JPH0729435Y2 - ピストル頑具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、擬似弾をつめたカートリッジを一駒づつ回転
する弾倉に装填して、該擬似弾を空気圧により発射させ
ることができるピストル玩具に関する。

【従来の技術】

擬似弾を空気圧により一発づつ発射させることができる
従来のピストル玩具としては、例えば弾倉に装填したカ
ートリッジ（英莢）の後端口に送気管の先端ノズル部を
当接できるように固定すると共に、送気管の基端部側を
空気ポンプに接続し、この空気ポンプをハンマーの牽引
操作によって付勢した後（ハンマーは強い戻しバネの作
用下に置かれている空気ポンプのピストンと接続されて
いる）、引き金操作によってハンマーが復帰するときに
空気ポンプによって発生した強い空気圧をカートリッジ
につめた擬似弾に向かって噴射するようにしこ構造のも
のが知られている。

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のピストル玩具は、送気管の先端ノズル部が固
定されているために該先端ノズル部とカートリッジとの
間に間隙が生じ、空気が洩れて擬似弾を有効に発射させ
ることができないといった欠点があり、また、その作動
機構は実物のピストルに総べて酷似している複雑な構造
であって、組立作業は非常に手間が掛かり、作業能率の
面でかなりの問題がある。例えば、各作動部材間に用い
られているトーションバネの個数が多く（６〜７個）、
組立作業時にトーションバネは弾かれ易くて作業能率を
低下させている一因になっている。

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の問題を全面的に解決したピストル玩具の
提供を目的としているものであって、その目的は擬似弾
をつめたカートリッジを装填できる複数個の装填孔が穿
設されている弾倉と、この弾倉を牽引操作によって一駒
づつ回転させると共に、上記装填孔側に空気圧を送る空
気ポンプを付勢できるようにしたハンマーと、このハン
マーを牽引動作位置に保持するストッパーを作動して該
ハンマーの保持を開放させる引き金とを具えたピストル
玩具において、常時は弾倉の周面部に設けた係止溝に先
端を係入させた係止片を回動自在に設けると共に、ハン
マー上には弾倉に設けた爪輪に先端部の送り爪が係脱自
在である送り片を枢着し、係止片の後端をハンマー上に
設けた作動突起の移動通路上に位置させて、これら係止
片と送り片をそれぞれ戻しバネの作用下に置き、また、
ハンマーの枢着部を中間にしてその一端部と空気ポンプ
のピストンを連結杆により連結して、該空気ポンプに接
続した送気管の先端ノズル部を装填孔の後端口に対し当
接自在に設けると共に、この先端ノズル部を支持した支
持片を回動自在に設け、一方、上記引き金と連動して摺
動する摺動板上に作動片を固定して、この作動片に上記
支持片の下端部側を枢着し、また、引き金に設けた肩部
の移動通路上には中間部が枢着されているストッパーの
下部を臨ませると共に、該ストッパーの上部に設けた肩
部をハンマーに形成した係止部の移動通路上に位置させ
て、このストッパーと上記摺動板をそれぞれ戻しバネの
作用下に置いて構成したヒストル玩具により達成され
る。

【作用】

先ず、弾倉の各装填孔に擬似弾を一発づつつめたカート
リッジを装填する。そして、ハンマーを牽引すると、弾
倉は送り片の上動動作により一駒づつ回転し、最上位の
装填孔に装填されているカートリッジの後端口が送気管
の先端ノズル部に正しく対向して位置する一方、空気ポ
ンプはピストンが動作位置に移動することで付勢され、
ハンマーはストッパーによってその牽引動作位置に保持
される。このハンマーの牽引最終段階では、係止片が作
動突起による押圧作用から解放されて係止溝に係入する
ので、弾倉の回転は阻止されている。 次ぎに、引き金を牽引操作すると、摺動板−作動片−支
持片を介して送気管の先端ノズル部が装填孔側へ向かっ
て若干回動し、カートリッジの後端口に密接する。この
密接動作とは若干の時間差を置いてストッパーによるハ
ンマーの保持が解放され、ハンマーは空気ポンプによる
作動で急激に復帰する一方、空気ポンプにより発生した
強い空気圧が擬似弾に向かって噴射され、擬似弾を発射
させることができる。

【実施例】

以下に、本考案の実施例を添付図面を参照しながら説明
する。 銃身１と銃把２の間に弾倉３、ハンマー４、引き金５
が、また銃把２に空気ポンプ６がそれぞれ装着されてい
る。 弾倉３には複数個の装填孔７が穿設されており、この弾
倉３は該弾倉３に挿着した支軸10によって回転自在に支
持され、その装填孔７の最上位のものが銃身１と同一軸
線上に位置している。即ち、弾倉３の周面部には上記装
填孔７と同数の係止溝８を、また弾倉３と一体に回転す
る上記支軸10の一端には爪輪９をそれぞれ設けてあり、
常時は係止溝８に先端11aが係入し弾倉３の回転を阻止
している係止片11を該係止片11に設けた長孔11bと本体
フレームＦに突設した支点軸12によって回動自在に設
け、この係止片11の後端（カム面に形成されている）11
cはハンマー４の裏面に突設した作動突起13の移動通路
上に位置していると共に、該係止片11は戻しバネ（トー
ションバネ）14の作用下に置かれている。 また、先端部の送り爪15aが上記爪輪９と係脱自在であ
る送り片15をハンマー４上に枢着16し、この送り片15に
設けたフック15bとハンマー４に設けたフック4aとの間
には戻しバネ（保持バネ）17を掛け止めてあり、ハンマ
ー４を牽引操作すると、上動する送り爪15aによって爪
輪９が押され（第７図、第８図参照）、弾倉３を一駒づ
つ回転させることができる。なお、第９図及び第10図に
示すように、送り片15の裏面に突設した突起15cは本体
フレームＦ上に設けたガイド18に常時当接し、このガイ
ド18に案内されて昇降動作する。 ハンマー４は本体フレームＦに枢着19され、その枢着19
部分を境にして後方側の一端部4bは空気ポンプ６の戻し
バネ6aの作用下に置かれているピストン6bと連結杆21に
より連結されている。そして、空気ポンプ６に接続した
送気管（可撓管）22には最上位の装填孔７の後端口7aに
対し当接自在である先端ノズル部22aを設けてあり、こ
の先端ノズル部22aは後述する引き金５の牽引作用によ
り作動され、装填孔７の後端口7aに向かって移動する。
また、ハンマー４の枢着19部分を境にして前方側に形成
した係止部4cの移動通路側には該ハンマー４を牽引動作
位置に保持するストッパー23を設けてあり、このストッ
パー23は中間部を本体フレームＦに枢着24し、戻しバネ
25の作用下に置かれて回動する。そして、ストッパー23
はハンマー４と引き金５の間に設けてあり、ハンマー４
の牽引操作が完了した時点では、ストッパー23の上部側
に設けた肩部23aによってハンマー４の係止部4cを係止
し、ハンマー４をその牽引動作位置に保持しているが
（第２図、第17図参照）、引き金５を牽引操作すると、
この引き金５の肩部5aによって該肩部5aの移動通路上に
臨んでいるストッパー23の下部23bが押され、ストッパ
ー23を回動してハンマー４の係止を解放する。 ハンマー４の係止が解放されると、ハンマー４の牽引操
作により付勢されていた空気ポンプ６が作動し、ピスト
ン6bの急激復帰によって発生した強い空気圧を送気管22
の先端ノズル部22aより噴射させる一方、ハンマー４も
急激に復帰する（第３図、第11図参照）。 引き金５は本体フレームＦ上に枢着26されており、この
引き金５に設けた長孔5bには戻しバネ28の作用下に置か
れている摺動板27上に突設した突起27aが遊挿され、引
き金５の牽引操作により摺動板27は摺動する。そして、
摺動板27上には作動片29を立上り状態に固定し、この作
動片29の上端部29aには前述した送気管22の先端ノズル
部22aを支持した支持片31の下端部31aを枢着32し、ま
た、支持片31は本体フレームＦに回動自在に軸着33され
ている。したがって、引き金５を牽引操作すると、支持
片31を回動して先端ノズル部22aを装填孔７の後端口7a
に向かって移動させることができるので、装填孔７に擬
似弾41をつめたカートリッジ42を装填しておくと、先端
ノズル部22aはカートリッジ42の後端面に密接し、空気
ポンプ６による強い空気圧の噴射によって擬似弾41を発
射させることができる。 なお、先端ノズル部22aは、カートリッジ42の後端面と
弾性的に密接して空気洩れを生じないように、硬質ゴム
等の弾性材により形成するのが好ましく、また、ストッ
パー23に作用させた戻しバネ25は摺動板27上に突設した
受け部27bに掛け止められている。そして、引き金５の
肩部5aとストッパー23の下部23bとは常時は若干離間し
ており、引き金５を牽引操作すると、先ず、摺動板27が
摺動して先端ノズル部22aを作動し、この先端ノズル部2
2aの動作に対し若干の時間差を置いてストッパー23の下
部23bが引き金５の肩部5aに押され、ストッパー23を回
動する仕組になっている。この仕組によれば、先端ノズ
ル部22aが弾倉３に装填されたカートリッジ42の後端面
に密接した後で、空気ポンプ６から空気圧をカートリッ
ジ42の後端面に向かって噴射できるものである。図中、
34は戻しバネ14の装着軸、35は本体フレームＦ上に設け
た戻しバネ28の受け部である。

【考案の効果】

本考案は上記の如くであって、ハンマーの牽引操作によ
り弾倉を一駒づつ回転させると同時に空気ポンプを付勢
でき、また、引き金の牽引操作によって、先ず送気管の
先端ノズル部を弾倉の装填孔に装填したカートリッジの
後端面に密接させ、その密接動作とは時間差を置いて空
気ポンプから強い空気圧を噴射させるように構成されて
いるので、空気圧の洩れる心配は全面的に解消され、擬
似弾の発射を有効に行なうことができる。加えて、組立
作業時の扱いには非常に不便となるトーションバネが図
示のように係止片の復帰用として単に１個使用されてい
るだけであるから、組立は容易であって作業能率を著し
く向上できるし、また、子供等が容易に組立できる組立
セットとして提供することも可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は弾倉を切
断し要部の内部構造を示す非作動状態の側面図、第２図
は同上ハンマー牽引時の側面図、第３図は同上引き金牽
引時の側面図、第４図は弾倉を切断しハンマー牽引時の
ハンマー関連部材の作動状態を示す部分側面図、第５図
は同上係止片の側面図、第６図は本体フレームを切断し
て示す同上平面図、第７図及び第８図は弾倉の作動状態
を示す背面図、第９図は送り片の側面図、第10図は同上
平面図で本体フレームを切断して示す図、第11図は本体
フレームを切断し引き金牽引時の擬似弾発射状態を示す
要部の側面図、第12図は引き金と先端ノズル部の側面
図、第13図は第12図Ａ−Ａ線断面図、第14図は擬似弾を
つめたカートリッジを切断し引き金と先端ノズル部を示
す非作動状態の側面図、第15図は同上作動状態の側面
図、第16図は第15図Ｂ−Ｂ線断面図、第17図は及び第18
図は擬似弾をつめたカートリッジを切断しハンマーと引
き金の作動状態示す側面図、第19図は第18図のＣ−Ｃ線
断面図である。 図中、３は弾倉、４はハンマー、4bは一端部、4cは係止
部、５は引き金、5aは肩部、６は空気ポンプ、6aは戻し
バネ、6bはピストン、７は装填孔、7aは後端口、８は係
止溝、９は爪輪、10は支軸、11は係止片、11aは先端、1
1cは後端、12は支点軸、13は作動突起、14は戻しバネ、
15は送り片、15aは送り爪、16は枢着部、17は戻しバ
ネ、19は枢着部、21は連結杆、22は送気管、22aは先端
ノズル部、23はストッパー、23aは肩部、23bは下部、24
は枢着部、25は戻しバネ、27は摺動板、28は戻しバネ、
29は作動片、31は支持片、31aは下端部、32は枢着部、3
3は軸着部、41は擬似弾、42はカートリッジである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】擬似弾をつめたカートリッジを装填できる
   複数個の装填孔が穿設されている弾倉と、この弾倉を牽
   引操作によって一駒づつ回転させると共に、上記装填孔
   側に空気圧を送る空気ポンプを付勢できるようにしたハ
   ンマーと、このハンマーを牽引動作位置に保持するスト
   ッパーを作動して該ハンマーの保持を開放させる引き金
   とを備えたピストル玩具において、常時は弾倉の周面部
   に設けた係止溝に先端を係入させた係止片を回動自在に
   設けると共に、ハンマー上には弾倉に設けた爪輪に先端
   部の送り爪が係脱自在である送り片を枢着し、係止片の
   後端をハンマー上に設けた作動突起の移動通路上に位置
   させて、これら係止片と送り片をそれぞれ戻しバネの作
   用下に置き、また、ハンマーの枢着部を中間にしてその
   一端部と空気ポンプのピストンを連結杆により連結し
   て、該空気ポンプに接続した送気管の先端ノズル部を装
   填孔の後端口に対し当接自在に設けると共に、この先端
   ノズル部を支持した支持片を回動自在に設け、一方、引
   き金と連動して摺動する摺動板上に作動片を固定して、
   この作動片に支持片の下端部側を枢着し、また、引き金
   に設けた肩部の移動通路上には中間部が枢着されている
   ストッパーの下部を臨ませると共に、該ストッパーの上
   部に設けた肩部をハンマーに形成した係止部の移動通路
   上に位置させて、このストッパーと摺動板をそれぞれ戻
   しバネの作用下に置いて成ることを特徴とするピストル
   玩具。