JPH0729154A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0729154A JPH0729154A JP17677093A JP17677093A JPH0729154A JP H0729154 A JPH0729154 A JP H0729154A JP 17677093 A JP17677093 A JP 17677093A JP 17677093 A JP17677093 A JP 17677093A JP H0729154 A JPH0729154 A JP H0729154A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低温において優れた耐久性を有する磁気記録
媒体を提供する。 【構成】 剛性の基体１の少なくとも一方の面に磁気記
録層２と、珪素酸化物を主成分とする保護層３とをこの
順序で有する磁気記録媒体において、前記保護層上にパ
ーフロロアルキルシラン、フロロテロマー及び平均分子
量５，５００以上のパーフロロポリエーテルを含有する
潤滑層を有する。
媒体を提供する。 【構成】 剛性の基体１の少なくとも一方の面に磁気記
録層２と、珪素酸化物を主成分とする保護層３とをこの
順序で有する磁気記録媒体において、前記保護層上にパ
ーフロロアルキルシラン、フロロテロマー及び平均分子
量５，５００以上のパーフロロポリエーテルを含有する
潤滑層を有する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体、特に薄膜
型磁気記録媒体に関する。
型磁気記録媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から、コンピュータの外部記憶装置
などに使用されている磁気記録媒体の構成は、強磁性体
からなる針状粉末を、バインダーと呼ばれる有機結合剤
中に分散し、基板上に塗布する、いわゆる塗布型媒体
と、強磁性体イオンの電解浴あるいは無電解浴中で強磁
性体金属を析出させる、いわゆるメッキ媒体等の湿式法
が主流であったが、近年、小型で大容量の記憶媒体とし
て、磁気記録層が乾式法による強磁性体薄膜からなる薄
膜型磁気記録媒体の研究開発が盛んになされている。例
えば、スパッタ法によって作成されるハードディスク
や、蒸着法によって作成される８ミリビデオテープがす
でに実用化され、市販されている。
などに使用されている磁気記録媒体の構成は、強磁性体
からなる針状粉末を、バインダーと呼ばれる有機結合剤
中に分散し、基板上に塗布する、いわゆる塗布型媒体
と、強磁性体イオンの電解浴あるいは無電解浴中で強磁
性体金属を析出させる、いわゆるメッキ媒体等の湿式法
が主流であったが、近年、小型で大容量の記憶媒体とし
て、磁気記録層が乾式法による強磁性体薄膜からなる薄
膜型磁気記録媒体の研究開発が盛んになされている。例
えば、スパッタ法によって作成されるハードディスク
や、蒸着法によって作成される８ミリビデオテープがす
でに実用化され、市販されている。
【０００３】塗布型媒体の磁気記録層は、耐久性を向上
させる目的で、上述の針状磁性粉とバインダーの他に、
研磨粒子及び潤滑剤等が含まれており、媒体走行中に磁
気ヘッドと媒体表面が凝着するのを防ぎ、さらに磁気記
録層の内部から媒体表面へ潤滑剤が拡散することによっ
て、常温常湿における走行耐久性の他に、高温高湿及び
低温における環境耐久性を確保している。
させる目的で、上述の針状磁性粉とバインダーの他に、
研磨粒子及び潤滑剤等が含まれており、媒体走行中に磁
気ヘッドと媒体表面が凝着するのを防ぎ、さらに磁気記
録層の内部から媒体表面へ潤滑剤が拡散することによっ
て、常温常湿における走行耐久性の他に、高温高湿及び
低温における環境耐久性を確保している。
【０００４】これに対して、薄膜型磁気記録媒体の場合
には、通常、磁気記録層上に保護層が形成されているの
で、潤滑剤の保持・供給が困難である。従って、実用的
な走行耐久性を確保する為には、保護層と潤滑剤の検討
が必須となっている。
には、通常、磁気記録層上に保護層が形成されているの
で、潤滑剤の保持・供給が困難である。従って、実用的
な走行耐久性を確保する為には、保護層と潤滑剤の検討
が必須となっている。
【０００５】また、一方では、高密度・小型・軽量化の
要求から、記録密度の増大に伴って、記録波長（ビット
長）は短くなり、それに伴って磁気記録媒体と磁気ヘッ
ドの間隙も小さくなる（磁気ヘッドの低浮上量化）傾向
にある。磁気記録媒体の表面は、媒体の耐久走行性を確
保する為に、従来はむしろ故意に細かく粗していた（テ
クスチャー等）が、上記理由で、最近では磁気記録媒体
の表面を平坦化する（粗さを小さくする）傾向にある。
この場合、走行耐久性が従来より厳しくなる。
要求から、記録密度の増大に伴って、記録波長（ビット
長）は短くなり、それに伴って磁気記録媒体と磁気ヘッ
ドの間隙も小さくなる（磁気ヘッドの低浮上量化）傾向
にある。磁気記録媒体の表面は、媒体の耐久走行性を確
保する為に、従来はむしろ故意に細かく粗していた（テ
クスチャー等）が、上記理由で、最近では磁気記録媒体
の表面を平坦化する（粗さを小さくする）傾向にある。
この場合、走行耐久性が従来より厳しくなる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、薄膜型
磁気記録媒体の研究開発において、上記連続走行耐久性
について鋭意検討を重ねた結果、磁気記録層上に珪素酸
化物を主成分とする保護層を設けることにより、実用的
な耐久性を得ることを見出した（特開平２−２８９９２
０参照）。
磁気記録媒体の研究開発において、上記連続走行耐久性
について鋭意検討を重ねた結果、磁気記録層上に珪素酸
化物を主成分とする保護層を設けることにより、実用的
な耐久性を得ることを見出した（特開平２−２８９９２
０参照）。
【０００７】本発明は上記磁気記録媒体を改良したもの
で、特に低温において優れた耐久性を有する磁気記録媒
体を提供することを目的とするものである。
で、特に低温において優れた耐久性を有する磁気記録媒
体を提供することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、剛性の基体の少なくとも一方の面に磁気記録層と、
珪素酸化物を主成分とする保護層とをこの順で有するも
ので、前記保護層上にパーフロロアルキルシラン、フロ
ロテロマー及び平均分子量５，５００以上のパーフロロ
ポリエーテルを含有する潤滑層を有するものである。
は、剛性の基体の少なくとも一方の面に磁気記録層と、
珪素酸化物を主成分とする保護層とをこの順で有するも
ので、前記保護層上にパーフロロアルキルシラン、フロ
ロテロマー及び平均分子量５，５００以上のパーフロロ
ポリエーテルを含有する潤滑層を有するものである。
【０００９】本発明の磁気記録媒体は、図１に示すよう
に剛性の非磁性基体１の少なくとも一方の面に薄膜磁気
記録層２と珪素酸化物を主成分とする薄膜の保護層３と
潤滑層をこの順序で有する。
に剛性の非磁性基体１の少なくとも一方の面に薄膜磁気
記録層２と珪素酸化物を主成分とする薄膜の保護層３と
潤滑層をこの順序で有する。
【００１０】剛性の非磁性基体１は、アルミニウム、ガ
ラス、樹脂等、従来から一般に使用されているもので良
い。非磁性基体１の表面には、必要に応じて表面処理層
１ａを形成しても良い。非磁性基体１の表面あるいは裏
面は、滑り性や走行安定性を向上させる目的で、必要に
応じて多数の微細突起（表面凹凸）を有するものであっ
ても良い。
ラス、樹脂等、従来から一般に使用されているもので良
い。非磁性基体１の表面には、必要に応じて表面処理層
１ａを形成しても良い。非磁性基体１の表面あるいは裏
面は、滑り性や走行安定性を向上させる目的で、必要に
応じて多数の微細突起（表面凹凸）を有するものであっ
ても良い。
【００１１】非磁性基体１の表面上に薄膜堆積法によっ
て磁気記録層や保護層を形成した場合、磁気記録媒体表
面は、非磁性基体１の表面の微細凹凸にほぼ対応した凹
凸が形成される。すなわち、非磁性基体１の表面粗さ
が、形成された磁気記録媒体の表面粗さとほぼ一致する
ようになる。
て磁気記録層や保護層を形成した場合、磁気記録媒体表
面は、非磁性基体１の表面の微細凹凸にほぼ対応した凹
凸が形成される。すなわち、非磁性基体１の表面粗さ
が、形成された磁気記録媒体の表面粗さとほぼ一致する
ようになる。
【００１２】磁気記録媒体の記録再生領域（データゾー
ン）の表面粗さは、スペーシング損失やドロップアウト
を考慮すると、１万μｍ2 以上の面積範囲内で、微細突
起の『高さ』の統計分布をとったときに、突起の高さを
高い方から順に数えて、突起総数の０．０１％の数に相
当する順位の突起の高さが６００Å以下、さらには３０
０Å以下が好ましい。突起密度は１×１０4 〜１×１０
12個／mm2 、さらには１×１０5 〜１×１０9 個／mm2
の範囲が好ましい。原理上、突起密度は高ければ高い程
耐久性は増すが、非磁性基体１の製造上の問題からあま
り高くできない。
ン）の表面粗さは、スペーシング損失やドロップアウト
を考慮すると、１万μｍ2 以上の面積範囲内で、微細突
起の『高さ』の統計分布をとったときに、突起の高さを
高い方から順に数えて、突起総数の０．０１％の数に相
当する順位の突起の高さが６００Å以下、さらには３０
０Å以下が好ましい。突起密度は１×１０4 〜１×１０
12個／mm2 、さらには１×１０5 〜１×１０9 個／mm2
の範囲が好ましい。原理上、突起密度は高ければ高い程
耐久性は増すが、非磁性基体１の製造上の問題からあま
り高くできない。
【００１３】本発明において表面粗さと突起密度は、特
開昭６３−１８８８１８号に開示されているように、非
接触測定法であるシャドウィング法により測定する。上
記突起高さは、いわゆる表面粗さ（ＪＩＳＢ−０６０
１）で表現すると、１５Å≦Ｒａ≦３０Å、１２０Å≦
Ｒmax ≦２４０Åで表わされる範囲内である。
開昭６３−１８８８１８号に開示されているように、非
接触測定法であるシャドウィング法により測定する。上
記突起高さは、いわゆる表面粗さ（ＪＩＳＢ−０６０
１）で表現すると、１５Å≦Ｒａ≦３０Å、１２０Å≦
Ｒmax ≦２４０Åで表わされる範囲内である。
【００１４】表面凹凸の形成方法には、例えば非磁性基
体１を化学的あるいは物理的にエッチングする方法、無
機微粒子（フィラーと呼ばれる。フィラーの平均粒径
は、１００Å〜１０００Åが好ましい）を添加した樹脂
を基体上にコーティングして非磁性基体１とする方法、
フィラーを非磁性基体１に内填する方法、延伸あるいは
乾燥すると凹凸が形成される樹脂を基体上にコーティン
グして非磁性基体１とする方法、テクスチャーテープで
非磁性基体１上を研磨する方法等がある。非磁性基体１
は剛性で、厚みが０．５〜３ｍｍのものが好ましい。
体１を化学的あるいは物理的にエッチングする方法、無
機微粒子（フィラーと呼ばれる。フィラーの平均粒径
は、１００Å〜１０００Åが好ましい）を添加した樹脂
を基体上にコーティングして非磁性基体１とする方法、
フィラーを非磁性基体１に内填する方法、延伸あるいは
乾燥すると凹凸が形成される樹脂を基体上にコーティン
グして非磁性基体１とする方法、テクスチャーテープで
非磁性基体１上を研磨する方法等がある。非磁性基体１
は剛性で、厚みが０．５〜３ｍｍのものが好ましい。
【００１５】磁気記録層２には、たとえばＦｅ、Ｃｏ、
Ｎｉを主成分とする強磁性合金膜、強磁性酸化物膜ある
いは強磁性窒化物膜等が利用できる。磁気記録層２は、
真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法等の物理蒸着法等で形成することができる。中でも、
真空蒸着あるいはスパッタリング法等で形成した磁気記
録層２で、Ｃｏを主成分とした垂直磁化膜（例えば、Ｃ
ｒが８〜２３wt％、Ｃｏが９２〜７７wt％含有するＣｏ
−Ｃｒ垂直磁化膜）を磁気記録層とした場合、本発明は
特に有効である。
Ｎｉを主成分とする強磁性合金膜、強磁性酸化物膜ある
いは強磁性窒化物膜等が利用できる。磁気記録層２は、
真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法等の物理蒸着法等で形成することができる。中でも、
真空蒸着あるいはスパッタリング法等で形成した磁気記
録層２で、Ｃｏを主成分とした垂直磁化膜（例えば、Ｃ
ｒが８〜２３wt％、Ｃｏが９２〜７７wt％含有するＣｏ
−Ｃｒ垂直磁化膜）を磁気記録層とした場合、本発明は
特に有効である。
【００１６】磁気記録層２は単層であっても多層であっ
ても良い。また、磁気記録層２と非磁性基体１の間に
は、必要に応じて下地層７を形成しても良い。下地層７
としては、例えば密着力向上や磁気記録層の結晶配向
性、磁気特性の向上を目的として、Ａｌ、Ｇｅ、Ｃｒ、
Ｔｉ、ＳｉＯ2 等の薄膜や、垂直磁化膜の裏打ち層とし
てＦｅ−Ｎｉ、Ｃｏ−Ｚｒ膜等の高透磁率層、更には磁
気記録媒体の低域信号を確保することを目的に、Ｃｏ系
あるいはＦｅ系の半硬質磁性膜等を用いることができ
る。
ても良い。また、磁気記録層２と非磁性基体１の間に
は、必要に応じて下地層７を形成しても良い。下地層７
としては、例えば密着力向上や磁気記録層の結晶配向
性、磁気特性の向上を目的として、Ａｌ、Ｇｅ、Ｃｒ、
Ｔｉ、ＳｉＯ2 等の薄膜や、垂直磁化膜の裏打ち層とし
てＦｅ−Ｎｉ、Ｃｏ−Ｚｒ膜等の高透磁率層、更には磁
気記録媒体の低域信号を確保することを目的に、Ｃｏ系
あるいはＦｅ系の半硬質磁性膜等を用いることができ
る。
【００１７】磁気記録層２の厚みは、０．０５〜１．０
μｍ程度が好ましいが、特に限定されるものではない。
μｍ程度が好ましいが、特に限定されるものではない。
【００１８】保護層３は、珪素酸化物を主成分とする薄
膜からなる。珪素酸化物としては、例えば、ＳｉＯ2 、
ＳｉＯ等がある。保護膜３は、スパッタリング法、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、あるいは塗液塗布法
によって形成される。保護層３の膜厚は、スペーシング
損失を考慮して、５００Å以下が望ましく、３００Å以
下がさらに好ましい。保護層３の膜厚の下限は、保護層
３の機能が損なわれない程度とすれば良く、例えば、５
０Å以上、好ましくは１００Å以上が好ましい。
膜からなる。珪素酸化物としては、例えば、ＳｉＯ2 、
ＳｉＯ等がある。保護膜３は、スパッタリング法、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、あるいは塗液塗布法
によって形成される。保護層３の膜厚は、スペーシング
損失を考慮して、５００Å以下が望ましく、３００Å以
下がさらに好ましい。保護層３の膜厚の下限は、保護層
３の機能が損なわれない程度とすれば良く、例えば、５
０Å以上、好ましくは１００Å以上が好ましい。
【００１９】第１の潤滑層４にはパーフロロアルキルシ
ラン４を含有する。パーフロロアルキルシランは直鎖状
の炭化水素の水素原子をフッ素で置換し、末端にシリル
基を持たせたもので、イソプロピルアルコール等の溶剤
で希釈し、保護層３に塗布した後に加熱処理を行なうこ
とで、パーフロロアルキルシランのシリル基と保護層３
表面に存在する水酸基とが化学的に結合する。このた
め、第１の潤滑層４は保護層３に強く密着する。
ラン４を含有する。パーフロロアルキルシランは直鎖状
の炭化水素の水素原子をフッ素で置換し、末端にシリル
基を持たせたもので、イソプロピルアルコール等の溶剤
で希釈し、保護層３に塗布した後に加熱処理を行なうこ
とで、パーフロロアルキルシランのシリル基と保護層３
表面に存在する水酸基とが化学的に結合する。このた
め、第１の潤滑層４は保護層３に強く密着する。
【００２０】第２の潤滑層５には、四フッ化エチレンの
低重合体であるフロロテロマーを含有する。第２の潤滑
層５は、平均粒径数ミクロンのフロロテロマー粉末をフ
ロン系溶剤で希釈した後スピンコートし、加熱により希
釈剤を蒸発させて形成する。ただし、このままでは粒径
が大き過ぎる為、無塵性の布で強くこすることにより
（ワイピングと呼ぶ）、粒径を極めて小さくつぶす工程
を行なうとよい。
低重合体であるフロロテロマーを含有する。第２の潤滑
層５は、平均粒径数ミクロンのフロロテロマー粉末をフ
ロン系溶剤で希釈した後スピンコートし、加熱により希
釈剤を蒸発させて形成する。ただし、このままでは粒径
が大き過ぎる為、無塵性の布で強くこすることにより
（ワイピングと呼ぶ）、粒径を極めて小さくつぶす工程
を行なうとよい。
【００２１】第３の潤滑層６にはパーフロロポリエーテ
ルを含有する。パーフロロポリエーテルには、例えばク
ライトックス（商品名、デュポン（株）社製）やフォン
ブリン（商品名、モンテジソン（株）社製）があり、ど
ちらも平均分子量の違いによりグレードを設けており、
低分子量のグレードから高分子量のグレードがある。本
発明で使用するパーフロロポリエーテルは、平均分子量
５，５００以上のものである。
ルを含有する。パーフロロポリエーテルには、例えばク
ライトックス（商品名、デュポン（株）社製）やフォン
ブリン（商品名、モンテジソン（株）社製）があり、ど
ちらも平均分子量の違いによりグレードを設けており、
低分子量のグレードから高分子量のグレードがある。本
発明で使用するパーフロロポリエーテルは、平均分子量
５，５００以上のものである。
【００２２】第１潤滑層４、第２潤滑層５及び第３潤滑
６の厚みは、互いにほぼ等しい厚みとするとよい。潤滑
層の膜厚は、３層合計で５Å以上１００Å以下、更には
１０Å以上５０Å以下が好ましい。潤滑層の厚みが薄す
ぎると、低温での連続走行耐久性が低下し、厚すぎる
と、スペーシングロスが大きくなる。また、潤滑層を明
確に３層に分けないで、１層の潤滑層中にパーフロロア
ルキルシラン、フロロテロマー及び平均分子量５，５０
０以上のパーフロロポリエーテルを含有してもよい。
６の厚みは、互いにほぼ等しい厚みとするとよい。潤滑
層の膜厚は、３層合計で５Å以上１００Å以下、更には
１０Å以上５０Å以下が好ましい。潤滑層の厚みが薄す
ぎると、低温での連続走行耐久性が低下し、厚すぎる
と、スペーシングロスが大きくなる。また、潤滑層を明
確に３層に分けないで、１層の潤滑層中にパーフロロア
ルキルシラン、フロロテロマー及び平均分子量５，５０
０以上のパーフロロポリエーテルを含有してもよい。
【００２３】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明を具体的に説
明する。
明する。
【００２４】（実施例１）直径３．５インチ、厚さ１．
２mmのアルミニウム合金基板上にＮｉ−Ｐの無電解メッ
キを施した後、このメッキ層１ａ表面を鏡面研磨し、さ
らにテクスチャーテープを使って表面に微細な凹凸を形
成した。その表面粗さは、突起の高い方から０．０１％
の数に相当する順位の突起高さが３００Å、突起密度
は、６×１０6 個／mm2 であった。
２mmのアルミニウム合金基板上にＮｉ−Ｐの無電解メッ
キを施した後、このメッキ層１ａ表面を鏡面研磨し、さ
らにテクスチャーテープを使って表面に微細な凹凸を形
成した。その表面粗さは、突起の高い方から０．０１％
の数に相当する順位の突起高さが３００Å、突起密度
は、６×１０6 個／mm2 であった。
【００２５】こうして作成した基板１の両面にＣｏ−Ｃ
ｒ−Ｎｉ下地層７、Ｃｏ−Ｃｒ垂直磁気記録層２、Ｓｉ
Ｏ2 保護層３をこの順に、以下に示した成膜条件で形成
した。
ｒ−Ｎｉ下地層７、Ｃｏ−Ｃｒ垂直磁気記録層２、Ｓｉ
Ｏ2 保護層３をこの順に、以下に示した成膜条件で形成
した。
【００２６】Ｃｏ−Ｃｒ−Ｎｉ下地層７は、ターゲット
組成が、Ｎｉ；３２．４wt% 、Ｃｒ；９．４wt% 、残部
Ｃｏ スパッタ圧力；０．１Ｐａ スパッタパワー；２００ｗ 膜厚；５００Å とした。
組成が、Ｎｉ；３２．４wt% 、Ｃｒ；９．４wt% 、残部
Ｃｏ スパッタ圧力；０．１Ｐａ スパッタパワー；２００ｗ 膜厚；５００Å とした。
【００２７】Ｃｏ−Ｃｒ垂直磁気記録層２は、ターゲッ
ト組成が、Ｃｒ；９．４wt% 、残部Ｃｏ スパッタ圧力；０．１Ｐａ スパッタパワー；５００ｗ 膜厚；２５００Å とした。
ト組成が、Ｃｒ；９．４wt% 、残部Ｃｏ スパッタ圧力；０．１Ｐａ スパッタパワー；５００ｗ 膜厚；２５００Å とした。
【００２８】ＳｉＯ2 保護層３は、 スパッタ圧力；０．１Ｐａ スパッタパワー；５００ｗ 膜厚；２００Å とした。
【００２９】次に、ＳｉＯ2 保護層３上に、第１潤滑層
４、第２潤滑層５及び第３潤滑層６をこの順で積層塗布
形成した。
４、第２潤滑層５及び第３潤滑層６をこの順で積層塗布
形成した。
【００３０】第１潤滑層４は、パーフロロアルキルシラ
ン（東芝シリコン（株）のＴＳＬ８２３１）の０．１wt
％イソプロピルアルコール溶液をスピンコートした後、
９０℃で１０分間加熱処理し形成した。
ン（東芝シリコン（株）のＴＳＬ８２３１）の０．１wt
％イソプロピルアルコール溶液をスピンコートした後、
９０℃で１０分間加熱処理し形成した。
【００３１】第２潤滑層５は、Ｖｙｄａｘの０．０５wt
％溶液（油分抽出液として、Ｓ−３１６（商品名、堀場
（株）を使用）をスピンコートした後、９０℃で１０分
間加熱処理を行ない、次に朝日ケミカル（株）社製ベン
コット（商品名）で強くこすって形成した（ワイピン
グ）。
％溶液（油分抽出液として、Ｓ−３１６（商品名、堀場
（株）を使用）をスピンコートした後、９０℃で１０分
間加熱処理を行ない、次に朝日ケミカル（株）社製ベン
コット（商品名）で強くこすって形成した（ワイピン
グ）。
【００３２】第３潤滑層６として、クライトックス１４
３ＡＣ（商品名、デュポン（株）、平均分子量；５，５
００）の０．０１wt％溶液（油分抽出液として、Ｓ−３
１６（堀場（株））を使用）をスピンコートし、９０℃
で１０分間加熱処理して形成した。３層構成の潤滑剤の
全厚は、約５０Åであった。
３ＡＣ（商品名、デュポン（株）、平均分子量；５，５
００）の０．０１wt％溶液（油分抽出液として、Ｓ−３
１６（堀場（株））を使用）をスピンコートし、９０℃
で１０分間加熱処理して形成した。３層構成の潤滑剤の
全厚は、約５０Åであった。
【００３３】このようにして得られた３．５インチの磁
気ディスクの記録再生特性を測定したところ、１００ｋ
ｂｐｉの高記録密度が可能であった。
気ディスクの記録再生特性を測定したところ、１００ｋ
ｂｐｉの高記録密度が可能であった。
【００３４】次に、ソニー製３．５インチハードディス
クドライブＳＲＤ２０４０Ｚを用いて、常温常湿（２３
℃５０％ＲＨ）及び低温（５℃４０％ＲＨ）でのＣＳＳ
テストを行なった。媒体にスクラッチが発生するまでの
ＣＳＳ回数を表１に示した。
クドライブＳＲＤ２０４０Ｚを用いて、常温常湿（２３
℃５０％ＲＨ）及び低温（５℃４０％ＲＨ）でのＣＳＳ
テストを行なった。媒体にスクラッチが発生するまでの
ＣＳＳ回数を表１に示した。
【００３５】本実施例の媒体は、常温常湿のみならず、
低温条件下においてもＣＳＳ回数（１０回の平均値）は
５０，０００回で、実用上問題のない耐久性を示した。
低温条件下においてもＣＳＳ回数（１０回の平均値）は
５０，０００回で、実用上問題のない耐久性を示した。
【００３６】（実施例２）第３潤滑層に含有するパーフ
ロロポリエーテルを、クライトックス１４３ＡＤ（商品
名、デュポン（株）、平均分子量；７，０００）とした
他は、実施例１と同じとした。
ロロポリエーテルを、クライトックス１４３ＡＤ（商品
名、デュポン（株）、平均分子量；７，０００）とした
他は、実施例１と同じとした。
【００３７】試験結果を表１に示した。
【００３８】本実施例の媒体は、常温常湿のみならず、
低温条件下においてもＣＳＳ回数は７０，０００回以上
で、実用上問題のない耐久性を示した。
低温条件下においてもＣＳＳ回数は７０，０００回以上
で、実用上問題のない耐久性を示した。
【００３９】（比較例１）第３潤滑層に含有するパーフ
ロロポリエーテルを、クライトックス１４３ＡＢ（商品
名、デュポン（株）、平均分子量；３，５００）とした
他は、実施例１と同じとした。
ロロポリエーテルを、クライトックス１４３ＡＢ（商品
名、デュポン（株）、平均分子量；３，５００）とした
他は、実施例１と同じとした。
【００４０】試験結果を表１に示した。
【００４１】本比較例の媒体は、常温常湿ではＣＳＳ回
数は５０，０００回で、実用上問題のない耐久性を示し
ているが、低温条件下ではＣＳＳ回数が１５，０００回
であり、実用上多少問題であった。
数は５０，０００回で、実用上問題のない耐久性を示し
ているが、低温条件下ではＣＳＳ回数が１５，０００回
であり、実用上多少問題であった。
【００４２】（比較例２）パーフロロポリエーテルを塗
布形成しない他は、実施例１と同じとした。
布形成しない他は、実施例１と同じとした。
【００４３】試験結果を表１に示した。
【００４４】本比較例の媒体は、常温常湿ではＣＳＳ回
数は３０，０００回で、実用上問題のない耐久性を示し
ているが、低温条件下ではＣＳＳ回数が５，０００回で
あり、実用上問題であった。
数は３０，０００回で、実用上問題のない耐久性を示し
ているが、低温条件下ではＣＳＳ回数が５，０００回で
あり、実用上問題であった。
【００４５】
【表１】
【００４６】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の磁気記録媒
体は、珪素酸化物を主成分とする薄膜の保護層上に、パ
ーフロロアルキルシラン、フロロテロマー及び平均分子
量５，５００以上のパーフロロポリエーテルを含有する
潤滑層を有しているため、低温耐久性に非常に優れる。
体は、珪素酸化物を主成分とする薄膜の保護層上に、パ
ーフロロアルキルシラン、フロロテロマー及び平均分子
量５，５００以上のパーフロロポリエーテルを含有する
潤滑層を有しているため、低温耐久性に非常に優れる。
【図１】本発明の磁気記録媒体の一例を示した部分図で
ある。
ある。
１ 非磁性基体 １ａ 表面処理層 ２ 薄膜磁気記録層 ３ 保護層 ４ 第１潤滑層 ５ 第２潤滑層 ６ 第３潤滑層 ７ 下地層
Claims (4)
- 【請求項１】 剛性の基体の少なくとも一方の面に磁気
記録層と、珪素酸化物を主成分とする保護層とをこの順
序で有する磁気記録媒体において、前記保護層上にパー
フロロアルキルシラン、フロロテロマー及び平均分子量
５，５００以上のパーフロロポリエーテルを含有する潤
滑層を有することを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項２】 表面に微細な突起を有し、前記突起高さ
の統計分布をとったときに、前記突起の高い方から０．
０１％番目に相当する突起の高さが６００Å以下であ
り、突起密度が１×１０4 〜１×１０12個／mm2 である
請求項１記載の磁気記録媒体。 - 【請求項３】 前記磁気記録層がＣｏを主成分とする垂
直磁化膜である請求項１に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項４】 前記磁気記録層が８〜２３重量％のＣｒ
と、９２−７７重量％のＣｏを有するＣｏ−Ｃｒ系垂直
磁化膜である請求項３記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17677093A JPH0729154A (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17677093A JPH0729154A (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0729154A true JPH0729154A (ja) | 1995-01-31 |
Family
ID=16019526
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17677093A Pending JPH0729154A (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0729154A (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06259755A (ja) * | 1993-03-05 | 1994-09-16 | Canon Inc | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-07-16 JP JP17677093A patent/JPH0729154A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06259755A (ja) * | 1993-03-05 | 1994-09-16 | Canon Inc | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
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