JPH07287071A - マイクロ波検査方法およびその装置 - Google Patents

マイクロ波検査方法およびその装置

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JPH07287071A
JPH07287071A JP7888594A JP7888594A JPH07287071A JP H07287071 A JPH07287071 A JP H07287071A JP 7888594 A JP7888594 A JP 7888594A JP 7888594 A JP7888594 A JP 7888594A JP H07287071 A JPH07287071 A JP H07287071A
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JP
Japan
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wave
electromagnetic wave
circularly polarized
antenna
inspected
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Application number
JP7888594A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Hanabusa
秀行 花房
Mikio Takuma
幹雄 琢磨
Mitsunari Moritomo
三成 守友
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Original Assignee
HEWTEC KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、容器内に収納される被検出対
象物を、容器を破壊したり、または、容器内に収納され
た内容物を変質させたり、或いは被検出対象物に磁気マ
ーキングを必要とすることなく、そして、被検出対象物
の重量の大小に拘らず検出できるマイクロ波検査方法を
得ることにある。 【構成】送波用のアンテナ22b から放射されるマイクロ
波の波長の平行波電磁波をもとに円偏波発生器16で形成
した円偏波を、その伝搬軸上に配置される被検査物5 に
照射する。被検査物5 に向かう前記円偏波の進行波と前
記被検査物5 側で反射された前記円偏波の反射波との相
互干渉により、回転する円偏波定在波を前記伝搬軸上に
形成する。この定在波の電力を前記伝搬軸上であってア
ンテナ22bを境に円偏波発生器16とは反対側で検出し
て、被検査物5 内の能書き書4 を検知をすることを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば薬が収納された
包装箱内の能書き紙の有無、アンプル内の薬液量の有
無、薬剤収納容器内の薬剤の有無、各種容器内の内容物
の充填量の過不足、包装箱内の内容物の有無および欠
損、ケース内硝子材料の欠落等を、マイクロ波を検出媒
体として非接触でかつ非破壊検査する検査方法およびこ
の方法を実施する検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において例えば包装箱等容器内に収
納される内容物の有無を検出する技術としては、ウェイ
トチェッカーと称される重量計を用いることが一般的で
あり、この他に、放射線または超音波を照射して検出を
行う検査装置が知られている。また、特殊な例として、
内容物に対して磁気インクを用いた印刷によるマーキン
グを施して、磁気センサにより内容物の有無を検出する
ことも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、重量計を用い
るものでは、被検出対象物の重量が重い場合には適する
が、例えば薬の薬効および用法を記した能書き紙等によ
うな極めて軽い被検出対象物については、その重量が容
器を含めた被検査物全体の重量のばらつき範囲に含まれ
てしまい易いので、その検出ができなかった。
【0004】また、放射線を検出媒体として用いるもの
では、特別な設備およびその取扱いに公的資格者を必要
とするだけではなく、容器内の内容物が放射線を浴びて
変質する恐れが高く、特に、厳格な安全性が要求される
薬品を内容物とした被検査物に対する検査方法として
は、全く不適当であった。
【0005】さらに、超音波を検出媒体として用いるも
のでは、超音波検査自体が接触法で行われるために、そ
の超音波プローブを前記能書き紙等の被検出対象物に接
触させる必要がある。したがって、包装箱内に収納され
る前記能書き紙等の有無を検出することはできなかっ
た。
【0006】また、磁気インクを用いる場合には、包装
箱内に収納される前記能書き紙等の有無を検出できる
が、磁気インクは極めて高価であるため、コスト面から
みて、この磁気検査法の実用性は極めて乏しいものであ
る。
【0007】本発明の第1の目的は、容器内に収納され
る被検出対象物を、容器を破壊したり、または、容器内
に収納された内容物を変質させたり、或いは被検出対象
物に磁気マーキングを必要とすることなく、そして、被
検出対象物の重量の大小に拘らず検出できるマイクロ波
検査方法を得ることにある。
【0008】また、本発明の第2の目的は、容器内に収
納される被検出対象物を、容器を破壊したり、或いは容
器内に収納された内容物を変質させたり、または被検出
対象物に磁気マーキングを必要とすることなく、そし
て、被検出対象物の重量の大小に拘らず検出できるとと
もに、小形で使い勝手がよいマイクロ波検査装置を得る
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、本発明の請求項1に係るマイクロ波検査方法
は、送波用のアンテナから放射されるマイクロ波の波長
の平行波電磁波をもとに円偏波発生器で形成した円偏波
を、その伝搬軸上に配置される被検査物に照射して、こ
の被検査物に向かう前記円偏波の進行波と前記被検査物
側で反射された前記円偏波の反射波との相互干渉による
円偏波定在波を前記伝搬軸上に形成し、この定在波の電
力を前記伝搬軸上であって前記アンテナを境に前記円偏
波発生器とは反対側で測定して、前記被検査物内の被検
出対象物を検知することを特徴とするものである。
【0010】また、前記第2の目的を達成するために、
本発明の請求項2に係るマイクロ波検査装置は、送波用
のアンテナを有し、このアンテナからマイクロ波の波長
の電磁波を平行波電磁波として放射する電磁波発生器、
および前記アンテナが挿入された送波箱を有する電磁波
放射ユニットと、前記電磁波の伝搬軸上に位置して前記
送波箱の一端部に連結され、前記伝搬軸上に置かれる被
検査物に対向する円偏波発生器と、前記電磁波の伝搬軸
上に位置される電磁波センサを有し、前記円偏波発生器
との間に前記送波箱を挟んで前記送波箱の他端部に連結
された電磁波受信ユニットと、電磁波不透過材料で形成
されて前記アンテナと前記電磁波センサとの間に設けら
れるとともに、前記電磁波受信ユニット側から見たとき
に前記アンテナに対し投影的に交差する位置関係に設け
られる定在波通過スリットを有した仕切り壁とを具備し
た仕切り壁とを具備したものである。
【0011】
【作用】前記請求項1の検査方法において、アンテナか
ら放射されるマイクロ波は、前記アンテナに平行な電磁
波(平行波電磁波)となって伝搬し円偏波発生器に供給
される、そして、この発生器により回転する円偏波とさ
れて、円偏波発生器から前記電磁波の伝搬軸上に配置し
た被検査物に照射される。
【0012】そうすると、被検査物側において、この被
検査物に供給された進行波円偏波の少なくとも一部が被
検査物内の電磁波反射性の内蔵物、または必要により被
検査物外にこの検査物を透過した電磁波(進行波円偏
波)を受けるように別途用意される電磁波反射体によっ
て反射される。この反射された反射波円偏波と前記進行
波円偏波とは、相互に干渉して前記伝搬軸上に、この軸
を中心に回転される円偏波定在波を形成する。この定在
波は容器内に被検出対象物が内蔵された被検査物の誘電
体材料でできている部分を透過するので、この誘電体材
料の量に応じて円偏波定在波は、その位相がシフトされ
るとともに減衰する。
【0013】次に、この円偏波定在波の電力を、前記伝
搬軸上であってアンテナを境に円偏波発生器とは反対側
で測定する。この測定において、被検査対象物の有無等
により異なる誘電体材料の量に応じた円偏波定在波の電
力が測定され、この測定に基づき例えば被検出対象物の
有無や過不足等の弁別ができる。
【0014】以上のようなマイクロ波検査方法において
は、進行波円偏波の伝搬軸と反射波円偏波の伝搬軸とが
同じで、この一つの伝搬軸上において形成される最も強
力な円偏波定在波を測定するので、円偏波定在波の位相
差ないしは減衰量を測定し易い。
【0015】前記請求項2の検査装置において、電磁波
放射ユニットは、その電磁波発生器のアンテナからマイ
クロ波の波長の電磁波を前記アンテナと平行な進行波
(平行波電磁波)として放射する。円偏波発生器は、こ
れに入射された平行波電磁波を回転する円偏波(90゜の
位相差を保って、互いに直角に交わった等しい振幅の電
磁界を合成してなる合成電磁界で形成される偏波)を形
成し、この円偏波を前記発生器の先端と対向して前記電
磁波の伝搬軸上に配置される被検査物に対して進行波と
して照射する。
【0016】仕切り壁は、アンテナから電磁波受信ユニ
ット方向に向かう平行波電磁波を遮り、その定在波通過
スリットは、これとアンテナとがなす交差角度に適合し
た円偏波定在波の一部のみを通過させる。また、電磁波
受信ユニットは、前記電磁波の伝搬軸上に配置される電
磁波センサで、定在波通過スリットを通過した円偏波定
在波を受信して、この定在波の電力を検出する。
【0017】そのため、アンテナから送波箱内に放射さ
れた平行波電磁波は、円偏波発生器には供給されるが、
アンテナと電磁波受信スリットとが投影的に交差する関
係に配置されていることにより、電磁波受信ユニットに
向かった平行波電磁波は、電磁波受信スリットを通過す
ることなく仕切り壁により遮られる。したがって、電磁
波受信ユニット内の電磁波センサが前記平行波電磁波を
受信することはない。そして、円偏波発生器において回
転する円偏波となった電磁波は、この円偏波発生器から
前記電磁波の伝搬軸上に配置される被検査物に対し進行
波円偏波として照射される。
【0018】そうすると、被検査物側において、この被
検査物に照射された進行波円偏波の少なくとも一部が被
検査物内の電磁波反射性の内蔵物、または必要により被
検査物外にこの検査物を透過した電磁波(進行波円偏
波)を受けるように別途用意される電磁波反射体によっ
て反射される。
【0019】この反射された反射波円偏波は円偏波発生
器を通って電磁波受信ユニット方向に伝搬するから、こ
れと前記進行波円偏波とは、相互に干渉して前記伝搬軸
上にこの軸を中心に回転される円偏波定在波を形成す
る。この定在波は、容器内に被検出対象物が内蔵された
被検査物の誘電体材料でできている部分を透過する。そ
れにより、この円偏波定在波は、その位相がシフトされ
るとともに、減衰する。この位相シフトおよび減衰量は
円偏波定在波が透過する誘電体材料の量より異なり、こ
れらの変化量は誘電体材料の量が多い程大である。
【0020】そして、仕切り壁の定在波通過スリットの
角度に適合する円偏波定在波の一部は、前記スリットを
通って電磁波受信ユニット内に到達し、ここにおいて電
磁波センサにより円偏波定在波の電力が検出される。こ
の検出では、被検査対象物の有無等により異なる誘電体
材料の量に応じた円偏波定在波の電力が測定されるの
で、被検出対象物の有無や過不足等の弁別ができる。
【0021】その上、このマイクロ波測定装置は、円偏
波定在波を利用し、かつ、この定在波のみを通過させア
ンテナから放射される平行波電磁波を遮る仕切り壁との
組合わせにより、一つの電磁波伝搬軸上に電磁波放射ユ
ニット、円偏波発生器、電磁波受信ユニット、および仕
切り壁を一列に並べて配置できる。このような一軸構成
により、電磁波放射ユニットと電磁波受信ユニットとの
相互位置を容易に設定でき、装置を設置する際に微妙な
調整作業を必要とすることがない。しかも、前記一軸構
成に伴い最も強力な円偏波定在波の電力を検出できる。
【0022】
【実施例】以下、図1〜図10を参照して本発明の一実
施例を説明する。図1は本発明の一実施例に係るマイク
ロ波検査方法を実施するマイクロ波検査装置全体の構成
を概略的に示す図であって、この装置は、図2に示され
る被検査物5に内蔵される能書き紙4の有無検出に使用
されるインナーセンサー装置である。
【0023】被検査物5は、誘電体材料である紙等によ
り形成された包装箱1(すなわち容器)の内部に、誘電
体材料製の薬品2を収納した薬品収納体3を内蔵すると
ともに、前記薬品2の用法および薬効等が通常インキに
より記載された能書き紙4(これは被検出対象物であっ
て、誘電体材料からなる。)を内蔵した構成である。薬
品収納体3は被外線から薬品2を保護するためにアルミ
ニューム箔がラミネートされたものであって、そのラミ
ネート層により電磁波反射性を有している。
【0024】このマイクロ波検査装置は、被検査物セッ
ト手段としての搬送コンベア6と、位置センサ7と、マ
イクロ波センサ8と、センサ支持手段9と、被検査物セ
ンサ11と、弁別手段12とを備えている。
【0025】搬送コンベア6は、互いに離間して同じ高
さ位置に配設された駆動ローラ6aと、被動ローラ6b
と、これら両ローラ6a、6b間に配置された少なくと
も1個の中間ローラ6cとに渡って無端のコンベアベル
ト6dを巻き掛けて形成されている。このコンベアベル
ト6dの上部は駆動ローラ6aと被動ローラ6bとの間
に渡って水平に張り渡され、その上面に図示しない材料
供給装置により一定間隔で供給される被検査物5を載せ
て、この被検査物5を図1中矢印方向に搬送する。コン
ベアベルト6dはネオプレンゴムのような合成ゴム等の
誘電体材料で形成され、被検査物5の重量に耐えてこれ
を上下動なく支持できる強度を有している。
【0026】位置センサ7には例えばロータリーエンコ
ーダが使用され、これは、例えば駆動ローラ6aのロー
ラ軸に接して、このローラ6aの回転情報、言い換えれ
ば、搬送コンベア6による被検査物5の搬送情報を検出
する。
【0027】図2に示されるようにマイクロ波センサ8
は、電磁波放射ユニット15と、円偏波発生器16と、
電磁波受信ユニット17と、仕切り壁18とを具備して
いる。
【0028】電磁波放射ユニット15は、空洞共振型の
送波箱21に電磁波発生器22を取付けて形成されてい
る。図7等に示されるように送波箱21は、矩形断面の
通孔23aを有した略角筒状の箱本体23の両端に、こ
の本体23の軸方向に対して直交する方向に沿って外側
に張り出す接続フランジ24、25を一体に設けるとと
もに、フランジ24側一端に通孔23aの上端開口を取
囲む嵌合凸部26を設けて形成されている。箱本体23
の互いに平行な壁の内の一方には、電磁波発生22の位
置決め用の凹み27、28が設けられているとともに、
凹み27と通孔23aとを連通するアンテナ通孔29が
設けられている。
【0029】図2および図3に示されるように電磁波発
生器22は、電磁波発生部22aとロッドアンテナ22
bとを備えている。この発生器22は、波長約1m以下
のマイクロ波、その中でも波長1〜10mmの電磁波、例え
ば10GHz(または50GHzでもよい。)のミリメ
ートル波の波長の電磁波を発生するミリメートル波発生
器である。特に、ミリメートル波を用いることは、その
波長の長さが短いので装置をより小形にする上で有効で
ある。この電磁波発生器22は、その電磁波発生部22
aを送波箱21の前記一方の壁の外面に位置決めしてね
じ止めされており、そのロッドアンテナ22bは、アン
テナ通孔29を通って箱本体23内に挿入され、この本
体23の幅方向に延びて設けられている。
【0030】円偏波発生器16は、図2および図8に示
されるように断面円形の導波管30内に薄い誘電体板3
1を設けてなる。導波管30の一端にその軸方向と直交
する方向に沿って外側に張り出されたフランジベース3
0aには、接続フランジ32が複数のねじ33で止めら
れているとともに、導波管30の他端部は次第に拡径す
るテーパ状をなすホーン部を30bなしている。このホ
ーン部30bの断面形状は正方形、矩形、円形、或いは
楕円等でもよいこの導波管30は、接続フランジ32を
前記接続フランジ25に複数のねじ34を介して連結す
ることにより、電磁波放射ユニット15の真下に設けら
れている。この連結により、電磁波放射ユニット15と
導波管30とは、送波箱21の軸線と導波管30の軸線
とを一軸(直線軸)上に連続させて互いに設けられる。
接続フランジ32はその中央部に導波管30内とを連通
する通孔32aを有している。通孔32aの大きさは導
波管30の内径に等しい。
【0031】なお、図1および図2中35は電磁波放射
ユニット15および電磁波受信ユニット17を収納する
保護用のカバーであり、これは前記ねじ34を利用して
接続フランジ25に共締めされている。したがって、図
7(C)中36はねじ34が螺合されるねじ孔を示して
いる。
【0032】誘電体板31は、導波管30内におけるホ
ーン部30bに対し図2において上側部分に、ホーン部
30b側より軸方向に沿って圧入され、導波管30内を
2分するように仕切って取付けられている。この板31
は、ABS樹脂、ナイロン系樹脂、スチアロイ(商品
名)等の誘電体材料で成形されているとともに、その両
端部に、反射を少なくするためのV字状の凹み31aを
設けて形成されている。
【0033】なお、図2においてホーン部30bより上
側部分の管内面を、ホーン部30b側程僅かに径が大き
くなるテーパ面としてもよく、このようにする場合には
誘電体板31の圧入が容易となり、その取付け作業性を
向上できる。
【0034】この円偏波発生器16は、これに電磁波放
射ユニット15から供給された平行波電磁波(直線偏
波)を回転する円偏波とする。すなわち、供給される直
線偏波は適当な長さの誘電体板31の面と45゜の角度を
なす方向に電磁波の電界の中心が向くように励振され
る。この電界はベクトル的に誘電体板31に垂直な第1
成分と、誘電体板31に平行な第2成分とに分解できる
が、そのうち第2成分に対しては電界の最大位置に誘電
体板31が入るため、この誘電体板31により第2成分
の位相を第1成分より90゜遅らせることができる。それ
により、円偏波発生器16は、前記90゜の位相差を保っ
て、互いに直角に交わった等しい振幅の電磁界(つまり
前記第1成分と第2成分)を合成してなる合成電磁界で
形成される偏波、すなわち、回転される円偏波を発生す
るものである。
【0035】なお、このような円偏波発生器16に代え
て、導波管30の半径よりも幅が小さい適当な高さ
(幅)の細長い金属板を導波管30内にその軸方向に平
行にして、導波管30の内壁面上に垂直にはりつけてな
る構成の円偏波発生器を用いてもよい。
【0036】この構成の円偏波発生器の導波管はいわゆ
るリッジ導波管と同等の機能をなすので、前記金属板の
面と45゜の角度をなす方向に電磁波の電界の中心が向く
ように励振された直線偏波の電界の分解成分のうち、ベ
クトル的に前記金属板に平行な第2成分は中心部の金属
板の先に集中し、かつ導波管の遮断周波数が低くなるの
で、それに伴い位相が遅れる。また、前記電界の分解成
分のうち、ベクトル的に前記金属板に垂直な第1成分に
ついては、逆に遮断周波数が高まるので、それに伴い位
相が進む。なお、前記遮断周波数の高低は、摂動理論に
より明らかにされている。つまり、一般に、電界の強い
所の導波管壁を内部に押すと遮断周波数が低くなり、磁
界の強い所の導波管壁面を内部に押すと遮断周波数が高
くなることに基づいている。このように第2成分が遅れ
るので、円偏波発生器の出力に円偏波を発生させること
ができる。なお、この場合においても反射を少なくする
ために前記金属板の長手方向両端に夫々段を設けるとよ
い。
【0037】前記電磁波受信ユニット17は、図3〜図
5に示されるように空洞共振型の受波箱41に電磁波セ
ンサ42を取付けて形成されている。受波箱41は、矩
形断面の通孔43aを有した略角筒状の箱本体43の両
端に、この本体43の軸方向に対して直交する方向に沿
って外側に張り出す接続フランジ44、45を一体に設
けるとともに、接続フランジ44に端板46をねじ止め
して形成されている。
【0038】図5および図6に示されるように接続フラ
ンジ45には前記嵌合凸部26と同径の嵌合凹部45a
が形成されている。そして、これら嵌合凸部26と嵌合
凹部45aとを嵌合させるとともに、互いに重なり合っ
た接続フランジ45と接続フランジ24とを複数のねじ
47(図3参照)を介して連結することにより、電磁波
受信ユニット17は電磁波放射ユニット15の真上に設
けられている。なお、図7(B)中48はねじ47が螺
合されるねじ孔を示している。
【0039】この連結により、電磁波放射ユニット15
と電磁波受信ユニット17とは、導波管30と同様に送
波箱21の軸線と受波箱41の軸線とを一軸(直線軸)
上に連続させて互いに設けられる。しかも、図3に示さ
れるように電磁波受信ユニット17は電磁波放射ユニッ
ト15に対して例えば45゜角度をずらせて取付けられて
いる。
【0040】電磁波センサ42には円柱状をなす焦電セ
ンサが使用され、これは図3〜図5に示されるように受
波箱41における通孔43aの長手方向と直角に交差す
る方向に相対向する一対の壁部間に渡って取付けられて
いる。この電磁波センサ42は前記軸線上において電磁
波の波面に平行に配置されていて、受信した電磁波の電
力を検知する。
【0041】前記仕切り壁18は、前記ロッドアンテナ
22bと電磁波センサ42との間に位置して設けられて
いる。たとえば、嵌合凹部45aに挿入されて受波箱4
1の接続フランジ45側開口を塞ぐようにして、このフ
ランジ45に複数のねじ49で取付けられている。な
お、図7(B)中26aはねじ49を逃げるため嵌合凸
部26の外周部に形成された凹溝である。また、仕切り
壁18は受波箱41ではなく送波箱21に取付けてもよ
い。
【0042】この仕切り壁18の中央部には定在波通過
スリット50が設けられている。このスリット50は、
例えば幅3mm、長さ15mmの矩形孔で形成されるが、これ
に限らず同様な寸法の楕円孔または長円孔等の長孔で形
成してもよい。定在波通過スリット50は図4等に示さ
れるように受波箱41における通孔43aの長手方向と
直角に交差する方向に延びて設けられている。したがっ
て、定在波通過スリット50と電磁波センサ42とは図
4および図6等に示されるように上下に対向し、かつ互
いに平行に設けられている。そのため、図3および図6
に示されるように電磁波受信ユニット17側から見たと
きに定在波通過スリット50は、45゜の交差角度θでロ
ッドアンテナ22bに投影的に交差している。なお、こ
の交差角度θは45゜に制約されるものではなく、(45゜
±30゜)の範囲で任意に設定できる。
【0043】なお、前記構成のマイクロ波センサ8にお
いて、送波箱21、導波管30、受波箱41、および仕
切り壁18は、いずれも金属製母材に金メッキまたは銀
メッキを施してなる材料で作られている。前記母材に
は、銅、真鍮、アルミニューム合金等の金属材料その他
が用いられる。また、メッキ層は、送波箱21、導波管
30、受波箱41の少なくとも各内面、および仕切り壁
18の両面の錆び付きをなくして、これらの面での電磁
波の所定の反射特性を長期にわたり維持するために設け
られている。
【0044】また、送波箱21および受波箱41の縦横
寸法、高さ寸法と、送波箱21に対するロッドアンテナ
22bの位置、および受波箱41に対する電磁波センサ
42の位置は、夫々電磁波の波長の1/4の整数倍の大
きさであり、それにより、送波箱21および受波箱41
を空洞共振器として使用し、その共振により選択される
特定波長を増幅してS/N比の向上に大きく寄与するよ
うになっている。なお、前記電磁波の基本周波数の電力
レベルは、高調波および倍調波の電力レベルに比較して
格段に大きいので、共振させる波長は前記基本周波数と
することが望ましい。
【0045】前記センサ支持手段9はマイクロ波センサ
8を支持して、このセンサ8の被検査物5に対する位置
を調節するものである。図1に示されるようにセンサ支
持手段9は、スタンド61に粗調節用の調節ねじ62を
介して上下位置を調節される支持アーム63を取付け、
このアーム63の先端部に微調節用の調節ねじ64を介
してマイクロ波センサ8を支持するセンサ支持部65を
取付けて形成されている。支持アーム63は調節ねじ6
2を緩めることによりいスタンド61に沿って上下動可
能であり、その粗調節位置は調節ねじ62を締め付ける
ことにより固定される。センサ支持部65に支持された
マイクロ波センサ8は、調節ねじ64の右または左方向
への回転に従い上下動されるようになっている。
【0046】図1に示されるように前記被検査物センサ
11はマイクロ波センサ8のカバー35等に取付けられ
ている。このセンサ11は、搬送コンベヤ6で搬送され
る被検査物5がマイクロ波センサ8の真下にあることを
検出するものであり、反射型の光センサ等が使用され
る。
【0047】前記弁別手段12には電磁波センサ42が
受信した定在波円偏波の電力が入力される。弁別手段1
2には、被検査物5に能書き紙4が入っている場合と入
っていない場合とにおける電力を識別するしきい値が予
め入力されている。また、この弁別手段12は、例えば
定在波円偏波の電力の電圧波形からその半周期について
の最大電力値を比較データとして求める処理と、この比
較データと前記しきい値とを比較する処理とを行って、
前記能書き紙4の有無を識別する。
【0048】この弁別手段12は電子回路等で形成され
ているとともに、その出力端には図示しない外部記録装
置および表示装置が接続されて、検査結果が記録および
表示されるようになっている。また、本検査装置におい
て、能書き紙4がないことを弁別手段12が検出したと
きの出力に基づいて動作する発音器(アラーム)を備え
ることは、検査従事者への不良品の検出の確認とその後
処理を容易にする上で望ましい。
【0049】前記構成のマイクロ波検査装置(正確には
ミリメートル波検査装置)で箱内材料の有無を検出する
には、まず、被検査物5に応じた初期設定を行う。この
設定は、マイクロ波センサ8の真下に位置するように被
検査物5をコンベアベルト6d上に載置し、この状態で
被検査物5の上面に導波管30のホーン部30b先端を
当ててから、マイクロ波センサ8を動作させながらこれ
をセンサ支持手段9を操作して次第に上昇させる。
【0050】そうすると、後述のようにして形成される
円偏波定在波の電力が測定され、それが弁別手段12の
出力としてオシロスコープやモニタパネル等の表示装置
にあらわされるので、それを見て、このセンサ8の感度
が最も大きい位置、すなわち、図9の点線で示される円
偏波定在波の電力レベルと導波管30の先端から被検査
物5内の能書き書4までの距離との関係から明らかなよ
うに円偏波定在波(このピッチは15mm/10GHzの
波長ピッチである。)のピッチ波形のピーク点に合わせ
て調整する。この調整寸法は図2中寸法Aで示される。
【0051】なお、前記ピッチ波形のピークは被検査物
5から離れる程小さくなるので、被検査物5により近い
側の第1ピークP1または第2ピークP2に合わせてマイク
ロ波センサ8を配置することが、測定の信頼性をより高
める上で好ましい。また、前記初期設定において使用す
る被検査物5には、予め能書き書4を抜いて作られたも
のを採用してもよい(なお、この場合における円偏波定
在波のピッチ波形は図9中実線で示される。)。
【0052】前記初期設定の後において、搬送コンベア
6を駆動するとともに、このコンベア6上に被検査物5
を次々に供給して、これらがマイクロ波センサ8の真下
に対向位置されている間に、このセンサ8により以下の
検出を行う。
【0053】すなわち、電磁波発生器22で発生された
ミリメートル波の波長の電磁波は、そのロッドアンテナ
22bから、このアンテナ22bの軸方向に平行な電磁
波(平行波電磁波)として被検査物5に向けて放射され
るとともに、電磁波受信ユニット17方向にも放射され
る。なお、この放射において、電磁波のうち電圧エネル
ギーが大きい基本周波数の電磁波成分が送波箱21で共
振させて放射されるとともに、他の周波数成分が漏波さ
れるので、前記平行波電磁波の振幅を大きくでき、すな
わち、増幅できる。
【0054】ところで、ロッドアンテナ22bと電磁波
センサ42との間に介在された仕切り壁18の電磁波受
信スリット50とロッドアンテナ22bとは、図3に示
されるように投影的に45゜交差する位置関係に配置され
ているから、電磁波受信ユニット17に向かった平行波
電磁波は、電磁波受信スリット50を通過することなく
仕切り壁18により遮られる。
【0055】そのため、ロッドアンテナ22bの真上に
接近して電磁波受信ユニット17が配設されているにも
拘らず、その電磁波センサ42が前記平行波電磁波を受
信することはない。なお、前記スリット50が方形や真
円の場合や交差角度θがなく前記スリット50とロッド
アンテナ22bとが平行な場合には、このロッドアンテ
ナ22bから放射される平行波電磁波がスリット50を
通過して電磁波センサ42に受信され、それにより検査
が不能となる。
【0056】これに対して、ロッドアンテナ22bから
下方に伝搬される平行波電磁波は、円偏波発生器22の
上端の通孔32aを通って導波管30内に供給される。
それにより、この導波管30内において既述の円偏波発
生原理により、前記平行波電磁波が例えば右回りに回転
される正の円偏波に変換され、この円偏波電磁波は、円
偏波発生器22の導波管30の先端から前記円偏波電磁
波の伝搬軸上に位置された被検査物5に対し進行波円偏
波として照射される。
【0057】そうすると、この進行波円偏波は被検査物
5の包装箱1の上壁および能書き書4を透過して、この
能書き書4の下側に接近して位置される最も上位置の薬
品収納体3に入射する。この最上位の薬品収納体3には
アルムニューム箔がラミネートされているので、この収
納体3を節として進行波円偏波が正反射される。こうし
て反射された円偏波(反射波円偏波)は、再び能書き書
4および包装箱1の上壁を透過してマイクロ波センサ8
に向けて伝搬し、そして、導波管30および送波箱21
を通って電磁波受信ユニット17方向に伝搬する。
【0058】このようにして前記円偏波が前記最も上位
置の薬品収納体3を節点として1往復されるので、電磁
波放射ユニット15から被検査物5伝搬する進行波円偏
波と、被検査物5から電磁波放射ユニット17に向かっ
て伝搬する反射波円偏波とが相互に干渉する。それによ
り、前記円偏波の伝搬軸上にこの軸を中心に回転される
円偏波定在波が形成される。
【0059】この場合に、進行或いは反射される円偏波
定在波は既述のように被検査物5の誘電体材料でできて
いる部分を透過するので、この定在波は、その位相がシ
フトされるとともに減衰する。この位相のシフト量Eお
よび減衰量Fは、円偏波定在波が透過する誘電体材料の
量より異なる。すなわち、包装箱1内に能書き紙4があ
る場合には、被検査物5全体の誘電体材料の分子の量が
大きいから、前記位相のシフト量Eおよび減衰量Fが大
きく、また、逆に、包装箱1内に能書き紙4がない場合
には前記位相のシフト量Eおよび減衰量Fが小さい。そ
して、この円偏波定在波は電磁波放射ユニット17の電
磁波センサ42に到達し受信される。
【0060】すなわち、仕切り壁18の定在波通過スリ
ット50は、ロッドアンテナ22bに対して図3に示さ
れるように投影的に45゜交差して設けられているから、
この交差角度θに適合した円偏波定在波の一部が、前記
スリット50を通って電磁波受信ユニット17内に到達
し、ここにおいて電磁波センサ42により円偏波定在波
の電力が検出される。なお、電磁波受信ユニット17の
受波箱41においても、そこでの共振作用により送波箱
21と同様に特定周波数の円偏波定在波を選択してその
振幅を大きく(すなわち、増幅)でき、それが電磁波セ
ンサ42で受信される。
【0061】ちなみに、図10(A)に包装箱1内に能
書き紙4がある場合における電磁波センサ42の出力波
形を示し、図10(B)に包装箱1内に能書き紙4がな
い場合における電磁波センサ42の出力波形を示す。こ
れら波形図から分かるように包装箱1内に能書き紙4が
ない場合の被検査物5の方が円偏波定在波の電力レベル
は、包装箱1内に能書き紙4がある場合よりも各段に大
きい。すなわち、電磁波センサ42での受信感度(S/
N比)は大きい。
【0062】なお、これらの波形図において夫々併記し
た方形波は被検査物センサ9の出力である。これら波形
図から分かるように被検査物5の搬送方向先端が被検査
物センサ9で検出された直後においては、前記搬送方向
先端に起因する干渉波が出力波形に重畳され、同様に被
検査物5の搬送方向終端が被検査物センサ9で検出され
た直後においては、前記搬送方向終端に起因する干渉波
が出力波形に重畳される。
【0063】以上のような検出により、被検査対象物、
つまり能書き書4の有無等により異なる誘電体材料の量
に応じた円偏波定在波の電力が検出され、この検出され
た電力は弁別手段12に供給される。そして、弁別手段
12は、電磁波受信ユニット17が受信した円偏波定在
波の電力の値が、包装箱1内に能書き紙4がある場合の
電力値に対応するものであるのか、或いは包装箱1内に
能書き紙4がない場合の電力値に対応するものであるの
かを弁別する。
【0064】したがって、以上の検査においては、検査
装置を動作させて、そのコンベヤベルト6d上に被検査
物5を置くだけで、この被検査物5の包装箱1内に能書
き紙4が入っているかどうかを検出できる。そして、以
上の検査によれば、重量変化を利用したり、超音波を用
いたり、或いは高価な磁気インクおよび磁気センサを用
いたりすることなく、包装箱1内の能書き紙4の有無
を、包装箱1を破壊することなく非接触で検出できる。
また、放射線を用いる必要もないので、専門の取扱い主
任技術者や設備および行政官庁への届出が不要であるば
かりでなく、包装箱1内の薬品2を変質させる心配がな
く実施できる。
【0065】その上、このマイクロ波測定装置は、円偏
波定在波を利用し、かつ、この定在波のみを通過させア
ンテナ22bから放射される平行波電磁波を遮る仕切り
壁18との組合わせにより、一つの電磁波伝搬軸上に電
磁波放射ユニット15と、円偏波発生器16と、電磁波
受信ユニット17と、仕切り壁18とを一列に並べて配
置できる。このような一軸構成により、電磁波放射ユニ
ット15と電磁波受信ユニット17との相互位置を容易
に設定でき、装置を設置する際に微妙な調整作業を必要
とすることがない。そのため、この装置を設置する上で
の取扱いを容易にできる。しかも、前記一軸構成に伴い
最も強力な円偏波定在波の電力を検出できる。そのた
め、円偏波定在波の位相差ないしは減衰量を検出し易
い。
【0066】図11(A)(B)は前記一実施例のマイ
クロ波検査装置で検査される他の被検査物105を示し
ている。この検査物105は、誘電体である紙製の包装
箱(容器)内に、薬液などの液体が収納された複数本の
誘電体であるガラス瓶103を一列に並べて収納し、こ
れらガラス瓶103が備える金属製キャップ103a上
に渡る能書き書104を収納して形成されている。
【0067】このような被検査物105についての検査
手順は前記一実施例と同じである。しかし、この場合、
進行波円偏波を反射する金属製キャップ103aが互い
に接するように隣接されていることにより、電磁波セン
サが出力する電圧波形は図12に示すように各金属製キ
ャップ103aに対応するピークが連続する波形とな
る。
【0068】そこで、弁別手段での弁別においては、検
査レンジ選択回路により図12に示された前記電圧波形
の前端部と後端部とを排除(図12中aは前端部排除領
域を示し、bは後端部排除領域を示す。)して、被検査
物105の搬送方向先端と終端との干渉波の影響を排除
する。また、ハイカット回路により図12に示された前
記電圧波形における所定高電圧レベルc以上のピーク領
域を排除し、かつローカット回路により図12に示され
た前記出力波形における所定低電圧レベルd以下の低電
圧領域を排除する。そして、図12中斜線を付して示す
領域についての面積を面積算出回路での演算で求めた
後、その面積値を予め弁別手段に設定された基準の面積
値と比較回路で比較して、能書き書4の有無を判定す
る。このようにして前記電圧波形のばらつきの影響を少
なくするとともに、能書き書4の有無を面積値で弁別す
ることにより、その弁別の精度を高めることができる。
【0069】図13および図14は本発明の他の実施例
を示している。この他の実施例は、以下の構成のみが前
記一実施例と異なり、それ以外の構成は、図1〜図10
に示した前記一実施例のマイクロ波検査装置の構成と同
じであるので、図示されない部分の構成については図2
〜図10をもって代用するとともに、図示される同一構
成部分については前記一実施例と同一の符号を付して、
それらの構成の説明およびそれに基づく作用効果の説明
については省略するが、これら同一部分についても本実
施例の構成の一部をなすものである。
【0070】この実施例は電磁波反射体10を備えた点
でのみ前記一実施例とは異なっており、その他の構成は
前記一実施例と同じである。この反射体10はマイクロ
波センサ8の真下であってコンベアベルト6dの裏側に
対向して配置されている。電磁波反射体10は、銅、真
鍮、アルミニューム合金等の金属製母材の表面に金メッ
キまたは銀メッキを施してなり、その表面で電磁波を反
射する。この反射体10の反射面は、マイクロ波センサ
8から被検査物5に向けて供給される進行波円偏波の伝
搬軸と直交している。なお、この交差角は直角に近い角
度であっても実用上は差支えない。
【0071】このような電磁波反射体10を備えたマイ
クロ波検査装置は、誘電体材料のみからなる被検査物2
05(つまり、包装箱1および能書き書4はもとより、
薬品2とこれを収納した薬品収納体203も誘電体材料
からなる。)の能書き書4の有無を検出するのに適す
る。
【0072】この実施例に係るマイクロ波検査装置での
検査においては、導波管30の先端と反射体10との間
の距離Lが円偏波定在波の波形のピーク点に合致するよ
うに初期設定されるとともに、それ以外の検査手順は前
記一実施例と同じである。したがって、マイクロ波セン
サ8で形成された進行波円偏波が、被検査物205全体
およびコンベアベルト6bを透過し電磁波反射体10に
入射して正反射されて、再びコンベアベルト6bおよび
被検査物205全体を透過するので、進行波円偏波と反
射波円偏波との相互干渉により円偏波定在波が形成され
る。そのため、能書き書4の有無に伴う前記定在波の位
相差により、前記一実施例の場合と同じ原理により能書
き書4の有無を測定でき、本発明の初期の目的を達成で
きる。
【0073】また、この他の実施例のマイクロ波検査装
置でも図2に示した被検査物5ないの能書き書4の有無
を測定できる。但し、この場合、電磁波反射体10には
進行波円偏波が入射しないから、この反射体10は本来
の機能を発揮しない。しかし、以上のように反射体10
を備えることによって、誘電体材料のみからなる被検査
物205であっても、また、図2に示した被検査物5で
あっても、それらの内部のあるべき能書き書4の有無を
検出できるので、汎用性が高い。
【0074】なお、本発明の実施に当たり、弁別手段1
2は、前記各実施例のように誘電体材料からなる被検査
対象物の有無による円偏波定在波の位相の変化のみを利
用して検出をしたが、これに代えて、前記被検査対象物
の有無による円偏波定在波の減衰量の変化のみを利用し
て、或いはこれらを複合的に組合わせて前記被検査対象
物の有無を検出してもよい。
【0075】また、本発明は、誘電体製の容器内に少な
くとも一つの内蔵物が内蔵され、その内の一つが電磁波
反射性である被検査物にあっては、その電磁波反射性の
内蔵物(被検査対象物)が容器内にあるかどうかも、前
記各実施例のマイクロ波検査装置を用いて測定できる。
【0076】
【発明の効果】本発明は以上詳記したように構成されて
いるので、請求項1および請求項2に係るマイクロ波測
定方法および装置においては、被検査物の重量変化を利
用したり、放射線や超音波を用いたり、或いは磁気イン
クおよび磁気センサを用いたりすることなく、容器内の
被検出対象物について、その有無や過不足等の検査を、
マイクロ波を用いて非接触かつ非破壊で実施できる。
【0077】加えて、請求項2に係るマイクロ波測定装
置においては、一つの電磁波伝搬軸上に電磁波放射ユニ
ット、円偏波発生器、電磁波受信ユニット、および仕切
り壁を一列に並べて配置できるから、電磁波放射ユニッ
トと電磁波受信ユニットとの相互位置を容易に設定で
き、装置を設置する際に微妙な調整作業を必要とするこ
とがないので、この装置を設置する上での取扱いを容易
にできる。しかも、前記一軸構成に伴い最も強力な円偏
波定在波の電力を測定できるから、円偏波定在波の位相
ないしは減衰量の変化を検出し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマイクロ波検査方法を
実施するマイクロ波検査装置全体の構成を概略的に示す
図。
【図2】同一実施例に係るマイクロ波検査装置のマイク
ロ波センサの構成を被検査物とともに示す断面図。
【図3】図2中Z−Z線に沿って示すマイクロ波センサ
の要部の平面図。
【図4】同一実施例に係るマイクロ波センサの電磁波受
信ユニットの構成を示す断面図。
【図5】図4中Y−Y線に沿って示す電磁波受信ユニッ
トの断面図。
【図6】同一実施例に係るマイクロ波センサの電磁波受
信ユニットが備える受波箱の構成を示す下面図。
【図7】(A)は同一実施例に係るマイクロ波センサの
送波箱の構成を示す正面図。(B)は同一実施例に係る
マイクロ波センサの送波箱の構成を示す平面図。(C)
は同一実施例に係るマイクロ波センサの送波箱の構成を
示す下面図。(D)は同一実施例に係るマイクロ波セン
サの送波箱の構成を図7(A)中X−X線に沿って示す
断面図。
【図8】(A)は同一実施例に係るマイクロ波センサの
円偏波発生器の構成を図2中WーW線に沿って示す断面
図。(B)は図8(A)中V−V線に沿って示す円偏波
発生器の断面図。
【図9】同一実施例に係るマイクロ波センサを被検査物
から次第に遠ざけた際における電磁波センサの出力波形
を示す図。
【図10】(A)は能書き書が入っている被検査物を測
定した場合における前記電磁波センサの出力波形を、被
検査物センサの出力波形とともに示す図。(B)は能書
き書が入っていない被検査物を測定した場合における前
記電磁波センサの出力波形を、被検査物センサの出力波
形とともに示す図。
【図11】(A)は被検査物の他の例を示す縦断正面
図。(B)は図11(A)中U−U線に沿って示す横断
平面図。
【図12】図11に示した他の被検査物を測定した場合
における電磁波センサの出力波形を、被検査物センサの
出力波形とともに示す図。
【図13】本発明の他の実施例に係るマイクロ波検査方
法を実施するマイクロ波検査装置全体の構成を概略的に
示す図。
【図14】本発明の他の実施例に係るマイクロ波検査装
置のマイクロ波センサの構成を被検査物とともに示す断
面図。
【符号の説明】
1…包装箱、 2…薬品、3、
103、203…薬品収納体、 4…能書き書(被検
査対象物)、5、105、205…被検査物、 8
…マイクロ波センサ、10…電磁波反射体、
12…弁別手段、15…電磁波放射ユニット、
16…円偏波発生器、17…電磁波受信ユニッ
ト、 18…仕切り壁、21…送波箱、
22…電磁波発生器、22a…ロッド
アンテナ(アンテナ)、30…導波管、31…誘電体
板、 41…受波箱、42…電磁波
センサ、 50…定在波通過スリット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/66 C 7630−4M

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送波用のアンテナから放射されるマイクロ
    波の波長の平行波電磁波をもとに円偏波発生器で形成し
    た円偏波を、その伝搬軸上に配置される被検査物に照射
    して、この被検査物に向かう前記円偏波の進行波と前記
    被検査物側で反射された前記円偏波の反射波との相互干
    渉による円偏波定在波を前記伝搬軸上に形成し、この定
    在波の電力を前記伝搬軸上であって前記アンテナを境に
    前記円偏波発生器とは反対側で測定して、前記被検査物
    内の被検出対象物を検知することを特徴とするマイクロ
    波検査方法。
  2. 【請求項2】送波用のアンテナを有し、このアンテナか
    らマイクロ波の波長の電磁波を平行波電磁波として放射
    する電磁波発生器、および前記アンテナが挿入された送
    波箱を有する電磁波放射ユニットと、 前記電磁波の伝搬軸上に位置して前記送波箱の一端部に
    連結され、前記伝搬軸上に置かれる被検査物に対向する
    円偏波発生器と、 前記電磁波の伝搬軸上に位置される電磁波センサを有
    し、前記円偏波発生器との間に前記送波箱を挟んで前記
    送波箱の他端部に連結された電磁波受信ユニットと、 電磁波不透過材料で形成されて前記アンテナと前記電磁
    波センサとの間に設けられるとともに、前記電磁波受信
    ユニット側から見たときに前記アンテナに対し投影的に
    交差する位置関係に設けられる定在波通過スリットを有
    した仕切り壁とを具備したマイクロ波検査装置。
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