JPH07282888A - 電気コネクタ組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が比較的簡単且つ安価であり、多様性に
富んだ真空吸着型電気コネクタ組立体を提供すること。 【構成】 電気コネクタ組立体２は複数の所定配列され
たピン型端子６を有するハウジング４と、この端子６の
うち選択された端子に挿入係止される吸着プラットフォ
ーム１２とを具える。この吸着プラットフォーム１２の
基板１４の表面１６は略平坦であり、真空吸着ノズルに
よる吸着に適合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電気コネクタ、特に真空
吸着可能な自動（ロボット）装着に適する電気コネクタ
組立体に関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】電気コネクタを把持して回
路基板の所定位置に配置（装着）する一般的な自動装着
には、真空吸着装置を用いている。この真空吸着にはコ
ネクタに円滑表面を設けて吸着管により吸着する。

【０００３】しかし、コネクタの中には、余りにも小形
である為に、この真空吸着管が吸着する為の十分大きく
且つスムースな表面を有しないものがある。特に回路基
板に実装する回路基板用コネクタにあっては回路基板取
付面と反対側に吸着する必要があるが、この表面には一
般にリセプタクル（雌型）端子が延びるキャビティを有
するか、そこからコンタクトピンが起立するので、真空
吸着実装には不都合である。

【０００４】この問題を解決する為の１つの方法が、米
国特許第５，２４９，９７７号に開示されている。ここ
では、別体のキャップが設けられ、このキャップはコネ
クタにラッチされ、その上面に吸着面を形成している。

【０００５】また、ヘッダコネクタのピンに係止される
カバーを有する別の手法が米国特許第５，２４２，３１
１号に開示されている。この例にあっては、カバーは比
較的剛性であり、ピン挿入キャビティ領域は比較的低可
撓性である。このことは、ある状況下ではピンへの保持
又は取付け信頼性が欠如するか強すぎ取付け取外しが困
難であることを意味する。一層可撓性に富み且つ弾性
（エラスチック）を有する保持手段が好ましい。また、
多くの材料を必要とするので、使い捨て部材には不向き
（不経済）である。

【０００６】ある種のコネクタには、小形であるが故に
キャップ部材と協働する適切且つ高信頼性のラッチ手段
を設けることは困難である。また、ある場合には、コネ
クタを標準化しているので、その外形寸法形状の変更は
不可能である。更に、相手コネクタとの嵌合時にコネク
タから除去する必要のない吸着板を設けるのが好まし
い。

【０００７】従って、本発明の目的は、真空吸着を可能
にする小形電気コネクタ用の低価格且つ高信頼性の吸着
プラットフォームを提供することである。

【０００８】本発明の他の目的は、相手コネクタとの嵌
合前に除去する必要性のない吸着プラットフォーム付き
電気コネクタ組立体を提供することである。

【０００９】本発明の更に他の目的は、コネクタの外形
形状に依存せず且つ使用する材料費も安い高信頼性の吸
着プラットフォーム付き電気コネクタ組立体を提供する
ことである。

【００１０】

【課題解決の為の手段】上述した本発明の目的の全て又
は一部を達成する為に、本発明の電気コネクタ組立体に
よると、複数の端子が嵌合面に配列されたハウジング
と、該ハウジングの嵌合面に取付けられる吸着プラット
フォームとを具える。

【００１１】この吸着プラットフォームは外面に略平坦
な吸着面を有する基板と、この基板から延びてハウジン
グのピン状端子が弾性的に挿入される複数の弾性パイプ
又はリセプタクル端子に挿入係合する複数のピンとを具
える。相手コネクタとの嵌合時にはこれら吸着プラット
フォームをハウジングの嵌合面から除去する。

【００１２】また、別の吸着プラットフォームは例えば
一面に接着剤が塗布された比較的薄い絶縁性テープであ
り、このテープをハウジングの嵌合面に被着し、相手コ
ネクタとの嵌合時には、このテープを貫通して両コネク
タの端子同士を電気的接続する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の電気コネクタ組立体の実施例
を添付図を参照して詳細に説明する。

【００１４】先ず図３乃至図５を参照して本発明を適用
した電気コネクタ組立体の第１実施例を説明する。一般
に、ピンヘッダと称される電気コネクタ組立体（以下単
にコネクタ組立体という）２はコネクタハウジング（以
下単にハウジングという）４及びピン端子６を有する。
端子６はハウジング４内に取付けられ、その嵌合面８か
ら突出してプリント回路板（以下単に回路板という）９
の導電性パッド（図示せず）に接続される。端子６は断
面が非円形、例えば正方形である。更に、コネクタ組立
体２は吸着プラットフォーム１２を有する。この吸着プ
ラットフォーム１２は一側に吸着面１６を有する基板１
４と、この基板１４の他側から垂直方向に延びる弾性パ
イプ１８とを有する。

【００１５】次に、図１及び図２を参照して吸着プラッ
トフォーム１２の詳細を説明する。パイプ１８はピン挿
入キャビティ２４を有するパイプハウジング２２を含ん
でいる。このキャビティ２４は、端子６の縦軸２６の回
りに僅かにねじれた断面形状を有し、断面は端子６の断
面に対応する。キャビティ２４内には端子６の挿入端２
８からテーパ付き導入部３０が延びて、その中に挿入さ
れる端子６を案内する。相互に離間した複数のパイプ１
８があり、ピンヘッダの対応する端子６が挿入される。
ここで、間隔は相互に隣接する端子６の間隔又は隣接し
ない端子の間隔であってもよい。

【００１６】この吸着プラットフォーム１２をコネクタ
組立体２の非円形ピンと組込み中に、端子挿入パイプ１
８は弾性的にねじれ、キャビティ２４の断面が角度を持
ち、端子６の断面と一致して、キャビティ２４内に端子
６が完全に挿入されるようになる。パイプ１８の端子６
に対するねじれバイアスにより、両者間に高い摩擦力が
作用し、吸着プラットフォーム１２はコネクタ組立体２
に十分な摩擦力で保持され、この吸着プラットフォーム
１２によりコネクタ組立体２のピックアップを可能にす
る。

【００１７】コネクタ組立体２の上述した吸着プラット
フォーム１２はコネクタ組立体２の外形寸法形状に依存
せず、単に端子６の寸法又は配置にのみ依存することが
理解されよう。即ち、端子６の断面形状と間隔が同じで
ある限り、この吸着プラットフォーム１２は全てのファ
ミリのコネクタ組立体に適用可能であるという特徴を有
する。また、この吸着プラットフォーム１２は端子６の
ピッチが整数倍の高密度コネクタにも適用可能であるこ
とが理解できよう。

【００１８】撓み以外の弾性変形によりコネクタ組立体
２の端子６に挿入保持する端子受けパイプ１８を設ける
ことも可能であることが理解できよう。例えば、パイプ
１８を相互に垂直線から僅かに角度をもって傾斜させる
ことも可能である。これは図１中に線３４、３５で示
す。吸着プラットフォーム１２が端子６と嵌合すると、
パイプ１８は相互に弾性的に偏倚（バイアス）されて平
行になる。この場合に、この傾斜角３４とテーパ付けさ
れた導入部３０の寸法は、端子６がキャビティ２４内に
入り込むようにする。また、キャビティ２４は非線形、
例えば僅かに弧状に形成し、端子６が挿入されると真直
ぐになるよう構成することも可能である。他の可能性と
して、キャビティ２４内に突起を形成し、挿入される端
子６と干渉（摩擦係合）することも考えられる。この場
合には断面が円形である端子（又はピン）にも適用可能
である。

【００１９】次に、図６乃至図８を参照する。ここに図
示するリセプタクル型コネクタ組立体５２はハウジング
５４、リセプタクル端子５６及び吸着プラットフォーム
５８より構成される。この吸着プラットフォーム５８は
吸着面６２が一側に形成された基板６０と、他端から延
びるピン６４とを有する。このピン６４はリセプタクル
端子５６に挿入される。よって、吸着プラットフォーム
５８はピン６４と摩擦係合する弾性リセプタクル端子５
６によりコネクタ組立体５２に保持される。また、ピン
６４には少し厚くした下端６６を有し、吸着プラットフ
ォーム５８がコネクタ組立体５２の取扱時に誤って脱落
することがないようにする。

【００２０】吸着プラットフォーム５８がコネクタに組
込まれると、端部はリセプタクル端子５６の接点部６８
を超えて押込まれる。勿論、この吸着プラットフォーム
５８はコネクタ組立体５２をピンヘッダ吸着プラットフ
ォーム１２と同様に、その重力に抗して安定的に持ち上
げるに足る十分な個数のピン６４を有するものとする。
このピン６４は同じ又は一層小さい中心線ピッチを有す
るコネクタ組立体に使用する為に大きいピッチで配置さ
れてもよい。図示のコネクタ組立体５２は２列の端子を
有するが、本発明はそれ以外の端子配列のコネクタにも
適用可能であること勿論である。

【００２１】ここで、端子の弾性変形も生じ、この変形
程度は端子の弾性に依存するが、これは吸着プラットフ
ォームの端子への摩擦把持力を決定することに注目され
たい。

【００２２】次に、図９及び図１０を参照して説明す
る。このリセプタクル型コネクタ組立体４０はその嵌合
面４６から延びる端子挿入キャビティ４４を有するハウ
ジング４２と吸着プラットフォーム４８とを有する。こ
の吸着プラットフォーム４８は粘着剤により嵌合面４６
に固着された一体の薄いテープより構成される。（例え
ば、このテープの一面に粘着剤又は接着剤が塗布されて
いる。）これによりテープ４８は複数のキャビティ４４
を覆い、コネクタ組立体４０を持ち上げ（ピックアッ
プ）するのに十分な真空吸着面積が得られる。このテー
プ４８は十分薄く、相手コネクタ４９との嵌合時にはピ
ン端子４７がこれを容易に貫通してコネクタ組立体４０
と電気的接続を行うことができる。従って、吸着プラッ
トフォーム４８は相手コネクタとの嵌合時までは、その
嵌合面の保護機能を具え、嵌合時には除去する必要もな
く容易に嵌合接続可能であるという特徴を有する。

【００２３】以上、本発明のコネクタ組立体を種々の実
施例と共に詳述した。しかし、本発明は何ら斯る実施例
のみに限定されるべきではなく、本発明の要旨を逸脱す
ることなく用途に応じて種々の変形変更が可能であるこ
と勿論である。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
の電気コネクタ組立体によると、略平坦な基板に一致ピ
ッチで配置した複数のパイプ又はピンを形成するこによ
り、一定ピッチ又はその倍数で配列された標準電気コネ
クタに適用して真空吸着による自動実装が可能である。
また、この吸着プラットフォームはプラスチック材料の
モールド等により安価に製造可能である。

【００２５】また、吸着プラットフォームを粘着テープ
等で構成すると、相手コネクタとの嵌合時までは嵌合面
の保護を行い、嵌合時にはこれを貫通して嵌合するので
余分な手間を省くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気コネクタ組立体に使用する吸着プ
ラットフォームの一実施例の図２の線１−１に沿う断面
図。

【図２】図１の矢印２方向から見た吸着プラットフォー
ムの上面図。

【図３】ピンヘッダ型コネクタに図１の吸着プラットフ
ォームを装着した側面図。

【図４】図３の矢印４方向から見た電気コネクタ組立体
の平面図。

【図５】図３の矢印５方向から見た電気コネクタ組立体
の側面図。

【図６】本発明の他の実施例によるリセプタクル型電気
コネクタ組立体の正面図。

【図７】図６の矢印７方向から見た電気コネクタ組立体
の上面図。

【図８】図６の矢印８方向から見た電気コネクタ組立体
の側面図。

【図９】本発明の更に他の実施例の電気コネクタ組立体
の正面図。

【図１０】図９の矢印１０方向から見た電気コネクタ組
立体の側面図。

【符号の説明】

２、４０、５２ 電気コネクタ組立体 ４、４２、５４ ハウジング ６、５６ 端子 ８、４６、５５ 嵌合面 １２、４８、５８ 吸着プラットフォーム １４、６０ 基板 １８ パイプ ６４ ピン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相手コネクタと嵌合する嵌合面に複数の
   端子が配置されたハウジングと、該ハウジングの前記嵌
   合面に取付けられ吸着面を提供する吸着プラットフォー
   ムを有する電気コネクタ組立体において、 前記吸着プラットフォームは略平坦な外面を有する基板
   と、該基板から延び前記複数の端子のうち選択された端
   子に摩擦係合する複数のパイプとを具えることを特徴と
   する電気コネクタ組立体。
2. 【請求項２】 相手コネクタのピン端子と嵌合する複数
   のリセプタクル端子が配置されたハウジングと、該ハウ
   ジングの嵌合面に着脱自在に取付けられ吸着面を提供す
   る吸着プラットフォームを有する電気コネクタ組立体に
   おいて、 前記吸着プラットフォームは略平坦な外面を有する基板
   と、該基板の内面に植立された複数のピンとを具え、該
   ピンを前記リセプタクル端子のうちの選択された端子に
   挿入し摩擦係合することを特徴とする電気コネクタ組立
   体。
3. 【請求項３】 相手コネクタとの嵌合面に複数の端子が
   配列されたハウジングと、前記嵌合面に取付けられ略平
   坦な吸着面を提供する吸着プラットフォームとを有する
   電気コネクタ組立体において、 前記吸着プラットフォームは所定面積を有し前記ハウジ
   ングの前記嵌合面に被着された薄い絶縁性テープにて構
   成され、該テープを貫通して前記相手コネクタとの嵌合
   を行うよう構成したことを特徴とする電気コネクタ組立
   体。