JPH07261203A - 光偏向器と光走査装置と情報読み取り装置 - Google Patents

光偏向器と光走査装置と情報読み取り装置

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JPH07261203A
JPH07261203A JP6049566A JP4956694A JPH07261203A JP H07261203 A JPH07261203 A JP H07261203A JP 6049566 A JP6049566 A JP 6049566A JP 4956694 A JP4956694 A JP 4956694A JP H07261203 A JPH07261203 A JP H07261203A
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JP
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light
optical
scanning device
deflector
voltage
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JP6049566A
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Shin Eguchi
伸 江口
Masahito Nakajima
雅人 中島
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Priority to EP02009671A priority patent/EP1233296A3/en
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Priority to US09/098,713 priority patent/US6154260A/en
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏向角を電気的に制御可能な新規な光偏向器
をを得る。 【構成】 光偏向器1は、一方の面に透明電極2及び配
向膜3を設けた一対の透明ガラス板4,4を対向配置
し、このガラス板4,4間に液晶5を挿入して構成され
ている。透明電極2,2には交流電圧あるいは直流電圧
を印加できるように駆動回路6が接続されている。前記
液晶は透明電極2,2間に電圧を印加すると平行縞が表
れ、この平行縞は回折格子として機能する。したがっ
て、前記光偏向器1に光を入射すると、出射側に回折光
が現れる。この回折光を出射光として利用すれば、光は
偏向されたことになる。印加電圧の大きさを変えると平
行縞のピッチが変わり、回折角を変えることができるの
で、偏向角を電気的に制御することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光偏向器と、この光偏
向器を利用した光走査装置と、この光走査装置を利用し
た情報読み取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、POSシステムによる商品管理が
非常に盛んに行われている。このPOSシステムには、
バーコードリーダ等の光学式の情報読み取り装置が多用
されている。
【0003】即ち、商品に関する情報(商品の種類や価
格等)を情報媒体としてのバーコードで表示し、このバ
ーコードをバーコードリーダで読み取り、この情報をホ
ストコンピュータで処理することにより、在庫管理等の
データ処理を行っている。
【0004】又、最近では、物流分野においても、商品
や箱に情報媒体としてのバーコードを表示しておき、こ
れをバーコードリーダで読み取って、仕分け等を行うこ
とも多い。
【0005】バーコードリーダ等の情報読み取り装置に
は光走査装置を備えたものがある。従来の光走査装置
は、ポリゴンミラーやガルバノミラーを機械的に回転さ
せて光走査を行う方式のものが一般的であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように機械的可動
部分を備えた光走査装置は、制御性が悪く、応答遅れが
生じる等の問題や、機械的な振動により光軸がずれる等
の不具合があった。
【0007】もし、電気的な制御により偏向角を変えら
れる光偏向器があれば、機械的可動部を有さない光走査
装置の開発も可能であり、情報読み取り装置の信頼性を
向上することもできる。
【0008】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、電気的な制御で偏向角が可
変な光偏向器と、機械的可動部がなく、電気的に制御が
可能な光走査装置と、この光走査装置を利用した制御性
がよく信頼性の高い情報読み取り装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。 《本発明の要旨》 〔1.光偏向器〕本発明の光偏向器(1)は、対向配置さ
れた透明電極(2,2)間に液晶(5)が挿入され、駆動回路
(6)によって透明電極(2,2)間に電圧を印加できるように
なっている。前記液晶(5)は、前記透明電極(2,2)間に電
圧を印加すると回折格子として機能する平行縞が生じ、
印加する電圧の大きさに応じて前記平行縞のピッチが変
化し、回折角が変化するものである。この回折光を出射
光として利用して光偏向器(1)としたものである。
【0010】〔2.光走査装置〕本発明の光走査装置(1
0)は、(イ)光偏向器(1)と、(ロ)光源(11)とを具備
する。以下に、各構成要素の概要と、そのポイントを簡
単にまとめる。
【0011】〈光偏向器〉光偏向器(1)の構成について
は前述の通りである。ただし、駆動回路(13)について
は、大きさが時間的に変化する電圧を、前記光偏向器
(1)の透明電極(2,2)間に印加できるようにする。印加電
圧は直流電圧でも交流電圧でも可能である。時間に対す
る電圧の変化率が走査光の走査速度を決定する。
【0012】光偏向器(1)の入射光の入射角を、走査光
として用いる回折光のブラッグ角にすると、回折効率が
最大になり、走査光として用いる回折光の強度が他の回
折光の強度よりも大きくできる。
【0013】光偏向器(1)は少なくとも1つあれば足り
るが、光偏向器を複数有し、各光偏向器(1A,1B,1C)に生
じる平行縞が互いに交差するように光偏向器(1A,1B,1C)
を重ねて配置し、各光偏向器(1A,1B,1C)に交互に電圧を
印加するようにすると、走査方向を順次変えながら複数
方向に走査光を走査することも可能である。ここで光偏
向器(1A,1B,1C)を重ねるとは、必ずしも光偏向器(1A,1
B,1C)同士が接する必要はなく、光偏向器(1A,1B,1C)間
に隙間を有していてもよい。交差角に特に限定はない。
【0014】〈光源〉光源(11)は、前記光偏向器(1)に
入射する光を出射するものである。出射される光は、S
偏光あるいはP偏光の直線偏光のレーザ光が好ましい。
光源(11)から出射される光が非直線偏光の場合には、光
源(11)と光偏向器(1)との間に偏光子を配置して、直線
偏光成分だけを光偏向器(1)に入射させるようにすれば
よい。
【0015】〈第1の付加的構成要素〉本発明に係る光
走査装置(10)は前記基本構成要素からなるが、光偏向器
(1)の入射側または出射側に、光を集光する集光用光学
素子(12)を付加した上でも成立する。集光用光学素子(1
2)としては凸レンズを例示することができる。
【0016】〈第2の付加的構成要素〉本発明の前記第
1の付加的構成要素を備えた光走査装置(10)において
は、光源(11)から集光用光学素子(12)までの光軸方向に
沿う離間距離を可変にする可変機構(27)を付加した上で
も成立する。この場合、光源(11)と集光用光学素子(12)
のいずれか一方を固定し、他方を可変機構(27)によって
光軸方向に沿って移動する。移動させるのは光源(11)で
も集光用光学素子(12)でも構わない。
【0017】〈第3の付加的構成要素〉本発明の前記第
1の付加的構成要素を備えた光走査装置(10)において
は、前記集光用光学素子(12)の出射光を光偏向器(1)か
ら離間する方向に反射するハーフミラー(17)と、このハ
ーフミラー(17)からの反射光を集光する第2集光用光学
素子(18)と、この第2集光用光学素子(18)の出射光を反
射し反射光を第2集光用光学素子(18)及び前記ハーフミ
ラー(17)に透過して光偏向器(1)に入射させる反射部材
(19)と、第2集光用光学素子(18)から反射部材(19)まで
の光軸方向に沿う離間距離を可変にする可変機構(28)、
とを付加した上でも成立する。
【0018】この場合、第2集光用光学素子(18)と反射
部材(19)のいずれか一方を固定し、他方を可変機構によ
って光軸方向に沿って移動する。移動させるのは第2集
光用光学素子(18)でも反射部材(19)でも構わない。
【0019】〈第4の付加的構成要素〉本発明の前記第
1から第3の付加的構成要素を備えた光走査装置(10)に
おいては、光源(11)と光偏向器(1)との間にアパーチャ
(16)を付加した上でも成立する。
【0020】〈第5の付加的構成要素〉本発明に係る光
走査装置(10)は、光偏向器(1)の出射側に、走査光の偏
向角を実質的に増大せしめる光学素子(14,15)を付加し
た上でも成立する。この光学素子(14,15)としては、凸
レンズ、凹レンズ、凸面鏡、ホログラム等を例示するこ
とができる。
【0021】〔3.情報読み取り装置〕本発明に係る情
報読み取り装置(40)は、(イ)光走査装置(10)と、
(ロ)光検知器(22)とを備える。以下に、各構成要素の
概要と、そのポイントを簡単にまとめる。
【0022】〈光走査装置〉光走査装置(10)は情報媒体
(100)に走査光を走査するものであり、その構成につい
ては前述の通りである。光走査装置(10)は、前記3つの
基本構成要素(光源、偏向器、駆動回路)で構成しても
よいし、前記第1から第5の付加的構成要素を付加して
構成してもよい。前記情報媒体(100)としては、バーコ
ードを例示することができる。
【0023】〈光検知器〉光検知器(22)は、情報媒体(1
00)で反射した走査光の反射光を検知するものである。
光源(11)と集光用光学素子(12)との間にハーフミラー(2
1)を設け、情報媒体(100)からの反射光を光偏向器(1)及
び集光用光学素子(12)に透過して、その透過光を前記ハ
ーフミラー(21)で反射させて光検知器(22)に入射させる
ようにしてもよい。
【0024】〈付加的構成要素〉本発明に係る情報読み
取り装置(40)は、前記基本構成要素からなるが、光偏向
器(1)の出射側に光偏向器(1)の透過光を遮断する遮光手
段(26)を備えた上でも成立する。
【0025】《本発明の原材料》光偏向器(1)に使用さ
れる液晶(5)の代表例としては、化1を挙げることがで
きるが、これに限るものではない。
【0026】
【化1】 《本発明の利用可能性》本発明の光走査装置(10)は、バ
ーコードリーダやレーザプリンタ等に組み込まれる光走
査装置に利用可能である。
【0027】
【作用】
《本発明の作用〉 〔1.光偏向器〕透明電極(2,2)間に電圧を印加すると
平行縞が生じ、この平行縞が回折格子として機能する。
平行縞のピッチは印加する電圧の大きさに応じて変化す
る。したがって、印加する電圧の大きさを変えて回折角
を変えることができる。この回折光を出射光として利用
する。
【0028】〔2.光走査装置〕 (1)基本構成要素による作用 光偏向器(1)の出射光である回折光を走査光として用い
る。光偏向器(1)の印加電圧の大きさを時間的に変化さ
せると、回折角が時間的に変化するので、光を走査する
ことができる。
【0029】(2)第1の付加的構成要素を付加した場
合の作用 集光用光学素子(12)を付加すると、光源(11)からの光が
集束光線の場合には、集光用光学素子(12)を有さないと
きに比べて光の結像点を光偏向器(1)に近づける作用が
ある。光源(11)からの光が発散光線あるいは平行光線で
ある場合には、集光用光学素子(12)は光源(11)からの光
を集光して結像させる作用がある。
【0030】(3)第2の付加的構成要素あるいは第3
の付加的構成要素を付加した場合の作用 この場合には、結像点の位置を可変にすることができ
る。
【0031】(4)第4の付加的構成要素を付加した場
合の作用 アパーチャ(16)によってビーム径を絞ったり、ビーム形
状を所望に設定することができる。又、情報読み取り装
置(40)に採用した場合には、情報媒体(100)で反射する
反射光の反射光強度比(コントラスト)を高めることが
できる。
【0032】(5)第5の付加的構成要素を付加した場
合の作用 走査光の偏向角の増大により、走査光の走査幅を増大さ
せることができ、光走査装置(10)を小型化することがで
きる。
【0033】〔3.情報読み取り装置〕 (1)基本構成要素による作用 光走査装置(10)から出射された走査光は情報媒体(100)
に照射され、情報媒体(100)で反射し、その反射光が光
検知器(22)に入射する。光検知器(22)に入力された光信
号は適宜の手段により電気信号に変換されて読み取られ
る。
【0034】(2)付加的構成要素を付加した場合の作
用 この場合には、遮光手段(26)によって光偏向器(1)の透
過光が遮断されるので、透過光の反射光が光検知器(22)
に入射しなくなる。したがって、読み取り精度が向上す
る。
【0035】
【実施例】
〔V.G.M現象〕本発明の光偏向器、光走査装置、情
報読み取り装置を説明する前に、V.G.M現象につい
て説明する。
【0036】ある種のネマティック液晶分子を透明電極
間に挟み、直流あるいは交流電圧を印加すると、電圧が
ある一定のしきい値を越えたところで数μmピッチの平
行縞が現れることが報告されている(B.H.Soffer et,a
l.Opt.Eng.22,6,1983)。この現象がV.G.M(Varia
ble Grating Mode)と呼ばれるものである。この平行縞
は液晶内の二次配向の分布に起因するものであり、印加
電圧の大きさによって平行縞のピッチ(即ち、空間周波
数)が変わる。
【0037】尚、VGM現象が生じる液晶は、誘電率差
△ε<0のものが多い。V.G.M現象が生じる液晶の
代表例を化2に示す。これは、Merck社のN−4として
市販されており、入手可能である。
【0038】
【化2】 この平行縞は回折格子の働きをするので、印加電圧を変
えることにより回折角を変えることができる。尚、平行
縞のピッチは印加電圧の増大に比例して狭くなり、回折
角が大きくなることがわかっている。
【0039】本発明の光偏向器、光走査装置、情報読み
取り装置はこのV.G.M現象を利用したものである。
以下、本発明の実施例を図1から図21の図面に基いて
説明する。
【0040】〔光偏向器〕図1は本発明の光偏向器の基
本構成図である。光偏向器1は、一方の面に透明電極2
及び配向膜3を設けた一対の透明ガラス板4,4を対向
配置し、このガラス板4,4間にV.G.M現象が生じ
る液晶(例えば、Merck社製のN−4)5を挿入して構
成されており、透明電極2,2には交流電圧あるいは直
流電圧を印加できるように駆動回路6が接続されてい
る。
【0041】光偏向器1は透明電極2,2間に電圧を印
加すると平行縞が表れ、この平行縞は回折格子として機
能する。したがって、前記光偏向器1に光を入射する
と、出射側には透過光(0次光)及び±1次、±2次、
…の回折光が現れる。この回折光のうちのいずれかを出
射光として利用すれば、光は偏向されたこととなる。通
常、回折光のうち一番強度の強い回折光が出射光として
利用され、それは+1次回折光の場合が多い。
【0042】前記透明電極2,2間に印加する電圧の大
きさを変えると前記平行縞のピッチが変わり、回折角が
変化する。したがって、透明電極2,2間に印加する電
圧の大きさを一定にすると偏向角を一定にすることがで
き、透明電極2,2間に印加する電圧の大きさを変える
ことができるようにしておくと、偏向角は可変になる。
【0043】尚、光偏向器1は通常の液晶ディスプレイ
と同じ方法で製造することが可能である。例えば、初め
に、一対の透明ガラス板4の各裏面に透明電極パターン
2を形成し、更に各透明ガラス板4の裏面に配向膜3を
塗布しラビングを行う。次いで、透明電極2を内側にし
て透明ガラス板4,4を対向配置し、その間に図示しな
い球状のスペーサを散布して挟み真空封止する。次に、
真空を破り透明ガラス板4,4間に液晶を充填して完成
する。透明電極パターン2,2については液晶ディスプ
レイと同等のものにする必要はなく、透明ガラス板4の
内面側の面一面に透明電極2,2を接合しさえすれば十
分である。
【0044】〔光走査装置〕本発明の光走査装置は前記
光偏向器1を利用したものである。以下、光走査装置の
実施例を図2から図5の図面に基いて説明する。
【0045】〈光走査装置−第1実施例〉図2は光走査
装置10の第1実施例を示す構成図である。光走査装置
10は、光偏向器1と、光偏向器1の入射側に配置され
た光源11と、光偏向器1と光源11との間に配された
凸レンズからなる集光レンズ(集光用光学素子)12
と、光偏向器1に電圧を印加する駆動回路13とから構
成されており、この駆動回路13は、大きさが周期的に
変化する電圧を光偏向器1に印加できるようになってい
る。
【0046】光源11と光偏向器1は集光レンズ12の
光軸上に配置されている。光源11からはS偏光のレー
ザ光が出射され、集光レンズ12によって集束光線とな
る。光偏向器1は、集光レンズ12による結像点よりも
集光レンズ12寄りに配置されている。したがって、集
光レンズ12を透過した光は、結像点に集光する前に、
光偏向器1によって偏向される。
【0047】図3は、透明電極間2,2に印加する電圧
波形の一例を示すものであり、図3(A)、(C)は交
流電圧の場合、図3(B)は直流電圧の場合を示してい
る。図3(A)、(C)では交流信号をパルスで与えて
いるが、これに限るものではなく、例えば連続的に電圧
値が増減するような交流信号であっても構わない。
【0048】このように透明電極2,2間に印加される
電圧の大きさを時間的に変化させると、光偏向器1の偏
向角が時間的に変化することとなる。したがって、この
光偏向器1に光を入射すると、回折光である走査光は直
線的に走査されることとなる。そして、走査光の走査周
期は電圧の周期に同期することとなる。
【0049】ここで、電圧が図3(A)、(B)のよう
に正又は負のいずれか一方の領域で変化する場合には、
走査光は図2(A)に示すように集光レンズ12の光軸
を境に一方の側で走査し、電圧が図3(C)のように正
負領域で変化する場合には、走査光は図2(B)に示す
ように光軸を挟んで両側に亙って走査する。尚、走査光
の走査速度は、光偏向器1に印加される電圧の周波数に
よって決定される。
【0050】今、例えば光源11から出射される光を波
長670nmの半導体レーザ光とし、透明電極2,2間
に印加される電圧の波形が図3(C)のようになってい
て、光偏向器1に生じる平行縞の空間周波数が0から1
000本/mmの範囲で変化したとすると、偏向角の最
大値は±21度になり、図2(B)に示す走査角度θと
しては42度になる。
【0051】又、図2(B)において、光源11から集
光レンズ12までの距離aを11.1mmとし、集光レ
ンズ12の焦点距離fを10mmとすると、集光レンズ
12を透過した光は集光レンズ12からの距離bが10
0mmのところに集光し、結像する。そして、集光レン
ズ11と光偏向器1までの距離cを9mmとすると、走
査光の走査幅Lは70mmになる。
【0052】〈光走査装置−第2実施例〉図4は光走査
装置10の第2実施例を示す構成図である。光走査装置
10が、光偏向器1と、光源11と、集光レンズ12
と、駆動回路13、とから構成されている点については
第1実施例のものと同じである。
【0053】第2実施例の光走査装置10が第1実施例
のものと相違する点は、光偏向器1の平行縞が所定の空
間周波数になった時にブラッグ条件を満たすように、即
ち、光偏向器1への光の入射角と、走査光として用いる
回折光の回折角とが等しくなるようにしたところにあ
る。ブラッグ条件が満たされた時、回折効率は最大とな
り、走査光として用いる回折光の強度が最大となって、
他の回折光の強度を十分に小さくすることができる。
【0054】この第2実施例において、例えば光源11
から出射される光を波長670nmの半導体レーザ光と
し、透明電極2,2間に印加される電圧の波形が図3
(A)又は(B)のようになっていて、光偏向器1に生
じる平行縞の空間周波数が0から1000本/mmの範
囲で変化したとし、空間周波数が1000本/mmでブ
ラッグ条件を満たすようにしたとすると、入射角αは1
9.6度であり、走査角度θは39.2度になる。
【0055】又、光源11から集光レンズ12までの距
離aを11.1mmとし、集光レンズ12の焦点距離f
を10mmとすると、集光レンズ12を透過した光は集
光レンズ12からの距離bが100mmのところに集光
し、結像する。この場合に、集光レンズ11と光偏向器
1までの距離cを2mmにすると、走査光の走査幅Lを
第1実施例の場合と同様に70mmにすることができ
る。
【0056】〈光走査装置−第3実施例〉図5(A)、
(B)は光走査装置10の第3実施例を示す構成図であ
る。この第3実施例の光走査装置10は、前記第2実施
例の光走査装置10の構成要素に加えて、光偏向器1の
出射側であって集光レンズ12による結像点よりも集光
レンズ12寄りに、凸レンズ14あるいは凹レンズ15
を備えている。これら凸レンズ14あるいは凹レンズ1
5は偏向角を実質的に増大させるように機能する。
【0057】初めに、比較例として前記凸レンズ14や
凹レンズ15がない場合を考える。図6はこの比較例を
示す構成図であり、この場合に例えば、光源11から出
射される光を波長670nmの半導体レーザ光とし、透
明電極2,2間に印加される電圧の波形を図3(C)の
ようにし、光偏向器1に生じる平行縞の空間周波数を0
から500本/mmの範囲で変化させ、空間周波数が4
00本/mmでブラッグ条件を満たすようにしたとす
る。この時の入射角αは7.7度であり、走査角度θは
15.4度になる。この場合に、走査光の走査幅Lを第
1実施例の場合と同様に70mmにするためには、光偏
向器1から結像点までの距離Sを259mmにしなけれ
ばならない。
【0058】ここで、図5(A)で示すように、光偏向
器1から出射側に15mm離れた位置に、焦点距離5m
mの凸レンズ14を集光レンズ12と共通の光軸上に設
けると、光偏向器1により偏向された光は凸レンズ14
に入射後、凸レンズ14から出射側に約7.5mm離れ
た位置で光軸と交差し、再び広がって結像する。凸レン
ズ14での光の変位幅は約4mmであるので、凸レンズ
14から約138.5mm離れた位置で走査光の走査幅
Lが70mmになる。したがって、光偏向器1から走査
光の結像点までの距離Sは約153.3mmになり、凸
レンズ14を設けない場合の259mmよりも105.
5mmだけ短くすることができる。
【0059】又、図5(B)に示すように、光偏向器1
から出射側に150mm離れた位置に、焦点距離50m
mの凹レンズ15を集光レンズ12と共通の光軸上に設
けると、凹レンズ15の入射側に75mm離れた位置に
焦点があるかのように発散していき、結像する。凹レン
ズ15での光の変位幅は約40mmであるので、凹レン
ズ15から約56mm離れた位置で走査光の走査幅Lが
70mmになる。したがって、光偏向器1から走査光の
結像点までの距離Sは206mmになり、凹レンズ15
を設けない場合の259mmよりも53mmだけ短くす
ることができる。
【0060】〔情報読み取り装置〕本発明の情報読み取
り装置は前記光走査装置10を利用したものである。こ
の情報読み取り装置の一例に所謂バーコードリーダがあ
る。以下、バーコードリーダを例にとって本発明の情報
読み取り装置を図7から図21の図面に基いて説明す
る。
【0061】本発明におけるバーコードリーダ40は、
光源から出射した光ビームを光偏向器1によって偏向
し、この時の光偏向器1に印加する電圧を駆動回路で制
御することにより、光ビームをバーコード上に走査させ
るものである。
【0062】バーコードリーダ40には図7に示すよう
に3つのタイプがある。図7(A)はペンタイプのもの
であり、このタイプでは光は自走せず、バーコードリー
ダ40の先端をバーコードに接触させながら、オペレー
タがバーコードリーダ40を滑らせることにより光を走
査し、情報を読み取るものである。
【0063】図7(B)はタッチタイプのものであり、
このタイプでは、オペレータがバーコードリーダ40を
動かさなくても、走査光が自走して情報を読み取るよう
になっている。つまり、オペレータがバーコードリーダ
40のフレーム41の先部42をバーコードの上にほぼ
接触させるように置くと、走査光がバーコード上を自ら
走査するようになっている。
【0064】図7(C)はガンタイプのものであり、こ
のタイプはバーコードリーダ40をバーコードから離し
て操作するようにしたものである。ガンタイプのバーコ
ードリーダ40はバーコードに接近させることが難しい
場所での使用に適している。ガンタイプのバーコードリ
ーダ40には、前述のように走査光が自走するタイプ
と、そうでないタイプの両方がある。
【0065】本発明の情報読み取り装置は、走査光が自
走しないタイプのものにも適用可能であるが、走査光が
自走するタイプのものに適用した場合に特に有効であ
る。以下に説明する実施例では、走査光が自走するタイ
プのバーコードリーダ40の態様である。
【0066】〈情報読み取り装置−第1実施例〉図8
(A)、(B)はバーコードリーダ40の第1実施例に
おける光学系の構成図であり、これら光学系はバーコー
ドリーダ40のフレーム41に内蔵されている。このバ
ーコードリーダ40は、光走査装置10と、光走査装置
10の光源11と集光レンズ12との間に配されたハー
フミラー21と、光検知器22とを具備している。
【0067】図8(A)に示すように、光源11からの
光は、ハーフミラー21を通って集光レンズ12に入射
し、光偏向器1により偏向されてバーコード(情報媒
体)100の上を走査される。
【0068】バーコード100で反射した光の一部は、
図8(B)に示すように逆進して偏向器1を通り、集光
レンズ12を通って、ハーフミラー21で反射して光検
知器22に入射する。光源11からハーフミラー21ま
での距離と、ハーフミラー21から光検知器22までの
距離を等しくしておくと、光検知器22において前記反
射光を結像させることができる。
【0069】〈情報読み取り装置−第2実施例〉図9は
バーコードリーダ40の第2実施例における光学系の構
成図である。このバーコードリーダ40には、ハーフミ
ラー21がなく、集光レンズ12の光軸に対して走査光
の結像点で交差する光軸を有する集光レンズ23を備え
ており、この集光レンズ23の後方に光検知器22を設
けて構成されている。バーコード100で反射した光の
一部は集光レンズ23を通って光検知器22に結像する
ようになっている。
【0070】〈情報読み取り装置−第3実施例〉図10
はバーコードリーダ40の第3実施例における光学系の
構成図である。第3実施例のバーコードリーダ40の基
本的な構成は前述第2実施例のものと同じである。第3
実施例のバーコードリーダ40が第2実施例のものと相
違する点は、光走査装置10の光源11と集光レンズ1
2との間に孔の開いたアパーチャ16を備えているとこ
ろにある。
【0071】アパーチャ16を設けたことにより、走査
光のビーム径を絞ることができ、バーコード100の判
別が可能な所定の反射光強度比(コントラスト)が採れ
るようにすることができる。
【0072】又、バーコード100に照射するビームの
形状は円形に限るものではなく、楕円形等、種々の形状
が可能である。前記アパーチャ16を設ければ、アパー
チャ16に設ける孔の形状によりビーム形状を適宜に設
定することが可能である。
【0073】〈情報読み取り装置−第4実施例〉図11
はバーコードリーダ40の第4実施例の光学系の構成図
である。このバーコードリーダ40は、図4に対応する
光走査装置10と、バーコード100で反射した光を検
知する光検知器22とを備えている。
【0074】このバーコードリーダ40は、走査光がバ
ーコード100に照射されている時と、バーコード10
0以外のところに照射されている時では、光検知器22
の検知結果が異なることを利用して、光ビームがバーコ
ード100に照射されていることが確認されてから光ビ
ームを走査するようにしたものである。
【0075】そのために、このバーコードリーダ40で
は、光を走査する前に、光偏向器1に印加する電圧の大
きさが0の状態を設けるようにしている。光偏向器1に
印加する電圧の大きさが0の状態では、光は偏向せずに
光偏向器1を透過する。この透過光のバーコード100
における反射光を光検知器22で検知し、この反射光の
強度が所定のレベルに達したら、光ビームがバーコード
上に照射されたものと判断する。そして、光検知器22
により所定強度の反射光が検知されると、反射光検知回
路24においてトリガーが発生し、このトリガー信号に
よって、光偏向器1に電圧を印加する駆動回路25がO
Nになり、走査光が走査されるようになっている。
【0076】尚、透過光がバーコード100の上に位置
したことをオペレータが目視にて確認してから、駆動回
路25を手動でONにするようにしても構わない。
【0077】〈情報読み取り装置−第5実施例〉図12
はバーコードリーダ40の第5実施例の光学系の構成図
である。このバーコードリーダ40は、図4に対応する
光走査装置10と、バーコード100で反射した光を検
知する光検知器22と、遮光板(遮光手段)26を備え
ている。
【0078】前述したように、光偏向器1の出射側には
走査光として用いる回折光とともに、透過光(0次光)
が現れる。この透過光の反射光は光検知器22に対して
ノイズとなり、場合によっては情報の読み取りが不正確
になる虞がある。
【0079】そこで、このバーコードリーダ40では、
透過光の光路上に遮光板26を配置して、透過光がバー
コードリーダ40の外に漏れないようにし、光検知器2
2へのノイズの影響をなくす。尚、遮光板26は、例え
ば艶消しした黒色非散乱体で構成することができる。
【0080】〈情報読み取り装置−第6実施例〉一般
に、バーコードリーダでは、読み取るべきバーコード
を、走査光の結像点前後の所定範囲内にないと、反射光
の強度が不足して読み取ることができない。そして、こ
の読み取り可能範囲は非常に狭い。
【0081】しかしながら、走査光の結像点を可変にで
きれば、読み取り可能範囲を広げることができ、使い勝
手を向上させることができる。本実施例はこれを可能に
したものである。以下に、その構成と作用を説明する。
【0082】図13はバーコードリーダ40の第6実施
例の光学系の構成図である。凸レンズの結像式からも解
るように、光源21の光を集光レンズ12で結像させる
場合に、集光レンズ12から結像点までの距離は、集光
レンズ12から光源21までの距離によって変化する。
したがって、光源21と集光レンズ12との距離(集光
レンズ12の光軸に沿う距離)を変えることができれ
ば、光偏向器1から結像点までの距離を変えることがで
きる。
【0083】この第6実施例のバーコードリーダ40
は、光源21を直接移動させるようにしたものであり、
図4に対応する光走査装置10と、バーコード100で
反射した光を検知する光検知器22と、光源21を集光
レンズ12の光軸方向に沿って前後動せしめる移動装置
(可変機構)27から構成されている。移動装置27
は、逆圧電効果を利用した所謂ピエゾ素子で構成しても
よいし、機械的な移動装置を用いても構わない。
【0084】ここで、走査光の結像点の位置を前後させ
るタイミングとしては、例えば、光検知器22で得た反
射光の信号を復調した結果から正常な読み取りができた
か否かを判断し、その結果に応じて結像点の位置を前後
させたり、あるいは、オペレータのキー操作等の指示に
より結像点の位置を前後させる、などが考えられる。
【0085】〈情報読み取り装置−第7実施例〉図14
に示すバーコードリーダ40も、光偏向器1から結像点
までの距離を可変にして、読み取り可能範囲を広げ、使
い勝手を向上させたものである。
【0086】このバーコードリーダ40は、光走査装置
10と、バーコードで反射した光を検知する光検知器2
2とを備えている。光走査装置10は、光偏向器1と、
光源11と、凸レンズからなる第1集光レンズ(集光用
光学素子)12と、駆動回路13と、ハーフミラー17
と、凸レンズからなる第2集光レンズ(第2集光用光学
素子)18と、反射ミラー19と、この反射ミラー19
を第2集光レンズ18の光軸に沿って前後動する可変機
構28から構成されている。
【0087】光源11からの光は第1集光レンズ12を
通って、ハーフミラー17で反射し、その反射光が第2
集光レンズ18を通って、反射ミラー19で結像し、反
射ミラー19で反射した反射光が逆進して、再び第2集
光レンズ18を通り、ハーフミラー19を透過して、光
偏向器1で偏向されて、走査光となり、バーコードの上
を走査するようになっている。
【0088】可変機構28は揺動体28aと変位装置2
8bとから構成されている、揺動体28aはその一端を
中心にして回動可能に支持されており、揺動体28aの
他端に反射ミラー19が固定されている。揺動体28a
はその途中に連結された変位装置28bによって揺動さ
れるようになっている。変位機構28bはピエゾ素子で
構成してもよいし、機械的な移動装置を用いても構わな
い。
【0089】このバーコードリーダ40においては、揺
動体28aが揺動することにより、反射ミラー19がほ
ぼ光軸に沿って前後動することになり、第2集光レンズ
18と反射ミラー19との距離を変えて、光偏向器1か
ら結像点までの距離を変えるようになっている。
【0090】尚、揺動体28aを設けずに、反射ミラー
19を直接に変位装置28bによって前後動させるよう
にすることも可能であるが、前述のように揺動体28a
を設けると、「てこ」の原理により反射ミラー19の変
位量を大きくすることができ、有利である。
【0091】尚、走査光の結像点の位置を前後させるタ
イミングについては、前述第6実施例の場合と同様に種
々の場合が考えられる。
【0092】〈情報読み取り装置−第8実施例〉図15
はバーコードリーダ40の第8実施例における光学系の
構成図である。このバーコードリーダ40は、光走査装
置10と、バーコード100で反射した光を検知する光
検知器22とを備えている。
【0093】光走査装置10は、3つの光偏向器1A,
1B,1Cと、光源11と、凸レンズからなる集光レン
ズ12と、電圧制御部13とから構成されている。3つ
の光偏向器1A〜1Cは、図16に示すように、電圧を
印加したときに生じる回折縞(図中、実線の平行線で示
す)の方向が、互いに120度ずつずれるようにして、
重ねた状態に配置されている。
【0094】3つの光偏向器1A〜1Cには、駆動回路
13において制御された電圧が、図15(A)、
(B)、(C)に示すように、スイッチング回路を介し
て順番に重複することなく印加されるようになってい
る。したがって、いずれか一つの光偏向器に電圧が印加
されている時には、光はこの光偏向器では偏向される
が、残る2つの光偏向器では偏向されず、単に透過する
だけとなる。
【0095】その結果、このバーコードリーダ40で
は、光偏向器1Aに電圧が印加されている時には走査光
が図16及び図17において一点鎖線Aで示すように走
査され、光偏向器1Bに電圧が印加されている時には一
点鎖線Bで示すように走査され、光偏向器1Cに電圧が
印加されている時には一点鎖線Cで示すように走査され
る。
【0096】即ち、このバーコードリーダ40によれ
ば、走査光を120度ずつずれた3方向に走査すること
ができ、バーコード100を読み取り可能なバーコード
リーダ40のバーコード100に対する方向性が広が
り、使い勝手が向上する。
【0097】〈情報読み取り装置−そのほかの実施例〉
本発明の情報読み取り装置では光学系をほぼ一直線上に
配列できるので、バーコードリーダ40のフレーム41
を円筒状、楕円筒状、角形筒状等、筒状にすることがで
きる。
【0098】図18は円筒状のフレーム41のバーコー
ドリーダ40であり、図18(A)はフレーム41の途
中に目印用の切欠部41aを設けたものであり、図18
(B)はフレーム41の先部に握り易い形状の凹部41
bを設けたものである。このようにすると、オペレータ
が走査光の走査方向を判断し易くなり、使い勝手が向上
する。
【0099】又、図18(C)に示すように、走査光の
出射側であるフレーム41の先部42を箆状に広げ、こ
の箆状の先部42を透明にし、先部42の先端で走査光
が結像するようにし、箆状の先部42の長手方向に走査
光が走査されるようにすると、バーコードリーダ40を
操作し易くでき、情報の読み取り率も向上し、使い勝手
が向上する。
【0100】POSシステムでは、バーコードの情報を
読み取った後、デコーダで解読し、コンピュータ処理可
能な信号に直してコンピュータに送信する必要がある。
本発明に係るバーコードリーダ40の場合、図19に示
すように、デコーダ31を光学系30とともにバーコー
ドリーダ40のフレーム41に内蔵してもよいし、バー
コードリーダ40には光学系30だけを内蔵し、デコー
ダ31はコンピュータ50に設けるようにしても構わな
い。
【0101】バーコードリーダ40とコンピュータ50
の間のデータの送受信方式は無線でも有線でも構わな
い。バーコードリーダ40に、走査光を自動または手動
でON−OFFする機能を備えてもよい。走査光のON
−OFFは、光源11をON−OFFして行ってもよい
し、あるいは、光源11はON状態に維持しつつ、光路
上に設けたシャッタを操作して光を遮断もしくは通過さ
せるようにしてもよい。
【0102】例えば、図20に示すように、フレーム4
1にスイッチ44を設け、スイッチ44によりトリガー
を発生させ、このトリガー信号に同期して走査光のON
−OFFを行う。
【0103】走査光のON−OFF操作は手動で行うこ
ともできるが、自動的に行うことも可能である。例え
ば、スイッチ44をタッチセンサで構成し、オペレータ
がバーコードリーダ40を手にするとスイッチ44がO
Nになるようにする。又、走査光のOFF動作を自動的
に行うには、例えば、所定時間の間、デコーダに信号が
入力されなくなくなった時にトリガーを発生させ、この
トリガー信号に同期して走査光のOFF動作を行うよう
にすればよい。
【0104】バーコードリーダ40に、操作の状態(例
えば、「バーコードの情報を読み取り中」とか「読み取
り完了」とか「読み取り不良」とか「再操作必要」等)
をオペレータに知らせる告知手段を備えてもよい。図2
1はバーコードリーダ40に設けた告知手段の具体例を
示しており、(A)は告知手段としてのLED等からな
る表示灯45をフレーム41に設けたものであり、
(B)は告知手段としてのブザー46をフレーム41内
に内蔵したものであり、(C)は告知手段としての液晶
ディスプレイ47をフレーム41に設けたものである。
尚、告知手段はバーコードリーダ40に設けず、コンピ
ュータ側に設けることも可能である。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光偏向器
によれば、偏向角を電気的に制御することが可能な新規
な光偏向器を得ることができるという優れた効果が奏さ
れる。
【0106】又、本発明の光走査装置によれば、機械的
可動部がなく、走査光の走査幅や走査速度を電気的に制
御可能な新規な光走査装置を得ることができるという優
れた効果が奏される。
【0107】第1の付加的構成要素(集光用光学素子)
を付加した光走査装置によれば、光源からの光が集束光
線の場合には、集光用光学素子を有さないときよりも光
の結像点を光偏向器に近づけることができ、装置を小型
化できるという効果がある。又、光源からの光が発散光
線あるいは平行光線である場合には、光源からの光を集
光して結像させるという効果がある。
【0108】第2の付加的構成要素あるいは第3の付加
的構成要素(可変機構)を付加した光走査装置によれ
ば、結像点の位置を可変にすることができ、使い勝手が
向上するという効果がある。
【0109】第4の付加的構成要素(アパーチャ)を付
加した光走査装置によれば、アパーチャによってビーム
径を絞ったり、ビーム形状を所望に設定することができ
るという効果がある。又、これを情報読み取り装置に採
用した場合には、情報媒体で反射する反射光の反射光強
度比(コントラスト)を高めることができ、読み取り精
度が向上するという効果がある。
【0110】第5の付加的構成要素(偏向角度を増大せ
しめる光学素子)を付加した光走査装置によれば、走査
光の走査幅を増大させることができ、装置を小型化でき
るという効果がある。
【0111】又、本発明の情報読み取り装置によれば、
光偏向器に機械的可動部がなく、走査光の走査幅や走査
速度を電気的に制御可能な新規な情報読み取り装置を得
ることができるという優れた効果が奏される。
【0112】付加的構成要素(遮光手段)を付加した情
報読み取り装置によれば、光偏向器の透過光が遮光手段
によって遮断されるので、透過光が光検知器に入射しな
くなり、読み取り精度が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光偏向器の構成図である。
【図2】本発明の光走査装置の第1実施例を示す構成図
であり、(A)は走査光が光軸を境にして一方の側を走
査する場合を示し、(B)は走査光が光軸を挟んで両側
に亙って走査する場合を示している。
【図3】光偏向器に印加される電圧の波形の一例を示す
ものであり、(A)及び(C)は交流電圧の場合を示
し、(B)は直流電圧の場合を示している。
【図4】本発明の光走査装置の第2実施例を示す構成図
である。
【図5】本発明の光走査装置の第3実施例を示す構成図
であり、(A)は偏向角を増大させる光学素子として凸
レンズを用いた場合を示し、(B)は偏向角を増大させ
る光学素子として凹レンズを用いた場合を示している。
【図6】前記第3実施例の光走査装置に対する比較例を
示す構成図である。
【図7】本発明の情報読み取り装置としてのバーコード
リーダの外観斜視図であり、(A)はペンタイプであ
り、(B)はタッチタイプであり、(C)はガンタイプ
である。
【図8】本発明の情報読み取り装置の第1実施例を示す
構成図であり、(A)は走査時の光路を説明するための
ものであり、(B)は光検知時の光路を説明するもので
ある。
【図9】本発明の情報読み取り装置の第2実施例を示す
構成図である。
【図10】本発明の情報読み取り装置の第3実施例を示
す構成図である。
【図11】本発明の情報読み取り装置の第4実施例を示
す構成図である。
【図12】本発明の情報読み取り装置の第5実施例を示
す構成図である。
【図13】本発明の情報読み取り装置の第6実施例を示
す構成図である。
【図14】本発明の情報読み取り装置の第7実施例を示
す構成図である。
【図15】本発明の情報読み取り装置の第8実施例を示
す構成図である。
【図16】前記第8実施例において3つの光偏向器の重
ね方を示す図である。
【図17】前記第8実施例における走査光の走査状態を
示す図である。
【図18】本発明の情報読み取り装置の外観形状の一例
を示す斜視図である。
【図19】デコーダを内蔵した本発明の情報読み取り装
置と、デコーダを内蔵したコンピュータの斜視図であ
る。
【図20】走査光をON−OFFするスイッチを備えた
本発明の情報読み取り装置の斜視図である。
【図21】操作状態を知らせる告知手段を備えた本発明
の情報読み取り装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 光偏向器 2 透明電極 5 液晶 10 光走査装置 11 光源 12 集光レンズ(集光用光学素子) 13 駆動回路 14 凸レンズ(偏向角を増大する光学素子) 15 凹レンズ(偏向角を増大する光学素子) 16 アパーチャ 17 ハーフミラー 18 第2集光レンズ(第2集光用光学素子) 19 反射ミラー(反射部材) 22 光検知器 26 遮光板(遮光手段) 27 移動機構(可変機構) 28 可変機構 40 バーコードリーダ(情報読み取り装置) 100 バーコード(情報媒体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 26/10 107 G06K 7/00 9069−5L H04N 1/113

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向配置された透明電極(2,2)間に液晶
    (5)が挿入され、前記透明電極(2,2)間に駆動回路(6)を
    介して電圧を印加できるようになっており、前記液晶
    (5)は、前記透明電極(2,2)間に電圧を印加すると回折格
    子として機能する平行縞が生じ、印加する電圧の大きさ
    に応じて前記平行縞のピッチが変化するものであり、入
    射光を回折してその回折光を出射光として利用すること
    を特徴とする光偏向器(1)。
  2. 【請求項2】 (イ)大きさが時間的に変化する電圧を
    前記透明電極(2,2)間に印加できる駆動回路(13)を有す
    る請求項1に記載の光偏向器(1)と、(ロ)前記光偏向
    器(1)に入射する光を出射する光源(11)、とを具備する
    ことを特徴とする光走査装置(10)。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光走査装置(10)におい
    て、前記光偏向器(1)への入射光の入射角を走査光に用
    いる回折光のブラッグ角とすることを特徴とする光走査
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の光走査装置(10)におい
    て、前記光偏向器(1)を複数備え、各光偏向器(1A,1B,1
    C)に生じる平行縞が互いに交差するように、光偏向器(1
    A,1B,1C)を重ねて配置し、各光偏向器(1A,1B,1C)に交互
    に電圧を印加するようにしたことを特徴とする光走査装
    置(10)。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の光走査装置(10)におい
    て、光偏向器(1)の入射側または出射側に、光を集光す
    る集光用光学素子(12)を備えたことを特徴とする光走査
    装置(10)。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の光走査装置(10)におい
    て、光源(11)から前記集光用光学素子(12)までの光軸方
    向に沿う離間距離を可変にする可変機構(27)を備えたこ
    とを特徴とする光走査装置(10)。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の光走査装置(10)におい
    て、前記集光用光学素子(12)の出射光を光偏向器(1)か
    ら離間する方向に反射するハーフミラー(17)と、このハ
    ーフミラー(17)からの反射光を集光する第2集光用光学
    素子(18)と、この第2集光用光学素子(18)の出射光を反
    射し反射光を第2集光用光学素子(18)及び前記ハーフミ
    ラー(17)に透過して光偏向器(1)に入射させる反射部材
    (19)と、第2集光用光学素子(18)から反射部材(19)まで
    の光軸方向に沿う離間距離を可変にする可変機構(28)、
    とを備えたことを特徴とする光走査装置(10)。
  8. 【請求項8】 請求項5から7のいずれかに記載の光走
    査装置(10)において、前記光源(11)と前記光偏向器(1)
    との間にアパーチャ(16)を備えたことを特徴とする光走
    査装置(10)。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の光走査装置(10)におい
    て、前記光偏向器(1)の出射側に、走査光の偏向角を実
    質的に増大せしめる光学素子(14,15)を備えたことを特
    徴とする光走査装置(10)。
  10. 【請求項10】 (イ)情報媒体(100)に走査光を走査
    する請求項2に記載の光走査装置(10)と、(ロ)情報媒
    体(100)で反射した走査光の反射光を検知する光検知器
    (22)、とを備えたことを特徴とする情報読み取り装置(4
    0)。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の情報読み取り装置
    (40)において、前記情報媒体(100)がバーコードである
    ことを特徴とする情報読み取り装置(40)。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の情報読み取り装置
    (40)において、光偏向器(1)の出射側に光偏向器(1)の透
    過光を遮断する遮光手段(26)を備えたことを特徴とする
    情報読み取り装置(40)。
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