JPH07276324A - 高強度コンクリートの製造方法 - Google Patents

高強度コンクリートの製造方法

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JPH07276324A
JPH07276324A JP8527994A JP8527994A JPH07276324A JP H07276324 A JPH07276324 A JP H07276324A JP 8527994 A JP8527994 A JP 8527994A JP 8527994 A JP8527994 A JP 8527994A JP H07276324 A JPH07276324 A JP H07276324A
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mortar
strength concrete
strength
mixture
concrete
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JP8527994A
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Inventor
Yoshiyuki Tobiuchi
圭之 飛内
Hiroyasu Naruse
浩康 成瀬
Kiyoshi Kamiya
清志 神谷
Hideshi Kasai
英志 笠井
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Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 使用水量を減少させて、しかも高耐久性、か
つ高強度を得る高強度コンクリートの製造方法の提供。 【構成】 型枠3に、鉄材と、砂利又は砕石2との混合
物を入れ、この混合物を圧搾圧力が50Mpa〜200
Mpaで圧搾し、ついで圧搾後に存在する隙間に型枠の
下方から、モルタルにシリカ粉末及び減水剤を混合して
得られたモルタル混合物5を5〜100気圧で圧入し、
得られたコンクリート部材を硬化することを特徴とす
る。蒸気養生又は高温・高圧養生することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度コンクリートの
製造方法に関するものであり、更に詳しくは簡単に製造
され、しかも高強度かつ耐久性を有する高強度コンクリ
ートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート構造物は、コンクリ
ートを単に型枠に流し込みバイブレーターで締固めるこ
とにより構築され、またコンクリートの二次製品は、前
記方法と共に遠心力を利用して締固めることにより製造
することが一般的である。またこの他の方法としては、
即脱型する方法(即時脱型法といわれる)があり、この
方法は、パサパサのノースランプ(超硬練り)コンクリ
ートを型枠に詰め、加圧、振動加圧、タンピングなどに
より締固め、成形と同時に脱型する方法で、生産性の高
い工法として建築用空洞ブロックや土木用製品に応用さ
れている。また粗骨材のみ予め型枠に詰め、モルタル又
はペーストを上部から充填する方法で、プレパックド法
と呼ばれ、優れた現場製作の例として、最近、本州と四
国を結ぶ本四架橋の橋台の構築に実施された方法があ
る。これら従来の方法は、いづれもモルタルの水セメン
ト比は40%〜60%である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如き方法は、いづれも粗骨材とモルタル部分の界面が最
大の弱点部となり、圧縮強度で100Mpa以上を得る
ことは極めて難しいという問題があり、またプレパック
ド法は、これらの中でも比較的優れているものの、水セ
メント比が45%で、モルタルの圧縮強度が30〜40
Mpaと弱いことと、粗骨材の寸法が40mm〜150
mmと大きく、したがってモルタルと粗骨材との界面の
面積が多くモルタル強度の80〜90%の圧縮強度しか
得られないという問題があった。
【0004】そこで、本発明者は、このような問題点に
ついて、十分少ない量の水の使用により優れた圧縮強度
を得るべく種々検討した結果、粗骨材として鉄材を用い
ると共に、鉄材と他の粗骨材との混合物の圧搾下、モル
タルを圧入する際、該モルタルにシリカ及び減水剤を加
えることにより、少ない量の水の使用で簡単に優れた圧
縮強度を有し、かつ耐久性に優れたコンクリート構造物
を得ることができることを見出し、ここに本発明をする
に至った。よって本発明が解決しようとする課題は、製
造方法が簡単で、使用水量を減少させて、しかも高耐久
性、かつ高強度を得る高強度コンクリートの製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は、以下の各発明によって達成される。
【0006】(1)型枠に、鉄材と、砂利又は砕石との
混合物を入れ、この混合物を圧搾し、ついで圧搾後に存
在する隙間に型枠の下方から、モルタルにシリカ粉末及
び減水剤を混合して得られたモルタル混合物を圧入し、
得られたコンクリート部材を硬化することを特徴とする
高強度コンクリートの製造方法。 (2)圧搾圧力が50Mpa〜200Mpaであること
を特徴とする前記第1項に記載の高強度コンクリートの
製造方法。 (3)モルタル混合物の圧入圧が5〜100気圧である
ことを特徴とする前記第1項又は第2項のいづれかに記
載の高強度コンクリートの製造方法。 (4)鉄材の形状が球状、円筒状、角柱状から選択され
た少なくとも1種であることを特徴とする前記第1項乃
至第3項のいづれかに記載の高強度コンクリートの製造
方法。 (5)粗骨材の粒径が15mm〜20mmであることを
特徴とする前記第1項乃至第4項のいづれかに記載の高
強度コンクリートの製造方法。 (6)鉄材と、砂利又は砕石との混合比は1:0.1〜
1:5の割合であることを特徴とする前記第1項乃至第
5項のいづれかに記載の高強度コンクリートの製造方
法。 (7)モルタル混合物に鋼製の球状体を含有させること
を特徴とする前記第1項乃至第6項のいづれかに記載の
高強度コンクリートの製造方法。 (8)鋼製の球状体の粒径が0.08mm〜5mmであ
ることを特徴とする前記第7項に記載の高強度コンクリ
ートの製造方法。 (9)コンクリート部材を硬化した後、養生することを
特徴とする前記第1項乃至第8項のいづれかに記載の高
強度コンクリートの製造方法。
【0007】以下、本発明高強度コンクリートの製造方
法について、更に詳しく説明すると、本発明の高強度コ
ンクリートの製造方法は、型枠に、鉄材と、砂利又は砕
石(以下砂利等ともいう。)との混合物を入れ、この混
合物を圧搾し、ついで圧搾後に存在する隙間に、モルタ
ルにシリカ及び減水剤を加えて混合した後、前記型枠の
下方から該モルタル混合物を圧入し、得られたコンクリ
ート部材を硬化することを特徴とするもので、特に鉄材
と砂利等との混合物を圧搾した状態でモルタルを浸透さ
せているので、圧縮強度が強く、また耐久性にも優れて
おり、その製造方法が簡単である。また該モルタルは、
減水剤を加えているので、水セメント比が20%以下で
用いることができ、しかも十分な流動性を得ることがで
きる。更に該モルタルに金属製細骨材として鋼製の球状
体を含んでいるものでは、圧縮強度がいっそう強くなる
という優れた効果を奏する。
【0008】本発明の製造方法で製造された高強度コン
クリートの奏する効果として、耐久性が優れているが、
この耐久性は、中性化防止、塩分浸透防止、更には凍害
防止等や紫外線、風雨、更には酸性雨等の耐候性の等の
諸効果を含む意味である。本発明で製造される高強度コ
ンクリートを構成する素材としては、セメント及び水か
らなるモルタルであり、前記セメントとしては、普通ポ
ルトランドセメントを始め、早強ポルトランドセメン
ト、超早強ポルトランドセメントなどのポルトランドセ
メント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシ
ュセメント等の混合セメント、アルミナセメント等の任
意のものが用いられる。またこのモルタルには、鋼製の
球状体を含んでいることが好ましく、これにより低い水
セメント比で流動性の優れたモルタルを得ることができ
る。
【0009】本発明に用いられるモルタルに、シリカ粉
末及び減水剤が含有させることにより、コンクリートの
強度を上げることができると共に該モルタルの水セメン
ト比を小さくすることができる。このシリカ粉末として
は、いかなる種類のもの、又はいかなる製造方法によっ
て得られたものでもよく、無定形シリカ、シリカフュー
ム、アモルファスシリカ(非晶質シリカ)、フライアッ
シュ等が挙げられる。これらのシリカ粉末の平均粒径
は、0.1μm〜100μmである。本発明では、セメ
ント成分にこれらの粉末シリカを添加することにより圧
縮強度を向上させることができる。セメントとシリカ粉
末の重量割合は、シリカ粉末が5重量%〜40重量%で
あり、更に好ましくは10重量%〜20重量%である。
シリカ粉末の量が5重量%未満のときは、あまり強度に
影響しない。またシリカ粉末の量が40重量%を越える
ときは、強度が大きくならないので、経済的に不利であ
る。また前記減水剤としては、特に高性能減水剤が好ま
しく、例えばコンクリート工学、1988年,Vol.
26,No.3の第10頁〜第11頁に記載されている
高性能減水剤が挙げられる。
【0010】これらの高性能減水剤は、ポリアルキルア
リルスルホン酸塩(商品名:IPC−550、出光石油
化学(株)製)、ナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮
合物塩(商品名:マイテイHS、花王(株)製、)、高
縮合トリアジン系化合物(商品名:マイテイ150V−
2、花王(株)製)、メラミンスルホン酸系化合物(商
品名:トップワーカーA−300、栗田工業(株)
製)、スルホン化メラミン縮合物(商品名:ダーレック
スハイコール3S、グレースジャパン(株)製)、アル
キルナフタリン・ナフタリンスルホン酸ホルマリン供縮
合物塩(商品名:ダーレックススーパー20、グレース
ジャパン(株)製)、ナフタリンスルホン酸塩(商品
名:リグナールSG、神戸材料(株)製)、ナフタリン
スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(商品名:
三洋レベロン、三洋化成工業(株)製)、ナフタリンス
ルホン酸変性リグニン縮合物(商品名:サンフローP
S、山陽国策パルプ(株)製)、ナフタリンスルホン酸
変性リグニン縮合物と特殊リグニン(商品名:サンフロ
ーPSR、山陽国策パルプ(株)製)、アルキルアリル
スルホン酸塩高縮合物(商品名:ポールファイン510
−AN、竹本油脂(株)製)、含窒素型スルホン酸塩
(商品名:ポールファインMF、竹本油脂(株)製)、
高縮合芳香族スルホン酸化合物(商品名:ポリゾスNL
−1440、日曹マスタービル(株)製等が挙げられ
る。好ましくはポリアルキルアリルスルホン酸塩、ナフ
タリンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩、メラミンスル
ホン酸系化合物、アルキルアリルスルホン酸塩高縮合物
等が挙げられる。
【0011】この高性能減水剤の添加量は、セメントに
対して0.1重量%〜10重量%の範囲がよく、更に好
ましくは1重量%〜3重量%がよい。この高性能減水剤
の添加量がセメントに対して0.1重量%未満ではあま
り効果がなく、また10重量%を越えると、セメントと
水の材料分離が起きたり、セメントと水の水和反応、い
わゆる凝結と呼ばれる現象が遅れ、極端な場合は硬化し
ないという現象を示すので好ましくない。本発明におい
て、モルタル混合物の混合に際し、泡等の発生がある場
合には消泡剤を加えてもよい。更にモルタル混合物に
は、流動性を損なわない範囲でワラストナイト、石綿等
の無機繊維、パルプ等の天然有機繊維又は合成繊維等の
繊維を添加してもよい。
【0012】本発明の製造方法においては、粗骨材とし
て、鉄材と、砂利又は砕石から選ばれた少なくとも1種
が用いられ、即ち鉄材と砂利、特に天然の砂利との組合
せ、鉄材と砕石、特に天然の砕石との組合せが好まし
い。また鉄材と砂利と砕石との組合せでもよい。これら
の組合せ物は、十分均一に混合されることが好ましい。
この粗骨材として用いられる鉄材は、通常鉄筋として使
用されるものでよく、粒状体からなるのがよく、その形
状が球状、円筒状、角柱状から選択された少なくとも1
種であり、具体的には図2に示されている。図2は、各
種形状の鉄材の斜視図であり、図2のaは、球状体であ
る。勿論楕円形でもよい(図示さず)。図2のbは、円
柱状であり、図2のcは、立方体であり、また図2のd
は、円柱状でかつ側壁が凹凸を有するものである。更に
図2のeは、断面Cの字形の円柱状であり、図2のf
は、断面六角形の円柱状であり、更に図2のgは、円柱
状かつその中心が空洞であるもの、図2のhは、断面六
角形の円柱状かつその中心が空洞であるものである。こ
の他にも粒状体ならば、その形状には特に関係なく使用
される。
【0013】本発明の製造方法において、粗骨材の粒径
は15mm〜20mmであり、該粒径が15mm未満で
は、十分な圧縮強度を得ることができないし、また粒径
が20mmを越えるときは、モルタルとの界面が多くな
りモルタル強度以下の圧縮強度しか得られない。また粗
骨材は、その粒径が15mm〜20mmの範囲であれ
ば、粗骨材の粒度を揃えて用いても良く、また異なる粒
度の粗骨材を1種又は2種以上混合して用いてもよい。
更に粗骨材の一方の鉄材と他方の粗骨材の粒度をそれぞ
れ揃えても、また鉄材の粒度と砂利等の粗骨材の粒度と
をそれぞれ異ならせてもよい。更に鉄材の粒度を揃え、
砂利等の粗骨材の粒度を異ならせてもよく、これとは逆
に鉄材の粒度を異ならせ、砂利等の粗骨材の粒度を揃え
ることもできる。鉄材と砂利等との混合比は1:0.1
〜1:5の割合であり、該混合比が1:0.1より小さ
いときは、砂利等に対して鉄材が多くなり経済性の点か
ら不利であり、また該の混合比が1:5より大きくなる
と砂利の量が多くなり鉄材による補強という点からみて
補強効果が発揮されない。従って高強度コンクリートが
得られない。
【0014】本発明の高強度コンクリートの製造方法
は、粗骨材である鉄材と砂利等の混合物を型枠に入れた
後、圧力50Mpa〜200Mpaで、好ましくは圧力
80Mpa〜180Mpaで圧搾するもので、これによ
り鉄材と砂利等の接点を密着することができ、粗骨材に
よる骨組みが密となり、したがって強固な鉄材と砂利等
の骨組みができあがる。この骨組みの状態下でモルタル
混合物を型枠の下部から5〜100気圧をかけて圧入す
る。この圧入圧はモルタル混合物が圧搾下の粗骨材中を
下部から上部へ浸透させるに十分な圧力であり、粗骨材
中において隙間を残すことなく浸透し得る圧力である。
また粗骨材中を下部から上部へ浸透させるため、粗骨材
中の隙間は実質的にモルタル混合物で充填される。これ
によりモルタル混合物は前記骨組みの隙間に侵入して隙
間を埋めるので、強度に優れたコンクリートが得られ
る。またこの際モルタル混合物に鋼製の球状体を加え
た、いわゆる重量モルタルを使用することにより、更に
モルタル部分の高強度化を図ることができる。
【0015】この鋼製の球状体の粒径は、0.08mm
〜5mmの範囲のものが好ましく、この粒径が0.08
mm未満ではモルタル部分の高強度化を図ることが難し
く、またこの粒径が5mmを越えるときは、モルタル混
合物の充填性が損なわれ、高強度化が図れない。本発明
の製造方法で得られた高強度コンクリートは、セメント
と水とシリカ粉末と減水剤とを混練した後、十分混練し
て均一な混練物としたモルタル混合物を、前述の如く鉄
材と砂利等の骨組みに圧入した後、硬化させる。このモ
ルタル混合物を製造する際、セメントに加える各成分の
順序は、特に制限されないが、セメントに水を加えた
後、減水剤を加え、ついでシリカ粉末を加えることが好
ましい。前記硬化を促進させるには、気中養生、蒸気養
生、オートクレーブ養生等の通常この技術分野で用いら
れる養生をすることができる。この気中養生は、得られ
た高強度コンクリートをそのまま1日以上放置してお
く。好ましい放置日数3日〜7日である。この蒸気養生
は、高温の蒸気を養生室へ送って大気圧下で、温度40
℃〜85℃、養生時間は2時間〜36時間で行われる。
この際昇温速度は12℃/h〜33℃/hで、最高温度
60℃〜75℃が好ましい。蒸気養生するまでの前置き
時間は1時間〜12時間が望ましい。またこの養生は必
要に応じて繰り返すことができる。この高温・高圧養生
は、オートクレーブ室へ前記型枠又はコンクリート部材
を送って、温度150℃〜200℃(10kgf/cm
2 〜15kgf/cm2 )、養生時間は2時間〜10時
間で行われる。この際昇温速度は50℃/h〜80℃/
hで、最高温度170℃〜190℃が好ましい。またこ
の養生は必要に応じて繰り返すことができる。
【0016】
【作用】本発明の高強度コンクリートの製造方法は、粗
骨材である鉄材と砂利等との混合物に圧力をかけて圧搾
することにより、粗骨材の弱点といわれている角部が破
壊されると同時にその部分が密着して全体が密となり、
強度が得られる。更にこの状態下で下部から隙間にモル
タル混合物を圧入することにより該モルタル混合物が隙
間を残すことなく充填され、従来のようにモルタルの注
入されないところがなくなり、十分な圧縮強度が得られ
る。またモルタルにはシリカ及び減水剤が混合されてい
るので、水の量を減らして所定の流動性を得ることがで
き、更にいっそう圧縮強度が良好となる。更にモルタル
混合物に鋼状の球状体を加えることによりモルタルの強
度が上がると共にモルタルの充填性が良好となり粗骨材
の隙間に十分侵入することができ、その結果高強度のコ
ンクリートが得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の高強度コンクリートの製造方
法を実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明は、
この例によって限定されるものではない。
【0018】実施例1 本発明で製造される高強度コンクリートは、図1の斜視
図で示される製造装置で製造されるが、この装置は略図
で示されている。図1において、本発明の高強度コンク
リートを製造するための型枠3は、簡単に内容物が取り
出せる構成になっており、側壁の低部でモルタル混練機
10と接続部材9を介して接続されている。型枠3に
は、粗骨材である鉄材として、図2のdに示されている
円筒状でその側壁に凹凸部11を有する粗骨材(直径2
0mm×25mm)と砕石(平均粒径15mm、アスペ
クト比1)とを1:1で均一に混合した混合物を入口付
近まで入れ、ついで、この型枠3に、鋼製の押板を用い
て蓋をする。更に上部より油圧ジャッキにより100M
paの圧力をかけた。こようにして得られた粗骨材は、
図3及び図4に示されるように、鉄材1に砕石2の角が
破壊された状態で接触しており、従来のように砕石2の
角が他の粗骨材に軽く接触しているものとは異なってい
る。
【0019】一方モルタル混練機10は、パイプ9を有
し、その端部は型枠の側部の下部に接続されている。こ
のモルタル混練機10には、セメント60重量%と水1
8重量%とシリカ粉末(平均粒径0.2μm)20重量
%(水結合比20%)と高性能減水剤としてマイティ1
50(花王(株):ナフタリンスルホン酸ホルマリン高
縮合物のナトリウム塩)を重量%からなるモルタル混
合物5を入れ、十分混練する。各成分の添加順序は、セ
メント、水及び高性能減水剤の混合物を得た後、シリカ
粉末を加えて十分混練した。このモルタル混合物5を前
記の型枠3に30気圧で圧入した。モルタル混合物5
は、粗骨材1及び2でできた隙間13に下から侵入して
充填される。このようにして得られたコンクリートが硬
化した後、側板を外して該コンクリートを取り出し試供
体として、そのままの状態で放置した。この試供体の大
きさは、1,000×80×300mm(高さ)であ
る。また比較としては、前記の平均粒径15mmの砕石
を型枠にいれ、水セメント比40%のモルタルを上部か
ら浸透させた後、バイブレーターにより締固めを行い、
硬化後、取り出し試供体としてそのままの状態で放置し
た。これらの両方の試供体を7日気中養生したものの圧
縮強度を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 実施例1において、圧搾圧力を70Mpa、80Mp
a、1,00Mpa、1,50Mpa、2,00Mpa
とした以外は、実施例1と同様にしてコンクリート製品
を製造した。これらの圧搾圧力においても優れた圧縮強
度を有するものが得られた。圧縮強度はそれぞれ順に2
85Mpa、305Mpa、320Mpa、280Mp
a、270Mpaであった。
【0022】実施例3 実施例1において、モルタル混合物の圧入圧を5、3
0、50、80、100気圧で行った以外は、実施例1
と同様にしてコンクリート製品を製造した。これらの気
圧においても圧縮強度に優れたものが得られた。圧縮強
度はそれぞれ順に285Mpa、305Mpa、320
Mpa、320Mpa、320Mpaであった。
【0023】実施例4 実施例1において、粗骨材である鉄材1として、図2に
示されているa,b,c,e,f,g,hの各形状のも
のを用いた以外は、実施例1と同様にしてコンクリート
製品を製造した。これらの粗骨材を使用したものも圧縮
強度200〜320MPaの範囲で優れたものが得られ
た。
【0024】実施例5 実施例1において、粗骨材である鉄材1として、図2の
dに示されている形状のものを用い、該鉄材1の粒径が
それぞれ平均粒径15mm×15mmと20mm×20
mmの2種を用いた以外は、実施例1と同様にしてコン
クリート製品を製造した。これらの粗骨材を使用したも
のも圧縮強度はそれぞれ285MPa、320MPaと
優れたものが得られた。
【0025】実施例6 実施例1において、粗骨材である鉄材1と砕石2との混
合比として、それぞれ1:0.1、1:2、1:3、
1:5の割合で使用した以外は、実施例1と同様にして
コンクリート製品を製造した。これらのコンクリート製
品の圧縮強度はそれぞれ285MPa、320MPa、
285MPa、255MPaと優れたものであった。
【0026】実施例7 実施例1において、減水剤の種類と量をそれぞれ表2の
ように変化させた以外は、実施例1と同様にしてコンク
リート製品を製造した。このコンクリート構造物はいづ
れも圧縮強度がいっそう優れていた。
【0027】
【表2】
【0028】実施例8 実施例1に記載のモルタル混合物5に金属製細骨材とし
て、平均粒径が0.15mmの鋼製の球状体をモルタル
5に対して50重量%添加した以外は、実施例1と同様
にしてコンクリート製品を製造した。このコンクリート
製品は圧縮強度がいっそう優れていた。
【0029】実施例9 実施例1に記載の方法において、気中養生に代えて、そ
れぞれ蒸気養生とオートクレーブ養生を行った以外は、
実施例1と同様にしてコンクリート製品を製造した。こ
れらのコンクリート製品は圧縮強度がそれぞれ310M
pa、330Mpaと優れていた。
【0030】
【発明の効果】本発明の高強度コンクリートの製造方法
は、鉄材と砂利等との混合物を型枠に入れて圧搾したの
で、密な状態となって弱点部がなくなると共に、この圧
搾物の隙間にモルタル混合物が下部から侵入して充填さ
れているので、通常より少ない水を使用して高強度を有
するコンクリート製品が簡単に製造される。またコンク
リートが高強度となるため部材を薄くすることができる
ので、コンクリート製品の軽量化が図れる。また耐久
性、特に中性化、塩分浸透性及び急速凍結融解性に優れ
ているという格別顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる高強度コンクリートの製造
装置の略斜視図である。
【図2】本発明に用いられる粗骨材の形状を示した斜視
図である。
【図3】本発明に用いられる粗骨材の圧縮状態を示した
部分斜視図である。
【図4】本発明に用いられる粗骨材の圧縮状態を拡大し
て示した部分斜視図である。
【符号の説明】
1 粗骨材(鉄材) 8 攪拌部材 2 粗骨材(砂利) 9 パイプ 3 型枠 10 モルタル混
練機 4 押板(蓋) 11 凹凸部 5 モルタル混合物 12 破壊部分 6 モルタルポンプ 13 隙間 7 油圧ジャッキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:06 A 24:22 A 14:04 Z 14:48) (72)発明者 笠井 英志 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社セメント研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠に、鉄材と、砂利又は砕石との混合
    物を入れ、この混合物を圧搾し、ついで圧搾後に存在す
    る隙間に型枠の下方から、モルタルにシリカ粉末及び減
    水剤を混合して得られたモルタル混合物を圧入し、得ら
    れたコンクリート部材を硬化することを特徴とする高強
    度コンクリートの製造方法。
  2. 【請求項2】 圧搾圧力が50Mpa〜200Mpaで
    あることを特徴とする請求項1に記載の高強度コンクリ
    ートの製造方法。
  3. 【請求項3】 モルタル混合物の圧入圧が5〜100気
    圧であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいづ
    れかに記載の高強度コンクリートの製造方法。
  4. 【請求項4】 鉄材の形状が球状、円筒状、角柱状から
    選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいづれかに記載の高強度コンクリー
    トの製造方法。
  5. 【請求項5】 粗骨材の粒径が15mm〜20mmであ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいづれかに
    記載の高強度コンクリートの製造方法。
  6. 【請求項6】 鉄材と、砂利又は砕石との混合比は1:
    0.1〜1:5の割合であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項5のいづれかに記載の高強度コンクリートの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 モルタル混合物に鋼製の球状体を含有さ
    せることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいづれか
    に記載の高強度コンクリートの製造方法。
  8. 【請求項8】 鋼製の球状体の粒径が0.08mm〜5
    mmであることを特徴とする請求項7に記載の高強度コ
    ンクリートの製造方法。
  9. 【請求項9】 コンクリート部材を硬化した後、養生す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいづれかに
    記載の高強度コンクリートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102424552A (zh) * 2011-09-08 2012-04-25 中铁十二局集团有限公司 一种能缩短张拉龄期的惰性掺合料高性能混凝土
JP2016179941A (ja) * 2016-07-11 2016-10-13 株式会社竹中工務店 セメント硬化体の製造方法

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