JPH07260789A - ポリアミド、ポリウレタンもしくはポリ尿素支持体を用いるイムノアッセイ並びに試験キット - Google Patents

ポリアミド、ポリウレタンもしくはポリ尿素支持体を用いるイムノアッセイ並びに試験キット

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JPH07260789A
JPH07260789A JP9304593A JP9304593A JPH07260789A JP H07260789 A JPH07260789 A JP H07260789A JP 9304593 A JP9304593 A JP 9304593A JP 9304593 A JP9304593 A JP 9304593A JP H07260789 A JPH07260789 A JP H07260789A
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Henry Bamford Clement
ヘンリー バンフォード クレメント
G Al-Lamee Kadem
ガヤド アル−ラメエ カデム
Donald Purbrick Malcolm
ドナルド パーブリック マルコルム
Trevor J Wear
ジョン ウェアー トレバー
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54353Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals with ligand attached to the carrier via a chemical coupling agent

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は分析物検出用のイムノアッセイ及び
試験キットに関する。 【構成】 イムノアッセイは捕捉支持体として繊維形成
もしくはフィルム形成ポリマーを用いて実施される。ポ
リマーは、ポリマーのアミド、ウレタンもしくは尿素基
の窒素原子を介してポリマーに付着した活性化基を担持
するポリアミド、ポリウレタンもしくはポリ尿素であ
る。活性化基は、多様な化合物、例えば生物学的に有用
な化合物のアミンもしくはチオール基と反応性である。
イムノアッセイに有用な試験キットは、捕捉支持体及び
目的の分析物に向けられた直接標識された抗体類を包含
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分析物検出用のイムノ
アッセイ及び試験キットに関する。本発明は診断法に有
用である。
【0002】
【従来の技術】アッセイ中に形成される免疫複合体の成
分がポリマー支持体に共有結合される多種イムノアッセ
イ技術が既知である。複合体が固定化されている支持体
は異なる形状を取ることができる。例えば、或る好まし
い支持体の形状は多孔質膜である。
【0003】Clin.Prod.Rev., 4, 1985, 33〜41は、ポ
リビニリデンジフルオリドポリマー由来のイモビロン(I
MMOBILON,商標) として既知である市販微孔質膜の使用
を記載する。エンザイム・リンクト・イムノソルベント
・アッセイ(ELISA)におけるその使用の具体例が
挙げられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】イムノアッセイ用の別
のポリマー支持体材料についての必要性が存在する。ア
ッセイの感度を増強できるポリマー支持体類が特に必要
とされている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)支持体
上に、検出可能に標識された免疫学的複合体を形成せし
める工程、及び(B)標識された免疫学的複合体を検出
する工程、(ここで、支持体は、ポリマーのアミド基、
ウレタン基もしくは尿素基の窒素原子を介してポリマー
に付着された活性化基を含んで成る繊維形成もしくはフ
ィルム形成ポリアミド、ポリウレタンもしくはポリ尿素
ポリマー由来であり、活性化基は生物学的化合物のアミ
ノもしくはチオール基と反応でき、かつここで、検出可
能に標識された免疫学的複合体は、ポリマーの活性化基
及び免疫学的複合体の成分間のリンクの生成によりポリ
マーに共有結合される)を含んで成る分析物検出用イム
ノアッセイを提供する。
【0006】また本発明は、(a)製品に共有結合され
る分析物に特異的な抗体を担持する多孔質膜を含んで成
る水不溶性製品、及び(b)分析物に特異的な検出可能
に標識された抗体、(ここで、多孔質膜は、ポリマーの
アミド基、ウレタン基もしくは尿素基の窒素原子を介し
てポリマーに付着された活性化基を含んで成る繊維形成
もしくはフィルム形成ポリアミド、ポリウレタンもしく
はポリ尿素ポリマー由来であり、活性化基は分析物に特
異的な抗体のアミノもしくはチオール基と反応して、ポ
リマーの活性化基及び抗体の間のリンクの生成により、
ポリマーに対する抗体の共有結合を達成できる)を含ん
で成る分析物検出用イムノアッセイのための試験キット
を提供する。
【0007】
【具体的な態様】この発明の実施に際して有用な適する
ポリマー類は、繊維形成能もしくはフィルム形成能を有
するいずれかのポリアミド、ポリウレタン又はポリ尿素
を改質することにより製造できる。ポリマーはエラスト
マーであってもよく、そして好ましい態様では、ポリエ
ーテルウレタンが使用される。ポリマーの支持体が製造
できる適する市販ポリマーの具体例としては、限定され
るものではないが、バイオマー (BIOMER,商標)、ペレ
ザン (PELLETHANE,商標)、テコフレックス(TECOFLE
X,商標)及びエスタン (ESTANE,商標)ポリマーが挙
げられる。
【0008】例えば、アミドもしくはチオエーテルリン
クの生成により、それぞれアミノもしくはチオール基含
有化合物と反応できる活性化基は既知である。
【0009】好ましい活性化基としては、イソシアネー
ト基、イミダゾリルカルバメート基、1−メチル−2−
ピリジル基もしくは式−COOZ(式中、Zは電子求引
性基である)で示される基が挙げられる。官能基は、水
素と相対的に電子求引性基として分類される。例えば、
−NO2 及び−I基は、分子内の同位置を占有している
水素原子よりもそれら自体に対して電子を求引する(J.M
arch, Advanced Organic Chemistry, 第2版、 McGraw
Hill, 20及び246 ページ参照)。Z基の特定の具体例と
しては、N−スクシンイミド、ベンジリデンアニリン、
ペンタフルオロフェニル、4−ニトロフェニル、4−シ
アノフェニル、4−アルキルスルホニルフェニル、アシ
ル、4−アシルフェニル、4−ジアルキルアミノカルボ
ニルフェニル、4−アルコキシカルボニルフェニル及び
4−アルコキシスルホニルフェニルが挙げられる。好ま
しくは、本発明のポリマーは次式で示される単位を含ん
で成る。
【0010】
【化1】
【0011】上式中、−〔NCO(X) p 〕−は、ポリ
マー主鎖中のアミド、ウレタンもしくは尿素基であり、
Xは−O−もしくは−NH−であり、pは0もしくは1
であり、L及びL′は各々独立して連結基であり、Rは
水素もしくはアルキルであり、Yは活性化基であり、m
は0もしくは1であり、そしてnは10〜150、好ま
しくは30〜120の整数である。
【0012】L及びL′は、それらを連結する原子と一
緒に、活性化基Yをポリマー主鎖から遠くへ間隔をあけ
るのに役立っている。各々L及びL′は、1つ以上の二
価炭化水素基、例えば、置換もしくは無置換の主鎖中の
炭素原子数1〜20個のアルキレン及び炭素原子数6〜
10個のアリーレン基を含んで成ってもよく、それら
は、ヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基、例えば、−
O−,−NH−,−S−,−NHCO−,−COO−及
び−CO−に接続しているか又はそこを末端基としてい
る。好ましくは、各々L及びL′が、活性化基もしくは
活性化基含有部分をポリマー主鎖から隔離する原子数4
〜50個の鎖を含んで成る。
【0013】L及びL′基の特定の具体例は、ポリウレ
タンポリマー類の以下の概略図に示させれる(ここで、
「ポリマー」の語は、同様に置換された更なるウレタン
基を含有するポリウレタンポリマーの残部を示すのに用
いられる)
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】活性化基は、分析物のアミノもしくはチオ
ール基と又はそれに特異的な免疫反応体と直接反応す
る。好ましくはこのような反応が、周知である物理学的
反応条件下で実施されるであろう。
【0018】或るポリマーの製造方法は、繊維形成もし
くはフィルム形成ポリアミド、ポリウレタンもしくはポ
リ尿素をハロイソシアネートもしくはエチレン系不飽和
イソシアネートと反応せしめる工程、及び次いで活性化
基を含んで成るエチレン系不飽和モノマーを生成物上に
グラフトせしめる工程を含んで成る。
【0019】ハロイソシアネート類の具体例としては、
ハロアルキル及びハロアセチルイソシアネート類、例え
ば、2−クロロエチルイソシアネート及びトリクロロア
セチルイソシアネートが挙げられる。エチレン系不飽和
イソシアネート類の具体例としては、イソシアネートア
クリレートモノマー類、例えば、イソシアネートエチル
メタクリレートが挙げられる。
【0020】活性化基を含んで成るエチレン系不飽和モ
ノマー類の具体例としては、N−アクリロイルオキシス
クシンイミド及び6−メタクリルアミドカプロン酸のス
クシンイミドエステルが挙げられる。
【0021】適当なポリマーの別の製造方法は、繊維形
成もしくはフィルム形成ポリアミド、ポリウレタンもし
くはポリ尿素をジイソシアネートと反応せしめる工程を
含んで成る。反応生成物の遊離イソシアネート基は活性
化基である。所望であれば、遊離イソシアネート基を含
有する生成物をヒドロキシ含有反応性エステルと反応せ
しめてもよい。又は遊離イソシアネート基を含有する生
成物をアルカノールアミンもしくは別のアミノアルコー
ル又はジオールと反応せしめてヒドロキシレート化もし
くはカルボキシレート化ポリマーを生成し、次いでそれ
を活性化してもよい。
【0022】ジイソシアネート類の具体例としては、ア
ルキレン及びアリーレンジイソシアネート、例えば、ヘ
キサメチレンジイソシアネート及び2,4−トリレンジ
イソシアネートが挙げられる。
【0023】ヒドロキシ含有反応性エステル類の具体例
としては、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、
ヒドロキシアルカリル及びヒドロキシアラルキル反応性
エステル類、例えば、N−〔3−(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕スクシンイミドが挙げられ
る。
【0024】ポリマーの遊離イソシアネート基をヒドロ
キシレート化形状に変換せしめるのに用いられる化合物
類の具体例としては、アルカノールアミン類、例えば、
エタノールアミン、6−アミノ−1−ヘキサノール及び
グルカミン並びにジオール類、例えば、ポリ(エチレン
グリコール)が挙げられる。
【0025】ポリマーの遊離イソシアネート基をカルボ
キシレート化形状に変換せしめるのに用いられる化合物
類の具体例としては、アミン基含有カルボン酸、例え
ば、6−アミノカプロン酸が挙げられる。
【0026】ヒドロキシレート化ポリマーを活性化する
のに用いられる化合物類の具体例は、1,1′−カルボ
ニルジイミダゾール(CDI)及び2−フルオロ−1−
メチルピリジニウムトルエン4−スルホネート(FM
P)である。
【0027】上記方法は、反応前にポリマーが溶解せし
められるような溶液中で実施してもよい。このようにし
て、活性化ポリマーは次いで所望の繊維状もしくはフィ
ルム状に形成せしめられるものに生成される。
【0028】あるいは、ポリマーの表面のみを活性化せ
しめるために、固体状、例えば、繊維状もしくはフィル
ム状のポリマーを、反応体類の溶液で処理してもよい。
【0029】本発明の好ましい態様では、支持体が繊維
膜である。繊維は既知技術を用いて静電紡糸により製造
してもよい。活性化ポリマーを繊維に紡糸してもよい。
あるいは、ポリマーを繊維に紡糸し次いで活性化基の付
着により改質してもよい。
【0030】静電紡糸工程では、繊維は適当に設置され
た受容体上に多孔質マットとして収集される。このよう
にして、繊維の層を被覆せしめた支持体が製造できる。
あるいは、繊維状マットを受容体から剥離することがで
きる。
【0031】繊維状生成物は多様な形状に製造できる。
例えば、円筒形受容体を用いてチューブ状製品が製造で
きる。静電紡糸工程により得られる繊維は薄く、かつ直
径約0.1〜約25μmの程度でありうる。約0.5〜
約10μmの繊維直径、特に約1.0〜約5μmの繊維
直径が好ましい。
【0032】ポリマーは、溶液から都合良く紡糸するこ
とができる。適する溶剤類としては、ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン
及びメチルエチルケトンが挙げられる。溶剤混合物類、
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド及びメチルエチ
ルケトンの混合物(例えば、重量比約1.45:1)
は、好ましいであろう。例えば、バイオマー (BIOMER,
商標)ポリマー、分子量約60,000を有する市販ポ
リ(エーテルウレタンウレア)、を用いてN,N−ジメ
チルアセトアミドに溶解せしめる場合に好ましい濃度
は、約10〜約20w/w%、例えば、約16w/w%
である。
【0033】いずれか都合の良い方法を使用してポリマ
ー溶液を紡糸用静電界と接触せしめてもよい。典型的に
は、繊維状生成物は直径約1μmの極めて微細な繊維の
網状構造を含んで成る。繊維は多数の接触点で融合され
ており、かつ典型的な大きさが約0.5〜約10μmの
範囲内の不規則な穴もしくは孔を囲っている。繊維の総
表面領域は極めて大きい。
【0034】上記ポリマー支持体は、サンドウイッチア
ッセイ類、競合バインディングアッセイ類、直接バイン
ディングアッセイ類及びELISAを包含する各種のイ
ムノアッセイ方法及び分析物に用いてもよく、またそれ
らの方法は当該技術分野で既知である。従って分析物を
支持体に結合せしめることができるか、又好ましくは分
析物に特異的な免疫反応体を支持体に結合せしめる。分
析物は、薬剤類、ハプテン類、ビタミン類、ホルモン
類、毒素類、炭水化物類、タンパク質類及び当業者に容
易に明白である別の化合物類を包含する、抗体を引き寄
せられる多種多様な抗原性物質を包含する。
【0035】支持体に共有結合せしめられた免疫反応体
の具体例としては、抗体、例えば、抗分析物抗体、非抗
体タンパク質、例えばプロテインA及び分析物自体が挙
げられる。
【0036】本発明の好ましい態様では、イムノアッセ
イは以下の工程を含んで成る。(i)分析物を含有する
と疑われる水性被検体を、支持体に共有結合せしめられ
た抗分析物抗体を担持する支持体と接触せしめる工程、
(ii)工程(i)の接触前に、同時に又は次いで、分析
物に特異的な検出可能に標識された抗体で分析物を標識
する工程、そして(iii) 抗分析物抗体と反応せしめて得
られた分析物の複合体を検出する工程。
【0037】検出可能に標識された抗体類としては、目
視的に又は分光光度計、放射計もしくは別の適当な装置
及び方法を用いて直接的又は間接的に検出できるものに
共有結合せしめられた部分又は別な方法で組み合わさっ
た部分を担持する抗体類が挙げられる。間接的検出は、
抗体上の所定部分を1回以上適当な試薬と反応せしめて
直接的に検出可能な生成物を得ることにより達成でき
る。
【0038】有用な標識は周知であり、そしてそれらと
しては、酵素類、放射性同位体類及び特異的バインディ
ング物質類、例えば、ビオチン、アビジン、レクチン類
及び糖類が挙げられる。
【0039】支持体上の免疫複合体の検出は、標準検出
装置及び方法を用いて達成可能である。標識が酵素であ
る場合には、結合複合体は更に酵素の存在下で蛍光、比
色もしくは化学ルミネッセンスシグナルを提供するであ
ろう組成物と接触せしめられる。
【0040】本発明の好ましい態様では、ポリマー支持
体が、膜を保持するための水不溶性フレームもしくは構
造を有する水不溶性製品に配置又は取り付けられた多孔
質膜である。
【0041】支持体ポリマー類の製造方法は以下に具体
的に説明される。以下の製造方法では、−(NHCO
O)−は用いたポリウレタンポリマー中のウレタン基を
表す。バイオマー (BIOMER,商標)ポリマーは次式で示
される市販ポリ(エチレンウレタンウレア)である。
【0042】
【化5】
【0043】ポリマーの分子量(Mn W)は約60,0
00である。
【0044】製造方法1 プレ活性化ポリエーテルウレタンの合成を下記3つの工
程で行った。
【0045】1.ポリエーテルウレタンの機能化。ポリ
エーテルウレタン〔バイオマー (BIOMER,商標)、Ethi
con, Someville,NJ:30g)をN,N−ジメチルアセ
トアミド(DMAC)(50mL)に溶解した。2−クロ
ロエチルイソシアネート(4mL)を得られた溶液に添加
した。反応混合物を3日間室温で放置し次いで水中へ沈
殿させた。沈殿後、ポリマーを濾取し、水で入念に洗浄
し、次いで減圧オーブン中で乾燥した。
【0046】ポリエーテルウレタンと2−クロロエチル
イソシアネートとの反応は、以下の等式により表される
ようなアロファネート生成物(I)を与えた。
【0047】
【化6】
【0048】機能化ポリエーテルウレタン(I)の塩素
分析は、%Cl=1.12を示した。
【0049】2.立体活性エステルモノマー、6−メタ
クリルアミドカプロン酸のN−スクシンイミドエステル
(II)の合成。6−アミノカプロン酸(26.2g,
0.2モル)を水(25mL)中水酸化ナトリウム(8.
0g)の溶液に溶解した。トパノールOC(TOPANOL O
C,商標)、4−メチル−2,6−tert−ブチルフェノ
ールを含んで成るICI市販の界面活性剤、を添加し、
そして溶液を−10℃まで冷却した。次いでジオキサン
(15mL)中塩化メタクリロイル(20.8g,0.2
モル)の溶液を、水(20mL)中水酸化ナトリウム
(8.0g)の溶液と同時に1時間に亘って添加した。
後者の2つの溶液は、それらを添加する前に氷浴中で冷
却しておいた。添加完了後、反応混合物を更に2時間−
10℃で撹拌した。次いで反応混合物を一晩冷蔵庫中で
放置した。
【0050】一晩放置後、反応混合物を希塩酸でpH4に
調整した。溶液をロータリーエバポレーターを用いて濃
縮し、そして残渣を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽
出物を水で洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶液を濾過しそして溶剤をロータリーエバポレータ
ーで除去した。
【0051】酢酸エチル/石油エーテル(60〜80
℃)を(油状)残渣に添加した。すると、別個に油状層
及び曇った溶剤層が生じた。溶液を激しく振盪し、そし
て静置して曇った溶剤層を取り除き、そして保留した。
更なる酢酸エチル/石油エーテル(60〜80℃)を添
加しそして油状層がもはや認められなくなるまで上記操
作を引き続き繰り返した。合わせた抽出物を氷塩浴中で
冷却しそして引掻くことにより生成物を得た(収量:2
2.6g,70%)。
【0052】6−メタクリルアミドカプロン酸(10
g,0.05モル)及びN−ヒドロキシスクシンイミド
(5.75g,0.05モル)を、磁気撹拌機、エアー
コンデンサー(塩化カルシウムガードチューブ)及び滴
下漏斗を備えた3ツ口フラスコに入れた。ジクロロメタ
ン(50mL)及びテトラヒドロフラン(10mL)並びに
4−メチルアミノピリジン(4−DMAP)(0.12
g)を添加し、そして溶液を氷浴中で撹拌した。ジクロ
ロメタン(20mL)中ジクロロヘキシルカルボジイミド
(DCCI)(11.5g)の溶液を滴下した。やがて
尿素が沈殿し、そして一晩反応を行った。
【0053】固体(尿素)沈殿を濾取しそしてジクロロ
メタンで洗浄した。合わせた洗液及び濾液をロータリー
エバポレーターでストリッピングした。残留油状物をア
セトニトリルに溶解しそして溶液を冷蔵庫で2時間冷却
した。沈殿した少量の尿素を濾取し次いで溶剤を減圧下
で除去した。残留した油状物を酢酸エチルに溶解した。
氷塩浴中で放置すると固体生成物が沈殿し、そしてそれ
を濾過して乾燥した。
【0054】分析的及び分光器データは、必要とされる
構造(II)と一致した。 収量:4.29g(29%);mp77.5℃
【0055】
【化7】
【0056】3.機能化ポリエーテルウレタン(I)へ
のモノマー(II)のグラフト化。機能化ポリエーテルウ
レタン(I)(7.56g)を純粋なDMAC(60m
L)に溶解した。次いでDMAC(5mL)中モノマー(I
I)1.56gの溶液を、DMAC(2mL)中Re2(C
O)10 0.053gの溶液と一緒にこれに添加した。次
いで反応混合物を減圧下で脱泡しそして密封した。 C.
H.Bamford in Reactivity Mechanism & Structure in P
olymer Chemistry ed.A.D.Jenkins & A.Ledwith, John
Wiley 1974, 第3章の教示に従って、室温で7時間光
化学的(λ=365nm)にグラフト化を実施した。次い
でポリマー溶液を非常に乾燥したジエチルエーテル/酢
酸エチル(9:1)の混合物中へ沈殿せしめた。沈殿
後、ポリマー生成物を濾取しそしてジエチルエーテルで
洗浄し、減圧乾燥しそして重量を測定した。(I)上へ
の(II)のポリマーのグラフト化によりプレ活性化ポリ
エーテルウレタン(III) が生成したことに対応する、重
量増加は8.14%であった。光化学的に開始されたグ
ラフト化反応は、以下の等式で表される。
【0057】
【化8】
【0058】上記生成物を用いて、また機能化ポリマー
(I)はN−アクリルオキシスクシンイミドと反応して
別の活性化ポリマーを提供した。
【0059】プロテインの共有カプリング プレ活性化ポリマー(III) を大量のDMACに溶解して
静電紡糸に適する濃度(16w/w%)を得た。イギリ
ス特許第1,530,990号明細書に記載の方法に従
って溶液を最低湿度で紡糸すると、必要とされるシート
の繊維状プレ活性化ポリエーテルウレタンが生成した。
【0060】そのシートを2×1cmの大きさのストリッ
プに切断した。ストリップのサンプルを放射性同位体で
標識したプロテインAの溶液(1.0mL、プロテインA
1mg/0.1モル炭酸水素ナトリウム緩衝液 pH8,
1mL)に浸漬せしめた。ストリップを2時間室温でその
まま放置した。次いでストリップを取り除き、最初の過
剰の緩衝液で洗浄し次いでイオン交換水で洗浄しその後
濾紙上で吸取乾燥した。
【0061】これらのストリップを硫酸ドデシルナトリ
ウム(SDS)の溶液(5mL,2重量%)中で1時間室
温で放置した。次いでそれらをイオン交換水で洗浄しそ
して乾燥した。次いで各ストリップを1分間シンチレー
ションカウンターでカウントし、そして参照と比較して
ポリエーテルウレタンに共有結合したプロテインAの量
を求めた。
【0062】結果は、プロテインAが約34mg/m2
レベルでポリマーに首尾よくカプリングしたことを示し
た。プロテインAの代わりに放射性同位体で標識したヒ
トIgG(Sigma Chemical, 1mg/mL)を用いて上記方
法を繰り返した。結果は、またヒトIgGも約34mg/
2 のレベルでポリマーに首尾よくカプリングしたこと
を示した。
【0063】ポリマーにカプリングしたプロテインAの
バインディング活性を以下のように評価した。プレ活性
化ポリエーテルウレタンの4つのストリップ(各々2×
1cm)を、カプリング緩衝液、0.1モル炭酸水素ナト
リウム、pH8、へのプロテインAの溶液(2.5mL,
1.0mg/mL)に添加した。ストリップを2時間室温で
インキュベーションし、カプリング緩衝液で洗浄し続い
て水で洗浄し、そして濾紙上で吸取乾燥した。
【0064】次いでストリップをブロッキング試薬(1
モル エタノールアミン pH8,5mL)に添加しそして
室温で1時間放置した。ストリップを水で洗浄しそして
0.15モルPBS中約4℃で保存した。
【0065】プロテインAをカプリングしたポリエーテ
ルウレタンのストリップを、放射性同位体で標識したヒ
トIgGの溶液(1.0mg/mL,1mL)中に室温で1時
間放置した。ストリップを取り出して水で洗浄し、そし
て0.2%トゥイーン(TWEEN, 商標) 20非イオン性界
面活性剤(5mL)を含有する0.15モルPBS中に5
分間放置して、非特異的結合プロテインを除去した。ス
トリップを水で再洗浄し、そして濾紙上で吸取乾燥し
た。各ストリップを1分間シンチレーションカウンター
を用いてカウントすると特異的バインディングの測度が
得られた。
【0066】(未標識の)プロテインAをカプリングし
たポリエーテルウレタンの別のストリップを、1時間
0.15モル(M)PBS/トゥイーン(TWEEN, 商標)
20非イオン性界面活性剤(上記)で調整された放射性
同位体で標識されたプロテインAの溶液中でインキュベ
ーションして、プロテインの非特異的バインディングの
測度を提供した。
【0067】既知量の放射性同位体で標識したヒトIg
G(1mg/mL)をポリエーテルウレタンに吸着せしめる
ことにより、参照ストリップを製造し、そしてカウント
した。結果は、プロテインAをカプリングしたポリエー
テルウレタンに対するヒトIgGの特異的バインディン
グが約92mg/m2 であったことを示した。同一サンプ
ルに対するプロテインの非特異的バインディングは約1
8mg/m2 であることが見い出された。
【0068】製造方法2 静電紡糸ポリエーテルウレタン(バイオマー、BIOMER,
商標)チューブを以下のように改質した。
【0069】1.ポリエーテルウレタンの機能化 繊維状チューブを、トリクロロアセチルイソシアネート
(3g,0.016モル)とヘキサン150mL中で24
時間反応せしめた。その後、チューブを水で非常に入念
に洗浄し次いで水中に2日間浸漬せしめ、そして減圧乾
燥した。チューブは塩素試験陽性を示した。ポリエーテ
ルウレタン及びトリクロロアセチルイソシアネートの全
反応を、以下の等式に描いた。
【0070】
【化9】
【0071】2.N−アクリロイルオキシスクシンイミ
ドのグラフト化 機能化ポリエーテルウレタン(IV)の繊維状チューブを
反応ガマに入れ、そしてドライ酢酸エチル25mL中Re
2(CO)10 (0.095g,0.00014モル)及び
N−アクリロイルオキシスクシンイミド(0.75g,
0.0044モル)の溶液を添加した。反応混合物を減
圧下で脱泡しそして反応ガマを密封した。反応溶液をλ
=365nm、周囲温度で2時間光分解した。次いで連続
的に回転させながら24時間60ワット(watt) のラン
プの下で照射を続けた。次いでチューブをドライ酢酸エ
チルで徹底的に洗浄しそして減圧乾燥した。グラフト化
ポリエーテルウレタン(V)の化学式を以下に示す。
【0072】
【化10】
【0073】製造方法3 ポリエーテルウレタン(バイオマー、BIOMER,商標)を
DMACに溶解して8w/w%溶液を生成した。溶液を
ガラス表面上に流してフィルムを生成した。溶剤の蒸発
後、フィルムを水中に浸漬しそしてガラス表面から剥離
した。フィルムを水で十分に洗浄しそして乾燥した。
【0074】ポリエーテルウレタンのフィルムを、製造
方法2の工程1及び2で繊維状チューブについて記載さ
れた方法と同一方法で処理した。
【0075】製造方法4 ポリエーテルウレタン(バイオマー、BIOMER,商標)の
サンプルを、下記方法により静電紡糸後、活性化した。
静電紡糸ポリマーのシートをヘキサン中に1時間浸漬
し、その後ヘキサメチレンジイソシアネート10g(過
剰)を添加し、そして反応体を室温で4日間放置した。
その後、シートを取り出しそしてヘキサンで入念に洗浄
し、そして減圧乾燥した。反応は以下のように具体的に
示される。
【0076】
【化11】
【0077】ポリマー(VI)のシートを、ドライアセト
ニトリル40mL中N−〔3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニロイル〕スクシンイミド(Fluka) 0.4
gの溶液が入ったフラスコに入れた。フラスコをホイル
で包み、そして室温で5日間撹拌した。その後シートを
取り出し、そして過剰のアセトニトリルで入念に洗浄
し、そして減圧乾燥した。活性化ポリマーを以下の等式
に従って生成した。
【0078】
【化12】
【0079】また、ヘキサメチレンジイソシアネートの
代わりに2,4−トリレンジイソシアネートを用いて上
記方法を実施すると活性化ポリマーが得られた。
【0080】プロテインの共有カプリング 放射性同位体で標識したプロテインAの溶液を、0.1
モル 炭酸水素ナトリウム pH8 1mL当りプロテイン
A 1mgを含有するように調整した。得られた溶液のサ
ンプル(2mL)を、ポリマー(VII) のディスク(直径=
2.54cm)を含有するミリポア(Millipore) フィルタ
ーに、シリンジポンプを用いて流速1mL/時で通過せし
めた。2時間後、ディスクを取り出し、そして0.1モ
ル 炭酸水素ナトリウムで洗浄しそしてイオン交換水で
洗浄した。ディスクを1時間硫酸ドデシルナトリウム
(SDS)(2%)10mL中に放置し、イオン交換水で
洗浄しそして吸取乾燥した。次いでディスクを1分間バ
イアル中でシンチレーションカウンターを用いてカウン
トした。カウント(CPM) の結果、ポリマーに共有結合し
たプロテインAの量及びまた対照として非活性化ポリマ
ー(バイオマー、BIOMER,商標)上に物理的に吸着した
プロテインAの量、を、下記第1表に示す。
【0081】
【表1】
【0082】製造方法5 ポリエーテルウレタン(バイオマー、BIOMER,商標)の
サンプルを下記方法により静電紡糸後活性化した。静電
紡糸ポリマーをイソシアネートエチルメタクリレートモ
ノマー(20v/v%ヘキサン溶液)と室温で5日間反
応せしめた。その後、機能化ポリエーテルウレタンをヘ
キサン、メタノール、水そしてメタノールでそれぞれ洗
浄した。反応は以下のように示される。
【0083】
【化13】
【0084】マクロマー (VIII) (1.9g)の被検体
をドライアセトニトリル10mL中N−アクリロイルオキ
シスクシンイミド0.5g及びアセトニトリル10mL中
に溶解したアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
0.2gの混合物を入れた反応ガマに入れた。脱泡後、
重合を60℃で4時間実施した。マクロマーシートを取
り出しそしてアセトニトリルで洗浄しそして減圧乾燥し
た。得られた生成物(IX) は、以下の反応に従って製造
した。
【0085】
【化14】
【0086】プロテインの共有結合 製造方法4で提供された方法に従って、プロテインAを
ポリマー(IX) のサンプルに結合せしめた。結果を下記
第2表に示す。
【0087】
【表2】
【0088】製造方法6 ポリエーテルウレタン(バイオマー、BIOMER,商標)の
サンプルを下記方法により静電紡糸後活性化した。静電
紡糸ポリエーテルウレタンシートを2−クロロエチルイ
ソシアネート(ヘキサン20mL中1g)と室温で24時
間反応せしめた。その後、シートをヘキサン、メタノー
ル、水そしてメタノールでそれぞれ洗浄しそして減圧乾
燥した。グラフトコポリマー(X)をRe2(CO)10
存在下でクロロエチルイソシアネート化ポリエーテルウ
レタンにN−アクリロイルオキシスクシンイミドモノマ
ー(アセトニトリル10mL中0.5g)をグラフトせし
めることにより合成した。反応は以下のように示され
る。
【0089】
【化15】
【0090】プロテインの共有結合 製造方法4で提供された方法に従って、プロテインAを
ポリマー(X)のサンプルに結合せしめた。結果を下記
第3表に示す。
【0091】
【表3】
【0092】製造方法7〜17 合成 静電紡糸バイオマー(BIOMER,商標)ポリマーシートの
2つのサンプル(各々2g)を、2つの反応ガマへ入れ
た。第一のものを、石油エーテル(b.p.60〜80℃)
への30%ヘキサメチレンジイソシアネートと40℃で
反応せしめ、そして第二のものを大量のトリレン2,4
−ジイソシアネートと室温で反応せしめた。これらのサ
ンプルの反応時間は5日間であった。その後、2つのサ
ンプルを石油エーテルで入念に洗浄し、そして減圧乾燥
した。
【0093】各イソシアネート化バイオマー(BIOMER,
商標)ポリマーサンプルを、大量のエタノールアミン
(25mL)と17時間室温で反応せしめると、ヒドロキ
シレート化ポリマー類が得られた。
【0094】ヘキサメチレンジイソシアネートでイソシ
アネート化されたヒドロキシレート化バイオマー(BIOM
ER,商標)のサンプル(1g)1つを、トリエチルアミ
ン(0.2mL)の存在下ドライアセトニトリル10mL中
に溶解したFMP 0.5g(1.7ミリモル)と反応
せしめると、本発明の活性化ポリマーが得られた(製造
方法7)。反応は、室温で24時間実施した。その後、
サンプルをドライアセトニトリルで洗浄しそして減圧乾
燥した。
【0095】同じヒドロキシレート化バイオマー(BIOM
ER,商標)ポリマーの別のサンプル(1g)を、アセト
ニトリルに溶解したCDI(0.5g,3ミリモル)と
反応せしめると、本発明の活性化ポリマーが得られた
(製造方法8)。反応は室温で24時間実施した。その
後、サンプルをドライアセトニトリルで洗浄しそして減
圧乾燥した。
【0096】トリレン2,4−ジイソシアネートでイソ
シアネート化されたヒドロキシレート化バイオマー(BI
OMER,商標)の2つのサンプルの活性化について、上記
方法と同様の方法を繰り返した。サンプルをFMPで活
性化すると本発明の活性化ポリマーが得られた(製造方
法9)。同様に、サンプルをCDIで活性化すると本発
明の活性化ポリマーが得られた(製造方法10)。
【0097】上記方法に従ってヘキサメチレンジイソシ
アネート及び2,4−トリレンジイソシアネートでそれ
ぞれイソシアネート化された別のポリウレタンサンプル
をヒドロキシル状態に変換し、そしてCDIで活性化し
た。より詳細には、ヘキサメチレンジイソシアネートで
イソシアネート化されたポリマーサンプルを、6−アミ
ノ−1−ヘキサノール(製造方法11)及びグルカミン
(製造方法14)との反応によりヒドロキシル状態に変
換せしめた。2,4−トリレンジイソシアネートでイソ
シアネート化されたポリマーサンプルは、6−アミノ−
1−ヘキサノール(製造方法12)、ポリ(エチレング
リコール)(分子量4000)(製造方法13)及びグ
ルカミン(製造方法15)との反応により、ヒドロキシ
ル状態に変換した。
【0098】カルボキシレート化ポリマー類は、ヘキサ
メチレンジイソシアネート及び2,4−トリレンジイソ
シアネートでそれぞれイソシアネート化されたポリウレ
タンサンプルより製造した。これらのイソシアネート化
ポリマーサンプルを6−アミノカプロン酸と反応せし
め、そして得られたカルボキシレート化ポリマー類をC
DIを用いて活性化した(それぞれ製造方法16及び1
7)。
【0099】活性化バイオマー(BIOMER,商標)ポリマ
ーへのプロテインAのカプリング 製造方法7〜17の各ポリマーのディスク(直径=2.
54cm)をプロテインA溶液で試験した。各ディスクを
ミリポア(Millipore) フィルターホルダーに設置しそし
125Iで標識したプロテインA(1mg/mL溶液、0.
1モル 炭酸水素ナトリウム pH8中プロテインA(Sig
ma) 20mgで希釈したプロテインA 125I(Amersham,
10mCi )より調整した)3mLを、シリンジポンプを用
いて流速1mL/時でディスクを通過せしめた。3時間
後、各サンプルを0.1モル 炭酸水素ナトリウムで十
分に洗浄し、続いてイオン交換水で洗浄し、次いでSD
S(2%)10mL中に1時間放置した。次いで各サンプ
ルをイオン交換水で洗浄し、吸取乾燥しそして1分間、
オプチフェーズ・シンチラント(Optiphase scintillan
t) 8mLを含有するバイアル中でカウントした。カウン
トの結果(cpm) 及び活性化支持体類に共有結合したプロ
テインAの量と共に対照を下記第4表に示す。
【0100】
【表4】
【0101】製造方法18 プロテインAカプリング 上記ポリマーVII 及び製造方法8のポリマーの3つのデ
ィスク(直径=2.54cm)を、各々ミリポア(Millipo
re) フィルターホルダーに設置し、そして0.1モル
炭酸水素ナトリウム(pH8)中プロテインA(1mg/mL
溶液)5mLを、シリンジポンプを用いて流速1mL/時で
通過せしめた。5時間後、サンプルを0.1モル 炭酸
水素ナトリウム、続いて水で洗浄し、そして濾紙上で吸
取乾燥した。次いでサンプルをブロッキング試薬(エタ
ノールアミン;pH8;10mL)と反応せしめ、そして1
時間室温で放置した。サンプルを水で洗浄しそしてPB
S中4℃で保存した。対照として未反応バイオマー(BI
OMER,商標)ポリマーを用いて同様の方法で実施した。
【0102】IgGバインディング プロテインA/ポリマーVII 及びプロテインA/製造方
法8のポリマーの各サンプルにつき3つのディスクを、
ミリポア(Millipore) フィルターホルダーに設置し、そ
して0.15モルPBS(pH7)中放射性同位体で標識
された(125Iで標識されたヒトIgGの溶液(2.8mg
/mL,5mL)を流速1mL/時で通過せしめた。5時間
後、ディスクを取り出し、水で洗浄し、そして0.2%
トゥイーン(TWEEN, 商標) 20非イオン性界面活性剤を
含有する0.15モルPBS中に1時間置いて、非特異
的結合プロテインを除去した。ディスクを水で洗浄し、
そして濾紙で吸取乾燥した。各ディスクを1分間オプチ
フェーズ・シンチラント(Optiphase scintillant) 8mL
中でカウントした。カウントの結果(cpm) 及びプロテイ
ンA/ポリマー支持体類に結合したIgGの量を対照に
ついての結果と共に下記第5表に示す。
【0103】
【表5】
【0104】IgGカプリング IgGを、ポリマーVII 及び製造方法8のポリマーのサ
ンプルに直接カプリングせしめた。この場合、これらの
サンプル各々につき3つのディスクを2つのミリポア(M
illipore) フィルターホルダーに設置し、そして標識し
たIgG(125I)のPBS溶液(2mg/mL,5mL)を流
速1mL/時で通過せしめた。その後、ディスクを取り出
して水で洗浄し、そしてSDS(2%)10mL中に1時
間置いた。次いで各ディスクを水で洗浄しそして1分間
オプチフェーズ・シンチラント(Optiphase scintillan
t) 8mLを含有するバイアル中でカウントした。支持体
類へのIgG結合の結果を下記第6表に示す。
【0105】
【表6】
【0106】
【実施例】本発明に従うイムノアッセイ方法の具体例は
以下の通りである。これらの例は、本発明の範囲を限定
するものではなく、具体的な用途に関して提供される。
本明細書で用いられるすべての材料は、市販されていた
か又は本明細書に記載されるもしくは当業者に容易に既
知である方法及び材料を用いて製造された。
【0107】例1 i)活性化 5つのバイオマー(BIOMER,商標)膜のディスクを、4
0%ヘキサメチレンジイソシアネートのヘキサン溶液と
24時間40℃で反応せしめた。得られたイソシアネー
ト化膜を非常に入念にドライアセトニトリルで洗浄しそ
して減圧乾燥し、その後IgGカプリングに用いた。
【0108】ii)潅流によるIgGのカプリング ヒトIgG(I−125)、(4mL、カプリング緩衝液
pH8.4中の濃度1mg/mL)を、2時間以内に2回各デ
ィスクに通過せしめた。その後、ディスクをカプリング
緩衝液続いて0.2%トゥイーン(TWEEN, 商標) 非イオ
ン性界面活性剤のPBS溶液で十分に洗浄し、その後カ
ウントした。カプリングしたIgGの重量を第7表に示
す。
【0109】
【表7】
【0110】iii) エンザイム・リンクト・イムノアッ
セイ ヒトIgG(未標識)を、(ii)に記載の方法により活
性化膜のサンプルにカプリングせしめた。残りのイソシ
アネート基を、1モル重炭酸ナトリウムへのエタノール
アミンの1%溶液で洗浄することによりブロックした。
膜を最終的にPBSで洗浄し、そして濾紙で吸取ること
により乾燥した。次いでそれをディスク状(直径0.6
3cm)に切断し、それらを96ウェルマニホールドに入
れた。次いで、各ウェルに1v/v%脱脂粉乳のPBS
溶液200μLを添加し、続いてディスクをPBSで洗
浄し次いで0.02%トゥイーン(TWEEN, 商標) 20非
イオン性PBS溶液で洗浄することにより、更なるブロ
ッキングを(非特異的バインディングの能力を排除する
ために)実施した。
【0111】iv) 抗ヒトIgGペルオキシダーゼ結合体
のバインディング 2つのタイプのヤギ抗ヒトIgG(Fab及びFc に特異
的)ペルオキシダーゼ結合体を、 Sigmaより購入した。
各々を一組みの希釈度(1v/v%脱脂スキムミルクの
PBS溶液中、1/100,1/500,1/250
0)で調製した。各希釈液200μLを、 (iii)で調整
したマニホールドのウェルに分配し、そして室温で1時
間インキュベーションした。次いでディスクを0.02
%トゥイーン(TWEEN, 商標) 20非イオン性界面活性剤
のPBS溶液で十分に洗浄した。各ウェルに200μL
ずつ色原体(基質ABTS)を添加した。室温で15分
経過後、出現した青緑色をELISA読取り装置により
評定した。
【0112】市販微孔質膜、イモビロン(IMMOBILON, 商
標)(ミリポア、Millipore)を用いて、厳密に同様の一
連の実験を実施した。
【0113】ポリウレタン膜を用いると、抗ヒトIgG
のより低い希釈度(1/100,1/500)では測定
するには強すぎる色彩を迅速に提供し、同様に市販材料
を用いると発色はより遅かった。最も高い希釈度(1/
2500)では、ポリウレタン膜を用いる吸収が1.8
1であり、そしてイモビロン(IMMOBILON, 商標)では
1.1であった。
【0114】ヒトIgGを用いずに、抗ヒトIgGペル
オキシダーゼを用いた対照は、いずれの試験においても
十分な色彩を提供しなかった。
【0115】例2 (i)拡散的バインディング ヒトIgG(未標識)を、例1に記載の活性化バイオマ
ー(BIOMER,商標)膜の4つディスク(各々直径2.5
4cm)に、そこに記載された方法によりカプリングさせ
た。未反応イソシアネート基を1モル重炭酸ナトリウム
へのエタノールアミンの1%溶液で洗浄することにより
ブロックした。
【0116】これらのディスクを0.2%トゥイーン(T
WEEN, 商標) 20非イオン性界面活性剤のPBS溶液で
洗浄し、そして最後にPBSで洗浄した。次いで各ディ
スクに1v/v%脱脂粉乳のPBS溶液1.2mLを添加
することにより、更なるブロッキングを(非特異的バイ
ンディングの能力を排除するために)実施した。これに
続いてディスクを0.02%トゥイーン(TWEEN, 商標)
20非イオン性界面活性剤のPBS溶液で洗浄した。
【0117】2つのタイプのヤギ抗ヒトIgGペルオキ
シダーゼ(AHIP)結合体(Fab及びFc に特異的)
を、1v/v%脱脂スキムミルクのPBS溶液中、1/
2500及び1/5000の2つの希釈度で調製した。
各希釈液1.2mLをIgGカプリング膜の各ディスク上
に添加し、そして1時間室温でインキュベーションし
た。次いでディスクを潅流方法により0.2%トゥイー
ン(TWEEN, 商標) のPBS溶液60mLで十分に洗浄し
た。次いで各ディスクを3つのディスク(直径0.63
cm)に切断し、それをELISA読取り装置用96ウェ
ルマニホールドに入れた。各ウェルに200μLずつ色
原体(基質ABTS)を添加した。室温で15分経過
後、出現した緑色の吸光度(405nm)をELISA読
取り装置により測定した。非活性化バイオマー(BIOME
R)の対照ディスクを、ヤギ抗ヒトIgGペルオキシダ
ーゼと共にインキュベーションし、ヒトIgGを用いず
に上記と同様に処理し、そしてELISA技術により試
験した。吸光度の結果を第8表に示す。
【0118】
【表8】
【0119】(ii)ドットバインディング 活性化バイオマー(BIOMER,商標)膜のディスク(直径
=2.54cm)1つを、ヒトIgG(1mg/カプリング
緩衝液pH8.5 1mL)400μLに対して1時間室温
でドットバインディングモードによって暴露した。次い
で残りのイソシアネート化基を1モル重炭酸ナトリウム
へのエタノールアミンの1v/v%溶液と反応せしめ、
そして0.2%トゥイーン(TWEEN, 商標) 20非イオン
性界面活性剤のPBS溶液で及びPBS溶液でそれぞれ
洗浄した。次いでディスクを1%脱脂スキムミルクへの
AHIP(Fabに特異的)の1/100希釈液に対して
ドットバインディングにより暴露し、そして0.2%ト
ゥイーン(TWEEN, 商標) 20非イオン性界面活性剤のP
BS溶液で洗浄しそして最後にPBSで洗浄した。
【0120】非活性化バイオマー(BIOMER,商標)膜の
対照ディスクをヒトIgGを含まないAHIP 400
μLに対して暴露しそして上記のように洗浄した。
【0121】色原体(基質ABTS)を各ディスクに2
mLずつ添加し、そして15分間インキュベーションし
た。その後、対照の白色バックグラウンドに対して暗紫
色スポットとして陽性抗体反応が認められた。
【0122】例3 エンザイム・リンクト・イムノアッセイ(フルサンドウ
イッチアッセイ)用ポリ(エーテル−ウレタン)膜 ひと腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)抗原の検出は、
フルサンドウイッチイムノアッセイにより実施した。こ
のようなアッセイの基本的な工程は以下の通りである。
【0123】方法 (1)例1に記載された活性化バイオマー(BIOMER,商
標)膜のディスク(直径=2.54cm)を、カプリング
緩衝液(pH9.2)(0.1モル硫酸ナトリウム及び
0.15モル塩化ナトリウム)2mL中マウスモノクロー
ナル抗体IgG1(JID9)200μgの溶液と反応
せしめた。JID9の膜との反応は、室温で2時間潅流
することにより実施され、次いで4℃で17時間浸漬せ
しめた。次いでディスクを0.2%トゥイーン(TWEEN,
商標) 20非イオン性界面活性剤のPBS溶液及び最後
にPBSで非常に入念に洗浄した。
【0124】(2)未反応イソシアネート化基を1モル
重炭酸ナトリウムへのエタノールアミンの1%溶液次い
で1v/v%脱脂粉乳のPBS溶液でブロックした。こ
れに続いて、0.02%トゥイーン(TWEEN, 商標) 20
非イオン性界面活性剤のPBS溶液でディスクを洗浄し
た。
【0125】(3)JID9がカプリングされている膜
を、ヒトTNFα(特異的活性6×107 ユニット/m
g)5μgを含有するPBS 2mL中に室温で2時間浸
漬せしめた。次いで膜を取り出しそして0.2%トゥイ
ーン(TWEEN, 商標) 20非イオン性界面活性剤のPBS
溶液そして最後にPBSで洗浄した。
【0126】(4)膜上にTNF抗原を固定化された膜
を、ウサギ抗マウスIgGポリクローナル抗体(PBS
−トゥイーン(TWEEN, 商標) への1/100の希釈液)
に対して暴露しそして室温で1時間バインディングせし
めた。ディスクを、0.2%トゥイーン(TWEEN, 商標)
20非イオン性界面活性剤のPBS溶液及びPBSで、
それぞれ非常に入念に洗浄した。
【0127】(5)膜−結合ポリクローナル抗体を、P
BS−トゥイーン(TWEEN, 商標) 20非イオン性界面活
性剤で1/5000に希釈したペルオキシダーゼ抗ウサ
ギIgG(ARIP)(Silenus製造)とインキュベーシ
ョンし、そして室温で1時間バインディングせしめた。
ディスクを0.2%トゥイーン(TWEEN, 商標) 20非イ
オン性界面活性剤のPBS溶液及び最後にPBSで洗浄
した。
【0128】(6)得られた膜から、4つのディスク
(直径0.63cm)を切断し、次いでそれを96ウェル
マイクロタイタープレートに入れ、そして0.02%H
2 2 を含有する0.1モル クエン酸緩衝液pH4.0
中2,2−アジノ−ビス(3−エチルベンゼンチアゾリ
ンスルホン酸)(ABTS)0.3mg/mLの色原体20
0μLと共にインキュベーションした。発色した緑色溶
液の405nmにおける吸光度をELISA読取り装置に
より測定した。吸光度のデータを第9表に示す。
【0129】(7)未反応バイオマー(BIOMER,商標)
膜の対照ディスクを、上記工程(1),(5)及び
(6)のように処理して抗体の非特異的吸着を求め、そ
して吸光度データを第9表に示す。
【0130】
【表9】
【0131】材料 組換えヒトTNF、モノクローナル抗体JID9及びポ
リクローナル抗体は、Dr P.J. McLaughlin、免疫学科、
リバプール(Liverpool) 大学より入手した。
【0132】
【発明の効果】本発明は幾つかの利点を提供する。或る
重要な利点は、本明細書に記載される繊維の使用によ
り、膜サイズ比に対して非常に好ましい表面領域が得ら
れることである。例えば、直径1μmである繊維につい
て、材料1gは総表面領域約4m 2 を有すると計算され
る。更に、本明細書に記載される分析用支持体が膜であ
る場合には、支持体は別の可能な支持体類と比較して物
理学的安定性、耐久性及び強度を提供する一体式共有結
合構造を有する。本発明のまた別の利点は、別の既知ポ
リマー支持体の使用と比較して本明細書に記載される特
定のポリマー支持体を用いて達成できるアッセイ感度に
おける改良である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルコルム ドナルド パーブリック イギリス国,ハートフォードシャー ダブ リュディー2 3エヌエックス,ブシェ イ,ゴールドハーバー レーン 84 (72)発明者 トレバー ジョン ウェアー イギリス国,ミドルセックス エイチエー 2 8ティーディー,サウス ハロー,バ ルモラル ロード 22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)支持体上に、検出可能に標識され
    た免疫学的複合体を形成せしめる工程、及び(B)標識
    された免疫学的複合体を検出する工程、 (ここで、支持体は、ポリマーのアミド基、ウレタン基
    もしくは尿素基の窒素原子を介してポリマーに付着され
    た活性化基を含んで成る繊維形成もしくはフィルム形成
    ポリアミド、ポリウレタンもしくはポリ尿素ポリマー由
    来であり、活性化基は生物学的化合物のアミノもしくは
    チオール基と反応でき、 かつここで、検出可能に標識された免疫学的複合体は、
    ポリマーの活性化基及び免疫学的複合体の成分間のリン
    クの生成によりポリマーに共有結合される)を含んで成
    る分析物検出用イムノアッセイ。
  2. 【請求項2】 (a)製品に共有結合される分析物に特
    異的な抗体を担持する多孔質膜を含んで成る水不溶性製
    品、及び(b)分析物に特異的な検出可能に標識された
    抗体、 (ここで、多孔質膜は、ポリマーのアミド基、ウレタン
    基もしくは尿素基の窒素原子を介してポリマーに付着さ
    れた活性化基を含んで成る繊維形成もしくはフィルム形
    成ポリアミド、ポリウレタンもしくはポリ尿素ポリマー
    由来であり、活性化基は分析物に特異的な抗体のアミノ
    もしくはチオール基と反応して、ポリマーの活性化基及
    び抗体の間のリンクの生成により、ポリマーに対する抗
    体の共有結合を達成できる)を含んで成る分析物検出用
    イムノアッセイのための試験キット。
JP9304593A 1992-04-21 1993-04-20 ポリアミド、ポリウレタンもしくはポリ尿素支持体を用いるイムノアッセイ並びに試験キット Pending JPH07260789A (ja)

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