JPH07279757A - スターリングエンジン用燃焼器 - Google Patents

スターリングエンジン用燃焼器

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Publication number
JPH07279757A
JPH07279757A JP6075693A JP7569394A JPH07279757A JP H07279757 A JPH07279757 A JP H07279757A JP 6075693 A JP6075693 A JP 6075693A JP 7569394 A JP7569394 A JP 7569394A JP H07279757 A JPH07279757 A JP H07279757A
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JP
Japan
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combustion
exhaust gas
chamber
stirling engine
air
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Pending
Application number
JP6075693A
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English (en)
Inventor
Shigemi Yamahira
茂美 山平
Hiroshi Takeda
博 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Idemitsu Kosan Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Petroleum Energy Center PEC
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP6075693A priority Critical patent/JPH07279757A/ja
Publication of JPH07279757A publication Critical patent/JPH07279757A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02GHOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02G2243/00Stirling type engines having closed regenerative thermodynamic cycles with flow controlled by volume changes

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スターリングエンジンに要求される高負荷燃
焼、短炎化燃焼、高ターンダウン比を達成でき、かつ、
低NOxの燃焼器を提供すること。 【構成】 石油液体燃料用のスプレイヤ38の周囲に燃
焼用空気を供給する燃焼用空気供給路52を設け、この
空気供給路52を燃焼室11と区画する一方、空気供給
路52内を流通する燃焼用空気の流れによる吸引力によ
り、燃焼室11内の燃焼排ガスの一部を空気供給路52
内の燃焼用空気に混入させる排ガス循環路53を設けた
スターリングエンジン用燃焼器10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スターリングエンジン
用燃焼器に関するもので、特に燃料として灯油等の石油
液体燃料を用いるものに好適である。
【0002】
【背景技術】スターリングエンジンは高効率、低公害性
(低騒音)、燃料多様性等の魅力ある特徴を有している
ことから、国内外で多くの研究開発と用途開発が進めら
れている。近年は、コンピュータによる設計・計測、解
析技術が進歩し、エンジン性能が著しく向上して環境問
題への対応が期待できるエンジンである。ところで、従
来のスターリングエンジン用燃焼器の燃料はLNG(天
然ガス)等の気体燃料を使用しており、NOx(窒素酸
化物)の排出量が少ないため、その低減検討を行う必要
はなく、特別な低NOx用の燃焼器も開発されていな
い。一方、燃料多様化の要請から、スターリングエンジ
ン用燃焼器に石油液体燃料の使用も考えられるが、実際
には、石油液体燃料を使用しての高負荷、短炎化燃焼と
高ターンダウン比、さらにNOxを低減できるスターリ
ングエンジン用の燃焼器は存在していない。ここに、タ
ーンダウン比とは、燃焼器において、単位時間当りの燃
料使用量を調節できる範囲の最小量と最大量との比であ
る。
【0003】図6には、一般の気体燃料用スターリング
エンジンの概略構成が示されている。図において、スタ
ーリングエンジン100は、本体101を備え、この本
体101内には、複数のパワーピストン102が軸方向
移動自在に収納され、このパワーピストン102にはロ
ッド103およびボールジョイント104を介して駆動
部のガイドピストン105が連結されている。このガイ
ドピストン105内に収納された一対の半球状シュウ1
06を介して、出力軸107に固定された斜板108が
挟持されている。これにより、パワーピストン102の
軸方向移動に伴って駆動されるガイドピストン105に
より、斜板108は軸方向に押圧されて回転し、出力軸
107に回転運動が得られるようになっている。この
際、出力軸107は、スラスト軸受109により軸方向
力を、ラジアル軸受111により半径方向力をそれぞれ
支持されている。
【0004】パワーピストン102が収納されるピスト
ン室112の一端、図中左(下)端には、ヒータチュー
ブ(加熱器)113の一端が連結され、ヒータチューブ
113の他端は再生器(蓄熱器)114に連結されてい
る。この再生器114に連結された冷却器115は、圧
縮側の作動ガス(通常、ヘリウムガス)流路116を介
して当該ピストン室112とは異なるピストン室112
の他端、図中右(上)端に連通されている。例えば、複
動四ピストン型の場合、第1〜第4の4つのピストン室
112は90度等配位置に配置され、第1のピストン室
112の一端に連結されたヒータチューブ113の他端
は、90度位相のずれた第2のピストン室112の他端
に連結され、この第2のピストン室112の一端に連結
されたヒータチューブ113は第3のピストン室112
の他端に連結される。以下、同様にして第3のピストン
室112の一端と第4のピストン室112の他端、第4
のピストン室112の一端と第1のピストン室112の
一端とがそれぞれヒータチューブ113で連結される。
【0005】本体101のピストン室112を形成する
部分の周囲は、耐火性の底部断熱材117で被覆され、
この底部断熱材117から突出したヒータチューブ11
3の周囲は、所定間隔を置いて同じく耐火性でリング状
の内周断熱材118で囲われている。内周断熱材118
の外周には、円筒状の熱交換器120が配置されてい
る。この熱交換器120は、燃焼用空気通路121およ
び燃焼排ガス通路122が仕切り壁で仕切られて交互に
形成された複数の円筒セグメント状の熱交換器単体が、
円筒状に連結されて構成されている。この熱交換器12
0の周囲には、ステンレス板等からなる筒体123を介
して耐火性の外筒124が配置され、この外筒124は
本体101に連結固定されている。また、外筒124の
周囲には、燃焼用空気導入口125および排ガス排出口
126が形成され、それぞれ熱交換器120の空気通路
121および排ガス通路122に連通されている。
【0006】筒体123の外端、図中左(下)端には、
隔壁127が取付けられるとともに、隔壁127の中心
部を貫通して円筒状のライナ128が固着されている。
このライナ128の一端、ヒータチューブ側端部には保
炎用の皿状部材129が一体に形成され、この皿状部材
129の外周縁は隔壁127に固着されている。また、
ライナ128の他端には、複数枚の固定の案内羽根を有
する空気旋回器131が取付けられ、この空気旋回器1
31により燃焼用空気が旋回されながらライナ128内
に供給されるようになっている。この際、ライナ12
8、皿状部材129、内周断熱材118および底部断熱
材117等に囲まれた空間により燃焼室132が形成さ
れている。
【0007】なお、皿状部材129の一側、図中空気通
路121側に近い側は、一部破断して示されているが、
これはヒータチューブ113の形状を良好に描くため、
断面位置を変更したことにより生じたもので、実際は他
側と同様な断面形状を有している。
【0008】外筒124には、内部に耐火断熱材層13
3を有する鍋状のヘッドカバー134が固定され、この
ヘッドカバー134の中心部には、バーナ135が取付
けられている。また、熱交換器120の空気通路121
の一端は、隔壁127を貫通してヘッドカバー134内
に開口され、これにより、燃焼用空気は白抜き矢印に示
されるように、熱交換器120からヘッドカバー134
内に入り、空気旋回器131で旋回運動を付与されなが
らライナ128内に入り、バーナ135の周囲に供給さ
れるようになっている。
【0009】このような構成において、バーナ135に
燃料を供給するとともに、着火すると、燃焼に伴う火炎
が燃焼室132に向かって形成される。この燃焼による
排ガスは黒い矢印で示されるように、ヒータチューブ1
13を加熱した後ヒータチューブ113間を通り、熱交
換器120の排ガス通路122を経て排ガス排出口12
6から排出される。この際、熱交換器120内では、排
ガスが燃焼用空気と熱交換して燃焼用空気を予熱し、こ
の予熱空気は、前述の白い矢印で示されるように、空気
旋回器131の案内羽根で旋回力を与えられてバーナ1
35の周囲に供給され、バーナ135からの燃料とより
良く攪拌、混合されて良好な燃焼を行うこととなる。
【0010】ヒータチューブ113内で加熱された作動
ガスは、ピストン室112のヘッド側内に流入してパワ
ーピストン102を押圧する。この押圧により、ロッド
103、ガイドピストン105等を介して斜板108が
押圧され、出力軸107に回転力が付与されることとな
る。
【0011】一方、パワーピストン102を挟んでヒー
タチューブ113が連結されたヘッド側とは反対の底部
側の作動ガスは、パワーピストン102の斜板側への移
動に伴い押されて流出する。この流出する作動ガスは、
当該パワーピストン102が収納されるピストン室11
2とは異なるパワーピストン室112のヘッド側に、作
動ガス流路116、冷却器115、再生器114および
ヒータチューブ113を介して流入してこの異なるパワ
ーピストン室112内のパワーピストン102を順次、
斜板側に押圧することとなる。この際、圧縮側の作動ガ
ス流路116から流出する作動ガスは、冷却器115に
より冷却されて体積が減少するため、その流出が速やか
に行われる。また、冷却器115を通過して再生器11
4に流入すると、後述するように前回の作動ガスの逆方
向の流れの際に、予め暖められている再生器114から
熱を受領して予熱され、ヒータチューブ113内で加熱
が効率よく行われることとなる。
【0012】1つのパワーピストン102の斜板側への
移動に伴い、このパワーピストン102とは180度反
対側に位置するパワーピストン102は、斜板108に
よりロッド103を介して反射板側、すなわちピストン
室112のヘッド側に移動される。この際、ヘッド側の
作動ガスは、ヒータチューブ113を介して再生器11
4に流入し、この再生器114に熱を与えた後、冷却器
115で冷却されて異なるピストン室112の底部側に
スムーズに流入する。この作動ガスの移動時に、再生器
114に与えられる熱が前述の予め再生器114を暖め
る熱である。
【0013】以下、同様にして各パワーピストン102
が順次斜板108に関与して出力軸107が回転される
こととなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スターリン
グエンジン用の燃焼器として要求される性能は、ターン
ダウン比を広く設定し、出力追従性を向上させた上で、
燃焼器を小型化する必要がある。また、スターリングエ
ンジン100の燃焼室132は狭いため、この狭い空間
で十分な熱量を得るには高負荷燃焼させる必要がある。
一方、高負荷燃焼させることは強い火炎が発生すること
となるので、この火炎が直接スターリングエンジン10
0のヒータチューブ113に当たると、ヒータチューブ
113を損傷する虞れがある。従って、ヒータチューブ
113の保護のため、短炎化燃焼させる必要もある。ち
なみに、燃焼室132の大きさは、1時間当り10リッ
トルの燃料を燃焼させる燃焼器であっても、直径約30
cm、長さ20cm程度であり、火炎が大きいと、火炎
が容易にヒータチューブ113に直接接触してしまうも
のである。
【0015】さらに、環境問題からは、燃焼排ガス中の
NOxの排出濃度を低減させることも、大きな課題とな
っている。石油液体燃料を用いた燃焼器では、天然ガス
と異なりまず完全燃焼させることが難しく、また、完全
燃焼させることによってNOxの排出濃度が増加し、抑
制すれば不完全燃焼状態になり、CO(一酸化炭素)排
出濃度が増加してすす等が発生し、燃焼器内部、例えば
ヒータチューブ113や熱交換器120の排ガス通路1
22内等に付着し、問題になってくる。特に、スターリ
ングエンジン100は、前述のように燃焼室132が狭
いため、高負荷燃焼、短炎化燃焼させることが難しく、
NOxとCO排出濃度は微妙な関係にある。
【0016】例えば、一般の燃焼器においてNOxを低
減するには、燃焼室の中心部にデフレクタ(邪魔板)を
設けて火炎を薄く拡がった形状とし、この拡がった火炎
の中心部に燃焼排ガスを循環接触させ、かつ、この拡が
りにより火炎からの熱放散を大きくして火炎温度を低下
させる方法や、燃焼用空気を二段階に分けて供給し、一
次燃焼域では低空気比燃焼を行わせる方法等がある。し
かし、これらは、いずれも燃焼室が大きい場合で、か
つ、高負荷燃焼、短炎化燃焼が必要ない場合に可能であ
って、そのままスターリングエンジン用には適用できな
いものである。
【0017】本発明の目的は、石油液体燃料を用いたス
ターリングエンジン用燃焼器で高負荷燃焼、短炎化燃
焼、高ターンダウン比を達成し、さらにNOx排出濃度
を低減できるスターリングエンジン用燃焼器を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、前記目的を達成しつ
つ、小型化も可能なスターリングエンジン用燃焼器を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃焼用空気の
流れを利用して排ガスの一部を燃焼用空気に混入させる
ようにした一種の排ガス再循環(EGR)手段を設ける
ことにより、前記目的を達成しようとするものである。
具体的には、石油液体燃料用のスプレイヤを有するとと
もに、このスプレイヤの周囲に燃焼用空気を供給する燃
焼用空気供給路を有し、スプレイヤからの燃料が燃焼す
る小容積燃焼室内にスターリングエンジン用ヒータチュ
ーブが臨ませられたスターリングエンジン用燃焼器であ
って、空気供給路を燃焼室と区画する一方、空気供給路
内を流通する燃焼用空気の流れによる吸引力により、燃
焼室内の燃焼排ガスの一部を空気供給路内の燃焼用空気
に混入させる排ガス循環路を設けたことを特徴とするス
ターリングエンジン用燃焼器である。
【0019】本発明において、燃焼室に連通する排ガス
室を設けるとともに、この排ガス室を貫通する燃焼用空
気流通パイプを設け、このパイプにより前記燃焼用空気
供給路の一部を構成し、かつ、このパイプの排ガス室内
に位置する部分に排ガス吸引孔を形成し、パイプ内を流
通する燃焼用空気により排ガス吸引孔から排ガスを吸引
可能に構成してもよい。
【0020】
【作用】本発明の構成において、スプレイヤからの燃料
に点火すると、燃料の燃焼に伴い空気供給路に燃焼用空
気の流れが生じ、この空気の流れによって生じる吸引力
で排ガス循環路から燃焼排ガスの一部が燃焼用空気内に
混入する。このため、燃焼室での燃焼がこの混入した排
ガスにより抑制され、燃焼温度がやや低下する。この燃
焼温度の低下によりNOxの発生量が低下する。燃焼排
ガスの吸引は、燃焼用空気の流れを利用しているから、
燃焼器は大型化することがなく、小型化を達成できる。
【0021】本発明において、燃焼室に連通する排ガス
室を設け、この排ガス室を貫通するパイプにより空気供
給路の一部を構成すれば、排ガスの吸引をより確実かつ
定量にでき、NOxの低減状態が十分に制御される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。ここにおいて、図1は本実施例の縦断面図、図
2は図1の略II−II線に沿い90度角度を変換した
断面図、図3は要部の一部を切欠いた斜視図である。図
1において、本実施例に係るスターリングエンジン用燃
焼器10の小容積の燃焼室11内には、図示しないスタ
ーリングエンジンの本体部から突部された多数本のヒー
タチューブ12が配置されている。このヒータチューブ
12の周囲は、所定間隔を置いて耐火性でリング状の内
周断面材13で囲われている。内周断面材13の外周に
は、円筒状の熱交換器14が配置されている。この熱交
換器14は、燃焼用空気通路15および燃焼排ガス通路
16が仕切り壁17で仕切られて交互に形成された複数
の円筒セグメント状の熱交換器単体18(図2参照)
が、円筒状に連結されて構成されている。
【0023】熱交換器14の周囲には、ステンレス板等
からなる筒体19を介して耐火性断熱材とステンレス外
板からなる外筒21が配置され、この外筒21は図示し
ないスターリングエンジン本体に連結固定されている。
【0024】筒体19および熱交換器14の一端、すな
わち図1中左端には、隔壁22が固着されるとともに、
この隔壁22の中心孔23を貫通して円筒状のライナ2
4が中心孔23と所定間隔を置いて配置されている。こ
のライナ24の燃焼室11側の一端、図1中右端には保
炎用の皿状部材25の内端が固着され、この皿状部材2
5の折返された外端は隔壁22に固着されている。ま
た、ライナ24の外周、中間部にはつば状壁26が固着
されるとともに、このつば状壁26と前記隔壁22との
間には、略中空十字状に形成された囲み壁27(図2、
図3参照)が固着されている。これにより、ライナ2
4、皿状部材25、隔壁22、囲み壁27およびつば状
壁26により囲まれた排ガス室28が形成されている。
この排ガス室28内は、皿状部材25の折返し部に形成
された多数の貫通孔29を介して燃焼室11と連通さ
れ、燃焼室11内の燃焼排ガスの一部が、図1中黒い矢
印で示されるように、排ガス室28内に流入可能とされ
ている。
【0025】ライナ24の他端、図1中左端には、多数
の固定の案内羽根31を有する空気旋回器32が取付け
られ、この空気旋回器32により燃焼用空気が旋回され
ながらライナ24内に供給されるようになっている。ま
た、ライナ24内には耐火性断熱材からなるバーナタイ
ル33が収納保持され、このバーナタイル33が燃料燃
焼時に灼熱化することで、後述するスプレイヤの形状等
とも相俟って燃料の高負荷完全燃焼と、短炎化とが可能
となっている。
【0026】ライナ24の外周中間部に固定されたつば
状壁26の外周と外筒21の図1中左端との間には、ド
ーナツ板状の仕切り部材34が設けられている。また、
外筒21の左端には、円錐台状のヘッドカバー35がラ
イナ24および空気旋回器32を覆うように取付けられ
ている。このヘッドカバー35は、外面を構成するステ
ンレス板の内面に耐火断熱材層36が分厚く固着されて
構成されている。
【0027】ヘッドカバー35の中心部を貫通して耐火
断熱層を有するバーナ取付部材37が固着され、このバ
ーナ取付部材37には、二流体空気噴霧式バーナを基本
として構成された石油液体燃料用スプレイヤ38、着火
器39および火炎検知器挿入筒41が設けられている。
このスプレイヤ38の先端は、空気旋回器32の中心部
を貫通してライナ24の内部にまで挿入され、このスプ
レイヤ38から噴射されるオイルミストがバーナタイル
33内で燃焼されることとなっている。
【0028】熱交換器14の空気通路15の一端は、隔
壁22を貫通してヘッドカバー35の内側に開口され、
かつ、隔壁22とヘッドカバー35とで囲まれた空間
は、つば状壁26と仕切り部材34とにより第1、第2
の空気供給室42,43とに仕切られている。これらの
第1、第2の空気供給室42,43に両端開口部44,
45を位置されるとともに、排ガス室28を貫通する複
数本、例えば4本の燃焼用空気流通パイプ46が囲み壁
27とつば状壁26とに固着された状態で設けられてい
る。これらのパイプ46は、図1中2点鎖線で断面形状
が示されるように、内部に小径孔とされた高速流通部4
7を備え、この高速流通部47と両開口部45とはテー
パ孔48,49により連通されている。また、パイプ4
6には、高速流通部47に連通する排ガス吸引孔51が
複数、例えば4つ形成されている。
【0029】これにより、パイプ46内を燃焼用空気が
流通すると、高速流通部47に発生する負圧の吸引力に
より、排ガス室28内の排ガスが排ガス吸引孔51から
パイプ46内に吸引され、排ガスの一部が燃焼用空気に
混入されるようになっている。従って、燃焼用空気流通
パイプ46は、いわゆるエジェクタとして作用すること
となる。また、排ガス吸引孔51から吸引される排ガス
の量は、高速流通部47および排ガス吸引孔51の孔径
を適宜に定めることにより、必要な燃焼用空気量に見合
った量に設定されている。
【0030】なお、熱交換14の燃焼用空気通路15、
第1の空気供給室42、燃焼用空気流通パイプ46内、
第2の空気供給室43および空気旋回器32により、ス
プレイヤ38の燃料噴射部の周囲に燃焼用空気を供給す
る燃焼用空気供給路52が構成されている。また、皿状
部材25の貫通孔29、排ガス室28および排ガス吸引
孔51により排ガス循環路53が構成されている。さら
に、高負荷燃焼、短炎化燃焼、高ターンダウン比は、ス
プレイヤ38、空気旋回器32、スプレイヤ38の噴射
口近傍において空気旋回器32に一体に設けられたスプ
レイヤキャップ54およびバーナタイル33等の形状、
材質等を理論計算とトライアンドエラーとにより最適化
することで達成できる。
【0031】このような構成において、スプレイヤ38
に石油液体燃料を供給するとともに、適宜な着火手段例
えば着火器39で着火すると、燃焼に伴う火炎が燃焼室
11に向かって形成される。この燃焼による排ガスは黒
い矢印で示されるように、ヒータチューブ12を加熱し
た後ヒータチューブ12間を通り、熱交換器14の排ガ
ス通路16を経て排ガス排出口(図示せず)から排出さ
れる。この際、熱交換器14内では、排ガスが燃焼用空
気と熱交換して燃焼用空気を予熱し、この予熱空気は、
図1中白い矢印で示されるように燃焼用空気供給路52
に沿って流通し、空気旋回路32の案内羽根31で旋回
力を与えられてスプレイヤ38の周囲に供給され、スプ
レイヤ38からの燃料とより良く攪拌、混合されて良好
な燃焼を行うこととなる。燃焼用空気の流通にあたり、
第1の空気供給室42と第2の空気供給室43とは、つ
ば状壁26と仕切り部材34とにより仕切られているた
め、燃焼用空気は必ずパイプ46を通って流通すること
となる。このパイプ46内の空気の流通に伴いガス室2
8内の排ガスの一部は、ガス吸引孔51からパイプ46
内に流入し、燃焼用空気と混合されてスプレイヤ38の
周囲に供給される。このように、燃料の燃焼部に排ガス
の一部が再循環されることで、いわゆるEGRがなされ
る。このため、燃料の燃焼温度の過度の上昇が抑制さ
れ、排ガス中のNOx排出量が低減されることとなる。
また、図示しないスターリングエンジンの動作は、図6
に説明したものと同様である。
【0032】図4、図5には、スターリングエンジン用
燃焼器を用いて、1時間当りの燃焼量を1リットル
(l)から10lに変化させた場合における燃焼実験を
行った結果の、燃焼量とNOx濃度およびCO濃度の関
係が示されている。図4においては、排ガス中の残留酸
素量が4%一定となるようにした値である。これらの図
において、丸印を破線で結んだ線は燃焼排ガスの再循環
をしない場合(スタンダート、STD)の従来の一般的
な燃焼器の値、四角印を実線で結んだ線は燃焼排ガスを
再循環させた本発明による燃焼器(再循環、EGR)の
値である。
【0033】排ガスを再循環させない場合、一般的に言
われていることは、NOx排出量とCO排出量とは、相
反する関係になるとされる。図4,5からも、燃焼量が
時間当り5lを越える状態では、NOx排出量が多いと
きは燃焼状態が良く、CO排出量が少なくなる。一方、
NOx排出量が少ないときは燃焼状態が悪く、その分C
O排出量が多くなり、同様なことがいえる。
【0034】次に、排ガス再循環無と排ガス循環有との
場合を比較してみると、図5に示されるように、排ガス
の再循環の有無に拘らず、CO排出量の変化は少ない
が、NOx排出量は排ガス再循環無の場合では、燃焼量
5l/h前後で400〜500ppmと高い。しかし、
排ガス再循環を行うこと(排ガス再循環有)により10
0ppmと低下している。このことは、排ガス再循環を
行うことにより、NOx低減の効果があることを明らか
に表している。
【0035】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、燃焼室11と燃焼用空気供給
路52とを隔壁22で区画し、かつ、燃焼用空気供給室
をつば状壁26と仕切り部材34とにより第1、第2の
空気供給室42,43に仕切るとともに、これらの第
1、第2の空気供給室42,43にそれぞれ開口部4
4,45が開口される燃焼用空気流通パイプ46を設け
たから、燃焼部側の背圧の影響を受けることなく、燃焼
用空気は必ずこのパイプ46内を通って熱交換器14側
から空気旋回器32側へ流通させることができる。しか
も、パイプ46は、燃焼室11に連通した排ガス室28
内を貫通するとともに、この排ガス室28内において排
ガス吸引孔51を設けられたから、空気の流通に伴い所
定量の排ガスを燃焼部に再循環でき、いわゆるEGRに
よる低NOxを実現できる。
【0036】また、本実施例では、前述のエジェクタと
なるパイプ46の構成としたから、燃焼器10の大きさ
を大きくする必要がなく、小型化でき、この小型な状態
で、いわゆる外部EGRを行える。さらに、排ガスの再
循環量は、パイプ46の内径を変化させたり、排ガス吸
引孔51の孔径を変化させたりすることで容易に調整で
きるから、最適の再循環量を簡易に設定できる。
【0037】また、ライナ24内に設けたバーナタイル
33や、スプレイヤ38の構造、スプレイヤキャップ5
4の形状等を最適化することで、燃料として石油液体燃
料を用いても、高負荷燃焼、短炎化燃焼、高ターンダウ
ン比を実現できるから、スターリングエンジン用として
本実施例の燃焼器10を好適に適用できる。しかも、排
ガスによってヒータチューブ12や熱交換器14の排ガ
ス通路16をすす等で汚したり、損傷させることがな
い。
【0038】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改
良、変形等は、本発明に含まれるものである。例えば、
本発明の燃焼器が適用されるスターリングエンジンの形
式は、図6に示される形式に限らず、他の一般のスター
リングエンジン形式にも適用できる。より具体的には、
直進運動を回転運動に変換する機構として斜板を用いる
ものに代えてクランク軸を用いるもの等としてもよく、
かつ、図6のようにパワーピストンとデスプレーサとを
兼用する型式の代わりに、パワーピストンとデスプレー
サとを別個に形成した型式のもの等としてもよい。
【0039】また、燃焼室から燃焼用空気供給路への排
ガスの供給は、前記実施例のようにエジェクタを構成す
るパイプによるものに限らず、例えば、熱交換器の燃焼
用空気通路と空気旋回器とを連通させる空間、すなわ
ち、空気供給室の容積を比較的小さくして燃焼用空気の
流速をある程度以上の速度にする一方、この空気供給室
と燃焼室を区画する隔壁に燃焼室側から空気供給室側へ
の流れのみを許容する一方向弁を設け、空気の流れに伴
う負圧を利用してこの一方向弁を介して燃焼排ガスを燃
焼室側から空気供給室側へと流入させるようにしてもよ
く、さらには、これ以外の構造としてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、石油液体燃料を用いる
にも拘らず、スターリングエンジンの要求性能である高
負荷燃焼、短炎化燃焼、高ターンダウン比を達成でき、
しかもNOx排出量も低減できるという効果がある。ま
た、排ガスの再循環にエジェクタ式のパイプを用いれ
ば、簡易な構造で小型に本発明に係る燃焼器を実現でき
るという効果を付加できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスターリングエンジン用燃焼器の
一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の略II−II線に沿い、90度角度を変
えた断面図である。
【図3】図1の実施例の要部を示す一部を切欠いた斜視
図である。
【図4】本発明と従来の燃焼器における燃焼量に対する
NOx排出量の関係を示す線図である。
【図5】本発明と従来の燃焼器における燃焼量に対すC
O排出量の関係を示す線図である。
【図6】従来、一般のスターリングエンジンの概略構造
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 スターリングエンジン用燃焼器11 燃焼室 12 ヒータチューブ 28 排ガス室 38 石油液体燃料用スプレイヤ 46 エジェクタとしての燃焼用空気流通パイプ 47 高速流通部 51 排ガス吸引孔 52 燃焼用空気供給路 53 排ガス循環路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油液体燃料用のスプレイヤを有すると
    ともに、このスプレイヤの周囲に燃焼用空気を供給する
    燃焼用空気供給路を有し、前記スプレイヤからの燃料が
    燃焼する小容積燃焼室内にスターリングエンジン用ヒー
    タチューブが臨ませられたスターリングエンジン用燃焼
    器であって、前記空気供給路を燃焼室と区画する一方、
    空気供給路内を流通する燃焼用空気の流れによる吸引力
    により、燃焼室内の燃焼排ガスの一部を前記空気供給路
    内の燃焼用空気に混入させる排ガス循環路を設けたこと
    を特徴とするスターリングエンジン用燃焼器。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のスターリングエン
    ジン用燃焼器において、前記燃焼室に連通する排ガス室
    を設けるとともに、この排ガス室を貫通する燃焼用空気
    流通パイプを設け、このパイプにより前記燃焼用空気供
    給路の一部を構成し、かつ、このパイプの排ガス室内に
    位置する部分に排ガス吸引孔を形成し、パイプ内を流通
    する燃焼用空気により排ガス吸引孔から排ガスを吸引可
    能に構成したことを特徴とするスターリングエンジン用
    燃焼器。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載のスターリングエン
    ジン用燃焼器において、前記パイプは、内部に小径の高
    速流通部を有するエジェクタとされるとともに、この高
    速流通部に連通する位置に前記排ガス吸引孔が形成され
    ていることを特徴とするスターリングエンジン用燃焼
    器。
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