JPH07286930A - 航空機における燃料漏れ位置の検出方法及びこれに用いる装置 - Google Patents

航空機における燃料漏れ位置の検出方法及びこれに用いる装置

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JPH07286930A
JPH07286930A JP7845494A JP7845494A JPH07286930A JP H07286930 A JPH07286930 A JP H07286930A JP 7845494 A JP7845494 A JP 7845494A JP 7845494 A JP7845494 A JP 7845494A JP H07286930 A JPH07286930 A JP H07286930A
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fuel
tank
leak
aircraft
fluid
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JP7845494A
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Katsunori Ito
勝則 伊藤
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Japan Airlines Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 航空機における燃料漏れを、容易な作業でか
つ迅速に修復できるようにする。 【構成】 航空機の燃料タンクの外壁に発生した燃料漏
れ部位を含んでその周囲を外気から圧力的に封止するよ
うに設けた封止空間に、蛍光物質を含む液体を連続的に
加圧流入し、この流体が燃料漏れ流路をたどって燃料タ
ンク内部に流出する位置を作業者が目視で確認する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機における燃料タ
ンクからの燃料漏れ(リーク)の事前検出や、実際に発
生した燃料漏れの位置検出、その修理、などを行なう方
法およびこれらに用いる装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景と従来技術】近時、人の往来や貨物の運搬
を遠距離間で迅速に行なう交通手段として極めて重要な
位置を占めている航空機は、−数十℃にもなる高空や様
々な天候の下で安全に飛行することができるように金
属,機械,電気,電子等の様々な技術分野の高度な技術
を集積して製作されている他、実際の運航に則して常に
安全な飛行を確保するために、航空機の点検,整備の技
術もまた極めて重要な位置を占め、その項目も多岐にわ
たって高度に研究されている。そして多くの点検,整備
項目は航空機製造メーカーや航空会社などの研究を経て
マニュアル化されており、このような点検,整備の重要
項目の一つとして、燃料漏れの検出,修理が挙げられて
いる。これの燃料漏れに関しては従来から厳しい規制が
あり、実際にも厳しい点検,整備が行なわれている。
【0003】この燃料漏れは一般に主翼の下面に生じ易
く、主として外板の継合せ目のシール部に生ずることが
多い。この外板の継合せ目は、主翼の下面は面積が大き
くかつ場所によってはパッドアップ(ケミカルミーリン
グ)される部分があって一枚板では作れないために複数
の外板で構成する結果生ずるものである。この継目構造
は、外板と外板の継ぎ目の内側にスプライスストリンガ
ーと称される継ぎ桁(継ぎ板に曲げ剛性を高めるフラン
ジを設けたもの)を当ててボルトで結合し、更に継ぎ桁
の端面及び外板の継ぎ目にシール材をそれぞれ塗布して
燃料漏れの防止が図られている。上記したシール部の燃
料漏れは、このシール材が経年的な使用によって劣化す
ることや航空機運航に伴って機械的な振動を受けること
などによりシール部に欠陥が生じて発生するものであ
る。
【0004】ところで、発生した燃料漏れは、外部の漏
れ出し位置は目視で比較的容易に確認できるが、しか
し、漏れのもう一つの原因であるタンク内部の欠陥箇所
は、内部構造が極めて複雑であることや、欠陥が微視的
な場合が多いためにその発見は容易でないという問題が
ある。以下燃料漏れの問題を上記シール材の欠陥に起因
する場合を例にして更に説明する。
【0005】航空機の主な燃料タンク2は、図10,図
11に示すように主翼1の内部に設けられ、図12に示
すようにこの主翼1の構造部材である主翼桁材3を隔壁
として区画された多数の室からなっていて、いくつかの
室の単位毎にメインタンク領域やその他の領域に分けら
れ、また各室には修理作業等のために外部からの出入り
が可能な口(扉)が設けられている。
【0006】上記隔壁を構成する主翼桁材3は、上下の
主翼補強材4を介してそれぞれ上下の主翼外板5等に多
数の締結ボルト6で固定される。そして締結ボルトのタ
ンク内部に露出した頭部、および主翼補強材4の端面等
をシール材(充填剤という場合もある)7で封止する。
また上述した複数の主翼外板5,5の継ぎ目部分につい
ては、これに結合される継ぎ桁40の端面に内部シール
材41,42を塗布して封止すると共に、該主翼外板
5,5の継ぎ目に外部シール材43を塗布して封止し、
燃料漏れが防止される。
【0007】このような構造の主翼内の燃料タンクから
燃料が漏れる場合を図12を用いて図解的に説明する
と、例えば上記主翼外板5,5の継ぎ目の外部シール材
43の部分に欠陥431が生ずると、この部分から表面
に燃料がにじみ出、あるいは垂れる状態が現われて燃料
漏れが発見される。なお、燃料漏れは外部シール材43
の欠陥のみで起こるのではなく、タンク内部の内部シー
ル材41,42にピンホール等の欠陥9が発生したこと
をもう一つの原因として発生する。
【0008】しかし、タンク内部の欠陥位置は、上記の
場合で言えば外部シール材43の欠陥431部分ないし
その近傍にあるとは限らず、実際に、主翼外板5と継ぎ
桁40の間を伝って数mも離れた位置に欠陥が発見され
る場合も少なくない。例えば図12の符号9で示した位
置の内部シール材41にピンホール等の欠陥が発生した
場合、この欠陥9に流れ込んだ燃料は継ぎ桁40と主翼
外板5の合わせ面の隙間を流れ、外部シール材43の欠
陥431に至って外部に漏れ出すことになるからであ
る。なお以下においては説明の便宜上、タンク内部のシ
ール材等に発生したピンホール等の欠陥部分を「リーク
源入口」、燃料が外部に出る部分を「リーク源出口」、
これらのリーク源入口とリーク源出口の間を「リークパ
ス」と言い、これらの全体を「リーク源」、燃料漏れを
「燃料リーク」と言う。
【0009】上述のように、燃料リークは、ピンホール
等の欠陥であるリーク源入口の発生と、外板の継ぎ目部
分の外部シール材43の欠陥431などのリーク源出口
の発生が重なることによって生ずるものであるが、これ
らのリーク源入口9とリーク源出口431の発生には直
接の因果関係がないためそれらに特定な位置関係はな
い。したがって、これらが近い場合もあるいはかなり離
れて発生しリークパス10で連なっている場合もある。
そして燃料リークの修理は、リーク源出口を修復するの
みでは不完全であって、タンク内部に発生したリーク源
入口も修復することが必要とされるから、その修復の前
提としてリーク源入口9を検出(発見)することが重要
になる。
【0010】従来、このようなリーク源入口の検出法と
してバキューム方式と称される方法が知られている。
【0011】この方法は、翼端にある換気口より真空ポ
ンプでタンク内空気を吸引することによって該タンク内
を負圧にすると共に、タンク外部の漏れが発生している
部位に浸透液を塗布することによって行なわれる。すな
わち、外部に塗布された浸透液を上記負圧により引き、
リークパスを通ってタンク内に浸透液が現われることを
利用してタンク内部のリーク源入口を検出する方法であ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのバキ
ューム方式によるリーク源入口の検出は、原理的には上
述のように極めて簡単であるものの、実際の作業におい
ては検出が容易でなく、また長時間を要するという問題
がある。すなわち、この方法は、:タンク内から燃料
を排出し、:タンク内の清浄化作業を行ない、:外
部のリーク源出口部分に浸透液を塗布して約2時間の間
タンク内を負圧にし、この後、作業者がタンク内に入っ
て浸透液の現われた状態を確認し、:浸透液が現われ
ていない場合には該の作業を繰り返す、という〜
の作業を内容としている。ところがこの作業においてタ
ンク内に与えることができる負圧の設定値は、主翼の構
造強度上、例えば−0.14kg/cm2 より大きくす
ることは禁止されるというように負圧上限値が定められ
ているのが普通であるから、大きな負圧により浸透液を
強く吸引することができない。このため、上記の作業
を1回行なってリーク源入口が検出される確率は、経験
上約10%程度であり、同様に2回の場合の確率が約3
0%、3回の場合の確率が50%程度である。このため
上記の作業の繰り返しによりリーク源入口の検出に長
時間を要することがしばしばあり、その結果、燃料リー
クの修理作業全体も長時間化してしまうことが問題とな
る。
【0013】また、このバキューム方式では、上記の
の作業の際にタンク内を負圧とするために作業者がタン
ク内に入っていることはできない。このため、浸透液が
タンク内に吸引されるであろう時間の目安として設定し
た上記2時間の間負圧をかけるようにしているのである
が、の作業の繰り返しを避けるために2時間より長く
負圧をかけるようにすると、例えば上記図12のリーク
源が発生している場合で言えば、図13に示すようにタ
ンク内に浸透した液が図中の斜線部分Aのように広範囲
に広がってしまい、実際のリーク源入口(ピンホール等
の欠陥部位)がその広範囲な浸透液の広がりのどこにあ
るか不明となってしまう。したがって広い範囲に渡るシ
ール材の剥離と貼り直しという修復作業、図13の例で
言えば斜線部分Aの広範囲に渡るシール材41と61
3 の3本の締結ボルトのシール材7の修復を行なわね
ばならず、この点でも全体作業の長時間化を招くという
問題がある。ちなみにこの従来法による平均的作業は1
50工数で約50時間を要している。なおこの問題は、
上記の2時間の負圧吸引を繰り返す作業の場合にも程度
の差はあっても同様である。
【0014】また上記のようにリーク源入口の検出が不
正確で、確率が低いために繰り返し作業が必要になるな
ど、経験の差(熟練度)が作業時間に大きく影響し、熟
練した作業者の養成が必要になるという問題もある。
【0015】また、実際に発生する前の燃料漏れの事前
検出(予見)が可能となれば、安全性確保の面からより
望ましいが、上記バキューム方式では外部の漏れ箇所へ
の浸透液の塗布が不可欠であるため、原理的に漏れ発生
前の事前検出は実質的に不可能である。
【0016】本発明者は、上述した従来法の問題に鑑
み、燃料漏れを容易かつ確実に検出できる方法、特に作
業時間の短縮化の観点から鋭意研究、開発を重ねたとこ
ろ、従来法からは全く予期し得ない驚くべき程多大な効
果を奏する本発明を創成するに至った。またこれと共
に、従来法では全く示唆できない新たなリーク源の修復
方法を開発するに至った。
【0017】本発明は、以下のような種々の目的を達成
するためになされたものである。すなわち、その目的の
第1は、燃料漏れを発生した燃料タンク内のリーク源入
口部位を修復するために、その部位の検出を容易かつ確
実にしかも迅速に検出することができるリーク源の検出
方法および装置を提供するところにある。
【0018】またこの検出において、リーク源入口をピ
ンポイントで検出でき、したがってその後の修復作業で
あるシール材の剥離と貼り直しを極めて狭い範囲に局限
して作業時間の大幅な短縮を可能とした方法および装置
を提供するところにある。
【0019】また更に、航空機の主翼構造に対する強度
上の悪影響を全く与えることなく、しかも他の作業と同
時並行して作業することを可能として、この点からも修
理作業時間の短縮化に有効なリーク源の検出方法および
装置を提供するところにある。
【0020】更にまた、未発見のリーク源出口やリーク
源入口を検出することも可能なリーク源の検出方法およ
び装置を提供するところにある。
【0021】更に、作業内容を容易化することによっ
て、作業者の熟練度による検出確率や作業時間のバラツ
キが少なく、したがって日本や世界中の各地において求
められる整備体勢を平均的に確保,向上させることを可
能とでき、航空機の運航計画を安定確保するのに有効な
リーク源の検出方法および装置を提供するところにあ
る。
【0022】本発明の第2の目的は、リーク源の一方で
あるリーク源出口の修復を、短時間に行うことができる
新規なリーク源出口の修復方法および装置を提供すると
ころにある。
【0023】また、リーク源出口の修復を、燃料をタン
クに搭載したままであるいは他の作業、例えば燃料の追
加搭載作業と同時並行して行うことを可能として、この
点からも迅速な作業を実現できる新規な方法および装置
を提供するところにある。
【0024】更に本発明の第3の目的は、暫定的な燃料
漏れ修理を、極めて容易な作業によりしかも簡易な手段
を用いて可能とした新規な暫定修理用部材を提供すると
ころにある。この暫定的な修理は上述の従来法では不可
能であったが、航空機の飛行の安全性を損なうことのな
い暫定的な修理が可能となれば、運航計画の大幅な変更
を避けることができるため極めて有益である。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の特徴は、上記特許請求の範囲の各請求項に記載し
た通りにある。
【0026】本発明の第1の特徴は、航空機の燃料タン
クの外壁に発生した燃料漏れ部位(リーク源出口)を含
んでその周囲を外気から圧力的に封止するように設けた
封止空間に流体を連続的に加圧流入させることによっ
て、該流体が燃料漏れ流路(リークパス)をたどって燃
料タンク内部に流出する位置(リーク源入口)を検出す
る方法にある。
【0027】この方法を実施するには、加圧流入させる
流体として、気体あるいは液体のいずれも用いることが
できるが、好ましくは燃料タンク内の壁やシール材など
と異なる有色の液体あるいは蛍光物質を含む液体を用い
ることが好ましい。これらの色や蛍光物質で標識された
液体によれば、燃料タンク内にこれが流出したことを作
業者が目視で容易に見つけることができるからである。
特に蛍光物質は、紫外線ランプなどを点灯することによ
って蛍光を発し、その流出位置を明敏に示すことができ
るので特に好ましい。加圧流入させる流体に液体を用い
る場合には、リークパスを円滑に流れて迅速な検出を実
現するために粘性の低い液体を用いることが好ましい。
このような液体としては、例えば灯油等を例示すること
ができ、これに顔料や蛍光物質を添加することで上記の
好ましい流体を得ることができる。
【0028】上記構成においては、燃料タンクの外壁に
発生したリーク源出口を外気から圧力的に封止した封止
空間で囲うようにしているので、リーク源に十分に高い
圧力で流体を流入させることができ、しかもこの圧力は
燃料タンク全体に対しての加圧ではないので、主翼構造
強度上から大きな制約を受けることがない。
【0029】上記の封止空間を形成する手段としては、
下記する外部タンク本体を備えた検出装置を用いること
ができる。
【0030】すなわち、不定形で粘土様の造形性を有し
かつ常温に放置することによって硬化する可塑性プラス
チック材料を主成分とする組成物からなり、航空機の燃
料タンク外壁に発生したリーク源出口を環状に囲んでそ
の近傍表面と隙間なく密着して接着剤により該外壁面に
接着される環状表面、及びこの環状表面から上記リーク
源出口をドーム状に覆って内側に封止空間を形成する殻
壁とを有するように成形され、硬化されてなる外部タン
ク本体と、この外部タンク本体の殻壁を貫通して一端が
上記封止空間に臨み、かつ外部側の他端が加圧流体供給
源に接続された流体流入用の流通管とを備えた外部タン
ク型の燃料漏れ位置検出装置が好ましく用いられる。
【0031】形成される上記封止空間の大きさは特に限
定されるものではないが、一般的には数ml〜数十ml
程度とされるのが好ましい場合が多い。
【0032】上記の組成物としては、例えば型取り用ア
クリル樹脂、あるいは燃料タンクのシール材として用い
られているチオコール系シーラントなどを好ましいもの
として例示することができるが、不定形で粘土様の造形
性を有し、望ましくは該組成物を混合調製後常温に放置
して数時間以内、好ましくは1時間以内、より好ましく
は30分以内に硬化することによって、0〜1.75k
g/cm2 程度の内部圧力で破壊しない材料であれば格
別限定されることなく使用できる。この組成物は、使用
に際して2剤以上のものを混合することで硬化を始める
ものや、主剤に対して硬化剤を添加することによって硬
化を始めるものが好ましい。また上記組成物には増量
剤、補強剤、硬化促進剤等を必要に応じて添加すること
もできる。上記構成において外部タンク本体を形成する
のに不定形で粘土様の造形性を有する組成物を用いるの
は、燃料タンク外壁は構造強度上の必要から複雑な凹凸
面や曲面を呈していたり、必要に応じて種々の形状の補
強材料が組みつけられる部分が多く、予め準備された定
型のドーム型部材をそのまま用いて外気から封止された
空間を形成する方式を採用することには適していないか
らである。
【0033】外部タンク本体を燃料タンクの外壁面に接
着するには、内部圧力によっては外部タンク本体が容易
に剥離しないが、他方作業終了後においては剪断力を作
用させることによって外部タンク本体を燃料タンク外壁
面から比較的容易に剥離できる接着剤を用いることが好
ましく、例えばシアノアクリレート系接着剤を好ましい
ものとして挙げることができる。
【0034】上記外部タンクの殻壁を貫通して設けられ
る流通管は、流体の流入圧力に耐えられるものが用いら
れ、一般的にはアルミニウム製パイプ等の金属パイプが
好ましく使用される。外部タンクの殻壁を貫通して設け
られる流通管は、少なくとも流体を流入させるために1
本は必ず必要であるが、これに限定されるものではな
い。例えば、比較的近傍の複数箇所に燃料漏れが発生し
たような場合においては、これらの複数箇所に設けた外
部タンクに対して直列的に流体を流入させるように配管
を接続することもでき、この場合には、一つの外部タン
ク本体の殻壁に2本の管を貫通させて該直列の配管を構
成できるようにすることもできる。
【0035】また下記するように、封止空間に対する流
体の流入圧力を検出するために、一端が上記封止空間に
臨みかつ他端が圧力計に接続された流体流出用の流通管
を別に設けることもできる。
【0036】上記した外部タンク本体によって形成され
る封止空間には、更に付加的に、外部タンク装置を形成
させる作業を容易化するための封止空間に臨む流通管の
予備的固定手段を設けることもできる。このような予備
的固定手段は、特に複数本の流通管を組み付ける場合に
有効であり、例えば2本の流通管を予備的固定手段とし
てのパテ(エポキシ系樹脂からなるパテ等)でその姿勢
を安定させておけば、外部タンク本体を造形し、硬化さ
せる作業が極めて容易となる。
【0037】また同様の作業を容易化のため、あるいは
更に封止空間に臨む流通管(特に流体排出用の流通管)
の端部開口がゴミ等によって閉塞されないようにポリウ
レタン繊維などのフィルタを外部タンク本体の内部に配
設することも好ましく、このような目的で用いるフィル
タには、望ましくはポリウレタン繊維などが綿状にから
みあったブロックとして用いることが好ましい。
【0038】本発明の第2の特徴は、上述した燃料タン
ク内部のリーク源入口を検出する際に、流体の加圧流入
開始から燃料タンク内部に該流体が流出するまでの所要
時間を予測することによって作業の効率化を図ることに
ある。すなわち、流体の封止空間への流入状態の監視に
よって、燃料タンク内に該流体が流出すると予想される
までの時間が例えば1時間程度と概ね想定できれば、作
業者はその間他の作業、例えば燃料漏れが複数箇所で発
生している場合にはその他の該当箇所の作業を行うこと
ができ、それが上述したピンポイントの欠陥発見に何ら
支障とならないという利点をもたらす。この作業の効率
化は、具体的には、一の箇所の上記封止空間に加圧流入
させる流体の流入速度及び/又は流入量を監視すること
により行うことができる。具体的には、封止空間に加圧
流入させる流体の流入速度及び/又は流入量を監視する
手段として、流体流入用の流通管の外部側の他端が接続
される加圧流体供給源にフローメーターを設けたものを
用いること、あるいは封止空間に対する流体の流入圧力
を圧力計に接続したもう1本の流体流出用の流通管を利
用して行うことができる。
【0039】本発明の第3の特徴は、航空機の燃料タン
クの外壁に発生したリーク源出口(燃料漏れ部位)を含
んでその周囲を外気から圧力的に封止するように設けた
封止空間を通して、リークパス(燃料漏れ流路)に接着
剤液を流入させて固化させることにある。これにより、
上記燃料タンク外壁のリーク源出口(燃料漏れ部位)か
らこれに連続するリークパスの少なくとも一部を閉塞す
ることができる。すなわち、燃料漏れの修理はリーク源
入口とリーク源出口の双方について行うことが望まれ
る。ここで燃料タンク内部の燃料漏れ修復はシール材の
剥離と貼り直しによって行なわれ、他方燃料タンク外壁
のリーク源出口の修復は、外部シール材の貼り直しかあ
るいは外部に付加的に処置することで行なわれるが、上
記のリークパスに接着剤液を流入固化させて内部的な閉
塞を行うようにすれば、当該燃料漏れを生じた流路から
の漏れを恒久的に防止できることを意味する点で好まし
い。しかもこの方法により、上記接着剤液をリーク源出
口からリークパス(燃料漏れ流路)を通してリーク源入
口まで流入させて固化させるようにすれば、燃料タンク
内部のシール材の剥離と貼り直し作業自体を省略でき、
また燃料を搭載したままの作業も可能になるという利点
も得られる。このような接着剤液として用いられるもの
としては、例えば航空機用ポリウレタンペイントに硬化
促進剤を添加した液を挙げることができる。
【0040】本発明の第4の特徴は、燃料タンク外壁に
発生したリーク源出口(燃料漏れ部位)及びその周囲表
面に、上述した外部タンク形成用組成物を用いて燃料タ
ンク外壁に倣って隙間なく覆う硬化成形物を接着させ、
更に該硬化成形物の表面を覆って周囲のタンク外壁に渡
って接着シートを貼付するようにした暫定修理用部材を
提供することにある。
【0041】
【作用】請求項1〜3に記載した本発明の第1の特徴的
方法によれば、燃料タンク内に負圧を与えることがない
ので、比較的高い圧力例えば0〜1.75kg/cm2
の圧力で流体をリーク源に流入させることによって迅速
なリーク源入口の検出が可能となり、しかも燃料タンク
内を負圧としないので作業者がタンク内に待機でき、し
たがって流体のタンク内への流出を即座に見つけること
でリーク源入口をピンポイントで確認できる。
【0042】また上記第1の特徴的方法によれば、現実
に燃料漏れの状態として顕在化はしていないが、シール
材の劣化等が進行しているために、経時的には新たな燃
料漏れの原因箇所として現れる虞れが高い潜在的欠陥部
分から上記流入した流体が漏れ出てくることが認められ
る。したがって本発明の方法によれば、かかる部位を合
わせて修復する予防的修理を行なうことが可能となる。
【0043】本発明の第2の特徴的方法によれば、上述
した燃料タンク内部のリーク源入口を検出する際に、流
体の流入速度や流入量から、燃料タンク内部に流体が流
出するタイミングが予測でき、したがって作業者はその
間に他の作業を行うことができるという利点をもたら
す。
【0044】本発明の第3の特徴的方法によれば、リー
クパスを含んでリーク源出口を接着剤で閉塞することに
より、当該燃料漏れを生じた流路からの漏れを恒久的に
防止でき、またリーク源出口から接着剤を流入させてリ
ーク源入口までの流路の全てを固化閉塞するようにすれ
ば、燃料タンク内部のシール材の剥離と貼り直し作業自
体を省略できるという利点をもたらす。
【0045】本発明の第4の特徴である暫定的な修理用
部材によれば、上述のバキューム方式では不可能であっ
た航空機の飛行の安全性を損なうことのない暫定的な修
理を可能とでき、暫定的な燃料漏れに対する対策として
運航計画の大幅な変更を避ける上で極めて有益である。
【0046】また上記した第3、第4の特徴的な方法,
装置においては、タンク内部とは直接関係なく作業を行
なえるため、燃料を搭載したままあるいは燃料を追加搭
載する作業と平行して作業ができ、従来の修理に比べて
修理時間やこれに付随する作業時間が極めて大幅に短縮
できる。
【0047】
【実施例】以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説
明する。
【0048】実施例1 図1は、図12で説明した燃料タンク内の内部シール材
41に発生したリーク源入口9から、継ぎ桁40と主翼
外板5の間の隙間にできたリークパス10を通り、リー
ク源出口431である主翼外板5,5の継ぎ目の外部シ
ール材43の欠陥から燃料が外部に漏出している状態を
示している。
【0049】この燃料漏出の状態が目視で確認されるこ
とにより、燃料タンク内部のリーク源入口9の検出とそ
の修復、及びリーク源出口431の修復の作業が開始さ
れる。
【0050】本例ではまず、リーク源に流体を加圧流入
させるための外部タンクを、上記外部シール材43が露
出するタンク外壁(本例では主翼外板5,5の継ぎ目部
分)に次のようにしてセットする。すなわち、図2に示
したように、所定量のエポキシパテを練って、2本のア
ルミニウム製の流通管21(流体流入用),22(流体
流出用)を仮に固定する予備的固定ブロック23を形成
させる。そしてこれらの流通管21,22の一端側にポ
リウレタン製繊維の綿状物をフィルタ26として上記外
部シール材43の欠陥431部分に被せる。次に、不定
形で粘土様の造形性を有する型取り用アクリル樹脂の組
成物を混合調製し、これを上記予備的固定ブロック23
の外側を覆う形状に造形しながら外部タンク本体24を
形成させ、その環状周面をシアノアクリレート系接着剤
により上記主翼外板5に接着固定する。この接着剤は、
上記樹脂組成物を所定の形に造形した後に本体24の主
翼外板5に接着する面に塗布するようにしてもよいし、
造形前あるいは簡単な予備造形を行なった状態で該接着
面に塗布して接着を先に行なわせ、その後造形作業を行
なうようにしてもよい。
【0051】以上により、図2で示されるように、主翼
外板5,5の継ぎ目部分の外部シール材43の欠陥(リ
ーク源出口)431である部位を囲んで、これを外気か
ら封止した封止空間(本例では綿状フィルタ26が充填
されている)を内部に有する外部タンク20が形成され
る。
【0052】そして、上記の2本の流通管21,22の
外部側端部は、所定の流体を加圧流入させるための流体
加圧供給源を含む図4のコントローラ25に接続され
る。以上の構成の全体概要を図3に示した。なお該コン
トローラ25の詳細は図4に示されるがこれについては
後記する。
【0053】上記のように構成された外部タンク20
に、蛍光物質を添加した液体を所定の圧力で加圧流入さ
せると、この液体は、該外部タンク20内の封止空間を
満たした後、図1のリーク源出口である外部シール材4
3の欠陥431からリークパス10に入り込み、所定時
間を経過した後に、リーク源入口9から燃料タンク内部
に流出し、燃料タンク内に待機した作業者はこれを紫外
線ランプなどを点灯させることによって容易に見つける
ことができる。なお本発明者等の実験によれば、同じ道
程のリーク源において流体が燃料タンク内部に流出する
までの所要時間は、加圧流入のための圧力にもよるが実
用的に採用し得る範囲において、従来のバキューム方式
に比べて1/10〜1/20であることが確認されてい
る。
【0054】上記のようにして燃料タンク内部の欠陥位
置(リーク源入口)はピンポイントで検出することがで
きるので、該当欠陥部位の剥離と貼り直しを図5に示す
ように局部的に行うだけで内部欠陥の修復を完了するこ
とができる。
【0055】なお、以上の作業を行う場合に、図3の外
部タンク20に位置検出用流体を加圧流入させると、燃
料漏出が顕在化していない外部シール材の他の部分など
から燃料が漏出する場合が実験的に認められた。これは
将来的にリーク源出口となる可能性は高いが未だ顕在化
していない潜在的な欠陥部位の封止力が、リークパス1
0を流れる流体の流動抵抗に比べて低いなどの理由で破
壊して生ずるものと推定される。このような部位の検知
は従来全く不可能であったが、近い将来において燃料漏
れを招く虞れの高い部位を事前に検出できることは、航
空機の安全運航を図る上で極めて有意義であるのは当然
であり、かかる燃料漏出の予防を可能とした本発明の意
義は極めて大きい。
【0056】また燃料タンク内部欠陥の修復後、外部タ
ンク20に流体を加圧流入させることによってこの修復
作業の当否を判定することができ、更には、この判定作
業によっても上記した潜在的な欠陥部位(リーク源出口
およびリーク源入口)が判明することも期待できる。
【0057】実施例2 本例は、図6〜図8に示すように燃料タンク外壁が複雑
な構造を呈している部分や外板継ぎ目部分において、各
図の斜線で示した領域11に燃料漏れを起こした場合に
内部シール材8に発生したリーク源入口9を検出する方
法を示す。なお図中の12はシール材、121はそこに
発生したリーク源出口(欠陥)を示している。
【0058】本例を図8により代表的に説明すると、こ
の図8に示された構造部分は、燃料タンク外壁13に更
に補強材14がボルト17で固定され、かつ隅部には若
干の三角形状の隙間15が形成された構造をなしてい
る。したがって、このタンク外壁13と補強材14の間
から燃料が漏出する場合には、上記実施例1の形式の外
部タンクを単純に適用することができない。
【0059】そこでかかる場合においては、図8の中段
図に示したように、補強材14と上記タンク外壁13の
合わせ面端部の外部タンク形成位置18を除く全てを例
えばチオコール系シーラント16でシールし、次いで上
記隙間15に臨む外部タンク形成位置18に上記実施例
1で説明した外部タンク20を形成させ、これに流通管
21を通じて位置検出用流体を加圧流入させるようにし
た。
【0060】これにより、実施例1の場合と同様にして
燃料タンク内部の欠陥(リーク源入口)を検出すること
ができた。
【0061】なお本例においては、燃料タンク内部の欠
陥修復後、外壁の燃料漏れ部位を閉塞するために上記シ
ーラント16を残置し、また流通管21の接続部分等を
外気から封止するように処理することが好ましい。
【0062】実施例3 本例は、上記実施例1において加圧流入させた流体がリ
ーク源入口に流出するのに要した時間を予測する例を示
す。すなわち本例では、図4に示したように、コントロ
ーラ25の流体流入用の流通管21に接続された径路2
51にフローメータ252を設け、また流体流出用の流
通管22に接続された径路253に圧力計254を接続
することによって、リーク源に流入する流体の流入速
度、及び流入量を検出した。なお、255は上記位置検
出用流体を充填したメインタンク、256はブリードタ
ンク、257はバキュームポンプ、258は加圧ポン
プ、259〜264はそれぞれ流路切換弁であり、図示
しない制御装置によって流通状態を切り換えられるよう
に設けられている。
【0063】そして上記の流体の流入速度及び/または
流入量を確認することによって、おおよそのリーク源入
口検出までの所要時間を予測できた。
【0064】上記の方法により所要時間を予測できる理
由は、航空機の燃料漏れ修理作業を行なっている作業者
の経験等からすれば、過去のリーク発生箇所、それらの
部位におけるリーク源やリークパスの状態、あるいは実
験データの集積などを総合的に判断することで、上記流
体の流入速度などを確認すれば上記所要時間を概ね予想
できるからである。
【0065】本例によれば、燃料漏れを生じた航空機の
使用スケジュールを早い段階において確実に予定するこ
とができるので、作業に必要な時間を案内するなどして
利用者の便宜を図る上でも極めて有意義である他、代替
機準備の必要性等の検討においても、計画的なスケジュ
ールを立てる上でその効果は極めて大きい。
【0066】実施例4 本例は、上記実施例1に用いた外部タンク20を利用し
てリーク源出口の修復を容易かつ短時間に行うようにし
た例を示す。
【0067】すなわち、実施例1のリーク源入口の修復
を行なった後、まず図4のコントローラ25の切換弁2
62の切り換え、流通管22を通して外部タンク20の
封止空間に加圧ポンプ258から加圧エアを導入するこ
とにより、該封止空間に流入されている位置検出用流体
をメインタンク255に排出した。次に、切換弁26
1,259,260、264を切り換え、バキュームポ
ンプ257の負圧を流通管21を通して封止空間に作用
させてリーク源内の液を外部に強制排出した。なおこの
際切換弁262は遮断しておく。
【0068】この後、切換弁263を切り換えて、図示
しない接着剤充填タンクから航空機用ポリウレタンペイ
ントを主成分とする接着剤液を、封止空間を経てリーク
源に流入させ、所定時間放置し、その後、外部タンク2
0を除去した。この際、リークパス内は上記の強制排出
操作により液がないので接着剤液の流入がスムーズに行
なえた。
【0069】以上により、リーク源出口及びリークパス
の一部を上記接着剤の固化により閉塞することができ
た。
【0070】なおこの作業は、燃料タンクに燃料を搭載
したままあるいは追加搭載する作業と並行して行うこと
ができるという利点がある。
【0071】また、実施例1の作業を行なうことなく、
始めから切換弁263を切り換えておいて、図示しない
接着剤充填タンクから上記接着剤液をリーク源に流入さ
せ、所定時間の放置後、外部タンク20を除去すること
もできる。このようにすれば、タンク内作業を行なわず
に、リーク源出口〜リークパスを短時間に閉塞させるこ
とができる。
【0072】実施例5 本例は、発見された燃料漏れに対する暫定的な修理が求
められるような場合、あるいは燃料漏れのリーク源入口
の検出、修復が容易にできない状況、例えば所定設備が
ないような飛行場に着陸した結果、上述した実施例1〜
4の作業が実際に不可能である場合に有効な暫定的な燃
料漏れの修理についての例を示す。
【0073】本例の特徴は図9に示され、図1で説明し
た主翼外板5,5の継ぎ目部分の外部シール材43から
燃料が漏れている場合に、上述した比較的短時間に硬化
しかつ主翼外板5に強固に接着される上記外部タンク本
体形成用の可塑性プラスチック材料を用いて、その内部
に封止空間を形成することなくシール材として用いるよ
うにしたところにあり、実際の作業は、上記した実施例
1の外部タンク作成作業においてのフィルタ、パテを使
用せずに、実施例1の不定形で造形性のある外部タンク
本体形成用の組成物を用いて扁平な殻壁30を成形し、
これをタンク外壁(主翼外板5)継ぎ目部分の外部シー
ル材43部分を覆うように接着した構造として作成され
る。この継ぎ目部分は外板5と外部シール材43が必ず
しも面一ではないが、上記組成物は不定形で造形性を有
するため隙間のない接着が可能であり、燃料漏れ部位を
確実に外部から遮断できる。接着剤には上記のシアノア
クリレート系接着剤が好ましく用いられる。接着剤塗布
の順序は該組成物の造形の前後のいずれでもよい。
【0074】また、上記組成物が硬化する前又は後に、
これの表面を覆う高粘着性シート31がタンク外壁の周
囲面に渡って貼付される。この高粘着性シート31は、
アルミシートに粘着剤を塗布したものとして航空機用に
従来から用いられているものであって、主にその滑らか
な表面により機体表面の空気抵抗を小さくするために用
いられる。
【0075】本例によれば、従来法では不可能であった
リーク源出口のみの応急的,暫定的な閉塞ができ、航空
機の運航計画を安定確保できる他、大きな装置類を必要
としない等の理由で世界各地の飛行場等における燃料漏
れに対する整備能力を平均的かつ大幅に向上させること
ができる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような種々の効
果を奏することができる。
【0077】すなわち、請求項1〜3に記載したリーク
源入口を検出するための本発明の方法および請求項5〜
9の装置によれば以下の効果を奏する。
【0078】:燃料漏れを発生した燃料タンクのリー
ク源入口部位を修復するために、その部位の検出を容易
かつ確実にしかも迅速に検出することができる。
【0079】:この検出において、リーク源入口をピ
ンポイントで検出できる。
【0080】:リークパス中に残っている燃料を強制
排出をするようにすれば、このリークパスに接着剤を流
入させて閉塞させることや、リーク源出口の修復作業が
確実かつ迅速に行なえる。
【0081】:したがってその後の修復作業であるシ
ール材の剥離と貼り直しを極めて狭い範囲に局限して作
業時間の大幅な短縮が可能となる。図1の燃料漏れを例
にすると、従来法による場合は上述のように平均150
工数で50時間を要していた作業が、本発明方法によれ
ば、平均75工数で25時間ないしそれ以下の工数,時
間の作業で行なえる。
【0082】:航空機の主翼構造に対する強度上の悪
影響を全く与えることなく、しかも他の作業と同時並行
して作業することができ、したがってこの点からも修理
作業時間の短縮化に有効である。
【0083】:未発見のリーク源出口、あるいはリー
ク源入口を検出することができる。
【0084】:作業内容が容易であるため、作業者の
熟練度による検出確率や作業時間のバラツキが少なく、
したがって日本や世界中の各地において求められる整備
体勢を平均的に確保,向上させることができ、航空機の
運航計画を安定確保することができる。
【0085】:フローメーターなどによりリーク源に
加圧流入させる流体量,流入速度をモニターすることに
より、検出流体の加圧流入開始後、リーク源入口に該検
出流体が吐出するまでの時間が概ね予測でき、これによ
ってリーク源修理の作業全体時間が予測できるために、
作業計画のスケジュールの見通しができ、更には当該航
空機の運航計画や代替航空機の準備の必要性、利用者へ
の告知の見通しなどについて、計画的に進めることが可
能となる。
【0086】また、請求項4に記載したリーク源出口か
らリークパスに接着剤を流入させて固化させる容易かつ
迅速な修復を行うことを可能にした本発明によれば以下
の効果を奏する。
【0087】:リーク源修理の一方であるリーク源出
口側の修復を、短時間に行うことができる。
【0088】:リーク源出口の修復を、燃料搭載のま
まあるいは燃料の追加搭載の作業と同時並行して行うこ
とが可能となり、迅速作業の実現がこの点からも期待で
きる。更にまた、請求項10に記載した暫定的な燃料漏
れ修理を可能とした本発明の装置によれば以下の効果を
奏する。
【0089】:緊急時の暫定的な燃料漏れ修理が、極
めて容易な作業によりしかも簡易な手段を用いて可能と
なる。
【0090】:リーク源出口の修復を、燃料搭載のま
まあるいは燃料の追加搭載の作業と同時並行して行うこ
とが可能となる。
【0091】:これにより、通常ルート以外の地に緊
急的に着陸した航空機において燃料漏れが発生した場合
に、当該航空機が通常ルートに戻るまでの期間、燃料漏
れを一時的に防止することを十分に保証できるため、安
全な飛行を確保する上で極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する燃料漏れの状態の一例を示し
た図、
【図2】燃料漏れの部位に形成した外部タンクの構造を
示した図、
【図3】燃料タンク内部の欠陥位置を検出するための装
置概要を示した図、
【図4】図3の装置のコントローラの内容を示した図、
【図5】燃料タンク内部の欠陥を修復する作業を説明す
る図、
【図6】複雑な構造部分に現れる燃料漏れの状態の例を
示した図、
【図7】複雑な構造部分に現れる燃料漏れの状態の例を
示した図、
【図8】複雑な構造部分に現れる燃料漏れの状態と、そ
の修復の例を示した図、
【図9】燃料漏れの外部欠陥を暫定的に修復する部材を
示した図、
【図10】航空機における燃料タンクの位置を説明した
図、
【図11】燃料タンクの構造概要を示した図、
【図12】燃料タンクからの燃料漏れの状態を説明する
ための図、
【図13】従来のバキューム法により燃料タンク内部に
現れる検出状態を示した図。
【符号の説明】
1・・・主翼、2・・・燃料タンク、3・・・主翼桁
材、4・・・主翼補強材、5・・・主翼外板、6・・・
締結ボルト、7、8・・・内部シール材、9・・・リー
ク源入口(欠陥)、10・・・リークパス、12・・・
外部シール材、121・・・リーク源出口(欠陥)、1
3・・・燃料タンク外壁、14・・・補強材、15・・
・隙間、16・・・外部シール材、20・・・外部タン
ク、21,22・・・流通管、23・・・パテ、24・
・・外部タンク本体、25・・・コントローラ、26・
・・フィルタ、252・・・フローメータ、254・・
・圧力計、255・・・メインタンク、257・・・バ
キュームポンプ、258・・・加圧ポンプ、259〜2
64・・・切換弁、30・・・扁平な殻壁、31・・・
アルミシート、40・・・継ぎ桁、41,42・・・内
部シール材、43・・・外部シール材、431・・・リ
ーク源出口(欠陥)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機の燃料タンクの外壁に発生した燃
    料漏れ部位を含んでその周囲を外気から圧力的に封止す
    るように設けた封止空間に流体を連続的に加圧流入させ
    て、該流体が燃料漏れ流路をたどって燃料タンク内部に
    流出する位置を検出することを特徴とする航空機におけ
    る燃料漏れ位置の検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、流体が、色又は蛍光
    物質で識別標識された液体であることを特徴とする航空
    機における燃料漏れ位置の検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、流体の加圧流
    入開始から燃料タンク内部に該流体が流出するまでの所
    要時間を予測するために、封止空間に加圧流入させる流
    体の流入速度及び/又は流入量を監視することを特徴と
    する航空機における燃料漏れ位置の検出方法。
  4. 【請求項4】 航空機の燃料タンクの外壁に発生した燃
    料漏れ部位を含んでその周囲を外気から圧力的に封止す
    るように設けた封止空間を通して燃料漏れ流路に接着剤
    液を流入して固化させることにより、上記燃料タンク外
    壁の燃料漏れ部位からこれに連続する燃料漏れ流路の少
    なくとも一部を閉塞することを特徴とする航空機におけ
    る燃料漏れの修理方法。
  5. 【請求項5】 不定形で粘土様の造形性を有しかつ常温
    に放置することによって硬化する可塑性プラスチック材
    料を主成分とする組成物からなり、航空機の燃料タンク
    外壁に発生した燃料漏れ部位を環状に囲んでその周囲表
    面と隙間なく密着し接着剤により該外壁に接着される環
    状表面、及びこの環状表面から上記燃料漏れ部位をドー
    ム状に覆って内側に封止空間を形成する殻壁を有するよ
    うに成形され、硬化される外部タンク本体と、この外部
    タンク本体の殻壁を貫通して一端が上記封止空間に臨み
    かつ外部側の他端が加圧流体供給源に接続された流体流
    入用の流通管とを備えたことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の方法に用いる航空機における燃料漏
    れ位置の検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、外部タンクの殻壁を
    貫通して一端が上記封止空間に臨みかつ外部側の他端が
    圧力計に接続された流体流出用の流通管を備えたことを
    特徴とする航空機における燃料漏れ位置の検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、封止空間に臨
    む流通管の予備的固定手段を外部タンク本体の殻壁内側
    に設けたことを特徴とする航空機における燃料漏れ位置
    の検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかにおいて、封止
    空間に臨む流通管の端部にフィルタを設けたことを特徴
    とする航空機における燃料漏れ位置の検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかにおいて、流体
    流入用流通管の外部側の他端が、フローメーターを有す
    る加圧流体供給源に接続されていることを特徴とする航
    空機における燃料漏れ位置の検出装置。
  10. 【請求項10】 不定形で粘土様の造形性を有しかつ常
    温に放置することによって硬化する可塑性プラスチック
    材料を主成分とする組成物からなり、航空機の燃料タン
    ク外壁に発生した燃料漏れ部位を含む近傍表面を燃料タ
    ンク外壁面に倣って隙間なく覆うように成形され硬化す
    ると共に、燃料タンク外壁に接着剤を介して接着される
    硬化成形物と、燃料タンク外壁から該硬化成形物に渡っ
    てその表面を覆うように貼付される接着シートとを備え
    たことを特徴とする燃料タンク外壁の燃料漏れ部位の暫
    定修理用部材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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