JPH072764Y2 - 目皿付き排水口 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は泡が速やかに排出されるよう構成されており、
浴室の排水口に適用するのに好適な目皿付き排水口に関
するものである。

［従来の技術］ 従来の目皿は上面に多数の開口が形成されたものであ
り、排水口の縁部に係止されるようにして排水口に被装
されている。

［考案が解決しようとする課題］ 浴室の洗い場の床面を泡と水とが流れてきた場合、従来
の目皿付き排水口では、水だけが目皿の開口を通過し、
泡が目皿の上に残留するという泡ぎれの悪い現象が生じ
ていた。

この泡切れが悪い原因については次のように考えられ
る。即ち、床面上を水と泡とが流れる場合、泡は水の上
に乗った状態となって水に搬送されるようにして流れ
る。従来の目皿付き排水口にあっては、水と泡とが目皿
の上に流れ込んだ後、水だけが開口を通って排水口に流
れ込み、泡は目皿の上に残留してしまう。即ち、目皿は
泡のフィルターの如き役割を働き、水だけを通過させ、
泡をその上面に残留させるのである。

このように目皿の上に溜った泡は、水をかけてもなかな
か消えず、快適な入浴を阻害するという問題があった。

［課題を解決するための手段］ 本考案の目皿付き排水口は排水口の縁部に段部が設けら
れ、この段部に目皿が係止されたものに関する。

本考案では、段部の水平面と排水口側面とを連絡するよ
うに切欠状の凹部を段部の長手方向に延設してある。そ
して、目皿の端縁を段部の垂直面から後退させ、目皿の
端縁と段部の垂直面との間に水の落し用隙間を延設し
た。

［作用］ 本考案の目皿付き排水口にあっては、該排水口に隣接す
る床面上を泡と水とが流れてくると、この泡と水とは一
体的な流れとなって目皿の端縁と段部の垂直面との間の
隙間に流れ込み、泡が速やかに排出される。

この泡切れが良い理由については次のように考えられ
る。即ち、前述の通り、床面上を水と泡とが流れる場
合、泡は水に搬送されるようにして水と共に流れる。本
考案では、床面上を流れてきた泡と水とが前記隙間の部
分に達すると、水がこの隙間に流れ込む。この隙間は目
皿の端縁と段部の垂直面との間に水の流れ方向と直交す
る方向に長く延在しているので、水は帯状となって該隙
間に流れ込む。そして、この帯状の水の流れに乗ってい
る泡もこの流れに引き込まれるようにして該隙間を通
り、排水口に流出する。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係る目皿付き排水口の縦断面
図、第２図は組立斜視図、第３図ないし第８図は目皿の
構成図である。

符号１は防水パンであり、本実施例ではユニット式バス
ルームの床面を構成している。該防水パン１の隅部には
排水口２が形成されており、該排水口２に目皿３が被装
されている。排水口２の縁部には段部４が設けられてお
り、目皿３はその周縁部が該段部４に係止されることに
より排水口２に被装されている。排水口２の縁部には、
段部４の水平面4aと排水口２の側面2aとを連絡するよう
に切欠上の凹部５が排水口２の周縁に沿って延設されて
いる。

前記目皿３は水平部3aと該水平部3aから起立する起立部
3bを有した略Ｌ字形断面形状のものである。水平部3aの
三方の周縁部が前記段部４に係止されている。この水平
部3aの側端面からは突起６が突設されており、該突起６
の突出長さ分だけ目皿３の端縁Ａと段部４の垂直面Ｂと
の間に隙間７が形成されている。前記突起６は水平部3a
の側端面の両端と中央部に設けられており、それらの間
には長い空隙部８が形成されている。従って、第１図に
示す隙間７はこれら突起６の間に存在しており、目皿３
の端縁Ａに沿って長く延設されている。

なお、目皿３の裏面にはリブ９が設けられている。ま
た、目皿３には開口10が設けられており、該目皿３上に
かかった水を該開口10に向かって流すように目皿３の上
面は該開口10に向かって下り勾配が付けられている。

このように構成された目皿付き排水口にあっては、防水
パン１の床面上を水と泡とが流れてきた場合この水と泡
とは隙間７から凹部５を経て排水口２内に速やかに流れ
込む。即ち、防水パン１の床目上を水と泡とが流れる場
合、泡は水に乗った搬送状態にある。この水は、隙間７
が該水の流れ方向と直交方向に長く延在しているため、
帯状の流れとなって隙間７内に流れ込む。そうすると該
水に搬送されている泡も搬送状態のまま隙間７内に引き
込まれるようにして流れ込み、速やかに排水口２に排出
される。

なお、本考案では、隙間７が泡のフィルターの作用を果
たさないようにするために、隙間７は少なくとも3mm程
度存在するように突起６の長さを選定するのが好適であ
る。

上記実施例では床面が防水パンにて構成されているが、
本考案では防水パン以外の床面に形成された排水口にも
適用することができる。また、図に示す実施例にあって
は、目皿３の１側面に沿ってのみ隙間７が設けられてい
るが、目皿の２以上の側面に沿って上記の隙間７を形成
しても良い。

［効果］ 以上の通り、本考案の目皿付き排水口は泡が速やかに排
出されるいわゆる泡切れの良い構成となっているため、
例えばこの目皿付き排水口を浴室の排水口に適用するこ
とにより快適な入浴を行なうことができる等の効果が奏
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る目皿付き排水口を示す断
面図、第２図はその組立斜視図である。第３図は目皿の
平面図、第４図は同正面図、第５図は同平面図、第６図
は同左側面図、第７図は第５図のVII-VII線に沿う断面
図、第８図は第５図のVIII-VIII線に沿う断面図であ
る。 １……防水パン、２……排水口、３……目皿、４……段
部、4a……段部の水平面、５……凹部、６……突起、７
……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】排水口の縁部に段部が設けられ、この段部
   に目皿が係止された目皿付き排水口において、段部の水
   平面と排水口側面とを連絡する切欠状の凹部を段部の長
   手方向に延設すると共に、目皿の端縁を該段部の垂直面
   から後退させ、該端縁と垂直面との間に水の落し用隙間
   を延設したことを特徴とする目皿付き排水口。