JPH072680A - 病変組織異常血管の注射用止血剤 - Google Patents
病変組織異常血管の注射用止血剤Info
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- JPH072680A JPH072680A JP25640993A JP25640993A JPH072680A JP H072680 A JPH072680 A JP H072680A JP 25640993 A JP25640993 A JP 25640993A JP 25640993 A JP25640993 A JP 25640993A JP H072680 A JPH072680 A JP H072680A
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Abstract
治療用注射剤、その製造方法およびその用途。 【構成】0.01モルないし0.5モル濃度の水溶性ア
ルミニウム化合物と、前記水溶性アルミニウム化合物に
対して0.5%ないし20%の割合のタンニン酸と、亜
硫酸水素ナトリウムとからなる組成物であって、前記組
成物のpHが1.5ないし3.5である病変異常組織の
治療用注射剤である。この治療用注射剤は、長期間保存
しておいても極めて安定であり、保存中に着色や沈殿を
生ずることはなく、また病変異常組織内へ直接注入し
て、脳動脈瘤、痔核、肝腫瘍等の病変異常組織を治療す
るために極めて有効である。
Description
注射剤、その製造法およびその用途に関し、更に詳細に
は、例えば、脳動脈瘤、痔核、肝腫瘍血管などの病変異
常組織を治療するための、製剤として安定な病変異常組
織治療用注射剤、その製造方法およびその用途に関する
ものである。
として、油性のフェノール製剤を注射にて投与する方法
があるが、この方法による痔核治療の持続効果は短く、
平均して6ヵ月ないし2年を経過した後には再発してい
る。従って、特に重度の痔核に対して肛門鏡観察下で注
射による治療が可能な薬物の開発が望まれている。ま
た、脳動脈瘤を根治する薬物治療には、未だ適切な薬物
がなく、開頭手術による外科的治療が行われているのが
現状である。また、近年、CT(コンピューター断層診
断装置)、MRI(磁気共鳴画像コンピューター断層診
断装置)などの画像診断の発達ならびに普及に伴い、脳
血管の異常が発見される症例が増えている。従って、脳
動脈瘤の破裂を予防する液状の薬物の開発が望まれてい
る。更に、肝腫瘍血管などの病変異常組織の治療には、
粒子状のゼラチンスポンジ、フィブリノーゲンなどを含
む流動物の血管塞栓剤などが用いられている。しかしな
がら、かかる血管塞栓剤による治療効果も十分ではなく
満足できるものではなく、一般には、開腹肝小葉切除術
によって治療がなされている。従って、従来の血管塞栓
剤に代わる肝腫瘍血管などの病変異常組織の治療に有効
な液状の薬物の開発が大いに望まれている。このよう
に、例えば、脳動脈瘤、重度の痔核、肝腫瘍血管などの
病変異常組織を従来の薬物療法により治療しても十分な
治療効果を上げることは出来ず、再発を免れることがで
きなかった。
ョウバンと、グリセリンとからなる痔核治療用組成物が
提案されている(Journal of Traditional Chinese Medi
cine, 1(2)87-92 (1981)) 。しかしながら、かかる痔核
治療用組成物を注射剤として使用する場合には、日本薬
局方にも、タンニンと硫酸アルミニウムカリウムとは配
合禁忌とされているように、両者を混合した場合には、
特に、長期間保存した場合に安定性に問題があって、着
色を生じたり、場合によっては沈殿が生じてしまい、か
かる痔核治療用組成物を保存するに際しては細心の配慮
を講じなければならず、保存上極めて不便であった。そ
のうえ、その組成物を注射剤として使用するには、投与
前には、着色とか、沈殿とかが生じていないかを十分に
検査をしなければならず、注射剤として投与するには、
極めて不便であり、また注射剤として不適格とされる場
合も生じ問題がある。
は、食道動脈瘤、痔核、直腸全層脱部位、直腸粘膜脱部
位および大腸もしくは直腸の隆起性病変組織などの消化
器病変異常組織を硬化させる薬剤として、タンニン酸と
硫酸アルミニウムカリウムとを配合した組成物に、フェ
ノール類、フラボンもしくはフラボノイド、カテキン類
またはポリカルボン酸などを含有する植物生薬の抽出物
を安定化剤として含有させた消化器病変組織の硬化剤が
開示されている。しかしながら、この組成物には、植物
生薬の抽出物を安定化剤として含有していることから、
一定の組成を有する安定化剤を得るのが極めて困難であ
り、面倒な抽出工程、精製工程を経てもなお微量の未確
認成分が混入している危惧があり、製剤上問題がある。
更に、タンニン酸と硫酸アルミニウムカリウムとを配合
した組成物に、植物生薬の抽出物が安定化剤として含有
されていても、水溶液の状態で長い期間保存している
と、着色が生じたり、場合によっては沈殿が生じる場合
があり、注射剤としての製剤上問題である。
に、上記のごとき病変異常組織の治療用組成物または消
化器病変組織の硬化剤が保存上不安定であるという問題
点を解決して、長期間保存しても製剤として安定である
と共に、有効性と安全性とを併せて確保することができ
る病変異常組織の治療用注射剤を提供することを課題と
する。
できなかった脳動脈瘤、痔核、肝腫瘍血管などの病変異
常組織にも適応することができる病変異常組織の治療用
注射剤を提供することを課題とする。
問題を生ずることがなく、また有効性と安全性とを併せ
て確保することができる病変異常組織の治療用注射剤の
製造方法を提供することを課題とする。
剤上問題を生ずることがなく、また有効性と安全性とを
併せて確保することができる注射剤を病変異常組織治療
のために使用する用途を提供することを課題とする。
療用注射剤は、少なくとも、水溶性アルミニウム化合物
と、タンニン酸と、酸化防止剤としての亜硫酸水素ナト
リウムとからなっている。
に使用される水溶性アルミニウム化合物としては、例え
ば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミ
ニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、乳酸ア
ルミニウム、酒石酸アルミニウム、サリチル酸アルミニ
ウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウム
カリウム、硫酸アルミニウムセシウム、硫酸アルミニウ
ムアンモニウムなどが挙げられる。この水溶性アルミニ
ウム化合物は単独でも、2種類以上を組み合わせても使
用することができる。この水溶性アルミニウム化合物の
含有割合は、通常0.01ないし0.5モル濃度、好ま
しくは0.03ないし0.3モル濃度である。この水溶
性アルミニウム化合物の含有割合が上記範囲を逸脱した
場合には、得られる注射剤に保存中に着色や沈殿が生じ
て注射用製剤として不適格となり、本発明において所望
する効果を達成することができない。
れるタンニン酸の含有割合は、通常0.05%ないし1
0.0%、好ましくは0.1%ないし5.0%である。
また、このタンニン酸の、上記水溶性アルミニウム化合
物に対する含有割合は、0.5%ないし25.0%、好
ましくは1.0%ないし20.0%である。このタンニ
ン酸の含有割合が上記範囲を逸脱した場合には、調製し
た組成物を長期間保存すると着色や、沈殿が生じて、病
変異常組織の治療用注射剤として使用することができな
くなり、本発明において所望する効果を達成することが
できない。
化防止剤として使用される亜硫酸水素ナトリウムの含有
割合は、通常0.05%ないし0.5%、好ましくは
0.1%ないし0.3%である。この亜硫酸水素ナトリ
ウムの含有割合が上記範囲を逸脱した場合には、本発明
において所望する効果を達成することができない。
注射剤に浸透圧上昇剤として使用される多価アルコール
または糖類としては、例えば、マンニトール、フラクト
ース、キシリトール、グルコース、ガラクトース、マン
ノース、ラクトース、グリセリンなどが挙げられる。こ
の多価アルコールおよび/ または糖類は、単独でも、2
種類以上を組み合わせても使用することができる。この
多価アルコールおよび/ または糖類の含有割合について
は、生理食塩水と比較して、約3倍ないし15倍の浸透
圧を有していれば、その割合は制限されることはない。
なお、多価アルコールおよび/ または糖類の含有割合
は、生理食塩水と比較して、その浸透圧が約4倍ないし
8倍になるのが好ましい。
されるキレート剤としては、クエン酸ナトリウムが使用
される。このキレート剤の含有割合は、通常0.1%な
いし5.0%、好ましくは1.0%ないし5.0%であ
る。
分からなる組成物を含む注射剤の液性をpH1.5ない
しpH3.5、好ましくはpH2ないし3の範囲に維持
することは、得られる製剤を保存する上から重要であ
る。上記成分を本発明に係る方法で調製した場合には、
得られた注射剤の液性は、通常上記範囲内にあるので、
殊更調合した後にその組成物の液性を調整する必要はな
い。しかしながら、必要に応じて、得られた組成物の液
性を上記の範囲に調整するには、製剤を調合する際に通
常使用されている当然薬理上無害な酸またはアルカリ、
例えば、塩酸、硫酸などの鉱酸、炭酸水素ナトリウム、
水酸化ナトリウムなどを使用することができる。得られ
た製剤の液性が上記範囲内になると、その製剤を長期間
保存しても着色したり、または沈殿が生じたりせず、製
剤が極めて安定して好ましい。
の注射用製剤に通常使用されているその他の成分、例え
ば、増粘剤、例えば、デキストランなど、防腐剤、例え
ば、フェノール、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコ
ニウム、パラアミノ安息香酸エステルなどが含有されて
いてもよい。これらの成分は、本発明に係る注射用製剤
の効果に本質的な影響を及ぼさない範囲で、適宜使用す
ることができる。
係る注射用製剤に調製するには、注射用製剤を調製する
通常の方法に従って行うことができる。つまり、例え
ば、全ての成分を1つづつ順番に蒸留水に添加して溶解
したり、いくつかの成分をそれぞれ蒸留水に溶解または
懸濁し、その溶液または懸濁液に別の成分を溶解したり
して、目的とする注射用製剤を調製することができる。
このようにして得られた注射用製剤は、通常、濾過殺菌
をした上で無色硬質ガラスアンプルまたはガラス瓶に分
注され、その後必要に応じて高圧蒸気滅菌し冷所に保存
される。また、本発明に係る注射用製剤は、その組成に
よっては、用時溶解して使用することもできる。なお、
得られる注射用製剤の液性は、得られた注射用製剤を分
注する前の適当な時点で上記のとおりpH1.5ないし
pH3.5の範囲内に調整するのが一般的である。な
お、通常、注射用製剤中の溶存酸素は常法に従って脱気
され、また注射用製剤に窒素ガスを注入して空気置換を
行う。
り説明する。 製剤処方例(1) 硫酸アルミニウムカリウム 400mg タンニン酸 15mg クエン酸ナトリウム 150mg デキストラン40 70mg 亜硫酸水素ナトリウム 15mg グリセリン 1000mg 注射用水 合計10mlにする。 硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸、クエン酸ナト
リウム、デキストラン、亜硫酸水素ナトリウムおよびグ
リセリンを試験管に入れて、これに注射用水を全量が1
0mlになるまで攪拌しながら注入して溶解した。この
溶液のpHは2. 7であった。この水溶液をガラス瓶に
分注した後、水溶液中の溶存酸素を脱気して、窒素ガス
を注入して空気置換をして、高圧蒸気滅菌した。その
後、冷所で保存した。
デキストラン、亜硫酸水素ナトリウムおよびマンニトー
ルを試験管に入れて、これに注射用水を全量が10ml
になるまで攪拌しながら注入して溶解した。この溶液に
塩酸を添加してpHを3に調整した。この水溶液をガラ
ス瓶に分注した後、水溶液中の溶存酸素を脱気して、窒
素ガスを注入して空気置換をして、高圧蒸気滅菌した。
その後、冷所で保存した。
デキストラン、亜硫酸水素ナトリウムおよびフラクトー
スを試験管に入れて、これに注射用水を全量が10ml
になるまで攪拌しながら注入して溶解した。この溶液に
硫酸を添加してpHを2. 5に調整した。この水溶液を
ガラス瓶に分注した後、水溶液中の溶存酸素を脱気し
て、窒素ガスを注入して空気置換をして、高圧蒸気滅菌
した。その後、冷所で保存した。
を添加し製剤処方例(4)を得た。この処方例(4)の
pHは2. 5であった。
を添加し製剤処方例(5)を得た。この処方例(5)の
pHは2. 7であった。
リウム、デキストラン、亜硫酸水素ナトリウムおよびグ
リセリンをそれぞれ少量の注射用水に溶解して、これら
をすべて加えて全量が10mlになるように調製した。
この溶液に硫酸を添加してpHを2. 7に調整した。こ
の水溶液をガラス瓶に分注した後、水溶液中の溶存酸素
を脱気して、窒素ガスを注入して空気置換をして、高圧
蒸気滅菌した。その後、冷所で保存した。
に調製した。
硫酸水素ナトリウムを除外した組成の注射用製剤に上記
製剤処方例(1)と同様に調製して、得られた注射用製
剤を硫酸でpH2.7に調整した。
ムでpH4. 7に調整した。
硫酸水素ナトリウムを除外した組成の注射用製剤に上記
製剤処方例(3)と同様に調製して、得られた注射用製
剤を硫酸でpH2. 5に調整した。
て記載された硬化剤を、同公報に記載の方法にしたがっ
て作製した。つまり、同公報に記載の成分からなる組成
物を常法に従って作製した後、水酸化ナトリウムでpH
4−5に調整した。得られた水溶液10mlを無色硬質
ガラスアンプルに分注した後、アンプル中の気体を窒素
ガスで置換した。常法に従って高圧蒸気滅菌をした。
て記載された硬化剤を、同公報に記載の方法にしたがっ
て作製した。つまり、同公報に記載の成分からなる組成
物を常法に従って作製した後、水酸化ナトリウムでpH
4−5に調整した。得られた水溶液10mlを無色硬質
ガラスアンプルに分注した後、アンプル中の気体を窒素
ガスで置換した。常法に従って高圧蒸気滅菌をした。
て記載された硬化剤を、同公報に記載の方法にしたがっ
て作製した。つまり、同公報に記載の成分からなる組成
物を常法に従って作製した後、硫酸でpH2. 7に調整
した。得られた水溶液50mlを無色硬質ガラスバイア
ルに分注した後、バイアル中の気体を窒素ガスで置換し
た。常法に従って高圧蒸気滅菌をした。
いて、製剤安定性試験、急性毒性試験、カニクイザルの
脳動脈瘤修復試験、カニクイザルの痔核治療試験、イヌ
肝腫瘍治療試験を行った。
後、その注射剤をそれぞれ10mlを常法に従ってそれ
ぞれ無色硬質ガラスバイアル5本に無菌充填し、真空条
件下で窒素置換した。このようにして得られた注射剤
を、40℃で1000ルックスの白色光の照射下にそれ
ぞれ1、2、3、6、12ヵ月保存して着色、沈殿生成
の程度を肉眼で観察した。なお、製剤安定性試験のため
に保存する前の色調は、いずれも無色または微黄色透明
で僅かに粘性があった。結果を表1および表2に示す。
載の上記比較製剤処方例(5)および(7)には、植物
生薬の抽出物が含有されているので、成分の一定した注
射用製剤が得ることができず、臨床において投与するに
は不適格であった。その上、同公報に記載の上記比較製
剤処方例(5)ないし(7)には、エデト酸塩が含有さ
れているので、これらの注射用製剤を臨床において投与
するには不適格である。
群に分け、1群10匹を用い、本発明の注射剤である製
剤処方例(1)を静脈内(iv)及び腹腔内(ip)に
投与した。投与後14日間の死亡状況を観察し、リッチ
フィ−ルドウイルコクソン法にて半数動物致死率(LD
50ml/kg)を求めた。その結果、本発明の注射剤で
ある製剤処方例(1)を静脈内に投与した場合の半数動
物致死率(LD50ml/kg)は、8.3±0.5であ
り、また腹腔内に投与した場合の、半数動物致死率(L
D50ml/kg)は、30以上であった。
あることを確認するためにカニクイザルの脳動脈瘤修復
試験を行った。このカニクイザルの脳動脈瘤修復試験に
は、年令10年以上の健康な老齢カニクイザルを選び、
脳血管撮影を行い、小指大の動脈瘤の存在を確認した9
匹を3群に分け、1群3匹で試験を行った。第1群に
は、コントロ−ルとして、内頚動脈経由でカテ−テルを
患部まで挿入して生理食塩水とヨ−ド造影剤の同量を混
ぜた溶液を0.1ml/kgの割合で10分間緩徐に注
入した。第2群には、本発明に係る製剤処方例(1)に
同量の造影剤を混ぜて2倍量とした溶液の0.1ml/
kgをカテ−テルを用いて同様に緩徐に注入した。第3
群には、本発明に係る製剤処方例(1)に2倍量の造影
剤を混ぜて3倍量とた溶液の0.1ml/kgをカテ−
テルを用いて同様に緩徐に注入した。
の造影能はやや低下するものの、デジタル・サブストラ
クション・アンジオグラフィ−装置(DSA)を用いて
血管撮影を行ったところ、医療上は全く差し支えがなか
った。脳動脈瘤の修復には、血管膨大部の血管正常化と
共に、神経脱落症状が発症しないことが大切であるが、
この目的を達成するためには注射剤の濃度が特に重要な
因子となっていることが判明した。結果を表3に示す。
有効であることを確認するためにカニクイザルの痔核治
療試験を行った。 カニクイザルの痔核治療試験 カニクイザル痔核モデルを次のようにして作製した。つ
まり、市販の乾燥蛇毒0.1mgを注射用水10mlに
溶解し、これにヒアルロニダ−ゼ10mg、コンドロイ
チン硫酸100mg及び微量のエピネフィリンを加えて
組織融解剤を作製した。この組織融解剤3mlを3群に
分けた生後1年のカニクイザル6匹の直腸・肛門管の粘
膜下組織及び粘膜固有層に、1週間に1回の割合で注入
した。カニクイザルには繊維質の少ない高蛋白の飼料を
与え、腸管蠕動運動を少なくした。カニクイザルには首
架をつけ後肢による2本直立の状態でケ−ジ飼育した。
この状態で飼育すると、カニクイザルは成長すると共に
常時便秘の状態となり、カニクイザルは怒責して排便す
る習慣がついた。便は少量で堅くなり、怒責を繰返すこ
とにより肛門部は鬱血の状態となり、排便時脱肛して、
カニクイザル痔疾モデルが完成した。
塩水10mlを痔核血管瘤に注射した。第2群には、製
剤処方例(1)を生理食塩水で2倍量に希釈した10m
lを痔核血管瘤に注射した。また、第3群には、製剤処
方例(6)を生理食塩水で2倍量に希釈した10mlを
痔核血管瘤に注射した。結果を表4に示す。
の治療に有効であることを確認するためにイヌ肝腫瘍治
療試験を行った。 イヌ肝腫瘍治療試験 生後4カ月のビ−グル犬12匹を4群に分け、発癌物質
投与群(3匹×3群)及び生理食塩水投与対照群(3匹
×1群)とした。化学発癌物質であるアフラトキシンの
0.5mg/kgを単回、経口投与して腫瘍を発生させ
た。飼料は高脂肪飼料(脂肪含有量40%)を用いた。
腫瘍は超音波診断装置を用いて異常高信号画像(高エコ
−画像)の出現で診断した。治療にはビ−グル犬の大腿
動脈からカテ−テルを挿入して肝固有動脈から腫瘍発生
部位の高次分枝動脈へカテ−テルの先端を導き薬液を注
入した。薬液投与前に予め造影剤を注入して腫瘍血管像
を撮影した。
して、生理食塩水の1mlに同量の造影剤を混ぜ、その
1mlをカテ−テルを通じて肝固有動脈から腫瘍発生部
位の高次分枝動脈へ注入した。第2群のビ−グル犬に
は、製剤処方例(1)の1mlに同量の造影剤を混ぜ、
その1mlをカテ−テルを通じて肝固有動脈から腫瘍発
生部位の高次分枝動脈へ注入した。第3群のビ−グル犬
には、製剤処方例(2)の1mlに同量の造影剤を混
ぜ、その1mlをカテ−テルを通じて肝固有動脈から腫
瘍発生部位の高次分枝動脈へ注入した。第4群のビ−グ
ル犬には、製剤処方例(6)の1mlに同量の造影剤を
混ぜ、その1mlをカテ−テルを通じて肝固有動脈から
腫瘍発生部位の高次分枝動脈へ注入した。第1群から第
4群までの腫瘍検査は、毎週1回、4週間(4回)超音
波診断装置を用いて異常高信号画像(高エコ−画像)の
縮小若しくは増大の有無を観察した。4週間目の最終観
察日にはカテ−テルを肝固有動脈から腫瘍発生部位の高
次分枝動脈へ導き、造影検査を行って腫瘍血管像の消失
の有無を観察した。結果を表5に示す。
細胞に働いて血小板凝集をおこし、瘤状血管、異常新生
血管を選択的に修復することにより局所効果を現すこと
ができる。本発明の注射剤は、その濃度を変えることに
より、その局所効果を可逆的にすることが出来る。つま
り、注射剤が高濃度にあれば、永続的な血管閉塞による
直接効果が生じ、またその濃度を低くすれば、血管閉塞
は可逆的で血管の再建が可能であり、血流が再び開通す
ることになる。このように、本発明の注射剤は濃度を変
更することにより、症状や、病変血管の部位に応じて、
その作用を強固にすることができる。また、その濃度を
低くして、所望により作用を緩和にすることもできる。
更に、本発明に係る注射剤を、脳血管に生じた動脈瘤に
カテ−テルを通じて、少量持続的に注入することによ
り、膨らんだ瘤内でその注射剤の組成物が血液と混じり
渦流滞留を生じ、局所的な作用を現し、動脈瘤膨大部は
基質化し、血管膨大部は修復して、正常な血管が形成さ
れる。このように、本発明に係る治療用注射剤を病変異
常組織に注入することにより、手術によらず非観血的
に、病変異常組織を治療することができ極めて有用であ
る。
異常拡張によるもので、肛門の歯状線を境として上部の
口側には内痔核、下部の肛門側には外痔核が発生する。
本発明に係る治療用注射剤を、痔核を支配している上直
腸動脈の分岐末梢部に、直接注入することにより、痔核
の硬化・繊維化及び血管閉塞が生じ、痔核を消失させ
て、患部を回復することができる。
に富み、動脈血流が盛んであるので、本発明に係る注射
剤を、カテ−テルの先端を肝固有動脈から腫瘍発生部位
の高次分枝動脈へ導いて、直接注入すれば、腫瘍血管を
閉塞し、腫瘍の発育を停止させ、腫瘍細胞のアポト−シ
スを経て腫瘍を消失させることができ、極めて高い治療
効果が得られる。
療用注射剤は、特に脳動脈瘤、痔核、肝腫瘍血管などの
病変異常組織を修復し、新生異常血管を消失させて、そ
の病変異常組織に対して優れた治療効果を発揮すること
ができる。
Claims (17)
- 【請求項1】0.01モルないし0.5モル濃度の水溶
性アルミニウム化合物と、前記水溶性アルミニウム化合
物に対して0.5%ないし25.0%の割合のタンニン
酸と、亜硫酸水素ナトリウムとからなる組成物であっ
て、前記組成物のpHが1.5ないし3.5であること
を特徴とする病変異常組織の治療用注射剤。 - 【請求項2】請求項1に記載の病変異常組織の治療用注
射剤において、更に多価アルコールまたは糖類が含有さ
れていること。 - 【請求項3】請求項1に記載の病変異常組織の治療用注
射剤において、更にキレ−ト剤が含有されていること。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
病変異常組織の治療用注射剤において、前記水溶性アル
ミニウム化合物が、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、炭酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミ
ニウム、乳酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、サリ
チル酸アルミニウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫
酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムセシウムま
たは硫酸アルミニウムアンモニウムであること。 - 【請求項5】請求項2に記載の病変異常組織の治療用注
射剤において、前記多価アルコールまたは糖類がマンニ
トール、フラクトース、キシリトール、グルコース、ガ
ラクトース、マンノース、ラクトースまたはグリセリン
であること。 - 【請求項6】請求項3に記載の病変異常組織の治療用注
射剤において、前記キレート剤がクエン酸ナトリウムで
あること。 - 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
病変異常組織の治療用注剤剤において、前記水溶性アル
ミニウム化合物が0.03ないし0.3モルの割合で含
有されていること。 - 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
病変異常組織の治療用注射剤において、前記タンニン酸
が前記水溶性アルミニウム化合物に対して1%ないし2
0%の割合で含有されていること。 - 【請求項9】請求項1ないし8のいずれか1項に記載の
病変異常組織の治療用注射剤において、前記タンニン酸
が0.05%ないし10.0%の割合で含有されている
こと。 - 【請求項10】請求項9に記載の病変異常組織の治療用
注射剤において、前記タンニン酸が0.1%ないし5.
0%の割合で含有されていること。 - 【請求項11】請求項1ないし10のいずれか1項に記
載の病変異常組織の治療用注射剤において、前記亜硫酸
水素ナトリウムが0.05%ないし0.5%の割合で含
有されていること。 - 【請求項12】請求項11に記載の病変異常組織の治療
用注射剤において、前記亜硫酸水素ナトリウムが0.1
%ないし0.3%の割合で含有されていること。 - 【請求項13】請求項2または5に記載の病変異常組織
の治療用注射剤において、前記多価アルコールまたは糖
類が、生理食塩水に比べて、浸透圧が約3倍ないし15
倍になるように含有されていること。 - 【請求項14】請求項13に記載の病変異常組織の治療
用注射剤において、前記多価アルコールまたは糖類が、
生理食塩水に比べて、浸透圧が約4倍ないし8倍になる
ように含有されていること。 - 【請求項15】請求項1ないし15のいずれか1項に記
載の病変異常組織の治療用注射剤において、前記組成物
のpHが2ないし3であること。 - 【請求項16】水溶性アルミニウム化合物と、タンニン
酸と、酸化防止剤としての亜硫酸水素ナトリウムとから
なる組成物を、必要に応じてのpHが1.5ないし3.
5になるように調製した後、真空条件下でおよび/また
は不活性ガスの存在下で更に調製することを特徴とする
病変異常組織の治療用注射剤の製造方法。 - 【請求項17】水溶性アルミニウム化合物と、タンニン
酸と、酸化防止剤としての亜硫酸水素ナトリウムとから
なる組成物を、必要に応じてpHが1.5ないし3.5
になるように調製することによって得た病変異常組織の
治療用注射剤を、カテ−テルまたは注射針を用いて病変
異常組織に直接投与することを特徴とする病変異常組織
の治療用注射剤としての用途。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25640993A JP3714972B2 (ja) | 1992-09-18 | 1993-09-20 | 病変組織異常血管の注射用止血剤 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP4-275132 | 1992-09-18 | ||
JP25640993A JP3714972B2 (ja) | 1992-09-18 | 1993-09-20 | 病変組織異常血管の注射用止血剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH072680A true JPH072680A (ja) | 1995-01-06 |
JP3714972B2 JP3714972B2 (ja) | 2005-11-09 |
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ID=26542715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25640993A Expired - Lifetime JP3714972B2 (ja) | 1992-09-18 | 1993-09-20 | 病変組織異常血管の注射用止血剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3714972B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997018820A1 (fr) * | 1995-11-21 | 1997-05-29 | Chuyakuken, Ltd. | Preparation a usage externe pour guerir des lesions tissulaires |
WO1997030711A1 (fr) * | 1996-02-23 | 1997-08-28 | Chuyakuken, Ltd. | Preparation a usage externe permettant de traiter des tissus leses |
US6063770A (en) * | 1995-03-03 | 2000-05-16 | Atajje, Inc. | Tannic acid compositions for treating cancer |
US7381419B2 (en) | 2000-06-06 | 2008-06-03 | Lequio Pharma Co., Ltd. | Medical composition kit for treating lesioned abnormal tissue |
KR20190074515A (ko) * | 2017-12-20 | 2019-06-28 | 김은진 | 겔 타입 동물용 지혈제 조성물 |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP25640993A patent/JP3714972B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
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---|---|---|---|---|
US6063770A (en) * | 1995-03-03 | 2000-05-16 | Atajje, Inc. | Tannic acid compositions for treating cancer |
WO1997018820A1 (fr) * | 1995-11-21 | 1997-05-29 | Chuyakuken, Ltd. | Preparation a usage externe pour guerir des lesions tissulaires |
WO1997030711A1 (fr) * | 1996-02-23 | 1997-08-28 | Chuyakuken, Ltd. | Preparation a usage externe permettant de traiter des tissus leses |
US7381419B2 (en) | 2000-06-06 | 2008-06-03 | Lequio Pharma Co., Ltd. | Medical composition kit for treating lesioned abnormal tissue |
KR20190074515A (ko) * | 2017-12-20 | 2019-06-28 | 김은진 | 겔 타입 동물용 지혈제 조성물 |
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JP3714972B2 (ja) | 2005-11-09 |
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