JPH07290077A - 河川浄化システム - Google Patents

河川浄化システム

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JPH07290077A
JPH07290077A JP11032194A JP11032194A JPH07290077A JP H07290077 A JPH07290077 A JP H07290077A JP 11032194 A JP11032194 A JP 11032194A JP 11032194 A JP11032194 A JP 11032194A JP H07290077 A JPH07290077 A JP H07290077A
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river
water
rivers
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tank
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JP11032194A
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Harushige Arakawa
治重 荒川
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流入河川による汚濁防止を行うため、効率的
に窒素や燐酸分の除去や富栄養化防止を行うことの可能
な河川浄化システムを提供する。 【構成】 河川100の各々上流域と下流域とに、河川
の流量を測定しかつその流量及び水質に応じた量の有用
微生物を河川に放流するための微生物放流装置Aと、河
川を流れる水を酸化分解及び濾過する浄化装置Bと配置
する。これにより、河川に流入する排汚水の有機浮遊物
物やスラッジ等を分解濾過して排除するだけではなく、
有用微生物の働きにより、窒素や燐等をも除去し、水の
富栄養化を防止し、内海や湖沼の水質の汚濁を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、河川の浄化を行う河川
浄化システムに関し、特に、内海や湖沼に流入する河川
の富栄養化を防止することが可能な河川浄化システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護が強く叫ばれてきてお
り、これに伴い、内海や湖沼と流入河川の汚濁防止は、
水質汚濁防止法の制定実施等の国家的な努力によって水
質透明度が向上するなど、顕著な効果を挙げてきてい
る。この中でも、富栄養化防止、特に、窒素や燐酸分の
経済的な除去に関しては、残念ながら、未だ有効な手段
がなく、そのため、内海や湖沼と流入河川の富栄養化防
止は、流入排水の浄化によってのみ可能である。
【0003】かかる流入排水の浄化には、従来、市販の
合併処理浄化槽と市販の有用微生物とを併用することに
よって窒素や燐酸を除去する目的を達成した例が、既に
知られている。この有用微生物は、既に昭和30年代よ
り市販され、トイレの悪臭防止、汚水排水管の目詰まり
解消、し尿や家畜の排泄物の有機質肥料化などの有効活
用を目的として、市町村よりの助成などによって拡販さ
れ、近年においては、特に、畜産公害の悪臭の解消や、
さらには、簡単なろ床式浄化装置による汚排水の画期的
な浄化にも活用され、環境悪化の防止に顕著な実績を挙
げているものである。
【0004】また、その他の従来技術としては、一般の
浄化槽や公共下水道終末処理場において、自然の微生物
を利用してその目的を達成しているものも既に知られて
おり、また、一部では実際に利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来技術になる処理設備や浄化設備では、内海や湖沼へ
の流入河川の汚濁防止を行うための、大量で、経済的か
つ効率的に窒素や燐酸分の除去や富栄養化防止を行うこ
とは不可能であった。特に、内海や湖沼へ流入する排水
の浄化設備では、窒素や燐酸分の除去や汚泥処理に未だ
問題を残しており、塵処理と並んで環境改善向上の上で
手詰まり状況となっている。かかる問題は、公共自治体
にとってその対応能力を越える大きな負担となってお
り、そのため、早急な解決を必要とすると共に、さら
に、次世代の浄化システムの構築が必要となっている。
【0006】そこで、本発明では、かかる従来技術にお
ける問題点に鑑みて、内海や湖沼への流入河川による汚
濁防止を行うための、大量で、経済的かつ効率的に窒素
や燐酸分の除去や富栄養化防止を行うことの可能な河川
浄化システムを提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明により提案されているのは、河川の流量と水
質を測定し、その流量と水質に応じた量の有用微生物を
河川に放流する微生物放流装置と、河川を流れる水を酸
化分解及び濾過する浄化装置とを、河川の各々上流域と
下流域との配置した河川浄化システムである。
【0008】
【作用】すなわち、上記の河川浄化システムによれば、
河川の各々上流域と下流域とに配置した微生物放流装置
と浄化装置とを有効に組み合わせることにより、河川に
流入する排汚水の有機浮遊物物やスラッジ等を濾過して
排除するだけではなく、さらに、投入される有用微生物
の働きにより、河川からの水が流入する内海や湖沼の生
態系へ悪影響を与える窒素や燐等をも確実に除去して、
もって、河川から流入する水の富栄養化を防止し、内海
や湖沼の水質の汚濁を防止する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例の詳細について、添付
の図面を参照しながら説明する。まず、図1には本発明
の河川浄化システムの概観が示されている。この図にお
いて、例えば農村部や市街地から排出された汚排水は、
排水管や下水道を通って河川100へと流れ込む。そし
て、これら汚排水を含んだ河川100は、内海や湖沼水
域200へ流れ込むこととなる。本発明は、かかる河川
100の浄化を行うためのシステムに関しており、具体
的には、河川の各々上流域と下流域とに、河川の流量を
測定し、その流量に応じた有用微生物を河川に放流する
微生物放流装置Aと、この河川100を流れる水を酸化
分解及び濾過する浄化装置Bとを配置した河川浄化シス
テムである。なお、この図1では、微生物放流装置Aを
記号「□」で、浄化装置Bを記号「○」で示している。
また、図中の符号300は、このシステムを統合的に監
視・管理するための設備である監視管理センタを示して
いる。
【0010】図2には、上記本発明の河川浄化システム
に使用される微生物放流装置Aの具体的な実施例が示さ
れている。この微生物放流装置Aは、図からも明らかな
ように、河川100の汚水流路内に配置されるものであ
り、この実施例では、河川の一部の流れに沿って2列平
行に設けられた基台(桁)10、10の上に、あるい
は、流路を形成する断面「コ」の字形状のブロックの両
側壁の上面に設置されている。この基台10、10の上
に跨って、例えば鉄骨を組み立てて構築した架台11、
11…が設けられており、この架台11、11…の一部
には、具体的には流れの上流側の架台の先端側の上方部
分に、流量水質検出演算計量投入装置20が配置されて
いる。なお、この流量水質検出演算計量投入装置20で
は、上記架台11、11…の上面に取り付けられた電源
用ソーラーセル30をその駆動電源として用いるもので
あるが、これに限らず、一般の商用電源を利用するもの
でもよく、その場合には、商用電源を利用するための配
線引き込みが追加されることとなる。
【0011】また、この流量水質検出演算計量投入装置
20の下面には、有用微生物の投入口及び流量センサを
構成する共用フロート34がパイプのアーム31の先端
に取り付けられている。このパイプアーム31は下方に
傾斜して、回動可能に取り付けられている。さらに、こ
の共用フロート34にはチェーン等の紐状部材32が取
り付けられ、この紐状部材32の他の先端にはバランサ
ー33が取り付けられ、上記架台11、11…の一部に
取り付けられたセンサ付ホイル40を介して反対側にぶ
ら下がっている。
【0012】図3には、このセンサ付ホイル40の詳細
が示されている。上記架台11の下面に取り付けられた
ホイスト(引上機)41の下からはチェーン42が取り
出され、その先端には「U」字状フレーム43と、ロッ
ク付きのスプロケットホイル44とからなる釣り金具が
取り付けられている。また、図4に示すように、このフ
レーム43には上記スプロケットホイル44の回転を検
出するための、いわゆる回転トランスデューサ45が備
え付けられている。すなわち、この回転トランスデュー
サ45によって上記スプロケットホイル44の回転を検
出することにより上記パイプアーム31の傾斜を、言い
換えれば、その先端に取り付けた共用フロート34の位
置により河川の水位を検出することが出来る。また、所
定の高さ以上の異常水位(例えば、降雨時など)の場合
には、上記スプロケットホイル44の回転をロックして
ホイスト41を巻き上げ、共用フロート34を安全な位
置(図2に点線で示す位置)に上昇して保持する。
【0013】さらに、図2において、基台10、10の
上に構築された架台11、11…の一部からは上方に植
立して、上記流量水質検出演算計量投入装置20で検出
した水位を遠隔の監視管理センサへ送信し、あるいは、
監視管理センサからの指令を受信するためのテレメータ
用アンテナ50が設けられている。この流量水質検出演
算計量投入装置20は、すなわち、河川の水位を検出し
ながら遠隔の監視管理センサ300からの指令に対応し
て、あるいは、独自に汚水流路に有用微生物を放流する
と共に、放流した微生物の量や検出した水位情報など
(例えば、降雨時の異常水位など)を監視管理センサ3
00へ電波などを利用して伝送する。また、上記共用フ
ロート34の一部に水質センサを設けて、水量と同時
に、その水質を検査することも可能である。さらに、こ
の流量水質検出演算計量投入装置20は、内部に格納す
る微生物の量が少なくなった時には、そのことをも監視
管理センサ300へ報告し、メンテナンスを要求する。
なお、上記の実施例では、監視管理センサ300への通
信は電波によるものとして説明したが、しかしながら、
これのみに限られず、例えば電話回線を利用することも
可能である。
【0014】以上に述べた本発明の河川浄化システムに
おける微生物放流装置Aでは、まず、吸入水源の水質を
測定し、あるいは、フロート角度、回転トランスデュー
サ、その他のセンサ入力を用いて水源の水量から水質を
推量検出する。この水質検出結果に基づいて演算を行
い、有用微生物の投入係数を求め、ホッパースケール計
量表示を行って、ホッパースケールを始動し、計量を完
了する。その後、この計量を完了した有用微生物を混合
槽に投入する。ここでは、テトラ実験により最適の混合
馴化を行って、例えば時間経過15分後、フロート等に
より順次放流することとなる。
【0015】さらに、図5には、上記微生物放流装置A
の他の実施例が示されている。この実施例では、流量水
質検出演算計量投入装置20の下面には、上記共用フロ
ート34の傾斜角度による水位検出に代えて、反射型光
電スイッチ(SW)、あるいは、超音波SWを利用し、
発射した光あるいは超音波を河川100の流水表面に投
射し、その表面での反射波を検出して水位を検出する、
いわゆる非接触式の水位検出器60を採用したものが示
されている。この非接触式の他の実施例によれば、例え
ば異常出水時における土砂などによる装置の破損を避け
ることが出来るという利点が考えられる。
【0016】また、この他の実施例では、上記流量水質
検出演算計量投入装置20の下面には、一方(本実施例
では左側)の基台10に隣接した位置に、水流保護管7
0を下方に突出させて設け、この保護管70内に水質セ
ンサを設けて、水質の浸漬検査を行うことも可能であ
る。さらに、この保護管70内にストレーナ付きの吸排
水管を設け、流量水質検出演算計量投入装置20の内部
に設けた水質測定装置に供給して水質検査を行うように
することも可能である。あるいは、この保護管70内に
電極棒フロートを設け、これを利用して水位の検出を行
うことも可能である。また、上記の水流保護管70を採
用した場合、異常出水時における土砂による埋没や、目
詰まりを防止するため、流量水質検出演算計量投入装置
20の内部に、さらに、ブロワポンプ等を設けて動作保
護装置とすることも考えられる。
【0017】なお、上記河川の汚水に投入される有用微
生物の一例としては、例えば株式会社イイダ微研のテト
ラ菌等を使用することが出来る。このテトラ菌の働き
は、汚水を含んだ河川においては、有機物の分解に積極
的に寄与する微生物が少ないため、これを河川に添加す
ることで、汚水に棲息している微生物及び原生動物を増
やすことになる。これによって、食物連鎖の基である微
生物が増加し、食物連鎖の鎖を太くし、原生動物/プラ
ンクトン等が増え、河川の自浄作用を促進することにな
る。
【0018】このように、テトラ菌の添加によって微生
物が増えるということは、有機物の分解が促されて、水
のpH環境が調整され、アオコ等の植物性プランクトン
の異常発生が抑制されることともなる。また、この植物
性プランクトンそのものは、動物性プランクトンの餌と
して上記の食植物連鎖の環に組み込まれることともな
る。
【0019】続いて、図6及び図7には、上記本発明の
河川浄化システムに使用される浄化装置Bの具体的な実
施例が示されている。なお、この浄化装置Bは、河川の
下流域側に配置され、上記微生物放流装置Aによって有
用微生物が投入された汚水を含んだ河川水を酸化分解及
び濾過するための、いわゆる、エアレーション装置と浄
化槽とから構成されている。
【0020】図6には、この浄化装置Bのうち、特に汚
水中の有機物の微生物による酸化分解を促進するための
エアレーション装置の詳細が示されている。このエアレ
ーション装置も、上記微生物放流装置Aと同様に、河川
100の汚水流路内に配置された基台10、10上に跨
って構築された、例えば鉄骨を組み立てた架台11、1
1…の上に配置されている。このエアレーション装置
は、制御盤71と、空気強制吹き込み装置としてのブロ
ワ72とを備えており、上記ブロワ72で圧縮された空
気はエアパイプ73を通って、その先端に取り付けら
れ、「く」の字状に曲がったエアノズル74に供給され
る。なお、このエアパイプ73の先端に取り付けられた
エアノズル74は、図6(b)に明確に示すように、先
端が複数の枝状に別れ(ただし、端部で再び一体になっ
ている)、各枝にはそれぞれ複数の空気排出穴が設けら
れている。
【0021】このようなエアノズル74は、上記の図3
に示したと同様のホイル40’によって架台11の下面
からチェーンによって吊り下げられている。そのため、
ホイル40’(実際には、ホイスト41’の巻き上げ、
あるいは、巻き下ろす)を上下させることにより、エア
ノズル74を図の実線で示す位置に下降させ、あるい
は、図に破線で示す位置まで上昇させることが出来る。
なお、このエアレーション装置でも、上面に取り付けら
れた電源用ソーラーセル30’をその駆動電源として用
い、あるいは、これに限らず、一般の商用電源を利用す
るものでもよく、その場合には、商用電源を利用するた
めの配線引き込みが追加されることとなる。さらに、遠
隔の監視管理センサからの制御信号などの送受信は、図
示しないが、やはりテレメータ用アンテナが設けられ
る。
【0022】このエアレーション装置の動作について説
明すると、通常、その上流側において上記微生物放流装
置Aにより有用微生物の河川水への投入が行われている
時には、システムを統合的に監督監視している遠隔の監
視管理センサ300からの指令に対応し、すなわち、そ
の上流側に配置された微生物放流装置Aから得られる水
位情報や投入された微生物量のデータを基にして、上記
エアノズル74によって流水中に供給する空気量を決定
する。そして、制御盤71は、この決定された空気量に
よりブロワ72の風量や回転数を制御して、このブロワ
72により圧搾した空気を、エアパイプ73の先端に取
り付けたエアノズル74の空気排出穴から噴出させる。
これにより、既に有用微生物が放流された汚水流には空
気が供給されることからエアレーションが行われ、汚水
中の有機物の微生物による酸化分解が促進されることと
なる。また、制御盤71は、例えば、降雨時の異常水位
など(上記の微生物放流装置Aで検出可能)には、上記
ホイスト41’を巻き上げ、エアノズル74を安全な位
置(図に点線で示す位置)に上昇して保持する。
【0023】続いて、図7には、浄化装置Bのうち、上
記のエアレーション装置によって微生物による有機物の
酸化分解が行われた後に、スラッジを沈殿させて除去す
る沈殿漕が示されている。これらの図からも明らかなよ
うに、この沈殿漕も、上記エアレーション装置と同様
に、河川100の汚水流路に沿って、具体的にはこの流
路の上に配置されている。すなわち、河川100の流路
に沿って配置された基台10、10上に跨って構築され
た鉄骨を組み立てた架台11、11…に配置されてい
る。すなわち、これら架台11、11…からホイスト4
1”、41”によって吊り下げている。また、この沈殿
漕は、河川の流路の段差のある部分に配置され、この段
差を利用して排汚水を沈殿漕に供給し、その下流側に排
出する構造となっている。
【0024】すなわち、この沈殿漕は、前段の一次槽8
1と、後段の二次槽82からなり、上記一次槽81は、
ポーラス(多孔質)セラミックス、割栗石、砕石、砂、
廃プラスチック等を順次積層又は混合して形成したもの
であり、また、上記二次槽82は、オガクズ、ポーラス
(多孔質)セラミック、砕石、砂、廃プラスチック等を
順次積層又は混合して形成したものである。また、図中
の符号83は中空クッションであり、また、符号84は
関板を、符号85は撒水樋を示している。さらに、図中
の符号86は撒水ポンプを示しており、この撒水ポンプ
は上記一次槽81の底部の水を吸い上げて上記二次槽8
2の表面に配置された撒水ノズル87に供給するもので
ある。これにより、この沈殿漕が図に破線で示した位置
まで降下されている場合、上記撒水樋85から供給され
る排汚水を含んだ河川の流水は、上記一次槽81及び二
次槽82により、順次、酸化分解濾過・沈殿されて排出
口88から排出されることとなる。なお、符号89は、
この沈殿漕の上昇下降用架台である。
【0025】この沈殿漕の上下の移動は、上方の架台1
1の下側に取り付けられた制御装置90により制御さ
れ、具体的には、上記微生物放流装置Aから伝送される
微生物投入量や河川の流量などの情報に基づいて、シス
テムを統合的に監視・管理するための設備である監視管
理センタ300からの指令によって上記ホイスト4
1”、41”を駆動して行う。また、この図中の符号3
0”は、駆動電源として用いられる電源用ソーラーセル
を示しているが、これに限らず、一般の商用電源を利用
するものでもよく、その場合には、商用電源を利用する
ための配線引き込みが追加される。さらに、遠隔の監視
管理センタ300からの制御信号などの送受のために、
やはり、電波によるテレメータ用アンテナあるいは電話
回線が配置される。なお、上記の実施例になる浄化装置
Bは、河川100の上方に設けられるため、設備を設置
するための場所を節約することが出来るという利点があ
る。
【0026】次に、図8には、上記図6及び図7に示し
た浄化装置Bの他の実施例が示されている。この他の実
施例になる浄化装置Bは、上記の実施例とは異なり、河
川100の流路の上方ではなく、その側方に配置される
ものである。この実施例によれば、上記図6及び図7の
実施例のように、浄化装置Bを上方からつるし上げるた
めの設備(架台等)を設けることが不要となることか
ら、特に大型の浄化装置Bにおいて好適な実施例といえ
る。
【0027】さらに説明すると、この浄化装置は、基本
的には、河川100の流路内に突き出して設けられた膨
張堰410と、汚水供給管420と、第1及び第2の原
水エアレーション槽430、440と、第1及び第2の
分解酸化槽450、460と、そして、放流パイプ47
0とから構成されている。また、図中の符号11、11
…は、上記と同様、河川100の流路に沿って配置され
た基台10、10上に跨って構築された鉄骨を組み立て
た架台であり、この架台からホイスト401によって上
記汚水供給管420の先端開口が流水内に埋没するよう
に、上から吊り下げている。これは、例えば河川100
の流量によって容易に負荷変動に追随するようにするた
め、取水位置を変化させるためである。この制御は、制
御盤490によって、遠隔の監視管理センタ300から
の制御信号などに基づいて行う。
【0028】この他の実施例になる浄化装置の動作及び
その詳細を説明すると、まず、上記汚水供給管420に
より取水された汚水は、第1の原水エアレーション槽4
30内に導かれる。この第1の原水エアレーション槽4
30の底面には、表面に複数の空気排出穴が形成された
エアノズル431が柵状に配置されており、図中のケー
ス432内に設けられたブロワから圧搾送出された空気
をエアノズル431から取水された汚水に放出し、これ
により、既に有用微生物が放流された汚水流に空気を供
給してエアレーションを行ない、汚水中の有機物の微生
物による酸化分解を促進する。さらに、第2の原水エア
レーション槽440の底面にも、表面に複数の空気排出
穴が形成されたエアノズル441が柵状に配置され、や
はり上記ケース432内のブロワから圧搾送出された空
気をそのエアノズル441から汚水中に放出してエアレ
ーションを行ない、汚水中の有機物の投入有用微生物に
よる酸化分解を促進する。なお、上記ケース432内に
は、さらに、移送ポンプが設けられており、このポンプ
は、第1の原水エアレーション槽430で浄化された水
を、順次、吸込管433から吸入し、吐出管434から
第2の原水エアレーション槽440へ排出して移送す
る。
【0029】さらに、図中のケース445内にも移送ポ
ンプが設けられており、このポンプにより、吸入管45
6及び吐出管457を介して、第2の原水エアレーショ
ン槽440の浄化された水が、次に、第1及び第2の分
解酸化槽450、460へと移送される。なお、これら
第1及び第2の分解酸化槽450、460は、上記図7
の一次槽81及び二次槽82と同様、ポーラス(多孔
質)セラミックス、割栗石、砕石、砂、廃プラスチック
等を順次積層し、あるいは、オガクズ、ポーラス(多孔
質)セラミック、砕石、砂、廃プラスチック等を順次積
層して形成したものである。また、図中の符号451
は、上記吐出管457から排出された水を上記第1の分
解酸化槽450の上面に撒水するための柵状に配置され
た撒水樋であり、符号465で示されるケース内には、
やはり、移送ポンプが設けられている。そして、この移
送ポンプの働きにより、第1の分解酸化槽450で濾過
された底部に溜まった水が汲み出され、表面に柵状に配
置された撒水パイプ461によって第2の分解酸化槽4
60の表面に撒水される。そして、この第2の分解酸化
槽460で濾過された水は放流パイプ470を介して元
の河川に戻されることとなる。
【0030】さらに、図9及び図10には、上記図8に
示した浄化装置Bの他の変形例が示されている。なお、
この変形例になる浄化装置は、基本的には上記図8の実
施例と同様であり、同様の構成要素には同じ参照番号が
付されており、その動作も上記図8のそれと同様であ
る。そこで、以下には、上記変形例における上記図8の
実施例との相違点を中心にして説明を加える。
【0031】この他の変形例になる浄化装置では、上記
の汚水供給管420に代えて、河川100の上流側に隣
接して、いわゆる沈砂槽480を設けている。そして、
この沈砂槽480と河川100との間の壁(すなわち、
河川100の両側の壁面を形成する基台10)の一部
に、流入口481を形成し、この流入口481を介して
河川100からの水を取水する。さらに、この沈砂槽4
80で沈砂した水は、さらに、沈砂槽480と上記第1
の原水エアレーション槽430との間の壁面に形成した
導入口482を介して導かれる。また、これら図9及び
図10における符号435、458及び466は、水を
次の槽に移送するための、いわゆる移送ポンプであり、
符号436は、上記第1及び第2の原水エアレーション
槽430、440にエアレーション用圧搾空気を供給す
るためのブロワである。また、符号471は、上記第1
及び第2の原水エアレーション槽430、440及び第
1及び第2の分解酸化槽450、460で有機浮遊物や
富栄養分が酸化処理され沈殿除去されて浄化された水
を、上記放流パイプ470を介して再び河川100に戻
すための放流ポンプである。
【0032】図14には、上記図8〜図10に示した浄
化装置Bの更に他の変形例が示されている。すなわち、
この更に他の変形例では、図にも概略を示すように、エ
アレーション槽や分解酸化槽を縦方向に複数の層に復層
配列したものであり、これは特に狭い場所などにおいて
浄化装置Bを設置する場合等、土地の有効な利用におい
て有利な構造である。また、上記の実施例では浄化装置
Bは、上記微生物放流装置Aから離れた場所に配置され
るものとして説明したが、本発明ではそれだけに限定さ
れることなく、これらを隣接して配置することも可能で
ある。
【0033】このように、有用処方微生物利用を公共下
水道の上流地点、中流地点、あるいはポンプ場等にて、
流量と水質に応じて計量投入し、公共下水道終末処理場
の沈殿漕の前段にエアレーション原水槽を設置し、有機
浮遊物分解を促進してそれ以降の現有施設のスラッジ発
生を大幅に減少可能であり、窒素、燐酸除去量も増大が
期待できる。また、有用処方微生物利用による水質の浄
化効果、悪臭抑止効果の学理学説は未だに確立されてい
ないが、水質処理を人畜無害で実現でき、かつ、その画
期的な有用性は既に幾多の現場で実証されている。
【0034】上記の実施例では、本発明を河川の汚水流
路に設ける実施例について述べたが、本発明はそれだけ
に限定されることなく、公共下水道使用の各家庭におい
ても、例えば有用処方微生物をトイレの利用の度に利用
者各人が投入できるように、例えば水溶性の紙パックに
より数グラム毎に計量封入しておき、汚水の発生元で有
用処方微生物を投入することにより、浮遊有機物の積極
的な分解を開始して、終末処理場の汚泥スラッジ処理の
負担を軽減し、窒素や燐分の大幅な軽減も可能である。
また、ホテル、駅、オフィスビル等の公共的なトイレの
水洗レバーと連動して供給することが出来る投入装置も
可能である。さらには、家庭用屋外設置装置として庭先
等の下水升の蓋の上部等に投入装置を設置し、プリセッ
トされた平均日量を自動的に投入するようにすることも
可能である。
【0035】加えて、農村集落、共同住宅、レストラ
ン、食品工場、一般住宅等の合併処理浄化槽を使用の場
合には、好気性と嫌気性の双方を処方した市販の微生物
材料で好成績が報告されており、上記の装置を利用する
と共に、液体の有用処方微生物の利用の場合には、液体
タンクやそのタンク、ホッパー等の蓄積、払出装置、プ
リセットされた残量による供給信号の発信装置などによ
って構成されることとなる。その場合、かかる発信装置
等は、例えば公衆電話回線を利用して外部管理業者等へ
通報するようにすることが考えられる。
【0036】さらに、図11〜図13には、上記の浄化
装置Bを内海や湖沼200に設けることを可能にするた
めの他の実施例として、係留船500による浄化装置が
示されている。まず、図11の実施例について説明する
と、この係留船500は、河川100が湖沼200に流
入する水門150等の近くに係留され、この係留船50
0上には、例えば上記図8あるいは図9及びず10に示
したと同様の構成になる浄化装置Bが積み込まれてお
り、この図においても、上記と同様の構成要素は同じ参
照番号が付されている。そして、他の実施例では、その
汚水供給管420の汚水採り入れ口を、河川100が湖
沼200に流入する直前の水門150に投入して、汚水
が湖沼200に流入する直前に取水し、有機浮遊物や富
栄養分が酸化処理され沈殿除去されて浄化された水を湖
沼200に戻す。この図において、符号510は、上記
汚水供給管420を水上に配置するために取り付けられ
たフロートであり、また、この実施例では、その駆動電
源として商用電源を利用しており、具体的には、受電装
置511で受電した電力をケーブル512を介して制御
盤490へ送る。そして、符号513は、このケーブル
512を水上に配置するためのフロートである。また、
図中の符号514、514…は、上記船500を湖沼2
00上に係留するためのアンカーの鎖である。
【0037】図12及び図13には、湖沼200におけ
る汚水源である、例えば魚等の養殖場に本発明を適用し
た場合の実施例が示されている。この実施例において
も、上記図11の実施例と同様に、係留船500を利用
したものである。なお、この実施例では、この係留船5
00を、養魚場を取り囲む絶縁シート610に隣接して
係留している。この絶縁シート610の内部には、さら
に、本実施例では3区画に分けられた養殖ネット620
が張られており、このネットの中に魚等が飼育されてい
る。なお、この図中の他の符号については、符号630
はアンカーであり、符号640は前記アンカー630に
連結したアンカーロープを、そして、符号650は上記
アンカーロープに連結されたフロートを示している。
【0038】このような養殖場においては、飼育する魚
等の餌が水中に投入され、あるいは、飼育する魚の排泄
物が内海や湖沼の汚染の原因となる。そこで、本発明の
河川浄化システムを備えた係留船500を近接して配置
して、養魚場から排出される汚水や有機浮遊物物や富栄
養分を、本発明の河川浄化システムによって酸化処理、
沈殿除去して浄化された水を再び湖沼200に戻す。す
なわち、湖沼200内の養魚場の下方に汚水供給管42
0を配置し、取水した汚水を原水エアレーション槽43
0内に導く。なお、図のケース432内には、エアレー
ションを行なうための空気を供給するためのブロワと共
に、上記原水エアレーション槽430内に取水された汚
水に有用微生物を投入するための投入装置も一緒に内蔵
されている。このような構成により、上記本発明の河川
浄化システムと同様に、この原水エアレーション槽43
0内で有機浮遊物や富栄養分が酸化処理され、その後、
第1及び第2の分解酸化槽450、460で沈殿除去さ
れて浄化された水を、上記放流パイプ470を介して再
び湖沼200に戻すことにより、水質の浄化を図ること
が出来ることは明らかである。
【0039】
【発明の効果】以上の発明の詳細な説明からも明らかな
ように、本発明になる河川浄化システムによれば、河川
に流入する排汚水の有機浮遊物物やスラッジ等を濾過し
て排除するだけではなく、さらには、有用微生物の働き
により、河川からの水が流入する内海や湖沼の生態系へ
悪影響を与える窒素や燐等をも確実に除去し、もって、
河川から流入する水の富栄養化を、大量で、経済的かつ
効率的に防止し、内海や湖沼の水質の汚濁を防止するこ
とが出来るという、技術的には勿論のこと社会的にも優
れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる河川浄化システムの概要を説明す
るための説明図である。
【図2】上記河川浄化システムにおける微生物放流装置
の実施例の詳細構造を説明する一部分解斜視図である。
【図3】上記微生物放流装置において使用されるセンサ
付ホイルの詳細を説明するための一部拡大斜視図であ
る。
【図4】上記微生物放流装置において使用される釣り金
具の詳細を説明するための一部拡大正面図である。
【図5】上記微生物放流装置の他の実施例を示す正面図
である。
【図6】上記河川浄化システムにおける浄化装置の、特
にそのエアレーション装置の実施例の詳細構造を説明す
る側面図及び上面図である。
【図7】上記河川浄化システムにおける浄化装置の、特
にその沈殿漕の実施例の詳細構造を説明する側面図及び
上面図である。
【図8】上記本発明になる河川浄化システムにおける浄
化装置の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】上記図8に示す河川浄化システムにおける浄化
装置の他の変形例を示す上面図である。
【図10】上記河川浄化システムにおける浄化装置の他
の変形例を示す側面図である。
【図11】上記本発明の河川浄化システムを係留船に適
用した他の実施例を示す斜視図である。
【図12】上記本発明の河川浄化システムを養殖場に適
用したさらに他の実施例を示す側面断面(図13のB−
B断面)である。
【図13】上記図12の実施例を上からみた場合の上面
図である。
【図14】上記図8、あるいは、上記図9及び図10に
示す河川浄化システムにおける浄化装置の更に他の変形
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
100 河川 A 微生物放流装置 B 浄化装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川の流量を測定し、その流量に応じた
    量の有用微生物を河川に放流する微生物放流装置と、河
    川を流れる水を酸化分解及び濾過する浄化装置とを、河
    川の各々上流域と下流域との配置したことを特徴とする
    河川浄化システム。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05207548A (ja) * 1992-01-24 1993-08-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 遠方監視制御システム
JPH05305296A (ja) * 1992-04-27 1993-11-19 Takashi Hirai 微生物による水の浄化法
JPH05332915A (ja) * 1992-05-29 1993-12-17 Hitachi Ltd 水圏監視装置及び浄化装置

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