JPH07289294A - アンチトロンビンiii 活性測定方法及び測定用試薬 - Google Patents
アンチトロンビンiii 活性測定方法及び測定用試薬Info
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- JPH07289294A JPH07289294A JP11438694A JP11438694A JPH07289294A JP H07289294 A JPH07289294 A JP H07289294A JP 11438694 A JP11438694 A JP 11438694A JP 11438694 A JP11438694 A JP 11438694A JP H07289294 A JPH07289294 A JP H07289294A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アンチトロンビンIII 活性測定方法及び測定
用試薬を提供する。 【構成】 アンチトロンビンIII を含む被検試料にヘパ
リン及びセリンプロテアーゼを添加して複合体を形成さ
せた後、残存するセリンプロテアーゼ活性を検出するこ
とから被検試料中のアンチトロンビンIII 活性を測定す
る方法において、上記複合体を形成させる反応前又は反
応時にアルカリ金属塩を共存させる測定方法;及びヘパ
リン及びセリンプロテアーゼからなるアンチトロンビン
III 測定用試薬にアルカリ金属塩を含有させる測定用試
薬。 【効果】 被検試料中のヘパリンコファクターIIの妨害
を受けずに、アンチトロンビンIII 活性を正確に測定す
ることができる。
用試薬を提供する。 【構成】 アンチトロンビンIII を含む被検試料にヘパ
リン及びセリンプロテアーゼを添加して複合体を形成さ
せた後、残存するセリンプロテアーゼ活性を検出するこ
とから被検試料中のアンチトロンビンIII 活性を測定す
る方法において、上記複合体を形成させる反応前又は反
応時にアルカリ金属塩を共存させる測定方法;及びヘパ
リン及びセリンプロテアーゼからなるアンチトロンビン
III 測定用試薬にアルカリ金属塩を含有させる測定用試
薬。 【効果】 被検試料中のヘパリンコファクターIIの妨害
を受けずに、アンチトロンビンIII 活性を正確に測定す
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検試料、特には生体
液試料中のアンチトロンビンIII 活性の測定方法及び測
定用試薬に関する。
液試料中のアンチトロンビンIII 活性の測定方法及び測
定用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】アンチトロンビンIII (以下、ATIII
ともいう)は、トロンビンをはじめとするセリンプロテ
アーゼに対する生理的阻害物質であり、特に血液凝固系
の制御物質として重要な役割を担っている。アンチトロ
ンビンIII の先天的欠損症では重篤な血栓症を発症し、
また、DIC(Disseminated intra
vascular coagulation:汎発性血
管内凝固症候群)や敗血症においてはその血中濃度の低
下が見られる。従って、血中のアンチトロンビンIII 活
性の測定は血栓性症の原因解析、DICの診断、その予
後判定、又はアンチトロンビンIII 濃縮製剤の投与の決
定などにおいて重要な意義をもつ。
ともいう)は、トロンビンをはじめとするセリンプロテ
アーゼに対する生理的阻害物質であり、特に血液凝固系
の制御物質として重要な役割を担っている。アンチトロ
ンビンIII の先天的欠損症では重篤な血栓症を発症し、
また、DIC(Disseminated intra
vascular coagulation:汎発性血
管内凝固症候群)や敗血症においてはその血中濃度の低
下が見られる。従って、血中のアンチトロンビンIII 活
性の測定は血栓性症の原因解析、DICの診断、その予
後判定、又はアンチトロンビンIII 濃縮製剤の投与の決
定などにおいて重要な意義をもつ。
【0003】従来のアンチトロンビンIII 活性の測定方
法には、大別して2通りの方法がある。即ち、アンチ
トロンビンIII の特異的抗体を用い、抗原抗体反応によ
りアンチトロンビンIII 量を測定する方法、及び既知
量セリンプロテアーゼに被検アンチトロンビンIII を加
え、残存するセリンプロテアーゼ活性を測定し、間接的
にアンチトロンビンIII 量を測定する方法、である。
法には、大別して2通りの方法がある。即ち、アンチ
トロンビンIII の特異的抗体を用い、抗原抗体反応によ
りアンチトロンビンIII 量を測定する方法、及び既知
量セリンプロテアーゼに被検アンチトロンビンIII を加
え、残存するセリンプロテアーゼ活性を測定し、間接的
にアンチトロンビンIII 量を測定する方法、である。
【0004】抗体を使用する上記方法としては、更
に、抗体を封じ込めた寒天に被検アンチトロンビンIII
を加え、沈降リングの大きさで定量する方法;抗体に被
検アンチトロンビンIII を加え、光学的に凝集の大きさ
を定量することによりアンチトロンビンIII を定量する
方法;抗体をラッテクス粒子に感作し、このラテックス
と被検アンチトロンビンIII を混合し、肉眼的又は光学
的にラテックス粒子の凝集を観測し、アンチトロンビン
III 量を測定する方法等がある。
に、抗体を封じ込めた寒天に被検アンチトロンビンIII
を加え、沈降リングの大きさで定量する方法;抗体に被
検アンチトロンビンIII を加え、光学的に凝集の大きさ
を定量することによりアンチトロンビンIII を定量する
方法;抗体をラッテクス粒子に感作し、このラテックス
と被検アンチトロンビンIII を混合し、肉眼的又は光学
的にラテックス粒子の凝集を観測し、アンチトロンビン
III 量を測定する方法等がある。
【0005】一方、セリンプロテアーゼを用いる上記方
法としては、ヘパリン、被検アンチトロンビンIII 及
びセリンプロテアーゼを混合し、阻害を受けなかった残
存セリンプロテアーゼ活性を測定することによりアンチ
トロンビンIII 活性を求める方法がある。この際、セリ
ンプロテアーゼとしては、具体的には、例えばトロンビ
ンや第X因子等が用いられる。トロンビンを用いる場合
には、その酵素活性を、第XIII 因子存在下にフィブリ
ノーゲンからフィブリンに転換する凝固時間によって測
定し、又はトロンビンに対する特異的な合成基質を用
い、光学的に酵素活性を測定し、そしてそれらの結果か
らATIII 活性を定量する方法が用いられる。第X因子
を用いる場合には、特異的な合成基質を用い、光学的に
酵素活性を測定する方法が用いられる。
法としては、ヘパリン、被検アンチトロンビンIII 及
びセリンプロテアーゼを混合し、阻害を受けなかった残
存セリンプロテアーゼ活性を測定することによりアンチ
トロンビンIII 活性を求める方法がある。この際、セリ
ンプロテアーゼとしては、具体的には、例えばトロンビ
ンや第X因子等が用いられる。トロンビンを用いる場合
には、その酵素活性を、第XIII 因子存在下にフィブリ
ノーゲンからフィブリンに転換する凝固時間によって測
定し、又はトロンビンに対する特異的な合成基質を用
い、光学的に酵素活性を測定し、そしてそれらの結果か
らATIII 活性を定量する方法が用いられる。第X因子
を用いる場合には、特異的な合成基質を用い、光学的に
酵素活性を測定する方法が用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】アンチトロンビンIII
抗体を用いて、アンチトロンビンIII を抗原量として測
定する上記方法は、アンチトロンビンIII 分子が均一
であることを前提としている。しかしながら、アンチト
ロンビンIII には、抗原活性を有するにもかかわらず、
ヘパリンと結合することができないか又はセリンプロテ
アーゼを阻害することができない分子異常の存在するこ
とが知られており、上記方法ではこれらのアンチトロ
ンビンIII を含む検体を正確に検出することができな
い。
抗体を用いて、アンチトロンビンIII を抗原量として測
定する上記方法は、アンチトロンビンIII 分子が均一
であることを前提としている。しかしながら、アンチト
ロンビンIII には、抗原活性を有するにもかかわらず、
ヘパリンと結合することができないか又はセリンプロテ
アーゼを阻害することができない分子異常の存在するこ
とが知られており、上記方法ではこれらのアンチトロ
ンビンIII を含む検体を正確に検出することができな
い。
【0007】一方、セリンプロテアーゼに対する阻害活
性を測定する上記方法には、上記方法のような欠陥
はない。しかしながら、従来から広く行われている上記
方法では、ヘパリン存在下におけるアンチトロンビン
III のトロンビンに対する阻害活性を測定しており、こ
の方法により測定された活性値の10〜30%は、ヘパ
リンコファクターII(以下、HCIIともいう)に由来す
ることが知られており、アンチトロンビンIII の正確な
活性値を反映していない。本発明者らは、上記の従来法
の各種欠点を解消するために鋭意検討を重ねた結果、ア
ルカリ金属塩を利用することによって、被検試料中に共
存するヘパリンコファクターIIの干渉を排除することが
できることを見出した。本発明は、こうした知見に基づ
くものである。
性を測定する上記方法には、上記方法のような欠陥
はない。しかしながら、従来から広く行われている上記
方法では、ヘパリン存在下におけるアンチトロンビン
III のトロンビンに対する阻害活性を測定しており、こ
の方法により測定された活性値の10〜30%は、ヘパ
リンコファクターII(以下、HCIIともいう)に由来す
ることが知られており、アンチトロンビンIII の正確な
活性値を反映していない。本発明者らは、上記の従来法
の各種欠点を解消するために鋭意検討を重ねた結果、ア
ルカリ金属塩を利用することによって、被検試料中に共
存するヘパリンコファクターIIの干渉を排除することが
できることを見出した。本発明は、こうした知見に基づ
くものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、アン
チトロンビンIII を含む被検試料にヘパリン及びセリン
プロテアーゼを添加して複合体を形成させた後、残存す
るセリンプロテアーゼ活性を検出することから被検試料
中のアンチトロンビンIII 活性を測定する方法におい
て、上記複合体を形成させる反応前又は反応時にアルカ
リ金属塩を共存させることを特徴とする、アンチトロン
ビンIII 活性測定方法に関する。更に、本発明は、ヘパ
リン及びセリンプロテアーゼを含むアンチトロンビンII
I 測定用試薬に、更にアルカリ金属塩を含有させること
を特徴とするアンチトロンビンIII 活性測定用試薬にも
関する。
チトロンビンIII を含む被検試料にヘパリン及びセリン
プロテアーゼを添加して複合体を形成させた後、残存す
るセリンプロテアーゼ活性を検出することから被検試料
中のアンチトロンビンIII 活性を測定する方法におい
て、上記複合体を形成させる反応前又は反応時にアルカ
リ金属塩を共存させることを特徴とする、アンチトロン
ビンIII 活性測定方法に関する。更に、本発明は、ヘパ
リン及びセリンプロテアーゼを含むアンチトロンビンII
I 測定用試薬に、更にアルカリ金属塩を含有させること
を特徴とするアンチトロンビンIII 活性測定用試薬にも
関する。
【0009】以下、本発明を詳述する。本発明の被検試
料は、アンチトロンビンIII を含有するおそれのある試
料であれば特に限定されないが、特には生体液試料、例
えば、血液、血漿、又は血清である。本発明では、被検
試料中に共存するヘパリンコファクターIIの干渉を、ア
ルカリ金属塩の添加によって排除する。即ち、一般にア
ンチトロンビンIII やヘパリンコファクターIIは、それ
ぞれヘパリンと結合して複合体を形成することによって
セリンプロテアーゼ活性(例えば、トロンビン活性)を
阻害することができる。しかし、ヘパリンに対する親和
性は、反応の場のアルカリ金属塩濃度によって異なる。
ヘパリンコファクターIIはアルカリ金属塩不在下ないし
低濃度アルカリ金属塩の存在下においてヘパリンと結合
するが、アルカリ金属塩の存在下ないし高濃度アルカリ
金属塩の存在下においては結合しない。一方、アンチト
ロンビンIII はアルカリ金属塩の存在下ないし高濃度ア
ルカリ金属塩の存在下においてもヘパリン結合能を示
す。従って、トロンビン、ヘパリン及び被検アンチトロ
ンビンIII を反応させる場に、アルカリ金属塩を存在さ
せることにより、ヘパリンコファクターIIにはトロンビ
ン活性を阻害させず、アンチトロンビンIII のみによっ
てトロンビン活性を阻害させる環境とすることができ
る。この結果、ヘパリンコファクターIIの干渉を受けな
いアンチトロンビンIII 測定系を成立させることができ
る。
料は、アンチトロンビンIII を含有するおそれのある試
料であれば特に限定されないが、特には生体液試料、例
えば、血液、血漿、又は血清である。本発明では、被検
試料中に共存するヘパリンコファクターIIの干渉を、ア
ルカリ金属塩の添加によって排除する。即ち、一般にア
ンチトロンビンIII やヘパリンコファクターIIは、それ
ぞれヘパリンと結合して複合体を形成することによって
セリンプロテアーゼ活性(例えば、トロンビン活性)を
阻害することができる。しかし、ヘパリンに対する親和
性は、反応の場のアルカリ金属塩濃度によって異なる。
ヘパリンコファクターIIはアルカリ金属塩不在下ないし
低濃度アルカリ金属塩の存在下においてヘパリンと結合
するが、アルカリ金属塩の存在下ないし高濃度アルカリ
金属塩の存在下においては結合しない。一方、アンチト
ロンビンIII はアルカリ金属塩の存在下ないし高濃度ア
ルカリ金属塩の存在下においてもヘパリン結合能を示
す。従って、トロンビン、ヘパリン及び被検アンチトロ
ンビンIII を反応させる場に、アルカリ金属塩を存在さ
せることにより、ヘパリンコファクターIIにはトロンビ
ン活性を阻害させず、アンチトロンビンIII のみによっ
てトロンビン活性を阻害させる環境とすることができ
る。この結果、ヘパリンコファクターIIの干渉を受けな
いアンチトロンビンIII 測定系を成立させることができ
る。
【0010】セリンプロテアーゼとしてトロンビンを用
いる場合には、上記の各反応は、以下の式(1)〜
(3)で表すことができる。 (1)ヘパリン+ATIII +アルカリ金属塩 → ヘパ
リン・ATIII 複合体 (2)ヘパリン+HCII+アルカリ金属塩 → 複合体
形成なし (3)トロンビン+ヘパリン・ATIII 複合体→ トロ
ンビン・ATIII ・ヘパリン複合体 上記の各反応後、残存するトロンビン活性(残存トロン
ビン活性)を従来公知の合成基質法やフィブリン形成の
阻害時間法等によって測定する。一方、被検試料として
生理食塩水などを使用し、試薬中に含まれている全トロ
ンビンの活性(全トロンビン活性)を測定し、それらの
測定値から、以下の計算式によってアンチトロンビンII
I 活性を求めることができる。 アンチトロンビンIII 活性=全トロンビン活性−残存ト
ロンビン活性
いる場合には、上記の各反応は、以下の式(1)〜
(3)で表すことができる。 (1)ヘパリン+ATIII +アルカリ金属塩 → ヘパ
リン・ATIII 複合体 (2)ヘパリン+HCII+アルカリ金属塩 → 複合体
形成なし (3)トロンビン+ヘパリン・ATIII 複合体→ トロ
ンビン・ATIII ・ヘパリン複合体 上記の各反応後、残存するトロンビン活性(残存トロン
ビン活性)を従来公知の合成基質法やフィブリン形成の
阻害時間法等によって測定する。一方、被検試料として
生理食塩水などを使用し、試薬中に含まれている全トロ
ンビンの活性(全トロンビン活性)を測定し、それらの
測定値から、以下の計算式によってアンチトロンビンII
I 活性を求めることができる。 アンチトロンビンIII 活性=全トロンビン活性−残存ト
ロンビン活性
【0011】なお、本発明方法においては、通常の公知
ATIII 活性測定法と同様に、セリンプロテアーゼとし
て、例えばトロンビン又は第X因子を用いることができ
る。また、ヘパリンとしては、特にその由来は限定され
ず、また、高分子ヘパリンあるいは低分子ヘパリンのい
ずれも用いることができる。
ATIII 活性測定法と同様に、セリンプロテアーゼとし
て、例えばトロンビン又は第X因子を用いることができ
る。また、ヘパリンとしては、特にその由来は限定され
ず、また、高分子ヘパリンあるいは低分子ヘパリンのい
ずれも用いることができる。
【0012】共存させるアルカリ金属塩は、アルカリ金
属と有機酸又は好ましくは無機酸との塩である。ナトリ
ウム、カリウム又はリチウムのハロゲン化物(例えば、
フッ化物、塩化物、臭化物若しくはヨウ化物)、硫酸塩
又はリン酸塩が好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、塩化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化
リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化
リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、又はリン酸リチウム等を用いるこ
とができる。これらの塩の1種又は複数種を組み合わせ
て用いることができる。
属と有機酸又は好ましくは無機酸との塩である。ナトリ
ウム、カリウム又はリチウムのハロゲン化物(例えば、
フッ化物、塩化物、臭化物若しくはヨウ化物)、硫酸塩
又はリン酸塩が好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、塩化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化
リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化
リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、又はリン酸リチウム等を用いるこ
とができる。これらの塩の1種又は複数種を組み合わせ
て用いることができる。
【0013】上記アルカリ金属塩の濃度は、セリンプロ
テアーゼ、ヘパリン、HCII及びATIII が存在する反
応系において、ヘパリンとHCIIとの複合体を形成させ
ずに、ヘパリンとATIII との複合体を形成することが
できる濃度であればよい。上記アルカリ金属塩の濃度
は、前記の反応系において、好ましくは0.05〜1.
0M、より好ましくは0.05〜0.8M、更に好まし
くは0.1〜0.8M、更に好ましくは0.16〜0.
8M、更に好ましくは0.2〜0.8Mである。アルカ
リ金属塩濃度が0.05Mより低濃度になると、共存す
るHCIIがヘパリンと複合体を形成することがあるの
で、測定値にHCII活性が含まれてしまい、ATIII 活
性としての測定結果が不正確になる。また、アルカリ金
属塩濃度が1Mを越えると、ATIII とヘパリンの結合
が阻害され、ATIII がトロンビン活性を阻害すること
ができなくなるために測定結果が不正確になる。
テアーゼ、ヘパリン、HCII及びATIII が存在する反
応系において、ヘパリンとHCIIとの複合体を形成させ
ずに、ヘパリンとATIII との複合体を形成することが
できる濃度であればよい。上記アルカリ金属塩の濃度
は、前記の反応系において、好ましくは0.05〜1.
0M、より好ましくは0.05〜0.8M、更に好まし
くは0.1〜0.8M、更に好ましくは0.16〜0.
8M、更に好ましくは0.2〜0.8Mである。アルカ
リ金属塩濃度が0.05Mより低濃度になると、共存す
るHCIIがヘパリンと複合体を形成することがあるの
で、測定値にHCII活性が含まれてしまい、ATIII 活
性としての測定結果が不正確になる。また、アルカリ金
属塩濃度が1Mを越えると、ATIII とヘパリンの結合
が阻害され、ATIII がトロンビン活性を阻害すること
ができなくなるために測定結果が不正確になる。
【0014】本発明方法においては、アルカリ金属塩の
存在下で被検試料とヘパリン及びセリンプロテアーゼと
を接触させて複合体を形成させた後に、当業界で公知の
任意の方法により残存セリンプロテアーゼ活性を測定す
ることができる。例えば、合成基質法を用いて残存トロ
ンビン活性を測定する場合は、前記反応終了後、基質含
有溶液を添加して、トロンビン活性を測定すればよい。
この合成基質としては公知の任意の基質を適宜選択して
用いることができ、例えば、トシル−グリシル−プロリ
ル−アルギニル−パラニトロアニリド、H−D−フェニ
ルアラニル−L−ピペコリル−L−アルギニン−パラニ
トロアニリド、アルギニル−3−tert−アルキルオ
キシカルボニル−4−ニトロアニリド等を用いることが
できる。これら合成基質より誘導される発色物質を分光
学的に検出する。また、残存トロンビン活性を、第XII
I 因子存在下にフィブリノゲンをフィブリンに転換する
活性として凝固時間を測定することにより求めることも
できる。
存在下で被検試料とヘパリン及びセリンプロテアーゼと
を接触させて複合体を形成させた後に、当業界で公知の
任意の方法により残存セリンプロテアーゼ活性を測定す
ることができる。例えば、合成基質法を用いて残存トロ
ンビン活性を測定する場合は、前記反応終了後、基質含
有溶液を添加して、トロンビン活性を測定すればよい。
この合成基質としては公知の任意の基質を適宜選択して
用いることができ、例えば、トシル−グリシル−プロリ
ル−アルギニル−パラニトロアニリド、H−D−フェニ
ルアラニル−L−ピペコリル−L−アルギニン−パラニ
トロアニリド、アルギニル−3−tert−アルキルオ
キシカルボニル−4−ニトロアニリド等を用いることが
できる。これら合成基質より誘導される発色物質を分光
学的に検出する。また、残存トロンビン活性を、第XII
I 因子存在下にフィブリノゲンをフィブリンに転換する
活性として凝固時間を測定することにより求めることも
できる。
【0015】一方、セリンプロテアーゼとして第X因子
を用いる場合は、被検試料とへパリンと第X因子とを接
触させてヘパリン・ATIII ・第X因子複合体を形成さ
せた後、残存する第X因子に対して、第X因子に特異的
な合成基質(例えばメシル−D−ロイシル−グリシル−
アルギニル−パラニトロアニリド、N−ベンゾイル−L
−イソロイシルL−グルタミル−グリシル−L−アルギ
ニル−パラニトロアニリド等)を含有する溶液を前記複
合体形成反応後に添加して、基質から誘導される発色物
質を分光学的に検出する。前記と同様に、公知の任意の
方法によりブランク試験としての全トロンビン活性を測
定することができる。
を用いる場合は、被検試料とへパリンと第X因子とを接
触させてヘパリン・ATIII ・第X因子複合体を形成さ
せた後、残存する第X因子に対して、第X因子に特異的
な合成基質(例えばメシル−D−ロイシル−グリシル−
アルギニル−パラニトロアニリド、N−ベンゾイル−L
−イソロイシルL−グルタミル−グリシル−L−アルギ
ニル−パラニトロアニリド等)を含有する溶液を前記複
合体形成反応後に添加して、基質から誘導される発色物
質を分光学的に検出する。前記と同様に、公知の任意の
方法によりブランク試験としての全トロンビン活性を測
定することができる。
【0016】更に、本発明は、ATIII 活性測定用試薬
にも関する。本発明による試薬は、ヘパリン及びセリン
プロテアーゼを含有する通常のATIII 活性測定用試薬
に、更にアルカリ金属塩を含有させることからなり、こ
れにより、ヘパリンコファクターIIの影響を受けずに精
度よくアンチトロンビンIII 活性を測定するための試薬
を提供することができる。ATIII 活性測定用試薬が二
試薬系からなる場合には、第一試薬及び/又は第二試薬
に前記と同様のアルカリ金属塩を含有させることができ
る。例えば、セリンプロテアーゼとしてトロンビンを用
い、残存トロンビン活性を合成基質法にて測定するため
の試薬組成としては、その反応の手順を考慮してヘパリ
ン、トロンビン及びアルカリ金属塩からなる第一試薬
と、合成基質を含む第二試薬から構成するのが好まし
い。あるいは、第一試薬にヘパリンとアルカリ金属塩、
第二試薬にトロンビン(必要に応じてアルカリ金属
塩)、第三試薬に合成基質をそれぞれ含有させて構成し
てもよい。
にも関する。本発明による試薬は、ヘパリン及びセリン
プロテアーゼを含有する通常のATIII 活性測定用試薬
に、更にアルカリ金属塩を含有させることからなり、こ
れにより、ヘパリンコファクターIIの影響を受けずに精
度よくアンチトロンビンIII 活性を測定するための試薬
を提供することができる。ATIII 活性測定用試薬が二
試薬系からなる場合には、第一試薬及び/又は第二試薬
に前記と同様のアルカリ金属塩を含有させることができ
る。例えば、セリンプロテアーゼとしてトロンビンを用
い、残存トロンビン活性を合成基質法にて測定するため
の試薬組成としては、その反応の手順を考慮してヘパリ
ン、トロンビン及びアルカリ金属塩からなる第一試薬
と、合成基質を含む第二試薬から構成するのが好まし
い。あるいは、第一試薬にヘパリンとアルカリ金属塩、
第二試薬にトロンビン(必要に応じてアルカリ金属
塩)、第三試薬に合成基質をそれぞれ含有させて構成し
てもよい。
【0017】上記の二試薬系の場合、第一試薬中のヘパ
リンの濃度範囲は従来公知の第一試薬の濃度範囲と同じ
でよく、例えば0.01〜200U/ml、好ましくは
0.1〜100U/mlの濃度範囲で適宜調整する。ま
た、トロンビンも従来公知の第一試薬の濃度範囲で同じ
でよく、例えば0.01〜10U/ml、好ましくは
0.05〜5U/mlの濃度範囲で適宜調整する。アル
カリ金属塩は試薬添加量や測定系の条件により調整すれ
ばよく、即ち、トロンビンとヘパリンとATIIIとが複
合体を形成する反応の場に、好ましくは0.05〜1.
0M、より好ましくは0.05〜0.8M、更に好まし
くは0.1〜0.8M、更に好ましくは0.16〜0.
8M、更に好ましくは0.2〜0.8Mの量となるよう
に試薬濃度を調整して構成すればよい。
リンの濃度範囲は従来公知の第一試薬の濃度範囲と同じ
でよく、例えば0.01〜200U/ml、好ましくは
0.1〜100U/mlの濃度範囲で適宜調整する。ま
た、トロンビンも従来公知の第一試薬の濃度範囲で同じ
でよく、例えば0.01〜10U/ml、好ましくは
0.05〜5U/mlの濃度範囲で適宜調整する。アル
カリ金属塩は試薬添加量や測定系の条件により調整すれ
ばよく、即ち、トロンビンとヘパリンとATIIIとが複
合体を形成する反応の場に、好ましくは0.05〜1.
0M、より好ましくは0.05〜0.8M、更に好まし
くは0.1〜0.8M、更に好ましくは0.16〜0.
8M、更に好ましくは0.2〜0.8Mの量となるよう
に試薬濃度を調整して構成すればよい。
【0018】前記の構成を有する第一試薬を精製水ある
いは適当な緩衝液に溶解して用いることができる。緩衝
液としては、構成成分を安定に保つことができ、且つA
TIII との複合体形成を阻害しないもの、更には残存ト
ロンビンと合成基質との反応を阻害しないものであれば
特に限定はされない。具体的には、トリス緩衝液、グッ
ド緩衝液、ヘペス緩衝液等、従来公知の緩衝液から適宜
選択して用いることができる。更に粉末状として供する
場合には、例えば、トロンビン0.1〜100U/m
l、好ましくは0.5〜50U/mlを公知の手段で凍
結乾燥して粉末状とし、その粉末状組成物の溶解液とし
て0.01〜200U/ml、好ましくは0.1〜10
0U/mlのヘパリン及び上記濃度のアルカリ金属塩を
含む緩衝液を別途調製し、使用時にトロンビンを溶解し
て用いることもできる。
いは適当な緩衝液に溶解して用いることができる。緩衝
液としては、構成成分を安定に保つことができ、且つA
TIII との複合体形成を阻害しないもの、更には残存ト
ロンビンと合成基質との反応を阻害しないものであれば
特に限定はされない。具体的には、トリス緩衝液、グッ
ド緩衝液、ヘペス緩衝液等、従来公知の緩衝液から適宜
選択して用いることができる。更に粉末状として供する
場合には、例えば、トロンビン0.1〜100U/m
l、好ましくは0.5〜50U/mlを公知の手段で凍
結乾燥して粉末状とし、その粉末状組成物の溶解液とし
て0.01〜200U/ml、好ましくは0.1〜10
0U/mlのヘパリン及び上記濃度のアルカリ金属塩を
含む緩衝液を別途調製し、使用時にトロンビンを溶解し
て用いることもできる。
【0019】上記の二試薬系の場合、第二試薬の基質と
しては、従来公知の第二試薬に含まれている基質を従来
公知の第二試薬と同様の濃度で用いることができる。具
体的には、トシル−グリシル−−プロリル−アルギニル
−パラニトロアニリド、H−D−フェニルアラニル−L
−ピペコリル−L−アルギニン−パラニトロアニリド、
アルギニル−3−tert−アルキルオキシカルボニル
−4−ニトロアニリド等の合成基質を好ましくは0.0
5〜100mM、より好ましくは0.1〜50mMの濃
度となるように調整する。これらを精製水あるいは上記
と同様の緩衝液に溶解して用いる。更に、基質物質の安
定性等を考慮して、これらを公知の手段より凍結乾燥品
の形で保存することもできる。
しては、従来公知の第二試薬に含まれている基質を従来
公知の第二試薬と同様の濃度で用いることができる。具
体的には、トシル−グリシル−−プロリル−アルギニル
−パラニトロアニリド、H−D−フェニルアラニル−L
−ピペコリル−L−アルギニン−パラニトロアニリド、
アルギニル−3−tert−アルキルオキシカルボニル
−4−ニトロアニリド等の合成基質を好ましくは0.0
5〜100mM、より好ましくは0.1〜50mMの濃
度となるように調整する。これらを精製水あるいは上記
と同様の緩衝液に溶解して用いる。更に、基質物質の安
定性等を考慮して、これらを公知の手段より凍結乾燥品
の形で保存することもできる。
【0020】セリンプロテアーゼとして第X因子を用い
る場合には、上記と同様に従来公知の試薬に本発明のア
ルカリ金属塩を前記の濃度となるように添加すればよ
い。また、基質も、例えばメシル−D−ロイシル−グリ
シル−アルギニル−パラニトロアニリド、又はN−ベン
ゾイル−L−イソロイシルL−グルタミル−グリシル−
L−アルギニル−パラニトロアニリド等の公知の基質を
用いればよい。
る場合には、上記と同様に従来公知の試薬に本発明のア
ルカリ金属塩を前記の濃度となるように添加すればよ
い。また、基質も、例えばメシル−D−ロイシル−グリ
シル−アルギニル−パラニトロアニリド、又はN−ベン
ゾイル−L−イソロイシルL−グルタミル−グリシル−
L−アルギニル−パラニトロアニリド等の公知の基質を
用いればよい。
【0021】また、残存するトロンビン活性を、第XII
I 因子存在下にフィブリンをフィブリノゲンに転換する
活性として凝固時間を測定することにより求める場合に
も、従来の公知試薬に本発明のアルカリ金属塩を前記の
濃度となるように添加して構成することができる。
I 因子存在下にフィブリンをフィブリノゲンに転換する
活性として凝固時間を測定することにより求める場合に
も、従来の公知試薬に本発明のアルカリ金属塩を前記の
濃度となるように添加して構成することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
これらは本発明を限定するものではない。実施例 (1)試薬の調製 以下の第一試薬及び第二試薬を調製した。 第一試薬:トロンビン0.2U/ml及びヘパリン32
U/mlを含む50mMトリス緩衝液(pH8.8)。 第二試薬:トシル−グリシル−プロリル−アルギニル−
パラニトロアニリド2mM水溶液。
これらは本発明を限定するものではない。実施例 (1)試薬の調製 以下の第一試薬及び第二試薬を調製した。 第一試薬:トロンビン0.2U/ml及びヘパリン32
U/mlを含む50mMトリス緩衝液(pH8.8)。 第二試薬:トシル−グリシル−プロリル−アルギニル−
パラニトロアニリド2mM水溶液。
【0023】(2)操作 前記(1)で調製した第一試薬に種々のアルカリ金属塩
を種々の濃度で添加してアルカリ金属塩含有第一試薬を
調製した。それらのアルカリ金属塩含有第一試薬260
μlに、検体としての血漿若しくは精製ATIII 標準品
(ヤトロン社、ATIII :100%)を生理食塩水で2
1倍に希釈して調製した希釈液3μl、又は生理食塩水
(ATIII :0%)3μlを混合し、37℃で5分間イ
ンキュベートした。次いで、前記(1)で調製した第二
試薬40μlを添加して、波長405nmにおける10
分間の吸光度変化を比色計で測定した。トロンビン活性
は、405nmにおける1分間当たりの吸光度変化で表
される(△Abs/min)。そしてトロンビン阻害活
性を以下の式から求めた。 トロンビン阻害活性=全トロンビン活性−残存トロンビ
ン活性 なお、全トロンビン活性は、アルカリ金属塩含有第一試
薬に生理食塩水を添加して測定し、残存トロンビン活性
は、アルカリ金属塩含有第一試薬に精製ATIII 希釈液
〔後記(3)〕又は検体血漿希釈液〔後記(4)〕を添
加して測定した。検量線は、縦軸にトロンビン阻害活
性、横軸にATIII 濃度をとり、実測値をプロットする
ことにより求めた。 (3)結果(ATIII によるトロンビン阻害活性) 精製ATIII (濃度100%)を用いて測定した、AT
III によるトロンビン阻害活性の結果を図1〜図8の●
(及び実線:−●−)に示す。図1〜図8は、第一試薬
に添加した各種アルカリ金属塩の濃度(横軸)と、残存
トロンビン活性(縦軸)の関係を示したものである。
を種々の濃度で添加してアルカリ金属塩含有第一試薬を
調製した。それらのアルカリ金属塩含有第一試薬260
μlに、検体としての血漿若しくは精製ATIII 標準品
(ヤトロン社、ATIII :100%)を生理食塩水で2
1倍に希釈して調製した希釈液3μl、又は生理食塩水
(ATIII :0%)3μlを混合し、37℃で5分間イ
ンキュベートした。次いで、前記(1)で調製した第二
試薬40μlを添加して、波長405nmにおける10
分間の吸光度変化を比色計で測定した。トロンビン活性
は、405nmにおける1分間当たりの吸光度変化で表
される(△Abs/min)。そしてトロンビン阻害活
性を以下の式から求めた。 トロンビン阻害活性=全トロンビン活性−残存トロンビ
ン活性 なお、全トロンビン活性は、アルカリ金属塩含有第一試
薬に生理食塩水を添加して測定し、残存トロンビン活性
は、アルカリ金属塩含有第一試薬に精製ATIII 希釈液
〔後記(3)〕又は検体血漿希釈液〔後記(4)〕を添
加して測定した。検量線は、縦軸にトロンビン阻害活
性、横軸にATIII 濃度をとり、実測値をプロットする
ことにより求めた。 (3)結果(ATIII によるトロンビン阻害活性) 精製ATIII (濃度100%)を用いて測定した、AT
III によるトロンビン阻害活性の結果を図1〜図8の●
(及び実線:−●−)に示す。図1〜図8は、第一試薬
に添加した各種アルカリ金属塩の濃度(横軸)と、残存
トロンビン活性(縦軸)の関係を示したものである。
【0024】(4)ヘパリンコファクターIIの干渉 健常人血漿からヘパリンコファクターIIを常法で分離し
精製した。即ち、血漿を硫安塩析した後、ヘパリンセフ
ァロースアフィニティーカラムで処理し、ヘパリンコフ
ァクターIIの標品を得た。HCIIの濃度は、公知の方
法、即ち、ATIII 測定系に用いるヘパリンの代わり
に、デルマタン硫酸を用いたHCII測定方法により求め
た。健常人HCII濃度の平均値を100%と定義し、先
に得たHCII標品の濃度をこの100%となるように調
整した。こうして調製されたHCIIを、前記の検体とし
ての血漿に代えて用いること以外は前記(2)と同様の
操作を用い、その吸光度変化からトロンビン阻害活性を
求めた。結果を図1〜図8の▲(及び波線:−−▲−
−)で示す。更に、その結果から、前記検量線より、濃
度100%のヘパリンコファクターIIをアンチトロンビ
ンIII として誤って検出される値を求めた。結果を図9
〜図16に示す。図9〜16に示したいずれの場合にお
いても、アルカリ金属塩濃度の増加に伴って、ヘパリン
コファクターIIがアンチトロンビンIII として誤って検
出される値が減少することが確認される。従って、本発
明方法によれば、被検試料中のアンチトロンビンIII 活
性を正確に測定することができることが分かる。
精製した。即ち、血漿を硫安塩析した後、ヘパリンセフ
ァロースアフィニティーカラムで処理し、ヘパリンコフ
ァクターIIの標品を得た。HCIIの濃度は、公知の方
法、即ち、ATIII 測定系に用いるヘパリンの代わり
に、デルマタン硫酸を用いたHCII測定方法により求め
た。健常人HCII濃度の平均値を100%と定義し、先
に得たHCII標品の濃度をこの100%となるように調
整した。こうして調製されたHCIIを、前記の検体とし
ての血漿に代えて用いること以外は前記(2)と同様の
操作を用い、その吸光度変化からトロンビン阻害活性を
求めた。結果を図1〜図8の▲(及び波線:−−▲−
−)で示す。更に、その結果から、前記検量線より、濃
度100%のヘパリンコファクターIIをアンチトロンビ
ンIII として誤って検出される値を求めた。結果を図9
〜図16に示す。図9〜16に示したいずれの場合にお
いても、アルカリ金属塩濃度の増加に伴って、ヘパリン
コファクターIIがアンチトロンビンIII として誤って検
出される値が減少することが確認される。従って、本発
明方法によれば、被検試料中のアンチトロンビンIII 活
性を正確に測定することができることが分かる。
【図1】塩化ナトリウム存在下での、ATIII 及びHC
IIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフであ
る。
IIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフであ
る。
【図2】ヨウ化ナトリウム存在下での、ATIII 及びH
CIIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフであ
る。
CIIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフであ
る。
【図3】臭化ナトリウム存在下での、ATIII 及びHC
IIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフであ
る。
IIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフであ
る。
【図4】硫酸ナトリウム存在下での、ATIII 及びHC
IIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフであ
る。
IIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフであ
る。
【図5】塩化カリウム存在下での、ATIII 及びHCII
によるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフである。
によるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフである。
【図6】臭化カリウム存在下での、ATIII 及びHCII
によるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフである。
によるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフである。
【図7】リン酸二水素カリウム存在下での、ATIII 及
びHCIIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフ
である。
びHCIIによるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフ
である。
【図8】塩化リチウム存在下での、ATIII 及びHCII
によるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフである。
によるトロンビン阻害活性の変化を示すグラフである。
【図9】塩化ナトリウム存在下で、ATIII による阻害
活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン阻
害活性の変化を示すグラフである。
活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン阻
害活性の変化を示すグラフである。
【図10】ヨウ化ナトリウム存在下で、ATIII による
阻害活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビ
ン阻害活性の変化を示すグラフである。
阻害活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビ
ン阻害活性の変化を示すグラフである。
【図11】臭化ナトリウム存在下で、ATIII による阻
害活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン
阻害活性の変化を示すグラフである。
害活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン
阻害活性の変化を示すグラフである。
【図12】硫酸化ナトリウム存在下で、ATIII による
阻害活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビ
ン阻害活性の変化を示すグラフである。
阻害活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビ
ン阻害活性の変化を示すグラフである。
【図13】塩化カリウム存在下で、ATIII による阻害
活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン阻
害活性の変化を示すグラフである。
活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン阻
害活性の変化を示すグラフである。
【図14】臭化カリウム存在下で、ATIII による阻害
活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン阻
害活性の変化を示すグラフである。
活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン阻
害活性の変化を示すグラフである。
【図15】リン酸二水素カリウム存在下で、ATIII に
よる阻害活性として誤って測定されるHCIIによるトロ
ンビン阻害活性の変化を示すグラフである。
よる阻害活性として誤って測定されるHCIIによるトロ
ンビン阻害活性の変化を示すグラフである。
【図16】塩化リチウム存在下で、ATIII による阻害
活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン阻
害活性の変化を示すグラフである。
活性として誤って測定されるHCIIによるトロンビン阻
害活性の変化を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 アンチトロンビンIII を含む被検試料に
ヘパリン及びセリンプロテアーゼを添加して複合体を形
成させた後、残存するセリンプロテアーゼ活性を検出す
ることから被検試料中のアンチトロンビンIII 活性を測
定する方法において、上記複合体を形成させる反応前又
は反応時にアルカリ金属塩を共存させることを特徴とす
る、アンチトロンビンIII 活性測定方法。 - 【請求項2】 セリンプロテアーゼがトロンビンである
請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 アルカリ金属塩がナトリウム塩、カリウ
ム塩及びリチウム塩からなる群から選択される少なくと
も1種の塩である請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 ヘパリン及びセリンプロテアーゼを含む
アンチトロンビンIII 測定用試薬に、更にアルカリ金属
塩を含有させることを特徴とするアンチトロンビンIII
活性測定用試薬。 - 【請求項5】 セリンプロテアーゼがトロンビンである
請求項4に記載の試薬。 - 【請求項6】 アルカリ金属塩がナトリウム塩、カリウ
ム塩及びリチウム塩からなる群から選択される少なくと
も1種の塩である請求項4又は5に記載の試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11438694A JPH07289294A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | アンチトロンビンiii 活性測定方法及び測定用試薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11438694A JPH07289294A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | アンチトロンビンiii 活性測定方法及び測定用試薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07289294A true JPH07289294A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=14636381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11438694A Pending JPH07289294A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | アンチトロンビンiii 活性測定方法及び測定用試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07289294A (ja) |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP11438694A patent/JPH07289294A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040831 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041101 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041130 |