JPH07277997A - 消化器病変治療用の硬化剤 - Google Patents

消化器病変治療用の硬化剤

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JPH07277997A
JPH07277997A JP7194094A JP7194094A JPH07277997A JP H07277997 A JPH07277997 A JP H07277997A JP 7194094 A JP7194094 A JP 7194094A JP 7194094 A JP7194094 A JP 7194094A JP H07277997 A JPH07277997 A JP H07277997A
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water
treating
soluble
alcohol
curing agent
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JP7194094A
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Takeshi Kawashima
剛 川嶋
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 クエン酸又はその塩、水溶性アルミニウム化
合物、水溶性マグネシウム化合物、アルコール及び水を
含有する消化器病変治療用の硬化剤。 【効果】 安定で長期間保存しても沈殿、不溶性異物、
着色を生じることがなく、溶液は均一であり、性状も澄
明である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定な消化器病変治療
用の硬化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タンニン剤、ミョウバン及びグリセリン
からなる痔核治療用組成物は既に知られている(Journa
l of Traditional Chinese Medicine, 1 (2) 87-92 (19
81))。また、特開平4−225920号公報には、消化
器病変異常組織を硬化させる薬剤として、タンニン酸と
硫酸アルミニウムカリウムとを配合した組成物に、フェ
ノール、フラボンもしくはフラボノイド、カテキン類又
はポリカルボン酸等を含有する植物生薬抽出物を安定化
剤として含有させた消化器病変組織の硬化剤が開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記文献に記
載の痔核治療用組成物を注射剤として使用する場合に
は、日本薬局方にも、タンニン剤と硫酸アルミニウムカ
リウムとは配合禁忌とされているように、両者を混合し
た場合、特に長期保存した場合に安定性に問題があっ
て、着色を生じたり、場合によっては沈殿が生じるとい
う問題があった。
【0004】また、特開平4−225920号公報に開
示された組成物には、植物生薬抽出物を安定化剤として
含有していることから、一定の組成を有する安定化剤を
得るのが極めて困難であり、かつ微量の未確認成分が混
入している危惧があり、製剤上問題があった。更に水溶
液の状態で長い間保存していると、着色が生じたり、場
合によっては不溶性異物、沈殿等が生じる場合があっ
た。本発明は、特に前記のごとき保存上不安定である問
題点を解決して、長期間保存できる安定な消化器病変治
療用の硬化剤、特に痔疾、大腸ポリープ、直腸粘膜脱、
直腸脱又は肝腫瘍等の治療を目的とする注射剤を提供す
ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の発明を
包含する。 (1)クエン酸又はその塩、水溶性アルミニウム化合
物、水溶性マグネシウム化合物、アルコール及び水を含
有する消化器病変治療用の硬化剤。 (2)水溶性アルミニウム化合物が硫酸アルミニウムカ
リウムである前記(1)に記載の消化器病変治療用の硬
化剤。 (3)水溶性マグネシウム化合物が硫酸マグネシウムで
ある前記(1)又は(2)に記載の消化器病変治療用の
硬化剤。 (4)アルコールがベンジルアルコール及びグリセリン
である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の消化器病
変治療用の硬化剤。 (5)更に、多糖類を含有する前記(1)〜(4)のい
ずれかに記載の消化器病変治療用の硬化剤。 (6)多糖類がデキストランである前記(5)に記載の
消化器病変治療用の硬化剤。 (7)痔疾、大腸ポリープ、直腸粘膜脱、直腸脱又は肝
腫瘍の治療を目的とする注射剤である前記(1)〜
(6)のいずれかに記載の消化器病変治療用の硬化剤。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける消化器病変治療用の硬化剤とは、薬剤を病変部位
へ局所投与して病変組織を硬化・繊維化することにより
治療する注射剤をいい、例えば痔疾、大腸ポリープ、直
腸粘膜脱、直腸脱又は肝腫瘍等の治療を目的とする注射
剤が挙げられる。
【0007】本発明に用いるクエン酸又はその塩は、キ
レート作用により微量の金属イオンを捕捉する作用を有
する。クエン酸塩としては、例えばクエン酸ナトリウ
ム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリ
ウムが挙げられる。クエン酸又はその塩の使用量は、水
溶性アルミニウム化合物との比率において10〜50重
量%の範囲であればよく、好ましくは20〜40重量%
の範囲である。
【0008】本発明に用いる水溶性アルミニウム化合物
は、製剤の薬効である消化器病変治療用の硬化剤として
の効果を有するものであり、例えば硫酸アルミニウムカ
リウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、乳酸ア
ルミニウムが挙げられる。水溶性アルミニウム化合物の
使用量は、製剤中の有効濃度が0.5〜10(w/v)
%の範囲であればよく、好ましくは1〜5(w/v)%
の範囲である。
【0009】本発明に用いる水溶性マグネシウム化合物
は、製剤の薬効である消化器病変治療用の硬化剤として
の効果の他、軽微な筋弛緩作用、弱い麻酔作用を有する
ものであり、例えば硫酸マグネシウム、塩化マグネシウ
ムが挙げられる。水溶性マグネシウム化合物の使用量
は、製剤中の有効濃度が0.1〜10(w/v)%の範
囲であればよく、好ましくは0.2〜2(w/v)%の
範囲である。
【0010】本発明に用いるアルコールとしては、例え
ば、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール;エ
タノール等の一価アルコール;ベンジルアルコール等の
アラルキルアルコール;フェノール等のフェノール類が
挙げられる。前記アルコールのうち、多価アルコール及
び一価アルコールは、浸透圧の調整作用を有するもので
あり、アラルキルアルコール及びフェノール類は、防腐
作用を有するものである。アルコールとしてベンジルア
ルコール及びグリセリンを併用することが、前記のそれ
ぞれの効果の併用効果が認められること、添加剤として
の相互作用がないこと、また併用しても毒性が低いこと
及び品質が安定であること等の点から好ましい。多価ア
ルコール又は一価アルコールの使用量は、製剤中の有効
濃度が1〜20(w/v)%の範囲であればよく、好ま
しくは5〜10(w/v)%の範囲であり、アラルキル
アルコール又はフェノール類の使用量は、製剤中の有効
濃度が0.1〜2(w/v)%の範囲であればよく、好
ましくは0.2〜0.5(w/v)%の範囲である。
【0011】本発明の硬化剤には、更に多糖類を添加し
てもよい。多糖類は、製剤の粘性を高める補助的な成分
であり、例えばデキストラン、シクロデキストリンが挙
げられるが、デキストランが毒性が低い点から好まし
い。多糖類の使用量は、製剤中の有効濃度が0.1〜1
0(w/v)%の範囲であればよく、好ましくは0.1
〜1(w/v)%の範囲である。
【0012】本発明の硬化剤には、必要に応じて更に、
亜硫酸水素ナトリウム等を添加することができる。但
し、タンニン酸を添加しないことが、製剤の安定性の点
から好ましい。本発明の硬化剤の調製に際して、各成分
の添加順序等に特に制限はなく、例えば、以下のように
調製することができる。
【0013】即ち、注射用水にベンジルアルコール、グ
リセリン等のアルコール、必要に応じてデキストラン等
の多糖類を加えて溶解して得た溶液に、クエン酸ナトリ
ウム等のクエン酸塩又はクエン酸、硫酸アルミニウムカ
リウム等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸マグネシウ
ム等の水溶性マグネシウム化合物を加えて溶解し、均一
な製剤とする。
【0014】以上のようにして調製された本発明の硬化
剤は、通常、性状は澄明で、わずかに粘性がある。必要
に応じて、例えば、硫酸酸性の注射水を用いるなど、人
体に無害な酸、アルカリ等を加えてpHを調整すること
ができる。本発明の硬化剤の調製法の別法には次の方法
がある。
【0015】即ち、注射用水にベンジルアルコール、グ
リセリン等のアルコール、必要に応じてデキストラン等
の多糖類を溶かして専用溶解液とする。別に注射用水に
クエン酸ナトリウム等のクエン酸塩又はクエン酸、硫酸
アルミニウムカリウム等の水溶性アルミニウム化合物、
硫酸マグネシウム等の水溶性マグネシウム塩を加え、溶
解した後、無菌濾過、凍結乾燥して凍結乾燥品を得る。
治療上は、通常、両者を用時に混合して用いる。
【0016】
【実施例】以下、処方例及び試験例により本発明を更に
具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限
するものではない。 (処方例1) 硫酸アルミニウムカリウム 200 mg クエン酸ナトリウム 75 mg 硫酸マグネシウム 75 mg ベンジルアルコール 50 mg グリセリン 500 mg 注射用水 適 量 ────────────────────── 全 量 10 ml
【0017】(処方例2) 硫酸アルミニウムカリウム 200 mg クエン酸ナトリウム 75 mg 硫酸マグネシウム 75 mg ベンジルアルコール 50 mg デキストラン40 35 mg グリセリン 500 mg 注射用水 適 量 ────────────────────── 全 量 10 ml
【0018】(比較例)次に、比較のため、ミョウバン
とタンニン酸を含有する下記の処方を調製して加速安定
性試験の比較例とした。 成 分 (1)硫酸アルミニウムカリウム 400 mg (2)クエン酸ナトリウム 150 mg (3)タンニン酸 15 mg (4)デキストラン40 70 mg (5)グリセリン 1000 mg (6)亜硫酸水素ナトリウム 15 mg (7)注射用水 適 量 ─────────────────────── 全 量 10 ml
【0019】(試験例1) モデル動物薬理試験 硬化剤の効果を比較するために、ラットを用いて無菌性
炎症惹起実験を行った。実験は体重150〜230gの
4週令ウィスター系雄ラット1群40匹、5群を用いて
行った。ラットには予めエーテル麻酔を行った後、ラッ
ト直腸後壁粘膜下層に27ゲージ針で各種の薬剤0.3
mlを投与した。薬剤投与後1、3、7、14、21日
目に経時的にラットを屠殺し局所を切り出した後、ホル
マリンで固定し、ヘマトキシリン−エオジン染色を施行
した。組織所見として壊死、浮腫、細胞浸潤、潰瘍形
成、新生血管、繊維芽細胞、繊維化の各項目を観察し
た。用いた投与薬剤は5%フェノールアーモンド油、処
方例1、処方例2、比較の処方である比較例、生理食塩
水である。症状の程度は高度、中程度、軽度、なしの4
段階評価とした。コントロールの生理食塩水のほかはい
ずれも硬化剤としての薬効である無菌性炎症を惹起し
た。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】(試験例2) 製剤安定性試験 前記各処方例1〜2の注射剤について40℃の温度で、
7カ月間の加速安定性試験を行った。定量は硫酸アルミ
ニウムカリウムについて行った。定量法は日本薬局方を
一部変法して行った。結果はいずれも性状、pH、定量
値に変化は認められず、安定であった。次に、比較の処
方である比較例の注射剤について同様に40℃の温度
で、7カ月間の加速安定性試験を行った。その結果、性
状、pH、定量値に変化が認められ、沈殿、不溶性異
物、着色を生じ、注射剤として品質は不安定で、規格は
不適であった。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明の消化器病変治療用の硬化剤は、
安定で長期間保存しても沈殿、不溶性異物、着色を生じ
ることがなく、溶液は均一であり、性状も澄明である。
また、本発明の消化器病変治療用の硬化剤では、日本薬
局方のいう配合禁忌の問題が生じない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クエン酸又はその塩、水溶性アルミニウ
    ム化合物、水溶性マグネシウム化合物、アルコール及び
    水を含有する消化器病変治療用の硬化剤。
  2. 【請求項2】 水溶性アルミニウム化合物が硫酸アルミ
    ニウムカリウムである請求項1記載の消化器病変治療用
    の硬化剤。
  3. 【請求項3】 水溶性マグネシウム化合物が硫酸マグネ
    シウムである請求項1又は2記載の消化器病変治療用の
    硬化剤。
  4. 【請求項4】 アルコールがベンジルアルコール及びグ
    リセリンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の消
    化器病変治療用の硬化剤。
  5. 【請求項5】 更に、多糖類を含有する請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の消化器病変治療用の硬化剤。
  6. 【請求項6】 多糖類がデキストランである請求項5記
    載の消化器病変治療用の硬化剤。
  7. 【請求項7】 痔疾、大腸ポリープ、直腸粘膜脱、直腸
    脱又は肝腫瘍の治療を目的とする注射剤である請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の消化器病変治療用の硬化
    剤。
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