JPH07280081A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JPH07280081A
JPH07280081A JP6610594A JP6610594A JPH07280081A JP H07280081 A JPH07280081 A JP H07280081A JP 6610594 A JP6610594 A JP 6610594A JP 6610594 A JP6610594 A JP 6610594A JP H07280081 A JPH07280081 A JP H07280081A
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Koichi Aoyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クラッチ接続するための変速時間を可変自在
とし、運転者の意図に反して発生する変速ショックをよ
り低減すること。 【構成】 オイルポンプ1から吐出された油が調圧弁2
でライン油圧PL に調圧され、電磁調圧弁6のIN側に
印加される。内燃機関の運転状態に応じて遷移する物理
量であるスロットル開度、車速及び自動変速機のタービ
ン回転数等の信号に基づき制御信号SCが算出される。
この制御信号SCが電磁調圧弁6に入力されることで、
調圧弁2側から電磁調圧弁6のIN側に印加されている
ライン油圧PL が電磁調圧弁6のOUT側からクラッチ
7に印加されるクラッチ油圧PC に直接に調圧される。
これにより、クラッチ油圧PC の変動時間が変更自在と
なり、変速ショックが低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の油圧制御
装置に関するもので、特に、自動変速機の変速ショック
低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機の油圧制御装置に関連
する先行技術文献としては、特開平2−203068号
公報にて開示されたものが知られている。
【0003】このものにおける油圧制御系の一系統の概
略構成は、図12に示すようなブロック図にて表され
る。なお、図12では、電気信号経路が破線、油圧経路
が実線にてそれぞれ図示されている。
【0004】図12において、1はオイルポンプ、2は
調圧弁であり、オイルポンプ1からの油圧経路が調圧弁
2のIN側に接続されている。3はECU(Electronic
Control Unit:電子制御装置)であり、ECU3には内
燃機関の運転状態に応じて遷移するスロットル開度、車
速及び自動変速機のタービン回転数等の物理量を表す信
号が入力されている。4はON/OFFソレノイドであ
り、ON/OFFソレノイド4のIN側は調圧弁2のO
UT側からの油圧経路と接続されている。このON/O
FFソレノイド4にはECU3からの制御信号が入力さ
れている。また、5はアキュムレータであり、アキュム
レータ5のIN側はON/OFFソレノイド4のOUT
側からの油圧経路と接続されている。更に、6は電磁調
圧弁であり、電磁調圧弁6のIN側は調圧弁2のOUT
側からのON/OFFソレノイド4との油圧経路とは別
の油圧経路と接続されている。電磁調圧弁6のOUT側
からの油圧経路はアキュムレータ5の背圧側に接続され
ている。また、電磁調圧弁6にはECUからの制御信号
が入力されている。更にまた、7は摩擦要素を構成する
クラッチであり、アキュムレータ5のOUT側からの油
圧経路と接続されている。
【0005】オイルポンプ1から吐出された油が調圧弁
2でライン油圧PL に調圧される。ここで、内燃機関の
運転状態に応じて遷移するスロットル開度、車速及び自
動変速機のタービン回転数等の物理量に基づくECU3
の判定にて、ON/OFFソレノイド4が選択的に開/
閉作動される。ECU3からの信号によりON/OFF
ソレノイド4がONとされると調圧弁2で調圧された2
系統のうちの一方のライン油圧PL1がON/OFFソレ
ノイド4を通過してクラッチ油圧PC としてアキュムレ
ータ5のIN側に印加される。また、ECU3からの信
号SLAにより電磁調圧弁6が作動される。すると、調
圧弁2で調圧された2系統のうちの他方のライン油圧P
L2が電磁調圧弁6を通過して所定油圧Pa とされアキュ
ムレータ5の背圧側に印加される。なお、アキュムレー
タ5は、背圧側に印加される圧力(所定油圧Pa )及び
内蔵されたスプリング等の弾性作用を利用し、IN側の
圧力上昇に対してOUT側のクラッチ7へのクラッチ油
圧PC ′の圧力上昇を緩やかとするものである。これに
より、図13にクラッチ油圧PC ′〔kg/cm2〕を
上昇させるときのタイムチャートを示すように、所定の
制御範囲内において、圧力上昇を制御することが可能と
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したも
のでは、クラッチ油圧の上昇に際して急激な油圧上昇を
防止し変速ショックを低減するためアキュムレータを用
いているが、アキュムレータの背圧側への印加圧力制御
のみでは精度良く所定のクラッチ油圧に設定したり、油
圧制御範囲を広くすることは無理であり、変速ショック
低減には限界があった。
【0007】そこで、この発明は、かかる不具合を解決
するためになされたもので、クラッチ接続するための変
速時間を可変自在とすることにより、運転者の意図に反
して発生する変速ショックをより低減することができる
自動変速機の油圧制御装置の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる自動変
速機の油圧制御装置は、内燃機関の運転状態に応じて遷
移する物理量の変化速度を検出する検出手段と、複数の
変速段の歯車列間に配設された摩擦要素の作動圧を直接
電子的に制御して結合状態を制御自在な結合状態制御手
段と、前記検出手段で検出された前記変化速度に基づい
て前記結合状態制御手段による前記作動圧の変動時間を
適宜変更する作動圧制御手段とを具備するものである。
【0009】請求項2にかかる自動変速機の油圧制御装
置は、請求項1の具備する手段に加えて、前記作動圧制
御手段が、前記検出手段で検出された前記変化速度に基
づいて制御信号の初期値を設定し前記作動圧を制御する
ものである。
【0010】請求項3にかかる自動変速機の油圧制御装
置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加え
て、前記作動圧制御手段が、シフトアップ時において前
記検出手段で検出された前記変化速度が遅いほど前記作
動圧の変動時間を長くするものである。
【0011】請求項4にかかる自動変速機の油圧制御装
置は、請求項2の具備する手段に加えて、前記作動圧制
御手段が、シフトダウン時の変速段における最終タービ
ン回転数に対して所定値だけ低いタービン回転数に至っ
たのちでは前記作動圧を制御する制御信号を前記初期値
に替えて前記検出手段で検出された前記変化速度に基づ
く補正値とするものである。
【0012】
【作用】請求項1においては、内燃機関の運転状態に応
じて遷移する物理量が検出手段で検出され、その変化速
度に基づいて作動圧制御手段で、複数の変速段の歯車列
間に配設された摩擦要素の結合状態を制御する結合状態
制御手段による作動圧が直接電子的に制御され、その作
動圧の変動時間が適宜変更される。このため、運転状態
に応じて要求される作動圧の変動が得られる。
【0013】請求項2の自動変速機の油圧制御装置の作
動圧制御手段は、請求項1の作用に加えて、変速判断さ
れたのちでは、検出手段で検出された変化速度に基づい
て制御信号の初期値が設定され作動圧が制御される。こ
のため、そのときの運転状態が的確に初期の作動圧に反
映される。
【0014】請求項3の自動変速機の油圧制御装置の作
動圧制御手段は、請求項1または請求項2の作用に加え
て、シフトアップ時における検出手段で検出された変化
速度が遅いほど作動圧の変動時間が長くされ、摩擦要素
の結合状態がゆっくりと制御される。
【0015】請求項4の自動変速機の油圧制御装置の作
動圧制御手段は、請求項2の作用に加えて、シフトダウ
ン時の変速段での最終タービン回転数に対して所定値だ
け低いタービン回転数に至ったのちでは、制御信号の初
期値による作動圧から検出手段で検出された変化速度に
基づく補正値による作動圧とされ、変速終了間際の作動
圧の変動時間が延長される。
【0016】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。
【0017】図1は本発明の一実施例にかかる自動変速
機の油圧制御装置における油圧制御系の一系統の概略構
成を示すブロック図であり、電気信号経路が破線、各油
圧経路が実線にてそれぞれ図示されている。なお、前述
の従来装置と同様の構成または相当部分からなるものに
ついては同一符号及び同一記号を付して示す。
【0018】図1において、1はオイルポンプ、2は調
圧弁であり、オイルポンプ1からの油圧経路が調圧弁2
のIN側に接続されている。3はECUであり、ECU
3には内燃機関の運転状態に応じて遷移する物理量であ
るスロットル開度、車速及び自動変速機のタービン回転
数等の信号が入力されている。また、6は電磁調圧弁で
あり、電磁調圧弁6のIN側は調圧弁2のOUT側から
の油圧経路と接続されている。そして、ECU3からの
制御信号SCが電磁調圧弁6に入力されている。更に、
7は摩擦要素を構成するクラッチであり、電磁調圧弁6
のOUT側からの油圧経路が接続されている。
【0019】オイルポンプ1から吐出された油が調圧弁
2でライン油圧PL に調圧される。調圧弁2で調圧され
たライン油圧PL が電磁調圧弁6のIN側に印加され
る。スロットル開度、車速及び自動変速機のタービン回
転数等の信号に基づきECU3で算出された制御信号S
Cが電磁調圧弁6に入力される。そして、電磁調圧弁6
が制御信号SCで制御されることで、調圧弁2側から電
磁調圧弁6のIN側に印加されているライン油圧PL が
電磁調圧弁6のOUT側からクラッチ7に印加されるク
ラッチ油圧PC に調圧される。
【0020】図4は本発明の一実施例にかかる自動変速
機の油圧制御装置におけるシフトアップ時の変速判断が
発生した場合の状況を示すタイムチャートである。な
お、スロットル開度TAのスロットル開度変化速度が速
いときの挙動を実線で示し、スロットル開度変化速度が
遅いときの挙動を破線で示す。
【0021】図4において、変速判断(本実施例では、
2ndから3rdへのシフトアップ)がt1 時点でなされる
と、図5に示すマップに基づき、t1 時点のスロットル
開度TAの傾き成分(微分値)であるスロットル開度変
化速度に対する電磁調圧弁6の制御信号SCの初期値F
DUTが設定される。即ち、制御信号SCの初期値FD
UTは、スロットル開度TAの傾きの絶対値が急峻であ
ると小さく、スロットル開度TAの傾きの絶対値が緩や
かであると大きく設定される。そして、タービン回転数
NTの変化開始のt2 時点またはt3 時点から変化終了
時点までの時間が目標変速時間THとなるようにクラッ
チ油圧PC がF/B制御される。つまり、図6に示すマ
ップに基づき、t1 時点のスロットル開度変化速度に対
するタービン回転数NTの目標変速時間THが設定され
る。即ち、タービン回転数NTの目標変速時間THは、
スロットル開度TAの傾きの絶対値が急峻であると小さ
く、スロットル開度TAの傾きの絶対値が緩やかである
と大きく設定される。ここで、電磁調圧弁6の制御信号
SCのデューティ比とクラッチ油圧PC との関係は図7
にその特性図を示すように、制御信号SCのデューティ
比が0の近傍ではクラッチ油圧PC が高く、制御信号S
Cのデューティ比がある大きさ以上となると、その制御
信号SCの増加に反比例してクラッチ油圧PC が徐々に
下降し、制御信号SCのデューティ比が100%でクラ
ッチ油圧PC が0となる特性を有している。
【0022】このように、電磁調圧弁6でクラッチ油圧
PC が直接、ECU3からの信号で電子的に制御される
ことで、シフトアップ時のクラッチ油圧PC 〔kg/c
2〕の制御範囲は、図8に示すように、クラッチ油圧
PC が従来の制御範囲(図13のタイムチャートに示さ
れた制御範囲)と比較してより低域側から緩やかに制御
自在となり、その油圧制御範囲を拡大することができる
ため、油圧制御のための変速時間も長くとることが自在
となる。
【0023】図9は本発明の一実施例にかかる自動変速
機の油圧制御装置におけるキックダウン時及びシフトダ
ウン時の変速判断が発生した場合の状況を示すタイムチ
ャートである。なお、スロットル開度TAが急激な踏込
みにより開側変化してシフトダウンを行うとき、即ち、
キックダウン時の挙動を実線で示し、スロットル開度T
Aが緩やかに閉側変化するときの通常のシフトダウン時
の挙動を破線で示す。
【0024】図9において、変速判断(本実施例では、
3rdから2ndへのキックダウンまたは通常のシフトダウ
ン)がt11時点でなされると、図10に示すマップに基
づき、t11時点のスロットル開度TAの傾き成分(微分
値)であるスロットル開度変化速度に対する電磁調圧弁
6の制御信号SCの初期値FDUTが設定される。即
ち、制御信号SCの初期値FDUTは、スロットル開度
TAの傾きの絶対値が急峻であると大きく、スロットル
開度TAの傾きの絶対値が緩やかであると小さく設定さ
れる。そして、タービン回転数NTの変化開始のt12時
点またはt14時点からクラッチ油圧PC が制御される。
【0025】ここで、通常のシフトダウンにおいては、
変化途中のタービン回転数NTとその最終回転数との差
が予め設定された所定値以下となるt15時点で、図11
に示すマップに基づき、t11時点のスロットル開度変化
速度に対する補正値が設定され、電磁調圧弁6の制御信
号SCが初期値FDUTから小さめの補正値に変更され
る。このため、クラッチ油圧PC の下降がその変更分だ
け遅くされ、シフトダウン時の変速ショックが低減され
る。
【0026】次に、本発明の一実施例にかかる自動変速
機の油圧制御装置で使用されているECU3のシフトア
ップ時の処理手順を図2及び図3のフローチャートに基
づき、上述した図4のタイムチャート、図5及び図6を
参照して説明する。
【0027】《電磁調圧弁制御メインルーチン:図2参
照》ステップS101で、そのときの車速とスロットル
開度とが読込まれ、予め記憶されているマップ(図示
略)に基づいて変速判断有りかが判定される。ステップ
S101で、変速判断有り(図4のt1 時点)のときに
はステップS102に移行し、読込まれたスロットル開
度の前回値と今回値との差分であるスロットル開度変化
量ΔTAが算出される。次にステップS103に移行し
て、図5に示すマップに基づきスロットル開度変化量Δ
TAに基づくスロットル開度変化速度に対する電磁調圧
弁6の制御信号SCの初期値FDUTが設定される。次
にステップS104に移行して、図6に示すマップに基
づきスロットル開度変化速度に対する目標変速時間TH
が設定され、ステップS105に移行する。一方、ステ
ップS101で、変速判断なしのときには、ステップS
102〜ステップS104がスキップされて、ステップ
S105に移行する。ステップS105では、変速中で
あるかが判定され、変速中でなければ本プログラムを終
了する。
【0028】一方、ステップS105で変速中であると
ステップS106に移行し、F/B(フィードバック)
期間中かが判定される。この油圧F/B制御期間では、
図6に示すタービン回転数NTの目標変速時間THが達
成されるように電磁調圧弁6の制御信号SC、即ち、ク
ラッチ油圧PC が読込まれるタービン回転数NTでフィ
ードバック制御される。ステップS106でF/B期間
中であるかが判定され、変速中であってF/B期間中で
ないならば、ステップS107に移行し、図5のマップ
から算出される初期値FDUTを制御値SCとし、ステ
ップS112に移行する。
【0029】一方、ステップS106で、F/B期間中
であるときには、ステップS108に移行し、1回目、
即ち、F/B制御開始直後であるかが判定される。ステ
ップS108の判定が成立するときにはステップS10
9に移行し、出力回転数NOに変速後のギヤ比iAを乗
算して現在のタービン回転数NTから減算することによ
りタービン回転数変化量DNTが算出される。次にステ
ップS110に移行して、ステップS109で算出され
たタービン回転数変化量DNTを目標変速時間THで除
算して目標タービン回転数変化TDNTが算出される。
なお、ステップS108の判定が成立しないときには、
ステップS109及びステップS110の処理がスキッ
プされる。次にステップS111に移行して、ステップ
S109で算出されたタービン回転数変化量DNTがス
テップS110で算出された目標タービン回転数変化T
DNTとなるように後述のPID制御されたのち、ステ
ップS112に移行し、そのPID制御後の制御値SC
が出力され、本ルーチンを終了する。
【0030】〈PID制御サブルーチン:図3参照〉次
に、上述のステップS111のPID制御サブルーチン
について説明する。
【0031】ステップS201で、現状のタービン回転
数変化量NDNTが今回のタービン回転数NTNEW から
前回のタービン回転数NTOLD を減算して算出される。
次にステップS202に移行して、今回の偏差であるE
RRNEW がステップS201で算出されたタービン回転
数変化量NDNTからステップS110で算出された目
標タービン回転数変化率TDNTを減算して算出され
る。次にステップS203に移行して、ステップS20
2で算出された偏差ERRNEW に対するPID制御の各
補正項(ΔP:比例項、ΔI:積分項、ΔD:微分項)
が次式(1)〜(3)により算出される。
【0032】 ΔP=KP ×ERRNEW ・・・(1) ΔI=KI ×∫ERRNEW dt ・・・(2) ΔD=KD ×(ERRNEW −ERROLD ) ・・・(3) なお、KP ,KI ,KD は各補正項算出のためのゲイン
であり、ERROLD は前回の偏差である。これらの各補
正項に基づき制御補正量ΔSCが次式(4)により算出
される。
【0033】 ΔSC=ΔP+ΔI+ΔD ・・・(4) 次にステップS204に移行して、今回のタービン回転
数NTNEW を前回のタービン回転数NTOLD 、今回の偏
差ERRNEW を前回の偏差ERROLD 、また、今回の制
御値SCを前回の制御値SCOLD としてそれぞれ記憶し
たのち、ステップS205に移行する。ステップS20
5では、制御値SCが前回の制御値SCOLD にステップ
S203で算出された制御補正量ΔSCを加算して算出
される。
【0034】上述の制御が実行されることで、図4に示
すように、スロットル開度TAの変化速度の大小、即
ち、運転者がアクセルペダルを踏む速度が速いときには
目標変速時間がt1 時点からt4 時点までと短く、運転
者がアクセルペダルを踏む速度が遅いときには目標変速
時間がt1 時点からt5 時点までと長くされる。このた
め、シフトアップ時においては、運転者にて滑らかな運
転状態が要求されているほど変速ショックが低減される
こととなる。
【0035】ここで、上述のステップS101の変速判
断においてキックダウン時と判定されたときには、この
ルーチンから抜出し、図9に示すタイムチャートのt11
時点の最初から、電磁調圧弁6の制御信号SCのデュー
ティ比が100%とされてクラッチ油圧PC が最大限に
素早く制御される。即ち、この場合には、運転者は変速
ショック発生を予期しており変速時間をできる限り少な
くしてクラッチ7が接続され、変速ショックを覚悟した
上での俊敏な変速を得るようにされるのである。
【0036】また、上述のステップS101の変速判断
においてシフトダウン時と判定されたときには、このル
ーチンから抜出し、図9に示すタイムチャートのt11時
点の最初から、図示しない別ルーチンで図10のマップ
から電磁調圧弁6の制御信号SCの初期値FDUTが算
出され、電磁調圧弁6の制御信号SCとされる。そし
て、タービン回転数がシフトダウン時の変速段における
最終タービン回転数に対して所定値だけ低いタービン回
転数に到達したかが判定され、この到達後は図11のマ
ップから補正値が算出され、電磁調圧弁6の制御信号S
Cとされる。このため、変速時間がやや長くされると共
にクラッチ7の最終的な結合時に生じる変速ショックが
電磁調圧弁6の制御信号SCの補正値によるクラッチ油
圧PC の下降時間の延長により低減される。
【0037】このように、本実施例の自動変速機の油圧
制御装置は、内燃機関の運転状態に応じて遷移する物理
量のうちスロットル開度TAの変化速度を検出するEC
U3にて達成される検出手段と、複数の変速段の歯車列
間に配設されたクラッチ7からなる摩擦要素のクラッチ
油圧PC である作動圧を直接電子的に制御して結合状態
を制御自在な電磁調圧弁6からなる結合状態制御手段
と、前記検出手段で検出された前記変化速度に基づいて
前記結合状態制御手段による前記作動圧の変動時間を適
宜変更するECU3にて達成される作動圧制御手段とを
具備するものであり、これを請求項1の実施例とするこ
とができる。
【0038】したがって、スロットル開度TAがECU
3にて達成される検出手段で検出され、その変化速度に
基づいてECU3にて達成される作動圧制御手段で、複
数の変速段の歯車列間に配設されたクラッチ7からなる
摩擦要素の結合状態を制御する電磁調圧弁6からなる結
合状態制御手段による作動圧PC が直接、ECU3から
の制御信号SCで電子的に制御され、その作動圧PC の
変動時間が適宜変更される。
【0039】故に、運転状態に応じて要求される作動圧
の変動が得られ、変速ショックが的確に低減される。
【0040】また、本実施例の自動変速機の油圧制御装
置のECU3にて達成される作動圧制御手段は、ECU
3にて達成される検出手段で検出された内燃機関の運転
状態に応じて遷移する物理量のうちスロットル開度TA
の変化速度に基づいて制御信号SCの初期値FDUTを
設定し前記作動圧を制御するものであり、これを請求項
2の実施例とすることができる。
【0041】したがって、変速判断されたのちでは、検
出手段で検出されたスロットル開度TAの変化速度に基
づいてECU3の制御信号SCの初期値FDUTが設定
され作動圧PC が制御される。
【0042】故に、運転状態が初期の作動圧に反映され
ることで、その後の作動圧の変動時間の変更が的確とな
り最終的に要求を満足する変速ショック低減が可能とな
る。
【0043】また、本実施例の自動変速機の油圧制御装
置のECU3にて達成される作動圧制御手段は、シフト
アップ時においてECU3にて達成される検出手段で検
出された内燃機関の運転状態に応じて遷移する物理量の
うちスロットル開度TAの変化速度が遅いほど作動圧P
C の変動時間を長くするものであり、これを請求項3の
実施例とすることができる。
【0044】したがって、シフトアップ時における検出
手段で検出されたスロットル開度TAの変化速度が遅い
ほど作動圧PC の変動時間が長くされることとなる。
【0045】故に、滑らかな運転状態が要求されている
ときほど変速ショック低減割合が大きくされることとな
りドライバビリティ(Drivability)が向上する。
【0046】また、本実施例の自動変速機の油圧制御装
置のECU3にて達成される作動圧制御手段は、シフト
ダウン時の変速段における最終タービン回転数NTに対
して所定値だけ低いタービン回転数NTに至ったのちで
は作動圧PC を制御する制御信号SCを初期値FDUT
に替えてECU3にて達成される検出手段で検出された
内燃機関の運転状態に応じて遷移する物理量のうちスロ
ットル開度TAの変化速度に基づく補正値とするもので
あり、これを請求項4の実施例とすることができる。
【0047】したがって、シフトダウン時の変速段での
最終タービン回転数NTに対して所定値だけ低いタービ
ン回転数NTに至ったのちでは、制御信号SCの初期値
FDUTによる作動圧PC から検出手段で検出されたス
ロットル開度TAの変化速度に基づく補正値による作動
圧PC とされる。
【0048】故に、変速ショック発生に大きく影響する
変速終了間際の作動圧の変動時間が延長され、その変速
ショックが低減される。
【0049】ところで、上述の実施例では内燃機関の運
転状態に応じて遷移する物理量としてスロットル開度T
Aの変化速度であるスロットル開度変化速度に基づいて
クラッチ油圧PC を制御しているが、この他、物理量と
して吸入空気量や機関回転数等の変化速度を用いて同様
の制御を行うことで、同様の作用・効果を得ることがで
きる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の自動変
速機の油圧制御装置によれば、内燃機関の運転状態に応
じて遷移する物理量が検出手段で検出され、その変化速
度に基づいて作動圧制御手段で、複数の変速段の歯車列
間に配設された摩擦要素の結合状態を制御する結合状態
制御手段による作動圧が直接電子的に制御され、その作
動圧の変動時間が適宜変更される。これにより、運転状
態に応じて要求されている作動圧の変動、即ち、運転者
の意図を反映して変速時間が設定され変速ショックの低
減が実施される。
【0051】請求項2の自動変速機の油圧制御装置によ
れば、請求項1の効果に加えて、作動圧制御手段で変速
判断されたのちでは、検出手段で検出された変化速度に
基づいて制御信号の初期値が設定され作動圧が制御され
る。これにより、運転状態が初期の作動圧に反映され、
その後の作動圧の変動時間の変更が的確となり最終的に
要求される変速ショック低減を満足することができる。
【0052】請求項3の自動変速機の油圧制御装置によ
れば、請求項1または請求項2の効果に加えて、作動圧
制御手段でシフトアップ時における検出手段で検出され
た変化速度が遅いほど作動圧の変動時間が長くされ、摩
擦要素の結合状態がゆっくりと制御される。これによ
り、滑らかな運転状態が要求されているときほど変速シ
ョックの低減割合が大きくなり、ドライバビリティを向
上することができる。
【0053】請求項4の自動変速機の油圧制御装置によ
れば、請求項2の効果に加えて、作動圧制御手段でシフ
トダウン時の変速段での最終タービン回転数に対して所
定値だけ低いタービン回転数に至ったのちでは、制御信
号の初期値による作動圧から検出手段で検出された変化
速度に基づく補正値による作動圧とされ、変速終了間際
の作動圧の変動時間が延長されることで変速ショックを
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置における油圧制御系の一系統の概略構成を
示すブロック図である。
【図2】図2は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置で使用されているECUのシフトアップ時
の電磁調圧弁メインルーチンの処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図3】図3は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置で使用されているECUのPID制御サブ
ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置におけるシフトアップ時の変速判断が発生
した場合の状況を示すタイムチャートである。
【図5】図5は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置のシフトアップ時において用いられるスロ
ットル開度変化速度と電磁調圧弁制御信号の初期値FD
UTとの関係を示すマップである。
【図6】図6は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置のシフトアップ時において用いられるスロ
ットル開度変化速度と目標変速時間THとの関係を示す
マップである。
【図7】図7は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置における電磁調圧弁制御信号SCとクラッ
チ油圧PC との関係を示す特性図である。
【図8】図8は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置のシフトアップ時におけるクラッチ油圧P
C の制御範囲を示すタイムチャートである。
【図9】図9は本発明の一実施例にかかる自動変速機の
油圧制御装置におけるキックダウン時及びシフトダウン
時の変速判断が発生した場合の状況を示すタイムチャー
トである。
【図10】図10は本発明の一実施例にかかる自動変速
機の油圧制御装置のシフトダウン時において用いられる
スロットル開度変化速度と電磁調圧弁制御信号の初期値
FDUTとの関係を示すマップである。
【図11】図11は本発明の一実施例にかかる自動変速
機の油圧制御装置のシフトダウン時において用いられる
スロットル開度変化速度と補正値との関係を示すマップ
である。
【図12】図12は従来の自動変速機の油圧制御装置に
おける油圧制御系の一系統の概略構成を示すブロック図
である。
【図13】図13は従来の自動変速機の油圧制御装置の
シフトアップ時におけるクラッチ油圧PC の制御範囲を
示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 オイルポンプ 2 調圧弁 3 ECU 6 電磁調圧弁 7 クラッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態に応じて遷移する物
    理量の変化速度を検出する検出手段と、 複数の変速段の歯車列間に配設された摩擦要素の作動圧
    を直接電子的に制御して結合状態を制御自在な結合状態
    制御手段と、 前記検出手段で検出された前記変化速度に基づいて前記
    結合状態制御手段による前記作動圧の変動時間を適宜変
    更する作動圧制御手段とを具備することを特徴とする自
    動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記作動圧制御手段は、前記検出手段で
    検出された前記変化速度に基づいて制御信号の初期値を
    設定し前記作動圧を制御することを特徴とする請求項1
    に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記作動圧制御手段は、シフトアップ時
    において前記検出手段で検出された前記変化速度が遅い
    ほど前記作動圧の変動時間を長くすることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の自動変速機の油圧制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記作動圧制御手段は、シフトダウン時
    の変速段における最終タービン回転数に対して所定値だ
    け低いタービン回転数に至ったのちでは前記作動圧を制
    御する制御信号を前記初期値に替えて前記検出手段で検
    出された前記変化速度に基づく補正値とすることを特徴
    とする請求項2に記載の自動変速機の油圧制御装置。
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