JPH07278851A - プラズマエッチング用電極板とその製造方法 - Google Patents

プラズマエッチング用電極板とその製造方法

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JPH07278851A
JPH07278851A JP6249974A JP24997494A JPH07278851A JP H07278851 A JPH07278851 A JP H07278851A JP 6249974 A JP6249974 A JP 6249974A JP 24997494 A JP24997494 A JP 24997494A JP H07278851 A JPH07278851 A JP H07278851A
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JP
Japan
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resin
plate
plasma etching
holes
electrode
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JP6249974A
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English (en)
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Fumio Tanuma
文男 田沼
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Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間に亘り安定かつ高精度のエッチング加
工を行うことができるプラズマエッチング用電極板とそ
の製造方法を提供する。 【構成】 高純度のガラス状カーボン板に多数の貫通小
孔を穿設してなる平板状の電極であって、前記貫通小孔
が樹脂板成形段階で形成されたものであるプラズマエッ
チング用電極板。製造方法は、液状フラン系樹脂、フェ
ノール系樹脂またはこれらの混合樹脂、もしくはこれら
液状樹脂に同一種類の硬化樹脂微粉を添加混合した樹脂
原料を均一肉厚の平板状に成形硬化し、得られた樹脂板
に予め炭化時の寸法収縮を見込んで多数の貫通小孔を形
成したのち、不活性雰囲気下で焼成炭化および必要に応
じて更に黒鉛化処理を施し、最終的に塩素含有ガスによ
り高純度処理することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路を製造
する過程で、半導体ウエハーをプラズマエッチング加工
する際に用いる電極板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の微細化と高密度化が進
展するに伴い、高精度で微細パターンを形成することが
できる平行平板形プラズマエッチング技術の重要性が高
まっている。
【0003】平行平板形のプラズマエッチングは、上下
に相対向する平滑板状の電極間に高周波電力を印加して
発生させたガスプラズマによってウエハーをエッチング
するもので、プラズマ中に存在するハロゲン系反応ガス
のフリーラジカルとイオンが電極内の電界に引かれて下
部電極上に置かれたウエハーに垂直に入射し、フォトレ
ジストのない部分を食刻していくプロセス機構の処理技
術である。
【0004】このプラズマエッチングに用いられる電極
には、導電性をはじめ高純度性、化学的安定性などの特
性が必要とされており、従来、主に金属質の円板が用い
られていた。ところが、金属質の電極は化学的安定性が
不十分であるうえに材質純度を高めることに困難性を伴
う問題点があった。次いで、金属質に代わる電極材とし
て高密度黒鉛の使用が試みられた。高密度黒鉛は、優れ
た導電性と化学的安定性を備え、高純度化も容易である
ことから特性的には極めて好適な電極材料である。しか
しながら、高密度黒鉛材は、コークスあるいはカーボン
の微粉をタールピッチなどのバインダー成分と共に緻密
質に成形したのち焼成、黒鉛化して製造される関係で、
巨視的に粒体集合状の組織構造を有しており、このため
プラズマ発生中に材質組織を構成する微細なパーティク
ルが脱落して消耗を早めたり、ウエハーの上面を汚損し
て所定パターンの形成を阻害する等の欠点が認められ
た。
【0005】このほかの硬質な炭素質材料としては、ガ
ラス状カーボンが知られている。該ガラス状カーボン材
の組織は、高密度黒鉛材のような粒体集合組織とは異な
り、三次元網目状のガラス質構造を呈しているため、プ
ラズマエッチング用電極に適用した場合にプラズマ発生
により組織からパーティクルが脱落する現象は十分に抑
制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このため、従来の材料
に代わる有用性の高いプラズマエッチング電極材として
使用が試みられたが、ガラス状カーボン材は実質的にガ
ス不透過性の連続組織を有しているため、プラズマエッ
チング電極とするにあたってはエッチングガスを流通さ
せるために上下方向に多数の貫通小孔を形成する必要が
ある。ところが、ガラス状カーボン材は、材質的に極め
て硬質でありながら破損し易いガラス質性状を呈してい
る関係で、ドリル加工のような機械的手段によって貫通
小孔を穿設しようとする場合には、破損を伴わずに多数
の小孔を形成をすることが極めて困難となり、また加工
時に摩損したドリルの金属成分が孔面に付着して純度を
損ねるといった問題がある。そのうえ、機械加工によっ
て形成した小孔は寸法精度が悪く、内面平滑性も不十分
なため、ガス流通が不均一となったり、プラズマスパッ
タによる熱衝撃で孔の内面突起部分に生成した微結晶が
経時的に脱落・飛散してウエハーを汚染する等の現象も
発生する。
【0007】本発明はガラス状カーボン材をプラズマエ
ッチング用電極とする場合の上記のような問題点を解消
するためになされたもので、その目的とするところは、
高精度で均質なガス流通性が保証される貫通小孔を備
え、長期間に亘り安定したエッチング加工を行うことが
できるガラス状カーボン製のプラズマエッチング用電極
板とその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるプラズマエッチング用電極板は、高純
度のガラス状カーボン板に多数の貫通小孔を穿設してな
る平板状の電極であって、前記貫通小孔が樹脂板成形段
階で形成されたものであることを構成上の特徴とするも
のである。
【0009】本発明のプラズマエッチング用電極板を構
成するガラス状カーボン板は、フラン系樹脂やフェノー
ル系樹脂のような高炭化性の熱硬化性樹脂を炭化して得
られる組織的に極めて緻密かつ均質な三次元綱目状の連
続組織を備えるガラス質構造の炭素質物で、通常3〜4
mm範囲の肉厚をもつ平板状の板材として使用される。
【0010】ガラス状カーボン板には多数の貫通小孔を
形成してプラズマエッチング用電極板とされるが、本発
明の主要な特徴は、この貫通小孔が樹脂板成形段階で形
成された点に存する。樹脂板成形段階とは、ガラス状カ
ーボンの原料となるフラン系樹脂やフェノール系樹脂を
板状に成形し硬化した炭素化前の状態、すなわちガラス
状カーボンの前駆体の段階を指す。該樹脂板成形段階の
材質はガラス状カーボンに転化した後に比べて著しく軟
質で易加工性であるため、機械加工その他の通常加工手
段により容易に高精度の小孔を歩留よく形成することが
できる。
【0011】上記のガラス状カーボンからなるプラズマ
エッチング用電極板は、液状のフラン系樹脂、フェノー
ル系樹脂またはこれらの混合樹脂、もしくはこれら液状
樹脂に同一種類の硬化樹脂微粉を添加混合した樹脂原料
を均一肉厚の平板状に成形硬化し、得られた樹脂板に予
め炭化時の寸法収縮を見込んで多数の貫通小孔を形成し
たのち、不活性雰囲気下で焼成炭化および必要に応じて
更に黒鉛化処理を施し、最終的に塩素含有ガスにより高
純度処理する方法により製造される。
【0012】原料樹脂としては、液状のフラン系樹脂、
フェノール系樹脂またはこれらの混合樹脂、もしくはこ
れら液状樹脂に同一種類の硬化樹脂微粉を添加混合した
樹脂液が選択され、例えば注型成形のような公知の成形
手段を用いて均一肉厚の平板状に成形し、硬化してガラ
ス状カーボンの前駆体を形成する。
【0013】ついで、上記の樹脂板成形段階の前駆体に
所定の配列状態に貫通小孔を加工形成する。加工に際し
ては、樹脂板が焼成炭化してガラス状カーボンに転化す
る過程で揮発成分の揮散により大きな寸法収縮を生じる
から、予めこの寸法収縮率を見込んだ孔径および配列に
加工条件を設定する必要がある。炭化時の寸法収縮の度
合は概ね20%程度であるが、用いる原料樹脂の性状に
よって若干の変動が生じるため、加工する貫通小孔の配
列状態および孔径は原料樹脂の種類や組成と最終的に形
成される寸法状態を考慮して設定される。
【0014】孔形成の具体的な加工手段としては、ドリ
ルによる機械加工のほか、超音波、高圧水流、レーザー
光線などを用いた物理的加工方法などが適用可能である
が、最も能率的で工業的な手段はドリルによる機械加工
である。ドリルによる機械加工を行う場合には、樹脂成
形段階の板をボール盤にセットし、ドリル研削を水また
は油などの冷却媒体を流下しながら行って、穿設する孔
の内面が鏡面性状になるように形成することが好まし
い。ドリルの材質としては、例えば超硬質金属あるいは
ダイヤモンドなどの超硬質粒子が埋め込まれた硬質金属
で構成されたものが好ましく使用される。超音波、高圧
水流、レーザー光線などの手段を用いて加工する場合
は、直接に目標とする孔径寸法の貫通小孔に加工する方
法、あるいは予め機械加工により目標寸法の孔径より小
さな貫通孔を穿設したのち、前記の手段で目標とする孔
径寸法に仕上げ加工する方法のいずれかを用いることが
できる。
【0015】加工後の樹脂板は、不活性雰囲気下に80
0℃程度の温度で焼成炭化し、更に必要に応じて300
0℃までの温度で黒鉛化処理する。このようにして得ら
れたガラス状カーボンの電極板は最終的に脱灰炉に移
し、塩素、フレオン等の塩素含有ガスからなるガスを炉
中に吹き込んで高純度処理する。
【0016】
【作用】本発明に係るプラズマエッチング用電極板は、
上記したガラス状カーボン特有の組織構造ならびに高純
度性が総合的に作用して使用時の組織崩壊および過度の
消耗は極めて効果的に阻止される。そのうえ、電極板に
形成される多数の貫通小孔は加工が容易な樹脂成形段階
において予め炭化時の寸法収縮を見込んで所定の配列状
態に加工したのち炭化して形成されているから、孔の内
面性状は炭化時の収縮作用と相俟って表面粗度が効果的
に改善される。
【0017】このため、貫通小孔の形成がガラス状カー
ボン板に孔加工する場合に比べて著しく容易となり、形
成された孔の状態も寸法精度が良好で、内面平滑性に優
れたものとなる。したがって、加工時に孔面が汚染され
て材質純度を損ねたり、孔の精度が悪く、内面平滑性が
不良のために、ガス流通が不均一となったり、プラズマ
スパッタによる熱衝撃で孔の内面突起部分に生成した微
結晶が経時的に脱落・飛散してウエハーを汚染する等の
不都合な現象が生じることがなくなる。また、加工時に
材料が破損するような事態も発生しないから、加工歩留
が著しく向上する。
【0018】
【実施例】以下、本発明に実施例を比較例と対比して説
明する。
【0019】実施例 フェノール樹脂液を円盤平板形状に注型成形し硬化した
のち、成形した樹脂平板をボール盤にセットし、超硬質
金属材料のドリルを用いて2.5mm間隔に直径1.0mm
の貫通小孔群を穿設した。加工工程は極めて円滑かつ精
度よく行われ、加工歩留りは90%であった。孔加工後
の樹脂板を不活性雰囲気に保持された電気炉に入れ、8
00℃の温度に焼成炭化した。引き続き、焼成体を黒鉛
化炉に移し、3000℃の温度で黒鉛化した。得られた
炭素質板は、かさ比重1.45g/cm3 、気孔率3%、シ
ョア硬度75、曲げ強さ580kgf/cm2 、弾性率243
0kgf/cm2 、固有抵抗35×10-4Ωcmの物理特性を有
する厚さ3.0mmのガラス状カーボン平板であった。つ
いで、ガラス状カーボン板を脱灰炉に移し、炉内に塩素
ガスを流入しながら加熱して脱灰高純度化処理をおこな
った。
【0020】上記の高純度ガラス状カーボンを電極板と
してプラズマエッチング装置にセットし、反応ガス:C
HF3 (トリフロロメタン)、反応チャンバー内のガス
圧:0.05Torr、電源周波数:400KHZ の条件でシ
リコンウエハーのエッチングを行った。その結果、電極
板は長時間の使用によっても組織の崩落現象や孔内面か
らの微結晶の脱落や飛散は全く認められず、また消耗の
度合は高密度黒鉛の電極板使用時の1/10程度であっ
た。そのうえ、反応ガスの流通が均一となってウエハー
のエッチング速度も早まり、得られるエッチングパター
ンも高精度のものであることが認められた。
【0021】比較例 実施例において樹脂成形段階で貫通小孔を形成せずに成
形樹脂板を同一条件により焼成炭化および黒鉛化処理を
施してガラス状カーボン板を製造した。このガラス状カ
ーボン板にドリルによる機械加工で行い、プラズマエッ
チング用電極板を得た。孔加工に際しては材質破損、亀
裂発生等の不良品が多く発生し、加工歩留りは60%で
あった。得られた電極板を用いて、実施例と同様にプラ
ズマエッチング試験に供したところ、孔内面からの微結
晶の脱落や飛散が生じ、また反応ガスの流通が不均等と
なってウエハーのエッチング速度が減退し、エッチング
パターンの精度も低下した。
【0022】
【発明の結果】以上のとおり、本発明によるプラズマエ
ッチング用電極板は樹脂成形段階で多数の貫通小孔を形
成したのち焼成炭化したガラス状カーボンにより構成さ
れているから、工程段階で何らのトラブル現象を生じる
ことなく長期間に亘り常に安定した高精度のエッチング
加工を行うことが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度のガラス状カーボン板に多数の貫
    通小孔を穿設してなる平板状の電極であって、前記貫通
    小孔が樹脂板成形段階で形成されたものであるプラズマ
    エッチング用電極板。
  2. 【請求項2】 液状のフラン系樹脂、フェノール系樹脂
    またはこれらの混合樹脂、もしくはこれら液状樹脂に同
    一種類の硬化樹脂微粉を添加混合した樹脂原料を均一肉
    厚の平板状に成形硬化し、得られた樹脂板に予め炭化時
    の寸法収縮を見込んで多数の貫通小孔を形成したのち、
    不活性雰囲気下で焼成炭化および必要に応じて更に黒鉛
    化処理を施し、最終的に塩素含有ガスにより高純度処理
    することを特徴とするプラズマエッチング用電極板の製
    造方法。
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