JPH07283023A - 酸化物超電導電流リード - Google Patents

酸化物超電導電流リード

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JPH07283023A
JPH07283023A JP6713494A JP6713494A JPH07283023A JP H07283023 A JPH07283023 A JP H07283023A JP 6713494 A JP6713494 A JP 6713494A JP 6713494 A JP6713494 A JP 6713494A JP H07283023 A JPH07283023 A JP H07283023A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的な特性などの向上を図り、冷却時に生
じる歪みや応力に起因する破断,割れ,超電導性の劣化
を防止し、信頼性の高い電流通電機能を常に呈し得る酸
化物超電導電流リードの提供を目的とする。 【構成】 酸化物超電導体リード本体8と、前記酸化物
超電導体リード本体8の少なくとも一端側に直列に接続
されたフレキシブル性を有する導体リード部9と、前記
酸化物超電導体リード本体8およびフレキシブル性を有
する導体リード部9を内壁面から離隔した形で挿通・装
着して周面部を保護する保護管10(10′)とを具備して
成ることを特徴とする。すなわち、保護管保護管10(1
0′)内に挿通・装着された電流通電用の酸化物超電導
体リード本体8に対して、少なくとも一端側に、超電導
体製もしくは常電導体製のフレキシブル性を有する導体
リード部9を直列に接続した構成を採ることにより、酸
化物超電導体リード本体8および保護管10(10′)の熱
収縮性の相違に起因する歪みを吸収させることを骨子と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導電流リードに係
り、さらに詳しくは、機械的衝撃などに対する耐久性を
付与した酸化物超電導体系の超電導電流リードに関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、酸化物超電導体の出現に
よって、超電導材料の臨界温度は、77.3 Kの液体窒素温
度を超えるに至った。そして、これらの酸化物超電導体
が、液体窒素冷却で、従来の金属系超電導体に匹敵する
超電導特性を呈するならば、その応用範囲も格段に広が
ると期待される。すなわち、金属系超電導体では、液体
ヘリウム冷却を必要とし、またこの液体ヘリウム冷却に
高度な極低温技術を要するのに較べて、液体窒素による
冷却手段の方が簡略化など成し得るからである。前記酸
化物超電導体の有力な応用分野として、電流リードが挙
げられる。たとえば超電導マグネットを用いたMRI装
置や磁気浮上超電導機器などにおいては、室温領域の電
源と、極低温領域(液体ヘリウム中に浸漬)の超電導マ
グネットとを電気的に接続し、所要の電流を供給するた
めに電流リードが使用される。そして、この種の電流リ
ードには、低抵抗性に着目し、一般的に銅製リードが使
用されているが、熱伝導率が大きいために、伝導による
定常的な大きな熱侵入があるほか、 Q= I2 ×R ( Iは
通電電流,R は電流リードの抵抗)のジュール発熱を生
じる。ここで、通電電流 Iが大きくなるほど、多量のジ
ュール発熱を生じ、液体ヘリウムの蒸発ないし消耗(消
費)を招来するので、蒸発した液体ヘリウムを再液化す
る対策を要する。つまり、電流リードを介しての熱侵入
量が多いと、装置ないしシステム系のコストアップを招
来するばかりでなく、再液化のための冷凍機構(冷凍機
など)が大型化して、低消費電力化・小型軽量化という
超電導のメリットを充分に活かせなくなるという問題が
ある。
【0003】上記電流リードからの熱侵入に起因する問
題の解決策として、酸化物超電導セラミックスを電流リ
ードとして使用することも試みられている。すなわち、
電流リードが酸化物超電導セラミックスで形成された場
合、その電流リードは、酸化物超電導セラミックスの臨
界温度以下の低温領域に配置(設置)されるため、電気
抵抗がゼロでジュール発熱がなくなり、また、熱伝導度
が銅に較べて格段に小さいので、超電導機器への熱侵入
が抑制されるので、液体ヘリウムの蒸発を低減・防止す
ることも可能となるからである。図3は酸化物超電導セ
ラミックスを電流リードとした使用例を示したもので、
1はクライオスタット、2は前記クライオスタット1内
に収容・装着された超電導マグネット、3は前記超電導
マグネット2を浸漬・冷却する液体ヘリウム、4はクラ
イオスタット1外の電源側に接続する銅製リード、5は
前記銅リード4を挿通・冷却する液体窒素槽、6は前記
超電導マグネット2と銅製リード4との間を接続する酸
化物超電導体系リードをそれぞれ示す。ここで、酸化物
超電導体製リード6は、一般的に、図4に構成の概略を
示すごとく、線状もしくは板状の酸化物超電導体6aの両
端部に、銅製の端子6bを直接,接続配置した構成を採っ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のごとく、銅製電
流リードを介しての熱侵入に基づく問題は、酸化物超電
導体を電流リードとして使用することによって大幅に解
消し得る。すなわち、酸化物超電導体(セラミックス)
の場合は、熱伝導率が銅より一桁以上も小さいばかりで
なく、臨界温度以下に冷却すれば、ジュール熱も発生し
ないため、銅製リードに代わる次世代の電流リードとし
て十分に機能し得る。換言すると、前記熱伝導率が低い
特性を利用して、酸化物超電導体製電流リードで極低温
領域にある超電導線と常温中にある電流リード端子間と
を繋ぐことにより、常温中にある電流リード端子から、
極低温にある超電導線に熱が侵入するのを防止しなが
ら、所要の電流を供給し得ることになる。
【0005】ところで、酸化物超電導体系電流リード6
の使用態様においては、その径が細て、かつ長い程、熱
侵入が低減されるので、可及的に細長い酸化物超電導体
(線)6aの使用が望まれる。しかしながら、酸化物超電
導体は金属と異なり、一般に塑性変形をほとんどせず、
また曲げおよび引っ張り強度も10kg/mm2 程度に過ぎな
い。したがって、細径化した酸化物超電導体線を外部に
暴されたままの状態で用いることは、曲げや引っ張りな
どの機械的応力、特に、撃力によって、亀裂を生じたり
あるいは折れるなど、破損する恐れが顕著であり、電流
リードとしての利用を阻害している。
【0006】この機械的な問題に対して、図5に断面的
に示すごとく、前記酸化物超電導体系電流リード6を、
機械的強度の高いステンレス鋼など金属製の保護管7内
に、電気絶縁的に挿通・装着する構成も検討されてい
る。しかしながら、この保護管7による強度補強策の場
合は、保護管7と酸化物超電導体6aとの熱収縮性の違い
から、冷却時において、酸化物超電導体6aが大きな歪み
を受けて破断を起こし易いという懸念があり、未だ効果
的な手段は開発されていない。たとえば、−196℃(77
K)における熱収縮についてみると、銀被覆Bi系酸化物
超電導体線:−0.14%、ステンレス鋼:−0.27%、また
繊維強化樹脂製(GFRP)の支持材:−0.33%であり、こ
れらの熱収縮性の相違から、熱収縮の歪みが大きく影響
して破損などを容易に生じる。たとえば、 100mm長の電
流リードおよび SUS(ステンレス鋼)製保護管を用いた
場合、熱収縮率の差は0.13%(0.13mm)となり、酸化物
超電導体が変形しないものとすると、20 kgf/mm2 以上
の応力が生じて破損するなどの問題点も生じる。
【0007】本発明は上記事情に対処してなされたもの
で、機械的な特性などの向上を図り、冷却時に生じる歪
みや応力に起因する破断,割れ,超電導性の劣化を防止
し、信頼性の高い電流通電機能を常に呈し得る酸化物超
電導電流リードの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る酸化物超電
導電流リードは、酸化物超電導体リード本体と、前記酸
化物超電導体リード本体の少なくとも一端側に直列に接
続されたフレキシブル性を有する導体リード部と、前記
酸化物超電導体リード本体およびフレキシブル性を有す
る導体リード部を内壁面から離隔した形で挿通・装着し
て周面部を保護する保護管とを具備して成ることを特徴
とする。
【0009】すなわち、本発明は、保護管内に挿通・装
着された電流通電用の酸化物超電導体リード本体に対し
て、少なくとも一端側に、超電導体製もしくは常電導体
製のフレキシブル性を有する導体リード部を直列に接続
した構成を採ることにより、酸化物超電導体リード本体
および保護管の熱収縮性の相違に起因する歪みを吸収さ
せることを骨子としている。
【0010】本発明において、酸化物超電導体リード本
体およびフレキシブル性を有する導体リード部を、内壁
面から離隔した形で挿通・装着し、機械的な保護に寄与
する保護管としては、たとえば繊維強化樹脂製筒体、ポ
リフッ化エチレン樹脂製筒体、セラミック製筒体、もし
くは電気的な絶縁処理を施した金属製円筒体などが挙げ
られる。ここで、セラミック製筒体としては、たとえば
アルミナ製筒体やマグネシア製筒体が、また金属製筒体
としては、たとえばステンレス鋼、銅や真鍮などの銅合
金、アルミニウム,亜鉛,錫もしくはこれらの合金な
ど、一般的に非磁性材料製が好ましいが、鉄,コバル
ト,ニッケル,もしくはこれらの合金など磁性材料製で
もよい。そして、その断面形状は、円形,楕円形,方形
などの多角形でもよい。また、保護管の側壁面に適宜貫
通孔を穿設、もしくはスリットを形設しておくと、保護
管を通しての熱伝導による熱侵入量を低減できる。ま
た、電流リードの組み立てが簡便になり、さらに計測線
の配置などにも都合よい。
【0011】本発明において、酸化物超電導体リード本
体を構成する酸化物超電導体としては、たとえばLa系酸
化物超電導体、 Y系酸化物超電導体、Bi系酸化物超電導
体、Tl系酸化物超電導体などが挙げられる。そして、こ
の酸化物超電導体リード本体の形状は、円柱状,角柱
状,板状,円筒状もしくは線状などでもよく、またその
形態は、純粋に酸化物超電導体のみにより形成されず
に、たとえば銀シース被覆型、もしくは導電性金属やセ
ラミックスを支持体として酸化物超電導体をコーティン
グした構成を採ってもよい。
【0012】さらに、本発明において、フレキシブル性
を有する導体リード部は、超電導体製もしくは常電導体
製のいずれでもよく、ここで、超電導体としては、たと
えばNb3 Sn系,NbTi系など金属系超電導体が挙げられ、
また常電導体としては、たとえば銀,銅などがあげられ
る。そして、前記フレキシブル性は、導体リード部を、
たとえばスプリング状,ジグザグ状の折り曲げ,もしく
はメッシュ状などの形態を採ることによって付与し得
る。なお、このフレキシブル性を有する導体リード部
は、酸化物超電導体リード本体の少なくとも一端側に直
列に接続配置され、導電リードとして機能するが、常電
導体製の場合は、外部電源側(高温側)に設置すること
が好ましく、逆に金属系超電導体製の場合は、超電導装
置側(低温側)に設置するのが望ましい。そして、これ
ら両者を設けることは(図1(b) 参照)、さらに有効で
ある。また、保護管内でリードが振動しないように、ス
ペーサーを配置してもよい。
【0013】さらに、本発明に係る酸化物超電導体リー
ドは、保護管で一体化された部分の外側で、電源接続側
および超電導装置接続側の少なくとも一方を、たとえば
メッシュ状導体などフレキシブルな導体を直列に接続し
た構成を採ることも可能であり、この場合は、電流リー
ドとこの電流リードにフレキシブルな導体を介して接続
された超電導装置(超電導マグネットなど)との間の前
記熱収縮性に起因する歪みの吸収、および外部衝撃に起
因する悪影響の排除などさら新たな効果が得られる。
【0014】
【作用】上記のように本発明によれば、酸化物超電導体
をリード本体とし、これにフレキシブル性を有する導体
リード部を直列に接続して、これらを保護管内に内壁面
と非接触に挿通・装着した構成を成している。こうした
構成を採ったことにより、超電導マグネットを浸漬して
いる液体ヘリウム(極低温領域)などへの熱侵入量の低
減を容易に図り得る。一方、この酸化物超電導体リード
本体は、その軸方向に沿って外周面側が保護管によって
外からの機械的な衝撃などから保護される。つまり、曲
げや引っ張りなど外部から加わる機械的な応力は、保護
管によって遮られ、酸化物超電導体リード本体に加わる
機械的な負荷が軽減され、前記外からの機械的な衝撃な
どによる破断,破損は容易に回避されることになる。ま
た、冷却時における保護管と酸化物超電導体リード本体
との熱収縮差は、酸化物超電導体リード本体に直列・接
続した導体リードのフレキシブル性部にて、容易かつ確
実に吸収され、またスペーサーによって振動も抑制され
る。したがって、前記熱収縮性差に起因する酸化物超電
導体リード本体の割れや折れなども防止ないし回避され
るので、前記熱侵入量の低減性などと相俟って、高い信
頼性および超電導特性を備えた超電導電流リードとして
機能することが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、図1 (a), (b)および図2を参照して
本発明の実施例を説明する。
【0016】実施例1 図1 (a)は本発明に係る酸化物超電導電流リードの構造
例を、軸方向に断面的に示したもので、8は電流通電用
の酸化物超電導体リード本体、たとえば直径 5mm程度,
長さ 100mm程度の3本の Y系酸化物超電導体棒8a、9は
前記 Y系酸化物超電導体リード本体8に銅製の接続部8b
を介して電気的に直列に接続したフレキシブル性を有す
る導電リード部、たとえばコイル状に巻かれたNbTi系超
電導線、10は前記 Y系酸化物超電導体リード本体8およ
びフレキシブル性を有する導電リード部9が、内壁面か
ら離隔した形で挿通・配置された筒状の絶縁性保護管、
たとえば外径 mm,内径 mm,長さ mmの繊維強化樹脂
製の円筒体である。なお、図1 (a)において、8c,8dは
接続端子部、11は一方の被接続部 12aと、前記接続端子
部8cとの間を直列に接続するフレキシブル性を有するリ
ード線、13は前記接続部8bの周面と保護管10の内壁面間
に介在し、接続部8bの振れを防止するスペーサーであ
る。
【0017】そして、この酸化物超電導電流リード14
は、次のような手順で構成されている。先ず、前記 Y系
酸化物超電導体棒8a、この Y系酸化物超電導体棒8aの一
端部を集束的に接続保持する接続部8b、前記接続部8bに
一端側が接続されるフレキシブル性を有する導電リード
部9、前記導電リード部9の他端側が接続する端子部8
c、前記 Y系酸化物超電導体棒8aの他端側を集束的に接
続保持する端子部8d、および軸方向に2分割した(縦割
り)繊維強化樹脂製の円筒体(保護管)10などを素材と
して用意する。
【0018】次いで、前記 Y系酸化物超電導体棒8aの一
端側を接続部8bに集束的に接続し、さらにその接続部8b
に、他端を端子部8cに予め接続させたフレキシブル性を
有する導電リード部9の一端側を電気的に接続する。ま
た、 Y系酸化物超電導体棒8aの他端側を端子部8dに集束
的に接続して、リード本体部を組み立てる。その後、前
記リード本体部を、要すればスペーサー13を配置しなが
ら繊維強化樹脂製の円筒体(保護管)10内に、同軸的に
配置・一体化することにより、酸化物超電導電流リード
14を構成する。このように組み立て,構成した超電導電
流リード14は、接続用端子部8cをたとえば超電導マグネ
ット側(低温側)に、接続用端子部8dを外部電源側(高
温側)に、それぞれ接続して使用される。
【0019】なお、前記酸化物超電導電流リードの構成
に用いた Y系酸化物超電導体棒8aは、次のようにして製
作したものである。すなわち、 Y2 O 3 ,BaCO3 , CuO
を原料とし、 Y:Ba:Cu= 1: 2: 3の比率になるよう
に調製・混合して、 900℃で, 50h仮焼を行った。前記
仮焼終了時の降温過程では超電導相を生成させるため、
600℃から 400℃まで、 2℃/min.の割合でゆっくり降
温させた。このようにして得た仮焼粉を細かく粉砕し、
プレス治具によって直径 5mm,長さ 100mmに圧粉成型し
た。この圧粉成型体を大気中, 925℃× 200 hの1次熱
処理を行った後、中間プレスを行ってから、端部に銀ペ
ーストを塗布し、再度 925℃× 200 hの熱処理を行って
Y系酸化物超電導体棒8aを得た。この Y系酸化物超電導
体棒8aについて、液体窒素中で4端子法により臨界電流
Icを測定したところ、Ic=80 Aの値を示した。
【0020】上記構成の酸化物超電導電流リードを、液
体窒素アンカーを持つリードの77 K−4.2K部分に使用し
評価したところ、熱侵入量は銅製リードの 1/ 4程度に
低減されながら、 200 Aの電流を安定的に流しえること
が確認された。
【0021】なお、上記構成においては、フレキシブル
性を有する導電リード部9を、酸化物超電導電流リード
本体8の一端側に直列に接続したが、たとえば図1 (b)
に示すごとく、酸化物超電導電流リード本体8の両端側
に、フレキシブル性を有する導電リード部9をそれぞれ
直列に接続した構成とすることも可能で、また同様の作
用・効果が得られる。また、上記構成例では、酸化物超
電導電流リード本体8と、フレキシブル性を有する導電
リード部9との接続に銅製の接続部8bを介在させたが、
この銅製の接続部8bを省略して、酸化物超電導電流リー
ド本体8およびフレキシブル性を有する導電リード部9
を、たとえば半田付けなどにより直接的に接続する構成
を採ってもよい。
【0022】実施例2 図2は、本発明に係る酸化物超電導電流リードの他の構
造例を、軸方向に断面的に示したもので、8は電流通電
用の酸化物超電導体リード本体、たとえば直径5mm程
度,長さ50mm程度のBi系酸化物超電導体棒、9′は前記
Bi系酸化物超電導体リード本体8に銅製の接続部8bを介
して電気的に直列に接続したフレキシブル性を有する導
電リード部、たとえば銅線を素線として成る編み線、1
0′は前記Bi系酸化物超電導体リード本体8およびフレ
キシブル性を有する導電リード部9′が、内壁面から離
隔した形で挿通・配置された筒状の絶縁性保護管、たと
えば外径17mm,内径15mm,長さ 100mmの絶縁処理したス
テンレス鋼製製の円筒体である。 なお、図2におい
て、11は一方の被接続部 12aと 12a′間、および他方の
被接続部 12bと 12b′間を直列に接続するフレキシブル
性を有するリード線である。 そして、この超電導電流
リード14は、次のような手順で構成されている。先ず、
前記Bi系酸化物超電導体棒8、このBi系酸化物超電導体
棒8aの一端部に接続保持する接続部8b、前記接続部8bに
一端側が接続されるフレキシブル性を有する導電リード
部9′、前記導電リード部9′の他端側が接続する銅製
の端子部(高温側)8d、前記Bi系酸化物超電導体棒8aの
他端側に接続する端子部(低温側)8c、および軸方向に
2分割した(縦割り)ステンレス鋼製の円筒体(保護
管)10′などを素材として用意する。
【0023】次いで、前記Bi系酸化物超電導体棒8aの一
端側を接続部8bに接続し、さらにその接続部8bに、他端
を端子部8dに予め接続させたフレキシブル性を有する導
電リード部9′の一端側を電気的に接続する。また、Bi
系酸化物超電導体棒8aの他端側を端子部8cに接続して、
リード本体部を組み立てる。その後、前記リード本体部
を、前記ステンレス鋼製の円筒体(保護管)10′に同軸
的に配置し、保護管10′を成す分割片を、たとえば端子
部8c,8dで電気的な絶縁を採りながら、ボルト締め15し
て一体化することにより、超電導電流リード14を構成す
る。このように組み立て,構成した超電導電流リード14
は、接続用端子部8cをたとえば超電導マグネット側(低
温側)に、接続用端子部8dを外部電源側(高温側)に、
フレキシブル部分を介して、それぞれ接続して使用され
る。
【0024】なお、前記酸化物超電導電流リードの構成
に用いたBi系酸化物超電導体棒8aは、次のようにして製
作したものである。すなわち、Bi2 O 3 ,SrCO3 ,CaCO
3 ,CuOを原料とし、Bi:Sr:Ca:Cu= 2: 2: 1: 2
の比率になるように調製・混合して、 800℃で,20 h仮
焼を行った。このようにして得た仮焼粉を細かく粉砕
し、冷間静水圧プレスによって、直径 7mm,長さ 100mm
の棒状に成型した。この成型体を大気中, 840℃×50 h
焼結した後、この焼結棒を原料棒として、CO2 レーザー
を加熱源とした浮遊溶融法での溶融成長により、結晶バ
ルクが長手方向に配向した直径 5mmのBi系酸化物超電導
体棒を得た。このBi系酸化物超電導体棒を長さ50mmに切
り出し、端部10mmに銀ペーストを塗布し、焼き付けてBi
系酸化物超電導体棒8aを得た。このBi系酸化物超電導体
棒8aについて、液体窒素中で4端子法により臨界電流Ic
を測定したところ、Ic= 150 Aの値を示した。
【0025】上記構成の酸化物超電導電流リード14を、
冷凍機で冷却する超電導マグネットの電流リードのう
ち、40 K−4.2K部分に使用し評価したところ、熱侵入量
は銅製リードの 1/10程度に低減されながら、 130 Aの
電流を安定的に流し得ることが確認された。
【0026】本発明は、前記実施例に限定されるもので
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、いろいろの変
形を採り得る。たとえば、保護管10,10′は円筒状に限
られず、断面が方形など多角形でもよい。つまり、酸化
物超電導リード本体などを、内壁面に対して被接触に挿
通・装着し得るならばその断面形状は特に限定されな
い。
【0027】
【発明の効果】以上記述したごとく、本発明に係る超電
導電流リードによれば、電流通電用の酸化物超電導体リ
ード本体は、その超電導体リード本体周面部に軸方向に
沿わせて離隔配設させた保護管によって、機械的強度に
脆弱な酸化物超電導体リード本体が保護される一方、軸
方向などの熱収縮がフレキシブルな電流リード部で容易
に吸収される。つまり、電流を通電する酸化物超電導体
リード本体は、長さ方向に対する垂直方向からの機械的
な外力が遮蔽されているため、機械的な衝撃によって破
損する恐れも解消される。また、また、冷却時における
保護管と酸化物超電導体リード本体との熱収縮差は、酸
化物超電導体リード本体に直列・接続した導体リードの
フレキシブル部にて、容易かつ確実に吸収される。した
がって、前記熱収縮性差に起因する酸化物超電導体リー
ド本体の割れや折れなども防止ないし回避される。しか
も、外部からの熱侵入も低減し得るので、極低温維持
(保持)に要する冷却機構の低消費電力化などにも大き
く寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a), (b)は本発明に係る酸化物超電導電流リ
ードの互いに異なる要部構成例を示す軸(長さ)方向の
断面図。
【図2】本発明に係る酸化物超電導電流リードの他の要
部構成例を示す軸(長さ)方向の断面図。
【図3】従来の超電導電流リードを装備して成る超電導
装置の要部構成を示す断面図。
【図4】従来の超電導電流リードの要部構成例を示す断
面図。
【図5】従来の超電導電流リードの他の要部構成例を示
す断面図。
【符号の説明】
1…クライオスタッド 2…超電導マグネット 3
…液体ヘリウム 4…銅リード 5…液体窒素槽
6,14…酸化物超電導体電流リード 7,10′…金
属製保護管 8…酸化物超電導体電流リード本体
8a…酸化物超電導体棒 8b…接続部 8c,8d…接続
端子部 9…フレキシブルな導電リード部 10…絶
縁樹脂製の保護管 11…リード線 12a, 12b, 1
2a′, 12b′…被接続部 13…スペーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柵木 玉樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 栗山 透 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中込 秀樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 浦田 昌身 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 荒岡 勝政 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 門間 茂樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導体リード本体と、前記酸化
    物超電導体リード本体の少なくとも一端側に直列に接続
    されたフレキシブル性を有する導体リード部と、前記酸
    化物超電導体リード本体およびフレキシブル性を有する
    導体リード部を内壁面から離隔した形で挿通・装着し、
    周面部を保護する保護管とを具備して成ることを特徴と
    する酸化物超電導電流リード。
  2. 【請求項2】 酸化物超電導体リード本体と、前記酸化
    物超電導体リード本体の少なくとも低温領域側に直列に
    接続されたフレキシブル性を有する超電導体製導体リー
    ド部と、前記酸化物超電導体リード本体およびフレキシ
    ブル性を有する超電導体製導体リード部を内壁面から離
    隔した形で挿通・装着して周面部を保護する保護管とを
    具備して成ることを特徴とする酸化物超電導電流リー
    ド。
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