JPH07278225A - 吸水剤およびその製造方法 - Google Patents

吸水剤およびその製造方法

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JPH07278225A
JPH07278225A JP2951995A JP2951995A JPH07278225A JP H07278225 A JPH07278225 A JP H07278225A JP 2951995 A JP2951995 A JP 2951995A JP 2951995 A JP2951995 A JP 2951995A JP H07278225 A JPH07278225 A JP H07278225A
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頼道 大六
Kinya Nagasuna
欣也 長砂
Yoshihiko Masuda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加圧下においても無加圧下と同様、高い吸収
倍率を示しかつ反応性の高い架橋剤が残存せず安全性に
優れ、衛生材料に好適な吸水剤及びその製造方法を提供
する。 【構成】 カルボキシル基を有する吸水性樹脂に、無機
酸および有機酸からなる群より選ばれた少なくとも1種
の添加剤とカルボキシル基と反応し得る架橋剤を混合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸水剤及びその製造方法
に関するものである。更に詳しくは、加圧下においても
無加圧下と同様、高い吸収倍率を示しかつ反応性の高い
架橋剤が樹脂表面に残存せず安全性に優れ、衛生材料に
好適な吸水剤及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、体液を吸収させることを目的と
し、紙オムツ、生理用ナプキンなどの衛生材料の構成材
料の一つとして吸水性樹脂が幅広く利用されている。
【0003】これらの吸水性樹脂としては、例えば、ポ
リアクリル酸部分中和物架橋体(特開昭55−8430
4号、特開昭55−108407号、特開昭55−13
3413号)、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体
の加水分解物(特開昭46−43995号)、澱粉−ア
クリル酸グラフト重合体の中和物(特開昭51−125
468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体
のケン化物(特開昭52−14689号)、カルボキシ
メチルセルロース架橋体(米国特許4650716号、
同4689408号)、アクリロニトリル共重合体もし
くはアクリルアミド共重合体の加水分解物(特開昭53
−15959号)またはこれらの架橋体、カチオン性モ
ノマーの架橋重合体(特開昭58−154709号、特
開昭58−154710号)、架橋イソブチレンー無水
マレイン酸共重合体(米国特許4389513号)、2
ーアクリルアミドー2ーメチルプロパンスルホン酸とア
クリル酸の共重合架橋体(欧州特許068189号)な
どが知られている。
【0004】かかる吸水性樹脂に望まれる特性として
は、水性液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸収速
度、通液性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基
材から水を吸い上げる吸引力等が挙げられる。しかしな
がら、これらの特性間の関係は必ずしも正の相関関係を
示さず、例えば、吸収倍率の高いものほど通液性、ゲル
強度、吸収速度等の物性は低下してしまうという問題を
有している。
【0005】そこで、この様な吸水性樹脂の吸水諸特性
をバランス良く改良する方法として吸水性樹脂の表面近
傍を架橋する技術が知られており、これまでに様々な方
法が提案されている。
【0006】例えば、架橋剤として、多価アルコールを
用いる方法(特開昭58−180233号、特開昭61
−16903号)、多価グリシジル化合物、多価アジリ
ジン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネ−ト化
合物を用いる方法(特開昭59−189103)、グリ
オキサールを用いる方法(特開昭52−117393
号)、多価金属を用いる方法(特開昭51−13658
8号、特開昭61−257235号、特開昭62−77
45号)、シランカップリング剤を用いる方法(特開昭
61−211305号、特開昭61−252212号、
特開昭61−264006号)、モノエポキシ化合物を
用いる方法(特開昭61ー98121号)、エポキシ基
含有高分子を用いる方法(米国特許4758617
号)、エポキシ化合物とヒドロキシ化合物を用いる方法
(特開平2−132103号)、アルキレンカーボネー
トを用いる方法(DE−4020780)等が知られて
いる。また架橋反応時に、不活性無機粉末を存在させる
方法(特開昭60−163956号、特開昭60−25
5814号)、二価アルコ−ルを存在させる方法(特開
平1−292004号)、水とエ−テル化合物を存在さ
せる方法(特開平2−153903号)、水溶性ポリマ
ーを存在させる方法(特開平3−126730号)、1
価アルコ−ルのアルキレンオキサイド付加物、有機酸
塩、ラクタム等を存在させる方法(EP−555692
号)も知られている。
【0007】なるほど、これらの方法によって、吸水性
樹脂の諸物性のバランスの改良はなされるもののいまだ
に十分とはいい難く、更らなる高品質化が求められてい
るのが実状である。特に近年、従来からの吸水性樹脂の
基本物性の一つである無加圧下での吸収倍率を高く維持
したまま、加圧下での吸収特性、特に加圧下の吸収倍率
に優れた樹脂が求められるようになってきた。もちろん
無加圧下の吸収倍率と加圧下の吸収倍率も一般には相反
する関係にあり、これまでに知られている上記方法のみ
ではこれらのニ−ズに十分に答える事ができないのが現
状であった。
【0008】またこれらに加え、吸水性樹脂の表面近傍
を架橋させる場合に用いられる架橋剤が樹脂表面に残存
する問題がある。使用する架橋剤が多価アルコ−ルのご
とき反応性の低く且つ安全性の高いものである場合には
問題は無いが、架橋剤がエポキシ化合物のごとき反応性
の高いものの場合には、表面近傍の架橋が迅速に起こり
易いものの、架橋剤それ自体が皮膚刺激性を有し樹脂表
面に残存した場合、衛生材料への応用を考えると安全性
の面から新たな問題となる。
【0009】そこで、表面近傍を架橋させる架橋剤の樹
脂中の残存量を低減する為に、特定の含水率下で樹脂の
表面近傍の架橋を開始し、反応途中にさらに特定量の水
を添加する方法(特開平3−195705号)が知られ
ている。しかし、このような方法はプロセス的にも複雑
になるのみならず、その残存量の低減率も十分なもので
はなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
加圧下においても無加圧下と同様、高い吸収倍率を示し
かつ反応性の高い架橋剤が樹脂表面に残存せず安全性に
優れ、衛生材料に好適な吸水剤及びその製造方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、カルボキシル基を有す
る吸水性樹脂に、カルボキシル基と反応し得る架橋剤を
混合することにより吸水剤を製造するに際し、特定の添
加剤を用いると、吸収諸特性、なかでも無加圧下での吸
収倍率を高く維持したまま、加圧下での吸収倍率にきわ
めて優れ、且つ反応性の高い架橋剤を用いた場合にもそ
の架橋剤の残存量が著しく低減された吸水剤が容易に得
られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】即ち、本発明は、カルボキシル基を有する
吸水性樹脂に、水性液に溶解し得る無機酸および有機酸
からなる群より選ばれた少なくとも1種の添加剤とカル
ボキシル基と反応し得る架橋剤を混合することを特徴と
する吸水剤の製造方法、および、カルボキシル基を有す
る吸水性樹脂100重量部当たりエポキシ化合物0.0
05〜8重量部を添加して得られた、無加圧下での吸収
倍率が45(g/g)以上、20g/cm2 における加
圧下の吸収倍率が30(ml/g)以上でエポキシ化合
物の残存量が2ppm以下である吸水剤に関するもので
ある。
【0013】以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0014】本発明に用いられる吸水性樹脂は、カルボ
キシル基を有するものであれば特に制限はなく、部分中
和ポリアクリル酸塩架橋重合体、澱粉ーアクリル酸グラ
フトポリマー、カルボキシメチルセルロース架橋体など
の水中において多量の水、好ましくは、生理食塩水を無
加圧下で10〜100倍吸収して実質水不溶性のヒドロ
ゲルを形成する従来公知の吸水性樹脂樹脂である。
【0015】本発明で典型的には、必要により架橋剤や
グラフト主鎖の存在下、アクリル酸及び/又はその塩を
主成分とする親水性単量体を重合して得られた吸水性樹
脂が好ましく用いられる。アクリル酸塩としてはアクリ
ル酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など
を例示する事ができ、樹脂の構成単位としてアクリル酸
に由来するカルボキシル基の中和率が50〜90モル%
の範囲にあるものが好ましい。
【0016】本発明で用いられる吸水性樹脂をアクリル
酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体より得
る場合、これらアクリル酸またはその塩に併用して、必
要により他の単量体を共重合させてもよい。(米国特許
5338810号、欧州特許0574260号)。
【0017】他の単量体の具体例としては、メタアクリ
ル酸、マレイン酸、βーアクリロイルオキシプロピオン
酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリロイルプロパンスルホン酸などのアニオン性
不飽和単量体およびその塩;アクリルアミド、メタアク
リルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−
n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アク
リロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなど
のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびそ
れらの四級塩などのカチオン性不飽和単量体などを挙げ
ることができる。また、吸水性を損なわない範囲で、イ
ソブチレン、ステアリル(メタ)アクリレートなどの疎
水性不飽和単量体を用いることもできる。これらの他の
単量体の使用量は全単量体中、通常0〜50モル%、好
ましくは0〜30モル%、更に好ましくは0〜10モル
%である。
【0018】本発明に用いられる吸水性樹脂は架橋構造
を有するものであるが、架橋剤を使用しない自己架橋型
のものより、2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の
反応性基を有する内部架橋剤や、或いは重合性不飽和基
と反応性基を併せ持った内部架橋剤を共重合または反応
させたものが望ましい。
【0019】これらの内部架橋剤の具体例としては、例
えば、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアク
リレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタ
エリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリア
リルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)ア
リロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、
エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル
(メタ)アクリレートなどを挙げることが出来る。また
これらの内部架橋剤は2種以上使用してもよい。中で
も、得られる吸水性樹脂の吸水特性などから、2個以上
の重合性不飽和基を有する化合物を内部架橋剤として必
須に用いることが好ましく、その使用量としては前記単
量体成分に対して0.005〜2モル%とするのが好ま
しく、より好ましくは0.01〜1モル%である。
【0020】また、重合に際しては、澱粉やセルロ−
ス、澱粉やセルロ−スの誘導体、ポリビニルアルコ−
ル、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋
体等の親水性高分子や、次亜リン酸(塩)等などの連鎖
移動剤、界面活性剤、炭酸塩などの発泡剤などを添加し
てもよい。なお、これらのモノマーへ加える化合物は、
米国特許4076663号,同42286082号,同
4320040号,同4833222号,同51187
19号,同5149750号,同5154713号,同
5264495号や、欧州特許03729831号,同
0496594号などに示されている。
【0021】本発明に用いられる吸水性樹脂を得る為に
上記した単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈
澱重合を行うことも可能であるが、性能面や重合の制御
の容易さから、単量体を水溶液として、水溶液重合、逆
相懸濁重合を行うことが好ましい。その際の水溶液濃度
としては、通常10〜70重量%、好ましくは20〜飽
和濃度である。
【0022】なお、かかる重合方法は、例えば、米国特
許4093376号、同4367323号、同4446
261号、同4552938号、同4625001号、
同4654393号、同4683274号、同4690
996号、同4721647号、同4738867号、
同4748076号、同4769427号、同4873
229号、同4985514号、同5124416号、
同5247225号、同5250640号に記載されて
いる。
【0023】また重合の開始の際には、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル
重合開始剤、紫外線や電子線などの活性エネルギー線等
を用いることができるが、ラジカル重合開始剤を用いる
ことが好ましい。また、酸化性ラジカル重合開始剤を用
いる場合、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、
硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸(塩)等の還元剤を併
用してレドックス重合としても良い。これらの重合開始
剤や還元剤を複数併用してもよく、その使用量は通常、
単量体に対して0.001〜2モル%、好ましくは0.
01〜0.5モル%である。
【0024】また、単量体を水溶液とする場合、重合後
のゲル状重合体は好ましくは乾燥される。用いられる乾
燥方法としては、熱風乾燥,特定水蒸気での乾燥(米国
特許490202号),マイクロ波乾燥(米国特許50
75344),減圧乾燥,ドラムドライヤー乾燥,疎水
性有機溶媒中での共沸脱水など公知の手法であり、好ま
しくは70〜300℃,より好ましくは100〜250
℃で乾燥される。また、乾燥に先だって、米国特許52
75773号などの手法でゲル状重合体を予め細分化し
てもよいし、米国特許5229487号などの方法で乾
燥器への供給をコントロールしてもよい。
【0025】上記の重合により得られた吸水性樹脂の形
状は不定形破砕状、球状、繊維状、棒状、シート状、略
球状等種々のものが本発明に好ましく使用できるが、本
発明の効果を最大限に発揮させ、加圧下においても無加
圧下と同様に高い吸収量を示し、未反応の架橋剤が残存
せず安全性に優れた吸水剤をえる為には、出発原料とし
て、好ましくは球状または不定形破砕状、特に好ましく
は、水溶液重合により得られた不定形破砕状でかつその
平均粒子径が200〜600μmで、かつ150μm未
満の粒子径を有する樹脂の重量が10重量%以下の吸水
性樹脂を用いるのが最も好ましい。平均粒子径が200
μm未満では加圧下の吸収倍率が向上しにくい場合があ
り、また600μmを越えるときは、吸収スピ−ドが遅
く、飽和吸収量に達するために長時間かかり過ぎる場合
がある。また、150μm未満の粒子径を有する樹脂が
10重量%を越えたときには、残存架橋剤量の低減がな
されにくい場合があるので注意を要する。
【0026】また、本発明に用いる吸水性樹脂は含水率
が1〜50%、好ましくは1〜20%、さらに好ましく
は1〜10%で粉体として取扱えるものである。含水率
が50%を越えると本発明に用いる架橋剤が吸水性樹脂
内部まで浸透し無機酸および有機酸からなる群より選ば
れた少なくとも1種の添加剤を用いても、吸収倍率が低
下するのみならず、加圧下での吸収特性が向上しない場
合がある。
【0027】本発明では、例えば上記の様にして得られ
たカルボキシル基を有する吸水性樹脂に対して、必須
に、水性液に溶解し得る無機酸および有機酸からなる群
より選ばれた少なくとも1種の添加剤、および、カルボ
キシル基と反応し得る架橋剤を混合する。
【0028】本発明において用いられる添加剤は、水性
液に溶解し得る無機酸および/または有機酸であれば特
に制限されない。ここで水性液とは、水や水と親水性有
機溶媒との混合物を意味する。また、pKaが7.0を
超える化合物など当該分野に通常の知識を有する者が、
一義的に塩基性化合物や塩として認識する物質が上記の
無機酸や有機酸に該当しないことは言うまでもない。
【0029】本発明で言う有機酸とは、炭素,水素,酸
素よりなる元素より構成された酸性化合物であり、有機
カルボン酸,有機スルホン酸,有機スルフィン酸が代表
的に例示され、効果の面から、好ましくは有機カルボン
酸である。更に効果の面から、有機カルボン酸の内で
は、好ましくは飽和有機カルボン酸、更により好ましく
はヒドロキシ基含有飽和有機カルボン酸が用いられる。
【0030】また、本発明で言う無機酸とは、無機物と
水素より構成された酸性化合物であり、効果の面から、
好ましくは、無機物として燐,硫黄,塩素の少なくとも
1種を含む周期律表第3周期の元素を含有する無機酸、
更に好ましくは、周期律表第3周期の元素を含有する、
飽和無機酸である。なお、本発明で言う飽和無機酸と
は、複数の酸化状態が可能な無機物の場合、無機物の最
も安定な酸化状態の無機酸を言い、例えば、燐では正5
価(+5),硫黄では正6価(+6),塩素では負1価
(−1)の元素を含む無機酸である。
【0031】この様な添加剤の例としては、二リン酸、
トリポリリン酸、リン酸、硫酸、塩酸等の無機酸;アニ
ス酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリオキシ
ル酸、グリコ−ル酸、グリセリンリン酸、グルタル酸、
クロロ酢酸、クロロプロピオン酸、ケイ皮酸、コハク
酸、酢酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、フマル酸、プロ
ピオン酸、3ーヒドロキシプロピオン酸、マロン酸、酪
酸、イソ酪酸、イミジノ酢酸、リンゴ酸、イセチオン
酸、シトラコン酸、アジピン酸、イタコン酸、クロトン
酸、シュウ酸、サリチル酸、グルコン酸、没食子酸、ソ
ルビン酸、グルコン酸、pーオキシ安息香酸、等の有機
酸を例示する事ができる。
【0032】この様な無機酸や有機酸の代わりに塩基性
化合物や塩を用いても、加圧下での吸収特性が全く向上
しないのみならず、表面近傍の架橋に用いられる架橋剤
の残存量の低減率が低い。また、無機酸や有機酸をモノ
マーに添加しても、本発明の目的達成には全く効果がな
い。
【0033】無機酸および有機酸としては、効果の面か
ら、水溶液中での酸解離指数(酸解離定数の逆数の対数
値、pKa値)が2.0〜4.0の無機酸および有機酸
が好ましく、例えば、二リン酸、トリポリリン酸、リン
酸、クエン酸、コハク酸、乳酸よりなる群より選ばれる
1種または2種以上を用いるのが好適である。更に、上
記の酸解離指数(pKa値)が2.0〜4.0の添加剤
のうちでも、有機酸が好ましく、有機カルボン酸がより
好ましい。また、無機酸および有機酸の分子量としては
好ましくは30〜1000、より好ましくは60〜50
0の範囲である。
【0034】更に、前記飽和有機酸および前記周期律表
第3周期の元素を含有する飽和無機酸の中では、クエン
酸、コハク酸、乳酸などの飽和有機カルボン酸、更に
は、ヒドロキシ基含有飽和有機カルボン酸がより好まし
い。なお、酸解離指数は例えば丸善株式会社発行の化学
便覧基礎編改訂3版頁II−337〜342や、その脚注
に示された文献に記載されている。
【0035】本発明に於いて上記添加剤の使用量は、表
面近傍の架橋に用いる架橋剤によっても異なるが、通
常、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して0.00
5〜8重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
使用量が8重量部を越える場合は、不経済となるばかり
か、本発明の目的とするところの最適な架橋効果を達成
する上で過剰量となりやすく、また、0.005重量部
未満の少ない量では、加圧下の吸収諸特性の改良効果
や、該架橋剤の残存量の低減効果が得られにくい。好ま
しくは0.1〜3重量部である。
【0036】本発明に用いることのできるカルボキシル
基と反応し得る架橋剤は、通常、該用途に用いられてい
る公知の架橋剤が例示され、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3
−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール、ポリプ
ロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2
−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−
シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロ
ピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重
合体、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価
アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレンジグリシジルエーテル、グリセロ
ールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシ
ド−ル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリアミドポリ
アミンポリエチレンイミン等の多価アミン化合物、並び
に、それら多価アミンとハロエポキシ化合物との縮合
物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;
1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリ
ン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤;1,3−ジオキソラン−2−オン、4
−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−
ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−
ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチ
ル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシ
メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジ
オキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン
−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−
2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキ
レンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブ
ロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロ
エポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ア
ルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物及び塩化物
等の多価金属化合物;等より選ばれる1種または2種以
上のものが例示できる。そして、これらの架橋剤の内で
は、多価アルコール、エポキシ化合物、アルキレンカー
ボネート化合物、多価アミン化合物やそのエピハロヒド
リン縮合物から選ばれた1種以上が好ましい。
【0037】上記架橋剤の中でも、本発明の効果を最大
限に達成させるためには、架橋剤の必須成分としてエポ
キシ化合物を用いることが特に好ましい。また、この場
合さらに特願平4−336392号に示された様な溶解
度パラメ−タ−範囲の異なる2種類以上の架橋剤の組み
合わせてとして用いることにより、本発明の効果はさら
に顕著になり易いことがある。この特願平4−3363
92号における第1架橋剤として、溶解度パラメーター
(SP値)12.5[(cal/cm31/2]以上でカ
ルボキシル基と反応し得るものである。溶解度パラメー
ター(SP値)は化合物の極性を表すファクターとして
一般に用いられており、本発明ではポリマーハンドブッ
ク第3版(WILEY INTERSCIENCE社発
行)VIIー527〜539に記載されている溶媒の溶
解度パラメ−タ−δ[(cal/cm31/2]の値を適
用するものとし、この表に記載されていない架橋剤に関
しては同ハンドブックのVII−524のSmallの
式にVII−525に記載されているHoyの凝集エネ
ルギー定数を代入して導入した値δ[(cal/c
31/2]を適用するものとする。
【0038】この様な溶解度パラメーター(SP値)1
2.5[(cal/cm31/2]以上でカルボキシル基
と反応し得る第一架橋剤としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート等が例示され、こ
れらの群より選ばれる1種または2種以上を用いること
ができる。好ましくは、溶解度パラメーター(SP値)
13.0〜18.0[(cal/cm31/2]のもので
ある。
【0039】さらに、これら第一架橋剤の中でも、好ま
しくは分子量200以下、より好ましくは50〜150
のものが用いられる。
【0040】また、第二架橋剤としては、溶解度パラメ
ーター(SP値)12.5[(cal/cm31/2]未
満でカルボキシル基と反応し得るものである。具体的に
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、1,3ーブタンジオール,
1,4ーブタンジオール、1,5ーペンタンジオール、
2,4ーペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ−
ル、2,5−ヘキサンジオ−ル、トリメチロールプロパ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、2,4ートリレンジイシシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、4,5−ジメチル−1,3−
ジオキサン−2−オン、エピクロロヒドリン、エピブロ
モヒドリン等を例示でき、これらの群から選ばれる1種
または2種以上を用いることができる。好ましくは、溶
解度パラメーター(SP値)9.5以上且つ12.0
[(cal/cm31/2]未満の範囲のものである。更
に、これら第2架橋剤の中でも好ましくは分子量350
以下、より好ましくは150〜300のものが用いられ
る。また、第一架橋剤と第二架橋剤を選択するに当たっ
ては、第一架橋剤と第二架橋剤との溶解度パラメーター
(SP値)の差が2[(cal/cm31/2]以上、更
には3[(cal/cm31/2]以上になるように選択
することが好ましい。
【0041】本発明によれば添加剤の効果により架橋剤
の分布を最適化でき、添加剤を用いない場合に比べて、
加圧下における高い吸収倍率を示す吸水剤が得られ、か
つ架橋剤の残存量を大きく低減できるが、エポキシ化合
物のごとき反応性の高いものを用いた場合にその残存量
低減効果は特に大きく、吸水特性に優れ、衛生材料への
応用に最適な安全性の高い吸水剤がプロセス的にも効率
よく得られる。
【0042】本発明に於いて使用される架橋剤の使用量
は、用いる架橋剤の種類によっても異なるが、本発明の
吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、通常0.0
01〜10重量部、好ましくは0.005〜8重量、更
に好ましくは0.01〜5重量部部、最も好ましくは
0.01〜2重量部の範囲であり、この範囲内の量であ
れば加圧下の吸収特性に優れた吸水性樹脂が得られる。
使用量が10重量部を越える場合、不経済となるばかり
か、適正な架橋効果を達成する上で過剰量となりやす
く、また本発明の添加剤を使用しても架橋剤が残存しや
すい。逆に0.001重量部未満の少ない量では、加圧
下の吸収特性の改良効果が得られにくい。
【0043】また、上記特願平4−336392号に示
された様な方法で第一架橋剤と第二架橋剤を併用する場
合、第一架橋剤の使用量は吸水性樹脂の固形分100重
量部に対して、通常0.001〜10重量部、好ましく
は0.01〜8重量部、更に好ましくは0.1〜5重量
部の範囲であり、第二架橋剤の使用量は通常0.001
〜10重量部、好ましくは0.001〜1重量部、更に
好ましくは0.005〜0.5重量部の範囲である。
【0044】本発明において吸水性樹脂と架橋剤・添加
剤とを混合する際、水を用いることが好ましい。本発明
において、使用される水の量は、吸水性樹脂の種類や粒
度や含水率に応じて異なるが、吸水性樹脂の固形分10
0重量部当り、0.5〜5重量部、好ましくは0.5〜
3重量部の範囲である。水の使用量が5重量部を越える
場合は加圧下の吸収特性が向上しにくくなるばかりか本
発明の添加剤を使用しても架橋剤が残存しやすくなる場
合がある。逆に0.5重量部未満の少ない量では、加圧
下の吸収特性の改良効果が得られにくい場合がある。
【0045】また、本発明において吸水性樹脂と架橋剤
・添加剤とを混合する際、親水性有機溶媒を用いてもよ
い。用いられる親水性有機溶媒としては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i
so−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i
so−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低
級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、
アルコキシ(ポリ)エチレングリコール、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド
等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド
類を挙げることができる。本発明において、使用される
親水性有機溶媒の量は、吸水性樹脂の種類や粒度によっ
てその最適量は異なるが、通常、吸水性樹脂の固形分1
00重量部に対して、0〜10重量部、好ましくは0.
1〜5重量部の範囲である。
【0046】本発明において、吸水性樹脂と架橋剤、及
び添加剤の混合はシクロヘキサン、ペンタン等の有機溶
媒中に吸水性樹脂を分散させた状態で行ってもよいが、
本発明の特徴を最大限に発揮させる為には、以下(1)
〜(4)の方法等が好ましく例示できる。
【0047】(1)必要により水及び/または親水性有
機溶媒を含む架橋剤と添加剤を予め混合した後、次い
で、該混合物を吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する
方法。
【0048】(2)吸水性樹脂に予め添加剤を混合した
後、次いで、必要により水及び/または親水性有機溶媒
を含む架橋剤を噴霧あるいは滴下混合する方法。
【0049】(3)必要により水及び/または親水性有
機溶媒を含む架橋剤を直接、吸水性樹脂に噴霧あるいは
滴下混合した後、次いで、添加剤を混合する方法。
【0050】(4)必要により水及び/または親水性有
機溶媒を含む架橋剤と添加剤を2本のノズルなどで平行
して同時に、吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方
法。
【0051】また、前記した様に架橋剤や添加剤の吸水
性樹脂への混合には、水や親水性有機溶媒を用いて溶液
として混合することが好ましい。更に、これら(1)〜
(4)方法の中でも吸水特性と架橋剤の残存量低減効果
から、架橋剤と添加剤を予め混合しておく(1)の方法
が好ましい。なお、混合に水を用いる場合、水不溶性微
粒子状粉体や界面活性剤を共存させてもよい。
【0052】前記混合に用いられる好適な混合装置は、
均一な混合を確実にするため大きな混合力を生み出せる
事が必要である。本発明に用いることのできる混合装置
としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合
機、高速攪はん型混合機、V字型混合機、リボン型混合
機、スクリュ−型混合機、流動型炉ロ−タリ−デスク型
混合機、気流型混合機、双腕型ニ−ダ−、内部混合機、
粉砕型ニ−ダ−、回転式混合機およびスクリュ−型押出
機等があげられる。
【0053】本発明では、吸水性樹脂に架橋剤および添
加剤とを混合した後、好ましくは、架橋剤および添加剤
を予め混合し次いで吸水性樹脂に混合した後、架橋剤の
種類に等により好ましくは更に加熱処理を行うことで、
表面近傍を架橋させる。
【0054】本発明で加熱処理を行う場合、処理温度は
80〜300℃が好ましい。加熱処理温度が80℃未満
では、加熱処理に時間がかかり生産性の低下をひき起こ
すのみならず、均一な架橋が達成されず、本発明の目的
とする加圧下の吸水特性の高い樹脂が得られない場合が
あるのみならず、架橋剤が残存しやすくなる。使用する
架橋剤の種類にもよるが、加熱処理温度はより好ましく
は100〜230℃、更に好ましくは160〜220℃
の範囲である。
【0055】加熱処理は通常の乾燥機または加熱炉を用
いて行うことができ、例えば溝型混合乾燥機、ロ−タリ
−乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥
機、および赤外線乾燥機等が例示できる。
【0056】以上、本発明の製造方法で得られる吸水剤
は例えば、架橋剤としてエポキシ化合物を用いた場合に
は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂100重量部当
たりエポキシ化合物0.005〜8重量部を添加して得
られた無加圧下での吸収倍率が45(g/g)以上、2
0g/cm2 における加圧下の吸収倍率が30(ml/
g)以上、好ましくは35(ml/g)以上で且つエポ
キシ化合物の残存量が2ppm以下、好ましくは該エポ
キシ化合物が検出されない新規な吸水剤である。 ま
た、更に好ましくは本発明の吸水剤は、安全性や吸収特
性の面から、飽和有機酸、更に好ましくはヒドロキシ基
含有飽和有機酸を0.01〜5重量%(対吸水性樹脂)
含む。また、本判明の吸水剤は好ましくは、平均粒径2
00〜600μmかつ150μm未満の粒子径を有する
樹脂が10重量%以下の形状である。 本発明で得られ
る吸水剤は無加圧下および加圧下共に優れた吸収特性を
示し、かつ反応性の高い架橋剤の樹脂表面への残存量が
大きく低減されたものである。この原因については定か
ではないが、吸水性樹脂を本発明の添加剤の存在下架橋
剤と混合し加熱処理することによって、架橋剤自身へ悪
影響を引き起こすことなく、吸水性樹脂の表面近傍にお
ける架橋剤の分布が最適化されかつ速やかに均一な架橋
反応がおこるため、架橋剤の残存量が著しく低減されか
つ、均一な密度勾配をもつ架橋が粒子表面近傍において
形成されるためではないかと推測される。 また、その
吸水性樹脂の形状を、先に述べたように不定形破砕状の
ものを用いれば上記優れた吸収特性に加え、安全性も高
く、さらには液の拡散性が良好で、パルプからの移動・
脱落も少ない、従来公知の吸水性樹脂にはない、衛生材
料に特に好適な吸水剤となり得る。
【0057】更に、本発明で得られた吸水剤に対して、
消臭剤、香料、無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性
短繊維、可塑剤、バインダー、界面活性剤、肥料、酸化
剤、還元剤、水、塩類等の化合物を添加して新たな機能
を附加してもよい。また、本発明の吸水剤を更に造粒や
成型してもよい。
【0058】なお、かかる化合物は、米国特許4179
367号,同4190563号,同4500670号,
同4693713号,同4812486号,同4863
989号,同4929717号,同4959060号,
同4972019号,同5078992号,同5229
488号や、欧州特許0009977号,同04930
11号などに例示されている。また、造粒方法は米国特
許4734478号や、欧州特許0450922号,同
480031号などに例示されている。
【0059】
【発明の効果】本発明の方法によれば加圧下においても
無加圧下と同様、高い吸収倍率を示し安全性に優れ、衛
生材料に好適な吸水剤を簡便に製造する事ができる。
【0060】本発明の吸水剤は、無加圧下の吸収倍率が
高く、かつ加圧下での吸収倍率にも非常に優れ、反応性
の高い架橋剤が樹脂表面に残存せず、さらに液の拡散
性、パルプからの移動や脱落のし難くさ、等の特徴を有
することから紙おむつ、生理ナプキンなどの衛生材料に
特に好適に用いられる。
【0061】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲がこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0062】尚、吸水剤の諸性能は以下の方法で測定し
た。
【0063】(a)無加圧下での吸収倍率 吸水剤0.2gを不織布製のティーバッグ式袋(40*
150mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナトリウ
ム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後にティ
ーバッグ式袋を引き上げ、一定時間水切りを行った後、
ティーバッグ式袋の重量W1 を測定した。同様の操作を
吸水剤を用いないで行い、そのときのブランク重量W0
を求め、以下の(式1)で吸収倍率を算出した。
【0064】
【数1】
【0065】(b)加圧下の吸収倍率 特願平4−336392号、第1図に示したのと同一の
装置を用いて加圧下の吸収倍率を測定する。即ちビュレ
ット1の上口2に栓3をし、測定台4と空気口5を等高
位にセットする。測定台4中の中央部にある直径70m
mのガラスフィルタ−6上にろ紙7をのせる。直径55
mmの支持円筒10の下端部に不織布8を固定させ不織
布8上に吸水剤0.76gを均一に散布しさらに20g
/cm2の荷重9をのせる。この不織布−吸水剤−荷重
を支持円筒ごとガラスフィルタ−6の上のろ紙7上にの
せ、30分間にわたって吸収した0.9重量%塩化ナト
リウム水溶液(生理食塩水)の値(Aml)を測定し、
以下の(式2)より加圧下の吸収倍率(ml/g)を求
めた。
【0066】
【数2】
【0067】(c)残存表面架橋剤量 (エポキシ化合
物の場合) 吸水剤2.0gを100mlのビ−カ−に加え、メタノ
−ル/水=2/1重量%からなる組成液2mlを加え、
蓋をして1時間放置する。メタノ−ル5mlを上記ビ−
カ−に加え濾過し、濾液1.0gを50mlのナスフラ
スコにいれ、12wt%のニコチンアミド水溶液0.0
5mlを添加する。ナスフラスコに空冷管をつけ沸騰し
たウオ−タ−バスで30分間加熱する。反応液をろ紙を
用いて濾過し、濾過液を高性能液体クロマトグラフィ−
で分析した。
【0068】一方、吸水剤を用いず既知量の架橋剤を加
えて同様の操作を行い、得られた検量線を外部標準とな
し、濾過液の希釈倍率を考慮して、吸水剤中の残存表面
架橋剤量(ppm)を求めた。
【0069】(参考例)75モル%の中和率を有するア
クリル酸ナトリウム塩の水溶液5500g(単量体濃度
33%)に、内部架橋剤としてN,N′−メチレンビス
アクリルアミド1.58gを溶解させ窒素ガスで30分
脱気後、内容積10Lでシグマ型羽根を2本有するジャ
ケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋をつけた反
応器に供給し、単量体を30℃の温度に保ち反応系をさ
らに窒素置換した。次いで、羽を回転させながら過硫酸
アンモニウム2.4gとl−アスコルビン酸0.12g
を添加したところ1分後に重合が開始し、16分後には
反応系内のピーク温度は83℃に達し、含水ゲル重合体
は約5mmの径に細分化された。その後更に撹拌を続
け、重合を開始して60分後に含水ゲル重合体を取り出
した。
【0070】得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を5
0メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾
燥した。乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、更に20メ
ッシュで分級し、平均粒子径360μmでかつ150μ
m未満の粒子径を有する樹脂の割合が5重量%、含水率
6重量%の不定形破砕状の吸水性樹脂(A)を得た。 (実施例1)参考例で得られた吸水性樹脂(A)100
部に、架橋剤としてエチレングリコ−ルジグリシジルエ
−テル0.05部、添加剤として乳酸(pKa=3.6
6)0.5部、及び水3部からなる組成液を混合し、得
られた混合物を120℃で40分間加熱処理した。得ら
れた吸水剤(1)の性能評価結果を表1に示した。
【0071】(実施例2)参考例で得られた吸水性樹脂
(A)100部に、第一架橋剤としてグリセリン0.5
部、第二架橋剤としてエチレングリコ−ルジグリシジル
エ−テル0.05部、添加剤としてクエン酸(pKa=
2.87)0.5部、及び水3部およびイソプロピルア
ルコール1部からなる組成液を混合し、得られた混合物
を200℃で40分間加熱処理した。得られた吸水剤
(2)の性能評価結果を表1に示した。
【0072】(実施例3)実施例2において、添加剤を
リン酸(pKa=2.15)0.2部に変更したほか
は、同様の操作を行い吸水剤(3)を得た。吸水剤
(3)の性能評価結果を表1に示した。
【0073】(実施例4)参考例で得られた吸水性樹脂
(A)100部に、第一架橋剤としてエチレンカ−ボネ
−ト1部、第二架橋剤としてグリセロ−ルポリグリシジ
ルエ−テル0.05部、添加剤としてのコハク酸(pK
a=4.00)0.2部、水2部およびイソプロピルア
ルコール3部からなる組成液を混合し、得られた混合物
を190℃で60分間加熱処理した。得られた吸水剤
(4)の性能評価結果を表1に示した。
【0074】(比較例1)実施例1において添加剤とし
ての乳酸を用いない他は同様の操作を行ない比較用吸水
剤(1)を得た。比較用吸水剤(1)の性能評価結果を
表1に示した。
【0075】(比較例2)実施例1において添加剤とし
ての乳酸を乳酸ナトリウム0.5部に変更したほかは同
様の操作を行ない比較用吸水剤(2)を得た。比較用吸
水剤(2)の性能評価結果を表1に示した。
【0076】(比較例3)実施例2において添加剤とし
てのクエン酸をクエン酸ナトリウム0.5部に変更した
ほかは同様の操作を行ない比較用吸水剤(3)を得た。
比較用吸水剤(3)の性能評価結果を表1に示した。
【0077】(比較例4)実施例2において添加剤とし
てのクエン酸をコハク酸1ナトリウム0.5部に変更し
たほかは同様の操作を行ない比較用吸水剤(4)を得
た。比較用吸水剤(4)の性能評価結果を表1に示し
た。
【0078】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において使用した加圧下の吸収倍率の
装置である。 (符号の説明) 1・・・ビュレット 2・・・ビュレットの上端部 3・・・栓 4・・・測定台 5・・・空気取り入れ口 6・・・ガラスフィルター 7・・・濾紙 8・・・不織布 9・・・荷重 10・・・支持円筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/09 KAR C08L 101/08 KAF 101/14 LTB

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基を有する吸水性樹脂に、
    水性液に溶解し得る無機酸および有機酸からなる群より
    選ばれた少なくとも1種の添加剤とカルボキシル基と反
    応し得る架橋剤を混合することを特徴とする吸水剤の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 添加剤および架橋剤を吸水性樹脂に混合
    後、更に100〜230℃で加熱処理する請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 添加剤および架橋剤を予め混合した後、
    吸水性樹脂に混合する請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 添加剤が飽和有機カルボン酸,周期律表
    第3周期の元素を含有する、飽和無機酸から選ばれる少
    なくとも1種である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 添加剤の酸解離指数(pKa値)が2.
    0〜4.0である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 添加剤が飽和有機カルボン酸である請求
    項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 飽和有機カルボン酸がクエン酸、コハク
    酸、乳酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合
    物である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 カルボキシル基を有する吸水性樹脂が、
    アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量
    体を重合して得られる請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 カルボキシル基と反応し得る架橋剤がエ
    ポキシ化合物である請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 混合時に吸水性樹脂100重量部に対
    し0.01〜5重量部の水を用いる請求項1記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 吸水性樹脂が不定形破砕状で平均粒径
    200〜600μmかつ150μm未満の粒子径を有す
    る樹脂が10重量%以下である請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 吸水性樹脂の含水率が1〜10%であ
    る請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 吸水性樹脂100重量部に対して添加
    剤0.01〜5重量部の割合で用いる請求項1記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 カルボキシル基を有する吸水性樹脂1
    00重量部当たりエポキシ化合物0.005〜8重量部
    を添加して得られた、無加圧下での吸収倍率が45(g
    /g)以上、20g/cm2 における加圧下の吸収倍率
    が30(ml/g)以上でエポキシ化合物の残存量が2
    ppm以下である吸水剤。
  15. 【請求項15】 平均粒径200〜600μmかつ15
    0μm未満の粒子径を有する樹脂が10重量%以下であ
    る請求項14記載の吸水剤。
  16. 【請求項16】 20g/cm2 における加圧下の吸収
    倍率が35(ml/g)以上且つ該エポキシ化合物が検
    出されない請求項14記載の吸水剤。
  17. 【請求項17】 ヒドロキシル基含有飽和有機酸0.0
    1〜5重量%(対吸水性樹脂)を含む請求項14記載の
    吸水剤。
JP2951995A 1994-02-17 1995-02-17 吸水剤およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2944447B2 (ja)

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