JPH07272442A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JPH07272442A
JPH07272442A JP6087862A JP8786294A JPH07272442A JP H07272442 A JPH07272442 A JP H07272442A JP 6087862 A JP6087862 A JP 6087862A JP 8786294 A JP8786294 A JP 8786294A JP H07272442 A JPH07272442 A JP H07272442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
underlayer
surface layer
recording medium
optical recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6087862A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Shinkai
正博 新海
Noriyoshi Nanba
憲良 南波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP6087862A priority Critical patent/JPH07272442A/ja
Publication of JPH07272442A publication Critical patent/JPH07272442A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基体との密着性にすぐれ、水溶性染料を含有
するインクによる書き込みが可能で、耐水性がすぐれ、
例えば流水中にさらしても膜物性の変化しない被記録表
面層を有する光記録媒体を提供する。 【構成】 放射線硬化型の保護膜上に、表面が粗面化さ
れ、放射線硬化型の化合物を含む塗布膜を硬化した下地
層を設け、この下地層上に、水溶性染料を含有するイン
クによる書き込み可能な被記録表面層を有し、前記被記
録表面層がアルコール可溶性ナイロンを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーベル面に、水溶性
染料を含有するインクによる書き込みが可能な光記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体、特に、記録可能なコンパク
トディスク(CD−R)などの光記録媒体に、記録内容
を表記するためには、媒体の通常レーベルが印刷される
側の面(以下、レーベル面とする)に記入する必要があ
る。そこで、レーベル面側表面を粗面化し、鉛筆で書き
込むことを可能にしたものがあるが、書き込みにより光
記録層にダメージを与えてエラー増加の原因となりやす
い。このため、このような光記録媒体では、例えば被記
録表面層と非接触で書き込みが可能なインクジェット記
録方式による記録が好ましい。
【0003】インクジェット記録方式に用いられるイン
クは、通常、酸性染料または直接染料などの水溶性染料
と、溶媒としての水が主成分であり、多くの場合、さら
に少量の多価アルコールが含有されている。このため、
従来光記録媒体で用いられているような紫外線硬化型樹
脂膜の疎水性の保護膜では、このような水溶性染料を含
むインクをはじいてしまい、記録することができない。
【0004】一方、このようなインクを用いるインクジ
ェット記録方式に使用される被記録基体としては、従
来、通常の紙や多孔質のインク受容層を設けたインクジ
ェット用の特殊紙など親水性表面を有する基体が使用さ
れている。また、基体表面に被記録層を設ける例も多
く、その材料としてデンプン、ゼラチン、カゼイン、ア
ラビアゴム、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性ポリマー層、合
成ゴムラテックスなどの合成樹脂ラテックス、ポリビニ
ルブチラール、ポリ塩化ビニルなどの有機溶剤可溶性樹
脂層などを設けることが行われている。また、カチオン
系のイオンを有するポリマーを用いることが提案されて
いる。インクジェット用水溶性染料がスルホン酸などの
アニオンを有することが多いために、イオン結合による
インクの再溶出防止を期待したものと言える。このよう
なカチオン系ポリマーとしては、例えば第4級アンモニ
ウム塩基を有するポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸エステル、ポリアクリル酸アミドなどのポリマーが知
られている(特開昭61−228984号公報、その
他)。また、色彩性を改善するために、ポリエチレング
リコールジカルボン酸の使用も提案されている(特公平
4−1706号公報)。
【0005】これらの水溶性ポリマーは、親水性が非常
に強いため、基体として紙などの親水性のものを用いる
場合には基体となじみやすく、これらのポリマーを用い
て基体表面に被記録層を設ける際、密着性等に問題は生
じない。しかし、放射線硬化型の保護膜を有する光記録
媒体のレーベル面側に、このような親水性の被記録層を
設けると、保護膜との密着性に欠けるため、設層後簡単
に剥離してしまったり、さらに被記録層自体の耐水性が
低いため、実用性に問題がる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基体
との密着性にすぐれ、水溶性染料を含有するインクによ
る書き込みが可能で耐水性のすぐれた被記録表面層を有
する光記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)保護膜上に、表面が粗面化され、放射線硬化型の
化合物を含む塗布膜を硬化した下地層を有し、前記下地
層上に、水溶性染料を含有するインクによる書き込み可
能な被記録表面層を有し、前記被記録表面層がアルコー
ル可溶性ナイロンを含む光記録媒体。 (2)前記被記録表面層の25℃での水との接触角が、
1〜40°である上記(1)の光記録媒体。 (3)前記被記録表面層の層厚が、1〜50μm である
上記(1)または(2)の光記録媒体。 (4)前記下地層表面の表面粗さRaが、0.01〜1
0μm である上記(1)〜(3)のいずれかの光記録媒
体。 (5)前記下地層表面の25℃での水との接触角が、4
0〜90°である上記(1)〜(4)のいずれかの光記
録媒体。 (6)前記下地層が、平均粒径0.1〜30μm の微粒
子を含有する上記(1)〜(5)のいずれかの光記録媒
体。 (7)前記書き込みを、インクジェット記録方式で行な
う上記(1)〜(6)のいずれかの光記録媒体。
【0008】
【作用および効果】本発明の光記録媒体は、保護膜上
に、表面が粗面化された、放射線硬化型の化合物を含む
塗布膜を硬化した下地層を有し、この下地層上に被記録
表面層を有する。そして、この被記録表面層がアルコー
ル可溶性ナイロンを含む。
【0009】このアルコール可溶性ナイロンを含む被記
録表面層は、前記インクジェット記録方法に用いられる
水溶性染料を含有するインクによる書き込みが可能で、
被記録表面層自体の耐水性もすぐれている。したがっ
て、水溶性染料を含有するインクによる書き込みが可能
で耐水性のすぐれた被記録表面層を有する光記録媒体が
実現する。
【0010】本発明のアルコール可溶性ナイロンを含む
被記録表面層は、放射線硬化樹脂製の保護膜上に設層し
た下地層上に設けられる。そして、この下地層は放射線
硬化型の化合物を含む塗布膜を硬化したもので、保護膜
との密着性が高い。そして、この下地層表面の粗面化に
より生じるアンカー効果により、アルコール可溶性ナイ
ロンを含む被記録表面層との間ですぐれた密着性をも
ち、被記録表面層の膨潤や剥離に対する耐水性が特に向
上し、例えば流水にさらしても膜物性に変化を生じず、
高温高湿下での安定性にすぐれるという効果をもつ。
【0011】なお、特公平4−52230号公報には、
ジメチルアミノ基を導入して変成した6−ナイロンを含
有するインクジェット記録用被記録材が開示されてい
る。
【0012】また、特公平4−60031号公報には、
可溶性ナイロン(トレジンF−30:帝国化学社製)を
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布して記録
層表面を形成した実施例が開示されている。
【0013】また、特開平6−60432号公報には、
レーベル面側に親水性樹脂膜を形成し、水性の印刷用イ
ンクで印字可能とした光情報媒体(コンパクトディス
ク)が開示されている。
【0014】しかし、これらの従来技術には、光記録媒
体のレーベル面に水溶性染料を含有するインクによる書
き込みを可能とするために、アルコール可溶性ナイロン
を含む被記録表面層を設けること、および、この被記録
表面層の下層との密着性と被記録表面層の耐水性とを向
上させるために、粗面化された放射線硬化型の化合物を
含む塗布膜を硬化した下地層を保護膜上に設けることは
開示されていない。
【0015】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0016】本発明の光記録媒体は、保護膜上に、表面
が粗面化され、放射線硬化型の化合物を含む塗布膜を硬
化した下地層をもつ。そして、この下地層上に、水溶性
染料を含有するインクによる書き込み可能な被記録表面
層をもち、この被記録表面層がアルコール可溶性ナイロ
ンを含む。
【0017】図1に、本発明の光記録媒体1の1例が示
される。
【0018】図1に示される本発明で用いることができ
る光記録媒体1の一例では、基板2上に色素を主成分と
する記録層3を有し、記録層3に密着して反射層4を有
し、さらに保護膜5を有する。そして、本発明に用いる
下地層6は、この保護膜5上に設けられ、この下地層6
上にアルコール可溶性ナイロンを含む被記録表面層7が
設けられる。
【0019】本発明の被記録表面層7が含むアルコール
可溶性ナイロンは、種々の構造をもつものが可能であ
る。したがって、その骨格としては、例えば6−ナイロ
ン、12−ナイロン、11−ナイロン、66−ナイロ
ン、610−ナイロン等種々のホモナイロンや、これら
ホモナイロンの原料を混合して、共重合ナイロンとした
もの、例えば6−ナイロン/66−ナイロン(重合比:
70/30〜50/50)の共重合体、6−ナイロン/
66−ナイロン/610−ナイロンの共重合体、6−ナ
イロン/66−ナイロン/PACM 6−ナイロンの共
重合体および6−ナイロン/66−ナイロン/610−
ナイロン/12−ナイロンの共重合体等が挙げられる。
そして、その骨格の一部に、ジメチルアミノ基、あるい
はCH2 OR基や(CH2 O)n R基等(ただしRは、
炭素原子数1〜4のアルキル基)のアルコキシメチル基
が置換されているものが好ましい。
【0020】これらは前記ジメチルアミノ基で置換され
たり、N−アルコキシメチル変性されたり、原料を混合
して共重合体とすることでナイロンの結晶性を低下さ
せ、アルコールに対する溶解性を高めたものである。そ
して、その数平均分子量は、1万〜100万程度、ジメ
チルアミノ基やアルコキシメチル基等で置換されている
場合、置換率(変性単位の%)が20%以上、一般に5
0%以下程度であることが好ましい。
【0021】これらのアルコール可溶性ナイロンは、変
性の程度や重合比率等により溶解性が変化するが、用い
るアルコール、例えばイソプロパノール等の炭素原子数
1〜5程度のアルコールに対する溶解度が、25℃で、
好ましくは3wt% 以上、より好ましくは5〜50wt%
で、また、水に対する溶解度が、25℃で、好ましくは
5wt% 以下、より好ましくは0〜3wt% のものである。
このような溶解度をもつアルコール可溶性ナイロンを用
いることで、水溶性染料を含有するインクによる書き込
みが可能となり、さらに被記録表面層自体の耐水性がす
ぐれたものとなる。
【0022】アルコールに対する溶解度が低すぎると、
被記録表面層の塗布が困難になりやすい。また、水に対
する溶解度が高すぎると、被記録表面層自体の耐水性が
低下しやすくなる。
【0023】このようなアルコール可溶性ナイロンとし
ては、一部をジメチルアミノ基で変成し、平均重合度が
100程度のアルコール可溶性ナイロン(AQ−ナイロ
ン:P−70:東レ社製)、タイプ8ナイロンで、メト
キシメチル基の置換率が30%程度の帝国化学産業社製
トレジンF−30(30℃における粘度45〜65cp
s.)、トレジンMF−30(30℃における粘度100
〜200cps.)、トレジンEF−30T(30℃におけ
る粘度200cps.以上)、タイプ8ナイロンのLuck
amide5003、Luckamide5216(い
ずれも大日本インキ社製)等、さらに、6−ナイロンの
塩化カルシウム−メタノール溶液であるLuckami
de5050、Luckamide5052(いずれも
大日本インキ社製)として市販されているものがある。
【0024】本発明の被記録表面層7には、前記アルコ
ール可溶性ナイロンの他に、シリカ、クレー、タルク、
ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、アルミ
ナ、酸化亜鉛、リトボン、チタンホワイト等の無機質顔
料粒子やスメクタイトが含まれていてもよい。
【0025】アルコール可溶性ナイロンの含有率は、好
ましくは被記録表面層7の30〜100%、より好まし
くは40〜100%、特に好ましくは50〜100%で
ある。このような範囲の含有率で、水溶性染料を含有す
るインクによる書き込み可能で、耐水性のすぐれた被記
録表面層7となる。
【0026】アルコール可溶性ナイロンの含有率が低す
ぎると、他に含有する成分により、耐水性が低下した
り、水溶性染料を含有するインクによる書き込みが難し
くなったりする。
【0027】被記録表面層7の層厚は、好ましくは1〜
50μm 、より好ましくは5〜40μm 、特に好ましく
は5〜30μm である。本発明で設ける被記録表面層7
は、インク受容層としての効果と、インクを保持する効
果とをもつため、この範囲の厚さであることが好まし
い。層厚が薄すぎるとインクを保持する効果が弱くなり
やすく、印字の耐水性が低下しやすい。また、厚すぎる
と下地層との密着性が低下しやすくなる。
【0028】被記録表面層7は、適当な溶剤、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール等のアルコール、メチ
ルセルソルブ、エチルセロソルブ、ジアセトンアルコー
ル等を1種または2種以上用いて塗工液とし、公知の種
々の方法、例えばスピンコート法、スプレーコート法、
ディッピング法、グラビアロール法、ナイフコーター
法、リバースロール法、スクリーン印刷法、バーコータ
ー法等、特に好ましくはスピンコート法を用いて設層
し、加熱乾燥処理等を行うことで得ることができる。
【0029】塗工液中の溶剤の含有量や溶剤の混合比等
に特に制限はなく、溶剤の種類、設層方法を考慮して適
宜決定すればよい。
【0030】このようにして設けた被記録表面層7の2
5℃での水との接触角は、好ましくは1〜40°、より
好ましくは1〜35°、特に好ましくは1〜30°であ
る。このような水との接触角を有する被記録表面層7と
することで、水溶性染料を含有するインクによる書き込
みが可能となり、かつ、被記録表面層自体の耐水性がす
ぐれたものとなる。接触角が高すぎると水溶性染料を含
有するインクによる書き込みが難しくなりやすく、ま
た、低すぎると印字のにじみが大きくなり、シャープな
印字ができなくなる。
【0031】本発明の下地層6は、表面が粗面化されて
おり、放射線硬化型の化合物を含む塗布膜を硬化したも
のである。表面が粗面化された下地層6を用いること
で、アルコール可溶性ナイロンを含む被記録表面層7と
密着性が高まる。また、被記録表面層7の耐水性も向上
する。
【0032】下地層6の表面粗さRaは、好ましくは
0.01〜10μm 、より好ましくは0.03〜8μm
、特に好ましくは0.05〜5μm である。下地層6
の表面粗さRaをこのような範囲とすることで、被記録
表面層7とのすぐれた密着性が得られる。表面粗さRa
は、低すぎるとアンカー効果が低下してしまい、被記録
表面層7がはがれやすくなり、特に耐水性が低下しやす
くなる。高すぎると被記録表面層7を塗布する際、塗布
性が低下しやすく、被記録表面層7の均一性が悪化しや
すくなる。
【0033】また、このような下地層上に設ける被記録
表面層7の表面粗さRaは、0.01〜5μm 程度であ
る。このような表面粗さRaの測定は、通常の触針式表
面粗さ計を用い、JIS B−0601に記載されてい
る方法により行えばよい。
【0034】本発明の下地層6の表面を粗面化し、表面
粗さRaを、前記の範囲とするためにはどのような方法
でもよく、特に制限はない。例えば、無機微粒子や有機
微粒子を添加するなどの方法がある。
【0035】本発明で設ける下地層6に用いることので
きる微粒子12としてはシリカ、硫酸バリウム、炭酸バ
リウム、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ゼオライ
ト、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、窒化ホウ素、
窒化チタン、プロテイン粒子、樹脂微粒子等が挙げられ
る。これらのうちでもシリカ、シリカゲル、アルミナ、
硫酸バリウム、炭酸バリウム等が好ましい。
【0036】用いる微粒子12の平均粒径は、好ましく
は0.1〜30μm 、より好ましくは0.5〜25μm
、特に好ましくは1〜20μm である。
【0037】下地層6中の微粒子12の含有量は、表面
粗さRaを前記範囲とする量であればよいため特に制限
はなく、また用いる微粒子12の材質により異なるが、
通常は1〜50wt% 程度である。これらの微粒子12
は、1種でも、また2種以上用いてもよい。
【0038】下地層6に用いる放射線硬化型の化合物の
硬化膜を用いることにより、密着性と耐水性とが向上す
るが、放射線硬化型化合物としては、光記録媒体1の保
護膜5に通常用いられているものであればいずれも使用
することができるが、放射線硬化型の化合物には、オリ
ゴエステルアクリレートが含まれることが好ましい。
【0039】オリゴエステルアクリレートは、アクリレ
ート基またはメタクリレート基を複数有するオリゴエス
テル化合物である。そして好ましいオリゴステルアクリ
レートとしては、分子量1000〜10000、好まし
くは2000〜7000であって、重合度2〜10、好
ましくは、3〜5のものが挙げられる。また、これらの
うちアクリレート基またはメタクリレート基を2〜6
個、好ましくは3〜6個有する多官能オリゴエステルア
クリレートが好ましい。
【0040】多官能オリゴエステルアクリレートとして
はアロニックスM−7100、M−8030、M−80
60、M−8100、M−9050、M−6100、M
−6200、M−6250、M−6300、M−640
0、M−6500等(東亜合成化学社製)として市販さ
れているものを用いることができ、これらは下記化1お
よび化2で示されるものである。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】A:アクリレート基またはメタクリレート
基、X:多価アルコール(例えば、グリセロール等)残
基、Y:多価塩基酸(例えば、クエン酸等)残基、M:
2価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフ
ェノールA等)残基、N:2塩基酸(例えば、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、アジピン酸、コハク酸等)残基、
n:1〜10、好ましくは2〜5。これらのうちでは、
化1で示されるものが好ましい。
【0044】また、オリゴエステルアクリレートとして
は、化3〜化6に示す単官能のものも用いることができ
る。これらは化3がアロニックスM−5300、化4が
アロニックスM−5400、化5がアロニックスM−5
600、化6がアロニックスM−5700として市販さ
れているものを用いることができる。
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】
【化5】
【0048】
【化6】
【0049】なお、下地層6と保護膜5とを兼ねる場合
は、保護膜5としての硬度を保ってジッターの増大を防
止し、保存特性を向上させるために、これらのオリゴエ
ステルアクリレートのうち、多官能オリゴエステルアク
リレートを含むことが好ましい。
【0050】また、他の放射線型化合物を併用してもよ
い。併用する場合は、前記オリゴエステルアクリレート
は、放射線化合物中の20wt% 以上存在することが好ま
しい。
【0051】放射線硬化型の化合物としては、イオン化
エネルギーに感応し、ラジカル重合性を示す不飽和二重
結合を有するアクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれ
らのエステル化合物のようなアクリル系二重結合、ジア
リルフタレートのようなアリル系二重結合、マレイン
酸、マレイン酸誘導体等の不飽和二重結合等の放射線照
射による架橋あるいは重合する基を分子中に含有または
導入したモノマー、オリゴマーおよびポリマー等を挙げ
ることができる。これらは多官能、特に3官能以上であ
ることが好ましく、これらを1種のみ用いても2種以上
併用してもよい。
【0052】放射線硬化性モノマーとしては、分子量2
000未満の化合物が、オリゴマーとしては分子量20
00〜10000のものが好適である。これらはスチレ
ン、エチルアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
メタクリレート、1,6-ヘキサングリコールジアクリレー
ト、1,6-ヘキサングリコールジメタクリレート等も挙げ
られるが、特に好ましいものとしては、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート(メタクリレート)、ペンタ
エリスリトールアクリレート(メタクリレート)、トリ
メチロールプロパントリアクリレート(メタクリレー
ト)、トリメチロールプロパンジアクリレート(メタク
リレート)、ウレタンエラストマーのアクリル変性体、
あるいはこれらのものにCOOH等の官能基が導入され
たもの、フェノールエチレンオキシド付加物のアクリレ
ート(メタクリレート)、特願昭62−072888号
に示されるペンタエリスリトール縮合環にアクリル基
(メタクリル基)またはε−カプロラクトン−アクリル
基のついた化合物、および特願昭62−072888号
に示される特殊アクリレート類等のアクリル基含有モノ
マーおよび/またはオリゴマーが挙げられる。この他、
放射線硬化性オリゴマーとしては、ウレタンエラストマ
ーのアクリル変性体、あるいはこれらのものにCOOH
等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
【0053】また、上記の化合物に加えて、あるいはこ
れにかえて熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによ
って得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。この
ような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジカル重
合性を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、メタク
リル酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアク
リル系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系
二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結
合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する基を熱
可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂であ
る。放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例と
しては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエスルテル樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノキシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができ
る。その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂
としては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエス
テル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(P
VPオレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸
基を含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステ
ルを重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等
も有効である。
【0054】これらの放射線硬化型の化合物を含む塗布
膜を硬化するために照射する放射線としては、紫外線、
電子線等が挙げられるが、紫外線を用いることが好まし
い。
【0055】紫外線を用いる場合は、前記放射線硬化型
の化合物中には光重合開始剤を含有することが好まし
い。
【0056】光重合開始剤としては、特に制限はなく、
安息香酸エステル類、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイ
ン誘導体、チオキサントン誘導体、アセトフェノン誘導
体、プロピオフェノン誘導体およびベンジルなどを用い
ることができる。
【0057】具体的には、メチル−オルソベンゾイルベ
ンゾエート、ベンゾフェノン、4,4−ビスジエチルア
ミノベンゾフェノン、ジベンゾスベロン、ベンソイルア
ルキルエーテル(R=C1 〜C8 の分岐を含んでもよい
アルキル基)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン
−2−(ο−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェ
ニル−1,2−プロパンジオン−2−(ο−ベンゾイ
ル)オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、塩素
化アセトフェノン誘導体、4−イソプロピル−2−ヒド
ロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンおよびベン
ジル等が挙げられる。これらのうちでも特に好ましい重
合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン、メチル−オルソベンゾイル
ベンゾエート等である。なお、これら特に好ましい重合
開始剤のうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オンは、ダロキュア1173(メル
ク社製)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノンは、イルガキュア651(日本チバガイギー社
製)として市販されているものである。
【0058】下地層6の重合開始剤の含有量は、前記微
粒子12を除く下地層6中の、好ましくは8wt% 以下、
より好ましくは0.2〜5wt% 、特に好ましくは0.5
〜3wt% である。含有量が前記範囲より少ないと重合開
始剤としての作用が十分に得られず、また、多すぎると
着色、耐候黄変、腐蝕等が生じる。
【0059】また、本発明の被記録表面層17には、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイル
モルホリン、N−ビニルピロリドンおよび下記化7に示
すポリエチレングリコールモノメタクリレート等の親水
性非イオン性モノマーを共重合させてもよい。
【0060】
【化7】
【0061】また、下地層6には、さらにトリエタノー
ルアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート
等の光重合促進剤、連鎖移動剤、さらにフェノチアジン
等のラジカル重合防止剤、N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンアルミニウム塩等のキレート剤等の安定剤
を添加してもよい。
【0062】下地層6は、このような組成の放射線硬化
型の化合物と微粒子12とを含む塗布液を調製し、保護
膜5または反射層4上に設層して塗布膜とし、これを前
記の方法で硬化する。このようにして得られた樹脂と前
記微粒子12とを含む下地層6中の、樹脂の含有量は、
前記微粒子12を除き、実質的に残部全量である。
【0063】設層方法としては公知の種々の方法、例え
ばスピンコート法、スプレーコート法、ディッピング
法、グラビアロール法、ナイフコーター法、リバースロ
ール法、スクリーン印刷法、バーコーター法等を用いれ
ばよく、塗布液の特性に応じて適宜選択すればよい。
【0064】下地層6の層厚は、好ましくは1〜100
μm 、より好ましくは5〜80μm、特に好ましくは1
0〜50μm である。層厚が厚すぎるとディスクの反
り、膜の亀裂等が生じやすく、薄すぎると均一な塗布が
困難になりやすい。
【0065】このようにして設けた下地層6の、25℃
での水との接触角は、好ましくは40°以上、より好ま
しくは40〜90°である。このような接触角をもつ下
地層6とすることで、すぐれた耐水性をもつ下地層とな
る。接触角が低すぎると被記録表面層の耐水性が低下し
やすく、膨潤やはがれ等が生じやすい。また、密着性も
低下しやすくなる。
【0066】基板2は、記録光および再生光(波長60
0〜900nm程度、特に波長770〜900nm程度の半
導体レーザー光、特に780nm)に対し、実質的に透明
(好ましくは透過率88%以上)な樹脂あるいはガラス
から形成されたものを用いればよい。これにより、基板
裏面側からの記録および再生が可能となる。
【0067】基板材質としては、樹脂を用いることが好
ましく、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アモル
ファスポリオレフィン、TPX等の各種熱可塑性樹脂が
好適である。基板2は射出成形等の公知の方法に従い製
造すればよい。また、その際、トラッキング用やアドレ
ス用等のために、グルーブ11等の所定のパターンを基
板表面に形成することが好ましい。なお、基板2製造後
に、2P法等によりグルーブ等の所定のパターンを有す
る樹脂層を形成してもよい。
【0068】記録層3は、1種類の色素だけを含有して
もよく、あるいは2種以上の色素が相溶した構成であっ
てもよい。
【0069】記録層3に用いる光吸収性の色素として
は、吸収極大が600〜900nm、好ましくは600〜
800nm、より好ましくは650〜750nmであれば、
他に特に制限はなく、例えばシアニン系、フタロシアニ
ン系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、アゾ
系、トリフェニルメタン系、ピリリウムないしチアピリ
リウム塩系、スクワリリウム系、クロコニウム系、金属
錯体色素系等から1種ないし2種以上を目的に応じて適
宜選択すればよい。
【0070】また、光吸収色素にクエンチャーを混合し
てもよい。さらに、色素カチオンとクエンチャーアニオ
ンとのイオン結合体を光吸収色素として用いてもよい。
【0071】クエンチャーとしては、アセチルアセトナ
ート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジ
チオール系などのビスジチオール系、チオカテコール
系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレ
ート系等の金属錯体が好ましい。また、窒素のラジカル
カチオンを有するアミン系化合物やヒンダードアミン等
のアミン系のクエンチャーも好適である。
【0072】結合体を構成する色素としては、インドレ
ニン環を有するシアニン色素が、またクエンチャーとし
てはビスフェニルジチオール金属錯体等の金属錯体色素
が好ましい。
【0073】記録層3は、色素および有機溶剤を含有す
る塗布液を用い、この塗布液を回転する基板上に展開塗
布するスピンコート法により形成される。
【0074】記録形成のための塗布液に用いる有機溶剤
としては、アルコール系、ケトン系、エステル系、エー
テル系、芳香族系、ハロゲン化アルキル系等から、用い
る色素に応じて適宜選択すればよいが、一分子中に2つ
以上の官能基を有する有機溶剤が好適である。
【0075】スピンコート後、必要に応じて塗膜を乾燥
させる。
【0076】このようにして形成される記録層の厚さ
は、目的とする反射率などに応じて適宜設定されるもの
であるが、通常、1000〜3000A 程度である。
【0077】記録層3上には、直接密着して反射層4が
設層される。反射層4には高反射率材料を用いる。この
ような材料としては、Au、Cu、Ag、Alやこれら
を含む合金などが好ましいが、特に、比較的安価でしか
も反射率が高いことから、反射層4は少なくともCuを
含むことが好ましく、特に、Cuと、Ti、V、Ta、
Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Rh、Ni、P
d、Pt、Ag、Au、Al、NおよびOからなる群よ
り選ばれる1種以上の元素とを含有する薄膜を反射層4
として用いることが好ましい。
【0078】この場合、十分高い耐食性を保持したま
ま、より一層高い反射率が得られる点で、反射層4は、
Cuと、Ti、V、Ta、Cr、Mo、W、Mn、F
e、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、Auおよび
Alの1種以上の元素とを含有する薄膜、特にCuと、
Rh、Ni、Pd、Pt、Ag、AuおよびAlの1種
以上の元素とを含有する薄膜で構成されることが好まし
い。
【0079】反射層4を形成するには、スパッタリン
グ、蒸着等の各種気相成膜法を用いればよい。
【0080】反射層4の厚さは500A 以上であること
が好ましい。また、厚さの上限は特にないが、コスト、
生産作業時間等を考慮すると、1700A 程度以下であ
ることが好ましい。
【0081】反射層4上には保護膜5が設けられる。保
護膜5としては、前記下地層6に好ましく用いることが
できる放射線硬化型化合物および光重合開始剤をいずれ
も用いることができる。この際、下地層6に用いた放射
線硬化型化合物と保護膜5に用いた放射線硬化型化合物
とは、同一であっても異なっていてもよい。また、保護
膜5の形成方法、硬化方法等は、前記下地層6と同様で
あってよい。
【0082】保護膜5の膜厚は、好ましくは1〜100
μm 、より好ましくは10〜50μm である。膜厚が前
記範囲より薄すぎると保護層としての効果が十分に得ら
なくなり、記録時の信号にひずみが生じやすい。また、
厚すぎると、このような樹脂膜の硬化の際に伴う収縮に
より、記録媒体の反りや保護膜中のクラックが生じやす
くなる。
【0083】このような保護膜5の25℃での水との接
触角は、好ましくは40°以上、より好ましくは40〜
90°である。このような水との接触角を有する保護膜
5とすることで、反射膜への水分の進入を防止して、媒
体の信頼性を向上させることができる。
【0084】このようにして設けた被記録表面層7をも
つ光記録媒体に書き込みを行う場合、水溶性染料を含む
インクを用いて通常のペン等で書き込んでもよいが、記
録層3や反射層4へのダメージによるエラー増加の恐れ
があるため、非接触で書き込みを行うインクジェット記
録方式の書き込み装置を用いることが好ましい。
【0085】用いるインクとしては、水溶性染料を含む
インクであれば特に制限はなく、インクジェット記録方
式の書き込み装置に用いるインクであればいずれも使用
できる。
【0086】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0087】実施例1保護膜組成 多官能オリゴエステルアクリレート 97重量部 (アロニックスM-8100:東亜合成化学社製) 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 3重量部 (ダロキュア1173:メルク社製)
【0088】反射層4上に上記の保護膜組成の塗布組成
物を塗設後、紫外線照射装置により紫外線を照射して硬
化させた紫外線硬化樹脂の保護膜5を有する記録可能コ
ンパクトディスク(CD−R)を用い、この保護膜上
に、下記下地層組成の塗工液を用いてスクリーン印刷法
により塗布膜を塗設し、紫外線照射装置により紫外線を
照射して硬化させた。下地層の層厚は、20μm 、保護
膜5の25℃での水との接触角は、70°であった。下
地層のRaおよび25℃での水との接触角を測定した。
結果は表1にまとめて示す。
【0089】下地層組成 多官能オリゴエステルアクリレート 70重量部 (アロニックスM-8100:東亜合成化学社製) 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 5重量部 (ダロキュア1173:メルク社製) シリカ 25重量部 (アエロジル130:アエロジル社製:平均粒径:16μm )
【0090】次いで、下地層上に下記被記録表面層組成
の塗工液を用いてスピンコート法で塗布膜を塗設し、7
0℃、30分間乾燥して被記録表面層を有する光記録媒
体とした。用いたアルコール可溶性ナイロンの、20℃
でのイソプロピルアルコールに対する溶解度は15wt%
で、水に対する溶解度は3wt% 以下であった。
【0091】被記録表面層 アルコール可溶性ナイロン 15重量部 (A−70:東レ社製) イソプロピルアルコール 85重量部
【0092】得られた光記録媒体について、被記録表面
層の25℃での水との接触角および層厚を測定し、さら
に下記の方法にしたがって評価を行なった。得られた結
果を表1にまとめて示す。なお、評価のための印字は下
記の組成をもつインクを用い、インクジェット記録方式
で記録した。
【0093】インク組成 C.I.ダイレクトブラック 5重量部 ジエチレングリコール 30重量部 水 65重量部
【0094】評価は、(1)下地層との密着性、(2)
被記録表面層自体の耐水性、(3)インクはじき、
(4)印字の乾燥時間について行なった。
【0095】評価方法は下記の方法に従った。
【0096】(1)被記録表面層の密着性 3M社製のスコッチクリアテープ600を用い、1.2
cm×1.0cmの接着面を被記録表面層に貼り付けた後、
引き剥がして被記録表面層の剥離がない場合○、剥離が
ある場合を×とした。
【0097】(2)被記録表面層の耐水性 被記録表面層を流水中に20分間さらし、目視および指
触により被記録表面層自体にまったく変化が認められな
い場合◎、目視または指触によりわずかに膨潤等の変化
が認められる場合○、目視により明らかに膨潤や下地層
との部分剥離等の変化が認められる場合△、流失した部
分がある場合×とした。
【0098】(3)被記録表面層のインクはじき 印字を行ない、インクはじきの有無を評価した。用いた
インクをはじかず、正常に印字されたものを○、インク
をはじき、正常に印字できなかったものを×とした。な
お、インクをはじくとは、被記録表面とインクとの25
℃での接触角が、60°以上となる場合である。
【0099】(4)被記録表面層の乾燥時間 印字を行ない、印字後、印字表面に指触したときインク
が指に付着しなくなるまでの時間を乾燥時間とし、次の
基準により表示した。乾燥時間が1分以下の場合○、乾
燥時間が1分を超える場合△、24時間以上乾燥しない
のものを×とした。
【0100】実施例2 実施例1のうち、下地層組成のシリカ(アエロジル)
を、アルミナ(平均粒径:20μm )にかえた他は実施
例1と同様にして下地層と被記録表面層とを設けた光記
録媒体を得た。得られた光記録媒体について、実施例1
と同じ測定および評価を行なった。下地層の層厚は40
μm であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0101】実施例3 実施例1のうち、下地層組成のシリカ(アエロジル)
を、シリカゲル(平均粒径:5μm )にかえた他は実施
例1と同様にして下地層と被記録表面層とを設けた光記
録媒体を得た。得られた光記録媒体について、実施例1
と同じ測定および評価を行なった。下地層の層厚は25
μm であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0102】実施例4 下記下地層組成の塗工液を用いたほかは、実施例1と同
様にして下地層と被記録表面層とを設けた光記録媒体を
得た。得られた光記録媒体について、実施例1と同じ測
定および評価を行なった。下地層の層厚は15μm であ
った。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0103】下地層 多官能オリゴエステルアクリレート 35重量部 (アロニックスM-8100:東亜合成化学社製) 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 5重量部 (ダロキュア1173:メルク社製) ポリエチレングリコールモノメタクリレート 35重量部 (構造を下記化8に示す:ブレンマーPE-350:日本油脂製) シリカ 25重量部 (アエロジル300:アエロジル社製:平均粒径:7μm )
【0104】
【化8】
【0105】実施例5 下記被記録表面層組成の塗工液を用いたほかは、実施例
1と同様にして下地層と被記録表面層とを設けた光記録
媒体を得た。得られた光記録媒体について、実施例1と
同じ測定および評価を行なった。下地層の層厚は25μ
m であった。得られた結果を表1にまとめて示す。な
お、用いたアルコール可溶性ナイロンのイソプロピルア
ルコールに対する溶解度は20wt% で、水に対する溶解
度は3wt%以下であった。
【0106】被記録表面層 アルコール可溶性ナイロン 15重量部 (トレジンF−30:帝国化学産業社製) イソプロピルアルコール 85重量部
【0107】比較例1 実施例1の保護膜および下地層を設け、被記録表面層を
設けない光記録媒体を得た。得られた光記録媒体につい
て、実施例1と同じ測定および評価を行なった。下地層
の層厚は20μm であった。得られた結果を表1にまと
めて示す。
【0108】比較例2 実施例1の下地層を設けず、他は実施例1と同様にして
保護膜上に被記録表面層を設けた光記録媒体を得た。得
られた光記録媒体について、実施例1と同じ測定および
評価を行なった。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0109】比較例3 下記下地層組成の塗工液を用いたほかは、実施例1と同
様にして下地層と被記録表面層とを設けた光記録媒体を
得た。得られた光記録媒体について、実施例1と同じ測
定および評価を行なった。下地層の層厚は30μm であ
った。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0110】下地層 多官能オリゴエステルアクリレート 97重量部 (アロニックスM-8100:東亜合成化学社製) 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 3重量部 (ダロキュア1173:メルク社製)
【0111】比較例4 下記被記録表面層組成の塗工液を用いたほかは、実施例
1と同様にして下地層と被記録表面層とを設けた光記録
媒体を得た。得られた光記録媒体について、実施例1と
同じ測定および評価を行なった。下地層の層厚は15μ
m であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0112】被記録表面層 水溶性ナイロン 30重量部 (A−90:東レ社製) 水 70重量部
【0113】なお、用いた上記水溶性ナイロンは、20
℃における水に対する溶解度が50wt% 、イソプロピル
アルコールに対する溶解度を測定した所、10wt% では
ゲル化が認められた。
【0114】比較例5 下地層組成として、α−エチルシアノアクリレート(3
000DXL:セメダイン社製)を用いたほかは、実施
例1と同様にして下地層と被記録表面層とを設けた光記
録媒体を得た。得られた光記録媒体について、実施例1
と同じ測定および評価を行なった。下地層の層厚は15
μm であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0115】比較例6 下記下地層組成の塗工液を用いたほかは、実施例1と同
様にして下地層と被記録表面層とを設けた光記録媒体を
得た。得られた光記録媒体について、実施例1と同じ測
定および評価を行なった。なお、被記録表面層の密着性
評価の結果、保護膜5と下地層とが剥離した。また、下
地層の層厚は10μm であった。得られた結果を表1に
まとめて示す。
【0116】下地層 ポリビニルアルコール 10重量部 メチルアルコール 90重量部
【0117】
【表1】
【0118】表1より、本発明の下地層と被記録表面層
を有する光記録媒体は、水溶性染料を含有するインクに
よる書き込みが可能で、印字性が良好で、被記録表面層
の密着性と耐水性とがきわめて高いことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一例を示す部分模式断面
図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体 2 基板 3 記録層 4 反射層 5 保護膜 6 下地層 7 被記録表面層 11 グルーブ 12 微粒子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護膜上に、表面が粗面化され、放射線
    硬化型の化合物を含む塗布膜を硬化した下地層を有し、
    前記下地層上に、水溶性染料を含有するインクによる書
    き込み可能な被記録表面層を有し、前記被記録表面層が
    アルコール可溶性ナイロンを含む光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記被記録表面層の25℃での水との接
    触角が、1〜40°である請求項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記被記録表面層の層厚が、1〜50μ
    m である請求項1または2の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記下地層表面の表面粗さRaが、0.
    01〜10μm である請求項1〜3のいずれかの光記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 前記下地層表面の25℃での水との接触
    角が、40〜90°である請求項1〜4のいずれかの光
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記下地層が、平均粒径0.1〜30μ
    m の微粒子を含有する請求項1〜5のいずれかの光記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 前記書き込みを、インクジェット記録方
    式で行なう請求項1〜6のいずれかの光記録媒体。
JP6087862A 1994-03-31 1994-03-31 光記録媒体 Withdrawn JPH07272442A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6087862A JPH07272442A (ja) 1994-03-31 1994-03-31 光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6087862A JPH07272442A (ja) 1994-03-31 1994-03-31 光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07272442A true JPH07272442A (ja) 1995-10-20

Family

ID=13926701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6087862A Withdrawn JPH07272442A (ja) 1994-03-31 1994-03-31 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07272442A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8012560B2 (en) * 2004-04-14 2011-09-06 Toppan Printing Co., Ltd. Optical disc and method of manufacturing same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8012560B2 (en) * 2004-04-14 2011-09-06 Toppan Printing Co., Ltd. Optical disc and method of manufacturing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3364336B2 (ja) 光ディスクおよび被記録材
KR0185765B1 (ko) 광 정보매체와 그 제조방법
EP0574860B1 (en) Optical information medium and method for printing the surface of the medium
KR20010030715A (ko) 코팅용 조성물 및 광기록매체
US5599649A (en) Optical recording medium
US5683855A (en) Printable members
JPH07272442A (ja) 光記録媒体
TWI290948B (en) UV-hardening-type composition and photo-recording medium
KR970004212B1 (ko) 광기록 매체
EP0586990B1 (en) Ultraviolet-curing resin for protecting coat of optical disk
JP2972114B2 (ja) 光ディスク
JP3197418B2 (ja) 光情報媒体
JP3840342B2 (ja) 光情報記録媒体
JP3081082B2 (ja) 光情報媒体とその表面印刷方法
JPH07272441A (ja) 光記録媒体
JPWO2003041068A1 (ja) 光記録媒体
JP3197419B2 (ja) 光情報媒体の製造方法
JP3059377B2 (ja) 被記録基材
JP3021164U (ja) 光情報媒体
JP3197417B2 (ja) 光情報媒体
JPH11268408A (ja) 被記録基材
JP3159282B2 (ja) 光情報媒体とその表面印刷方法
JP3159283B2 (ja) 光情報媒体
JPH0744888A (ja) 光情報媒体
JP2005322313A (ja) 光記録媒体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010605