JPH07260944A - マイクロ波検査方法およびその装置 - Google Patents

マイクロ波検査方法およびその装置

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JPH07260944A
JPH07260944A JP5576494A JP5576494A JPH07260944A JP H07260944 A JPH07260944 A JP H07260944A JP 5576494 A JP5576494 A JP 5576494A JP 5576494 A JP5576494 A JP 5576494A JP H07260944 A JPH07260944 A JP H07260944A
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JP
Japan
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electromagnetic wave
wave
reflected
standing wave
inspected
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JP5576494A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Nishino
勉 西野
Mitsunari Moritomo
三成 守友
Hideyuki Hanabusa
秀行 花房
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HEWTEC KK
Original Assignee
HEWTEC KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、包装箱内に収納される能書き
紙の有無を非破壊検査により検出できるマイクロ波検査
装置を得ることにある。 【構成】ミリメートル波の波長の電磁波を放射する電磁
波放射ユニット6と、このユニットから放射される電磁
波の第1伝搬軸Aと直交して前記電磁波の放射方向に設
けた第1反射面7と、包装箱1内に能書き紙4が内蔵さ
れた被検査物5が載置されてユニット6と第1反射面と
の間に第1伝搬軸と交差して設けられる誘電体材料のセ
ット板8と、第1伝搬軸及び被検査物に対し交差して設
けられると共にセット板上の被検査物から反射される反
射電磁波の第2伝搬軸B上に配置された電磁波受信ユニ
ット9と、セット板を境に受信ユニットとは反対側に第
2伝搬軸と直交して設けた第2反射面10と、受信ユニッ
トが受信した定在波電力に基づき包装箱内の能書き紙の
有無を弁別する弁別手段11とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば薬が収納された
包装箱内の能書き紙の有無、アンプル内の薬液量の有
無、薬剤収納容器内の薬剤の有無、各種容器内の内容物
の充填量の過不足、包装箱内の内容物の有無および欠
損、ケース内硝子材料の欠落等を、マイクロ波を検出媒
体として非破壊検査する検査方法およびこの方法を実施
する検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において例えば包装箱等容器内に収
納される内容物の有無を検出する技術としては、ウェイ
トチェッカーと称される重量計を用いることが一般的で
あり、この他に、放射線または超音波を照射して検出を
行う検査装置が知られている。また、特殊な例として、
内容物に対して磁気インクを用いた印刷によるマーキン
グを施して、磁気センサにより内容物の有無を検出する
ことも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、重量計を用い
るものでは、被検出対象物の重量が重い場合には適する
が、例えば薬の薬効を記した能書き紙等にような極めて
軽い被検出対象物については、その重量が容器を含めた
被検査物全体の重量のばらつき範囲に含まれてしまうの
で、その検出ができなかった。
【0004】また、放射線を検出媒体として用いるもの
では、特別な設備およびその取扱いに特別な有資格者を
必要とするだけではなく、容器内の内容物が放射線を浴
びて変質する恐れが高く、特に、厳格な安全性が要求さ
れる薬品を内容物とした被検査物に対する検査方法とし
ては、全く不適当であった。
【0005】さらに、超音波を検出媒体として用いるも
のでは、超音波検査自体が接触法で行われるために、そ
の超音波プローブを前記能書き紙等の被検出対象物に接
触させることができない。したがって、包装箱内に収納
される前記能書き紙等の有無を検出することはできなか
った。
【0006】また、磁気インクを用いる場合には、包装
箱内に収納される前記能書き紙等の有無を検出できる
が、磁気インクは極めて高価であるため、コスト面から
みて、この磁気検査法の実用性は極めて乏しいものであ
る。
【0007】本発明の第1の目的は、容器内に収納され
る被検出対象物を、容器を破壊したり、或いは容器内に
収納された内容物を変質させたり、被検出対象物に磁気
マーキングを必要とすることなく、また、被検出対象物
の重量の大小に拘らず検出できるマイクロ波検査方法お
よびその装置を得ることにある。
【0008】また、本発明の第2の目的は、容器内に金
属とともに収納される被検査対象物の有無を、容器を破
壊したり、或いは容器内に収納された内容物を変質させ
たり、被検出対象物に磁気マーキングを必要とすること
なく、また、被検出対象物の重量の大小に拘らず検出で
きるマイクロ波検査方法およびその装置を得ることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、本発明の請求項1に係るマイクロ波検査方法
は、マイクロ波の波長の電磁波の伝搬軸に沿って形成さ
れた第1空間定在波中に、誘電体材料製の容器内に誘電
体材料製の被検出対象物が内蔵された被検査物を配置さ
せて、前記被検査物で反射された前記第1空間定在波の
電磁波による第2空間定在波を前記第1空間定在波と交
差して形成し、この第2空間定在波の電力を測定して、
前記被検出対象物を検査することを特徴とするものであ
る。
【0010】また、同様に前記第1の目的を達成するた
めに、本発明の請求項2に係るマイクロ波検査装置は、
マイクロ波の波長の電磁波を放射する電磁波放射ユニッ
トと、この放射ユニットから放射される電磁波の第1伝
搬軸と略直交して前記電磁波の放射方向に設けられた第
1反射面と、前記電磁波放射ユニットと前記第1反射面
との間に前記第1伝搬軸と交差して設けられて、誘電体
材料製の容器内に誘電体材料製の被検出対象物が内蔵さ
れた被検査物が載置される誘電体材料製の被検査物セッ
ト手段と、前記第1伝搬軸および前記被検査物に対し交
差して設けられるとともに前記被検査物セット手段上の
前記被検査物から反射される反射電磁波の第2伝搬軸上
に配置された電磁波受信ユニットと、前記第2伝搬軸と
略直交して前記被検査物セット手段を境に前記電磁波受
信ユニットとは反対側設けられた第2反射面と、前記電
磁波受信ユニットが受信した定在波電力に基づき前記被
検出対象物を弁別する弁別手段とを具備したものであ
る。
【0011】前記第2の目的を達成するために、本発明
の請求項3に係るマイクロ波検査方法は、マイクロ波の
波長の電磁波の伝搬軸に沿って形成された第1空間定在
波中に、誘電体材料製の容器内に金属およびこの金属と
前記容器との間に配置される誘電体材料製の被検出対象
物が内蔵された被検査物を配置させて、前記被検査物内
の金属で反射された前記第1空間定在波の反射電磁波の
電力を測定して、前記被検出対象物の有無を検査するこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、同様に前記第2の目的を達成するた
めに、本発明の請求項4に係るマイクロ波検査装置は、
マイクロ波の波長の電磁波を放射する電磁波放射ユニッ
トと、この放射ユニットから放射される電磁波の伝搬軸
と交差して設けられ、誘電体材料製の容器内に金属およ
びこの金属と前記容器との間に配置される誘電体材料製
の被検出対象物が内蔵された被検査物が載置される被検
査物セット手段と、この被検査物セット手段上の前記被
検査物から反射される反射電磁波の伝搬軸上に配置され
た電磁波受信ユニットと、この電磁波受信ユニットが受
信した反射電磁波の電力に基づき前記被検出対象物の有
無を弁別する弁別手段とを具備したものである。
【0013】
【作用】前記請求項1の検査方法においては、まず、マ
イクロ波の放射により、その伝搬軸に沿って形成された
第1空間定在波中に、容器内に被検出対象物が内蔵され
た被検査物を配置する。そうすると、第1空間定在波が
被検査物の誘電体材料でできている部分を透過するとと
もに、この定在波をなす電磁波の一部が被検査物で反射
される。このとき第1空間定在波の位相は誘電体材料の
量に応じてシフトするが、このシフト量が大きい程被検
査物で反射される電磁波の量は多い。そして、前記電磁
波の反射により、この反射電磁波をもとにする第2空間
定在波が前記伝搬軸と交差して形成される。この第2空
間定在波の振幅は第1空間定在波の振幅より小さいが、
その偏波特性により被検出対象物の検出信号のレベル差
(感度差)を逆に高くできる。次に、この第2空間定在
波の電力を測定する。この測定において、既述のように
反射される電磁波の量は、誘電体材料の量、言い換えれ
ば、被検査対象物の有無により異なるので、それに応じ
た第2空間定在波の電力が測定される。この第2空間定
在波の電力の測定により、被検出対象物の検出、例えば
有無や過不足等の弁別ができる。
【0014】このように重量変化を利用したり、放射線
や超音波を用いたり、或いは磁気インクおよび磁気セン
サを用いたりすることなく、容器内の被検出対象物の有
無等の検査を、マイクロ波を用いて非接触で実施でき
る。
【0015】前記請求項2の検査装置において、電磁波
放射ユニットはマイクロ波の波長の電磁波を平面波状の
進行波として第1反射面に向けて放射し、第1反射面は
これに入射された電磁波を第1反射面を節点とする平面
波状の反射波として電磁波放射ユニットに向けて反射す
る。そのため、電磁波放射ユニットと第1反射面との間
では進行波と反射波とが相互干渉して、相互間の空間に
第1空間定在波が形成される。
【0016】被検査物セット手段はその上に被検査物を
載せて第1空間定在波中に斜めに交差して設けられる。
それにより、第1空間定在波をなす電磁波は被検査物を
透過するとともに、その一部は反射される。このとき、
第1空間定在波の位相は誘電体材料の量に応じてシフト
するが、このシフト量が大きい程反射される電磁波の量
は多く、したがって、被検出対象物が有る場合の電磁波
の反射量は多く、被検出対象物がない場合の電磁波の反
射量は少ない。
【0017】この反射電磁波は、さらに第2反射面およ
び電磁波受信ユニットにより互いに反射され、これらの
間を伝搬する進行波と反射波を形成するので、これら両
波の相互作用によって、第2反射面および電磁波受信ユ
ニット間の空間に第2空間定在波が形成される。この第
2空間定在波は第1、第2両反射面によって得られる共
振干渉波であるので、その共振干渉により増幅され、大
きさな電力を有する。
【0018】そして、弁別手段は、電磁波受信ユニット
が受信した第2空間定在波の電力の値が、容器内に被検
出対象物がある場合の電力値に対応するものであるの
か、或いは容器内に被検出対象物がある場合の電力値に
対応するものであるのかを弁別する。
【0019】したがって、この検査装置においては、前
記請求項1の検査方法を実施するから、重量変化を利用
したり、放射線や超音波を用いたり、或いは磁気インク
および磁気センサを用いたりすることなく、容器内の被
検出対象物の有無等の検査を、マイクロ波を用いて非接
触で実施できる。
【0020】前記請求項3の検査方法においては、ま
ず、マイクロ波の放射により、その伝搬軸に沿って形成
された第1空間定在波中に、容器内に金属および被検出
対象物が内蔵された被検査物を配置する。そうすると、
第1空間定在波が被検査物内の金属により反射される。
次に、この反射された反射電磁波の電力を測定する。前
記空間定在波の位相はその経路中にある誘電体材料の量
にに応じてシフトされるので、空間定在波が容器内に被
測定対象物があって、これと容器とを空間定在波が2度
通過する場合と、容器内に被測定対象物がなく、容器の
みを空間定在波が2度通過する場合とでは、前記位相の
シフト量が異なる。そのため、反射電磁波の電力の測定
により、被検査対象物の有無を弁別できる。
【0021】このように重量変化を利用したり、放射線
や超音波を用いたり、或いは磁気インクおよび磁気セン
サを用いたりすることなく、容器内の被検出対象物の有
無を、マイクロ波を用いて非接触で実施できる。
【0022】前記請求項4の検査装置において、被検査
物セット手段はその上に被検査物を載せる。電磁波放射
ユニットはマイクロ波の波長の電磁波を平面波状の進行
波として被検査物に向けて放射し、この被検査物内の金
属はこれに入射された電磁波を金属を節点とする平面波
状の反射波として電磁波放射ユニットに向けて反射す
る。そのため、電磁波放射ユニットと金属との間では進
行波と反射波とが相互干渉して、相互間の空間に空間定
在波が形成される。受信ユニットは、被検査物内の金属
で反射された前記空間定在波の反射電磁波を受けてその
電力を測定する。
【0023】前記空間定在波の位相は誘電体材料の量に
応じてシフトするが、このシフト量が大きい程反射され
る電磁波の量は多く、したがって、被検出対象物が容器
内に有る場合とない場合とでは受信ユニットが受ける反
射電磁波の電力が異なる。
【0024】そして、弁別手段は、電磁波受信ユニット
が受信した反射電磁波の電力の値が、容器内に被検出対
象物がある場合の電力値に対応するものであるのか、或
いは容器内に被検出対象物がある場合の電力値に対応す
るものであるのかを弁別する。
【0025】したがって、この検査装置においては、前
記請求項3の検査方法を実施するから、重量変化を利用
したり、放射線や超音波を用いたり、或いは磁気インク
および磁気センサを用いたりすることなく、容器内の被
検出対象物の有無を、マイクロ波を用いて非接触で実施
できる。
【0026】
【実施例】以下、図1〜図3を参照して本発明の第1実
施例を説明する。図1は本発明の一実施例に係る透過式
マイクロ波検査方法を実施する透過式マイクロ波検査装
置の構成を概略的に示す図であって、この装置は、誘電
体材料である紙により形成された包装箱1(すなわち容
器)の内部に、薬品2を収納した誘電体材料製の薬品包
装材3とともに内蔵され、前記薬品2の薬効等が通常イ
ンキにより記載された能書き紙4(これは被検出対象物
であって、誘電体材料からなる。)の有無を検出するイ
ンナーセンサとして用いられる。これら包装箱1、薬品
2、薬品包装材3、および能書き紙4は被検査物5をな
している。
【0027】このマイクロ波検査装置は、電磁波放射ユ
ニット6と、第1反射面7と、被検査物セット手段とし
てのセットプレート8と、電磁波受信ユニット9と、第
2反射面10と、弁別手段11とを備えている。
【0028】電磁波放射ユニット6は、電磁波発信器1
5と、導波管16と、放射ホーン17とを有している。
図示しない固定部材に支持された電磁波発信器15は、
波長約1m以下のマイクロ波、その中でも波長1〜10mm
の電磁波、例えば10GHzまたは50GHzのミリメ
ートル波の波長の電磁波を発生して送信するミリメート
ル波発信器である。ミリメートル波を用いることは、そ
の波長の長さが短いので装置を小形にする上で有効であ
る。
【0029】金属導体からなる導波管16は電磁波発信
器15に取付けられ、その取付け端側の一端開口にはミ
リメートル波の波長の電磁波が供給される。導波管16
の断面は図2に示されるように方形断面ないしは矩形断
面になっているとともに、その閉塞された他端面には伝
送される電磁波を導波管16外に放射するためのスロッ
トアンテナ18が設けられている。図2に示されるよう
にスロットアンテナ18は細隙からなり、その長さはミ
リメートル波の波長λの1/2の長さとしてある。
【0030】金属導体からなる空洞共振型の放射ホーン
17は、スロットアンテナ18の中心軸線、言い換えれ
ば、このアンテナ18から放射される電磁波の第1伝搬
軸A(図1参照)を共有して、導波管16の他端面に取
付けられている。このホーン17は第1伝搬軸Aと直交
する断面形状が一定となる筒構造をなしており、それに
より導波管16の前記他端面のうち放射ホーン17の一
端を塞いだ部分は、第1伝搬軸Aと略直交して、例えば
正弦波状の適正な空間定在波を発生させる上で最適なも
のとするために、スロットアンテナ18から放射される
平面波状の進行波の波面に平行に設けられる反射面19
(図2参照)となっている。このように放射ホーン17
はテーパ型ではない一端開放型の筒構造をなしている。
【0031】なお、反射面19は第1伝搬軸Aに対し90
゜から±10゜の範囲で傾いて設けてもよく、このような
交差状態も前記「略直交」なる概念に包含される。そし
て、これらの±10゜の交差角度でも後述の空間定在波を
進行波と反射波との相互干渉により立てることができ、
そのことは本発明者による実験で確かめられた。
【0032】放射ホーン17の断面形状は正方形、矩
形、円形、或いは楕円等でもよいが、特に、幅ないしは
径が同じ条件においてより大きな反射面19を確保する
ために図2に示されるように正方形断面としてある。ま
た、放射ホーン17の軸方向長さは、選択して使用する
波長が共振する長さ、例えば方形断面の空洞共振器の一
辺の長さに近似した長さにしてある。なお、共振する波
長は前記電磁波の基本周波数とすることが望ましい。こ
れは、基本周波数の電力レベルが高調波および倍調波の
電力レベルに比較して格段に大きく、それを共振させる
ことにより、S/N比の向上に大きく寄与できることに
よる。
【0033】第1反射面7および第2反射面10はコー
ナリフレクタ20に夫々形成されていて、例えば互いに
直角に連なっている。第1反射面7は放射ホーン17か
ら放射される電磁波の第1伝搬軸Aと略直交して設けら
れている。この第1反射面7についても反射面19と同
様に、第1伝搬軸Aに対し90゜から±10゜の範囲で傾い
て設けてもよく、このような交差状態も前記「略直交」
なる概念に包含される。そして、これらの±10゜の交差
角度でも後述の空間定在波を進行波と反射波との相互干
渉により立てることができ、そのことは本発明者による
実験で確かめられた。
【0034】コーナリフレクタ20は金属製母材の表面
に金メッキを施してなり、その金メッキ層で両反射面
7、10は夫々形成されている。前記母材には銅、真
鍮、アルミニューム合金等の金属材料その他が用いられ
る。また、金メッキ層は両反射面7、10の錆び付きを
なくして、これら反射面7、10での電磁波の所定の反
射特性を長期にわたり維持するために設けられている。
【0035】コーナリフレクタ20の第1、第2反射面
7、10には夫々直角二等辺三角形状の支持部21が取
付けられ、これらにわたってセットプレート8が水平で
かつ着脱可能に載置されている。したがって、セットプ
レート8は、電磁波放射ユニット6と第1反射面7との
間に第1伝搬軸Aと約45゜の角度で交差して設けられて
いる。
【0036】セットプレート8は例えばアクリル樹脂の
ボードまたはネオプレンゴムのような合成ゴムのボード
等の誘電体材料で形成され、被検査物5の重量に耐えて
これを支持できる強度を有している。このセットプレー
ト8は、それによる電磁波の減衰および拡散を少なくす
るために、可能な限り薄くすることが好ましい。
【0037】前記電磁波受信ユニット9は、第1伝搬軸
Aに対して例えば直角に交差するとともに、セットプレ
ート8に対して45゜の角度で交差する線上に設けられて
おり、しかも、セットプレート8を境にして第2反射面
10とは反対側に配置されている。この受信ユニット9
は、電磁波放射ユニット6から被検査物5に放射された
電磁波のうち、この被検査物5で反射された一部の電磁
波、つまり反射電磁波を受信する。したがって、電磁波
受信ユニット9は反射電磁波の伝搬軸(以下第2伝搬軸
と称する。)B上に配置されているとともに、この第2
伝搬軸Bに対して前記第2反射面10は略直交して設け
られている。
【0038】この第2反射面10についても反射面19
と同様に、第2伝搬軸Bに対し90゜から±10゜の範囲で
傾いて設けてもよく、このような交差状態も前記「略直
交」なる概念に包含される。そして、これらの±10゜の
交差角度でも後述の空間定在波を進行波と反射波との相
互干渉により立てることができ、そのことは本発明者に
よる実験で確かめられた。
【0039】この受信ユニット9は、超高感度電力計か
らなる電磁波センサ22と、これに取付けられた金属導
体からなる空洞共振型の入射ホーン23とを有してい
る。入射ホーン23は前記放射ホーン17と同様な構成
であって、これは前記反射電磁波の第2伝搬軸Bを共有
して、電磁波センサ22の電磁波入射面に取付けられて
いる。このホーン23は第2伝搬軸Bと直交する断面形
状が一定となる筒構造をなしており、それにより前記電
磁波入射面のうち入射ホーン23の一端を塞いだ部分
は、第2伝搬軸Bと略直交して、例えば反射電磁波の波
面に平行に設けられる反射面24となっている。
【0040】この反射面24についても第2反射面10
と同様に、第2伝搬軸Bに対し90゜から±10゜の範囲で
傾いて設けてもよく、このような交差状態も前記「略直
交」なる概念に包含される。そして、これらの±10゜の
交差角度でも後述の空間定在波を進行波と反射波との相
互干渉により立てることができ、そのことは本発明者に
よる実験で確かめられた。このように入射ホーン23は
テーパ型ではない一端開放型の筒構造をなしている。な
お、図3中22aはスロットアンテナと同様な受信用の
細隙である。
【0041】入射ホーン23の断面形状は正方形、矩
形、円形、或いは楕円等でもよいが、特に、幅ないしは
径が同じ条件においてより大きな反射面24を確保する
ために図3に示されるように正方形断面としてある。ま
た、入射ホーン23の軸方向長さは、選択して使用する
波長が共振する長さ、例えば方形断面の空洞共振器の一
辺の長さに近似した長さにしてある。なお、共振する波
長は前記反射電磁波の基本周波数とすることが望まし
い。これは、基本周波数の電力レベルが高調波および倍
調波の電力レベルに比較して格段に大きく、それを共振
させることにより、S/N比の向上に大きく寄与できる
ことによる。
【0042】前記電磁波放射ユニット6と、電磁波受信
ユニット9と、第1、第2反射面7、8との配置におい
て、第1伝搬軸Aに沿って互いに対応する反射面7、1
9間の距離をD、第2伝搬軸Bに沿って互いに対応する
反射面10、24間の距離をE、第1、第2伝搬軸A、
Bの交点Cと反射面19との間の距離をG、前記交点C
と反射面24との間の距離をHとしたとき、 D=(1/2)λ×n、E=(1/2)λ×n G=(1/2)λ×n+(1/4)λ H=(1/2)λ×n+(1/4)λ の関係としてある。
【0043】これら各関係式においてλは使用電磁波の
波長、nは正の整数である。この条件は本実施例におい
て最大感度を得るための条件である。また、セットプレ
ート8の図示しない目印を目安にして前記被検査物5は
前記交点C上に着脱可能に載せられるようになってい
る。
【0044】前記弁別手段11には電磁波センサ22が
受信した第2空間定在波の電力が入力される。弁別手段
11には、被検査物5に能書き紙4が入っている場合と
入っていない場合とにおける第2空間定在波の電力を識
別するしきい値が予め入力されている。また、この弁別
手段11は、第2空間定在波の電力の電圧波形からその
半周期についての最大電力値を比較データとして求める
処理と、この比較データと前記しきい値とを比較する処
理とを行って、前記能書き紙4の有無を識別するもので
ある。
【0045】この弁別手段11は電子回路等で形成され
ているとともに、その出力端には図示しない外部記録装
置が接続されて、検査結果が記録されるようになってい
る。また、本検査装置において、能書き紙4がないこと
を弁別手段11が検出したときの出力に基づいて動作す
る発音器(アラーム)を備えることは、検査従事者への
不良品の検出の確認とその後処理を容易にする上で望ま
しい。
【0046】前記構成の透過型マイクロ波検査装置(正
確にはミリメートル波検査装置)で箱内材料の有無を検
出するには、この装置を動作させてそのセットプレート
8上であって第1、第2伝搬軸A、Bの交点Cに対応す
る位置に被検査物5を置けばよい。
【0047】すなわち、電磁波発信器15で発生された
ミリメートル波の波長の電磁波は、導波管16を通り、
そのスロットアンテナ18から平面波状の進行波として
放射されるとともに、放射ホーン17により第1反射面
7方向に指向性を与えられて、被検査物5に向けて放射
される。この電磁波は、被検査物5およびセットプレー
ト8を透過して第1反射面7に入射するとともに、この
反射面7を節として正反射され、再び被検査物5および
セットプレート8を透過して電磁波放射ユニット6に向
けて伝搬し、そして、このユニット6の反射面19に入
射して、この反射面19を節として第1反射面7に向け
て再び正反射される。
【0048】このようにして前記電磁波が前記反射面
7、19を節点としてこれらの間を繰り返し往復される
ので、電磁波放射ユニット6から第1反射面7に向かっ
て伝搬する進行波と、第1反射面7から電磁波放射ユニ
ット6に向かって伝搬する反射波とは、相互干渉を繰り
返す。それによる増幅作用で振幅が大きくなった、言い
換えれば電界エネルギーが蓄積された第1空間定在波J
が、反射面7、19間の空間に形成される。しかも、前
記電磁波の放射において、放射ホーン17が電磁波のう
ち電圧エネルギーが大きい基本周波数の電磁波成分を共
振させて放射し、他の周波数成分を漏波するので、第1
空間定在波Jの振幅をより大きくできるとともに、高調
波および倍調波の重畳が少なくなり、したがって、歪み
が少ない第1空間定在波Jを立てることができる。
【0049】この第1空間定在波Jの位相は、電磁波放
射ユニット6と第1反射面7との間に被検査物5がない
場合に形成される空間定在波の位相に対して、被検査物
5の分子に応じて、電磁波の伝搬速度が遅くなる分に比
例してシフトする。
【0050】一方、電磁波放射ユニット6から放射され
た電磁波は、そのすべてが被検査物5を透過するわけで
はなく、その一部は被検査物5によって反射される。こ
の反射電磁波は、第1空間定在波Jの位相のシフト量が
大きい程多く発生する。
【0051】このような反射により第2反射面10に入
射した反射電磁波は、この反射面10を節として正反射
され、被検査物5およびセットプレート8を透過して電
磁波受信ユニット9に向けて伝搬し、また、前記ユニッ
ト9の反射面24に入射した反射電磁波は、この反射面
24を節として第2反射面10に向けて正反射される。
【0052】そのため、前記反射電磁波は前記反射面1
0、24を節点としてこれらの間を繰り返し往復され
て、電磁波受信ユニット9から第2反射面10に向かっ
て伝搬する進行波と、第2反射面10から電磁波受信ユ
ニット9に向かって伝搬する反射波との相互干渉が繰り
返される。それにより、増幅、つまり電界エネルギーが
蓄積されて振幅が大きな第2空間定在波Kが反射面1
0、24間の空間に形成される。この第2空間定在波K
の電力の大きさは前記反射電磁波の反射量に比例する。
また、第2空間定在波Kは、第1、第2反射面7、10
によって得られた共振干渉波であるので、その共振干渉
作用により増幅され、振幅が少なくとも第1空間定在波
Jに匹敵する程大きな空間定在波となっている。
【0053】そして、包装箱1内に能書き紙4がある場
合には、被検査物5全体の誘電体材料の分子の量が大き
いから、それに応じて被検査物5での電磁波の反射量が
大きく、また、包装箱1内に能書き紙4がない場合の被
検査物5での電磁波の反射量は小さい。
【0054】次に、以上のように第1空間定在波Jに基
づいて形成された第2空間定在波Kの電力は、この定在
波Kを受信する電磁波受信ユニット9の電磁波センサ2
2により検出され、その定在波電力は弁別手段11に供
給される。そして、この弁別手段11は、電磁波受信ユ
ニット9が受信した第2空間定在波Kの電力の値が、包
装箱1内に能書き紙4がある場合の電力値に対応するも
のであるのか、或いは包装箱1内に能書き紙4がない場
合の電力値に対応するものであるのかを弁別する。
【0055】ところで、第1空間定在波Jと第2空間定
在波Kとの各偏波面(電磁場の電場の振動方向と電磁波
の進行方向と含む面)は、第1空間定在波Jが金属面に
より完全な正反射される場合を除いて、常に一致するこ
となく互いにずれるものであり、そのずれ角はブルスタ
ー角入射時に最大となるが、本実施例の45゜角の入射で
は、ブルスター角入射時のずれ角よりも小さい。したが
って、第2空間定在波Kの振幅は、常に、第1空間定在
波Jの振幅より小さい値となる。
【0056】それにも拘らず、前記偏波特性によって第
2空間定在波Kの電界エネルギーが増えるから、第2空
間定在波Kの電界エネルギーを定在波電力として変換し
て受信する電磁波受信ユニット9の受信感度は、逆に高
くなる。しかも、第2空間定在波Kの偏波に対する定在
波は、第1空間定在波Jとのモード結合が失われるた
め、前記受信感度をさらに高くできる。
【0057】したがって、以上の測定においては、検査
装置を動作させて、そのセットプレート8上に被検査物
5を置くだけで、この被検査物5の包装箱1内に能書き
紙4が入っているかどうかを検出できる。
【0058】そして、以上の測定によれば、重量変化を
利用したり、超音波を用いたり、或いは高価な磁気イン
クおよび磁気センサを用いたりすることなく、包装箱1
内の能書き紙4の有無を、包装箱1を破壊することなく
非接触で検出できる。また、放射線を用いる必要もない
ので、専門の取扱い主任技術者や設備および行政官庁へ
の届出が不要であるばかりでなく、包装箱1内の薬品2
を変質させる心配がなく実施できる.次に、図4〜図7
を参照して本発明の第2実施例を説明する。図4は本発
明の第2実施例に係る反射式マイクロ波検査方法を実施
する反射式マイクロ波検査装置の構成を概略的に示す図
であって、この装置は、誘電体材料である紙により形成
された包装箱1(すなわち容器)の内部に、薬品2を収
納した薬品包装材3とともに内蔵され、前記薬品2の薬
効等が通常インキにより記載された能書き紙4(これは
被検出対象物であって、誘電体材料からなる。)の有無
を検出するインナーセンサとして用いられる。これら包
装箱1、薬品2、薬品包装材3、および能書き紙4は被
検査物5をなしている。薬品包装材3は薬品2を紫外線
から保護するために金属例えばアルミニューム箔製であ
って、また、能書き紙4は図7に示されるように薬品2
を内蔵した薬品包装材3と包装箱1との間に折り畳まれ
て収納されている。
【0059】この反射型マイクロ波検査装置は、電磁波
放射ユニット6と、被検査物セット手段としてのセット
プレート8と、電磁波受信ユニット9と、弁別手段11
とを備えている。
【0060】電磁波放射ユニット6は、電磁波発信器1
5と、導波管16と、放射ホーン17とを有している。
図示しない固定部材に支持された電磁波発信器15は、
波長約1m以下のマイクロ波、その中でも波長1〜10mm
の電磁波、例えば10GHzまたは50GHzのミリメ
ートル波の波長の電磁波を発生して送信するミリメート
ル波発信器である。ミリメートル波を用いることは、そ
の波長の長さが短いので装置を小形にする上で有効であ
る。
【0061】金属導体からなる導波管16は電磁波発信
器15に取付けられ、その取付け端側の一端開口にはミ
リメートル波の波長の電磁波が供給される。導波管16
の断面は図5に示されるように方形断面ないしは矩形断
面になっているとともに、その閉塞された他端面には伝
送される電磁波を導波管16外に放射するためのスロッ
トアンテナ18が設けられている。図5に示されるよう
にスロットアンテナ18は細隙からなり、その長さはミ
リメートル波の波長λの1/2の長さとしてある。
【0062】金属導体からなる空洞共振型の放射ホーン
17は、スロットアンテナ18の中心軸線、言い換えれ
ば、このアンテナ18から放射される電磁波の第1伝搬
軸A(図4参照)を共有して、導波管16の他端面に取
付けられている。このホーン17は第1伝搬軸Aと直交
する断面形状が一定となる筒構造をなしており、それに
より導波管16の前記他端面のうち放射ホーン17の一
端を塞いだ部分は、第1伝搬軸Aと略直交して、例えば
正弦波状の適正な空間定在波を発生させる上で最適なも
のとするために、スロットアンテナ18から放射される
平面波状の進行波の波面に平行に設けられる反射面19
(図5参照)となっている。このように放射ホーン17
はテーパ型ではない一端開放型の筒構造をなしている。
【0063】なお、反射面19は第1伝搬軸Aに対し90
゜から±10゜の範囲で傾いて設けてもよく、このような
交差状態も前記「略直交」なる概念に包含される。そし
て、これらの±10゜の交差角度でも後述の空間定在波を
進行波と反射波との相互干渉により立てることができ、
そのことは本発明者による実験で確かめられた。
【0064】放射ホーン17の断面形状は正方形、矩
形、円形、或いは楕円等でもよいが、特に、幅ないしは
径が同じ条件においてより大きな反射面19を確保する
ために図5に示されるように正方形断面としてある。ま
た、放射ホーン17の軸方向長さは、選択して使用する
波長が共振する長さ、例えば方形断面の空洞共振器の一
辺の長さに近似した長さにしてある。なお、共振する波
長は前記電磁波の基本周波数とすることが望ましい。こ
れは、基本周波数の電力レベルが高調波および倍調波の
電力レベルに比較して格段に大きく、それを共振させる
ことにより、S/N比の向上に大きく寄与できることに
よる。
【0065】前記セットプレート8は、電磁波放射ユニ
ット6の電磁波放射方向において例えば第1伝搬軸Aと
約45゜の角度で交差して設けられている。このセットプ
レート8は例えばアクリル樹脂のボードまたはネオプレ
ンゴムのような合成ゴムのボード等の誘電体材料で形成
されている。なお、セットプレート8は、誘電体材料に
限らず、フェライト等の電磁波吸収体または金属で形成
してもよく、特に、電磁波吸収体で形成する場合には、
その電磁波吸収作用により外乱ノイズが入ることを少な
くできるので、測定精度を向上する上で有利である。
【0066】前記電磁波受信ユニット9は、第1伝搬軸
Aに対して直角に交差するとともに、セットプレート8
に対して例えば45゜の角度で交差する線上に設けられて
いる。したがって、この受信ユニット9は反射電磁波の
伝搬軸(以下第2伝搬軸と称する。)B上に配置されて
いる。電磁波受信ユニット9は、電磁波放射ユニット6
から被検査物5に放射された電磁波のうち、この被検査
物5で反射された電磁波、つまり反射電磁波を受信し
て、その電力を測定する。
【0067】この受信ユニット9は、超高感度電力計か
らなる電磁波センサ22と、これに取付けられた金属導
体からなる空洞共振型の入射ホーン23とを有してい
る。入射ホーン23は前記放射ホーン17と同様な構成
であって、これは前記反射電磁波の第2伝搬軸Bを共有
して、電磁波センサ22の電磁波入射面に取付けられて
いる。このホーン23は第2伝搬軸Bと直交する断面形
状が一定となる筒構造をなしており、それにより前記電
磁波入射面のうち入射ホーン23の一端を塞いだ部分
は、第2伝搬軸Bと略直交して、例えば反射電磁波の波
面に平行に設けられる反射面24となっている。
【0068】この反射面24についても第2伝搬軸Bに
対し90゜から±10゜の範囲で傾いて設けてもよく、この
ような交差状態も前記「略直交」なる概念に包含され
る。そして、これらの±10゜の交差角度でも後述の空間
定在波を進行波と反射波との相互干渉により立てること
ができ、そのことは本発明者による実験で確かめられ
た。このように入射ホーン23はテーパ型ではない一端
開放型の筒構造をなしている。なお、図6中22aはス
ロットアンテナと同様な受信用の細隙である。
【0069】入射ホーン23の断面形状は正方形、矩
形、円形、或いは楕円等でもよいが、特に、幅ないしは
径が同じ条件においてより大きな反射面24を確保する
ために図6に示されるように正方形断面としてある。ま
た、入射ホーン23の軸方向長さは、選択して使用する
波長が共振する長さ、例えば方形断面の空洞共振器の一
辺の長さに近似した長さにしてある。なお、共振する波
長は前記反射電磁波の基本周波数とすることが望まし
い。これは、基本周波数の電力レベルが高調波および倍
調波の電力レベルに比較して格段に大きく、それを共振
させることにより、S/N比の向上に大きく寄与できる
ことによる。
【0070】前記電磁波放射ユニット6と、セットプレ
ート8と、電磁波受信ユニット9との配置において、
1、第2伝搬軸A、Bの交点Cと反射面19との間の距
離をG、前記交点Cと反射面24との間の距離をHとし
たとき、 G=(1/2)λ×n+(1/4)λ H=(1/2)λ×n+(1/4)λ の関係としてある。
【0071】これら各関係式においてλは使用電磁波の
波長、nは正の整数である。この条件は本実施例におい
て最大感度を得るための条件である。また、セットプレ
ート8の図示しない目印を目安にして前記被検査物5は
前記交点C上に着脱可能に載せられるようになってい
る。
【0072】前記弁別手段11には電磁波センサ22が
受信した第1空間定在波をもとにした反射電磁波の電力
が入力される。弁別手段11には、被検査物5に能書き
紙4が入っている場合と入っていない場合とにおける反
射電磁波の電力を識別するしきい値が予め入力されてい
る。また、この弁別手段11は、反射電磁波の電力の電
圧波形からその半周期についての最大電力値を比較デー
タとして求める処理と、この比較データと前記しきい値
とを比較する処理とを行って、前記能書き紙4の有無を
識別するものである。
【0073】この弁別手段11は電子回路等で形成され
ているとともに、その出力端には図示しない外部記録装
置が接続されて、検査結果が記録されるようになってい
る。また、本検査装置において、能書き紙4がないこと
を弁別手段11が検出したときの出力に基づいて動作す
る発音器(アラーム)を備えることは、検査従事者への
不良品の検出の確認とその後処理を容易にする上で望ま
しい。
【0074】前記構成の反射型マイクロ波検査装置(正
確にはミリメートル波検査装置)で箱内材料の有無を検
出するには、この装置を動作させて、そのセットプレー
ト8上であって第1、第2伝搬軸A、Bの交点Cに対応
する位置に被検査物5を置けばよい。
【0075】すなわち、電磁波発信器15で発生された
ミリメートル波の波長の電磁波は、導波管16を通り、
そのスロットアンテナ18から平面波状の進行波として
放射されるとともに、放射ホーン17により被検査物5
方向に指向性を与えられて放射される。この電磁波は被
検査物5内のアルムニューム箔製の薬品包装材3を節と
して反射され、再び電磁波放射ユニット6に向けて伝搬
し、そして、このユニット6の反射面19に入射して、
この反射面19を節として被検査物5に向けて再び反射
される。
【0076】このようにして前記電磁波が被検査物5内
の薬品包装材3と反射面19との間を繰り返し往復され
るので、電磁波放射ユニット6から被検査物5に向かっ
て伝搬する進行波と、被検査物5から電磁波放射ユニッ
ト6に向かって伝搬する反射波とは、相互干渉を繰り返
す。それによる増幅作用で振幅が大きくなった、言い換
えれば電界エネルギーが蓄積された第1空間定在波J
が、被検査物5と反射面19間の空間に形成される。
【0077】しかも、前記電磁波の放射において、放射
ホーン17が電磁波のうち電圧エネルギーが大きい基本
周波数の電磁波成分を共振させて放射し、他の周波数成
分を漏波するので、第1空間定在波Jの振幅をより大き
くできるとともに、高調波および倍調波の重畳が少なく
なり、したがって、歪みが少ない第1空間定在波Jを立
てることができる。
【0078】一方、被検査物5の薬品包装材3によって
反射された電磁波(反射電磁波)の一部は、電磁波受信
ユニット9に向けても伝搬し、また、前記ユニット9の
反射面24に入射した反射電磁波は、この反射面24を
節として被検査物5に向けて反射される。
【0079】こうして前記反射電磁波は被検査物5内の
薬品包装材3と反射面24との間を繰り返し往復される
から、電磁波受信ユニット9から被検査物5に向かって
伝搬する進行波と、被検査物5から電磁波受信ユニット
9に向かって伝搬する反射波との相互干渉が繰り返さ
れ、それにより、増幅、つまり電界エネルギーが蓄積さ
れて振幅が大きな第2空間定在波Kが被検査物5内の薬
品包装材3と反射面24との間の空間に形成される。こ
の第2空間定在波Kの電力の大きさは前記反射電磁波の
反射量に比例する。
【0080】ところで、前記第1空間定在波Jの位相
は、電磁波放射ユニット6と被検査物5内の薬品包装材
3との間に能書き書4がない場合に形成される空間定在
波の位相に対して、能書き書4の分子に応じて、電磁波
の伝搬速度が遅くなる分に比例してシフトする。
【0081】そして、包装箱1内に能書き紙4がある場
合には、それがない場合に比較して被検査物5全体の誘
電体材料の分子の量が大きく、それに応じて空間定在波
J、Kの位相のシフト量が大きく、能書き紙4がない場
合には、それがある場合に比較して空間定在波J、Kの
位相のシフト量が大きくなる。
【0082】次に、以上のように第1空間定在波Jに基
づいて形成された第2空間定在波Kの電力は、この定在
波Kを受信する電磁波受信ユニット9の電磁波センサ2
2により検出され、その定在波電力は弁別手段11に供
給される。そして、この弁別手段11は、電磁波受信ユ
ニット9が受信した第2空間定在波Kの電力の値が、包
装箱1内に能書き紙4がある場合の電力値に対応するも
のであるのか、或いは包装箱1内に能書き紙4がない場
合の電力値に対応するものであるのかを弁別する。
【0083】ところで、第1空間定在波Jと第2空間定
在波Kとの各偏波面(電磁場の電場の振動方向と電磁波
の進行方向と含む面)は、第1空間定在波Jが金属面に
より完全な正反射される場合を除いて、常に一致するこ
となく互いにずれるものであり、そのずれ角はブルスタ
ー角入射時に最大となるが、本実施例の45゜角の入射で
は、ブルスター角入射時のずれ角よりも小さい。したが
って、第2空間定在波Kの振幅は、常に、第1空間定在
波Jの振幅より小さい値となる。
【0084】それにも拘らず、前記偏波特性によって第
2空間定在波Kの電界エネルギーが増えるから、第2空
間定在波Kの電界エネルギーを定在波電力として変換し
て受信する電磁波受信ユニット9の受信感度は、逆に高
くなる。しかも、第2空間定在波Kの偏波に対する定在
波は、第1空間定在波Jとのモード結合が失われるた
め、前記受信感度をさらに高くできる。これらの点から
本実施例の場合にはS/N比2以上の識別信号を電磁波
受信ユニット9において得ることができた。
【0085】したがって、以上の測定においては、検査
装置を動作させて、そのセットプレート8上に被検査物
5を置くだけで、この被検査物5の包装箱1内に能書き
紙4が入っているかどうかを検出できる。
【0086】そして、以上の測定によれば、重量変化を
利用したり、超音波を用いたり、或いは高価な磁気イン
クおよび磁気センサを用いたりすることなく、包装箱1
内の能書き紙4の有無を、包装箱1を破壊することなく
非接触で検出できる。また、放射線を用いる必要もない
ので、専門の取扱い主任技術者や設備および行政官庁へ
の届出が不要であるばかりでなく、包装箱1内の薬品2
を変質させる心配がなく実施できる.なお、本発明は前
記各実施例には制約されない。例えば第1実施例におい
て、第1、第2伝搬軸A、Bの交差角度は直角よりも大
きくてもよいとともに、第1、第2反射面7、10は夫
々独立して設けてもよい。
【0087】また、第1および第2実施例において被検
査物セット手段を、多数枚のセットプレートを関節を介
して接続しキャタピラ状をなす無端環状のコンベヤで形
成し、これを案内として無端走行させ、測定位置に対す
る被検査物の搬入と搬出とを行わせてもよい。
【0088】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1お
よび2に係るマイクロ波検査方法およびその装置によれ
ば、容器内の被検出対象物の検査例えば内蔵の有無等を
マイクロ波を用いて、容器を破壊することなく非接触で
検出できるとともに、その際、被検出対象物の重量の大
小に拘らず検出することが可能であり、また、マイクロ
波の出力は微弱であって電波法の適用外であるとともに
放射線を取扱わないから、行政上の制約を受けたり容器
内の内容物を変質させたりすることなく、また、コスト
高な磁気マーキングを必要とすることなく、容器内に収
納される被検出対象物を検出できる。
【0089】また、本発明の請求項3および4に係るマ
イクロ波検査方法およびその装置によれば、容器内の被
検出対象物の有無をマイクロ波を用いて、容器を破壊す
ることなく非接触で検出できるとともに、その際、被検
出対象物の重量の大小に拘らず検出することが可能であ
り、また、マイクロ波の出力は微弱であって電波法の適
用外であるとともに放射線を取扱わないから、行政上の
制約を受けたり容器内の内容物を変質させたりすること
なく、また、コスト高な磁気マーキングを必要とするこ
となく、容器内に収納される被検出対象物を検出でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るマイクロ波検査方法
を実施する透過型マイクロ波検査装置の構成を概略的に
示す図。
【図2】図1中Z−Z線方向から見て示した電磁波放射
ユニットの正面図。
【図3】図1中Y−Y線方向から見て示した電磁波受信
ユニットの正面図。
【図4】本発明の第2実施例に係るマイクロ波検査方法
を実施する反射型マイクロ波検査装置の構成を概略的に
示す図。
【図5】図4中X−X線方向から見て示した電磁波放射
ユニットの正面図。
【図6】図4中W−W線方向から見て示した電磁波受信
ユニットの正面図。
【図7】被検査物の一部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
1…包装箱(容器)、 3…金属製の薬品
包装材、4…能書き紙(被検出対象物)、 5…被検
査物、6…電磁波放射ユニット、 7…第1反
射面、8…セットプレート(被検査物セット手段)、9
…電磁波受信ユニット、 10…第2反射面、
11…弁別手段、 A…第1伝搬軸、
B…第2伝搬軸、 J…第1空間定在
波、K…第1空間定在波.

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波の波長の電磁波の伝搬軸に沿っ
    て形成された第1空間定在波中に、誘電体材料製の容器
    内に誘電体材料製の被検出対象物が内蔵された被検査物
    を配置させて、前記被検査物で反射された前記第1空間
    定在波の電磁波による第2空間定在波を前記第1空間定
    在波と交差して形成し、この第2空間定在波の電力を測
    定して、前記被検出対象物を検査することを特徴とする
    マイクロ波検査方法。
  2. 【請求項2】マイクロ波の波長の電磁波を放射する電磁
    波放射ユニットと、 この放射ユニットから放射される電磁波の第1伝搬軸と
    略直交して前記電磁波の放射方向に設けられた第1反射
    面と、 前記電磁波放射ユニットと前記第1反射面との間に前記
    第1伝搬軸と交差して設けられ、誘電体材料製の容器内
    に誘電体材料製の被検出対象物が内蔵された被検査物が
    載置される誘電体材料製の被検査物セット手段と、 前記第1伝搬軸および前記被検査物に対し交差して設け
    られるとともに前記被検査物セット手段上の前記被検査
    物から反射される反射電磁波の第2伝搬軸上に配置され
    た電磁波受信ユニットと、 前記第2伝搬軸と略直交して前記被検査物セット手段を
    境に前記電磁波受信ユニットとは反対側に設けられた第
    2反射面と、 前記電磁波受信ユニットが受信した定在波電力に基づき
    前記被検出対象物を弁別する弁別手段とを具備したマイ
    クロ波検査装置。
  3. 【請求項3】マイクロ波の波長の電磁波の伝搬軸に沿っ
    て形成された第1空間定在波中に、誘電体材料製の容器
    内に金属およびこの金属と前記容器との間に配置される
    誘電体材料製の被検出対象物が内蔵された被検査物を配
    置させて、前記被検査物内の金属で反射された前記第1
    空間定在波の反射電磁波の電力を測定して、前記被検出
    対象物の有無を検査することを特徴とするマイクロ波検
    査方法。
  4. 【請求項4】マイクロ波の波長の電磁波を放射する電磁
    波放射ユニットと、 この放射ユニットから放射される電磁波の伝搬軸と交差
    して設けられ、誘電体材料製の容器内に金属およびこの
    金属と前記容器との間に配置される誘電体材料製の被検
    出対象物が内蔵された被検査物が載置される被検査物セ
    ット手段と、 この被検査物セット手段上の前記被検査物から反射され
    る反射電磁波の伝搬軸上に配置された電磁波受信ユニッ
    トと、 この電磁波受信ユニットが受信した反射電磁波の電力に
    基づき前記被検出対象物の有無を弁別する弁別手段とを
    具備したマイクロ波検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018173317A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 エイワイファーマ株式会社 添付書類の検出装置及び検出方法
CN116827452A (zh) * 2023-08-30 2023-09-29 福州物联网开放实验室有限公司 一种物联网通信终端天线调试装置

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