JPH07284963A - 密着性に優れた金属二重管の製造方法 - Google Patents

密着性に優れた金属二重管の製造方法

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JPH07284963A
JPH07284963A JP8281294A JP8281294A JPH07284963A JP H07284963 A JPH07284963 A JP H07284963A JP 8281294 A JP8281294 A JP 8281294A JP 8281294 A JP8281294 A JP 8281294A JP H07284963 A JPH07284963 A JP H07284963A
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heat treatment
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pipes
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Atsushi Sato
佐藤  淳
Hiroshi Okamoto
弘 岡本
Kazuhiro Ogawa
和博 小川
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(1) 外管、内管のうち、不動態皮膜が生成され
ない、または生成されにくい管の接合面に、重量%で、
B:0.5 〜7%およびFe:30%以下を含み、残部がNiと
不可避不純物からなる厚さ2〜 100μm のNi−Bメッキ
層を設けて、外管の中に内管を挿入し、内管の縮径率を
0.5〜10%の範囲として冷間縮径加工を施した後、1100
〜1250℃で拡散熱処理を行って内外管を接合させる。 (2) 上記(1) の冷間縮径加工と拡散熱処理との間に、管
の長手方向に管を 0.1〜10mm/秒の速度で移動させて、
1050〜1250℃で連続的に局部加熱処理を施す上記(1) の
製造方法。 上記(1) のメッキ層と拡散熱処理温度は、それぞれ、
B:0.5 〜7%、P:0.5 〜7%およびFe:30%以下の
Ni−B−Pのもの、1050〜1250℃とすることができる。 【効果】接合面にボイドや割れのない、油井管、ライン
パイプ、化学工業用の耐食用管などに好適な二重管が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油井管、ラインパイ
プ、化学工業用の耐食用管などに好適な金属二重管の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属二重管は、内管および外管にそれぞ
れ異なる機能を有する材料が用いられ、管全体として優
れた特性を発揮するものである。例えば、外管に鋼を、
内管にNi基合金をそれぞれ用いて、外管には強度を、内
管には耐食性をそれぞれ分担させた金属二重管が、油井
用や化学工業用の鋼管として実用化されている。
【0003】内外管を冶金的に接合させる方法として
は、熱間圧延して拡散接合させる方法が最も一般的であ
る。その接合の際に接合面の密着性を確保するために、
管の内外面の清浄度の管理や接合部の酸化防止対策を万
全に行う必要があるため、高コストとなる。すなわち、
外管の内面、内管の外面を研磨、洗浄する工程に加え
て、内外管の隙間の酸素を除去するため、内外管を組立
てた後に管端をシール溶接してこの隙間内を高真空に引
く工程が採用されている。
【0004】経済的な二重管の製造方法として、内管と
外管の間に低融点のインサート材を介在させて、界面で
の金属接合の達成を容易にする方法が多数提案されてい
る。
【0005】例えば、特開昭59−159284号公報では、熱
膨張の大きい材料を内管材として、インサート材を介し
て、外管と嵌合わせ加熱するときに生ずる熱応力を利用
して内外管を接合する方法が示されている。この方法で
は、インサート材としては、Ni箔もしくはNi−Pメッキ
層が用いられる。さらに、特開昭62−78783 、特開昭62
−72423 の各号公報では、Ni箔の両面にPメッキを施
し、これを内管に巻き付けてインサート材とし、この内
管を外管に挿入して冷間加工で縮径した後、拡散熱処理
を行うか、または熱間押出しや圧延を行って、接合する
方法が示されている。
【0006】特開平1−197081号公報では、インサート
材としてSi、Bを含む低融点のNi基合金を溶射した層を
用いる方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来の技術で
は、次のような問題点がある。
【0008】メッキ層などのインサート材を内管と外
管との間に介在させた後、熱間押出しまたは他の熱間加
工により接合する方法では、特に、内管に熱間加工性の
劣る高耐食性合金を用いた場合には、内管に割れが生じ
たり、あるいは外管との変形抵抗の差によって、良好な
加工ができない。
【0009】インサート材を内管に巻き付ける方法で
は、螺旋状に巻き付けられたインサート材の重なり部に
空気層が残存するため、冷間縮径と拡散熱処理の工程を
経た後も接合面に空隙欠陥(ボイド)が生じ、密着性を
低下させる。この欠陥のない均質な接合界面を得るため
には、他の手段ないし工程、例えば冷間での抽伸などを
付加せざるを得ず、したがって、工業的に安価に製造で
きる方法とは言いがたい。
【0010】Ni−Pメッキ層をインサート材とする方
法は、短時間の加熱による拡散熱処理の場合では、接合
界面にNi−P共晶物が生成し界面強度が低下するため、
品質面で信頼性の高い方法とは言いがたい。
【0011】溶射によりインサート材を形成する方法で
も、上記と同様の問題がある。すなわち、溶射層には
多くの空孔が存在するため、これをインサート材として
冷間縮径、拡散熱処理を施して二重管を製造すると、接
合面のボイドが残存することがある。
【0012】本出願人は、接合面でのボイドの発生を抑
制して、外管と内管との密着性を向上させるには、イン
サート材として低融点のNi−BまたはNi−B−P系のメ
ッキ層を用いて、液相拡散法を行うのが望ましいという
知見に基づく発明を特願平4-292651号として出願した。
この発明の方法は、外管の内面または内管の外面に、低
融点のNi−BまたはNi−B−P系のメッキ層を設けて、
外管の中に内管を挿入し、冷間縮径加工を施した後、拡
散熱処理を行って内外管を接合させるという方法であ
る。しかし、液相拡散法を採用しても、ボイドのない均
質な接合面を得るには、メッキ層を施す内外面に生成す
る不動態皮膜の影響を取り除かねばならなかった。すな
わち、不動態皮膜が生成し易い管の表面にメッキ層を設
けて冷間縮径、液相拡散熱処理を行っても、ボイドが残
留し、接合面の密着性が十分でない場合がある。
【0013】本発明の目的は、上記の問題点を解消する
ことができる金属二重管の製造方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の(1) 〜
(3) の金属二重管の製造方法を要旨としている。
【0015】(1) 二重管を構成する外管、内管のうち、
不動態皮膜が生成されない、または生成されにくい管の
他の管との接合面に、重量%で、B:0.5 〜7%および
Fe:30%以下を含み、残部がNiと不可避不純物からなる
厚さ2〜 100μm のNi−Bメッキ層を設けて、外管の中
に内管を挿入し、内管の縮径率を 0.5〜10%の範囲とし
て冷間縮径加工を施した後、1100〜1250℃で拡散熱処理
を行って内外管を接合させることを特徴とする密着性に
優れた金属二重管の製造方法。
【0016】(2) 二重管を構成する外管、内管のうち、
不動態皮膜が生成されない、または生成されにくい管の
他の管との接合面に、重量%で、B:0.5 〜7%、P:
0.5 〜7%およびFe:30%以下を含み、残部がNiと不可
避不純物からなる厚さ2〜 100μm のNi−B−Pメッキ
層を設けて、外管の中に内管を挿入し、内管の縮径率を
0.5〜10%の範囲として冷間縮径加工を施した後、1050
〜1250℃で拡散熱処理を行って内外管を接合させること
を特徴とする密着性に優れた金属二重管の製造方法。
【0017】(3) 上記(1) または(2) の冷間縮径加工と
拡散熱処理との間で、管の長手方向に管を 0.1〜10mm/
秒の速度で移動させて、1050〜1250℃で連続的に局部加
熱処理を施すことを特徴とする上記(1) または(2) の密
着性に優れた金属二重管の製造方法。
【0018】本発明では、高耐食性合金(例えば、Ni基
合金等) を内管に用いても、熱間加工性の面で問題が発
生しないようにするために、比較的軽度の冷間縮径加工
した後に拡散熱処理を行うこととし、熱間加工を施さな
い。接合面でのボイド発生を防止する対策として、適正
組成の低融点メッキ層を、不動態皮膜が生成されない、
または生成されにくい外管もしくは内管の接合面に設け
てインサート材とするとともに、拡散熱処理の前に適正
条件下で内管の冷間縮径加工を施す。さらに冷間縮径加
工後、拡散熱処理の前に適正条件下で連続的な局部加熱
処理を施すことが望ましい。この局部加熱処理におい
て、特に、加熱帯を管の長手方向に連続的に移動させる
加熱方式が、ボイド発生の防止として有効である。
【0019】上記の方法によって外管と内管との接合面
の強度が確保でき、密着性に優れた金属二重管が製造さ
れる。なお、本発明では、外管には炭素鋼、低合金鋼ま
たはステンレス鋼の鋼管を、また内管にはステンレス鋼
あるいは高耐食性合金の金属管が用いられるが、用途上
の必要性から、外管、内管の材質をこれらと逆にする場
合にも、本発明の方法を適用することができる。さら
に、高耐食性合金の金属管としては、用途に応じてステ
ンレス鋼管、Ni基合金の他、TiおよびTi合金管などを使
用することができる。
【0020】
【作用】本発明において、インサート材の組成、厚さ、
メッキ面および製造条件を前記のように定めた理由を説
明する。以下、%は重量%を意味する。
【0021】インサート材の組成:本発明の方法では、
拡散熱処理に液相拡散法を用いることが望ましい。した
がって、望ましい低融点を得るために、Ni−BまたはNi
−B−P系のメッキ層を用いる。B含有量が 0.5%未満
では、メッキ層が高融点となり、次に述べる拡散熱処理
条件の上限温度1250℃を超える融点となる。一方、B含
有量が7%を超えると、メッキ層を付着させるのに長時
間の電解を要するので不経済となる。なお、この範囲の
Bを含むNi−Bの場合では、メッキ層の融点は1100〜12
50℃の範囲となる。
【0022】Pはさらにメッキ層の低融点化に有効であ
るため、含有させる。P含有量が 0.5%未満ではこの効
果がなく、一方、P含有量が7%を超えると、接合界面
に脆化層が形成されるため逆効果となる。0.5 〜7%の
Bと 0.5〜7%のPを含有するNi−B−Pのメッキ層の
場合では、融点は約50〜 200℃低下して、最低の融点が
1050℃となる。
【0023】本発明の方法では、拡散熱処理温度は、イ
ンサート材の組成、すなわち融点を適正に選べばインサ
ート材を完全に液相化しない固液共存温度域でもよく、
その場合でも後述するように拡散加熱温度は、金属結合
が容易に起こる1050℃以上(Ni−B−Pの場合)または
1100℃以上(Ni−Bの場合)とすることから、上記の融
点は重要な要因である。よって、メッキ層の組成は、0.
5 〜7%でBを含むNi−Bか、または0.5 〜7%でBと
0.5〜7%でPを含むNi−B−Pとした。
【0024】メッキの施工方法によっては、メッキ処理
の際に鋼中のFeが一部溶出しメッキ層の中に混在するよ
うになって、融点を低下させすぎることもありうるが、
この場合でもメッキ層中のFe含有量を30%以下とすれ
ば、上記の効果を維持することができる。よって、メッ
キ層中のFe含有量は、30%以下に限定した。なお、この
Feは実質的に0(ゼロ)であっても良いことはいうまで
もない。
【0025】インサート材の厚さ:メッキ層の厚さが2
μm 未満では、接合面に存在する凹凸を埋める効果が小
さいため、加熱時に溶融して内外管の金属の接合を促進
させる効果がない。一方、100μm を超えると接合効果
が飽和し、さらにメッキ層を付着させるのに長時間の電
解を要し、不経済となる。よって、メッキ層の厚さは2
〜 100μm の範囲とした。
【0026】インサート材のメッキ面:メッキ層と被メ
ッキ母材との境界にミクロ的ボイドが存在すると、それ
が原因となって、拡散接合後も接合面にボイドとして残
存する場合が多い。メッキ層の施工時に、界面にボイド
が生成するのは、被メッキ母材表面の酸化皮膜が大きな
要因となっている。特に、Crを多く含有する金属、例え
ばCrを12%以上含む鋼や合金では不動態皮膜を生成しや
すくなるが、このような鋼や合金からなる被メッキ母材
表面にメッキ層を施すと、その界面に多くボイドが発生
し易く、そのまま接合面にボイドとして残存して、二重
管としての密着性を著しく阻害することになる。さら
に、不動態皮膜が生成された表面にメッキ層を施すと、
所定厚さのメッキ層を付着させるのに長時間の電解を要
するので不経済となる。よって、インサート材のメッキ
面としては、外管と内管を比べた場合、不動態皮膜が生
成されないかまたは生成されにくい管表面を選択するこ
ととした。
【0027】内管の冷間加工縮径率:接合面のボイド発
生を防止する対策として、上記のインサート材を用い
て、さらに冷間で内管の縮径加工を施すことが必須の条
件である。この加工率が 0.5%未満では、内外管の密着
と空気層の除去に効果がない。一方、10%を超えると縮
径加工時に内管の一部が座屈し、さらにその後の加熱ま
たは熱処理時に二重管の変形が大となる。よって、内管
の冷間加工縮径率を 0.5〜10%とした。この縮径加工の
方法は、抽伸または圧延のいずれでもよい。
【0028】拡散熱処理温度:メッキ層がNi−Bの場
合、1100℃未満では、またはNi−B−Pの場合、1050℃
未満では、上記のボイドがない状態でも金属原子の拡散
が不十分で望ましい金属接合が十分達成されない。一
方、1250℃を超えると、内外管金属の結晶粒の粗大化に
よる脆化および耐食性の劣化が発生する。よって、拡散
熱処理温度をメッキ層がNi−Bの場合で1100℃〜1250℃
の、Ni−B−Pの場合で1050℃〜1250℃の、それぞれ範
囲とした。
【0029】製造工程:優れた密着性を確保するため
に、外管、内管のうち、不動態皮膜が生成されない、ま
たは生成されにくい一方の管の接合面に、電解メッキに
より前記のメッキ層を形成させ、これをインサート材と
する。外管の中に内管を挿入し、前記の冷間縮径加工を
施す。その後上記の温度条件で拡散熱処理を施し内外管
を冶金的に拡散接合させる。この時間は、メッキ層の組
成、厚さおよび選定する温度によって異なるが、概ね3
〜90分で十分である。
【0030】本発明では、上記の冷間縮径加工と拡散熱
処理との間に、管の長手方向に管を0.1〜10mm/秒の速
度で移動させて、1050〜1250℃で連続的に局部加熱処理
を施すのが、残存空気を除去する上で最も望ましい。
【0031】図1は、冷間縮径加工と拡散熱処理との間
に行う連続局部加熱処理の方法を説明する概略図であ
る。拡散熱処理の前に、図示するような誘導加熱コイル
1を用いて、冷間縮径加工を施した二重管2に連続的な
局部加熱を行う。誘導加熱コイル1または二重管2を図
示する矢印の方向、すなわち管の長手方向に移動させる
と、管における加熱帯は逐次移動して行く。外管または
内管に施されたインサート材と管との間に空気が残存し
ていても、この加熱帯の移動により、この空気は管の未
加熱部の方向に逐次追い出されて行くことになり、その
後の拡散熱処理の際に接合面でのボイドの発生を防止す
ることができる。
【0032】局部加熱温度が1050℃未満では、空気を除
去する作用が少なく、一方、1250℃を超える温度では、
前記の拡散熱処理と同様な悪影響が生ずる。
【0033】移動速度が、0.1mm/秒未満の遅い速度で
は、残存空気の移動除去効果が飽和するとともに、生産
効率が低下する。一方、10mm/秒を超える速い移動速度
になると、残存空気の除去が不十分となる。
【0034】この局部加熱の際にも、一部拡散現象は起
こるが、上記の温度範囲と移動速度範囲をともに満足さ
せれば、空気が残存した状態で拡散が終了してしまうの
を回避することができる。
【0035】加熱帯の幅は、管の外径および肉厚によっ
ても異なるが、長手方向の幅が約30mmの加熱コイルを用
いて約20〜30mm程度とするのが望ましい。
【0036】
【実施例】表1に示す化学組成の炭素鋼、ステンレス鋼
およびNi基合金の金属管を、それぞれ外管 (外径:140m
m、肉厚:15mm 、長さ:3m) および内管 (外径:117m
m、肉厚: 3mm、長さ: 4m) として用いた。内管を外
管よりも長くするのは、外管が縮径加工により延ばされ
るからである。二重管の外管および内管の組み合わせ
は、表2に示す〜区分の3通りとした。また、二重
管の接合面となる外管の内表面および内管の外表面の粗
さは、グラインダー加工によってRmax で50μm に調整
した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】次いで、外管または内管の接合面に電解メ
ッキを施し、Ni−BまたはNi−B−Pメッキ層を付着さ
せた。メッキは、NiSO4 +NiCl2 +H3BO4 +(CH3)3NBH3
もしくはこれにリン酸を加えた溶液中で通電し、液の組
成、電流および通電時間を変える方法により、数種類の
組成と厚さのメッキ層を形成させた(メッキ組成、厚
さ、施工面の詳細は表3、表4を参照)。
【0040】これらの内管を外管の中に挿入し、一方の
端の内外管の境界部を溶接して口絞りを行った後、冷間
で引き抜く縮径加工を施して二重管の素管を得た。
【0041】これらの素管を大気雰囲気の加熱炉に入
れ、拡散熱処理を施して内外管を拡散接合した後、口絞
り部およびもう一方の端部を切断して製品二重管とし
た。一部のものついては、図1に示す誘導加熱による連
続局部加熱処理を、縮径加工と拡散熱処理の各工程との
間に施した。以上の冷間縮径加工、拡散熱処理および連
続局部加熱処理の条件を、表3および表4にまとめて示
す。
【0042】このようにして得られた製品二重管の全長
を超音波探傷試験で、接合面のボイドおよびそれらに伴
う割れの有無を調査した。油井用や化学工業用の金属二
重管として優れた密着性を発揮させるため、超音波探傷
試験において一定の判定基準が設られている。例えば、
探傷条件を管送り:8mm/rpm、公称周波数:5MHZ 、振
動子直径:10mmとした場合には、判定基準は、両管端か
ら50mmの範囲内にボイドおよび割れがなく、かつ管の全
長にわたってボイドおよび割れが8個/m以下という基
準となり、この判定基準を満たす製品二重管が優れた密
着性を発揮する。超音波探傷試験によるボイドおよび割
れの測定結果を表3および表4に併せて示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】表3、表4から明らかなように、本発明で
規定する条件で製造した本発明例A1〜A12では、接合
面のボイドや割れは少なく、いずれも判定基準を満足す
るものであった。これに対し、メッキ層の組成、厚さ、
メッキ面の選択、縮径加工条件あるいは拡散熱処理条件
のいずれかが本発明の規定と異なって製造した比較例B
1〜B15では、接合面のボイドや割れが多く発生し、判
定基準を満足することができなかった。
【0046】本発明例のうち、メッキ層にPを含むA
3、A7およびA11では、1070℃の拡散熱処理温度でも
良好な接合面が得ら、また、局部移動加熱処理を施した
A4、A8およびA12では、短時間の拡散熱処理で接合
面のボイドや割れの発生が著しく防止された。これらの
条件で製造された金属二重管は、特に優れた密着性を発
揮することがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明の二重管の製造方法によれば、接
合面に空隙欠陥(ボイド)や割れの発生が抑制され、油
井管、ラインパイプ、化学工業用の耐食用管などに好適
な、密着性に優れた二重管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間縮径加工と拡散熱処理との間に行う連続局
部加熱処理の方法を説明する概略図である。
【符号の説明】
1:誘導加熱コイル、2:冷間縮径加工後の二重管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二重管を構成する外管、内管のうち、不動
    態皮膜が生成されない、または生成されにくい管の他の
    管との接合面に、重量%で、B:0.5 〜7%およびFe:
    30%以下を含み、残部がNiと不可避不純物からなる厚さ
    2〜 100μm のNi−Bメッキ層を設けて、外管の中に内
    管を挿入し、内管の縮径率を 0.5〜10%の範囲として冷
    間縮径加工を施した後、1100〜1250℃で拡散熱処理を行
    って内外管を接合させることを特徴とする密着性に優れ
    た金属二重管の製造方法。
  2. 【請求項2】二重管を構成する外管、内管のうち、不動
    態皮膜が生成されない、または生成されにくい管の他の
    管との接合面に、重量%で、B:0.5 〜7%、P:0.5
    〜7%及びFe:30%以下を含み、残部がNiと不可避不純
    物からなる厚さ2〜 100μmのNi−B−Pメッキ層を設
    けて、外管の中に内管を挿入し、内管の縮径率を 0.5〜
    10%の範囲として冷間縮径加工を施した後、1050〜1250
    ℃で拡散熱処理を行って内外管を接合させることを特徴
    とする密着性に優れた金属二重管の製造方法。
  3. 【請求項3】前記の冷間縮径加工と拡散熱処理との間
    で、管の長手方向に管を 0.1〜10mm/秒の速度で移動さ
    せて、1050〜1250℃で連続的に局部加熱処理を施すこと
    を特徴とする請求項1または請求項2の密着性に優れた
    金属二重管の製造方法。
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