JPH07280980A - 原子炉の除圧装置 - Google Patents

原子炉の除圧装置

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JPH07280980A
JPH07280980A JP5177444A JP17744493A JPH07280980A JP H07280980 A JPH07280980 A JP H07280980A JP 5177444 A JP5177444 A JP 5177444A JP 17744493 A JP17744493 A JP 17744493A JP H07280980 A JPH07280980 A JP H07280980A
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tank
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    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
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    • G21C15/00Cooling arrangements within the pressure vessel containing the core; Selection of specific coolants
    • G21C15/18Emergency cooling arrangements; Removing shut-down heat
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非常に大きな熱負荷及び流体負荷を生じさせ
ることなく、圧力を即座に減少させることができる除圧
装置を備えた原子炉を提供する。 【構成】 格納容器シェル(55)内に位置した原子炉
容器(46)を備えた原子炉は、冷却材回路(62)と
流体連通状態にある除圧弁(82)を用いて段階的に減
圧される。複数の除圧弁(82)が冷却材回路と流体連
通状態に結合されている。少なくとも一つの多孔分散管
(84)が、格納容器シェル内部と流体連通状態にあ
り、除圧弁のうち少なくとも一つと流体連通関係で結合
される。冷却材回路の圧力が減少すると、冷却材回路と
格納容器シェルとの間の結合度を増大させるよう、漸次
低い冷却材レベルで除圧弁が次々に開かれ、それにより
除圧が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却材を低圧で追加供
給できるよう加圧水型原子炉内の圧力を減少させること
ができる装置に関する。より詳細には、本発明は、一次
原子炉冷却材回路のホットレッグと格納容器内燃料交換
用水貯蔵タンクとの間の流路を開く多孔分散管への弁連
結装置を提供する。弁装置は、突発的な流体負荷を各原
子炉導管に及ぼすことなく、圧力を迅速に減少させるた
めに段階的に動作できる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】沸騰水
型原子炉では、圧力過剰の際における防護のため、冷却
材を高圧ポンプではなく、低圧ポンプを用いて追加供給
できるよう多孔分散管ベントを含む除圧装置が用いられ
る。除圧を開始すると、冷却材回路を多孔分散管に結合
している一又は二以上の弁が単に開かれるだけである。
多孔分散管は、例えば大気圧の状態にある水収容タンク
内の水中に位置した小さなジェットオリフィスを備えた
導管である。弁を開くと、蒸気は多孔分散管のオリフィ
スからタンク内へ放出され、冷却材は水中で凝縮し、そ
の結果冷却材回路内の圧力が減少する。
【0003】沸騰水型原子炉の従来除圧法では、その目
的は、冷却材の圧力を大気圧に減少させるのでなく、ポ
ンプが水を冷却材回路内に注入するのに有効なレベルま
で減少させることにある。多孔分散管は、圧力を約10
0〜200psiに減少させ比較的低圧のポンプから水
を注入できるようにしている。
【0004】加圧水型原子炉はかなり高い冷却材圧力で
作動する。それほど大きくない出力レベルであっても、
加圧水型原子炉内の冷却材温度は600°F(330°
C)程度にもなる。原子炉容器内の動作冷却材圧力は
2,250psi(150バール)になる場合がある。
【0005】種々の状況において、水を原子炉の冷却材
回路に追加供給することが望ましい場合がある。運転
中、設計手段、例えば圧力除去装置または過圧防止安全
装置を通る漏れ、または重大を欠陥を示しているわけで
はないが、最終的には冷却材の追加を必要とするような
冷却材回路に生じた小さな孔を通る漏れに起因して冷却
材のレベルが僅かではあるが低下する場合がある。深刻
な冷却材喪失事故の場合、冷却材回路にかなり相当な大
きさの裂け目が生じると、多量の冷却材が格納容器シェ
ル内に流れ込むことがある。除圧装置は任意の可能性に
適切に応答すべきであり、充分な量の冷却材を追加して
核燃料を冷却するための最終的な要件に従うようにする
ことができる。
【0006】高圧状態の冷却材回路またはタンクと低圧
状態の出口、例えば多孔分散管との間に結合部を急に作
る場合、非常に大きな熱負荷及び流体負荷が導管だけで
なく冷却材回路全体に加わる。さらに、冷却材回路と圧
力除去多孔分散管との初期の結合により、冷却材回路中
の冷却材と出口(即ち、多孔分散管のオリフィス)との
間の差圧が非常に高いことによって冷却材の相当な量の
喪失が生じることになる。これら両方の理由で、除圧
中、原子炉に対する損傷の生じる恐れがある。熱応力及
び流体応力に起因して導管内に破損を生じさせる可能性
とは別に、冷却材の喪失は、残りの冷却材が核燃料の冷
却を維持するのに不十分になる危険が増すことになる。
圧力除去装置に対する流れをより緩やかに開放させるこ
とにより応力を最小限に抑えると共に冷却材の損失を抑
える除圧装置が要望されている。
【0007】また、原子炉の安全装置においては例えば
ポンプのようなアクティブな、即ち動力を必要とする要
素への依存性を最小限に抑えることが望ましい。コンウ
エイ(Conway)氏等に付与された米国特許第4,75
3,771号は、冷却材への追加のための補給水の高圧
及び低圧供給源を用いる安全装置を開示している。低圧
供給源は、大気圧状態(格納容器シェル内の圧力状態)
のタンクを有し、冷却材回路の両方の高さ位置において
逆止弁を介して冷却材回路に結合された格納容器内に配
置されている。高圧補給タンクは、漏れが生じた場合、
除圧を行わないで短時間で水を供給する。高圧水供給源
の減少中の或る時点で、原子炉冷却系を除圧して低圧供
給源から得られるより多量の水を追加できるようにする
ことが必要である。この追加は、比較的低い正圧状態で
生じ(貯蔵タンクの流体圧力ヘッドに起因する)または
大気圧状態で生じる。
【0008】ウエスチングハウス・エレクトリック・コ
ーポレーションのAP600形原子炉設計によれば(本
発明がその一部と関連している)、高圧補給タンクが約
20分間分の水供給手段を備えている。非常の際、冷却
材回路の除圧後、格納容器シェル内の大気圧状態にある
重力ドレンタンクが約10時間の水の供給を行う。重力
ドレンタンク内の水を格納容器内に排出すると、格納容
器は、格納容器の内壁上で凝縮している水の再循環が可
能になる箇所まで満たされる。重力ドレンタンクは、格
納容器内へ水を空けると格納容器内の水の高さが水を原
子炉(格納容器内の低い位置に位置している)内に押し
込むのに充分な流体圧力ヘッドを生じさせるのに充分な
水を収容している。水は原子炉内で沸騰し、それにより
炉心を冷却する。除圧装置は沸騰中の水からの蒸気を格
納容器シェル内へ逃がす。蒸気は格納容器の内壁上で凝
縮し、水として戻って原子炉を冷却する。
【0009】除圧は段階的に起きる。当初において、水
中に位置した多孔分散管に通じる比較的小径の導管を弁
によって開放する。次に、比較的大径の導管を次の弁の
動作により開かれ、より大径の導管も多孔分散管に通じ
ている。最終的には、最終段階において冷却材系を直接
格納容器内へ連通させる。
【0010】本発明の目的は、非常に大きな熱負荷及び
流体負荷を生じさせることなく、圧力を即座に減少させ
ることができる原子炉の除圧装置を提供することにあ
る。
【0011】また、本発明の目的は、原子炉の冷却材回
路内の利用可能な冷却材を保存することにある。
【0012】本発明のもう一つの目的は、原子炉を除圧
するための一連の段階動作式弁を提供することにあり、
特に、圧力が低下すると多孔分散管への冷却材回路の結
合性を次第に高くするためにある範囲の導管直径及び/
またはオリフィスサイズを備えたある範囲の次第に大き
な及び/または一層直接的な流路に沿って設けられた段
階式の弁を提供することにある。
【0013】本発明のさらにもう一つの目的は、最終段
階が、冷却材を核燃料で加熱した場所に近接した冷却材
中の蒸気を効果的に逃がすために冷却材回路のホットレ
ッグを格納容器シェルに結合する段階式弁を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的及び他の目的
は、格納容器シェル内に配置され、冷却材回路と流体連
通状態に結合された除圧弁を用いて段階的に除圧される
原子炉容器を有する原子炉で達成される。格納容器の水
溜めの中に廃水できる格納容器内燃料交換用水貯蔵タン
ク内の水中に位置した少なくとも一つの多孔分散管が、
弁の内1または2以上と格納容器シェルの内部とを連通
させている。除圧弁は段階的に、好ましくは次第に低い
圧力で開放され、並列に設けられた多数の弁を介して除
圧を行うよう次第に大きな流路を開放させる。圧力レベ
ルの減少が、高圧補給タンクの冷却材のレベルをモニタ
すりことによって検出され、段階式弁を動作させるのに
用いられる。弁を、格納容器シェル内に設けられていて
原子炉の冷却材出口に結合された加圧タンクと連携させ
るのがよい。最も低い圧力状態で開放可能な少なくとも
一つの除圧弁が、冷却材回路と格納容器シェルとの間で
直接的に結合されている。原子炉容器は格納容器シェル
内の開放水溜め内に配置され、もう一つの弁が開放水溜
めを、水を冷却材回路に追加するために燃料交換用水貯
蔵タンクと冷却材回路とを結合する導管に結合し、それ
により格納容器シェル内の水を開放水溜めから追加でき
るようにする。
【0015】図面には、現時点で好ましい実施例が示さ
れている。しかしながら、本発明は図面に示す構成その
もの及び配置に限定されるものではないことはいうまで
もない。
【0016】
【実施例】図1には、原子炉22内における冷却材の喪
失を補償する2つの冷却材源がある。高圧補給タンク3
2が弁34によって冷却材入口またはコールドレッグ3
8と原子炉容器注入口42との間に結合されている。し
かしながら高圧補給タンク32の容量には限界がある。
より多量の冷却材としての水が、格納容器内燃料交換用
水貯蔵タンク(以下、「IRWST」という場合があ
る)50から格納容器シェル55の内部に開口している
通気孔52によって大気圧状態にあるIRWST50か
ら得ることができる。水を冷却用燃料交換用水貯蔵タン
ク50から冷却材回路62へ送り込むための弁56及び
一連の逆止弁58が設けられている。格納容器の内部に
位置した水溜め68から水を回収するための追加の逆止
弁及び/電動弁64が設けられている。しかしながら、
これら弁58,64を利用するためには、原子炉を完全
に圧力除去、即ち除圧して冷却材の注入を可能にするよ
うにしなければならない。
【0017】図1及び図2に示す本発明の実施例によれ
ば、原子炉22は、冷却材回路を多くの除圧段階で格納
容器シェル55内へ通じさせることにより除圧される。
例えば、最初の3つの除圧段階は、多孔分散管84を介
して冷却材回路62と格納容器シェル55の内部との間
に結合された弁82を開くことによって達成され、各レ
ッグにおけるそれぞれの弁82は、高圧補給タンク12
2の漸次低い圧力で開放され、好ましくは次々に実施さ
れる除圧段階に合わせて直径が漸次に大きくなる導管8
6に沿って平行なレッグをなして結合されている。最終
除圧段階は、冷却材回路62を格納容器シェル55の中
へ直接結合する弁手段92を開放することによって達成
される。この目的は、圧力を実際上できるだけ迅速に大
気圧まで減少させることにあり、その後冷却材を、大き
な熱負荷及び流体負荷、はざし冷却材の喪失及び他の危
険な影響を防止しながら重力供給で格納容器55内の周
囲圧力状態で冷却材回路に追加するのがよい。好ましく
は、いずれの場合においても、それぞれの導管レッグに
沿って各弁手段について、2つの直列配置の弁を、安全
目的のために万全用遮断手段として設けられている。か
かる弁は通常は、同時に作動するようになっており、従
ってかかる弁の対または組を単に弁として説明する。
【0018】多段または段階式除圧方法は、熱負荷及び
流体負荷を減少するのを可能にする。また、これによ
り、除圧系96を不注意に用いても深刻な事態にならな
いようにする。比較的小さな除圧流路が最初に開放さ
れ、流路は段階的に大きくなっていく。これは、除圧設
定点に到達すると次第に大きくなる流路を開放すること
により達成され、また個々の流路についての弁92,9
2を計時された状態で開放することによって達成でき
る。
【0019】図1及び図2は、除圧系96及び原子炉2
2の略図であり、図3及び図4は物理的な観点からの略
図である。同一の参照符号が全図にわたり同一の要素を
指示するものとして用いられている。
【0020】除圧系96は、格納容器シェル55内に配
置された原子炉容器46及び原子炉容器46に結合され
た入口管102と出口管104を備えた原子炉22内の
圧力を減少させる。少なくとも一つの蒸気発生器110
が、有益な動力を抽出するため、代表的には発電機を駆
動するために出口104と入口102との間に結合され
ている。原子炉容器46、入口/出口導管102,10
4、蒸気発生器の連結部は一緒になって、循環冷却材通
路または回路を構成し、かかる冷却材回路内において、
核燃料によって加熱された水が圧力下で循環する。
【0021】複数の除圧弁82,92が、冷却材回路6
2及び格納容器シェル55の内部と流体連通状態にある
少なくとも一つの多孔分散管84と流体連通関係をなし
て結合されている。弁82,92は、除圧を行うよう除
圧弁92,92を次々に開放させるための制御手段及び
/またはオペレータを備えている。追加の弁または一群
の弁が段階的に開放すると、冷却材回路62と格納容器
シェル55の内部との結合度が増大する。同時に、冷却
材回路62内の圧力が減少する。除圧弁82,92を、
圧力応答弁制御器からの作動信号に基づき、または好ま
しくは高圧補給タンクと関連したセンサ122を含むレ
ベル応答制御器を介して次々に開放でき、また次々に配
置された各除圧弁或いは次々に位置する各除圧弁グルー
プ82,92が漸次低いレベル設定値で開放するよう構
成するのがよい。
【0022】好ましくは、加圧タンク130が格納容器
シェル55内に配置されており、加圧タンク130は導
管134によって原子炉の冷却材出口104(冷却材回
路62のホットレッグと呼ばれている)に結合された底
部ヘッド132を備えている。加圧タンク130の頂部
ヘッド142は除圧弁82のうち少なくとも一つに結合
されている。図1が示すようにより高いレベルの開放段
階についての除圧弁82は、水タンク内の水中の箇所で
開放する多孔分散管84、即ち流体出口を介して格納容
器シェル55の内部に結合されている。多孔分散管は、
水タンク50、即ち格納容器内燃料交換用水貯蔵タンク
内の水中に位置した一連の孔114を有している。タン
ク50は格納容器シェル55の内部に通気され、即ちタ
ンク50は大気圧状態にあるのがよい。好ましくは、タ
ンク50は、重力の作用で原子炉容器46、冷却材回路
62及び/または格納容器シェル55の底部の水溜め6
8のうち一又は二以上の中に中身を空け、それにより冷
却材喪失事故、例えば冷却材喪失事故の場合に炉心を冷
却するようにする適当な弁装置152によって構成され
る。より高いレベルの除圧段階についての除圧弁82が
燃料交換用水貯蔵タンク50の中に通気すると共にタン
ク50が格納容器シェル55内に通気するので、原子炉
冷却材回路62の圧力はこの構成では格納容器シェル5
5に逃がされる。
【0023】除圧弁82,92は導管162,164を
介して格納容器シェル55に結合されており、かかる導
管162,164は漸次低い圧力で開放する除圧弁8
2,92に合わせて直径が漸次大きくなっている。従っ
て、冷却材回路62内の圧力が減少すると開放する追加
の導管162,164によって増大する結合度は、冷却
材回路62と格納容器シェル55との間の結合だけでは
ない。さらに、所与の開放段階についての流路のサイズ
は、その前に開放した段階の流路よりも大径である。そ
の結果、冷却材の圧力は次第にしかしながら迅速に減少
することになる。この変化をより緩やかにするために
は、除圧弁82,92を、ある期間に亘って完全閉鎖位
置から完全開放位置まで開放させるよう電動機で作動さ
せ、或いはその他の方法で構成しそれにより除圧弁8
2,92を通るピーク流量を減少させるのがよい。
【0024】除圧弁92または一群の弁92の内の少な
くとも一つが最終除圧段階を構成し、即ちこの弁または
弁群は高圧補給タンクの最も低いレベルで開放できる。
弁92は導管164によって冷却材回路62と格納容器
シェル55を互いに直接に結合する。好ましくは、この
最終除圧段階は、原子炉の冷却材出口104(冷却材回
路のホットレッグ)と格納容器シェル55との間の流路
を開放する。
【0025】除圧弁82,92は好ましくは、冷却材回
路62とタンク50内の水中に位置した多孔分散管84
または、圧力を抜くよう導管162,164のうち漸次
大きなものを結合する導管164を介して格納容器55
との間に結合された複数の平行な弁レッグ162を有
し、高圧補給タンク32内のレベルによって示されるよ
う漸次低い圧力で開放できる★。
【0026】冷却材回路内の圧力を減少させるが、圧力
を格納容器内の大気圧の状態にはしない沸騰水型原子炉
の多孔分散管は代表的には、大きな背圧が得られるよう
一般的には水面下約17フィートのところに位置してい
る。その上、流路の抵抗により、背圧が一段と大きくな
る。本発明による多孔分散管84もまた水中に位置して
いる。しかしながら、多孔分散管84を介して格納容器
55内へ追加することに加えて、本発明の除圧系96は
また、最終除圧段階において格納容器55に直接通じ
る。
【0027】原子炉22の冷却材出口140に結合され
た加圧タンク130から多孔分散管84内へ供給する最
初の除圧段階は、比較的小さな導管サイズを有し、かく
して除圧開始時における冷却材回路62に対する最初の
衝撃を軽減する。次に行われる段階では、より大きなサ
イズの導管が用いられる。その上、除圧の衝撃を和らげ
るために比較的開放がスローな形態の弁82,92を用
いることが可能となる。好ましくは第1段階の弁82は
4インチ(10cm)内径の導管162を開放し、完全
に開放させるのに約20秒かかり、第2及び第3段階の
弁82は8インチ(20cm)の導管を開放させ、完全
に開放させるのに約90秒かかる。スローな開放形態の
弁は弁の開放時ピーク流量を減少させ、かくして冷却材
を一定量に保つ。弁を開放し、次第に大きなサイズの導
管を備えた次の段階を次々に開放させると、除圧中の冷
却材系62と格納容器シェル55の内部との間の結合度
がゆっくりと、しかも次第に増大する。
【0028】上記の導管のサイズは例示であり、出力約
600MWe級の原子炉について好ましい。これらサイ
ズをスケールアップまたはスケールダウンして他の原子
炉の能力等に順応させることができる。同様に、段階方
式は、現時点で好ましい実施例と関連して示された段階
の数とは異なる数の段階を用いてもよい。
【0029】図示の実施例においては第4の段階である
最終段階は、冷却材回路62を直接格納容器55内へ通
じさせる。好ましくは、第4段階の弁92は12インチ
(30cm)の導管164を開放させる。この最終段階
の弁92の群及びそのための導管構成164は、幾つか
の点において最初の3つの段階とは異なる。第4の段階
は、冷却材回路62のホットレッグ104(即ち、原子
炉の出口)から、加圧タンク130及び/または水中多
孔分散管84を介してではなく、直接格納容器シェル5
5内へ結合されている。全ての段階は格納容器55と原
子炉のホットレッグ104との間で流体連通状態で結合
されているが、より小さな導管を備え、及び/または加
圧器130及び多孔分散管84を介して結合される段階
は、その中において固有の流れ抵抗に起因して特徴的な
背圧をもっている。第4の、即ち最終段階は、冷却材回
路62を、格納容器シェル55内に存在している大気圧
の状態に有効に圧力を低下させる。
【0030】冷却材回路60のホットレッグ104(即
ち、原子炉の出口)は冷却材としての水が冷却材回路中
で最も温度の高い箇所である。各種運転状態のもとで
は、ホットレッグ内の水の温度は約600°F(330
°C)である。コールドレッグ38に沿って蒸気発生器
110から戻ってくる水の温度は約550°F(290
°C)である。水はその最も高い温度の状態のときに除
圧系によって除圧されるが、原子炉の冷却材は冷却を行
うのに一層効果的に用いられる。水と蒸気の両方を逃が
すのが良い。第1の段階が開放するや否や、システムは
水をホットレッグ104から引き出して加圧器130内
に流入させ、次いでシステムから流出され格納容器55
内へ流入させる。加圧器130は比較的大型のタンクで
あるが、多孔分散管84による逃がしを行っても、加圧
器130を通る流量は、加圧器130の内容物を全て燃
料交換用水供給タンク50内へ運び込むほど十分なもの
ではない。かくして、加圧器130内における水は、最
初の3つの除圧段階中における流量を制限する背圧を生
じさせる。かくして、最初の3つの段階は、第4の段階
がもたない背圧特性を有する。これら背圧特性には、多
孔分散管84の上方における燃料交換用水貯蔵タンク5
0内の水の流体圧力ヘッド、加圧器130内の水の高
さ、最終段階における導管164と比べて比較的小さな
サイズの導管162によって生じるライン流れ抵抗を含
む。
【0031】除圧の各段階を行うための除圧弁、又は弁
を開放するよう配置されたオペレータを、除圧中弁が開
放することが予測される差圧に関して選択するのがよ
い。特に、最終除圧段階についての弁及び/またはオペ
レータは好ましくは、所定の差圧以下になったときに開
放できるのが好ましく、それにより最終段階が時期尚早
に開放する恐れを最小限に押さえる。
【0032】原子炉22のホットレッグ104内の蒸気
及び水は(第4段階で直接逃がされる)、ホットレッグ
104を画定する充分に大きな開口部を通って運ばれ、
原子炉容器46と第4段階の導管164及び弁92を通
って逃がされる箇所との間で生じる流れ抵抗は非常に僅
かになる。かくして、第4段階におけるホットレッグ1
04と格納容器55の直接連結及び大径のホットレッグ
104と第4段階の導管164との直接連結は、原子炉
容器46及び冷却材回路62内の圧力が格納容器55内
の周囲大気圧まで実質的に完全に下がるようになるもの
である。当然のことながら、原子炉容器46内の圧力は
最も重要なものである。というのは、除圧をする意図は
水を低圧手段によって、特に重力により格納容器内燃料
交換用水貯蔵タンク50から原子炉内へ流入させること
ができるようにすることにある。好ましくは、除圧段階
はそれぞれ、直列に結合された複数の弁82,92を有
している。直列結合状態にある弁は2つとも常閉であ
る。2つの弁を直列結合することにより、漏れが最小限
に押さえられ、しかも、除圧段階がいずれも不注意に開
始され、或いは開放されたままにならないようになる。
最初の3つの段階は、上述の計時された開放を達成する
よう動力が伝えられ、或いは歯車連結された電動弁82
を有するのがよい。好ましくは、これらの弁82は動力
が電池から供給される。第4の除圧段階は、共通のモー
ド故障を防止し、それにより信頼性を高めるための異な
る型式の弁を用いるのがよい。例えば、第4段階におけ
る弁92を専用空気シリンダから空気圧の作用で動作さ
せるのがよい。変形例として、第4段階における弁92
を爆発作動方式で(explosively)動作させてもよい。万
全を一段と期すために、2以上の蒸気発生器を備えた原
子炉では、弁及び異なる型式のオペレータを原子炉容器
46から延びる複数のホットレッグ140の各々と関連
させ、この場合もまた共通のモード故障の可能性を回避
するのが良い。
【0033】原子炉設計の蒸気発生器部分に2つのルー
プがある場合、加圧器130及びその初期段階の弁82
を一方のホットレッグに結合すると共に最終(例えば第
4)段階における弁92を他方のホットレッグに結合す
るのがよい。加圧器を通る初期段階と最終段階を直接結
合することにより、初期段階中における流れが制限さ
れ、加圧器のサージラインをより小さくすることができ
る。
【0034】図3及び図4を参照すると、冷却材ループ
の各々は、一部分がコンクリート壁177を備えた冷却
材ループ区画室175内に封入されている。第4段階は
それぞれの冷却材ループ区画室175内へ開口するのが
よい。コンクリート壁177は、発電所のオペレータの
遮蔽手段となるが、発電所のオペレータが発電所の運転
中冷却材ループ区画室175の領域内にいる見込みは少
ない。というのはそこの放射線レベルが高いからであ
る。しかしながら、冷却材ループ区画室内に収容された
ある機器、例えば温度及び流量をモニタするようループ
に結合された計装及び原子炉冷却材ポンプの電気的接続
部があるということによって一つの欠点がある。除圧弁
92からの排出によってかかる機器が湿潤する場合があ
るが、除圧段階に続く発電所の再稼働前に或る程度クリ
ーンアップをする必要がある。
【0035】変形例として、第4段階は燃料交換用キャ
ビティ181(図3及び図4参照)において出口に結合
するのがよい。燃料交換用キャビティ181は、燃料交
換作業中注水されるよう設計されたステンレス鋼で内張
りされたピットであり、第4段階の出力を差し向けるの
に都合のよい場所である。
【0036】第4段階の開始に先立って、最初の3つの
段階を通る圧力の減少により冷却材回路62内の圧力を
約50psiに減少させるのがよい。第4段階における
格納容器に通じる比較的大径の導管164の開放によ
り、大きな排出力及び流量を生じさせることなく、冷却
材回路62を低圧状態に引き下げる。原子炉容器46内
に依然として生じている沸騰の程度に応じて、大気圧を
越えるある最小圧力が残っている場合があるが、多段除
圧方式により、圧力を、冷却材を大気圧状態で燃料交換
用タンクから追加することができるレベルに効果的に減
少させる。水の重力ヘッドだけがこの残っている圧力に
打ち勝つことができるのに充分な量の水が燃料交換用水
貯蔵タンク内に入っている。
【0037】図面に示す実施例のもう一つの特徴は、各
段階におけるそれぞれの弁82,92を一つ一つ開放で
き、次に通常の発電所運転状態中は閉鎖でき、それによ
り弁82,92が正しく作動しているかどうかを検査す
る。図に示すように、低い圧力状態で検査するために3
つの段階における直列結合の弁のそれぞれを隔離するよ
う動作できる幾つかの小さな電磁弁192を多孔分散管
84に通じるテストレッグ194内に設けるのがよい。
圧力状態は、テスト導管196が小さな内径の(例えば
0.75インチ即ち2.0cm)の導管からなるので軽
減される。低い差圧の検査によりテストの結果としての
弁の漏れを生じさせる恐れが小さくなる。
【0038】最初の3つの段階については、2つの検査
用弁192が最初の3つの段階において6つの弁のうち
任意のものを隔離して検査することができる。第4段階
の検査のための類似の構成が図3に示されている。第4
段階の検査と関連して、この種のテスト弁構成が検査の
ために必要である。その理由は、最終段階における弁は
発電所の操業の一般的な圧力よりも低い圧力状態で動作
するよう設計されているからである。
【0039】検査用弁を、燃料交換時の運転停止につな
がる冷却中、自動除圧系及びその弁について一層厳密な
検査を行うために使用するのがよい。検査を、例えば4
00〜600psigの範囲の中間圧力状態で実施するのが
よい。かかる検査について、除圧に用いられる流路に沿
って設けられた各被検査弁82または92が、検査用弁
192の選択されたものを動作させることにより大きな
差圧のもとで開放するよう検査用弁192を構成するの
が良い。例えば、各対における上流側の除圧弁を、多孔
分散管84に通じるその下流に位置した検査用弁を開放
させることにより検査するのがよい。この対の下流側の
除圧弁を、除圧弁に通じる高い圧力を得るよう上流側の
検査用弁を開放させることにより検査するのがよい。い
ずれの場合においても、検査用システムの導管のサイズ
が小さいので、検査中の流れが制限され、下流側の燃料
交換用水貯蔵タンクに対する衝撃だけでなく、特に放射
線を許容レベルに維持する格納容器内の雰囲気に対する
衝撃を軽減させる。もう一つの考えられる手段として、
流れを燃料交換用水貯蔵タンク50から離れた適当な排
水手段に導くことが挙げられる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多段または段階式除圧系を備えた
原子炉を示す略図である。
【図2】除圧系をより詳細に示す略図である。
【図3】原子炉容器及び水タンクを示す原子炉設備の縦
断面図である。
【図4】図3の原子炉設備の断面平面図である。
【符号の説明】
22 原子炉 46 原子炉容器 62 冷却材回路 55 格納容器建屋 82,92 除圧弁 84 多孔分散管 104 入口及び出口管 96 除圧系

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格納容器シェル内に配置された原子炉容
    器及び原子炉容器に結合されていて冷却材回路を構成す
    る入口及び出口配管系を備えた原子炉の除圧装置におい
    て、冷却材回路と流体連通状態に結合された複数の除圧
    弁と、格納容器シェル内部と流体連通状態にあり、除圧
    弁のうち少なくとも一つと流体連通関係で結合される少
    なくとも一つの多孔分散管と、冷却材回路の圧力が減少
    すると、冷却材回路と格納容器シェルとの間の結合度を
    増大させるよう除圧弁を次々に開放させ、それにより除
    圧を実施させるための手段とを有することを特徴とする
    除圧装置。
  2. 【請求項2】 除圧弁を次々に開放させるための前記手
    段は、冷却材のレベルに応答し、漸次低いレベル設定値
    で除圧弁を一つずつ次々に開放させるよう動作できる弁
    制御器を含むことを特徴とする請求項1の除圧装置。
  3. 【請求項3】 前記多孔分散管は、水タンク内の水中に
    位置し、水タンクは格納容器シェルの内部に通じている
    ことを特徴とする請求項1の除圧装置。
  4. 【請求項4】 前記タンクは、格納容器内燃料交換用水
    貯蔵タンクであり、前記除圧装置は、前記タンク内の水
    を、原子炉を収容している格納容器シェル内に設けられ
    た水溜めに移すための手段をさらに有することを特徴と
    する請求項3の除圧装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の除圧弁は、冷却材回路内のレ
    ベルが下がると、冷却材回路と格納容器シェルとの結合
    性を高めるために、漸次低いレベルで開放する除圧弁に
    合わせて直径が漸次大きな導管を介して格納容器シェル
    に結合されていることを特徴とする請求項4の除圧装
    置。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも一つの除圧弁は最低圧力
    で開放可能であり、冷却材回路と格納容器シェルとの間
    に直接結合されることを特徴とする請求項1の除圧装
    置。
  7. 【請求項7】 複数の除圧弁は、冷却材回路とタンク内
    の水中に位置した少なくとも一つの前記多孔分散管との
    間に結合された複数の並列結合の除圧弁を含み、複数の
    並列結合の除圧弁は各々、漸次大径の導管に結合されて
    いて漸次低いレベルで開放可能であり、前記タンクは格
    納容器内燃料交換用水貯蔵タンクであり、前記除圧装置
    は、前記タンク内の水を、炉心を収容している格納容器
    シェル内の水溜めに移すための手段をさらに有すること
    を特徴とする請求項3の除圧装置。
  8. 【請求項8】 原子炉は、冷却材回路に結合された高圧
    補給タンクを含み、前記除圧装置は、除圧弁を次々に開
    放させるためのレベル応答弁制御器に結合されていて、
    高圧補給タンク内の冷却材のレベルを検出するための手
    段をさらに有することを特徴とする請求項2の除圧装
    置。
  9. 【請求項9】 除圧段階のうち少なくとも二つに用いら
    れる除圧弁は異なる形式のオペレータを用いて開放可能
    であり、それにより、一形態のオペレータの動作を不可
    能にする共通モード故障の場合でも、除圧を実施できる
    ことを特徴とする請求項1の除圧装置。
  10. 【請求項10】 除圧弁のうち少なくとも幾つかと直列
    に結合可能な複数の検査用弁をさらに有し、検査用弁は
    絞られた流路を構成する導管にとって結合され、それに
    より原子炉の運転中及び運転停止中、制限された圧力及
    び制限された流量のうち一方によって特徴づけられる条
    件のもとで除圧弁を検査することができることを特徴と
    する請求項1の除圧装置。
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