JPH07280899A - 磁場計測装置 - Google Patents

磁場計測装置

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Publication number
JPH07280899A
JPH07280899A JP6726594A JP6726594A JPH07280899A JP H07280899 A JPH07280899 A JP H07280899A JP 6726594 A JP6726594 A JP 6726594A JP 6726594 A JP6726594 A JP 6726594A JP H07280899 A JPH07280899 A JP H07280899A
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JP
Japan
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magnetic field
coil
axis
axis deviation
winding core
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Application number
JP6726594A
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English (en)
Inventor
Koji Kobayashi
孝司 小林
Toshiji Tominaka
利治 冨中
Shigeru Kadokawa
角川  滋
Kazuhisa Mori
森  和久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁場測定コイルで計測した磁場測定値を、軸ず
れ検出コイルの出力に基づいて補正し、高調波磁場成分
を含む正確な磁場の測定を行う装置を提供すること。 【構成】非測定対象が発生する磁場内において、モータ
で回転される巻芯に、磁場測定コイルおよび軸ずれ検出
コイルを備える。演算器は、予め記憶している、軸ずれ
検出コイルの出力と軸ずれ量との対応テーブルから、軸
ずれ検出コイルの出力に対応する軸ずれ量を求める。さ
らに、求めた軸ずれ量から、予め記憶している、軸ずれ
量と補正磁場値のテーブルを参照し、補正磁場値を求
め、該補正磁場値に基づいて前記磁場測定コイルで計測
した磁場測定値を補正する。この値をフーリエ変換処理
し、高調波磁場を求めても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定体物が発生する
磁場を正確に計測する磁場計測手段に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、荷電粒子加速器は、荷電粒子の
軌道を偏向させるため、あるいは、収束させるために、
いわゆる偏向磁石、収束磁石、軌道修正用の磁石等が備
えて構成されている。
【0003】これらの磁石には、高均一度の磁場や高い
直線性を有する傾斜磁場を発生する性能を有することが
要求される。したがって、これらの磁石の性能を把握す
るために、高精度な磁場計測手段が必要となる。例え
ば、このような磁場計測手段の一例として「An Introdu
ction to the ISABELLE Harmonic Coil Magnetmeter'
B. N. L. ISABELLE Project Technical Note No. 170
August 20, 1979」等の文献に記載されているものが
挙げられる。
【0004】さて、磁場計測手段の一例として、偏向磁
石を対象として、その測定原理について説明する。
【0005】従来から、一般的に用いられている磁場計
測コイルの、断面図と概略構成図を、それぞれ図2、3に
示す。
【0006】巻芯1は、半径r0の円筒形状を有する部材
であり、モータ等の駆動手段により回転駆動される。
【0007】磁場計測コイル12a、12b、12cは、巻芯1の
回転軸15に平行に、図3に示すように、巻線を巻回して
設けられる。9a、9bは、被測定磁場を発生する被測定磁
石である。
【0008】ここで、被測定磁石9a、9bと、これを説明
するために設定した座標系を図15に示す。
【0009】ここで示した例は、被測定磁石9a、9bが偏
向磁石の場合である。なお、図示するように、被測定磁
石9a、9bから等距離にある面を、以後、赤道面と称す
る。
【0010】赤道面上に存在する磁石の中心軸16(図1
5参照)に沿って、荷電粒子が通過すると想定する。
【0011】座標系を図15に示すように設定し、磁石
の中心軸上の、ある点を座標の原点(O点)とし、磁石
の中心軸をz軸とする。また、赤道面に垂直な方向をy
軸とし、さらに、y、z軸に垂直な方向にx軸を設定す
る。
【0012】また、円筒座標を採用する際も、原点は、
直交座標系と同一の点(O点)とし、z軸も直交座標系
と同じとする。
【0013】xy平面上に、動径(r)方向の単位ベクト
ルerと、方位角(θ)方向の単位ベクトルeθをとる。し
たがってxy平面上の任意の点Pは(r,θ)で表現され
る。すなわち前記被測定磁石は図2に示すように、紙面
に垂直に電流が流れ、赤道面16に対して垂直な双極磁場
14が発生することになる。
【0014】被測定磁石9a、9bにより発生する双極磁場
14中で、磁場測定コイル12aが回転軸15を中心に角速度
ωで回転すると、ファラディの法則により、磁場測定コ
イル12aには、次式1で示される電圧eが誘導される。し
たがって、電圧eを測定すれば磁束密度が求められる。
【0015】
【数1】
【0016】ここで、lは、磁場測定コイル12aのz軸方
向の長さであり、B0は、双極磁場の磁束密度である。
【0017】なお、磁場測定コイル12bは、磁場測定コ
イル12aに対して角度βだけずらして設けている。ま
た、磁場測定コイル12a、12bの中心角は、ともに180度
であり、z軸方向の長さも等しい。さらに、磁場測定コ
イル12a、12bのほかに、中心角δが10度程度と小さい、
磁場測定コイル12cが設けられている。したがって、磁
場測定コイル群2は、一般に、3個の磁場測定コイル12
a、12b、12cを有して構成される。
【0018】次に、従来例である磁場計測装置の概略の
構成図を図4に示す。
【0019】前記磁場測定コイル群2を、巻芯1に固定
し、巻芯1を回転モータ4で回転させることによって、磁
界中において、磁場測定コイル群2を回転させる。な
お、エンコーダ5を設け、回転位置を計測可能な構成に
する。
【0020】前記磁場測定コイル群2を構成する磁場測
定コイルは、巻芯1上で各コイルに対応して設けられた
スッリプリング21に、磁場測定コイルごとに接続され、
ブラシ22を介して、コイルによる発生電圧を測定するデ
ジタルボルトメータ6に接続されている。
【0021】演算器18は、高速フーリエ変換(FFT)処理
を行い、磁場の高調波成分を求める。また、駆動装置10
は、磁場測定コイル群2を、軸方向等に移動させる手段
である。かかる移動は、コントローラ11により送られる
制御信号に基づいて行われる。
【0022】ここで磁場の高調波成分について、図16
を参照して説明する。
【0023】二極磁場あるいは双極磁場は、図16(a)
に示すように、N極とS極の2極からなる。
【0024】ここでα1は、x軸と二極磁極の中心面23a
のなす角度である。図16(b)に示す、四極磁場は、N
極とS極の2極が、二組の合計4極からなる磁場であ
る。ここでα2は、x軸と四磁極の中心面23bのなす角度
である。
【0025】図16(c)に示す六極磁場は、N極とS極
の2極が、三組の合計6極からなる磁場である。ここで
α3は、x軸と六磁極の中心面23cのなす角度である。
【0026】図16(d)に示す八極磁場は、N極とS極
の2極が、四組の合計8極からなる磁場である。ここで
α4は、x軸と八磁極の中心面23dのなす角度である。
【0027】このようにして、一般にNp極磁場は、N極
とS極の2極が、「Np/2」組からなる磁場である。ここ
で、Npは、極数であり偶数である。
【0028】高調波成分とは、一般に、四極より極数が
多い磁場のことを指す。磁石が任意の点P(r,θ)に作る
磁場は、一般に次式2のように高調波成分の重ね合わせ
で表現される。
【0029】
【数2】
【0030】ここでC(n)は高調波成分の振幅を示す。し
たがって、実際に計測される波形は、双極成分に高調波
成分を重ね合わせた波形となる。
【0031】次に実際の磁場計測法について述べる。
【0032】磁場測定コイル群2の出力電圧波形を図5
に示す。磁場測定コイル12aの出力電圧32aは、図5(a)
からわかるように、巻芯1が1回転する時間と周期が等
しい双極磁場を主成分とする正弦波である。また、磁場
測定コイル12bの出力電圧32bは、図5(b)からわかるよ
うに、磁場測定コイル12aの出力電圧32aの、位相がずれ
た波形となっている。
【0033】磁場測定コイル12cによる出力電圧波形32c
は、図5(c)に示すような波形であり、磁場測定コイル1
2a、12bの波形と比較して振幅が小さく、波形の主成分
は、双極磁場成分であることがわかる。そこで、これら
の電圧波形から、精度良く高調波成分を求める方法を図
17に示す。
【0034】磁場測定コイル12a、12b、12cは、それぞ
れ図17に示すような高調波成分の重ね合わせで表現さ
れるので、高速フーリエ変換(FFT)を行ない、各磁場測
定コイル12a、12b、12cの出力電圧32a、32b、32cの双極
成分F1、G1、H1を求め、「バッキング条件」を満足する
ような係数f1、f2を求める。
【0035】ここで、「バッキング条件」とは、磁場測
定コイル12cの出力電圧波形の双極成分を、磁場測定コ
イル12aと12bの出力信号の双極成分に各々重みf1、f2を
かける処理を行うことによって、キャンセルするための
条件である。この係数を用いて得た波形y(m)が、図5
(d)に示す波形となる。このことは公知の事実である。
【0036】なお、ここで出力電圧は、図5(a)、(b)、
(c)に比較して、増幅させた型で図示した。
【0037】さらに、波形y(m)に対して高速フーリエ変
換処理を行い、最終的に、多極磁場の振幅C(n)と、該多
極磁場の中心面が磁石の赤道面となす角度αnを求め
る。なお、この角度を、以下単に、位相αnと称する。
【0038】このようにして得られた高調波成分の測定
例を図18に示す。横軸は、高調波の次数であり、縦軸
が各高調波の振幅である。なお、この手法は、磁場測定
コイルの中心角や個数を変更することで四極磁石、六極
磁石の計測にも適用できるものである。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】さて、従来技術におい
ては、回転軸15が、被測定磁場の中心軸に対して平行に
ずれている場合については、容易に解析的手段を用い
て、前記磁場測定コイル群2で計測した高調波磁場の補
正が行え、一例として文献「Methods of HarmonicsMeas
urements in the Superconducting HERA Magnets and A
nalysis of Systematic Errors" DESY HERA 91-13 Sept
ember 1991」に、技術開示がされている。
【0040】ここで、磁場計測上問題となる様々な場合
の、巻芯1の回転軸15の軸ずれの模式図を図6に示す。
【0041】まず、図6(a)に示すように、磁石の中心
軸17に対して回転軸15が傾いて回転する場合は、精度の
良い、高調波磁場の補正が難しくなる。また図6(b)に
示すように、巻芯1の回転軸15が、zx平面上で振動
するヨーイングや、図6(c)に示すように、yz平面で
振動するピッチングや、図6(d)に示すように、曲げの
場合がある。さらに、これらが組み合わされた、より複
雑な振動モードも考えられる。以上のように、巻芯の回
転軸が被測定磁石の中心軸17からずれた場合は、磁場測
定コイル群2で測定した、高調波磁場成分を含む磁場の
補正が困難になるという問題があった。
【0042】そこで、本発明は上記問題点を解決するた
めになされたもので、各種の軸ずれによる磁場の補正が
可能な磁場計測装置を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の手
段によって解決される。
【0044】すなわち、巻芯と、巻芯を回転駆動する駆
動手段と、磁場を測定するために前記巻芯に設けられた
コイルである磁場測定コイルと、巻芯の回転により磁場
測定コイルに発生する電圧を検出する磁場測定コイル電
圧検出手段と、前記巻芯を回転駆動する際、巻芯の回転
軸のずれ量を測定するために前記巻芯に設けられたコイ
ルである、少なくとも2以上の軸ずれ検出コイルと、各
軸ずれ検出コイルに対応して設けた、巻芯の回転により
軸ずれ検出コイルに発生する電圧を検出する軸ずれ検出
コイル電圧検出手段と、前記磁場測定コイル電圧検出手
段および軸ずれ検出コイル電圧検出手段の出力に基づい
て、被測定体が発生する磁場を求める演算手段と、求め
た発生磁場を出力する出力手段とを有した構成にする。
【0045】そして、前記演算手段は、さらに、全軸ず
れ検出コイル電圧検出手段の出力と軸ずれ量との対応関
係を定める第1の情報、および、軸ずれ量と補正磁場値
との対応関係を定める第2の情報を記憶する記憶手段
と、両情報から求めた補正磁場値に基づいて被測定体が
発生する磁場の値を求める処理手段を備えた構成にし、
該処理手段は、第1の情報を参照し、全軸ずれ検出コイ
ル電圧検出手段の出力から、対応する軸ずれ量を求め、
さらに、第2の情報を参照し、求めた軸ずれ量から補正
磁場値を求め、該補正磁場値に基づき、前記磁場測定コ
イル電圧検出手段の出力電圧に対応する磁場の値を補正
し、補正した磁場の値を、被測定体が発生する磁場とし
て、前記出力手段に出力するようにする。
【0046】なお、前記軸ずれ検出コイルとして、2対
の鞍型コイルを、前記巻心に設けた磁場計測装置等、各
種の軸ずれ検出コイルの形状、配置が考えられる。
【0047】また、前記フーリエ変換処理手段は、求め
た磁場を、フーリエ変換処理し、高調波磁場成分を求
め、前記出力手段に出力するように構成しても良い。
【0048】
【作用】以下、本発明の作用について説明する。
【0049】ここで簡単のために、被測定磁石の軸長
(図15参照)は、磁場測定コイル群2の長さに比べて
十分長いので、z軸方向の磁場はすべて一様な2次元磁
場分布(xy平面上の分布)をしていると仮定すること
ができるものとする。
【0050】軸ずれ検出コイルの一例の、平面図と断面
図を、それぞれ図7、図8に示す。
【0051】まず、回転軸15が、磁石の中心軸17に対し
て、図7に示すように、角度ηずれた場合の補正法につ
いて説明する。
【0052】軸ずれ検出コイル3a、3b、3c、3dを、図7
および図8に示すように配置する。
【0053】軸ずれ検出コイル3a、3b、3c、3dの形状お
よび大きさは、いずれも等しく、中心角は、γである。
【0054】軸ずれ検出コイル3a、3cは、それぞれ軸ず
れ検出コイル3b、3dと、回転軸15に関し、軸対称に配置
されている。軸ずれがないときは、軸ずれ検出コイル3a
と、3bの出力電圧は、振幅が等しく、位相差は180度で
ある。したがって、両者の信号を加え合わせると互いに
打ち消し合って信号は検出されない。
【0055】ところが、巻芯1の回転軸15が、被測定磁
石の中心軸17に対して角度ηだけずれると、軸ずれ検出
コイル3aと3bの鎖交する磁束の値は、前述の式2からわ
かるように、異なってくるので、両者の信号の振幅およ
び位相に差(位相の場合は、180度以外の差になる)が
生ずることになる。
【0056】図19に示すように、軸ずれ検出コイル3a
と3bの信号の和(33a+33b)の振幅は、両者の検出コイル
の中心R(巻芯の回転軸15上の点)と、被測定磁石の中
心軸17の距離、すなわち、変位d1が大きくなるにつれて
大きくなる。したがって、逆に、両者の出力電圧の和
(33a+33b)から変位d1を求めることができる。もちろ
ん、かかる対応関係を示すテーブルやグラフは、予め求
めておき記憶しておく。
【0057】同様にして、軸ずれ検出コイル3c、3dの中
心Q(巻芯の回転軸15上の点)と、被測定磁石の中心軸
17の変位d2も求められる。かかる対応関係を示すテーブ
ルやグラフも、予め求めておき記憶しておく。
【0058】したがって、距離d1とd2から、回転軸15と
被測定磁石の中心軸17のなす角度ηが求められる。この
ように、軸ずれ検出コイルの出力信号と、軸ずれ量の関
係を予め求めて記憶しておけば、軸ずれ検出コイルの出
力信号にもとづき、軸ずれ量が分かる。
【0059】また、軸ずれ量から、磁場(高調波成分を
含む)の補正は容易に行える。
【0060】この補正法を図20と図21を参照して説
明する。
【0061】まず、前述のように、例えば校正用の被測
定磁石中で、変位d1、d2と、軸ずれ検出コイル3a、3bの
出力電圧の和(33a+33b)との関係、さらに、変位d1、d2
と、軸ずれ検出コイル3c、3dの出力電圧の和(33c+33
d)との関係を、予め測定しておき、例えば、記憶手段4
0に記録しておく。
【0062】また同時に、磁場測定コイル12a、12b、12
cの出力電圧の計測を行ない、例えば、図17で示した
方法で、図20に示すような磁場測定コイル12cの高調
波成分Ak、位相φkと、変位d1、d2との関係を求め、記
憶手段40に記録しておく。
【0063】他の磁場測定コイル12a、12bの高調波成分
と、位相と変位d1、d2との関係も、同様にして求め、記
憶手段40に記録しておく。磁場測定コイルと軸ずれ検出
コイルの出力電圧の測定の際には、エンコーダ5の出力
電圧31から、巻芯の回転軸の位置が把握できる、すなわ
ち、出力電圧31は、図5の横軸である時間に対応する。
出力電圧31を用いて、高調波解析を行う。
【0064】被測定磁石中で、図17、21に示すよう
に、まず、軸ずれ検出コイル3a、3b、3c、3dの出力電圧
33a、33b、33c、33dと、前記記憶手段40から、図19の
グラフを読みだし、変位d1、d2を、演算器18で計算する
(A部)。
【0065】また磁場測定コイル12a、12b、12cの出力
電圧32a、32b、32cを高速フーリエ変換(FFT)して、各
々の高調波成分Bk、Ck、Ak、位相Ψk、χk、φkを求め
る(B部)。
【0066】記憶手段40から、図20のグラフを読みだ
し、変位d1、d2に対応する高調波成分の変化量ΔBk、Δ
Ck、ΔAkと、位相の変化量ΔΨk、Δχk、Δφkを前記
演算器18で計算する(C部)。
【0067】計測された高調波成分Bk、Ck、Akと、位相
Ψk、χk、φkから、高調波成分の変化量ΔBk、ΔCk、
ΔAkと、位相の変化量ΔΨk、Δχk、Δφkを差し引い
て、補正した高調波成分B'k、C'k、A'kと、位相Ψ'k、
χ'k、φ'kを演算器18で求める(D部)。
【0068】これらの値から、補正した波形v'(m)、w'
(m)、u'(m)を重ね合わせて求める(E部)。
【0069】さらに、再び、波形v'(m)、w'(m)、u'(m)
を高速フーリエ変換し、各々の双極成分G'1、H'1、F'1
を求め、前述したバッキング条件から、演算器18で係数
f'1、f'2を求める(F部)。
【0070】これから補正した波形y'(m)を、演算器18
を用いて求める。y'(m)の高速フーリエ変換を、演算器1
8で行ない、最終的に、多極磁場成分の振幅C'(n)と位相
α'を求める(G部)。
【0071】また、巻芯の回転軸を被測定磁石の中心軸
に一致させるように駆動装置で巻芯1の位置を制御し、
軸ずれ量を検出しながら、軸ずれ量が許容値以下になる
まで前記巻芯の位置制御を繰り返す手段を備えることに
よって、磁場の、高調波を含む成分の正確な計測が容易
に行える。
【0072】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明にかかる実施
例について説明する。
【0073】本発明の第1実施例の磁場計測装置の構成
図を図1に示す。
【0074】巻芯1に、磁場測定コイル群2を配置する。
駆動モータ4は、前記巻芯1を被測定磁場中で回転させ、
エンコーダ5は、巻芯1の回転数を計測する。なお、すべ
ての実施例中、被測定磁場は、図示しない被測定磁石が
発生するものとするが、測定対象は、被測定磁石が発生
する磁場に限られないのは言うまでもない。
【0075】さらに、磁場測定コイル群2を構成する、
磁場測定コイル12a、12b、12cは、それぞれのスリップ
リング21に接続し、ブラシ22を介して、出力電圧32a、3
2b、32cを計測するためのデジタルボルトメータ6に接続
されている。スリップリング21、ブラシ22は、銅等の導
電性の材料を用いて構成すれば良い。
【0076】演算器18は、出力電圧32a、32b、32c、エ
ンコーダ5の出力電圧31等を取りこんで、磁場の補正
や、高調波成分の解析を行う手段であり、例えばCP
U、ROM、RAM、CMOS等の電子デバイスにて実
現できる。
【0077】本実施例では、磁場測定コイル群2の両側
に、鞍型形状の軸ずれ検出コイル3a、3b、3c、3dを配置
している。ここで、各軸ずれ検出コイルの中心角と軸方
向の長さは等しく設定しておく。なお、33a、33b、33
c、33d、32a、32b、32c、は、各コイル3a、3b、3c、3
d、12a、12b、12cの出力電圧である。
【0078】軸ずれコイル3a、3bは、互いに巻芯1の回
転軸15に対して対称に配置されている。同様に、軸ずれ
検出コイル3c、3dも互いに巻芯1の回転軸15に対して対
称に配置されている。
【0079】これら軸ずれ検出コイルも、コイルごとに
設けられたスリップリング21に接続し、ブラシ22を介し
て、デジタルボルトメータ6に接続されている。エンコ
ーダ5の出力電圧31もデジタルボルトメータ6で計測され
る。さらに、デジタルボルトメータ6の出力電圧は、記
憶手段40に記録され、演算器18とも接続されている。
【0080】記憶手段には、全軸ずれ検出コイルの電圧
検出手段(デジタルボルトメータ6)の出力と軸ずれ量
との対応関係を定める第1の対応テーブル、および、軸
ずれ量と補正磁場値との対応関係を定める第2の対応テ
ーブルを記憶しておく。このようなテーブルは、予め測
定を行って求めておく。
【0081】演算器18は、第1の対応テーブルを参照
し、全軸ずれ検出コイル電圧の出力から、対応する軸ず
れ量を求め、さらに、第2の対応テーブルを参照し、求
めた軸ずれ量から補正磁場値を求める。該補正磁場値に
基づき、磁場測定コイルの出力電圧に対応する磁場の値
を補正し、補正した磁場の値を、被測定体が発生する磁
場として、出力手段に出力する。
【0082】なお、出力手段は図示しないが、例えば、
CRT等の表示装置を、演算器18に接続し、演算器18
が、処理結果を、表示装置に出力するような構成にして
おけば良い。
【0083】なお、図6(a)に示す軸ずれの場合は、前記
軸ずれコイル3a、3bの出力電圧の振幅の和(33a+33b)か
ら、前記作用の欄で述べた方法で補正された、多極磁場
の振幅C'(n)と位相α'nを求めることになる。
【0084】また図6(b)に示す、ヨーイングのよう
に、巻芯1の回転軸が時間的に赤道面内で変動する場合
には、高調波磁場成分の補正を精度良く行うためには、
巻芯1の回転軸が磁石の中心軸に対して触れ回る振幅σ
と振動の角速度νを把握する必要がある。
【0085】ヨーイングの場合は、変位d1、d2は、次式
3で表現される。
【0086】
【数3】
【0087】ここでヨーイング成分は、仮に巻芯1が回
転せずに、ヨーイングを起こしたときに計測される出力
電圧と定義する。したがって、軸ずれ検出コイルの出力
電圧33a、33bと、33c、33dのヨーイング成分の位相差
は、180度である。
【0088】軸ずれ検出コイル3aと3bの、巻芯の回転に
よって生ずる成分は、コイルの取付け配置が180度ずれ
ているので、互いに打ち消し合う。そこで、軸ずれ検出
コイル3aと3bの出力信号の出力電圧の和(33a+33b)は、
ヨーイング成分のみ検出できることになる。
【0089】同様にして、軸ずれ検出コイル3cと3dの出
力電圧の和(33c+33d)も、ヨーイング成分のみが検出で
きることになる。したがって、軸ずれ検出コイル3aと3b
の出力電圧の和(33a+33b)に、軸ずれ検出コイル3cと3d
の出力電圧の和(33c+33d)を極性を逆転して加え合わせ
れば、軸ずれ検出コイル3aと3bの出力電圧の和(33a+33
b)のみにより、2倍の検出感度を有することになる。
【0090】そこで、各軸ずれ検出コイルの出力電圧か
ら求まる値{(33a+33b)-(33c+33d)}と、振幅σと振動の
角速度νに対する関係とを、校正用の磁石等を使用して
予め求めておき、記憶手段40に記憶しておく。この一例
を、図23に示す。
【0091】また、磁場測定コイル12cの出力電圧32cの
高調波成分の振幅と位相の、ヨーイングの振幅σと振動
の角速度νに対する関係を図24に示す。
【0092】他の磁場測定コイル12a、12bの出力電圧32
a、32bの高調波成分の振幅と位相の、ヨーイングの振幅
σと振動の角速度νに対する関係も予め求めておき、こ
れらも記憶手段40に記録しておく。
【0093】作用の欄で述べたように、図21に示すよ
うな処理を行うことによって、軸ずれ検出コイルからの
変位d1、d2を、ヨーイングの振幅σと振動の角速度νに
置き換えれば、ヨーイングを補正した、測定磁場の高調
波成分の振幅C'(n)と位相α'nが求まることになる。
【0094】また同様の原理で、ピッチング(yz平面
での振動)の回転軸15の軸ずれに対しても、ヨーイング
の場合と全く同じ手法で、前記検出コイル3a、3b、3c、
3dを用いてピッチング成分を補正した測定磁石の高調波
成分の振幅C'(n)と位相α'nが求める。
【0095】したがって本実施例によれば、時間一定の
軸ずれ、ヨーイング、ピッチングの軸ずれを精度良く検
出でき、磁場の補正が容易にでき、正確な磁場を求める
ことができる効果がある。
【0096】このように、全軸ずれ検出コイルの電圧検
出手段(デジタルボルトメータ6)の出力と軸ずれ量と
の対応関係を定める第1の対応テーブル、および、軸ず
れ量と補正磁場値との対応関係を定める第2の対応テー
ブルを、予め用意しておく。第2の対応テーブル作成時
には、高調波磁場の補正磁場値を考慮しておくことによ
り、高調波磁場の補正が容易に可能となる。そして、演
算器18は、第1の対応テーブルを参照し、全軸ずれ検出
コイル電圧の出力から、対応する軸ずれ量を求め、さら
に、第2の対応テーブルを参照し、求めた軸ずれ量から
補正磁場値を求める。該補正磁場値に基づき、磁場測定
コイルの出力電圧に対応する磁場の値を補正し、補正し
た磁場の値を、被測定体が発生する磁場として求める。
この基本的な構成は、全ての実施例について用いるもの
である。
【0097】本発明の第2実施例の磁場計測装置の構成
図を図9に示す。なお、図1と同一の構成要素には、同
一の番号を付してある。
【0098】本実施例では、巻芯1の回転軸に対して垂
直な面に、軸ずれ検出コイル3a、3bを設けた構成にす
る。33a、33b、32a、32b、32c、は、各コイル3a、3b、1
2a、12b、12cの出力電圧である。
【0099】したがって巻芯1の断面は、一般的に、円
形であるので、軸ずれ検出コイル3a、3bも円形となる。
【0100】本実施例によれば、回転軸が被測定磁石の
中心軸と平行な面にあるかぎり、軸ずれ検出コイル3a、
3bに鎖交する被測定磁石の磁束は存在しないので、出力
電圧はゼロとなる。
【0101】また、回転軸が磁石の中心軸のある水平面
に対して、一定の角度で傾いている場合も軸ずれ検出コ
イルに鎖交する磁束は有限であるが、時間変化はないの
で、出力電圧はゼロとなる。
【0102】ところが、磁石の中心軸のある水平面に対
して時間変化するピッチングの場合についてのみ非常に
感度良く検出できる効果がある。かかる場合には、ピッ
チングの程度によって鎖交磁束量が変化するからであ
る。また、軸ずれ検出コイル3a、3bのピッチング成分の
信号の位相差は互いに180度であるので、極性を反転さ
せて加え合わせれば、振幅が2倍になるので、さらに感
度の良い検出が可能となる。前記のヨーイング、あるい
は、ピッチングの場合と同じ手法を用いれば、ピッチン
グについて補正した測定磁石の高調波成分の振幅C'(n)
と位相a'nが求める。すなわち、電圧検出手段(デジタ
ルボルトメータ6)の出力と軸ずれ量(ピッチング量)
との対応関係を定める第1の対応テーブル、および、軸
ずれ量と補正磁場値との対応関係を定める第2の対応テ
ーブルを、予め用意しておく。第2の対応テーブル作成
時には、高調波磁場の補正磁場値を考慮しておくことに
より、高調波磁場の補正が容易に可能となる。そして、
演算器18は、第1の対応テーブルを参照し、全軸ずれ検
出コイル電圧の出力から、対応する軸ずれ量を求め、さ
らに、第2の対応テーブルを参照し、求めた軸ずれ量か
ら補正磁場値を求め、測定コイルにより検出された磁場
値を補正する。補正された値は、図18に接続した、図
示していない表示装置等に表示させれば良い。
【0103】本実施例によれば、軸ずれ検出コイルは円
形なので、コイル製作時の巻線の巻回作業が非常に簡単
で、かつ、軸ずれ検出コイルも2個と少ない。したがっ
て、製造工程をあまり増加させずに、ピッチングについ
て補正した測定磁石の高調波成分の振幅C'(n)と位相a'n
が、高精度に求まる効果がある。
【0104】本発明の第3実施例の磁場計測装置の構成
図を図10に示す。なお、図1と同の構成要素には、同
一の番号を付してある。
【0105】本実施例では、同じ大きさ、形状の、軸ず
れ検出コイル3a、3bを、巻芯1の回転軸に対して斜交す
る面上で、かつ磁場測定コイル群2の両側に設ける。
【0106】軸ずれ検出コイル3a、3b以外の全体構成
や、機能は、前述の実施例と同様のため、詳細な説明は
省略し、本実施例の特徴のみを説明する。
【0107】本実施例では、軸ずれがない場合は、軸ず
れ検出コイル3a、3bに鎖交する磁束は等しいので、軸ず
れコイルの極性を反対に接続すると、互いに出力が打ち
消し合って、出力をゼロにすることができる。したがっ
て、本実施例によれば正常時(軸ずれ存在しないとき)
には、軸ずれ検出コイル3a、3bからの出力電圧33a、33b
は、ゼロで、回転軸が磁石の中心軸に対して、ずれたと
きにゼロ以外の信号を出力する構成とすることで、前述
の実施例と同じような手法を用いて、感度良く軸ずれを
検出でき、さらに、軸ずれを補正した測定磁石の高調波
成分の振幅C'(n)と位相a'nが求めることができる。すな
わち、演算器18は、軸ずれコイルの極性を反対に接続し
た、接続端からの出力がゼロか否かを判定して、軸ずれ
が生じたか否かを判定し、軸ずれが発生しているときに
は、所定の処理を行い、正確な磁場の値を求めるもので
ある。
【0108】次に、本発明の第4実施例の磁場計測装置
の構成図を図11に示す。なお、図1と同一の構成要素
には、同一の番号を付してある。
【0109】軸ずれ検出コイル以外の全体構成や、機能
は、前述までの実施例と同様のため、詳細な説明は省略
し、本実施例の特徴のみを説明する。
【0110】本実施例は、軸ずれ検出コイル3a、3bを対
にして、磁場測定コイル群2の両側に配置し、さらに、
軸ずれ検出コイル3c、3dを磁場測定コイル群2の中央部
に対にして配置する。
【0111】また、軸ずれ検出コイル3e、3fを磁場測定
コイル群2の軸ずれ検出コイル3a、3bの存在する側と反
対側に、対にして配置する。なお33a、33b、33c、33d、
33e、33f、32a、32b、32cは、各コイル3a、3b、3c、3
d、3e、3f、12a、12b、12cの出力電圧である。
【0112】例えば、図6(d)に示すような曲げが発生
すると、磁場測定コイル群2の中央部と両側では磁束分
布が著しく異なるので、磁場測定コイル群2の中央部に
ある軸ずれ検出コイル3c、3dの出力電圧と、端部にある
軸ずれ検出コイル3a、3b、または、3e、3fの出力電圧と
の差は、曲げの振幅と振動数に比例するので、前記出力
電圧の差と、曲げの振幅と振動数の関係を、予め測定
し、記憶手段40に記録しておけばよい。そして、演算器
18は、この記録内容を参照して、曲げ量を求め、磁場の
補正を行う。もちろん、前記記憶手段40には、予め計測
して求めておいた、曲げ量と補正磁場量との関係も記憶
しておく。
【0113】したがって本実施例によれば、巻芯1の曲
げを検出し、曲げを考慮して補正した、磁場の高調波成
分の振幅C'(n)と位相α'nを求めることができる。
【0114】次に、本発明の第5実施例の磁場計測装置
の構成図を図12に示す。なお、図1と同一の構成要素
には、同一の番号を付してある。
【0115】軸ずれ検出コイル以外の全体構成や、機能
は、前述までの実施例と同様のため、詳細な説明は省略
し、本実施例の特徴のみを説明する。
【0116】本実施例は、軸ずれ検出コイルが、回転軸
を含む平面上で、矩形の形状を有して配置されている。
配置される軸ずれ検出コイルは、3a、3b、3c、3dであ
る。なお33a、33b、33c、33d、32a、32b、32cは、各コ
イル3a、3b、3c、3d、12a、12b、12cの出力電圧であ
る。
【0117】本実施例によれば、図1等に示した実施例
に比べ、軸ずれ検出コイルは、直線部のみを有して構成
されているので、前述の実施例の効果の他に、巻線を巻
回し、コイルを製造する作業が容易になるという効果が
ある。もちろん、巻芯は、2分割し、巻芯を構成する一
方の部材に、軸ずれ検出コイルを配置した後に、残りの
部材を接合し、巻芯を製造すれば良い。
【0118】次に、本発明の第6実施例の磁場計測装置
の構成図を図13に示す。なお、図1と同一の構成要素
には、同一の番号を付してある。
【0119】軸ずれ検出コイル以外の全体構成や、機能
は、前述までの実施例と同様のため、詳細な説明は省略
し、本実施例の特徴のみを説明する。
【0120】本実施例では、同じ大きさの磁極測定コイ
ルの巻線12a、12bを巻芯1の回転軸に斜交する面で、か
つ、回転軸に対して対称に配置する。すなわち、本実施
例は、磁場測定コイル群2が、軸ずれ検出コイルを兼ね
ている構成である。
【0121】予め磁束密度が、既知の校正用磁石等を用
いて、軸ずれと出力電圧との関係、さらに、軸ずれ量と
補正磁場値との関係を求めておけば、前述の実施例と同
様に、高精度な磁場計測が可能である。
【0122】本実施例によれば、軸ずれ検出コイルと磁
場測定コイルを兼用し、製作が容易でコストが安い効果
がある。
【0123】次に、本発明の第7実施例の磁場計測装置
における、モータ側位置制御装置の構成図を図14に示
す。
【0124】本実施例は、軸ずれ量を最小にするよう
に、巻芯を3次元方向に移動するものである。
【0125】架台50の上に、z軸移動モータ51が固定さ
れており、z軸移動モータ51の回転軸には、歯車52が設
けられている。
【0126】また、歯車52にかみ合うように、ラック53
が、z軸移動台56の上に配置されている。前記架台50の
上面に、z軸に平行にz軸スライド溝54が設けられてお
り、前記z軸移動台56の下面に、z軸方向に突起57を設
け、z軸スライド溝54にそって、前記z軸移動台56がス
ライド可能な機構となっている。また、架台50の上にz
軸移動ストッパ55が、z軸スライド溝54に垂直に、z軸
移動台56の両側に設けられている。これはz軸移動台56
が移動し過ぎて、装置を破損するのを防止するために設
けられたものである。
【0127】さらに、z軸移動台56上に、x軸移動モー
タ61が固定されており、x軸移動モータ61の回転軸には
歯車62が設けられている。また、歯車62にかみ合うよう
に、ラック63が、x軸移動台66の上に配置されている。
【0128】また、z軸移動台56の上面には、x軸に平
行にx軸スライド溝64が設けられており、x軸移動台66
の下面にx軸方向に突起67を設け、x軸スライド溝64に
そってx軸移動台66がスライド可能な機構となってい
る。また、x軸移動ストッパ65が、x軸スライド溝64に
垂直に、x軸移動台56の両側に設けられている。これ
は、x軸移動台66が移動し過ぎて、装置を破損するのを
防止するために設けられたものである。
【0129】さらに、前記x軸移動台66上に、垂直支持
台78が垂直に固定されている。y軸移動モータ71が、垂
直支持台78に固定されており、y軸移動モータ71の回転
軸に歯車72が設けられている。歯車72にかみ合うよう
に、ラック73が、モータ取付け台76の面に配置されてい
る。z垂直支持台78の面上で、y軸に平行に、y軸スラ
イド溝74が設けられており、モータ取付け台76に、y軸
方向に設けた突起77によって、モータ取付け台76がy軸
スライド溝74にそってスライド可能な機構になってい
る。また、垂直支持台78に、y軸移動ストッパ75が、y
軸スライド溝64に垂直に、モータ取付け台76の両側に設
けられている。これは、モータ取付け台76が移動し過ぎ
て、装置を破損するのを防止するために設けられたもの
である。
【0130】さらに、モータ取付け台76にモータ4が固
定されている。また、モータ4には、図1等に示すよう
に、図示しないが、巻芯が接続されている。また、ずれ
量等を表示するための表示手段を備えた構成にしてい
る。
【0131】また、コントローラ11は、z軸移動モータ
51、x軸移動モータ61、y軸移動モータ71に制御信号を
与えて、各モータを所定量駆動するための手段であり、
電流源回路、CPU、ROM、RAM、CMOS等の電
子デバイスで実現可能である。演算器18は、前述の実施
例で説明してきた機能に加え、移動量の計算等を行い、
コントローラ11が出力すべき制御信号に関する指示を与
える機能を有する構成としている。かかる機能はCP
U、ROM、RAM等の電子デバイスにて実現できる。
【0132】次に、この装置のモータ位置の制御のフロ
ーチャートを図22に示す。
【0133】例えば、図1の実施例に、本装置を付加し
た構成を例にとり説明する。
【0134】演算器18は、巻芯1に設けられている軸ず
れ検出コイル3a、3b、3c、3dの出力電圧から、記憶手段
40を参照して、軸ずれ量d1、d2(例えば、図7参照)
を求める。そして、軸ずれ量d1、d2を参照し、演算器18
は、x、y、z各軸方向に、巻芯、すなわち、モータを
移動しなければならない移動量を計算する(ステップ1
00、200)。もちろん、全ての軸において、移動を
行う必要がない場合もある。
【0135】軸ずれ検出コイル3a、3b、3c、3dから検出
された軸ずれ量d1、d2に基づいて、演算器18でx、y、z
の各軸の移動量を求める計算法の一例を図25を参照し
て説明する。
【0136】簡単のために被測定磁石の中心軸17と、巻
芯1の回転軸15は共に同一平面(y=0)にあるものとす
る。ここで、エンコーダ5の取付け中心位置をS、モータ
4の取付け中心位置をTとする。
【0137】また前記回転軸15の中心をUとする。ま
た、RU=l1、QU=l2、SU=l3、UT=l4とする。
【0138】Uを計算の原点とすると、点Sと点Tの位置
はそれぞれ(l3sinη, 0 ,l3cosη)、(-l4sinη, 0 ,-l4
cosη)である。
【0139】またU点を通り、被測定磁石の中心軸17に
平行な軸を、仮に、中間軸91と呼ぶ。
【0140】中間軸91と被測定磁石の中心軸17の距離を
vとすると、図25からv=d1-l1sinηである。
【0141】さて、位置制御は次の2段階の処理を経て
行なうものとする。
【0142】第一段階の処理は、巻芯1の回転軸15を、
点Uを中心に回転させ中間軸91に合わせる。
【0143】そして第2段階の処理は、中間軸91上にあ
る前記回転軸15を、-x軸方向に平行移動させ、被測定磁
石の中心軸17に一致させる。
【0144】まず第一段階の処理について説明する。
【0145】巻芯1の回転軸15を点Uを中心に回転させ
中間軸91に合わせた際、点Sと点Tが中間軸91上に移動し
た点を、それぞれS'、T'とする。
【0146】そのときS'、T'の座標は、S'(0, 0, l
3)、T(0,0,-l4)である。
【0147】したがって、第一段階の処理における移動
量は、エンコーダ側では点S'と点Sの座標の差から求め
ればよい。
【0148】すなわち、S'S=(-l3sinη, 0 ,l3-l3cos
η)であるので、x軸方向に「−l3sinη」、z軸
方向に「l3−l3cosη」移動する。
【0149】同様に、モータ側では点T'と点Tの座標の
差から求められ、x軸方向に「l4sinη」、z軸方向に
「-l4+l4cosη」移動する。
【0150】つぎに第2段階の処理について説明する。
【0151】点S"と点T"は、巻芯1が中間軸91から被測
定磁石の中心軸17へ移動したときの点S'と点T'の、それ
ぞれ対応する点である。点S'から点S",点T'から点T"の
それぞれの移動量は、ともに、x軸方向に「-v」であ
る。したがって、エンコーダ側、モータ側をx軸方向に
「-v」移動させればよい。
【0152】以上が、軸ずれ量d1、d2を参照し、演算器
18が、x、y、z各軸方向に、巻芯を移動するための移
動量の計算の一例である。
【0153】ステップ300で、コントローラ11からz
軸駆動モータ51に、z軸の移動量を示すz軸モータ制御
信号81が送られる。この信号に基づき、z軸駆動モータ
51が回転し、動力が歯車52を介してラック53に伝達さ
れ、z軸移動台がz方向に所定の距離(演算器18が演算
した距離)だけ移動し、巻芯1に接続しているモータの
z軸の位置を調整する。
【0154】同様に、ステップ400において、コント
ローラ11からx軸駆動モータ61に、x軸の移動量を示す
x軸モータ制御信号82が送られる。この信号に基づき、
x軸駆動モータ61が回転し、動力が歯車62を介してラッ
ク63に伝達され、x軸移動台がx方向に所定の距離(演
算器18が演算した距離)だけ移動し、巻芯1に接続して
いるモータのx軸の位置を調整する。
【0155】さらに、ステップ500において、コント
ローラ11からy軸駆動モータ71にy軸の移動量を示すy
軸モータ制御信号83が送られる。この信号に基づき、y
軸駆動モータ71が回転し、動力が歯車72を介してラック
73に伝達され、モータ取付け台76がy方向に所定の距離
(演算器18が演算した距離)だけ移動し、巻芯1のモー
タ側のy軸の位置を調整する。
【0156】同様の手法を用いて、巻芯に接続されたエ
ンコーダの位置も調整する(ステップ600、700、
800)。なお、このようにエンコーダの位置を調整す
るためには、エンコーダに対しても、図14に示すよう
な、3次元移動機構を設けた構成にしておく。
【0157】そして、再度、軸ずれ検出コイル3a、3b、
3c、3dから検出された、軸ずれ量d1、d2を測定し、その
値が、予め定めた許容値err以下になるまで、前述の位
置調整を繰り返す。
【0158】本実施例によれば、巻芯1の軸ずれ量が許
容値以下になり、高調波成分を含む磁場の補正が容易に
行えるという効果がある。
【0159】また、計算された移動量に基づいて、モー
タやエンコーダを移動するほかに、人間が手動操作によ
り、各モータやエンコーダを移動可能な構成(具体的に
は、コントローラ11に、制御信号を与えるためのスイッ
チ等を備えた構成にする)とし、表示手段に表示され
る、ずれ量を観測しながら、手動操作でモータやエンコ
ーダを移動させてもよい。
【0160】また、X、Y、Z軸方向において、予め定
めたモータ移動パターンで、モータを移動し、最も、ず
れ量の少なくなる位置を検索し、当該位置までモータを
移動するように、プログラム化して、自動移動処理を行
わせることも可能である。例えば、1つの移動パターン
で、100点の、ずれ量を計測し、この100点のう
ち、最も、ずれ量の少なくなる位置を求め、当該位置ま
でモータを移動すればよい。
【0161】なお、本実施例は、いままで述べてきた、
いずれの実施例に対しても適用可能であることはいうま
でもない。
【0162】
【発明の効果】本発明によれば、磁場測定コイルで計測
した磁場測定値を、軸ずれ検出コイルの出力に基づいて
補正し、高調波磁場成分を含む正確な磁場の測定を行う
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の磁場計測装置の構成図で
ある。
【図2】従来例の巻線部の断面の説明図である。
【図3】従来例の巻線の構成図である。
【図4】磁場計測装置の従来例の構成図である。
【図5】従来の磁場計測装置の出力波形の説明図であ
る。
【図6】回転による軸ずれ模式的な説明図である。
【図7】軸ずれ量校正の説明のための構成図である。
【図8】軸ずれ検出コイルの断面の説明図である。
【図9】本発明の第2実施例の磁場計測装置の構成図で
ある。
【図10】本発明の第3実施例の磁場計測装置の構成図
である。
【図11】本発明の第4実施例の磁場計測装置の構成図
である。
【図12】本発明の第5実施例の磁場計測装置の構成図
である。
【図13】本発明の第6実施例の磁場計測装置の構成図
である。
【図14】モータ側位置制御装置の構成図である。
【図15】被測定磁石の概略構成と座標系の説明図であ
る。
【図16】高調波磁場の模式的な説明図である。
【図17】従来の磁場計測コイルの信号処理の説明図で
ある。
【図18】磁場計測コイルの高調波成分の説明図であ
る。
【図19】軸ずれ検出コイルの出力と変位の関係の説明
図である。
【図20】磁場測定コイルの出力と変位の関係の説明図
である。
【図21】本発明の軸ずれ補正のフローチャートであ
る。
【図22】本発明の位置制御のフローチャートである。
【図23】軸ずれ検出コイルの出力とヨーイングの関係
の説明図である。
【図24】磁場測定コイルの出力とヨーイングの関係の
説明図である。
【図25】軸ずれ補正の説明図である。
【符号の説明】
1…巻芯、2…磁場測定コイル群、3a…軸ずれ検出コ
イル、3b…軸ずれ検出コイル、3c…軸ずれ検出コイ
ル、3d…軸ずれ検出コイル、3e…軸ずれ検出コイ
ル、3f…軸ずれ検出コイル、4…駆動モータ、5…エ
ンコーダ、6…デジタルボルトメータ、9…被測定磁
石、10…駆動装置、11…コントローラ、12a…磁
場測定コイル、12b…磁場測定コイル、12c…磁場
測定コイル、14…双極磁場、15…回転軸、16…赤
道面、17…被測定磁石の中心軸、18…演算器、21
…スリップリング、22…ブラシ、23…磁極の中心
面、40…記憶手段、50…架台、51…z軸駆動モー
タ、52…歯車、53…ラック、54…z軸スライド
溝、55…z軸移動ストッパ、56…z軸移動台、57
…突起、61…x軸駆動モータ、62…歯車、63…ラ
ック、64…z軸スライド溝、65…x軸移動ストッ
パ、66…x軸移動台、67…突起、71…y軸駆動モ
ータ、72…歯車、73…ラック、74…z軸スライド
溝、75…y軸移動ストッパ、76…モータ取付け台、
77…突起、78…垂直支持台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 和久 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定体が発生する磁場を計測する磁場計
    測装置において、 巻芯と、巻芯を回転駆動する駆動手段と、磁場を測定す
    るために、前記巻芯に設けられたコイルである磁場測定
    コイルと、巻芯の回転により磁場測定コイルに発生する
    電圧を検出する磁場測定コイル電圧検出手段と、前記巻
    芯を回転駆動する際、巻芯の回転軸のずれ量を測定する
    ために前記巻芯に設けられたコイルである、少なくとも
    2以上の軸ずれ検出コイルと、各軸ずれ検出コイルに対
    応して設けた、巻芯の回転により軸ずれ検出コイルに発
    生する電圧を検出する軸ずれ検出コイル電圧検出手段
    と、前記磁場測定コイル電圧検出手段および軸ずれ検出
    コイル電圧検出手段の出力に基づいて、被測定体が発生
    する磁場を求める演算手段と、求めた発生磁場の値を出
    力する出力手段とを有し、 前記演算手段は、さらに、全軸ずれ検出コイル電圧検出
    手段の出力と軸ずれ量との対応関係を定める第1の情
    報、および、軸ずれ量と補正磁場値との対応関係を定め
    る第2の情報を記憶する記憶手段と、両情報から求めた
    補正磁場値に基づいて被測定体が発生する磁場を求める
    処理手段を備え、 該処理手段は、第1の情報を参照し、全軸ずれ検出コイ
    ル電圧検出手段の出力から、対応する軸ずれ量を求め、
    さらに、第2の情報を参照し、求めた軸ずれ量から補正
    磁場値を求め、該補正磁場値に基づき、前記磁場測定コ
    イル電圧検出手段の出力電圧に対応する磁場の値を補正
    し、補正した磁場の値を、被測定体が発生する磁場とし
    て、前記出力手段に出力することを特徴とする磁場計測
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記軸ずれ検出コイル
    として、2対の鞍型コイルを、前記巻芯に設けたことを
    特徴とする磁場計測装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記軸ずれ検出コイル
    として、コイルの巻回面(巻回された巻線を含む平面)
    を、前記巻芯の回転軸に垂直な面に平行となるように、
    前記巻芯に、巻線を巻回してコイルを設けたことを特徴
    とする磁場計測装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記軸ずれ検出コイル
    として、コイルの巻回面を、前記巻芯の回転軸に斜交す
    る面に平行となるように、前記巻芯に、巻線を巻回して
    コイルを設けたことを特徴とする磁場計測装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記軸ずれ検出コイル
    は、絶縁被覆を備える巻線を巻回して構成し、前記巻芯
    に設けた前記磁場測定コイルの上に配置したことを特徴
    とする磁場計測装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記軸ずれ検出コイル
    は、前記巻芯内部でなおかつ、前記巻芯の回転軸を含む
    平面上で、巻線を巻回して、巻芯内部に設けたことを特
    徴とする磁場計測装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5、および6のい
    ずれかにおいて、前記処理手段は、さらに、フーリエ変
    換処理手段を備え、 該フーリエ変換処理手段は、求めた磁場を、フーリエ変
    換処理し、高調波磁場成分を求め、前記出力手段に出力
    することを特徴とする磁場計測装置。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6および7い
    ずれか記載の磁場計測装置において、さらに、与えられ
    る駆動信号により、前記巻芯の3次元方向の移動を行う
    駆動機構と、前記駆動信号を生成する処理を少なくとも
    行う駆動処理手段とを備え、 該駆動処理手段は、前記処理手段が第1の対応テーブル
    を参照して求めた、軸ずれ量が最小となるように、前記
    駆動機構を駆動する駆動信号を生成することを特徴とす
    る磁場計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017098753A1 (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 三菱電機株式会社 磁界測定方法、コイル位置修正方法及び磁界測定装置

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