JPH07283566A - 電子機器の耐環境温度範囲拡大装置 - Google Patents

電子機器の耐環境温度範囲拡大装置

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JPH07283566A
JPH07283566A JP6100588A JP10058894A JPH07283566A JP H07283566 A JPH07283566 A JP H07283566A JP 6100588 A JP6100588 A JP 6100588A JP 10058894 A JP10058894 A JP 10058894A JP H07283566 A JPH07283566 A JP H07283566A
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temperature
opening
communication device
heat insulating
spring
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JP6100588A
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Yuhei Kosugi
勇平 小杉
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/42Housings not intimately mechanically associated with radiating elements, e.g. radome
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/02Arrangements for de-icing; Arrangements for drying-out ; Arrangements for cooling; Arrangements for preventing corrosion

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋外設置形電子機器の低温動作限界を拡大し
同時に高温側限界温度を劣化させず維持できる装置を提
供する。 【構成】 通信装置100 は自己発熱形で冷却フィンを備
えるが、それを断熱材カバー1で完全に覆い、開口6の
近傍においてダンパー2が感温ばね3と通常ばね4を直
列接続した感温アクチュエータにより開口に対し接離す
る向きに移動可能に支持される。ダンパーは、ある温度
を境に高温側では最大開口状態を保って外部との空気流
通を可能とし、ある温度以下では開口面積を減らす方向
へ移動し、温度の低下と共に開口面積を減らし、ついに
は開口を完全に閉塞する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己発熱する電子機器
の耐環境温度範囲拡大装置に係り、特に屋外設置形の通
信装置等の電子機器の設置可能な低温温度範囲を拡大す
る方式に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器を屋外に設置する例は多く、特
に無線通信装置については屋外に設置する例が益々増大
している。無線通信装置は、アンテナによって遠距離空
間を電磁波で接続するという性格の装置であり、当然に
アンテナを有するが、アンテナと通信装置間は伝送損失
を最小にして接続することが望まれるので、必然的に通
信装置はアンテナの近傍に設置したいという要望が強い
からである。
【0003】通信装置をアンテナの近傍に設置すること
を可能にするためには、通信装置を小型化し、耐候性の
高い収納ケースに入れ、更に電子回路の動作範囲を拡大
する等の技術上の進展が必要であるが、現在、そのよう
な技術革新の結果としてアンテナ近傍に小形通信装置を
設置する方式が増大しつつある。これにより、無線通信
装置の装置コストと設置コストの低減が図れ、無線通信
システムの普及と応用拡大が促進されていることは周知
の通りである。
【0004】ここに、屋外設置形通信装置には、総合的
な耐候性が要求される。即ち、雨、雪、風、凍結、砂
塵、塩害、大気汚染等に耐えられるだけでなく、低温か
ら高温まで広い環境温度範囲で正常に動作することや太
陽光輻射による温度上昇にも対応しなければならず、更
に通信装置自体の発熱を効果的に逃がし、装置内部の温
度上昇を抑制できなければならない。
【0005】最近の屋外設置形通信装置の中には、−3
0℃ないしは−35℃程度の低温環境で使用できるもの
が存在する。一方、高温側では、+50℃ないしは+5
5℃まで使用できるものが実現している。低温側、高温
側の使用可能温度限界は、簡単に説明すれば、低温側、
高温側共に半導体デバイスの能力により決定されると言
って良い。具体的には、低温側は半導体デバイスの動作
可能限界で決まり、高温側は動作可能限界よりも半導体
の寿命で決まることが多い。
【0006】高温限界は、+50℃ないしは+55℃が
確保されれば地球上いかなる場所の屋外でも使用できる
と言えるが、低温側は、−55℃位に耐えられないと極
寒地では用いることができない。そこで、従来では、−
30℃ないしは−35℃程度の低温環境までしか使用で
きない屋外設置形通信装置の低温限界を更に拡大する方
法として次の3つの方法が採用され、ないしは、検討さ
れている。
【0007】第1の方法は、例えば図5に示すように、
アンテナを含めた通信装置全体をレドーム付きシェルタ
200に収容する方法である。即ち、通信装置は、アン
テナ反射板103、1次放射器104、送受共用器10
5、受信増幅器106、1次放射器/通信機支持部材1
02、無線通信装置本体100などで構成されるが、1
次放射器104と無線通信装置本体100の間は非常に
短い同軸線路や導波管で接続して接続損失を極めて少な
くし、かつ通信装置全体のコンパクト化を図っている。
この通信装置をペデスタル201に設定し、ペデスタル
201の外周囲側壁にレドーム202を載せて通信装置
を収容する構成である。
【0008】外気温が低下した場合はヒータでレドーム
内を暖房し、通信装置の環境温度が動作可能な温度以下
に低下するのを防止する。一方、夏期は温室効果でレド
ーム内の温度が上昇し過ぎることもあるので、その場合
は換気をしたり、空調装置を設置したりして内部の温度
上昇を防ぐようにする。
【0009】第2の方法は、例えば図6に示すように、
通信装置本体100と受信増幅器106にそれぞれ加熱
ヒータ300を直接取り付け、極低温時に通信機器を加
熱することで極低温域まで使用できるようにしようとす
る方法である。
【0010】第3の方法は、特に図示してないが、通信
装置本体に発熱がある点に着目し通信装置本体部分を断
熱材で覆う方法である。通信装置自体の発熱を効果的に
外へ逃がすことは通信機器の使用可能な上限温度を高め
たり、内部に使用している半導体の寿命を延ばすために
重要なことである。そのため、通信装置本体では、熱伝
導性の高い材料でできた冷却フィン(ラジエータ)を備
え、通常内部で発生する熱をこのフィンから外へ逃がす
ようにしている。
【0011】通信装置本体部分を断熱材で覆うことによ
り外部へ放出している熱エネルギーが断熱材で内部に閉
じ込められ、通信装置本体の温度つまり冷却フィンの温
度が上昇し、内部に収容されている電子回路の動作環境
温度がその分上昇するので、低温域の使用温度限界を拡
大できる。例えば、−35℃まで耐えられる通信装置を
断熱材で覆うことにより通信装置の冷却フィンの温度を
断熱材のない場合に比較して20℃上昇できたとすれ
ば、通信装置の使用温度限界を−55℃まで拡大できる
ことになる。
【0012】但し、注意すべきことは、−55℃まで拡
大できるということは、−55℃で通信装置が動作を開
始できることを必ずしも意味しないということである。
断熱材で覆ってあった場合には、高い気温(例えば−3
5℃)で使用していたところ徐々に環境温度が低下し、
その通信装置本来の低温限界を越えることとなっても更
に使用可能であるということである。通信装置は、その
性格上、常に電源を入れた状態に置かれるものであり、
極低温で断続することはないので、低温スタートの問題
は全くない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低温限界を拡
大する上述した3つの方法には次のような問題がある。
まず、レドーム付きシェルタを用いる第1の方法では、
故障が少なく、信頼性が高いという利点があるが、設置
コストが高く、運用コストがかかるという問題がある。
具体的には、レドーム付きシェルタはそれ自体が高価で
あり、更に設置コストが高く、通信装置の数倍から十数
倍の設置コストがかかるので、通信装置を安価に設置し
ようとする目的に全く合致しない。また暖房用ヒータは
シェルタ内全体を暖めるので、大きな電力を消費する。
通信装置の消費電力は運用コストや電源との関係から少
ない程良いが、ヒータに必要な電力は通信装置に必要な
電力の10倍以上ということが多く、この点でも好まし
くない。更に雪が降り積もる場合、レドームに付着する
と通信の妨げとなるので、融かす必要があるが、雪を融
かすためにもヒータで加熱する必要があるので、大きな
電力を消費する。
【0014】次に、ヒータで直接加熱する第2の方法で
は、設置コストは高くないが、風の影響を直接受けるの
で、ヒータに大電力が必要で、また運用コストがかかる
という問題がある。具体的には、風によって冷却されな
いようにヒータの消費電力を大きくする必要があるだけ
でなく、風速によって冷却の程度が著しく変化するの
で、温度コントローラでヒータの電力を加減するか断続
する必要がある。従ってヒータは通信装置に必要な電力
の数倍の電力を消費するので、容量の大きい電源設備を
必要とする上、運用コストも高くなる。つまり、この方
法は、受信増幅器等の小形の機器を加熱する場合はヒー
タも小さくて良いので、現実的であるが、通信装置本体
に対しては向いているとは言い難い。なおヒータは水の
侵入等で劣化し易く故障が多いという問題もある。
【0015】また、断熱材で通信装置を覆う第3の方法
では、構造が簡単でかつヒータ電力を必要としない利点
があるが、通信装置を覆う断熱材は厳寒期にのみ必要
で、その他の季節では必要がないということを看過し、
断熱材を着脱する必要が生ずるという問題がある。具体
的には、冬季に極低温となる地でも夏期には気温が上昇
するので、断熱材を取り付けたままだと、夏期には気温
上昇により通信装置の内部温度が上昇し、高温限界を越
える場合もあり、かかる場合には、毎年断熱材の装着と
離脱をそれぞれ1回行う必要がある。通信装置は、無人
環境で使用されることが多いので、メンテナンスフリー
であることが望ましく、断熱材を着脱する必要があると
いうことは通信装置の使用形態から好ましいことではな
い。
【0016】本発明の目的は、電子機器の高温側設置可
能条件を何等劣化することなく、低温側設置環境温度を
極低温領域にまで拡大できる電子機器の耐環境温度範囲
拡大装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の電子機器の耐環境温度範囲拡大装置は次の
如き構成を有する。即ち、本発明の電子機器の耐環境温
度範囲拡大装置は、自己発熱する電子機器を完全に覆う
断熱材カバーと; 1個以上の開口付近に設けられその
開口を閉塞可能なダンパーと; 温度に感応して前記ダ
ンパーに開口の面積を可変させる、または、開口を開閉
させる感温アクチュエータと; を備えたことを特徴と
するものである。
【0018】具体的には、断熱材カバーに設ける開口
は、原理的には1つで足りるが、高温時に電子機器の発
する熱エネルギーを効果的に外部に放出できるようにす
るためには、2以上が望ましく、その際、断熱材カバー
に設けられる開口のうち収納する電子機器の放熱部を挟
む両側にそれぞれ設けられる2つの開口は、その開口位
置・形状がダンパーの形状と共に流体抵抗を小さくする
ように形成される。
【0019】また断熱材カバーが2個以上の開口を有す
るときは、全ての開口を同一に同時に制御する必要は必
ずしもないので、感温アクチュエータは、全体の開口面
積または開口数を温度に応じて変更するように動作する
こともある。
【0020】感温アクチュエータは、温度に応じて変位
量を異にする感温ばね(例えば形状記憶合金製ばね)と
この感温ばねの変位力を受けて同一方向へ変位する金属
ばねとからなり、ダンパーは、前記感温ばねと前記金属
ばねの作用点に配置され両ばねの変位に伴い移動する、
という極めて簡素な構成である。ここでは金属ばねはダ
ンパーの動作点を与えるバイアス付与の作用をしてい
る。感温ばねと金属ばねは、コイルばね、または、板ば
ね、もしくは、コイルばねと板ばねの組合わせからな
る。
【0021】
【作用】次に、前記の如く構成される本発明の電子機器
の耐環境温度範囲拡大装置の作用を説明する。本発明で
は、自己発熱形電子機器を断熱材カバーで完全に覆い、
電子機器の発する熱エネルギーを利用して低温限界の拡
大を図るが、その際、断熱材カバーに開口を設け、その
開口の面積の可変または開口の開閉を温度に応じて行え
るようにし、低温域の段階的な拡大を図ると共に、高温
時でも断熱材カバーを取り付けたままで高温限界の劣化
を生じないようにしてある。
【0022】なお、対象電子機器の発熱量と設置地域の
低域温度との関係で断熱材カバーの開口を全閉しても所
望の温度が得られない場合は、例外として補助的にヒー
タを用いることがある。このヒータはあくまでも補助的
なものであるので、その消費電力はそれ程大きくはなら
ないで済む。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の一実施例に係る電子機器の耐環
境温度範囲拡大装置を示す。本実施例は、図4に示した
如き1次放射器/通信機支持部材102に通信機取付金
具101により支持される通信装置100への適用例で
ある。
【0024】通信装置100は、耐環境性能の高い密閉
構造で、その表面には放熱用のフィンが設けられている
が、この通信装置の外周囲は断熱材カバー1で完全に覆
われている。
【0025】断熱材カバー1は、耐候性に優れる独立気
泡形の発泡プラスチック成形品であり、一体的に成形し
ても良いが、取付けの便利さ、容易さを考慮すれば、縦
割りや横割り等により2分割、4分割等して個片を成形
するのが好ましい。
【0026】断熱材カバー1には、開口が設けられる。
この開口は内外の熱交換を行うものであるから、内部の
流体経路を巧く設計すれば、1個の開口で熱交換が可能
である。しかし、効果的な熱交換を実現するには、開口
は2個以上あった方が良く、図示例では2個の開口6を
設けてある。具体的には、2個の開口6は、断熱材カバ
ー1の通信装置100の冷却フィンを挟んだ両側(図中
左右の長手方向)にそれぞれ設けてある。なお、かかる
開口から侵入する雨水等の水抜き穴1aが複数箇所に設
けてある。
【0027】そして、ダンパー2が、それぞれの開口の
内側に接近して設けられる。本実施例では、ダンパー2
は断面略山形状に形成され、その突部が開口に出入りし
て開口の面積を可変し開口を通過する空気流量をアナロ
グ的に制御するようにしてある。このダンパー2は、各
開口の外側に取付けてあるばね支持部材5と通信機取付
金具101との間に掛けられたばね(感温アクチュエー
タ)の張力によって支持されている。
【0028】このばね(感温アクチュエータ)は、通信
機取付金具101側の形状記憶合金ばね(感温ばね)3
とばね支持部材5側の通常ばね(金属ばね)4とからな
り、図示例では両ばねは共にコイルばねであって、直列
接続され、その接続位置にダンパー2が支持されてい
る。
【0029】図示例では、形状記憶合金ばね3は、低温
時に伸長し、高温時に縮小する形状を予め記憶させてあ
る。一方、通常ばね4は、温度と無関係にほぼ一定の張
力を有する。つまり、通常ばね4は、高温時においてダ
ンパー2が対応する開口から適宜距離離隔し、かつ所定
の低温時に形状記憶合金ばね3がダンパー2を十分な圧
力で対応する開口に押し付けそれを閉塞できるような、
ダンパー2の動作点を与えるバイアス付与の機能を果た
すものである。
【0030】なお、ばね支持部材5は、板上のものでは
なく、開口6を塞ぐことのないよう十字スポーク、3本
スポーク、異物の侵入を防止する目的も兼ねて細かいス
ポーク状あるいは網状の形状のが良い。
【0031】以上の構成において、図1は、通信装置の
設置されている環境の温度がまだ高い時(少なくとも断
熱材カバー1が無い場合の通信装置自体の低温側動作可
能温度よりも高い時)の状態を示している。この状態で
は、形状記憶合金ばね3の収縮しようとする張力が通常
ばね4の収縮しようとする張力に優るので、形状記憶合
金ばね3は縮み通常ばね4は伸びている。その結果、ダ
ンパー2は開口6を最大に開ける位置に移動して保持さ
れている。
【0032】気温が低下すると形状記憶合金ばね3の収
縮しようとする張力は減少し、通常ばね4の収縮しよう
とする張力が相対的に増加するので、ダンパー2はその
突部を開口6に侵入させ、開口6の開口面積を減少させ
る位置へと移動する。
【0033】開口面積が減少すると、断熱材カバー1の
内部の気温が上昇し、その結果形状記憶合金ばね3の収
縮しようとする張力が再び優勢となる、ということを繰
り返してダンパー2は適当な内部気温となる開口面積を
与える位置にバランス保持される。そして、外気温が更
に低下するとダンパー2は開口面積を更に小さくする位
置に移動して保持され、外気温が更に一層低下するとダ
ンパー2は、図2に示すように、開口を完全に閉塞す
る。
【0034】断熱材カバー1の熱伝達率は極めて低いの
で、ダンパー2が開口6を完全に閉塞したときの通信装
置100の冷却フィン温度は、断熱材カバー1が無い時
に比較して30℃以上は上昇する。
【0035】従って、以後は外気温の低下に伴い断熱材
カバー1内の温度も低下するが、それでも通信装置10
0の冷却フィン温度は大幅に上昇した状態にあるので、
結果として通信装置本来の低温限界内で動作し続けるこ
ととなる。
【0036】この冷却フィン温度の上昇範囲は、断熱材
カバー1の厚さと材質によって調整できるので、目的と
する低温環境に応じて適切な範囲に設定できる。通常で
は、20℃〜40℃の範囲を選択すれば足りると思われ
る。但し、通信装置の発熱量との兼ね合いもあるので、
低温限界を更に拡大しようとする等の場合には、ヒータ
を補助的に用いると良い。
【0037】雪は極低温時には降ることがなく、むしろ
気温が0℃前後の場合に降るが、雪が降ると開口6から
雪片が内部に入ることがある。しかし、内部の空気は暖
められており、通信装置100からの熱輻射もあるの
で、雪片は融解し、水となり、水抜き穴1aから外へ流
れ去るので問題は生じない。
【0038】ここに、前述した低温限界拡大の第3の方
法では、風力変化の影響を強く受けると説明したが、本
発明の温度環境拡大装置では、風力変化の影響を受けな
い。風が強い場合は、断熱材カバー1の開口6の1つか
ら風が吹込み、他の1つの開口6から流れ出る。風によ
る冷却作用は極めて大きく風力が大きくなるほど熱を奪
う率が増加するが、通信装置100の冷却フィンの周囲
を流れる風の流速が大きい場合は、通信装置100は冷
却されより低い環境温度に設置されたのと等価になる。
【0039】そうすると、形状記憶合金ばね3の周囲の
空気温度も低下するので、形状記憶合金ばね3側の収縮
しようとする張力が減少し、ダンパー2は開口を閉じる
方向へ移動し、これにより内部温度が上昇する。このよ
うに、本発明では、第3の方法と同様に断熱材カバーを
用いるが、風力変化の影響を受けない構成である。
【0040】次に同じく第3の方法では、断熱材カバー
を取付けたままにして置くと、夏期の高温時では通信装
置の冷却フィンの温度は30℃前後上昇し、通信装置自
体の高温動作限界を越えるので、断熱材カバーを取り外
す必要があると説明したが、本発明ではその必要がな
く、取付けたままで高温限界を殆ど劣化させず維持でき
る。
【0041】低温域以外の高温側では、前述したように
形状記憶合金ばね3の収縮しようとする張力が相対的に
通常ばね4のそれに優るので、ダンパー2は開口6の開
口面積を最大にする位置に保持され、内外の空気流通が
可能となるが、高温側で最も厳しい条件である無風時に
対処できるようにするため、通信装置は、図3に示すよ
うに、長手方向が水平とならないように設置することが
望ましい。
【0042】このように設置すれば、断熱材カバー1の
長手方向の両側に設けた開口の一方は低位に他方は高位
にそれぞれ位置し、また断熱材カバー1の内側と通信装
置100の間のギャップが形成するダクトも傾きを持つ
ので、断熱材カバー1内で通信装置100の発熱で暖め
られた空気は、図4の断面図で示すように、このダクト
内を傾きに沿って上昇でき、この力が原動力となって外
部の暖まっていない空気が低位側の開口から吸い込ま
れ、内部で暖められた空気が高位の開口から外部へ排出
される、という冷却用空気の流れが形成される。
【0043】このダクト効果により、通信装置100の
冷却フィンの冷却が断熱材カバー1のない場合と比較し
て劣化しないのである。勿論、風があれば、風上側の開
口から空気が吹き込み、ダクトを通り風下側の開口から
外へ排出されるので、冷却はより一層促進される。
【0044】一般には、完全に無風ということはなく、
平均1m/秒程度の風速は得られるものである。通信装
置冷却フィンの熱容量に比例する熱的時定数は大きいの
で、冷却上はこの1m/秒の風速を前提にして良い。そ
して、上述したようなダクト効果を十分に発揮させるた
め、断熱材カバー1の開口の位置と形状、ダンパー2や
ばね支持部材5の形状は、流体力学的に抵抗の少ない位
置形状にする。
【0045】本実施例では、ダンパー2は開口面積をア
ナログ的に可変するものとして示したが、単に開閉する
ようなものでも良い。この場合には、観音開き方式や引
戸方式等種々の方式が考えられる。そして、ダンパーは
開口毎に設けるが、複数の開口を設ける場合は、開口全
体としての開口面積または開口数を可変するようにして
も良い。
【0046】また温度センサとアクチュエータを兼ねる
感温ばねとして本実施例では、形状記憶合金ばねを使用
した。その理由は、ダンパーの可動ストロークが大きく
取れ、また材質により動作温度を変えることができ、現
時点では本発明の感温ばねとして最適であるるからであ
るが、形状記憶合金製のばねに限らず、変位量が大きく
取れ、設定温度に選択自由度があるものであれば、本発
明の感温ばねとして用いることができることは言うまで
もない。なお、現在、形状記憶合金はTiNi系合金が
最適である。
【0047】感温ばねと通常ばねは、共にコイルばねを
用いたが、板ばねも用いることができ、コイルばねと板
ばねの組合わせでも良いダンパーの移動方式との関連で
定まる。そして感温ばねと板ばねの配置関係は図1に限
定されないことも言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子機器
の耐環境温度範囲拡大装置では、自己発熱形電子機器を
断熱材カバーで完全に覆い、電子機器の発する熱エネル
ギーを利用して低温限界の拡大を図るが、その際、断熱
材カバーに開口を設け、その開口の面積の可変または開
口の開閉を温度に応じて行えるようにしてあるので、基
本的にヒータ等の余分なエネルギーを要しないで低温限
界の拡大が図れる効果がある。稀なケースとして設置場
所の環境温度と電子機器の発熱量との関係でヒータを用
いる場合もあり得るが、これは補助熱源であるので、そ
れによる電力消費は極めて僅かである。従って、厳寒地
において屋外に設置される通信装置等の電子機器に好適
であり、特に人里離れた所に無人局を設置する通信シス
テムにおいて顕著な効果を発揮する。
【0049】そして断熱材カバーを取り付けたままで高
温側の設置可能温度をそのまま維持できるので、単純な
防寒カバーのように夏期は取り外さなければならないと
いう面倒なことはなく、メンテナンスフリーの要求に合
致する。
【0050】本発明の装置は構造が単純で、構成部品も
安価であるから低コストであり、この種の装置が必要と
される通信システム等のシステムを安価に構成したいと
いう要求に応えることができる。また構造が単純である
から故障の発生は極めて少なく、メンテナンスフリーの
要求に合致する。そして、断熱材カバーは厳しい気象条
件の中に置かれるので経時的に劣化するが、装置全体と
して安価に構成できるので、劣化しても交換することで
簡単に対処できる。
【0051】更に本発明の装置は、既存の電子機器に後
付けできるという効果もある。その際、基本的に余分な
電源を付加する必要もなく、断熱材カバーはコンパクト
であり、これを付加することによる風圧増大は小さい。
従って、通信装置で言えば、アンテナの耐風速限界を著
しく損なうことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電子機器の耐環境温度
範囲拡大装置の側面概略断面図である。
【図2】ダンパーが断熱材カバーの開口を閉塞した状態
の側面断面図である。
【図3】本発明の装置を通信装置に取り付けた状態の側
面図である。
【図4】図3の設置状態における空気の流れを示す側面
概略断面図である。
【図5】通信システムにおいて採用されている従来の耐
環境温度拡大方法(レドーム付きシェルタ)の側面概略
断面図である。
【図6】通信システムにおいて採用されている従来の耐
環境温度拡大方法(ヒータによる直接加熱)の側面概略
図である。
【符号の説明】
1 断熱材カバー 1a 水抜き穴 2 ダンパー 3 形状記憶合金ばね(感温ばね) 4 通常ばね(金属ばね) 5 ばね支持部材 6 開口 100 通信装置 101 通信機取付金具 102 1次放射器/通信機支持部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己発熱する電子機器を完全に覆う断熱
    材カバーと; 前記断熱材カバーに設けた1個以上の開
    口付近に設けられその開口を閉塞可能なダンパーと;
    温度に感応して前記ダンパーに開口の面積を可変させ
    る、または、開口を開閉させる感温アクチュエータと;
    を備えたことを特徴とする電子機器の耐環境温度範囲
    拡大装置。
  2. 【請求項2】 断熱材カバーに設けられる開口のうち収
    納する電子機器の放熱部を挟む両側にそれぞれ設けられ
    る2つの開口は、その開口位置・形状がダンパーの形状
    と共に流体抵抗を小さくするように形成されている;
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器の耐環境温
    度範囲拡大装置。
  3. 【請求項3】 断熱材カバーが2個以上の開口を有する
    ときは、感温アクチュエータは、全体の開口面積または
    開口数を温度に応じて変更するように動作する; こと
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器
    の耐環境温度範囲拡大装置。
  4. 【請求項4】 ヒータを備える; ことを特徴とする請
    求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の電子機器
    の耐環境温度範囲拡大装置。
  5. 【請求項5】 感温アクチュエータは、温度に応じて変
    位量を異にする感温ばねとこの感温ばねの変位力を受け
    て同一方向へ変位する金属ばねと; からなり、ダンパ
    ーは、前記感温ばねと前記金属ばねの作用点に配置され
    両ばねの変位に伴い移動する; ことを特徴とする請求
    項1、請求項2、請求項3、請求項4の何れかに記載の
    電子機器の耐環境温度範囲拡大装置。
  6. 【請求項6】 感温ばねと金属ばねは、コイルばね、ま
    たは、板ばね、もしくは、コイルばねと板ばねの組合わ
    せ; からなることを特徴とする請求項5に記載の電子
    機器の耐環境温度範囲拡大装置。
  7. 【請求項7】 感温ばねは、形状記憶合金製である;
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電子
    機器の耐環境温度範囲拡大装置。
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