JPH07279767A - 気化器に於ける燃料計量装置 - Google Patents

気化器に於ける燃料計量装置

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Publication number
JPH07279767A
JPH07279767A JP9303194A JP9303194A JPH07279767A JP H07279767 A JPH07279767 A JP H07279767A JP 9303194 A JP9303194 A JP 9303194A JP 9303194 A JP9303194 A JP 9303194A JP H07279767 A JPH07279767 A JP H07279767A
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JP
Japan
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jet
needle
nitriding
fuel metering
fuel
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Pending
Application number
JP9303194A
Other languages
English (en)
Inventor
Isamu Sasao
勇 笹尾
Toshinobu Kamioka
敏延 上岡
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Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Application filed by Keihin Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Keihin Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP9303194A priority patent/JPH07279767A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 燃料計量精度の経時変化の少ない耐久性の優
れた気化器の燃料計量装置を得る。 【構成】 燃料計量用のジエットニードル17と燃料噴
射用のニードルジエット18とよりなる燃料計量装置に
おいて、ジエットニードル17とニードルジエット18
との材質及び処理を次の如く組合せ使用する。ニードル
ジエット18は、クロムモリブデン鋼に窒化処理、若し
くはステンレス鋼に窒化処理して形成し、ジエットニー
ドル17は、ニッケル−ボロンメッキ処理したもの、又
は、ニッケル−燐メッキ処理皮膜内にセラミック微粒子
を共析、若しくは超微粒ダイヤモンドを共析したもの、
又は、クロムモリブデン鋼に窒化処理、若しくはステン
レス鋼に窒化処理したもの、又は、鉄系材料に窒化コー
ティング処理したものが使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関へ供給する混合気
の量及び濃度を制御する気化器に関し、そのうち特に、
気化器本体を貫通する吸気路内を昇降する摺動弁に装着
された燃料計量用のジエットニードルと、吸気路内に開
口されて前記ジエットニードルが挿入される燃料噴出用
のニードルジエットとからなる気化器に於ける燃料計量
装置に関するもので、かかる燃料計量装置は摺動絞り弁
式気化器、或は定真空式気化器に用いられる。
【0002】
【従来の技術】燃料計量精度が高く、ジエットニードル
のニードルジエットに対する組付が容易で且つ燃料計量
精度の経時変化の少ない耐久性の優れた気化器の燃料計
量装置として本件出願人等の出願になる特公昭54−2
5979号がある。これは、ジエットニードルを軟材硬
質化若しくは硬質線材をもって構成し、ニードルジエッ
トを黄銅等の快削性金属より形成して、それにニッケル
−燐メッキ処理を施したものであり、フローティング機
能を有するジエットニードルにあって、ジエットニード
ルとニードルジエットとの叩き合い、上下摺動に伴なう
摩耗の発生を抑止したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる気化器に於ける
燃料計量装置において、近年従来にも増して経時変化の
少ない耐久性の優れた燃料計量装置が望まれる。これ
は、主に次の理由によるものである。世界的な省資
源、省エネルギーの観点から、気化器が搭載されるオー
トバイ等の耐久寿命が大幅に延びたもので、これによる
と、ジエットニードルとニードルジエットによる燃料計
量精度の保証経時時間(いいかえるとオートバイの走行
距離に相当)を従来以上に大きく延ばす必要があり、長
期に渡って安定して且つ正確なる燃料制御を行なうこと
が要求される。特に都市部における環境問題の観点か
らオートバイにおける有害排気ガス排出規制(エミッシ
ョン規制という)はますますきびしさを増す傾向にあ
り、例えばエミッションレベルにおける耐久保証は従来
の2倍の20,000Km以上にも延びることが予測さ
れる。50ccから150cc程度の比較的小排気量
の単気筒機関が搭載されるオートバイ等にあっては、摺
動弁は高開度域に開放されて使用される頻度が高い。こ
れは機関の排気量が比較的小であって、機関の出力が小
であるにも拘らず、急加速運転あるいは車速40Km/
H以上の中高速運転がよく行なわれるからである。一
方、機関に生起する振動は、車速40Km/Hを越える
摺動弁の高開度域において急激に高まり、又、摺動弁の
高開度域において、吸気路内には大きな吸気脈動が発生
する。以上によると、ジエットニードルとニードルジエ
ットとの叩き、摺動は極めてきびしい条件下にさらされ
るもので、燃料計量装置の耐摩耗性の一層の向上が望ま
れるものである。
【0004】本発明は前記課題に鑑み成されたもので、
ジエットニードルとニードルジエットとによる燃料計量
精度の経時変化の少ない耐久性の優れた気化器の燃料計
量装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、気化器本体を
貫通する吸気路内を昇降する摺動弁に燃料計量用のジエ
ットニードルを装着し、該ジエットニードルを吸気路内
に開口する燃料噴出用のニードルジエット内に挿入した
気化器において、前記、ニードルジエットを、クロムモ
リブデン鋼に窒化処理若しくはステンレス鋼に窒化処理
して形成し、前記、ジエットニードルを、ニッケル−燐
メッキ処理可能な材料に、ニッケル−ボロンメッキ処理
をした点に第1の特徴がある。
【0006】又、本発明は、前記、ニードルジエット
を、クロムモリブデン鋼に窒化処理若しくはステンレス
鋼に窒化処理して形成し、前記、ジエットニードルを、
ニッケル−燐メッキ処理可能な材料に、ニッケル−燐メ
ッキ処理皮膜内にセラミック微粒子を共析、若しくは超
微粒ダイヤモンドを共析させた点に第2の特徴がある。
【0007】又、本発明は、前記、ニードルジエット
を、クロムモリブデン鋼に窒化処理若しくはステンレス
鋼に窒化処理して形成し、前記、ジエットニードルを、
クロムモリブデン鋼に窒化処理若しくはステンレス鋼に
窒化処理した点に第3の特徴がある。
【0008】又、本発明は前記、ニードルジエットを、
クロムモリブデン鋼に窒化処理若しくはステンレス鋼に
窒化処理して形成し、前記、ジエットニードルを、鉄系
材料に窒化チタンコーティング処理した点に第4の特徴
がある。
【0009】
【実施例】以下、本発明になる気化器に於ける燃料計量
装置の一実施例を図1により説明する。1は、内部を側
方に向かって吸気路2が貫通した気化器本体であり、吸
気路2の中間部より上方に向かって摺動弁案内筒3が連
設され、その上部は開口される。4は気化器本体1の下
方に配置された浮子室本体であり、気化器本体1の下方
凹部と浮子室本体4とにより浮子室5が形成され、浮子
室5内には、バルブシート6、フロートバルブ7、フロ
ート8の協同作用によって一定なる燃料液面が形成され
る。9は摺動弁案内筒3内に移動自在に配置される摺動
弁としての負圧作動弁であり、摺動弁9の上端には傘状
のダイヤフラムよりなる区画体13が取着されるもの
で、この区画体13の環状の外周部を気化器本体1の上
方鍔部1Aとトップ10とによって挟持することによ
り、区画体13の上側面とそれをおおうトップ10とに
より受圧室11が形成され、区画体13の下側面とそれ
に対向する気化器本体1の上方凹部1Bとにより大気圧
室12が形成される。尚、14は摺動弁9の下底部に開
口された負圧導入孔であり、この負圧導入孔14を介し
て吸気路2内の負圧が受圧室11内へ導入される。15
は摺動弁9より下流側の吸気路内に配置された絞り弁、
16は摺動弁9を下方に向けて押圧するスプリングであ
る。
【0010】17は適当なフローティングが与えられて
摺動弁9に装着された燃料計量用のジエットニードルで
あり、摺動弁9の下底部より下方に向けて突出し、吸気
路2内に開口する燃料噴出用のニードルジエット18内
に挿入される。このニードルジエット18はミキシング
ノズル19、主燃料ジエット20を介して浮子室5内の
一定燃料液面下に連絡される。燃料計量装置はジエット
ニードル17、ニードルジエット18によって構成され
る。
【0011】以上は、従来公知の定真空式気化器であ
り、機関が運転されることによって、吸気路2内に生起
する負圧は、負圧導入孔14を介して受圧室11内へ導
入されるもので、受圧室11内の負圧とスプリング16
のバネ力とが釣り合う位置迄摺動弁9が移動して摺動弁
9の開度が設定される。そして、この摺動弁9の移動に
よると、ジエットニードル17もまた摺動弁9と同期し
て移動し、ジエットニードル17とニードルジエット1
8とによって燃料を計量する所望の燃料間隙が形成され
る。
【0012】そして、前記目的を達成する為に、燃料計
量装置を構成するジエットニードル17とニードルジエ
ット18との材質及び処理は以下の経過によって特定さ
れた。まず、ニードルジエット18として図2に示す1
0種類の試料が用意された。一方、ジエットニードル1
7として図3に示す14種類の試料が用意された。ニー
ドルジエット18の試料5から試料8の窒化処理は、鉄
鋼材料の表面層に窒素を拡散させて表面層を硬化する処
理方法であり、ガス窒化、イオン窒化方法によって処理
される。ガス窒化は、アンモニア雰囲気中で適当な温度
で適当な時間加熱して表面層に窒素を拡散させるもの
で、イオン窒化は窒素と水素の混合ガスの減圧雰囲気中
で炉体を陽極、加工材料を陰極として電圧を加え、材料
の表面にグロー放電を発生させガスのイオン化と部品の
加熱を行い、適当な温度で適当な時間加熱して表面層に
窒素を拡散させるものである。かかる窒化加工が行なわ
れる材料としては、アルミニウムクロムモリブデン鋼
(SACM645)、ニッケルクロムモリブデン鋼(S
UCM)、クロムモリブデン鋼(SCM)、ステンレス
鋼(SUS304、430、440等)、耐熱鋼棒(S
UH)、快削鋼(SUM)等がある。本試料にあっては
アルミクロムモリブデン鋼(SACM645)、オース
テナイト系ステンレス鋼SUS304、クロムモリブデ
ン鋼(SCM435)、快削鋼(SUM)に窒化処理さ
れた。
【0013】ジエットニードル17の試料7のニッケル
−ボロンメッキ処理は、ボロン+ニッケルの無電解メッ
キである。又、ジエットニードル17の試料8の超微粒
ダイヤモンド複合ニッケル−燐メッキ処理は、無電解可
能なメッキ液、例えば酸性のメッキ液に超微粒ダイヤモ
ンドを添加し、このメッキ液中にジエットニードル17
を侵漬する。これによると、還元剤の化学反応によって
メッキ液中の金属イオンがニッケル、燐の金属として析
出されるもので、このニッケル−燐処理皮膜内に超微粒
ダイヤモンドが共析される。前記、超微粒ダイヤモンド
(クラスタダイヤモンドと呼ばれる)は、立方構造であ
って平均粒径50オングストロームの丸みを帯びた微粒
子であり、例えば動的高温高圧法によって合成される。
又、ジエットニードル17の試料9の炭化珪素複合ニッ
ケル−燐メッキ処理は、ニッケル−燐の無電解メッキ皮
膜に炭化珪素を金属マトリクスに共析させた複合無電解
メッキ処理である。又、ジエットニードル17の試料1
0の窒化チタンコーティング処理は、窒化チタンを真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等
によってコーティング処理したものである。又、ジエッ
トニードル17の試料11から試料13迄の窒化処理
は、ニードルジエット18と同様の窒化処理が成された
ものである。
【0014】そして、ジエットニードル17とニードル
ジエット18との耐摩耗性比較のテスト条件は表1のよ
うに設定された。表1は従来のテスト条件と本発明にお
いて使用のテスト条件を比較して記載した。
【表1】 前記、表1の記載からも判る通り、本発明において使用
されたテスト条件は従来に比較して相当過酷な条件に設
定された。すなわち、ジエットニードル17に加えられ
る荷重にあっては従来の2.5倍であり、連続摺動回数
は2倍であり、更にジエットニードルの往復作動サイク
ルは1.3倍であり、かかるテスト条件をクリヤするこ
とによって前記課題が解決される。
【0015】そして、ジエットニードル17とニードル
ジエット18との耐摩性比較テストは図4に示されたテ
スト装置によって行なわれる。すなわち、21は図にお
いて左右水平方向に往復動する振動機であり、振動機2
1に取着された取付治具22にジエットニードル17が
水平方向に固定して取付られる。そしてニードルジエッ
ト18内にジエットニードル17を挿通するもので、こ
のときニードルジエット18は案内治具23内に配置さ
れる。この案内治具23は、間隙24をもって対向する
案内壁23A、23Bを有するものでニードルジエット
18の両端がこの案内壁23A、23B間に配置され
る。而して、ニードルジエット18の左右水平方向の移
動は案内壁23A、23Bの内周部分にて抑止され、上
下方向の移動は案内壁23A、23Bの内周部分の間隙
24を摺動することによって許容される。そして、ニー
ドルジエット18には適当なる手段をもってウエイト2
5が係止され、さらに、ニードルジエット18とジエッ
トニードル17との摺動部に向けて供給管26より適量
のガソリンが滴下される。すなわち、本テスト条件によ
れば、ウエイト25によって42(gr)の荷重がニー
ドルジエット18に加えられ、ニードルジエット18が
下方に向けて押圧されてジエットニードル17と当接
し、振動機21は317ストローク/分であって100
万回の連続摺動をジエットニードル17に付与し、供給
管26より1cc/分のガソリンをニードルジエット1
8とジエットニードル17との摺動部へ滴下したもので
ある。
【0016】前述した各試料を用いたテスト結果が図5
に示される。以上の結果から明らかなことは、ニードル
ジエット18は、アルミクロムモリブデン鋼、ステンレ
ス鋼、クロムモリブデン鋼に窒化処理して形成されたも
のが実施の範囲内にあることが理解される。ここで、特
に注目されなければならないことは、窒化処理したもの
にあっても、快削鋼SUMにおいては、前記各種ジエッ
トニードル17との組合せにおいて実施の範囲にないこ
とである。これは、アルミクロムモリブデン鋼に窒化処
理した硬度(HV:1050)、クロムモリブデン鋼に
窒化処理した硬度(HV:820)に比較して快削鋼に
窒化処理した硬度がHV620と低いことによる、硬度
差の影響が大であると推測される。一方、ステンレス鋼
SUS304以外のステンレス鋼、例えばSUS44
0、SUS403は実施の範囲にあると予測される。こ
れはこれらの材料に窒化処理した際SUS304と同程
度の高い硬度(HV:1000)を得ることができるか
らである。すなわち、ニードルジエット18の実施の範
囲内には、クロムモリブデン鋼(アルミクロムモリブデ
ン鋼を含む)に窒化処理したもの若しくはステンレス鋼
に窒化処理したものである。
【0017】一方、前記、クロムモリブデン鋼、若しく
はステンレス鋼に窒化処理されたニードルジエット18
に組合せて用いられ、実施の範囲内にあるジエットニー
ドル17は、第1にニッケル−ボロンメッキ処理アルミ
ニウムがあり、第2に、超微粒ダイヤモンド複合ニッケ
ル−燐メッキ処理アルミニウムが有り、第3に炭化珪素
複合ニッケル−燐メッキ処理アルミニウムが有り、第4
に窒化処理したアルミクロムモリブデン鋼が有り、第5
に窒化処理したオーステナイト系ステンレス鋼が有り、
第6にマルテンサイト系ステンレス鋼に窒化チタンコー
ティング処理したものが有る。
【0018】第1のニッケル−ボロンメッキ処理アルミ
ニウムにあっては、その材料はアルミニウムに限定され
ることなく、ニッケル−燐メッキ処理可能な前述した材
料であればよい。これらの材料は、鉄、コバルト、ニッ
ケル、ルチエウム、ロジウム、バラジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金、銅、銀、金、ステンレス、ベリ
リウム、ゲルマニウム、アルミニウム、マグネシウム、
炭素、バナジウム、モリブデン、クロム、セレン、チタ
ン、ウラニウム等であり、これらの中から経済性を考慮
して選択される。一方、処理不可能な材料として蒼鉛、
カドミウム、アンチモン、錫、鉛、亜鉛等があり、これ
ら材料を選択することはできない。
【0019】又、第2の超微粒ダイヤモンド複合ニッケ
ル燐メッキ処理アルミニウムを用いたジエットニードル
17にあっては、その材料はアルミニウムに限定される
ことなく、前述したニッケル−燐メッキ可能な材料であ
ればよい。
【0020】又、第3の炭化珪素複合ニッケル−燐メッ
キ処理アルミニウムを用いたジエットニードル17にあ
っては、その材料はアルミニウムに限定されることな
く、前述したニッケル−燐メッキ可能な材料であればよ
い。又、ニッケル−燐の無電解メッキ皮膜に炭化珪素を
共析させたが高硬度で耐摩性の優れた酸化アルミニウ
ム、フッ化カルシウム、窒化ボロン、窒化珪素等のセラ
ミックを用いてもよい。
【0021】又、第4の窒化処理したアルミクロムモリ
ブデン鋼にあっては、アルミクロムモリブデン鋼に限定
されることなく、クロムモリブデン鋼も実施の範囲にあ
ることが予測される。これはクロムモリブデン鋼SUM
435に窒化処理したものの硬度がHV:820と高い
硬度を示し、実施の範囲にある窒化処理されたアルミク
ロムモリブデン鋼SACM645の硬度HV:1050
と略同様の高い硬度を有するからである。一方、同様に
窒化処理したものにあっても、快削鋼の硬度はHV:6
20と低い硬度を示すことから実施の範囲にないもので
あり、窒化処理後における硬度が実施の範囲の決定に大
きく寄与することが理解される。
【0022】又、第5の窒化処理したオーステナイト系
ステンレス鋼SUS304にあってはかかるステンレス
鋼SUS304に限定されることなく、ステンレス鋼は
実施の範囲にあることが予測される。これは、例えばマ
ルテンサイト系ステンレス鋼SUS403、フェライト
系ステンレス鋼SUS430に窒化処理されたものにあ
っても窒化処理されたSUS304と略同様の高い硬度
HV1100を得ることができるからである。
【0023】尚、従来、ステンレス加工はその切削が極
めて困難とされ、特にかかるジエットニードル17、ニ
ードルジエット18に用いるに不適なる材料とされてい
たが、超硬、ハイス材に窒化チタン処理、チタンコーテ
ィング処理、バナジウム処理をした切削刃具を用いるこ
とにより、容易に加工を行なうことができるようになっ
たもので、ステンレス鋼の採用に不具合は無くなったも
のである。
【0024】又、第6の窒化チタンコーティング処理さ
れたステンレス鋼SUS440Cにあっては、かかるス
テンレス鋼に限定されるものでない。これは、特に材料
の差に拘らず窒化チタンコーティング処理を行なうこと
によって、その硬度を高い硬度(HV:2000)に保
持することができるからである。然しながら、かかる窒
化チタンコーティング処理時においては、材料が超高温
度状態(数万度)にさらされることから、それらの影響
を受けにくい鉄系の材料が好ましい。この鉄系の材料の
一例としてステンレス鋼、快削鋼がある。すなわち、ジ
エットニードル17として、鉄系材料に窒化チタンコー
ティング処理して形成される。
【0025】そして、特に、ジエットニードル17とニ
ードルジエット18とを、アルミクロムモリブデン鋼に
窒化処理して形成したもの、あるいはオーステナイト系
ステンレス鋼SUS304に窒化処理したものにあって
は、同一材料の使用と同一処理を行なうことが可能とな
ったもので、これによると生産設備投資を抑止すること
ができて生産性を向上することができたものである。
【0026】又、ジエットニードル17のメッキ処理と
してニッケル−ボロン、ニッケル−燐の無電解メッキ皮
膜にセラミック又は超微粒ダイヤモンドを共析させたこ
とはニッケル−ボロン、ニッケル−燐の均一で且つ正確
なメッキ処理皮膜を得られるもので、ジエットニードル
17の正確な寸法形成の為に効果的であり、更に又、そ
れらの材料としてアルミニウムを選択することは、ジエ
ットニードル17の重量低減につながり、耐摩耗性の向
上に寄与しうるものである。
【0027】尚、本実施例は摺動弁として負圧作動弁を
用いた定真空式気化器の燃料計量装置について説明した
が、吸気路内に摺動弁としての摺動絞り弁を配置し、該
摺動絞り弁を運転者がアクセルワイヤー等によって機械
的に操作して吸気路を開閉制御する摺動絞り弁式気化器
の燃料計量装置として使用できるものである。
【0028】
【発明の効果】以上の如く、本発明になる気化器に於け
る燃料計量装置によると、従来の耐摩耗性のテスト条件
に比較してはるかに過酷な条件をクリヤすることのでき
た燃料計量装置を得ることができたもので、ジエットニ
ードルとニードルジエットとによる燃料計量精度の経時
変化の極めて少ない耐久性の優れた気化器の燃料計量装
置を提供することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気化器に於ける燃料計量装置の一実施
例を示す縦断面図。
【図2】摩耗テストに供試されたニードルジエットの材
質、処理等を示す一覧表。
【図3】摩耗テストに供試されたジエットニードルの材
質、処理等を示す一覧表。
【図4】ジエットニードルとニードルジエットの摩耗テ
ストを実施するに用いられたテスト装置を示す簡略図。
【図5】ジエットニードルとニードルジエットとの摩耗
テスト結果を示す一覧表。
【符号の説明】
1 気化器本体 2 吸気路 9 摺動弁 17 ジエットニードル 18 ニードルジエット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気化器に於ける燃料計量装置の一実
施例を示す縦断面図。
【図2】 摩耗テストに供試されたニードルジェットの
材質、処理等を示す一覧図表。
【図3】 摩耗テストに供試されたジェットニードルの
材質、処理等を示す一覧図表。
【図4】 ジェットニードルとニードルジェットの摩耗
テストを実施するに用いられたテスト装置を示す簡略
図。
【図5】 ジェットニードルと、ニードルジェットとの
摩耗テスト結果を示す一覧図表。
【符号の説明】 1 気化器本体 2 吸気路 9 摺動弁 17 ジェットニードル 18 ニードルジェット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 26/00 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化器本体を貫通する吸気路内を昇降す
    る摺動弁に燃料計量用のジエットニードルを装着し、該
    ジエットニードルを吸気路内に開口する燃料噴出用のニ
    ードルジエット内に挿入した気化器において、前記、ニ
    ードルジエットを、クロムモリブデン鋼に窒化処理若し
    くはステンレス鋼に窒化処理して形成し、前記、ジエッ
    トニードルを、ニッケル−燐メッキ処理可能な材料に、
    ニッケル−ボロンメッキ処理をしてなる気化器に於ける
    燃料計量装置。
  2. 【請求項2】 気化器本体を貫通する吸気路内を昇降す
    る摺動弁に燃料計量用のジエットニードルを装着し、該
    ジエットニードルを吸気路内に開口する燃料噴出用のニ
    ードルジエット内に挿入した気化器において、前記、ニ
    ードルジエットを、クロムモリブデン鋼に窒化処理若し
    くはステンレス鋼に窒化処理して形成し、前記、ジエッ
    トニードルを、ニッケル−燐メッキ処理可能な材料に、
    ニッケル−燐メッキ処理皮膜内にセラミック微粒子を共
    析、若しくは超微粒ダイヤモンドを共析させてなる気化
    器に於ける燃料計量装置。
  3. 【請求項3】 気化器本体を貫通する吸気路内を昇降す
    る摺動弁に燃料計量用のジエットニードルを装着し、該
    ジエットニードルを吸気路内に開口する燃料噴出用のニ
    ードルジエット内に挿入した気化器において、前記、ニ
    ードルジエットを、クロムモリブデン鋼に窒化処理若し
    くはステンレス鋼に窒化処理して形成し、前記、ジエッ
    トニードルを、クロムモリブデン鋼に窒化処理若しくは
    ステンレス鋼に窒化処理してなる気化器に於ける燃料計
    量装置。
  4. 【請求項4】 気化器本体を貫通する吸気路内を昇降す
    る摺動弁に燃料計量用のジエットニードルを装着し、該
    ジエットニードルを吸気路内に開口する燃料噴出用のニ
    ードルジエット内に挿入した気化器において、前記、ニ
    ードルジエットを、クロムモリブデン鋼に窒化処理若し
    くはステンレス鋼に窒化処理して形成し、前記、ジエッ
    トニードルを、鉄系材料に窒化チタンコーティング処理
    してなる気化器に於ける燃料計量装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008223907A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 背圧弁

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