JPH07280872A - 絶縁欠陥検出方法及び絶縁欠陥検出装置 - Google Patents

絶縁欠陥検出方法及び絶縁欠陥検出装置

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JPH07280872A
JPH07280872A JP7703094A JP7703094A JPH07280872A JP H07280872 A JPH07280872 A JP H07280872A JP 7703094 A JP7703094 A JP 7703094A JP 7703094 A JP7703094 A JP 7703094A JP H07280872 A JPH07280872 A JP H07280872A
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component
partial discharge
charging
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JP7703094A
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Masahiro Gamo
正浩 蒲生
Yoshinobu Kawase
義信 川瀬
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノイズの混入を防止することにより、部分放
電信号を高感度に捉え、絶縁欠陥を確実に検出し得る絶
縁欠陥検出装置及び検出方法を提供する。 【構成】 充電回路1は、高電圧部品5に電力を供給
し、高電圧部品5の容量性成分Coを充電し、その後電
力供給を停止する。放電回路2は、容量性成分Coに蓄
積された電荷の放電経路を構成するように、高電圧部品
5に接続される。検出回路3は、容量性成分Coに蓄積
された電荷の放電中に発生する部分放電を検出して高電
圧部品5の絶縁欠陥の有無を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁欠陥検出方法及び
絶縁欠陥検出装置に関し、更に詳しくはS/N比を著し
く改善し得る技術に係る。
【0002】
【従来の技術】フライバックトランス等の高圧トラン
ス、高圧コンデンサ、電力ケーブルまたは絶縁碍子等の
高電圧部品は、絶縁部分にボイド、剥離またはクラック
等の絶縁欠陥が存在すると、絶縁破壊が発生し、最悪の
場合には短絡事故に至る。従って、高電圧部品おいて、
絶縁欠陥を検出することは重要である。絶縁欠陥検出
は、多くの場合、出荷前の製品について行なわれるか
ら、非破壊的に検出しなければならない。高電圧部品の
絶縁欠陥を非破壊的に検出するのに有効な方法として、
絶縁耐圧の低い絶縁欠陥部分に発生する部分放電を検出
する技術が知られている。この検出技術においては、検
出信号に含まれる部分放電信号と、検出装置で発生しも
しくは外部から侵入する各種のノイズとの間のS/N比
を改善しなければならない。
【0003】例えば、テレビジョン受像機やCRTディ
スプレイを含む他の電子機器に用いられるフライバック
トランスにおいて、その絶縁欠陥を検出する場合、フラ
イバックトランスを駆動して、高電圧を発生させ、動作
状態で、フライバックパルスに重畳される部分放電を検
出する。フライバックトランスは、通常、入力巻線側に
スイッチング素子が接続されていて、スイッチング素子
の高速スイッチング動作に伴う急激な電流変化により、
出力巻線に高圧のフライバックパルスを得る動作原理で
あるため、駆動周波数と同期した広い周波数範囲にわた
る高調波が存在する。従って、フライバックトランスに
おいて、絶縁欠陥に起因して発生する部分放電を検出す
るためには、検出信号に含まれる高調波ノイズを低減
し、S/N比を改善する必要がある。
【0004】次に、高圧コンデンサ、電力ケーブルまた
は絶縁碍子等の電気機器において、その絶縁欠陥を検出
するには、一般に、これらの電気機器に商用電源から得
られた高電圧を印加し、周期的な電圧変化によって生ず
る部分放電を捉え、絶縁欠陥を検出する。かかる部分放
電検出装置は、高電圧部品に常時電源が接続されている
ので、検出信号に電源ラインノイズが混入する。従っ
て、部分放電信号と電源ラインノイズとの間のS/N比
を改善し、部分放電信号を電源ラインノイズから識別し
て検出する必要がある。
【0005】フライバックトランスの絶縁欠陥検出にお
いて、S/N比改善をねらった先行技術文献例として
は、例えば、特公昭55ー47350号公報、特開平2
ー32507号公報、特公昭57ー12350号公報等
がある。
【0006】特公昭55ー47350号公報は、電源に
同期した雑音の混在するコロナ信号をデジタル信号に変
換し、電源の第1周期の第1のデジタル信号と、第2周
期の第2のデジタル信号とを減算することにより、電源
周期に同期する規則性の雑音を消去し、S/N比を改善
する技術を開示する。
【0007】特公昭57ー12350号公報術は、同調
結合回路と、同調結合回路の中心周波数に等しい中心周
波数を有する狭帯域選択増幅器とを用いることにより、
コロナ信号を高調波ノイズから識別して検出する技術を
開示する。
【0008】特開平2ー32507号公報は、フライバ
ックトランスの高圧コイルのアース端と大地との間にハ
イパスフィルタを備え、ハイパスフィルタの出力側にバ
ンドパスフィルタを設けることにより、高調波ノイズを
除去しコロナ信号を検出する技術を開示する。
【0009】次に、変圧器、高圧コンデンサ、電力ケー
ブルまたは絶縁碍子等の電気機器の絶縁欠陥検出に適用
可能であって、S/N比改善を狙った技術を開示する先
行技術文献例としては、特開昭59ー142472号公
報、特開昭63ー285478号公報がある。
【0010】特開昭59ー142472号公報は、一次
及び二次巻線に接続されるコンデンサブッシングのポテ
ンシャルタップと、変圧器主要部を収納したタンクとの
3ケ所から部分放電信号を検出し、これらの信号が同時
同極性である時は、測定器に入力させない信号処理手段
を設けて電源ラインノイズを低減する技術を開示する。
【0011】特開昭63ー285478号公報は、検出
信号を遅延回路群により一定周期ずつ遅延し、それを合
成して一定周期のパルス郡を作成し、表面弾性波デバイ
スを用いて、パルス郡の周期と同一の周期をもつ高周波
との相関出力を得ることにより、外来雑音を除去する技
術を開示する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高電圧部品の絶縁欠陥検出技術は以下のような問題を有
している。 (A)フライバックトランスにおける絶縁欠陥検出技術
の問題点 S/N比改善のために、前述したような種々の提案がな
されているけれども、何れの先行技術においても、フラ
イバックトランスを駆動したままで、部分放電を検出し
ているため、スイッチング素子等のスイッチング動作に
よって発生する高調波ノイズが検出信号に混入する、と
いう現象を回避できない。出力巻線が積層巻き方式とな
っているフライバックトランスの場合は、上記に加え
て、連続駆動時に出力巻線内の電位差の変動が小さいた
め、部分放電を発生しにくいという事情もあり、絶縁欠
陥を高感度で検出することが困難である。 (B)高圧コンデンサ、電力ケーブルまたは絶縁碍子等
の絶縁欠陥検出技術の問題点 高圧コンデンサ、電力ケーブルまたは絶縁碍子等の電気
機器に対し、商用周波数の高電圧を印加し、その状態で
部分放電を検出するものであるため、検出信号に電源ラ
インノイズが混入するのを回避することができない。絶
縁欠陥を検出する装置に、電源ラインノイズを低減させ
るための手段を設けることが必須であり、コスト高にな
る。
【0013】そこで、本発明の課題は、S/N比を著し
く改善し得る絶縁欠陥検出方法及び絶縁欠陥検出装置を
提供することである。
【0014】本発明のもう一つの課題は、部分放電信号
を高感度で捉え、絶縁欠陥を確実に検出し得る絶縁欠陥
検出方法及び絶縁欠陥検出装置を提供することである。
【0015】本発明のもう一つの課題は、部分放電が発
生し易く、絶縁欠陥を確実に検出し得る絶縁欠陥検出方
法及び絶縁欠陥検出装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る絶縁欠陥検
出方法は、充電過程と、放電過程とを含み、容量性成分
を含む高電圧部品の絶縁欠陥を検出する。前記充電過程
では、前記高電圧部品の容量性成分を充電した後、充電
動作を停止する。前記放電過程では、前記充電過程を終
了した後に前記容量性成分に蓄積された電荷を放電さ
せ、その放電中に発生する部分放電を検出することによ
り絶縁欠陥を検出する。
【0017】本発明に係る絶縁欠陥検出装置は、充電回
路と、放電回路と、検出回路とを含み、容量性成分を含
む高電圧部品の絶縁欠陥を検出する。前記充電回路は、
前記高電圧部品に電力を供給し、前記高電圧部品の容量
性成分を充電し、充電後に電力供給の動作を停止する。
前記放電回路は、前記容量性成分に蓄積された電荷の放
電経路を構成するように、前記高電圧部品に接続され
る。前記検出回路は、前記容量性成分に蓄積された電荷
の放電中に発生する部分放電を検出して、前記高電圧部
品の絶縁欠陥を検出する。
【0018】一つの好ましい例では、前記充電回路は、
スイッチを含み、前記スイッチのオン、オフ動作により
前記高電圧部品に対する電力の供給及び停止の動作を行
なう。
【0019】前記高電圧部品は、フライバックトランス
でなることがある。この場合、前記充電回路は、前記フ
ライバックトランスの入力巻線に接続され、前記放電回
路は、前記フライバックトランスの出力巻線(高圧側)
に接続される。
【0020】別の例では、前記高電圧部品は、変圧器で
なることがあり、この場合、前記充電回路は、前記変圧
器の入力巻線に接続され、前記放電回路は、前記変圧器
の出力巻線に接続される。
【0021】更に別の例では、前記高電圧部品は、高圧
コンデンサ、電力ケーブルまたは絶縁碍子の何れかでな
ることもある。
【0022】
【作用】本発明に係る絶縁欠陥検出方法は、充電過程に
おいて、高電圧部品の容量性成分を充電した後、充電動
作を停止し、放電過程において、充電過程を終了した後
に容量性成分に蓄積された電荷を放電させるから、高電
圧部品に含まれる容量性成分の充電電圧が大きく電圧変
動を起し、絶縁欠陥部分に部分放電が発生し易くなる。
【0023】しかも、充電動作を停止し、充電過程を終
了した後に容量性成分に蓄積された電荷を放電させ、放
電中に発生する部分放電を検出することにより絶縁欠陥
を検出するから、放電動作中の検出信号には電源や駆動
系からのノイズが混入することがない。このためS/N
比が著しく改善され、部分放電信号がノイズに埋没する
ことがないため、部分放電信号を高感度で検出できるよ
うになる。
【0024】次に、本発明に係る絶縁欠陥検出装置にお
いて、充電回路は、高電圧部品に電力を供給し、高電圧
部品の容量性成分を充電するから、高電圧部品の容量性
成分に、その静電容量に応じた電荷が蓄積される。この
充電作用により、高電圧部品の容量性成分に絶縁欠陥が
存在すれば、絶縁欠陥部にも部分放電を生じさせるのに
充分な電荷が蓄積される。充電回路は、充電後に電力供
給の動作を停止する。
【0025】放電回路は、容量性成分に蓄積された電荷
の放電経路を構成するように、高電圧部品に接続されて
いるから、高電圧部品の容量性成分に蓄積された電荷は
放電回路を通して放電される。放電回路による放電動作
は、充電回路が電力供給の動作を停止した後に行なわれ
る。このため、放電動作に伴って、容量性成分の充電電
圧が部品固有の時定数にしたがって徐々に変動(低下)
し、高電圧部品に絶縁欠陥があれば、前記充電電圧の変
動の過程で、絶縁欠陥部分に突発的に部分放電が発生す
る。このように、充電回路が電力供給の動作を停止した
状態で、容量性成分に蓄積された電荷を、放電回路を通
して放電するから、高電圧部品に含まれる容量性成分の
充電電圧の電圧変動の差が大きくなり、絶縁欠陥部分に
部分放電が発生し易くなる。
【0026】しかも、充電回路は放電動作時に電力供給
の動作を停止しているから、充電回路で発生するノイズ
または充電回路を通して外部から侵入するノイズが、部
分放電信号に混入することがない。
【0027】検出回路は、容量性成分に蓄積された電荷
の放電中に発生する部分放電を検出して高電圧部品の絶
縁欠陥を検出するから、ノイズ混入のない検出信号を得
ることができる。このため、S/N比が著しく改善さ
れ、部分放電信号がノイズに埋没することがないから、
部分放電信号を高感度で検出できるようになる。
【0028】充電回路がスイッチを含み、スイッチのオ
ン、オフ動作により、高電圧部品に対する電力の供給及
び停止の動作を行なう例では、充電回路で発生するノイ
ズ及び充電回路を通して外部から侵入するノイズを、ス
イッチによって遮断できる。これにより、部分放電の測
定中に検出信号にノイズが混入するのを防止し、S/N
比を著しく改善し、部分放電信号を高感度で検出でき
る。
【0029】高電圧部品がフライバックトランスでな
り、充電回路がフライバックトランスの入力巻線に接続
され、放電回路がフライバックトランスの出力巻線に接
続される構成の場合、フライバックトランスの駆動に適
するように構成された充電回路で発生するノイズ、例え
ばスイッチング素子のスイッチングノイズ及び充電回路
を通して侵入するノイズが検出信号に混入するものを阻
止できる。このため、フライバックトランスの絶縁欠陥
検出においても、S/N比を著しく改善し、部分放電信
号を高感度で検出できるようになる。また、高電圧部品
の容量性成分の充電電圧の電圧変動が生じるので、絶縁
欠陥部分に部分放電が発生し易くなる。
【0030】充電回路が変圧器の入力巻線に接続され、
放電回路が変圧器の出力巻線に接続される例では、変圧
器の駆動に適するように構成された充電回路で発生する
ノイズ及び充電回路を通して侵入するノイズが検出信号
に混入するのを阻止できる。このため、変圧器の絶縁欠
陥検出においても、S/N比を著しく改善し、部分放電
信号を高感度で検出できるようになる。また、高電圧部
品に含まれる容量性成分の充電電圧に電圧変動が生じる
ので、絶縁欠陥部分に部分放電が発生し易くなる。
【0031】高電圧部品が高圧コンデンサ、電力ケーブ
ルまたは絶縁碍子の何れかでなる場合も、上述した作用
により、これらの高電圧部品の駆動に適するように構成
された充電回路で発生するノイズ及び充電回路を通して
侵入するノイズが、検出信号に混入するのを阻止でき
る。このため、これらの高電圧部品の絶縁欠陥検出にお
いても、S/N比を著しく改善し、部分放電信号を高感
度で検出できるようになる。また、高電圧部品に含まれ
る容量性成分における充電電圧の電圧変動が生じるの
で、絶縁欠陥部分に部分放電が発生し易くなる。
【0032】
【実施例】以下に説明され、かつ、図示される絶縁欠陥
検出装置は何れも本発明に係る絶縁欠陥検出方法の実施
に用いられる。図1は本発明に係る絶縁欠陥検出装置の
構成を示すブロック図である。図において、絶縁欠陥検
出装置Aは、充電回路1と、放電回路2と、検出回路3
とを含んでいる。参照符号41〜44は接続端子、5は
測定対象となる高電圧部品である。高電圧部品5は、容
量性成分Coを有する。
【0033】充電回路1は、高電圧部品5に電力を供給
し、高電圧部品5の容量性成分Coを充電し、充電後に
電力供給の動作を停止する。
【0034】放電回路2は、容量性成分Coに蓄積され
た電荷の放電経路を構成するように、高電圧部品5に接
続される。実施例では、放電回路2は放電抵抗により構
成され、放電抵抗2は高電圧部品の高圧側端子43に接
続され、片側は接地されている。
【0035】検出回路3は、容量性成分Coに蓄積され
た電荷の放電中に発生する部分放電を検出して高電圧部
品5の絶縁欠陥を検出する。部分放電は電圧、電流、電
磁波等の電気信号または音響信号(以下、両者を総称し
て部分放電信号という。)により検出される。実施例の
検出回路3は、検出抵抗31と、信号処理回路32とを
有している。検出抵抗31は、高電圧部品5に接続さ
れ、片側は接地されており、検出抵抗31に流れる電流
を電圧に変換する。信号処理回路32は、ハイパスフィ
ルタ321と、オシロスコープ322とを有している。
ハイパスフィルタ321は、検出信号に含まれる低周波
数成分、即ち、高電圧部品5の容量性成分Coに蓄積さ
れた電荷が放電される際の放電波形をカットし、部分放
電信号だけを通過させる。オシロスコープ322は、部
分放電信号を観測するために備えられている。
【0036】図2は部分放電の具体的な検出波形を示す
図である。図2(A)は高電圧部品5の端子電圧(43
−44間)を示す図、図2(B)はオシロスコープ32
2で観測される部分放電の検出波形を示す図である。参
照符号aは高電圧部品の容量性成分Coに蓄積された電
荷の放電波形、参照符号bは蓄積電荷の放電時に発生す
る部分放電信号の波形である。参照符号cは充電回路1
から伝わるノイズまたは充電回路1に発生するノイズを
示している。次に、図2を参照して、図1に示された本
発明に係る絶縁欠陥検出装置の作用を説明する。
【0037】充電回路1は、時刻T1において、高電圧
部品5に電力を供給し、高電圧部品5の容量性成分Co
を充電する。これにより容量性成分Coに、静電容量に
応じた電荷が蓄積される。充電回路1は、時刻T2にお
いて、高電圧部品5の容量性成分Coの充電を終了し、
電力供給の動作を停止する。
【0038】放電回路2は、容量性成分Coに蓄積され
た電荷の放電経路を構成するように、高電圧部品5に接
続されているから、高電圧部品5に蓄積された電荷は放
電回路2を通して放電される。放電回路2による放電動
作は、充電回路1が電力供給動作を停止した後に行なわ
れる。このため、放電動作に伴って、容量性成分Coが
充電されて生じた充電電圧が変動(低下)し、高電圧部
品5に絶縁欠陥があれば、充電電圧の変動の過程で絶縁
欠陥部分に部分放電が発生する。このように、容量性成
分Coに蓄積された電荷が放電している時は、充電回路
1が高電圧部品5に電力を供給することがないので、高
電圧部品5に含まれる容量性成分Coにおいて、その充
電電圧の電圧変動の差が大きくなり、絶縁欠陥部分に部
分放電が発生しやすくなる。
【0039】しかも、充電回路1は、放電動作時に電力
供給の動作を停止しているから、充電回路1に発生する
ノイズまたは充電回路1を通して外部から侵入するノイ
ズが検出信号に混入することがない。
【0040】放電回路2による放電動作は、充電回路1
が電力供給の動作を停止した後に行なわれ、検出回路3
は容量性成分Coに蓄積された電荷の放電中に発生する
部分放電を検出して高電圧部品5の絶縁欠陥を検出する
から、ノイズ混入のない部分放電信号検出できる。この
ため、S/N比を著しく改善し、部分放電信号を高感度
で検出できるようになる。
【0041】図3は本発明に係る絶縁欠陥検出装置の更
に具体的な構成を示すブロック図である。図において、
図1と同一の参照符号は同一性ある構成部分を示してい
る。
【0042】充電回路1は、スイッチ12を含んでお
り、スイッチ12のオン、オフ動作により高電圧部品5
に対する電力の供給及び停止を行なう。
【0043】参照符号11は電源回路である。この実施
例の場合、充電回路1で発生するノイズ及び充電回路1
を通して外部から侵入するノイズを、スイッチ12によ
ってほぼ完全に遮断できる。これにより、部分放電の測
定中に検出信号にノイズが混入するのを確実に防止し、
S/N比を著しく改善し、部分放電信号を高感度で検出
できる。
【0044】図4はフライバックトランス用として構成
された本発明に係る絶縁欠陥検出装置の回路図である。
図において、図1及び図3と同一の参照符号は同一性あ
る構成部分を示している。
【0045】フライバックトランス5は、入力巻線51
と、出力巻線52、53と、ダイオード54〜56とを
有している。図示のフライバックトランス5は積層巻き
方式であり、出力巻線52、53のそれぞれは整列巻き
されて各巻線層を構成し、層間に配置された絶縁フィル
ム等でなる絶縁層によって絶縁されている。積層巻き方
式のフライバックトランスは、出力巻線52、53が整
列巻きされているので、連続駆動時においては出力巻線
隣線間及び層間の電位差の変動が小さいので、絶縁欠陥
があっても部分放電が発生しにくい構造となっている。
本発明によれば、これまでの説明、更にこの後に続く具
体的説明から明らかなように、この種のフライバックト
ランスであっても絶縁欠陥があれば、そこに部分放電を
確実に発生させることができる。
【0046】電源回路11は、直流電源111とスイッ
チング回路112とを有している。スイッチング回路1
12は、フライバックトランス5をスイッチングする一
般的な回路であり、発振回路OSCと、励振回路PA
と、スイッチング素子TRと、ダンパダイオードDD
と、共振コンデンサC1とを有している。発振回路OS
Cは、例えば15.7kHzのスイッチング信号を発生
する。スイッチング素子TRは、入力巻線51に接続さ
れ、スイッチング信号により高周波でスイッチング動作
をする。スイッチング素子TRは、トランジスタ、FE
T等の半導体スイッチ素子で構成される。発振回路OS
Cは例えば15.7kHzのパルスを出力する。励振回
路PAは発振回路OSCから供給されたパルスを増幅
し、スイッチング素子TRをスイッチングさせる。スイ
ッチング素子TRのスイッチ動作と、ダンパダイオード
DD及び共振コンデンサC1との働きにより、入力巻線
51の両端にフライバックパルスが発生する。スイッチ
12は、直流電源111、入力巻線51及びスイッチン
グ素子TRで構成される回路ループに設けられている。
放電抵抗2は、出力巻線52、53の直列回路に接続さ
れている。
【0047】上記の回路において、スイッチ12のオン
時に、入力巻線51に流れる電流が、スイッチング素子
TRによってスイッチされる。スイッチング周波数は発
振回路OSCの発振周波数である。スイッチング素子T
Rのスイッチング動作に伴い、フライバックトランス5
の出力巻線52、53にフライバックパルスが発生し、
このフライバックパルスによりフライバックトランス5
の容量性成分Coが充電される。
【0048】スイッチ12のオフ時には、入力巻線51
とスイッチング素子TRとの間が遮断され、入力巻線5
1に流れる電流のスイッチングが停止し、したがって、
フライバックトランス5の容量性成分Coへ充電動作が
停止する。その結果、フライバックトランス5の容量性
成分Coに蓄積された電荷が放電される。また、スイッ
チ12のオフ時には、入力巻線51に流れる電流に対す
るスイッチング作用が停止するので、スイッチング素子
TR、ダンパダイオードDDのスイッチングによる高調
波ノイズの発生がなくなる。
【0049】スイッチ12をオフした後は、フライバッ
クトランス5の容量性成分Coが充電されることはない
ので、電圧が大きく変動(低下)し、絶縁欠陥部分に部
分放電が発生しやすくなる。放電抵抗2の抵抗値は、高
電圧部品5の容量と、放電時の適切な電圧変化を発生さ
せる時定数を考慮して設定すればよい。フライバックト
ランスの場合は、時定数が十〜数百msecが適当であ
る。
【0050】図5は本発明に係る絶縁欠陥検出装置の別
の具体的な回路図である。図において、図4と同一の参
照符号は同一性ある構成部分を示している。本実施例は
絶縁欠陥の自動計測に適した回路例を示している。充電
回路1の回路構成は図4に示したものとほぼ同様である
が、図4と異なって、スイッチ12を励振回路PAと発
振回路OSCとの間に挿入し、スイッチ12によってス
イッチング素子TRの動作及び停止を制御できるように
してある。検出回路3は、検出抵抗31と、信号処理回
路32とを有している。信号処理回路32は、フィルタ
321と、増幅器324と、検波器325と、A/D変
換器326と、中央処理装置327とを有している。
【0051】フィルタ321は、ハイパスフィルタまた
はバンドパスフィルタで構成され、蓄積電荷の放電波形
を構成する低い周波数成分を減衰させ、部分放電信号を
構成する高い周波数成分を通過させる。図2に示すよう
に、蓄積電荷の放電波形aは部分放電信号の波形bより
もなめらかであるから、放電波形aの周波数成分は部分
放電信号の周波数成分よりも低くなる。このため、ハイ
パスフィルタまたはバンドパスフィルタを用いて、部分
放電信号を容易に抽出できる。
【0052】増幅器324は、部分放電信号を増幅す
る。検波器325は、部分放電信号を検波する。A/D
変換器326は検波された部分放電信号をA/D変換す
る。中央処理装置327は、スイッチ12にオン信号を
一定時間供給し、その後オフ信号を供給し、A/D変換
されたデータに基づき部分放電のレベル、発生頻度等の
データ処理を行なう。
【0053】図6は本発明に係る絶縁欠陥検出装置を使
用した場合の測定データを示し、図7は特公昭57ー1
2350号公報に開示されたコロナ放電検出方法による
測定データを示してある。測定サンプルは、出力巻線が
整列巻された積層巻方式のフライバックトランスであ
る。サンプルNo.1はポリエステルでなる層間フィル
ムを用い、かつ、モールド樹脂の含浸レベルを良好にし
たもの、サンプルNo.2は接着性に優れた変性ポリフ
ェニレンエーテルでなる層間フィルムを用いて、モール
ド樹脂の含浸レベルを故意に不充分にしたものである。
測定データは、充分に電荷を蓄積した後、蓄積された電
荷を1回放電させた時に生じる部分放電レベル最大値
(mv)と、放電発生頻度(回)を表示してある。従来
のコロナ放電検出方法による測定データは、フライバッ
クトランス5を10秒間連続駆動した場合の部分放電レ
ベル最大値(mv)と部分放電の発生頻度(回)を示し
ている。
【0054】本発明に係る絶縁欠陥検出装置を用いた場
合、部分放電の発生頻度が、サンプルNo.1で12
回、サンプルNo.2で1回、サンプルNo.3で25
回であり、部分放電を確実に検出できる。これに対し
て、従来の絶縁欠陥検出装置を用いた場合、本発明と同
一のサンプルを用いているにもかかわらず、部分放電を
検出することができなかった。
【0055】また、従来技術において検出されるノイズ
レベルは20(mv)にも達しているが、本発明に係る
絶縁欠陥検出装置により検出されるノイズレベルは0.
1(mv)と非常に小さい。本発明に係る絶縁欠陥検出
装置の場合、部分放電レベル最大値(mv)とノイズレ
ベル(mv)との間のS/N比は150〜750にもな
っており、著しいS/N比の改善効果が得られる。これ
は、フライバックトランス5が駆動されていない状態
で、部分放電を検出するという本発明の特徴のために検
出信号に高調波ノイズが混入しないからである。
【0056】更に、サンプルN0.3の部分放電のレベ
ル最大値は75(mV)であり、従来技術におけるノイ
ズレベルの20(mV)に比して充分大きい。しかる
に、従来技術では絶縁欠陥を検出できなかった。これ
は、フライバックトランス5が常時駆動されているの
で、フライバックトランス5の出力電圧はほぼ一定に保
たれ、出力電圧の変動がなくなっている共に、出力巻線
内部の電位差の変動が小さいためである。これに対し
て、本発明では、電力供給の動作を停止した後に、放電
回路2を通して容量性成分に蓄積された電荷を放電し、
それによって出力電圧を変動させ、出力電圧の変動によ
って出力巻線内部の電位差の変動を生じさせるため、絶
縁欠陥部分に確実に部分放電を生じさせることができ
る。このため、従来技術では検出できなかった絶縁欠陥
を確実に検出できるのである。
【0057】図8は本発明に係る絶縁欠陥検出装置を変
圧器に適用した場合を示す回路図である。図において、
図1及び図3と同一の参照符号は同一性ある構成部分を
示している。電源回路11は、一般に商用周波数の交流
電源113で構成される。
【0058】図9は図8の実施例に係る絶縁欠陥検出装
置の検出動作を説明する図である。図において、参照符
号dは出力巻線52に誘導されて電位の変化を示してい
る。変圧器5は、時刻T1において交流電源113が投
入され、時刻T2において交流電源113が遮断され
る。時刻T2以降は部分放電を測定する測定時間となっ
ている。掃引時間は、時刻T2の前後で異なり、説明の
都合上、時刻T2以降を拡大して示してある。次に図9
を参照して図8に示された絶縁欠陥検出装置の動作を説
明する。
【0059】時刻T1から時刻T2までは、スイッチ1
2がオン状態にあり、出力巻線52には入力巻線51と
の巻数比に応じた出力電圧Voが得られる。
【0060】時刻T2において、スイッチ12がオフ状
態になる。時刻T2は交流電源113の電圧がピーク値
になる時に設定される。変圧器5の内部に蓄積された電
荷は、参照符号dで示すように、減衰振動をしながら放
電される。この放電過程において、部分放電信号を検出
することにより、変圧器5の絶縁欠陥を検出できる。放
電過程においては、スイッチ12により電源回路11と
入力巻線51との間が遮断されるので、電源回路11を
介して侵入する電源ラインノイズも遮断され、部分放電
信号を高感度で検出できる。
【0061】図10は高圧コンデンサ、電力ケーブル、
絶縁碍子等の高電圧部品の絶縁欠陥検出に適用した本発
明に係る絶縁欠陥検出装置を示している。図において、
図1と同一の参照符号は同一性ある構成部分を示してい
る。
【0062】充電回路1は、電源回路11が高電圧を発
生し、スイッチ12及び充電抵抗14を介して、高圧コ
ンデンサ等の高電圧部品5を充電するようになってい
る。充電が完了した後ににスイッチ12をオフさせて、
充電回路1と高圧コンデンサ等の高電圧部品5との間を
遮断する。これによって、交流電源側から電源回路11
を介して侵入すべき電源ラインノイズがスイッチ12に
よって遮断されるから、部分放電信号を電源ラインノイ
ズから分離して高感度で検出できる。
【0063】電源回路11は、高電圧を発生するもので
あれば、直流電源または交流電源の何れでもよい。交流
電源の場合は、図9に示すように、交流電源の電圧がピ
ーク値となった時にスイッチ12をオフにするとよい。
【0064】図11は本発明に係る絶縁欠陥検出装置の
別の実施例を示すブロック図である。図において、図1
と同一の参照符号は同一性ある構成部分を示している。
検出回路3は、結合コンデンサ33と、インピーダンス
回路34と、信号処理回路32とを有している。検出イ
ンピーダンス34は、コンデンサ、コイル及び抵抗を組
み合わせて構成される。信号処理回路32は、検出イン
ピーダンス34の端子電圧を測定し、部分放電を検出す
ることにより絶縁欠陥を検出する。
【0065】図12は本発明に係る絶縁欠陥検出装置の
更に別の実施例を示すブロック図である。本実施例は、
検出回路3が部分放電により生じる電磁波を検出するよ
うに構成されている。図において、参照符号312はア
ンテナ、32は信号処理回路である。アンテナ312
は、高電圧部品5の近傍に置かれ、部分放電により生じ
る電磁波を検出する。信号処理回路32は、部分放電を
検出することにより、高電圧部品の絶縁欠陥を検出す
る。
【0066】図13は本発明に係る絶縁欠陥検出装置の
更にまた別の実施例を示すブロック図である。図におい
て、前掲の図と同一の参照符号は同一性ある構成部分を
示している。本実施例では、検出回路3が部分放電によ
り生じる音響信号を検出するように構成されている。参
照符号313は音響変換素子(マイクロフォン)であ
る。音響変換素子313は高電圧部品5の近傍に設けら
れ、部分放電により生じる音響信号を検出する。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果が得られる。 (a)S/N比を著しく改善し得る絶縁欠陥検出方法及
び絶縁欠陥検出装置を提供することができる。 (b)部分放電信号を高感度で捉え、絶縁欠陥を確実に
検出し得る絶縁欠陥検出方法及び絶縁欠陥検出装置を提
供することができる。 (c)部分放電が発生しやすく、絶縁欠陥を確実に検出
し得る絶縁欠陥検出方法及び絶縁欠陥検出装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁欠陥検出装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】部分放電の具体的な検出波形を示す図である。
【図3】本発明に係る絶縁欠陥検出装置の具体的な構成
を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る絶縁欠陥検出装置をフライバック
トランスに適用した場合を示す回路図である。
【図5】本発明に係る絶縁欠陥検出装置の別の具体的な
回路図である。
【図6】本発明に係る絶縁欠陥検出装置を使用した場合
の測定データを示す図である。従来のコロナ放電検出方
法による測定データを示す図である。
【図7】従来のコロナ放電検出方法による測定データを
示す図である。
【図8】本発明に係る絶縁欠陥検出装置を高圧トランス
に適用した場合を示す回路図である。
【図9】図8の実施例に係る絶縁欠陥検出装置の検出動
作を説明する図である。
【図10】本発明に係る絶縁欠陥検出装置を高圧コンデ
ンサ、電力ケーブル、絶縁碍子等に適用した場合を示す
図である。
【図11】本発明に係る絶縁欠陥検出装置の別の実施例
を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る絶縁欠陥検出装置の更に別の実
施例を示すブロック図である。
【図13】本発明に係る絶縁欠陥検出装置の更にまた別
の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
A 絶縁欠陥検出装置 1 充電回路 11 電源回路 111 直流電源 112 スイッチング回路 TR スイッチング素子 113 交流電源 12 スイッチ 2 放電回路 3 検出回路 31 検出抵抗 32 信号処理回路 321 フィルタ回路 322 オシロスコープ 324 増幅器 325 検波器 326 A/D変換器 327 中央処理装置 33 結合コンデンサ 34 検出インピーダンス 5 高電圧部品 Co 容量性成分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】特開昭63ー285478号公報は、検出
信号を遅延回路群により一定周期ずつ遅延し、それを合
成して一定周期のパルス群を作成し、表面弾性波デバイ
スを用いて、パルス群の周期と同一の周期をもつ高周波
との相関出力を得ることにより、外来雑音を除去する技
術を開示する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】放電回路は、容量性成分に蓄積された電荷
の放電経路を構成するように、高電圧部品に接続されて
いるから、高電圧部品の容量性成分に蓄積された電荷は
放電回路を通して放電される。放電回路による放電動作
は、充電回路が電力供給の動作を停止した後に行なわれ
る。このため、放電動作に伴って、容量性成分の充電電
圧が部品固有の時定数にしたがって徐々に変動(低下)
し、高電圧部品に絶縁欠陥があれば、前記充電電圧の変
動の過程で、絶縁欠陥部分に突発的に部分放電が発生す
る。このように、充電回路が電力供給の動作を停止した
状態で、容量性成分に蓄積された電荷を、放電回路を通
して放電するから、高電圧部品に含まれる容量性成分の
充電電圧の電圧変動が大きくなり、絶縁欠陥部分に部分
放電が発生し易くなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】検出回路3は、容量性成分Coに蓄積され
た電荷の放電中に発生する部分放電を検出して高電圧部
品5の絶縁欠陥を検出する。部分放電は電圧、電流、電
磁波等の電気信号または音響信号(以下、両者を総称し
て部分放電信号という。)により検出される。実施例の
検出回路3は、検出抵抗31と、信号処理回路32とを
有している。検出抵抗31は、高電圧部品5に接続さ
れ、片側は接地されており、検出抵抗31に流れる電流
を電圧に変換する。信号処理回路32は、フィルタ32
1と、オシロスコープ322とを有している。フィルタ
321は、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタ
で構成され検出信号に含まれる低周波数成分、即ち、高
電圧部品5の容量性成分Coに蓄積された電荷が放電さ
れる際の放電波形をカットし、部分放電信号だけを通過
させる。オシロスコープ322は、部分放電信号を観測
するために備えられている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】充電回路1は、時刻T1において、高電圧
部品5に電力を供給し始め、高電圧部品5の容量性成分
Coを充電する。これにより容量性成分Coに、静電容
量に応じた電荷が蓄積される。充電回路1は、時刻T2
において、高電圧部品5の容量性成分Coの充電を終了
し、電力供給の動作を停止する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】放電回路2は、容量性成分Coに蓄積され
た電荷の放電経路を構成するように、高電圧部品5に接
続されているから、高電圧部品5に蓄積された電荷は放
電回路2を通して放電される。放電回路2による放電動
作は、充電回路1が電力供給動作を停止した後に行なわ
れる。このため、放電動作に伴って、容量性成分Coが
充電されて生じた充電電圧が変動(低下)し、高電圧部
品5に絶縁欠陥があれば、充電電圧の変動の過程で絶縁
欠陥部分に部分放電が発生する。このように、容量性成
分Coに蓄積された電荷が放電している時は、充電回路
1が高電圧部品5に電力を供給することがないので、高
電圧部品5に含まれる容量性成分Coにおいて、その充
電電圧の電圧変動が大きくなり、絶縁欠陥部分に部分放
電が発生しやすくなる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】放電回路2による放電動作は、充電回路1
が電力供給の動作を停止した後に行なわれ、検出回路3
は容量性成分Coに蓄積された電荷の放電中に発生する
部分放電を検出して高電圧部品5の絶縁欠陥を検出する
から、ノイズ混入のない部分放電信号を検出できる。こ
のため、S/N比を著しく改善し、部分放電信号を高感
度で検出できるようになる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】電源回路11は、直流電源111とスイッ
チング回路112とを有している。スイッチング回路1
12は、フライバックトランス5をスイッチングする一
般的な回路であり、発振回路OSCと、励振回路PA
と、スイッチング素子TRと、ダンパダイオードDD
と、共振コンデンサC1とを有している。スイッチング
素子TRは、トランジスタ、FET等の半導体スイッチ
素子で構成される。発振回路OSCは例えば15.7k
Hzのパルスを出力する。励振回路PAは発振回路OS
Cから供給されたパルスを増幅し、スイッチング素子T
Rをスイッチングさせる。スイッチング素子TRのスイ
ッチ動作と、ダンパダイオードDD及び共振コンデンサ
C1との働きにより、入力巻線51に鋸歯状波電流が流
れ、入力巻線51の両端にフライバックパルスが発生す
る。スイッチ12は、直流電源111、入力巻線51及
びスイッチング素子TRで構成される回路ループに設け
られている。放電抵抗2は、出力巻線52、53の直列
回路に接続されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】上記の回路において、スイッチ12のオン
時に、入力巻線51に流れる電流が、スイッチング素子
TRによってスイッチングされる。スイッチング周波数
は発振回路OSCの発振周波数である。スイッチング素
子TRのスイッチング動作に伴い、フライバックトラン
ス5の出力巻線52、53にフライバックパルスが発生
し、このフライバックパルスによりフライバックトラン
ス5の容量性成分Coが充電される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】図6は本発明に係る絶縁欠陥検出装置を使
用した場合の測定データを示し、図7は特公昭57ー1
2350号公報に開示されたコロナ放電検出方法による
測定データを示してある。測定サンプルは、出力巻線が
整列巻された積層巻方式のフライバックトランスであ
る。サンプルNo.1はポリエステルでなる層間フィル
ムを用い、かつ、モールド樹脂の含浸レベルを良好にし
たもの、サンプルNo.2は接着性に優れた変性ポリフ
ェニレンエーテルでなる層間フィルムを用いたもの、サ
ンプルNo.3はポリエステルでなる層間フィルム用
い、モールド樹脂の含浸レベルを故意に不充分にしたも
のである。測定データは、充分に電荷を蓄積した後、蓄
積された電荷を1回放電させた時に生じる部分放電レベ
ル最大値(mv)と、放電発生頻度(回)を表示してあ
る。従来のコロナ放電検出方法による測定データは、フ
ライバックトランス5を10秒間連続駆動した場合の部
分放電レベル最大値(mv)と部分放電の発生頻度
(回)を示している。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】更に、サンプルN0.3の部分放電のレベ
ル最大値は75(mV)であり、従来技術におけるノイ
ズレベルの20(mV)に比して充分大きい。しかる
に、従来技術では絶縁欠陥を検出できなかった。これ
は、フライバックトランス5が常時駆動されているの
で、フライバックトランス5の出力電圧はほぼ一定に保
たれ、出力電圧の変動がなくなっていると共に、出力巻
線内部の電位差の変動が小さいためである。これに対し
て、本発明では、電力供給の動作を停止した後に、放電
回路2を通して容量性成分に蓄積された電荷を放電し、
それによって出力電圧を変動させ、出力電圧の変動によ
って出力巻線内部の電位差の変動を生じさせるため、絶
縁欠陥部分に確実に部分放電を生じさせることができ
る。このため、従来技術では検出できなかった絶縁欠陥
を確実に検出できるのである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】図9は図8の実施例に係る絶縁欠陥検出装
置の検出動作を説明する図である。図において、参照符
号dは出力巻線52に誘導された電圧の変化を示してい
る。変圧器5は、時刻T1において交流電源113が投
入され、時刻T2において交流電源113が遮断され
る。時刻T2以降は部分放電を測定する測定時間となっ
ている。掃引時間は、時刻T2の前後で異なり、説明の
都合上、時刻T2以降を拡大して示してある。次に図9
を参照して図8に示された絶縁欠陥検出装置の動作を説
明する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】本発明に係る絶縁欠陥検出装置を使用した場合
の測定データを示す図である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】本発明に係る絶縁欠陥検出装置を変圧器に適用
した場合を示す回路図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充電過程と、放電過程とを含み、容量性
    成分を含む高電圧部品の絶縁欠陥を検出する検出方法で
    あって、 前記充電過程は、前記高電圧部品の容量性成分を充電し
    た後、充電動作を停止する過程であり、 前記放電過程は、前記充電過程を終了した後に前記容量
    性成分に蓄積された電荷を放電させ、その放電中に発生
    する部分放電を検出することにより絶縁欠陥を放出する
    過程である絶縁欠陥検出方法。
  2. 【請求項2】 充電回路と、放電回路と、検出回路とを
    含み、容量性成分を含む高電圧部品の絶縁欠陥を検出す
    る絶縁欠陥検出装置であって、 前記充電回路は、前記高電圧部品に電力を供給し、前記
    高電圧部品の容量性成分を充電し、充電後に動作を停止
    し、電力供給を停止するものであり、 前記放電回路は、前記容量性成分に蓄積された電荷の放
    電経路を構成するように、前記高電圧部品に接続される
    ものであり、 前記検出回路は、前記容量性成分に蓄積された電荷の放
    電中に発生する部分放電を検出して、前記高電圧部品の
    絶縁欠陥を検出するものである絶縁欠陥検出装置。
  3. 【請求項3】 前記充電回路は、スイッチを含み、前記
    スイッチのオン、オフ動作により、前記高電圧部品に対
    する電力の供給及び停止の動作を行なう請求項2に記載
    の絶縁欠陥検出装置。
  4. 【請求項4】 前記高電圧部品は、フライバックトラン
    スでなり、 前記充電回路は、前記フライバックトランスの入力巻線
    に接続されるものであり、 前記放電回路は、前記フライバックトランスの出力巻線
    に接続されるものである請求項2または3に記載の絶縁
    欠陥検出装置。
  5. 【請求項5】 前記高電圧部品は、変圧器でなり、 前記充電回路は、前記変圧器の入力巻線に接続されるも
    のであり、 前記放電回路は、前記変圧器の出力巻線に接続されるも
    のである請求項2または3に記載の絶縁欠陥検出装置。
  6. 【請求項6】 前記高電圧部品は、高圧コンデンサ、電
    力ケーブルまたは絶縁碍子の何れかでなる請求項2また
    は3に記載の絶縁欠陥検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009115505A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Mitsubishi Electric Corp 巻線の検査装置及び検査方法
JP2012109114A (ja) * 2010-11-17 2012-06-07 Denso Corp 絶縁碍子の検査方法
CN111458673A (zh) * 2020-05-29 2020-07-28 国网山西省电力公司电力科学研究院 激光超声盆式绝缘子缺陷检测仪的评判电路及评判方法

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JP2012109114A (ja) * 2010-11-17 2012-06-07 Denso Corp 絶縁碍子の検査方法
CN111458673A (zh) * 2020-05-29 2020-07-28 国网山西省电力公司电力科学研究院 激光超声盆式绝缘子缺陷检测仪的评判电路及评判方法

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