容器と、その原子炉圧力容器の内
側に配置され燃料集合体が装荷された炉心と、前記燃料
集合体間に配置され原子炉の反応度を制御する制御棒
と、その制御棒を上下動させる制御棒駆動機構とを有す
る沸騰水型原子炉において、前記制御棒駆動機構からの
漏洩水を検出する上記制御棒駆動機構漏洩水検出装置を
設けたことを特徴とする沸騰水型原子炉が提供される。
【0018】
【作用】以上のように構成した本発明においては、制御
棒駆動機構からの漏洩水はそれぞれリーク水配管へ導か
れ、さらにリーク水配管から、漏洩水量を個別に視認可
能で1配管群に1つ設けられたフローグラスへと導か
れ、そしてフローグラスからドレン管で排出されること
により、フローグラスにおいてフローグラスに接続され
たリーク水配管の漏洩水量を目視して漏洩水量の多いリ
ーク水配管を確認できれば、そのリーク水配管に接続さ
れた制御棒駆動機構からの漏洩を検知できる。これによ
って多数本設置される制御棒駆動機構の中から漏洩量の
多い制御棒駆動機構を特定することができる。このと
き、遠隔操作式の監視手段(監視カメラ等)がある場合
には、監視手段を介し原子炉格納容器内のフローグラス
を視認することによって原子炉運転中にも漏洩量の多い
制御棒駆動機構を特定することができる。また監視手段
がない場合でも、定期検査時に作業員が原子炉格納容器
内のフローグラス位置まで立ち入って視認することによ
って漏洩量の多い制御棒駆動機構を特定することができ
る。すなわち、遅くとも定期検査時には制御棒駆動機構
を特定することができる。
【0019】また、リーク水配管の第3の配列は、フロ
ーグラスの第2の配列を介し、制御棒駆動機構の第1の
配列と1対1に関連づけられていることにより、漏洩水
量の多いリーク水配管を確認し制御棒駆動機構を特定す
る手段を実現できる。さらに、リーク水配管がフローグ
ラスの外周を外側から内側に貫通し先端部分が内側空間
に突出した状態で固定されていることにより、フローグ
ラス内においてリーク水配管先端から滴下する漏洩水量
を目視で点検することができる。また、ドレン管に備え
られた流量検出手段で漏洩水の流量を検出し流量信号と
して出力することにより、プラント運転中においても1
配管群当たりの漏洩水の有無及び増減を運転員がチェッ
クすることができる。また、その流量が所定流量より大
きい場合には警報手段で警報を発することにより、漏洩
水量が増加したことをいちはやく知ることができる。さ
らに、リーク水配管を照らす照明装置がフローグラスに
設けられることにより、より明確に漏洩水量を目視点検
することができる。また、格納容器内に設けられたフロ
ーグラスを監視手段で格納容器外から監視することによ
り、格納容器外からフローグラスを視認することができ
原子炉運転中でも漏洩量の多い制御棒駆動機構を特定す
ることができる。さらに、リーク水配管に開閉可能な弁
手段を設けることにより、フローグラス内における目視
で漏洩しているのがどのリーク水配管であるか判別しに
くかった場合に、これらの弁手段を1つずつ開閉して漏
洩の有無を再チェックすることで、漏洩のあるリーク水
配管を明確に判別することができる。また、漏洩水の検
出装置において、小群に属する複数本のリーク水配管が
下流側で合流して1つのリーク水集合配管となり、この
リーク水集合配管が1つのフローグラスに接続され集合
配管ごとに漏洩水量が視認されることにより、より多く
のリーク水配管からの漏洩水を1つのフローグラスに導
くことができるので、フローグラスの数がより少なくて
済む。さらに、フローグラスが原子炉の格納容器の外側
に配置され、リーク水配管が格納容器壁面を貫通して設
けられることにより、フローグラスを監視する監視手段
等がなくても、通常運転時においても常に運転員がフロ
ーグラスを視認できる。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を図1〜図9により説明す
る。本発明の第1の実施例による制御棒駆動機構漏洩水
検出装置を図1〜図3により説明する。本実施例の制御
棒駆動機構漏洩水検出装置は、後述する図7〜図9に示
されるような沸騰水型原子炉の制御棒駆動機構5からの
漏洩水を検出するものである。
【0021】すなわち、図7において、沸騰水型原子炉
は、原子炉圧力容器1と、多数の燃料集合体2が装荷さ
れた炉心3と、原子炉の反応度を制御する制御棒6と、
それぞれの制御棒6を上下動させる制御棒駆動機構5と
を有する。原子炉の通常運転時においては、制御棒駆動
機構5は、モータ10(図8参照)の駆動によって制御
棒6の炉心3内への挿入・引き抜き(常駆動)を行い、
これによって原子炉の反応度を制御する。このとき、図
9に示す制御棒駆動水圧系22のパージ水系29におい
て、ポンプ28から供給された高圧水がパージ水配管4
3を介してスクラム挿入配管9に供給されて、制御棒駆
動機構5の中を通って原子炉内へ放出されている。一
方、緊急時においては、制御棒6を炉心3内へ急速に挿
入(スクラム)する必要があることから、制御棒駆動水
圧系22からスクラム挿入配管9を介して制御棒駆動機
構5に供給される高圧水によって制御棒6が炉心3内へ
緊急挿入される。
【0022】制御棒駆動機構5においては、図8に示さ
れるように、モータ10には駆動軸11が連結されてお
り、駆動軸11の周囲には例えばグランドパッキン等の
軸封部50が配置されている。上述したように、通常運
転時にはスクラム配管9を介して制御棒駆動水圧系22
からパージ水が制御棒駆動機構5内に流入し、駆動軸1
1の周囲に原子炉圧力より若干高い水圧が加わってお
り、緊急時にはスクラム配管9を介して制御棒駆動水圧
系22からスクラム水が制御棒駆動機構5内に流入し、
駆動軸11の周囲に原子炉圧力より大幅に昇圧された高
圧が加わるので、軸封部50はこれらの水圧をシールす
る役割を果たしている。本実施例の制御棒駆動機構漏洩
水検出装置は、この軸封部50のシール性が長期間の使
用等により低下し、軸封部50から漏洩水が生じた場合
にその漏洩水量を検出するものである。以下、その構成
を詳細に説明する。
【0023】本実施例の制御棒駆動機構漏洩水検出装置
の全体構成を図1に示す。図1において、制御棒駆動機
構漏洩水検出装置100は、複数(例えば205台)の
制御棒駆動機構からの漏洩水がそれぞれ導かれる複数本
(例えば205本)のリーク水配管52と、リーク水配
管52に接続されて漏洩水が導かれそれぞれのリーク水
配管52からの漏洩水の量を個別に視認可能な複数の
(例えば8個)フローグラス54と、漏洩水が最終的に
集められるドレンタンク53と、フローグラス54に集
められた漏洩水をドレンタンク53へ排出するドレン管
55と、ドレン管55に備えられ排出される漏洩水の流
量を検出し対応する流量信号を出力する流量計56と、
原子炉格納容器23の外側に設けられ流量計56からの
流量信号が入力される流量表示器57とを有する。
【0024】リーク水配管52はドライウェル内に設置
されており、また複数本(例えば25〜26本)ずつで
まとまって1つの配管群を形成し、これら1つの配管群
に属する複数本のリーク水配管52が1つのフローグラ
ス54に接続される。またリーク水配管52は、制御棒
駆動機構ハウジング8が隣立した狭いエリアに設置され
ること及び制御棒駆動機構5の下部には制御棒駆動機構
交換装置(図示せず)が接近することを考慮し、いった
ん制御棒駆動機構ハウジング8の間隙を抜けた後、ドラ
イウェルの壁(図示せず)に沿って下方へ引き回され
る。ドライウェルの壁にはたくさんの機器が配置される
ので、スペースの関係上これらリーク水配管52はでき
るだけひとまとまりの配管の束となるよう配置される。
フローグラス54の詳細構造を図2及び図3に示す。図
2及び図3において、フローグラス54は、箱状容器5
8と、箱状容器58の前面に設けられた覗き窓(ガラス
はあっても無くても良い)59と、リーク水配管52の
背面に設けられリーク水配管52の先端をすりガラス6
0を通して照らす照明装置61とを有する。また、この
フローグラス54は原子炉格納容器23内に設けられて
おり原子力プラントでは通常運転中には原子炉格納容器
23内へは入ることはできないことから、フローグラス
54を格納容器23外から遠隔操作で監視可能な監視カ
メラ63が設けられている(図1参照)。フローグラス
54は、前述したように、複数本(例えば25〜26
本)ずつのリーク水配管からなる配管群につき1台ずつ
設けられる。すなわち1台のフローグラス54には、こ
れら1つの配管群の複数本のリーク水配管52が接続さ
れることになる。これらの複数本のリーク水配管52
は、フローグラス54の箱状容器58の上面58aを外
側から内側に貫通し、またそれらリーク水配管52の先
端部分はフローグラス54の内側空間に突出した状態
(図3参照)で互いに分離独立して固定され、これによ
ってたくさんの機器が配置されるドライウェルの壁にリ
ーク水配管52をできるだけひとまとまりになって配置
できるようになっている。このとき、リーク水配管52
は隣の配管同士が重なり合わないように水平断面におい
て互い違いに(いわゆる千鳥配置に)配置すると共に、
検出容器58内に差し込まれる長さを変えてリーク水配
管52先端の位置をずらし、リーク水配管52先端から
滴下する漏洩水を目視により判別し易くなっており、こ
れによってすべてのリーク水配管52の漏洩水を覗き窓
59から目視可能な構造である。またフローグラス54
の設置台数は特に限定されるものではなく、原子炉格納
容器23内のドライウェルの配置スペースが許せば何台
設置しても良い。このとき暗い場所に配置される場合で
も、照明装置61でリーク水配管52先端に照明を当て
ることにより点検作業が容易となる。
【0025】また、リーク水配管52は、フローグラス
54においてある配列(例えば2列×13本の千鳥状配
列)をもって配置されており、またこのフローグラス5
4は、原子炉のドライウェルにおいてある配列(例えば
1列配置)をもって配置されている。そしてこのリーク
水配管52の配列は、フローグラス54の配管を介して
原子炉の炉心3の下方における制御棒駆動機構5の配列
(例えば格子状配列)と1対1に関連づけられている。
したがって、フローグラス54において漏洩しているリ
ーク水配管52の位置を確認することにより、漏洩して
いる制御棒駆動機構5を特定することができる。
【0026】上記構成の制御棒駆動機構漏洩水検出装置
100を用いた漏洩水検出の手順を以下に説明する。ま
ず、プラント運転中の各フローグラス54の漏洩水量
が、それぞれのフローグラス54の下流に1つずつ設け
られた流量計56によって常時測定され、その漏洩水量
が同様にそれぞれ1つずつ設けられた流量表示器57に
流量信号として送信される。
【0027】そして、流量計56からの流量信号を受信
した流量表示器57は、その測定された漏洩水量と、あ
らかじめ記憶していたプラント通常運転時における当該
フローグラス54の漏洩水量とを比較する。そしてもし
測定値がこの通常時漏洩水量を超えている場合には警報
を発する。漏洩水は通常毎分0〜数cc程度であるの
で、これが例えば数百ccとなった場合には異常な漏洩
水と判断される。
【0028】流量表示器57から警報が発せられたら、
どの流量表示器57から警報が発生られたか、すなわ
ち、どのフローグラス54において漏洩水量が増加して
いるかを運転員が確認する。漏洩水が増加しているフロ
ーグラス54が確認されたら、遠隔操作の監視カメラ6
2をそのフローグラス54の覗き窓59に接近させ、監
視カメラ62を介してリーク水配管52の配管先端から
滴下する水滴を観察し、どのリーク水配管52が漏洩し
ているのかを確認する。前述したようにリーク水配管5
2のフローグラス54内の配列とこのリーク水配管52
が接続されている制御棒駆動機構5の配列とはあらかじ
め関連付けられているので、漏洩しているリーク水配管
52を確認することによって、漏洩している制御棒駆動
機構5を特定することができる。
【0029】以上のように構成した本実施例によれば、
制御棒駆動機構5からの漏洩水はそれぞれリーク水配管
52へ導かれ、さらにリーク水配管52から、漏洩水量
を個別に視認可能で1配管群に1つ設けられたフローグ
ラス54へと導かれ、そしてフローグラス54からドレ
ン管55で排出されるので、フローグラス54において
フローグラス54に接続されたリーク水配管52の漏洩
水量を目視して漏洩水量の多いリーク水配管52を確認
し、そのリーク水配管52に接続された制御棒駆動機構
5からの漏洩を検知できる。これによって多数本設置さ
れる制御棒駆動機構5の中から漏洩量の多い制御棒駆動
機構5を特定することができる。このとき、遠隔操作式
の監視カメラ63を介し原子炉格納容器23内のフロー
グラス54を視認するので、原子炉運転中にも漏洩量の
多い制御棒駆動機構5を特定することができる。よっ
て、制御棒駆動機構5の軸封部50の的確な点検計画立
案が容易となり、シール性の低下した軸封部50を確実
に点検しシール性を修復することができるので、パージ
水の確保及びスクラム駆動圧の確保が確実なものとなり
機器の運転について信頼性を高めることができる。
【0030】また、リーク水配管52がフローグラス5
4の箱状容器58の上面58aを外側から内側に貫通し
先端部分が内側空間に突出した状態で固定されているの
で、フローグラス54内においてリーク水配管先端から
滴下する漏洩水量を目視で点検することができる。さら
に、ドレン管55に備えられた流量計56で漏洩水の流
量を検出し流量信号として出力するので、プラント運転
中においても1つのフローグラス54の漏洩水の有無及
び増減を運転員がチェックすることができる。また、そ
の流量が所定流量より大きい場合には流量表示器57が
警報を発するので、漏洩水量が増加したことをいちはや
く知ることができる。さらに、リーク水配管52を照ら
す照明装置61がフローグラス54に設けられるので、
より明確に漏洩水量を目視点検することができる。
【0031】なお、上記実施例においては、監視カメラ
52が設けられている場合について説明したが、監視カ
メラ52が無い場合には、その漏洩水量が増加したフロ
ーグラス54について、運転員の流量表示器57での漏
洩チェックを強化する。すなわち例えば、流量計56に
よる漏洩水量の測定回数を増やしたり測定間隔を短くす
る。そして随時シール性の低下状況を確認しつつ、次の
定期検査までプラント運転を継続し(但し、シール性の
低下が著しくなった場合にはその時点でプラントを停止
して点検する)、定期検査開始時に、作業員がドライウ
ェル内のフローグラス54前面の覗き窓59に接近し、
肉眼でどのリーク水配管52が漏洩しているのかを確認
する。これにより、上記同様、漏洩している制御棒駆動
機構5を特定することができる。また、上記実施例にお
いては、流量表示器57を各フローグラス54及び流量
計56につき1つずつ設けたが、すべての流量計56か
らの流量信号を1つの流量表示器57で受信しても良
く、この場合も同様の効果を得る。さらに、上記実施例
においては、流量表示器57の警報が発せられた後に制
御棒駆動機構の特定を行ったが、これに限られず、例え
ば監視カメラ63がある場合には、流量表示器57の警
報が発せられる前でも、プラントの運転中の監視カメラ
63による監視で漏洩水量の増加が確認された場合に直
ちに上記の方法で制御棒駆動機構の特定を行ってもよ
く、この場合も同様の効果を得る。また、上記実施例で
は、漏洩水量の検出手段として流量計を示したが、これ
に限られず、温度センサでも良い。すなわち、漏洩水が
リーク水配管を流れると配管表面の温度に急激な変化が
生じることを利用するものであり、漏洩水の検知方法と
して有効である。さらに、上記実施例においては、複数
個のフローグラス54を設けたが、例えばすべてのリー
ク水配管52を1個のフローグラスに設ける構造も考え
られる。そしてこの場合は、すべてのフローグラス54
が同一の配管群に属することになる。また、複数本のリ
ーク水配管52が1つの配管群を形成して1つのフロー
グラス54に導かれる構成としたが、各リーク水配管5
2ごとに1つのフローグラス54に導く構成も考えられ
る。いずれの場合も、同様の効果を得る。
【0032】本発明の第2の実施例を図4により説明す
る。本実施例の制御棒駆動機構漏洩水検出装置200を
図4に示す。第1の実施例と同一の部材には同一の符号
を付す。図4において、本実施例の制御棒駆動機構漏洩
水検出装置200が第1の実施例の制御棒駆動機構漏洩
水検出装置100と異なる点は、リーク水配管52に、
開閉可能な電気式の隔離弁64を設けたことである。そ
の他の構造は第1の実施例とほぼ同様である。
【0033】本実施例によれば、フローグラス54内に
おける目視で漏洩しているのがどのリーク水配管52で
あるか判別しにくかった場合に、これらの隔離弁64を
1つずつ開閉して漏洩の有無を再チェックすることで、
漏洩のあるリーク水配管52を明確に判別することがで
きる。
【0034】本発明の第3の実施例を図5により説明す
る。本実施例の制御棒駆動機構漏洩水検出装置300を
図5に示す。第1及び第2の実施例と同一の部材は同一
の符号を付す。図5において、本実施例の制御棒駆動機
構漏洩水検出装置300が第1の実施例の制御棒駆動機
構漏洩水検出装置100と異なる点は、複数本(例えば
5本)のリーク水配管52a〜eが下流側において合流
し1つのリーク水集合配管352を形成しておりそのリ
ーク水集合配管352が1つのフローグラス54に接続
されていること、したがってフローグラス54において
個別に視認可能であるのがそれぞれのリーク水集合配管
352からの漏洩水の量であることである。その他の構
成は第1の実施例とほぼ同様である。
【0035】本実施例によれば、複数本のリーク水配管
52a〜eが合流した1つのリーク水集合配管352ご
とに漏洩水量が視認されることから、より多くのリーク
水配管からの漏洩水を1つのフローグラス54に導くこ
とができるので、フローグラス54の数がより少なくて
済む。よって、フローグラスを設置するスペースに制限
がある場合に有効である。
【0036】なおここでは、1つのリーク水配管352
に合流するリーク水配管52は5本としたが、これに限
られるものではない。
【0037】本発明の第4の実施例を図6により説明す
る。
【0038】本実施例の制御棒駆動機構漏洩水検出装置
400を図6に示す。第1〜第3の実施例と同一の部材
は同一の符号を付す。図6において、本実施例の制御棒
駆動機構漏洩水検出装置400が第1の実施例の制御棒
駆動機構漏洩水検出装置100と異なる点は、フローグ
ラス54が原子炉格納容器23の外側に配置されリーク
水配管52が原子炉格納容器23の壁面を貫通して設け
られていることと、フローグラス54を監視する監視カ
メラ63が省略されていることである。その他の点は、
第1の実施例とほぼ同様である。
【0039】本実施例によれば、フローグラス54が原
子炉格納容器23外にあるので、監視カメラを設けなく
てもプラント通常運転中の必要なときにいつでも運転員
が漏洩水を確認することができる。
【0040】本発明の第5の実施例を図7〜図9により
説明する。本実施例は、上記第1の実施例の制御棒駆動
機構漏洩水検出装置を備えた沸騰水型原子炉の実施例で
ある。本実施例の沸騰水型原子炉の概略構造を図7に示
す。図7において、本実施例の沸騰水型原子炉は例えば
135万kW級の出力を有しており、原子炉圧力容器1
と、原子炉圧力容器1の内側に配置されたシュラウド4
と、シュラウド4内に配置され多数の燃料集合体2が装
荷された炉心3と、燃料集合体2間に配置され原子炉の
反応度を制御する205台の制御棒6と、それぞれの制
御棒6の下端に1対1に連結されそれぞれの制御棒6を
上下動させる205台の制御棒駆動機構5とを有する。
【0041】制御棒駆動機構5の構造を図8に示す。制
御棒駆動機構5は、原子炉圧力容器1の底部を貫通して
固定された制御棒駆動機構ハウジング8と、制御棒駆動
機構ハウジング8の下方に設けられ高圧のスクラム水や
パージ水(後述)の供給口となるアウターチューブ49
と、アウターチューブ49の下方に設けられた下部機構
であるスプールピース12と、スプールピース12のさ
らに下方で制御棒駆動機構5全体の下端に設けられたモ
ータ10とを有する。
【0042】モータ10には駆動軸11が連結されてお
り、駆動軸11の周囲には例えばグランドパッキン等の
軸封部50が配置されている。通常運転時にはスクラム
配管9を介して制御棒駆動水圧系22からパージ水が制
御棒駆動機構5内に流入し、駆動軸11の周囲に原子炉
圧力より若干高い水圧が加わっており、緊急時にはスク
ラム配管9を介して制御棒駆動水圧系22からスクラム
水が制御棒駆動機構5内に流入し、駆動軸11の周囲に
原子炉圧力より大幅に昇圧された高圧が加わるので、軸
封部50はこれらの水圧をシールする役割を果たす。軸
封部50のすぐ下方にはスプールピース12を貫通する
通水孔51が接続されており、もし軸封部50から漏洩
水が生じた場合でもこの漏洩水は通水孔51を介し制御
棒駆動機構5外へ導かれるので、制御棒駆動機構5の下
端に設けられたモータ10の漏電や回路短絡が防止され
る。そしてこの通水孔51には、スプールピース12の
外壁に沿って設けられた上記第1の実施例の制御棒駆動
機構漏洩水検出装置100のリーク水配管52が接続さ
れ、軸封部50からの漏洩水はこのリーク水配管52か
ら図2に示したフローグラス54に導かれ、上記第1の
実施例と同様、監視カメラ63あるいは肉眼によって視
認される。
【0043】また、この軸封部50は非金属材料(例え
ばアスベスト等)を用いてシール性を維持しており、シ
ール性が低下した場合には定期検査時に交換される。こ
の軸封部50の交換は毎定期検査時に制御棒駆動機構5
の数十台ずつについて行われ、ひとつの軸封部50が極
端に長い期間にわたって使われることのないよう計画的
に交換される。
【0044】制御棒駆動水圧系22の構成を図9に示
す。図9において、制御棒駆動水圧系22は、復水給水
系より供給される復水を高圧に加圧するポンプ28と、
緊急時において制御棒をスクラムさせる充填水を供給す
る充填水系30と、通常運転時において制御棒駆動機構
5内へのクラッド等の沈降を防止するパージ水を供給す
るパージ水系29と、複数の制御棒駆動機構5のそれぞ
れに接続され制御棒駆動機構5にスクラム水・パージ水
の供給を行う複数の水圧制御ユニット27とを有する。
【0045】パージ水系29は、パージ水配管43と、
パージ水配管43に設けられた流量調節弁31及びパー
ジ水ヘッダ25とを有している。また、充填水系30
は、充填水配管40と、充填水配管40に設けられた充
填水ヘッダ26とを有している。水圧制御ユニット27
は、スクラム水を制御棒駆動機構5に供給するスクラム
挿入配管9と、スクラム挿入配管9に設けられたスクラ
ム弁38と、緊急時のスクラム水を蓄圧しておく手段で
あるアキュムレータ34と、アキュムレータ34内に設
けられたピストン33と、窒素ガスが圧入されるととも
にアキュムレータ34に配管を介し接続されている窒素
ボンベ35と、パージ水系29との接続部付近に設けら
れたパージ水逆止弁45と、充填水系30との接続部付
近に設けられた充填水逆止弁42とを有する。
【0046】上記構成の制御棒駆動機構5及び制御棒駆
動水圧系22の動作を以下に説明する。原子炉の通常運
転時においては、制御棒駆動機構5のモータ10の駆動
により制御棒6が制御棒案内管7に案内されて炉心3内
への挿入され又は引き抜かれ(常駆動)、これによって
原子炉の反応度を制御する(図7参照)。すなわち図8
においてモータ10により駆動軸11を回転すると、そ
の回転はカップリング62を介してボールねじ押さえ1
3及びボールねじ14へ伝達され、ボールねじ14の回
転運動はボールナット15の昇降動作に変換される。そ
してボールナット15と一体に中空ピストン19が昇降
動作する。中空ピン19の上部は制御棒6とカップリン
グ21によって連結されているので、モータ10の回転
方向に応じ制御棒6が炉心3へ挿入され、あるいは炉心
3より引抜かれることになる。
【0047】このとき、図9に示す制御棒駆動水圧系2
2のパージ水系29においては、ポンプ28から供給さ
れた高圧水が、パージ水配管43の流量調節弁31で流
量調整が行われた後パージ水ヘッダ25及びパージ水逆
止弁45を介してスクラム弁38下流のスクラム挿入配
管9に供給され、制御棒駆動機構5の中を通って原子炉
内へ放出されている。このパージ水の圧力は制御棒駆動
機構5内において原子炉圧力(定格運転時に約75気
圧)より若干高くなるように常時保持されている。ま
た、充填水系30においてはスクラム弁38が閉じてお
り、ポンプ28から供給された高圧水は、充填水配管4
0の充填水ヘッダ26及び充填水逆止弁42を介してア
キュムレータ34に供給される。これにより、あらかじ
め充填された窒素ガスによって押し上げられていたアキ
ュムレータ34内のピストン33が押し下げられ、窒素
ボンベ35内の窒素ガスを更に圧縮し蓄圧する。
【0048】一方、緊急時においては、制御棒6を炉心
3内へ急速に挿入(スクラム)する必要があることか
ら、制御棒駆動水圧系22からスクラム挿入配管9を介
して制御棒駆動機構5に供給される高圧水によって制御
棒6が炉心3内へ緊急挿入される。すなわち、制御棒駆
動水圧系22の水圧制御ユニット27のスクラム弁38
が開き、アキュムレータ34内に蓄圧されていた高圧の
復水が、スクラム挿入配管9を介し制御棒駆動機構5の
内筒管であるアウターチューブ49の挿入ポート18に
流入する(図8参照)。アウターチューブ49に流入し
た高圧水は上方の中空ピストン19を押し上げ、中空ピ
ストン19はボールナット15から離れて上昇し、カッ
プリング21を介して制御棒6を炉心3へ緊急全挿入さ
せる。またこのとき、図9に示す水圧制御ユニット27
の充填水逆止弁42は、充填水系30の充填水ヘッダ2
6の圧力が低下した場合にアキュムレータ34の圧力を
一時的に保持する役割を果たす。またスクラム挿入配管
9側の水圧が高くなるので水圧制御ユニット27のパー
ジ水逆止弁45が閉じ、パージ水系29へのスクラム水
の逆流が防止される。
【0049】以上のように構成した本実施例の沸騰水型
原子炉においても、第1の実施例と同様の効果を得る。
【0050】なお、上記実施例においては、制御棒駆動
機構5の通水孔51(図8参照)に第1の実施例の制御
棒駆動機構漏洩水検出装置100のリーク水配管52を
接続したが、これに限られず、第2〜第4の実施例の制
御棒駆動機構漏洩水検出装置のリーク水配管を接続して
もよく、この場合もこれら第1〜第3の実施例の検出装
置と同様の効果を得る。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、制御棒駆動機構からの
漏洩水はそれぞれリーク水配管へ導かれ、さらにリーク
水配管から、漏洩水量を個別に視認可能で1配管群に1
つ設けられたフローグラスへと導かれ、そしてフローグ
ラスからドレン管で排出されるので、フローグラスにお
いてフローグラスに接続されたリーク水配管の漏洩水量
を目視して多数本設置される制御棒駆動機構の中から漏
洩量の多い制御棒駆動機構を特定することができる。よ
って、制御棒駆動機構の軸封部の的確な点検計画立案が
容易となり、シール性の低下した軸封部を確実に点検し
シール性を修復することができるので、パージ水の確保
が確実なものとなり機器の運転について信頼性を高める
ことができる。
【0052】また、リーク水配管がフローグラスの外周
を外側から内側に貫通し先端部分が内側空間に突出した
状態で固定されているので、フローグラス内においてリ
ーク水配管先端から滴下する漏洩水量を目視で点検する
ことができる。さらに、ドレン管に備えられた流量検出
手段で漏洩水の流量を検出し流量信号として出力するの
で、プラント運転中においても1配管群当たりの漏洩水
の有無及び増減を運転員がチェックすることができる。
また、その流量が所定流量より大きい場合には警報手段
で警報を発するので、漏洩水量が増加したことをいちは
やく知ることができる。さらに、リーク水配管を照らす
照明装置がフローグラスに設けられるので、より明確に
漏洩水量を目視点検することができる。また、格納容器
内に設けられたフローグラスを監視手段で格納容器外か
ら監視するので、格納容器外からフローグラスを視認す
ることができ原子炉運転中でも漏洩量の多い制御棒駆動
機構を特定することができる。さらに、リーク水配管に
開閉可能な弁手段を設けるので、これら弁手段を1つず
つ開閉して漏洩の有無を再チェックすることで、漏洩の
あるリーク水配管を明確に判別することができる。ま
た、漏洩水の検出装置において、小群に属する複数本の
リーク水配管が下流側で合流して1つのリーク水集合配
管となり、このリーク水集合配管が1つのフローグラス
に接続され集合配管ごとに漏洩水量が視認されるので、
より多くのリーク水配管からの漏洩水を1つのフローグ
ラスに導くことができるので、フローグラスの数がより
少なくて済む。よって、フローグラスを設置するスペー
スに制限がある場合に有効である。さらに、フローグラ
スが原子炉の格納容器の外側に配置され、リーク水配管
が格納容器壁面を貫通して設けられるので、フローグラ
スを監視する監視手段等がなくても、通常運転時におい
ても常に運転員がフローグラスを視認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の制御棒駆動機構漏洩水
検出装置の全体構成図である。
【図2】フローグラスの斜視図である。
【図3】フローグラスの横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例の制御棒駆動機構漏洩水
検出装置の全体構成図である。
【図5】本発明の第3の実施例の制御棒駆動機構漏洩水
検出装置の全体構成図である。
【図6】本発明の第4の実施例の制御棒駆動機構漏洩水
検出装置の全体構成図である。
【図7】本発明の第5の実施例の沸騰水型原子炉の縦断
面図である。
【図8】制御棒駆動機構の構造を示す縦断面図である。
【図9】制御棒駆動水圧系の配管系統を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 2 燃料集合体 3 炉心 5 制御棒駆動機構 6 制御棒 22 制御棒駆動水圧系 23 原子炉格納容器 50 軸封部 52 リーク水配管 54 フローグラス 55 ドレン管 56 流量計 57 流量表示器 58 箱状容器 59 覗き窓 60 すりガラス 61 照明装置 64 隔離弁 352 リーク水集合配管

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉の反応度を制御する複数の制御棒
    をそれぞれ上下動させる複数の制御棒駆動機構からの漏
    洩水がそれぞれ導かれる複数本のリーク水配管と、 前記複数本のリーク水配管に接続されて漏洩水が導かれ
    それぞれのリーク水配管からの漏洩水の量を個別に視認
    可能な少なくとも1つのフローグラスと、 そのフローグラスに接続され漏洩水を排出するドレン管
    とを有し、 前記複数本のリーク水配管のそれぞれは、少なくとも1
    本のリーク水配管からなる少なくとも1つの配管群に属
    しており、 前記フローグラスは、前記配管群のそれぞれの群に対し
    1つずつ設けられていることを特徴とする制御棒駆動機
    構漏洩水検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制御棒駆動機構漏洩水検
    出装置において、前記複数の制御棒駆動機構は前記原子
    炉において第1の配列をもって配置されており、前記少
    なくとも1つのフローグラスは前記原子炉において第2
    の配列をもって配置されており、前記1つの配管群に属
    する少なくとも1本のリーク水配管は第3の配列をもっ
    てその配管群に対応する1つのフローグラスに接続され
    ており、前記リーク水配管の第3の配列は、前記フロー
    グラスの第2の配列を介し、前記制御棒駆動機構の第1
    の配列と1対1に関連づけられていることを特徴とする
    制御棒駆動機構漏洩水検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の制御棒駆動機構漏洩水検
    出装置において、前記1つの配管群に属する複数本のリ
    ーク水配管は、その配管群に対応する1つのフローグラ
    スの外周を外側から内側に貫通しかつそれらの先端部分
    が前記フローグラスの内側空間に突出した状態で固定さ
    れていることを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の制御棒駆動機構漏洩水検
    出装置において、前記ドレン管に備えられるとともに前
    記排出される漏洩水の流量を検出し対応する流量信号を
    出力する流量検出手段と、前記流量信号が入力されると
    ともにその流量信号に対応する流量が所定の流量より大
    きい場合には警報を発する警報手段とを設けたことを特
    徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の制御棒駆動機構漏洩水検
    出装置において、前記フローグラスは、そのフローグラ
    スに接続された前記リーク水配管を照らす照明装置を有
    することを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の制御棒駆動機構漏洩水検
    出装置において、前記フローグラスは前記原子炉の格納
    容器内に設けられており、かつ、前記フローグラスを前
    記格納容器外から遠隔操作で監視可能な監視手段を設け
    たことを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の制御棒駆動機構漏洩水検
    出装置において、前記リーク水配管は、開閉可能な弁手
    段を有することを特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の制御棒駆動機構漏洩水検
    出装置において、 前記1つの配管群は複数本のリーク水配管からなる複数
    の小群にさらに分けられているとともに、その小群に属
    する複数本のリーク水配管は下流側において合流してそ
    の配管群に対応する1つのフローグラスに接続された1
    つのリーク水集合配管を形成しており、前記フローグラ
    スは、それぞれのリーク水集合配管からの漏洩水の量を
    個別に視認可能であることを特徴とする制御棒駆動機構
    漏洩水検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の制御棒駆動機構漏洩水検
    出装置において、前記フローグラスは前記原子炉の格納
    容器の外側に配置されており、前記複数本のリーク水配
    管は前記格納容器の壁面を貫通して設けられていること
    を特徴とする制御棒駆動機構漏洩水検出装置。
  10. 【請求項10】 原子炉圧力容器と、その原子炉圧力容
    器の内側に配置され燃料集合体が装荷された炉心と、前
    記燃料集合体間に配置され原子炉の反応度を制御する制
    御棒と、その制御棒を上下動させる制御棒駆動機構とを
    有する沸騰水型原子炉において、 前記制御棒駆動機構からの漏洩水を検出する請求項1〜
    3のいずれか1項記載の制御棒駆動機構漏洩水検出装置
    を設けたことを特徴とする沸騰水型原子炉。
JP6091191A 1994-04-28 1994-04-28 制御棒駆動機構漏洩水検出装置及び沸騰水型原子炉 Pending JPH07294678A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007071337A1 (de) * 2005-12-20 2007-06-28 Areva Np Gmbh Vorrichtung zur dichtigkeitsprüfung von brennstabkapseln
JP2012237666A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Chugoku Electric Power Co Inc:The ドレン排出構造

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WO2007071337A1 (de) * 2005-12-20 2007-06-28 Areva Np Gmbh Vorrichtung zur dichtigkeitsprüfung von brennstabkapseln
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