JPH0727937A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

光導波路の製造方法

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JPH0727937A
JPH0727937A JP17029193A JP17029193A JPH0727937A JP H0727937 A JPH0727937 A JP H0727937A JP 17029193 A JP17029193 A JP 17029193A JP 17029193 A JP17029193 A JP 17029193A JP H0727937 A JPH0727937 A JP H0727937A
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JP
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temperature
sintering
substrate
furnace
layer
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JP17029193A
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English (en)
Inventor
Takashi Kogo
隆司 向後
Hiroo Kanamori
弘雄 金森
Akira Urano
章 浦野
Tomokane Hirose
智財 広瀬
Masahide Saito
真秀 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接続損失が小さく、良好なガラス膜質を有す
る光導波路を製造することができる光導波路製造方法を
提供する。 【構成】 Si基板1上にバッファ用、コア用の各ガラ
ス微粒子層が堆積され、焼結されてバッファ層2、コア
層3が形成される。次に、コア層3がパターニングされ
た後、クラッド用ガラス微粒子層4aが堆積される。次
に、初期温度xが800〜900℃の炉内にt1 時間基
板が保持され、コア層3の透明ガラス化温度よりも50
〜150℃低い焼結温度yに達するまで炉内温度が毎分
10〜20℃の速度αで昇温される。さらに基板はこの
焼結温度yに180〜300分間保持されて焼結され
る。この際、昇温時間S1 および焼結温度保持時間t2
の和T2 は230〜350分間とされる。この結果、良
好なオーバークラッド層4が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光屈折率を向上させる
ためにコア層にGeを添加する光導波路の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コア層にGeを含む光導波路とし
ては例えばTEC(熱拡散コア)ファイバがある。この
TECファイバは、おおよそ1300℃で5時間程度の
加熱処理が加えられ、コア層に添加されたGeO2 が熱
拡散して製造される。このGeO2 の熱拡散によって光
ファイバのモードフィールド径(MFD)は2〜3倍に
拡大する。
【0003】コア層へのGeO2 の添加は、このTEC
ファイバにおいてはGeO2 の熱拡散を積極的に利用し
てMFDを広げるために行われているが、一般的な光導
波路においては、クラッド層に対してコア層の光屈折率
を高めるために行われる。つまり、Si基板上にバッフ
ァ層を介してGeO2 を添加したコア層が形成され、焼
結処理が行われてバッファ層およびコア層が透明ガラス
化される。その後、コア層が所定形状にパターニングさ
れ、基板表面にガラス微粒子が堆積され、引き続いて焼
結処理が行われてオーバークラッド層が形成される。こ
のコア層へのGeO2 の添加により、コア層の屈折率は
バッファ層およびオーバークラッド層の屈折率よりも高
くなり、また、コア層を伝搬する導波光の適当な光の拡
がりが確保される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光導波路の製造方法においては、オーバークラッド
用ガラス微粒子層の焼結処理時、パターニングされたコ
ア層にも熱が加わり、コア層に添加したGeO2 の一部
がバッファ層やオーバークラッド層に拡散してしまう。
このため、コア層中のGeO2 濃度が低下し、周囲のク
ラッド層に対するコア層の屈折率が十分高く維持されな
くなる。また、コア層を伝搬する導波光の径が拡がり、
引いては、Si基板上に形成された光導波路とシングル
モードファイバとのモードフィールドがミスマッチし、
接続損失が増大する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解消するためになされたもので、パターニングされた
コア層上に堆積された第2のクラッド用ガラス微粒子層
の焼結は、初期温度800〜900℃の炉内に基板温度
が同温度に達するまで基板を保持した後、コア層の透明
ガラス化温度よりも50〜150℃低い焼結温度に達す
るまで炉内温度を毎分10〜20℃の速度で昇温し、さ
らに基板をこの焼結温度に180〜300分間保持し、
かつ、炉内温度を初期温度から焼結温度に昇温する時間
および基板を焼結温度に保持する時間の和を230〜3
50分間として行うものである。
【0006】また、上記炉内の雰囲気は、Heもしくは
Arの不活性ガス、またはこれらいずれか一方のガスと
2 ガスとの混合ガスに設定されているものである。
【0007】
【作用】コア層の透明ガラス化温度よりも50〜150
℃低い焼結温度に基板を180〜300分間保持し、炉
内昇温時間および基板の焼結温度保持時間の和を230
〜350分間とすることにより、第2のクラッド用ガラ
ス微粒子層はコア層中のGeO2 が拡散しないで焼結さ
れる。
【0008】また、炉内が焼結温度に達するまでの昇温
速度を毎分10〜20℃にすれば、第2のクラッド用ガ
ラス微粒子層は良好なガラス膜質に焼結される。
【0009】また、炉内の初期温度が800〜900℃
に設定されていると、炉内温度が焼結温度に達するまで
の時間は、基板や炉に割れが生じたり、また、炉の寿命
を損なうことなく、短くなる。
【0010】また、HeもしくはArの不活性ガスまた
はこれらいずれか一方のガスとO2ガスとの混合ガス雰
囲気中において焼結処理が行われることにより、炉内雰
囲気がガラス微粒子層に悪影響を与えることはない。
【0011】
【実施例】次に、本発明の一実施例による光導波路の製
造方法について、図2の工程断面図を用いて説明する。
【0012】まず、厚さ0.5mmのSi基板1の表面
に火炎堆積法(FHD法)によってSiO2 ,P2 5
およびB2 3 を含む原料ガスが吹き付けられ、バッフ
ァ層となるガラス微粒子(スート)が堆積される。引き
続いて、同様なFHD法でSiO2 ,GeO2 ,B2
3 およびP2 5 を含む原料ガスが吹き付けられ、バッ
ファ層よりも光屈折率の大きいコア層となるガラス微粒
子が堆積される。次に、堆積した各ガラス微粒子層が焼
結され、透明ガラス化されて厚さ30μmのバッファ層
2および厚さ10μmのコア層3が形成される。次に、
基板表面にホトレジストが塗布され、ホトリソグラフィ
技術を用いてパターニングされる。そして、このホトレ
ジストをマスクに反応性イオンエッチング(RIE)が
行われ、コア層3にリッジ状の光導波路パターンが形成
される。この光導波路パターンの断面は10μm×10
μmの正方形である。
【0013】その後、再びFHD法によりバッファ層2
と同様な成分を持つ原料ガスが基板表面に吹き付けら
れ、厚さ約300μmのガラス微粒子層4aが堆積され
る。このガラス微粒子層4aは、バッファ層2と同等の
光屈折率を持つオーバークラッド層の前駆体(スート)
である(図2(a)参照)。
【0014】次に、ガラス微粒子層4aが基板表面に堆
積されたSi基板1は適当な治具に載置され、Heガス
で満たされた石英炉芯管内に搬入される。この炉芯管内
の温度は図1に示すグラフのように変化させられる。同
グラフの横軸は時間[min.]、縦軸は炉芯管内の温
度[℃]を示している。つまり、Si基板が炉内に搬入
された後、炉内温度は室温(R.T.)から800℃の
初期温度(x)に昇温される。Si基板はまずこの炉内
温度800℃の炉芯管内に10分間(t1 )保持され、
基板温度が炉内温度に一致させられる。その後、炉内温
度は毎分10℃の速度(α)で昇温される。この昇温
は、炉内温度がコア層3の透明ガラス化温度1400℃
よりも50〜150℃低い焼結温度(y)に達するまで
行われる。本実施例では、炉内温度がコア層3の透明ガ
ラス化温度よりも100℃低い1300℃になるまで、
10℃/min.の割合で昇温が行われる。この昇温は
炉内温度が1300℃に達した時点で停止され、Si基
板は炉内温度1300℃のHeガス雰囲気に300分間
(t2 )保持される。この保持によってSi基板上のガ
ラス微粒子層4aは焼結し、透明ガラス化する。次に、
炉内温度は室温に達するまで毎分10℃の速度(β)で
降温される。その後、基板が炉内から取り出される。
【0015】図2(b)は上記焼結処理を終えたSi基
板の断面図を示しており、同図(a)に示されるガラス
微粒子層4aは焼結処理によって透明ガラス化し、オー
バークラッド層4が形成されている。このオーバークラ
ッド層4の厚さはバッファ層2とほぼ同じ厚さである約
30μmになっている。
【0016】上記焼結処理に要した時間T1 は、基板を
初期温度xに保つ時間t1 ,炉内温度を初期温度xから
焼結温度yまで昇温する時間S1 ,基板を焼結温度yに
保つ時間t2 ,および炉内温度を焼結温度yから初期温
度xまで降温する時間S2 の和になり、次式に示され
る。
【0017】T1 =t1 +S1 +t2 +S2 ここで、炉内温度を初期温度xから焼結温度yまで昇温
する時間S1 および焼結温度yから初期温度xまで降温
する時間S2 は、昇温速度αおよび降温速度βを用いて
次式で求めることができる。
【0018】 S1 =(y−x)/α、S2 =(y−x)/β これら式によって本実施例における焼結処理に要した時
間T1 を求めると、410分間(6時間50分)になっ
た。また、オーバークラッド層4のガラス膜質は、昇温
時間S1 と焼結温度保持時間t2 との和である焼結時間
2 に影響を受け、本実施例では350分間であった。
【0019】本実施例により製造されたオーバークラッ
ド層4のガラス膜を観察したところ、表面粗さが0.0
5μm以下で表面は平坦であり、また、ガラス膜中に気
泡や異物は見られず、規則正しい干渉縞が確認された。
また、電子線マイクロプローブX線分析計(EPMA)
を用いて光導波路中のGe分布を調査したところ、コア
層3からオーバークラッド層4およびバッファ層2への
Geの拡散はなかった。また、本実施例により製造され
た光導波路とシングルモード(SM)ファイバとの接続
損失を測定した結果0.5dBになり、低損失であるこ
とも確認された。
【0020】次の表1は、図2(a)に示されるオーバ
ークラッド用ガラス微粒子層4aを種々の温度パターン
で焼結処理した結果を示す実験データである。
【0021】
【表1】
【0022】上表におけるA〜Vは焼結処理温度パター
ンの種類を示している。また、各パラメータは図1に示
されるものであり、それぞれ初期温度x,初期温度保持
時間t1 ,昇温速度α,焼結温度y,焼結温度保持時間
2 ,降温速度β,昇温時間S1 ,降温時間S2 ,全処
理時間T1 および焼結時間T2 を示している。また、ガ
ラス膜の欄は製造された光導波路の良否等を示してい
る。このガラス膜の良否は、オーバークラッド層4のガ
ラス膜表面の粗さが0.05μm以下で適当な干渉縞が
観察され、しかも、SMファイバとの接続損失が小さい
ものを良好と判断した。
【0023】このSMファイバとの接続損失は次のよう
に測定した。接続損失はコア層3中のGeの熱拡散によ
ってMFDが拡大すると増大するため、まず、コア層3
付近のGe分布をEPMAを用いて測定した。この際、
EPMA分析ラインを図3(a)に示すラインに設定
し、基板面に平行な方向のGe分布を測定した。同図
(b)はこのEPMA測定で得られる代表的なEPMA
信号波形を示している。同図において横軸はコア層3を
中心とする基板面に平行な距離、縦軸はEPMA信号の
強度を示している。同図(c)はこのようなEPMAを
用いた測定結果のうちのいくつかを示している。同図中
の記号A,C…は表1中の各記号に対応しており、各焼
結処理温度パターンで製造した光導波路について測定し
たことを示している。また、同図中のEPMAの欄はE
PMA信号波形を示しており、また、接続損の欄はSM
ファイバとの接続損失が記載されている。このSMファ
イバには、コア径(2a)が約10μm、カットオフ波
長(λC )が約1.4μm、MFD(入射光波長1.5
5μm時)が約11μm、比屈折率差△が約0.34%
の特性を持つものを用いた。なお、接続損失は0.5d
B以下が望ましい。
【0024】以下、表1および図3(c)を参照しつ
つ、各焼結処理温度パターンA〜Vについて説明する。
【0025】パターンAは上記実施例の焼結処理温度パ
ターンを示しており、上述したように良好なガラス膜が
得られている。また、図3(c)に示されるEPMA信
号から、コア層中のGeはコアを中心に適当に分布して
いることも示されており、接続損失は0.5dBと低損
失になっている。
【0026】パターンB,CでもパターンAと同様に良
好なガラス膜が得られた。パターンCで製造された光導
波路においては、図3(c)に示すEPMA信号の拡が
りが小さく、SMファイバとの接続損失は0.3dBと
極めて小さな値になった。
【0027】パターンD,Eでは焼結時間T2 が短く、
さらに、パターンEでは昇温速度αが25℃/minと
大きすぎるため、ガラス微粒子層4aの焼結が不十分と
なり、ガラス膜質は悪くなっている。
【0028】パターンF,GではパターンD,Eほどで
はないがガラス膜質はあまり良くない。また、焼結時間
2 が650,410時間と長すぎるため、コア層3中
のGeが拡散して接続損失は大きくなった。さらにパタ
ーンFでは基板の焼結温度保持時間t2 が600分間と
長いため、同パターンで製造した光導波路のEPMA信
号は図3(c)に示すように拡がっており、Geが拡散
している。このため、接続損失も2.0dBと大きな値
になっている。
【0029】パターンHでは焼結温度yが1400℃と
高く、コア層3の透明ガラス化温度に等しくなってしま
っているため、コア層3中のGeが図3(c)に示すよ
うにやはり拡散し、接続損失が1.7dBと大きな損失
になっている。
【0030】パターンIでは逆に焼結温度yが1200
℃と低いため、焼結処理が不十分になり、ガラス膜質が
悪くなっている。
【0031】パターンJではガラス膜自体は良好であっ
たが、炉内の初期温度xが高く、サンプル(基板)が室
温からいきなり1000℃に上昇させられたため、ヒー
トショックによって基板にしばしば割れが生じた。
【0032】パターンKでは炉内の初期温度xが700
℃と低いため、ガラス微粒子が石英炉芯管の内壁に結晶
化して付着した。従って、石英炉芯管の寿命が短くなっ
てしまう。
【0033】パターンLは焼結温度保持時間T2 が38
0分と長いため、EPMA信号は図3(c)に示すよう
に拡がり、コア層3中のGeが拡散してしまっている。
このため、SMファイバとの接続損失も0.8dBと大
きくなっている。また、昇温速度αが25℃/minと
高いため、ガラス膜質もあまり良くない。
【0034】パターンMでは良好なガラス膜が得られ
た。すなわち、図3(c)に示すEPMA信号は適当な
幅で拡がり、SMファイバとの接続損失は0.5dBと
小さな値が得られた。
【0035】パターンNはパターンLとほぼ同じ焼結温
度処理パターンになっているが、昇温速度αが21℃/
minと高いため、ガラス膜質はパターンLの場合より
はいいが良好ではない。
【0036】パターンOでは昇温速度αを20℃/mi
nとして良好なガラス膜が得られた。また、SMファイ
バとの接続損失も0.5dBと小さな値になった。
【0037】パターンPでは、焼結温度yをコア層3の
透明ガラス化温度1400℃よりも50℃低い1350
℃にして製造した結果、良好なガラス膜が得られた。ま
た、SMファイバとの接続損失も0.5dBと小さな値
になった。
【0038】パターンQで焼結温度yを1360℃とし
て製造したところ、ガラス膜は悪くなった。
【0039】パターンRでは、焼結温度yをコア層3の
透明ガラス化温度1400℃よりも150℃低い125
0℃にして製造した。この結果、良好なガラス膜が得ら
れた。
【0040】パターンSで焼結温度yを1240℃とし
て製造したところ、ガラス膜は悪くなった。
【0041】パターンTでは炉内の初期温度xを900
℃として製造したところ、良好なガラス膜が得られた。
【0042】パターンUでは初期温度xを920℃とし
て製造したところ、ガラス膜自体は良好なものが得られ
たが、石英炉芯管およびSi基板に割れが生じた。
【0043】パターンVでは初期温度xを780℃とし
て製造したところ、ガラス膜自体は良好なものが得られ
たが、石英炉芯管にガラス微粒子が結晶化して付着し
た。従って、炉芯管の寿命が短くなってしまう。
【0044】以上の実験結果から、次のことが判明し
た。
【0045】まず、炉内の初期温度xは800〜900
℃の範囲で良好な結果が得られ、炉内温度がこの温度範
囲よりも高くなると炉芯管および基板に割れが生じ、ま
た、炉内温度がこの温度範囲よりも低くなると炉芯管に
ガラス微粒子が付着して炉芯管の寿命が短くなってしま
う。
【0046】また、初期温度xから焼結温度yまでの炉
内昇温速度αは10〜20℃/minの範囲で良好な結
果が得られ、昇温速度αを高めるとガラス膜質が悪化す
ることが確認された。
【0047】また、焼結温度yはコア層3の透明ガラス
化温度1400℃よりも50〜150℃低いことが良い
ことが判明した。焼結温度yがこの温度範囲よりも高く
なると、コア層3中のGeがオーバークラッド層4aお
よびバッファ層2に拡散し、SMファイバとの接続損失
は増大する。また、焼結温度yがこの温度範囲よりも低
くなると、ガラス微粒子層4の焼結が不十分になる。
【0048】また、基板の焼結温度保持時間t2 は18
0〜300分の範囲が良いことが確認された。つまり、
保持時間t2 がこの範囲を越えるとコア層3中のGeが
拡散して接続損失が増大し、また、短くなるとガラス微
粒子層4の焼結処理が不十分になってガラス膜質が悪化
する。
【0049】また、基板の焼結温度保持時間t2 が18
0〜300分の範囲にあっても、昇温時間S1 と焼結温
度保持時間t2 との和である焼結時間T2 が230〜3
50分の範囲から外れるとガラス膜質が悪化することも
分かった。つまり、焼結時間T2 がこの時間範囲よりも
短い場合には焼結処理が不十分になり、また、この時間
範囲を越えるとコア層中のGeが拡散してしまう。
【0050】従って、オーバークラッド用ガラス微粒子
層4aの焼結処理温度パターンは、図1に示すグラフに
おいて、初期温度xが800〜900℃、昇温速度αが
10〜20℃/min、焼結温度yがコア層の透明ガラ
ス化温度よりも50〜150℃低い温度範囲、焼結時間
2 が230〜350分間であることが良いことが判明
した。
【0051】また、本実施例ではガラス微粒子層4aを
焼結する時の炉内雰囲気はHe不活性ガスに設定されて
いる。通常は不活性ガスとしてN2 ガスが用いられる
が、N2 ガスはガラス膜成分中のB成分と反応する。し
かし、本実施例ではB成分に反応しないHeガスが用い
られているため、炉内雰囲気がガラス膜に悪影響を与え
ることはない。すなわち、ガラス膜の成分によっては焼
結処理雰囲気はHeが良い。B成分に反応しないガスと
してはHeの他にもAr不活性ガスがある。また、He
とO2 との混合ガスやArとO2 との混合ガスもBを含
むガラス膜に悪影響を与えることはない。この時、O2
ガスの濃度は全ガス量の10vol%以下が望ましい。
【0052】なお、上記実施例では各ガラス微粒子層を
FHD法を用いた火炎加水分解反応によって形成した
が、酸化反応を用いて形成しても良い。また、上記実施
例ではSi基板上に光導波路を製造したが、別の基板上
に形成しても良い。これら各場合においても上記実施例
と同様な効果が奏される。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
ア層の透明ガラス化温度よりも50〜150℃低い焼結
温度に基板を180〜300分間保持し、炉内昇温時間
および基板の焼結温度保持時間の和を230〜350分
間とすることにより、第2のクラッド用ガラス微粒子層
はコア層中のGeO2 が拡散しないで焼結される。この
ため、モードフィールド径の拡大が抑止され、接続損失
の増大が防止される。また、コア層の屈折率がクラッド
層に対して高く維持される。
【0054】また、炉内が焼結温度に達するまでの昇温
速度を毎分10〜20℃にすれば、第2のクラッド用ガ
ラス微粒子層は良好なガラス膜質に焼結される。このた
め、良質なオーバークラッド層が得られる。
【0055】また、炉内の初期温度が800〜900℃
に設定されていると、炉内温度が焼結温度に達するまで
の時間は、基板や炉に割れが生じたり、また、炉の寿命
を損なうことなく、短くなる。このため、光導波路製造
の生産効率は向上する。
【0056】また、HeもしくはArの不活性ガスまた
はこれらいずれか一方のガスとO2ガスとの混合ガス雰
囲気中において焼結処理が行われることにより、炉内雰
囲気がガラス微粒子層に悪影響を与えることはない。こ
のため、所望の組成の光導波路が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による光導波路製造方法にお
けるオーバークラッド用ガラス微粒子層の焼結処理温度
パターンを示すグラフである。
【図2】本実施例の光導波路製造方法における製造工程
断面図である。
【図3】種々の焼結処理温度パターンで製造された光導
波路についてのEPMA測定を示す図である。
【符号の説明】
1…Si基板、2…バッファ層(第1のクラッド層)、
3…コア層、4a…オーバークラッド用ガラス微粒子
層、4…オーバークラッド層(第2のクラッド層)、x
…炉内初期温度、y…焼結温度、t1 …初期温度保持時
間、t2 …焼結温度保持時間、α…昇温速度、β…降温
速度、S1 …昇温時間、S2 …降温時間、T1 …全処理
時間、T2 …焼結時間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 智財 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 斉藤 真秀 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にSiO2 を主成分とする第1の
    クラッド用ガラス微粒子層を堆積する第1の工程と、こ
    の第1のクラッド用ガラス微粒子層上にSiO2 および
    GeO2 を主成分とするコア用ガラス微粒子層を堆積す
    る第2の工程と、前記第1のクラッド用ガラス微粒子層
    および前記コア用ガラス微粒子層を焼結して透明ガラス
    化する第3の工程と、透明ガラス化したコア層を所定形
    状にパターニングする第4の工程と、パターニングされ
    たコア層上にSiO2 を主成分とする第2のクラッド用
    ガラス微粒子層を堆積する第5の工程と、この第2のク
    ラッド用ガラス微粒子層を焼結して透明ガラス化する第
    6の工程とを備えた光導波路の製造方法において、 前記第6の工程における第2のクラッド用ガラス微粒子
    層の焼結は、初期温度800〜900℃の炉内に第5の
    工程まで終えた前記基板を基板温度が同温度に達するま
    で保持した後、前記コア層の透明ガラス化温度よりも5
    0〜150℃低い焼結温度に達するまで炉内温度を毎分
    10〜20℃の速度で昇温し、さらに前記基板をこの焼
    結温度に180〜300分間保持し、かつ、炉内温度を
    前記初期温度から前記焼結温度に昇温する時間および前
    記基板を前記焼結温度に保持する時間の和を230〜3
    50分間として行うことを特徴とする光導波路の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記炉内の雰囲気は、HeもしくはAr
    の不活性ガス、またはこれらいずれか一方のガスとO2
    ガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項1記載
    の光導波路の製造方法。
JP17029193A 1993-07-09 1993-07-09 光導波路の製造方法 Pending JPH0727937A (ja)

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JP17029193A JPH0727937A (ja) 1993-07-09 1993-07-09 光導波路の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR970002393A (ko) * 1995-06-28 1997-01-24 패트리샤 에이. 버란져리 평면 광도파관의 개선된 제조방법
KR100333899B1 (ko) * 1998-11-23 2002-06-20 윤종용 버퍼층을이용하여복굴절을감소시키는광도파로및그제작방법
KR100509510B1 (ko) * 1997-07-15 2005-10-21 삼성전자주식회사 균일한 평면 광도파로 제작방법

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KR100509510B1 (ko) * 1997-07-15 2005-10-21 삼성전자주식회사 균일한 평면 광도파로 제작방법
KR100333899B1 (ko) * 1998-11-23 2002-06-20 윤종용 버퍼층을이용하여복굴절을감소시키는광도파로및그제작방법

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