JPH07276444A - 射出成形用金型装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雌型内に設けた入子型を交換するだけで、成
形品の絵柄や模様などの変更が可能な射出成形用金型装
置を提供する。 【構成】 内部にキャビティ１ａを有する雌型１と、該
雌型１のキャビティ１ａ内に挿入して成形品を成形する
雄型２とよりなる射出成形用金型装置において、上記雌
型１のキャビティ１ａ内面に、凹部１ｂを形成すると共
に、上記凹部１ｂ内に、絵柄や模様などの装飾を彫込ん
だ入子型３を交換自在に嵌合したもので、入子型３を交
換するだけで成形品の絵柄や模様などが変更できるた
め、雌型１全体を交換する場合に比べて大変経済的であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は合成樹脂により植木鉢
などの成形品を射出成形する際に使用する金型装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来植木鉢などを合成樹脂により射出成
形する場合、キャビティを有する雌型と、キャビティ内
に挿入されるコアと呼ばれる雄型とより構成された金型
装置を使用して成形している。また雌型は射出成形機の
固定側型板に固定され、雄型は移動側型板に取付けられ
て、雌型に対して雄型が移動されるようになっており、
雌型と雄型を型締装置により密着させた状態で雌型のキ
ャビティと雄型の間に加熱溶融した樹脂を射出すること
により、植木鉢などの成形品を成形している。

【０００３】一方植木鉢などの成形品には、商品価値を
高めるために、鉢本体の外周面に絵柄や模様などの装飾
を施したものがある。このような成形品を射出成形で得
ようとする場合、従来では雌型のキャビティ内面に予め
絵柄や模様などの装飾を彫込んだ金型を使用して成形し
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし従来のように雌
型のキャビティ内面に装飾を彫込んだ金型では、絵柄や
模様が変わる毎に雌型全体を交換する必要があり、金型
代が嵩むため安価に成形品が提供できない不具合があっ
た。この発明はかかる不具合を改善するためになされた
もので、雌型全体を交換せずに絵柄や模様などの変更を
可能にした射出成形用金型装置を提供することを目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、内部にキャビティを有する雌型と、該雌
型のキャビティ内に挿入して成形品を成形する雄型とよ
りなる射出成形用金型装置において、上記雌型のキャビ
ティ内面に、凹部を形成すると共に、上記凹部内に、絵
柄や模様などの装飾を彫込んだ入子型を交換自在に嵌合
したものである。

【０００６】

【作用】上記構成により、入子型を交換するだけで、成
形品の絵柄や模様などが変更できるため、雌型全体を交
換する場合に比べて経済的である。

【０００７】

【実施例】この発明の一実施例を図面を参照して詳述す
る。図１は雌型及び雄型よりなる金型装置の側面図、図
２は雌型を分割した状態の正面図、図３は図２のＡ−Ａ
線に沿う断面図、図４は図２のＢ−Ｂ線に沿う断面図、
図５は上記金型装置により射出成形された成形品の正面
図である。

【０００８】図１において１は雌型、２は雄型で、雌型
１は射出成形機の固定側型板に、そして雄型２は移動側
型板（ともに図示せず）に取付けられて使用されるよう
になっている。上記雌型１は裁頭円錐形に形成されてい
て、軸線と平行する方向に２分割されている。

【０００９】また内部には成形すべき植木鉢本体５の外
周形状に合せたテーパ状のキャビティ１ａが形成されて
いると共に、これらキャビティ１ａの内周部に、入子型
３を収容するための凹部１ｂが形成されている。上記入
子型３は植木鉢本体５の外周面に絵柄や模様などの装飾
５ａを施すためのもので、雌型１の凹部１ｂ内に収容可
能な大きさの立方体状に形成されており、雌型１と同様
２分割されている。そして入子型３内には、分割された
入子型３を各雌型１の凹部１ｂ内にそれぞれ嵌合した
際、雌型１のキャビティ１ａ内面と同一平面となるよう
にテーパ状の装飾面３ａが形成されていて、この装飾面
３ａに例えばアヒルの親子や蝶などの絵柄が彫込まれて
いる。

【００１０】一方上記雄型２は雌型１のキャビティ１ａ
内に大径側の開口部より挿入可能な裁頭円錐状に形成さ
れていて、図示しない型締め装置で雌型１と雄型２の間
を型締めした場合に、雌型１のキャビティ１ａ内周面
と、雄型２の外周面との間に、植木鉢本体５の肉厚に相
当する隙間が形成されるようになっている。

【００１１】また上記金型装置により成形する植木鉢５
は、図５に示すように植木鉢本体１の外周面に装飾５ａ
が施されていると共に、上記開口縁には、別に成形され
た吊り具４が取付けられている。

【００１２】次に作用を説明すると、植木鉢本体５を成
形するに当って図示しない射出成形機の固定側型板に雌
型１を、そして移動側型板に雄型２を図１に示すように
対向させて取付け、次に雄型２を雌型１側へ移動させ
て、図示しない型締め装置で型締めしたら、図示しない
ノズルより雌型１のキャビティ１ａ内周面と、雄型２外
周面間の隙間に加熱溶融した樹脂を射出して植木鉢本体
５を成形する。射出成形後成形品の冷却硬化とともに雄
型２を後退させ、キャビティ１ａ内の成形品を突き出し
て取出すもので、以下上記動作を繰返すことにより、図
４に示すような植木鉢などの成形品を量産することがで
きる。

【００１３】一方装飾５ａの絵柄や模様を変更したい場
合は、雌型１を２分割した状態で凹部１ｂ内より各入子
型３を取出し、予め製作しておいた絵柄や模様の異なる
入子型３を凹部１ｂ内へ嵌合する。そしてこの状態で上
記と同様固定側型板に取付けて射出成形することによ
り、絵柄などの異なった植木鉢本体５を入子型３を交換
するだけで成形することができるようになる。

【００１４】なお上記実施例では植木鉢本体５を成形す
る金型について説明したが、勿論種々の成形品を成形す
る金型にも適用できるものである。また装飾５ａの絵柄
や模様も上記実施例のものに限定されるものではない。

【００１５】

【発明の効果】この発明は以上詳述したように雌型のキ
ャビティ内面に凹部を形成して、この凹部に絵柄や模様
などの装飾を彫込んだ入子型を交換自在に嵌合したこと
から、外周面に装飾を有する植木鉢などが容易に成形で
きる。

【００１６】また装飾の絵柄や模様などを変更する場
合、入子型を交換するだけでよいため、従来の雌型全体
を交換していたものに比べて金型代が大幅に低減でき、
これによって装飾効果の高い植木鉢などが安価に得られ
るようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例になる金型装置の側面図で
ある。

【図２】この発明の一実施例になる金型装置の雌型を分
割した状態の正面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図５】この発明の一実施例になる金型装置で成形され
た製品の説明図である。

【符号の説明】

１ 雌型 １ａ キャビティ １ｂ 凹部 ２ 雄型 ３ 入子型

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にキャビティ１ａを有する雌型１
   と、該雌型１のキャビティ１ａ内に挿入して成形品を成
   形する雄型２とよりなる射出成形用金型装置において、
   上記雌型１のキャビティ１ａ内面に、凹部１ｂを形成す
   ると共に、上記凹部１ｂ内に、絵柄や模様などの装飾を
   彫込んだ入子型３を交換自在に嵌合したことを特徴とす
   る射出成形用金型装置。
2. 【請求項２】 雌型１及び入子型３を軸線方向に複数分
   割してなる請求項１記載の金型装置。