JPH07269361A - 多気筒エンジンの吸気ポート構造およびその設定方法 - Google Patents

多気筒エンジンの吸気ポート構造およびその設定方法

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JPH07269361A
JPH07269361A JP6061195A JP6119594A JPH07269361A JP H07269361 A JPH07269361 A JP H07269361A JP 6061195 A JP6061195 A JP 6061195A JP 6119594 A JP6119594 A JP 6119594A JP H07269361 A JPH07269361 A JP H07269361A
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Toshiharu Masuda
俊治 益田
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泰治 楪
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別な調整部材を用いることなく、多気筒エ
ンジンにおける気筒間のスワール比の均一化を図ること
と、スワール比を均一化する場合の吸気ポート形状の設
定を容易に行い得るようにする。 【構成】 上流端3aがエンジン本体1の側壁1aに開口
し、下流端3bが燃焼室6の天井に開口しており、下流
端部におけるシリンダ軸線O1に対する入射角θ1に対し
てその上流側におけるポート軸線O2のシリンダ軸線O1
に対する傾き角θ2が大きく設定されたタンジェンシャ
ル吸気ポート3をそれぞれ備え、これらの吸気ポート3
により全気筒にスワールを生成する多気筒エンジンにお
いて、前記各吸気ポート3の下流端3bからその上流側
において傾き角θ2が大きく設定された部分にかけての
湾曲部3cであって該湾曲部3cにおける曲率半径が大き
い側のポート内壁3c1に、吸気Aの主流の一部A′をシ
リンダ軸線O1方向に誘導するガイド壁12aを形成する
とともに、吸気ポート3におけるポート軸線O2から前
記ガイド壁12aまでの距離を気筒によって相異させる
ようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、多気筒エンジンの吸
気ポート構造およびその設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジン(特に、直接噴射式デ
ィーゼルエンジン)において、燃費や出力等の性能を向
上させるためには、燃焼室における燃料の分散を良好に
して空気と燃料との混合を十分に行い且つ燃焼室に吸入
する空気量を多くして体積効率を増加させることが必要
である。従来、燃焼室における燃料の分散を良好ならし
めるために、燃焼室に流入する空気にスワールを生成さ
せ、該スワールによって燃焼室の燃料を良好に分散させ
ることが行なわれている。
【0003】一般的にスワールを強くすると、燃焼室で
の燃料分散は良好となるものの、NOxの発生量が高く
なり、パティキュレートが低下することは良く知られて
おり、運転状態によってはスワールを低減する必要があ
る。そこで、スワールを生成するタンジェンシャル吸気
ポートにスワールの強弱を調整する部材(例えば弁体)を
設けたもの(例えば、実開昭60ー24816号公報参
照)、あるいはスワールを生成するタンジェンシャル吸
気ポートに運転状態に応じて作動する絞り弁を設けたも
の(例えば、特開昭58ー135323号公報参照)が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、多気筒エン
ジンの場合、鋳造時における吸気ポート用中子の位置ズ
レあるいは吸気マニホールドを介して気筒に吸入される
空気のバラツキ等に起因して気筒間でスワール比にバラ
ツキが生ずる。
【0005】例えば、図6に点線で示すように、第1気
筒におけるスワール比SRiが最も高く、第2、第3、
第4気筒と順にスワール比SRi低くなる。ここで、ス
ワールSRiは、スワールがエンジンの中で均一に回転
していると仮定した時のスワールの角速度をωs(Rad/
sec)とし、エンジン角速度をωe(Rad/sec)とした時、
次式により規定される。
【0006】SRi=ωs/ωe 一般的に、スワールが強い程、NOxの発生度は高く、
パティキュレートは低下するが、上記したように気筒間
でスワール比にバラツキがある場合、ある一つの気筒で
マッチングがとれても、それ以外の気筒でのマッチング
が得られないところから、エンジン全体としてのエミッ
ション性能が悪化することとなる。
【0007】上記のような理由から、多気筒エンジンに
おける各気筒のスワール比を均一化することが、エンジ
ン全体の性能の向上に欠かせないことが分かる。ところ
が、上記した公知例の場合、エンジンの運転状態に応じ
て気筒におけるスワールの強弱を調整する部材を設ける
ものなので、上記したような気筒間におけるスワール比
のバラツキを解消することはできないし、特別な調整部
材(例えば、弁体あるいは絞り弁)を必要とする。
【0008】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、特別な調整部材を用いることなく、多気筒エンジ
ンにおける気筒間のスワール比の均一化を図ることと、
スワール比を均一化する場合の吸気ポート形状の設定を
容易に行い得るようにすることとを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明の多気筒エンジ
ンの吸気ポート構造は、上流端がエンジン本体の側壁に
開口し、下流端が燃焼室の天井に開口しており、下流端
部におけるシリンダ軸線に対する入射角に対してその上
流側におけるポート軸線のシリンダ軸線に対する傾き角
が大きく設定されたタンジェンシャル吸気ポートをそれ
ぞれ備え、これらのタンジェンシャル吸気ポートにより
全気筒にスワールを生成する多気筒エンジンにおいて、
前記各タンジェンシャル吸気ポートの下流端からその上
流側において傾き角が大きく設定された部分にかけての
湾曲部であって該湾曲部における曲率半径が大きい側の
ポート内壁に、吸気の主流の一部をシリンダ軸線方向に
誘導するガイド壁を形成するとともに、タンジェンシャ
ル吸気ポートにおけるポート軸線から前記ガイド壁まで
の距離を気筒によって相異させた構成を基本構成として
いる。
【0010】前記ガイド壁を、前記ポート内壁にポート
空間を拡大するように形成された凹部における底壁とす
るとともに、タンジェンシャル吸気ポートにおけるポー
ト軸線から前記ガイド壁までの距離の相異を前記凹部の
拡大代の相異となす場合もある。
【0011】前記タンジェンシャル吸気ポートを開閉す
る吸気バルブを案内するバルブステムを嵌挿するための
ステム孔を、その軸芯が前記湾曲部とポート下流端との
間に臨むように形成し且つ前記凹部を前記ステム孔と同
軸の拡大孔となすとともに、前記凹部の拡大代の相異を
拡大孔の孔径の相異となす場合もある。
【0012】前記ステム孔および凹部を、エンジン本体
の鋳造時に吸気ポート用中子の姿勢保持を行う中子押え
の除去跡により形成する場合もある。
【0013】前記多気筒エンジンを、気筒列方向に延び
る吸気集合部と、該吸気集合部に対して気筒列方向中間
部に接続される吸気上流管とからなる吸気マニホールド
を付設したものとし、あるいは前記各気筒におけるスワ
ール方向を同一方向とする場合もある。
【0014】本願発明の多気筒エンジンの吸気ポート構
造設定方法では、上流端がエンジン本体の側壁に開口
し、下流端が燃焼室の天井に開口しており、下流端部に
おけるシリンダ軸線に対する入射角に対してその上流側
におけるポート軸線のシリンダ軸線に対する傾き角が大
きく設定されたタンジェンシャル吸気ポートをそれぞれ
備え、これらのタンジェンシャル吸気ポートにより全気
筒にスワールを生成する多気筒エンジンを試作し、該試
作エンジンにおいて各気筒のスワール比を実測し、前記
各タンジェンシャル吸気ポートの下流端からその上流側
において傾き角が大きく設定された部分にかけての湾曲
部であって該湾曲部における曲率半径が大きい側のポー
ト内壁に、吸気の主流の一部をシリンダ軸線方向に誘導
するガイド壁を形成するに当たって、前記結果に基づい
て、タンジェンシャル吸気ポートにおけるポート軸線か
ら前記ガイド壁までの距離を、スワール比が小さい気筒
に対応するタンジェンシャル吸気ポートに合わせて、ス
ワール比が大きい気筒に対応するタンジェンシャル吸気
ポート程大きく設定するようにしている。
【0015】
【作用】本願発明の多気筒エンジンの吸気ポート構造に
おいては、タンジェンシャル吸気ポートから燃焼室へ供
給される吸気の主流が、吸気ポートの形状(即ち、吸気
ポートの下流端からその上流側において傾き角が大きく
設定された部分にかけての湾曲部)に沿って所定の角度
で流入して燃焼室内においてスワールを生成するが、前
記吸気主流の一部が、前記湾曲部における曲率半径が大
きい側のポート内壁に形成されたガイド壁によってシリ
ンダ軸線方向に誘導され、しかもガイド壁とポート軸線
との距離の大小によってシリンダ軸線方向に誘導される
吸気量が気筒によって異なってくる。そして、シリンダ
軸線方向に誘導される吸気量が多くなると、燃焼室内で
のスワールの生成に寄与する吸気量が少なくなってスワ
ールが弱められることとなる。従って、ガイド壁とポー
ト軸線との距離を気筒によって相異せしめた場合、スワ
ールの生成も気筒毎に相異することとなり、気筒間での
スワール比のバラツキに対応させてガイド壁とポート軸
線との距離を調整してやれば、気筒間でのスワール比の
バラツキが解消される。
【0016】前記ガイド壁を、前記ポート内壁にポート
空間を拡大するように形成された凹部(例えば、バルブ
ステム用のステム孔と同軸の拡大孔)における底壁とす
るとともに、タンジェンシャル吸気ポートにおけるポー
ト軸線から前記ガイド壁までの距離の相異を前記凹部の
拡大代(例えば、ステム孔と同軸の拡大孔の孔径)の相異
となした場合、ポート内壁にポート空間を拡大する凹部
を形成し、その拡大代を調整するだけで、多気筒エンジ
ンにおける気筒間のスワール比のバラツキに対処でき
る。
【0017】前記ステム孔および凹部を、エンジン本体
の鋳造時に吸気ポート用中子の姿勢保持を行う中子押え
の除去跡により形成するようにした場合、エンジン本体
鋳造時に形成される中子押え跡を利用することができ、
中子押えの形状を調整するだけで、多気筒エンジンにお
ける気筒間のスワール比のバラツキに対処できる。
【0018】前記多気筒エンジンを、気筒列方向に延び
る吸気集合部と、該吸気集合部に対して気筒列方向中間
部に接続される吸気上流管とからなる吸気マニホールド
を付設したものとした場合、気筒間のスワール比のバラ
ツキが最も顕著に現れるところから、上記した手法によ
るスワール比のバラツキ解消がより有効に作用する。
【0019】前記各気筒におけるスワール方向を同一方
向とした場合、隣合う気筒において排気系が隣接するこ
とがなくなり、熱的に有利となる。
【0020】本願発明の多気筒エンジンの吸気ポート構
造設定方法においては、試作エンジンにおいて各気筒の
スワール比を実測し、該結果に基づいて、タンジェンシ
ャル吸気ポートにおけるポート軸線から前記ガイド壁ま
での距離が、スワール比が小さい気筒に対応するタンジ
ェンシャル吸気ポートに合わせて、スワール比が大きい
気筒に対応するタンジェンシャル吸気ポート程大きく設
定されるところから、全気筒間でのスワール比の均一化
が容易に達成されることとなる。
【0021】
【発明の効果】本願発明の多気筒エンジンの吸気ポート
構造によれば、タンジェンシャル吸気ポートの形状(即
ち、吸気ポートの下流端からその上流側において傾き角
が大きく設定された部分にかけての湾曲部)に沿って所
定の角度で流入する吸気主流の一部が、前記湾曲部にお
ける曲率半径が大きい側のポート内壁に形成されたガイ
ド壁によってシリンダ軸線方向に誘導され、しかもガイ
ド壁とポート軸線との距離の大小によってシリンダ軸線
方向に誘導される吸気量(即ち、スワールの生成を抑制
するように作用する吸気量)が気筒によって異なるよう
にしたので、スワールの生成も気筒毎に相異することと
なり、気筒間でのスワール比のバラツキに対応させてガ
イド壁とポート軸線との距離を調整してやれば、気筒間
でのスワール比のバラツキを解消することができ、エン
ジン全体での性能向上に大いに寄与するという優れた効
果がある。
【0022】前記ガイド壁を、前記ポート内壁にポート
空間を拡大するように形成された凹部(例えば、バルブ
ステム用のステム孔と同軸の拡大孔)における底壁とす
るとともに、タンジェンシャル吸気ポートにおけるポー
ト軸線から前記ガイド壁までの距離の相異を前記凹部の
拡大代(例えば、ステム孔と同軸の拡大孔の孔径)の相異
となした場合、ポート内壁にポート空間を拡大する凹部
(例えば、ステム孔と同軸の拡大孔)を形成し、その拡大
代を調整するだけで、多気筒エンジンにおける気筒間の
スワール比のバラツキに対処できることとなり、スワー
ル比のバラツキを解消する手段の加工が極めて容易にで
きるという効果が得られる。
【0023】前記ステム孔および凹部を、エンジン本体
の鋳造時に吸気ポート用中子の姿勢保持を行う中子押え
の除去跡により形成するようにした場合、エンジン本体
鋳造時に形成される中子押え跡を利用することができ、
中子押えの形状を調整するだけで、多気筒エンジンにお
ける気筒間のスワール比のバラツキに対処できることと
なり、スワール比のバラツキを解消する手段の加工が極
めて容易にできるという効果が得られる。
【0024】本願発明の多気筒エンジンの吸気ポート構
造設定方法によれば、試作エンジンにおいて各気筒のス
ワール比を実測し、該結果に基づいて、タンジェンシャ
ル吸気ポートにおけるポート軸線から前記ガイド壁まで
の距離を、スワール比が小さい気筒に対応するタンジェ
ンシャル吸気ポートに合わせて、スワール比が大きい気
筒に対応するタンジェンシャル吸気ポート程大きく設定
するようにしたので、全気筒間でのスワール比の均一化
が容易且つ精度良く達成できるという効果がある。
【0025】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本願発明の好適
な実施例を説明する。
【0026】本実施例の多気筒エンジンは、4弁タイプ
の直接噴射式ディーゼルエンジンとされており、図3に
示すように、エンジン本体1に設けられた4個の気筒
2,2・・に対してそれぞれ2個の吸気ポート3,3およ
び排気ポート4,4を備え、吸気により生成されるスワ
ールSの方向は、全気筒2,2・・において同一方向と
されている。つまり、隣合う気筒2,2における排気ポ
ート4,4が隣接しない構成とされているのである。こ
のことにより、隣合う気筒2,2における排気ポート同
士が熱影響を受けないようになっているのである。
【0027】また、本実施例の多気筒エンジンにおいて
は、前記エンジン本体1には、気筒列方向に延びる吸気
集合部5aと、該吸気集合部5aに対して気筒列方向中間
部に接続される吸気上流管5bとからなる吸気マニホー
ルド5が付設されている。このような構成の吸気マニホ
ールド5を有する多気筒エンジンの場合、吸気上流管5
bから吸気集合部5aに流入した吸気の各気筒への分配が
不均一になり易いこと、各気筒に分配される吸気の流速
に差が生じ易いことなどに起因して、気筒2,2・・間
において、スワール比のバラツキが大きくなり易い傾向
にある。従って、本願発明が目的としているスワール比
の気筒間バラツキの解消を最も必要とするのである。
【0028】前記吸気ポート3は、図1に示すように、
上流端3aがエンジン本体1の側壁1aに開口し、下流端
3bが燃焼室6の天井に開口しており、下流端部におけ
るシリンダ軸線O1に対する入射角θ1に対してその上流
側におけるポート軸線O2のシリンダ軸線O1に対する傾
き角θ2が大きく設定され、下流端3bからその上流側に
おいて傾き角θ2が大きく設定された部分にかけて湾曲
部3cが形成されたタンジェンシャル吸気ポートとされ
ている。なお、吸気ポート3を開閉する吸気バルブ7を
案内するバルブステム8を嵌挿するためのステム孔9
が、その軸芯を前記湾曲部3cとポート下流端3bとの間
に臨ましめるように形成されている。そして、従来公知
の吸気ポート3においては、前記ステム孔9は、上下方
向に同径のものが貫通形成されている(図5参照)。符号
10はバルブシート、11は冷却水ジャケットである。
【0029】しかして、本実施例においては、前記ステ
ム孔9の下端部に対して同軸孔加工を施して、ステム孔
9より大径の拡大孔12としている。なお、該拡大孔1
2の上端は、吸気ポート3における湾曲部3cのにおけ
る曲率半径の大きいポート内壁3c1より上方に延ばす必
要はない。
【0030】上記のように構成したことにより、吸気A
の主流の一部A′が、前記拡大孔12における底壁13
aにガイドされてシリンダ軸線O1方向に誘導されること
となり、スワールSを生成するための吸気流方向に比べ
て燃焼室6に対して鉛直方向成分が増大する。この鉛直
方向成分の増大は、スワールSの生成を抑制するように
作用する。従って、前記拡大孔12の孔径を大きくすれ
ば、前記した吸気流の鉛直方向成分が増大し、燃焼室6
において生成されるスワールSが弱くなり、拡大孔12
の孔径を小さくすれば、前記した吸気流の鉛直方向成分
が減少し、燃焼室6において生成されるスワールSが強
くなる。ちなみに、ステム孔9の孔径を6mmとし、拡大
孔12の孔径を11mmとした場合、拡大孔を形成しない
ものに比べて拡大孔を形成したもののスワール比は約1
3%低下した。
【0031】即ち、本実施例においては、拡大孔12
が、ポート空間を拡大するように形成された凹部を構成
し、その底壁12aが、吸気Aの主流の一部A′をシリ
ンダ軸線O1の方向に誘導するガイド壁を構成し、拡大
孔12の孔径の相異がガイド壁とポート軸線との距離の
相異を構成することとなっているのである。なお、凹部
の形状としては、本実施例のような拡大孔のように円筒
状に限定されず、その底壁が吸気Aの主流の一部A′を
シリンダ軸線O1の方向に誘導するガイド壁となるもの
であれば、自由な形状が採用できる。
【0032】そして、気筒2,2・・間において生ずる
スワール比のバラツキを解消するためには、4気筒のう
ち最も低いスワール比を有する気筒(本実施例の場合、
第4気筒)に対応する吸気ポート3における拡大孔12
の孔径を最も小さくし(例えば、従来のものと同じよう
にステム孔9の孔径と同径とし)、スワール比が高い気
筒に対応する吸気ポート3の拡大孔12の孔径をそれぞ
れスワール比に対応させて大きくしてやればよい。
【0033】実際の多気筒エンジンにおいてスワール比
を均一化する場合には、予め図3に示すようなエンジン
を試作し、該試作エンジンにおいて各気筒2,2・・の
スワール比SRiを実測し、各吸気ポート3に拡大孔1
2を形成するに当たって、前記結果に基づいて、拡大孔
12の孔径を、スワール比が小さい気筒に対応する吸気
ポートに合わせて、スワール比が大きい気筒に対応する
吸気ポート程大きく設定すればよい。
【0034】即ち、図6に点線で示すように、気筒2,
2・・間でスワール比SRiが相異している場合、第4
気筒に対応する吸気ポート3における拡大孔12の孔径
を最も小さくし、第3気筒、第2気筒、第1気筒の順で
拡大孔12の孔径を大きくしてやればよいのである。す
ると、図6に実線で示すように、気筒2,2・・におけ
るスワール比SRiはほぼ等しくなる。
【0035】ところで、エンジン本体1の鋳造時には、
図4に示すように、鋳型13内に吸気ポート形成用の中
子14を位置決め配置し、金属溶湯(例えば、アルミ合
金溶湯)を湯道15,15,15から注湯するが、溶湯の
圧力によって中子14が位置ずれしないように、中子押
え16により中子14の位置決めがなされる。この中子
押え16は、前記ステム孔9が形成される部位に配置さ
れ、鋳造後に中子押え16を除去した跡を加工すること
によりステム孔9が形成されることとなっている。そこ
で、上記した拡大孔12を形成する場合、中子押え16
における下端部に拡大孔12と同形状の大径部16aを
形成しておけば、鋳造と同時に拡大孔12を形成でき
る。なお、図4においては、冷却水ジャケット用の中子
は省略している。
【0036】本願発明は、上記実施例の構成に限定され
るものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において
適宜設計変更可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例にかかる多気筒エンジンの気
筒ポート構造を示す断面図である。
【図2】図1の吸気ポートを下流端から見た図である。
【図3】本願発明の実施例にかかる多気筒エンジンの概
略構成図である。
【図4】本願発明の実施例にかかる多気筒エンジンの鋳
型の要部断面図である。
【図5】従来の多気筒エンジンの吸気ポートの断面図で
ある。
【図6】従来の多気筒エンジンの吸気ポートと本実施例
の多気筒エンジンの吸気ポートにおける気筒毎のスワー
ル比を示す特性図である。
【符号の説明】
1はエンジン本体、1aは側壁、2は気筒、3は吸気ポ
ート(タンジェンシャル吸気ポート)、3aは上流端、3b
は下流端、3cは湾曲部、3c1は湾曲部における曲率半
径の大きい内壁、4は排気ポート、5は吸気マニホール
ド、5aは吸気集合部、5bは吸気上流管、6は燃焼室、
7は吸気バルブ、8はバルブステム、9はステム孔、1
2は拡大孔(凹部)、12aはガイド壁(底壁)、14は中
子、16は中子押え、θ1は入射角、θ2は傾き角、O1
はシリンダ軸線、O2はポート軸線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫本 正章 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流端がエンジン本体の側壁に開口し、
    下流端が燃焼室の天井に開口しており、下流端部におけ
    るシリンダ軸線に対する入射角に対してその上流側にお
    けるポート軸線のシリンダ軸線に対する傾き角が大きく
    設定されたタンジェンシャル吸気ポートをそれぞれ備
    え、これらのタンジェンシャル吸気ポートにより全気筒
    にスワールを生成する多気筒エンジンにおいて、前記各
    タンジェンシャル吸気ポートの下流端からその上流側に
    おいて傾き角が大きく設定された部分にかけての湾曲部
    であって該湾曲部における曲率半径が大きい側のポート
    内壁には、吸気の主流の一部をシリンダ軸線方向に誘導
    するガイド壁が形成されており、タンジェンシャル吸気
    ポートにおけるポート軸線から前記ガイド壁までの距離
    が気筒によって相異していることを特徴とする多気筒エ
    ンジンの吸気ポート構造。
  2. 【請求項2】 前記ガイド壁が、前記ポート内壁にポー
    ト空間を拡大するように形成された凹部における底壁と
    されており、タンジェンシャル吸気ポートにおけるポー
    ト軸線から前記ガイド壁までの距離の相異が前記凹部の
    拡大代の相異とされていることを特徴とする前記請求項
    1記載の多気筒エンジンの吸気ポート構造。
  3. 【請求項3】 前記タンジェンシャル吸気ポートを開閉
    する吸気バルブを案内するバルブステムを嵌挿するため
    のステム孔が、その軸芯を前記湾曲部とポート下流端と
    の間に臨ましめるように形成されており、前記凹部は前
    記ステム孔と同軸の拡大孔とされ、しかも前記凹部の拡
    大代の相異は拡大孔の孔径の相異とされていることを特
    徴とする前記請求項2記載の多気筒エンジンの吸気ポー
    ト構造。
  4. 【請求項4】 前記ステム孔および凹部は、エンジン本
    体の鋳造時に吸気ポート用中子の姿勢保持を行う中子押
    えの除去跡とされていることを特徴とする前記請求項3
    記載の多気筒エンジンの吸気ポート構造。
  5. 【請求項5】 前記多気筒エンジンには、気筒列方向に
    延びる吸気集合部と、該吸気集合部に対して気筒列方向
    中間部に接続される吸気上流管とからなる吸気マニホー
    ルドが付設されていることを特徴とする前記請求項1〜
    4のうちいずれか一項記載の多気筒エンジンの吸気ポー
    ト構造。
  6. 【請求項6】 前記各気筒におけるスワール方向は同一
    方向とされていることを特徴とする前記請求項1〜5の
    うちいずれか一項記載の多気筒エンジンの吸気ポート構
    造。
  7. 【請求項7】 上流端がエンジン本体の側壁に開口し、
    下流端が燃焼室の天井に開口しており、下流端部におけ
    るシリンダ軸線に対する入射角に対してその上流側にお
    けるポート軸線のシリンダ軸線に対する傾き角が大きく
    設定されたタンジェンシャル吸気ポートをそれぞれ備
    え、これらのタンジェンシャル吸気ポートにより全気筒
    にスワールを生成する多気筒エンジンを試作し、該試作
    エンジンにおいて各気筒のスワール比を実測し、前記各
    タンジェンシャル吸気ポートの下流端からその上流側に
    おいて傾き角が大きく設定された部分にかけての湾曲部
    であって該湾曲部における曲率半径が大きい側のポート
    内壁に、吸気の主流の一部をシリンダ軸線方向に誘導す
    るガイド壁を形成するに当たって、前記結果に基づい
    て、タンジェンシャル吸気ポートにおけるポート軸線か
    ら前記ガイド壁までの距離を、スワール比が小さい気筒
    に対応するタンジェンシャル吸気ポートに合わせて、ス
    ワール比が大きい気筒に対応するタンジェンシャル吸気
    ポート程大きく設定することを特徴とする多気筒エンジ
    ンの吸気ポート構造設定方法。
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