JPH07258255A - ベンジルグアニン誘導体 - Google Patents
ベンジルグアニン誘導体Info
- Publication number
- JPH07258255A JPH07258255A JP7388494A JP7388494A JPH07258255A JP H07258255 A JPH07258255 A JP H07258255A JP 7388494 A JP7388494 A JP 7388494A JP 7388494 A JP7388494 A JP 7388494A JP H07258255 A JPH07258255 A JP H07258255A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- derivative
- guanine
- pyridylmethyl
- benzylguanine
- cells
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 O6-メチルグアニンDNAメチルトランスフ
ェラーゼの活性をより効果的に阻害し延いてはアルキル
化型抗癌剤のより優れた増強剤となるり得る新規な化合
物の提供。 【構成】 新規なO6-ベンジルグアニン誘導体、すなわ
ちO6-(4-ピリジルメチル)グアニンおよびO6-(3-ピ
リジルメチル)グアニン。 【効果】 O6-メチルグアニンDNAメチルトランスフ
ェラーゼの酵素活性阻害剤さらにはアルキル化型抗癌剤
の増強剤を提供できる。
ェラーゼの活性をより効果的に阻害し延いてはアルキル
化型抗癌剤のより優れた増強剤となるり得る新規な化合
物の提供。 【構成】 新規なO6-ベンジルグアニン誘導体、すなわ
ちO6-(4-ピリジルメチル)グアニンおよびO6-(3-ピ
リジルメチル)グアニン。 【効果】 O6-メチルグアニンDNAメチルトランスフ
ェラーゼの酵素活性阻害剤さらにはアルキル化型抗癌剤
の増強剤を提供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なベンジルグアニ
ン誘導体に関するもので当該化合物は修復酵素O6-メチ
ルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼの働きを
阻害し、ひいてはアルキル化型抗癌剤の効果増強剤とし
て有効なものであり、製薬業界において利用され得るも
のである。
ン誘導体に関するもので当該化合物は修復酵素O6-メチ
ルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼの働きを
阻害し、ひいてはアルキル化型抗癌剤の効果増強剤とし
て有効なものであり、製薬業界において利用され得るも
のである。
【0002】
【従来の技術】O6-メチルグアニン-DNAメチルトラ
ンスフェラーゼ(以下MGMTという)は、DNA内に生
じたO6-メチルグアニンからメチル基を受け取り自らは
酵素活性を失うが、メチル化されたグアニンを有するD
NAの基本構造を変化させることなく、グアニンを効率
よく再生し、修復する酵素として知られているものであ
る。また、MGMTは、その特性の故に、N'-〔(4-アミ
ノ-2-メチル-5-ピリミジニルメチル〕-N-(2-クロロエチ
ル)-N-ニトロソウレア(以下ACNUという)等のアルキ
ル化型抗癌剤の殺細胞効果を減少させることも知られて
いる。一方、MGMTの基質であるO6-メチルグアニン
で細胞を処理することにより、ACNUの活性を高める
ことができることが見出され、最近では、アンソニーペ
グ等は、O6-ベンジルグアニンあるいはそれらの誘導体
がMGMTの活性をより効果的に阻害することを見出し
ている(J. Med. Chem. 1992, 35, 4486-4491) 。
ンスフェラーゼ(以下MGMTという)は、DNA内に生
じたO6-メチルグアニンからメチル基を受け取り自らは
酵素活性を失うが、メチル化されたグアニンを有するD
NAの基本構造を変化させることなく、グアニンを効率
よく再生し、修復する酵素として知られているものであ
る。また、MGMTは、その特性の故に、N'-〔(4-アミ
ノ-2-メチル-5-ピリミジニルメチル〕-N-(2-クロロエチ
ル)-N-ニトロソウレア(以下ACNUという)等のアルキ
ル化型抗癌剤の殺細胞効果を減少させることも知られて
いる。一方、MGMTの基質であるO6-メチルグアニン
で細胞を処理することにより、ACNUの活性を高める
ことができることが見出され、最近では、アンソニーペ
グ等は、O6-ベンジルグアニンあるいはそれらの誘導体
がMGMTの活性をより効果的に阻害することを見出し
ている(J. Med. Chem. 1992, 35, 4486-4491) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、これら
の知見を基に、各種のO6-ベンジルグアニン誘導体につ
いて検討し、MGMTの活性をより効果的に阻害しひい
てはアルキル化型抗癌剤のより優れた増強剤となるり得
る新規な化合物を提供せんとするものである。
の知見を基に、各種のO6-ベンジルグアニン誘導体につ
いて検討し、MGMTの活性をより効果的に阻害しひい
てはアルキル化型抗癌剤のより優れた増強剤となるり得
る新規な化合物を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、研究の結
果、新規なO6-ベンジルグアニン誘導体の中に前記特性
を満たすものが存在することを見出し、本発明を完成し
たのである。すなわち、本発明は、下記構造式(1)また
は(2)で表されることを特徴とするベンジルグアニン誘
導体に関するものである。
果、新規なO6-ベンジルグアニン誘導体の中に前記特性
を満たすものが存在することを見出し、本発明を完成し
たのである。すなわち、本発明は、下記構造式(1)また
は(2)で表されることを特徴とするベンジルグアニン誘
導体に関するものである。
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】
【0007】以下、本発明について詳説する。本発明の
O6-ベンジルグアニン誘導体は、すでに報告されている
方法に準じ、すなわち2-アミノ-6-クロロプリンのアル
コキシ化反応により容易に合成することができる。より
詳細には2-アミノ-6-クロロプリンと対応するピリジル
メタノールをナトリウムの存在下に加熱下、好ましくは
50℃〜150℃で10時間〜50時間反応させること
により得ることができ、カラムクロマト等の常套手段に
より精製し製品とすることができる。本発明のO6-ベン
ジルグアニン誘導体は、他の誘導体と異なり水溶性であ
るため、アルキル化型抗癌剤たとえばACNUや1,3-ビ
ス(2-クロロエチル)ニトロソウレア等の増強剤として使
用される際、その製剤化や投与適性に優れており薬剤と
して非常に有望なものである。本発明のO6-ベンジルグ
アニン誘導体には、さらにもう一種類の異性体が存在す
るが、構造的に殆ど同一の異性体であるにも係わらず、
MGMTの活性を阻害する効果に乏しくアルキル化型抗
癌剤の増強剤としては期待できないものである。
O6-ベンジルグアニン誘導体は、すでに報告されている
方法に準じ、すなわち2-アミノ-6-クロロプリンのアル
コキシ化反応により容易に合成することができる。より
詳細には2-アミノ-6-クロロプリンと対応するピリジル
メタノールをナトリウムの存在下に加熱下、好ましくは
50℃〜150℃で10時間〜50時間反応させること
により得ることができ、カラムクロマト等の常套手段に
より精製し製品とすることができる。本発明のO6-ベン
ジルグアニン誘導体は、他の誘導体と異なり水溶性であ
るため、アルキル化型抗癌剤たとえばACNUや1,3-ビ
ス(2-クロロエチル)ニトロソウレア等の増強剤として使
用される際、その製剤化や投与適性に優れており薬剤と
して非常に有望なものである。本発明のO6-ベンジルグ
アニン誘導体には、さらにもう一種類の異性体が存在す
るが、構造的に殆ど同一の異性体であるにも係わらず、
MGMTの活性を阻害する効果に乏しくアルキル化型抗
癌剤の増強剤としては期待できないものである。
【0008】
【作用】本発明のO6-ベンジルグアニン誘導体は、MG
MTの活性を阻害し、アルキル化型抗癌剤の殺細胞効果
を増強するという作用を示すものである。
MTの活性を阻害し、アルキル化型抗癌剤の殺細胞効果
を増強するという作用を示すものである。
【0009】
○ 誘導体の製造 O6-(4-ピリジルメチル)グアニン(構造式(1)の化合
物) 4-ピリジルメタノール 3.0g(27.5mmol)にナトリウ
ム 81mg(3.52mmol)と2-アミノ-6-クロロプリン 2
00mg(1.18mmol)を加え油浴中で攪拌しながら70
℃で2日間反応させた。反応生成物をシリカゲルカラム
に充填し、始めにクロロホルム、次いでクロロホルム/
メタノール混合溶媒(濃度勾配0〜10%)で溶出さ
せ、分離された生成物は集めて溶媒を除去した。残渣を
少量の水に溶解し酢酸を加えて再沈させた。水/メタノ
ール系で再結晶させたところ薄褐色粉末状のO6-(4-ピ
リジルメチル)グアニン135.5mg(47.4%)を得
た。測定された特性値は以下のとおりであった。 融点:247−250℃(結晶の色は237℃で褐色に
変化した) UVλmax nm (pH=1) 255(ε=5500), 260(5400), 290
(9700) (H2O) 242(7500), 263(sh)(5200), 282(7500) (pH=12) 248(sh)(5100), 254(sh)(4900), 264(4900) 284(7500)1 H-NMR(Me2SO-d6)δ:5.55(s,2H,CH2), 6.29(s,2
H,NH2),7.65(d,2H,3-ArH,J2,3=6.1Hz),7.85(s,1H,8-H),
8.58(d,2H,2-ArH),12.47(s,1H,NH) 元素分析 理論値 C:50.77% H:4.65%
N:32.29% 測定値 C:50.82% H:4.77% N:32.
25% (但し一水塩として)
物) 4-ピリジルメタノール 3.0g(27.5mmol)にナトリウ
ム 81mg(3.52mmol)と2-アミノ-6-クロロプリン 2
00mg(1.18mmol)を加え油浴中で攪拌しながら70
℃で2日間反応させた。反応生成物をシリカゲルカラム
に充填し、始めにクロロホルム、次いでクロロホルム/
メタノール混合溶媒(濃度勾配0〜10%)で溶出さ
せ、分離された生成物は集めて溶媒を除去した。残渣を
少量の水に溶解し酢酸を加えて再沈させた。水/メタノ
ール系で再結晶させたところ薄褐色粉末状のO6-(4-ピ
リジルメチル)グアニン135.5mg(47.4%)を得
た。測定された特性値は以下のとおりであった。 融点:247−250℃(結晶の色は237℃で褐色に
変化した) UVλmax nm (pH=1) 255(ε=5500), 260(5400), 290
(9700) (H2O) 242(7500), 263(sh)(5200), 282(7500) (pH=12) 248(sh)(5100), 254(sh)(4900), 264(4900) 284(7500)1 H-NMR(Me2SO-d6)δ:5.55(s,2H,CH2), 6.29(s,2
H,NH2),7.65(d,2H,3-ArH,J2,3=6.1Hz),7.85(s,1H,8-H),
8.58(d,2H,2-ArH),12.47(s,1H,NH) 元素分析 理論値 C:50.77% H:4.65%
N:32.29% 測定値 C:50.82% H:4.77% N:32.
25% (但し一水塩として)
【0010】O6-(3-ピリジルメチル)グアニン(構造
式(2)の化合物) 3-ピリジルメタノール 3.0ml(30.9mmol)にナトリ
ウム 81mg(3.52mmol)と2-アミノ-6-クロロプリン
200mg(1.18mmol)を加え油浴中で攪拌しながら7
0℃で2日間反応させた。反応生成物をシリカゲルカラ
ムに充填し、始めにクロロホルム、次いでクロロホルム
/メタノール混合溶媒(9/1)で溶出させ、分離され
た生成物は集めて溶媒を除去した。残渣を水溶液から再
結晶させたところ白色針末結晶のO6-(3-ピリジルメチ
ル)グアニン177.2mg(62.0%)を得た。測定され
た特性値は以下のとおりであった。 融点:101−105℃ UVλmax nm (pH=1) 262 (ε=7800), 289(11300) (H2O) 242(8600), 261(sh)(6500), 269(sh)(7600), 28
2(8800) (pH=12) 247(sh)(6400), 261(6400), 269(6800),284(88
00)1 H-NMR(Me2SO-d6)δ:5.52(s,2H,CH2), 6.31(s,2
H,NH2),7.44(dd,1H,5-ArH,J4,5=7.8Hz,J5,6=4.7Hz),7.8
3(s,1H,8-H),7.95(dt,1H,4-ArH,J2,4=2.0Hz,J4,6=2.0H
z) 8.55(dd,1H,6-ArH), 8.75(d,1H,2-ArH),12.45((s,1H,N
H) 元素分析 理論値 C:49.07% H:4.87%
N:31.21% 測定値 C:48.77% H:4.78% N:31.
14% (但し1.5水塩として)
式(2)の化合物) 3-ピリジルメタノール 3.0ml(30.9mmol)にナトリ
ウム 81mg(3.52mmol)と2-アミノ-6-クロロプリン
200mg(1.18mmol)を加え油浴中で攪拌しながら7
0℃で2日間反応させた。反応生成物をシリカゲルカラ
ムに充填し、始めにクロロホルム、次いでクロロホルム
/メタノール混合溶媒(9/1)で溶出させ、分離され
た生成物は集めて溶媒を除去した。残渣を水溶液から再
結晶させたところ白色針末結晶のO6-(3-ピリジルメチ
ル)グアニン177.2mg(62.0%)を得た。測定され
た特性値は以下のとおりであった。 融点:101−105℃ UVλmax nm (pH=1) 262 (ε=7800), 289(11300) (H2O) 242(8600), 261(sh)(6500), 269(sh)(7600), 28
2(8800) (pH=12) 247(sh)(6400), 261(6400), 269(6800),284(88
00)1 H-NMR(Me2SO-d6)δ:5.52(s,2H,CH2), 6.31(s,2
H,NH2),7.44(dd,1H,5-ArH,J4,5=7.8Hz,J5,6=4.7Hz),7.8
3(s,1H,8-H),7.95(dt,1H,4-ArH,J2,4=2.0Hz,J4,6=2.0H
z) 8.55(dd,1H,6-ArH), 8.75(d,1H,2-ArH),12.45((s,1H,N
H) 元素分析 理論値 C:49.07% H:4.87%
N:31.21% 測定値 C:48.77% H:4.78% N:31.
14% (但し1.5水塩として)
【0011】O6-(2-ピリジルメチル)グアニン(対照
化合物) 2-ピリジルメタノール 5.0ml(70.7mmol)にナトリ
ウム 300mg(4.35mmol)と2-アミノ-6-クロロブリ
ン 200mg(1.18mmol)を加え油浴中で攪拌しながら
130℃で12時間反応させた。反応生成物をシリカゲ
ルカラムに充填し、クロロホルム/メタノール混合溶媒
(9/1)で溶出させ、分離された生成物は集めて溶媒
を除去した。残渣をクロロホルムで洗浄した後、セファ
デックスLH-20のカラムにかけメタノールで溶出
し、溶媒を除去し白色粉末状のO6-(2-ピリジルメチ
ル)グアニン30.0mg(10.5%)を得た。測定された
特性値は以下のとおりであった。 融点:218−220℃ UVλmax nm (pH=1) 262(ε=9200), 290 (10400) (H2O) 242(8300), 261(6600), 267(7400), 282(8500) (pH=12) 247(sh)(6100), 254(sh)(6400), 261(6800),26
7(7000), 284(8500)1 H-NMR(Me2SO-d6)δ:5.57(s,2H,CH2), 6.25(s,2
H,NH2),7.36(ddd,1H,5-ArH,J4,5=7.5Hz,J5,6=4.8Hz,J
3,5=1.2Hz),7.54(d,1H,3-ArH,J3,4=7.8Hz),7.84(dt,1H,
4-ArH,J4,6=1.7Hz), 7.87(s,1H,8-H),8.58(ddd,1H,6-Ar
H,J3,6=0.9Hz), 12.5(s,1H,NH) 元素分析 理論値 C:52.59% H:4.42%
N:33.45% 測定値 C:52.43% H:4.43% N:33.
62% (但し半水塩として)
化合物) 2-ピリジルメタノール 5.0ml(70.7mmol)にナトリ
ウム 300mg(4.35mmol)と2-アミノ-6-クロロブリ
ン 200mg(1.18mmol)を加え油浴中で攪拌しながら
130℃で12時間反応させた。反応生成物をシリカゲ
ルカラムに充填し、クロロホルム/メタノール混合溶媒
(9/1)で溶出させ、分離された生成物は集めて溶媒
を除去した。残渣をクロロホルムで洗浄した後、セファ
デックスLH-20のカラムにかけメタノールで溶出
し、溶媒を除去し白色粉末状のO6-(2-ピリジルメチ
ル)グアニン30.0mg(10.5%)を得た。測定された
特性値は以下のとおりであった。 融点:218−220℃ UVλmax nm (pH=1) 262(ε=9200), 290 (10400) (H2O) 242(8300), 261(6600), 267(7400), 282(8500) (pH=12) 247(sh)(6100), 254(sh)(6400), 261(6800),26
7(7000), 284(8500)1 H-NMR(Me2SO-d6)δ:5.57(s,2H,CH2), 6.25(s,2
H,NH2),7.36(ddd,1H,5-ArH,J4,5=7.5Hz,J5,6=4.8Hz,J
3,5=1.2Hz),7.54(d,1H,3-ArH,J3,4=7.8Hz),7.84(dt,1H,
4-ArH,J4,6=1.7Hz), 7.87(s,1H,8-H),8.58(ddd,1H,6-Ar
H,J3,6=0.9Hz), 12.5(s,1H,NH) 元素分析 理論値 C:52.59% H:4.42%
N:33.45% 測定値 C:52.43% H:4.43% N:33.
62% (但し半水塩として)
【0012】○ 誘導体の特性評価 細胞致死増強効果 アルキル化型抗癌剤としてACNUを選び、上記で得た
各誘導体を用いてアルキル化型抗癌剤の細胞致死効果に
対する影響をMTT法を用い以下の様にして測定した。
HeLa S3(人頸部癌由来)とC6-1(ラット神経膠腫
由来)をミクロテストプレートに1,000細胞数/9
0μL培地で接種した。10μLの誘導体の添加又は無
添加の状態で2時間培養した。前処理した細胞に、11
μlの種々の濃度(最終濃度0〜100μM)のACNU
を添加したのち2時間培養した。培養後培地を除去し、
細胞を2回PBSで洗浄しさらに新鮮な100μLの培
地に懸濁させ、5日間培養した後570nmの吸光度を測
定することにより生存細胞を計量し誘導体の影響を比較
した。
各誘導体を用いてアルキル化型抗癌剤の細胞致死効果に
対する影響をMTT法を用い以下の様にして測定した。
HeLa S3(人頸部癌由来)とC6-1(ラット神経膠腫
由来)をミクロテストプレートに1,000細胞数/9
0μL培地で接種した。10μLの誘導体の添加又は無
添加の状態で2時間培養した。前処理した細胞に、11
μlの種々の濃度(最終濃度0〜100μM)のACNU
を添加したのち2時間培養した。培養後培地を除去し、
細胞を2回PBSで洗浄しさらに新鮮な100μLの培
地に懸濁させ、5日間培養した後570nmの吸光度を測
定することにより生存細胞を計量し誘導体の影響を比較
した。
【0013】表1に測定結果の一部を例示するが表1の
数値は10μMの各誘導体で処理した細胞に30μMの
ACNUを加えたときの生存細胞率と全く未処理の細胞
のものと比較したものであり数値は以下の様にして計算
された。 増強効果=未処理の場合の生存細胞数/処理した場合の
生存細胞数
数値は10μMの各誘導体で処理した細胞に30μMの
ACNUを加えたときの生存細胞率と全く未処理の細胞
のものと比較したものであり数値は以下の様にして計算
された。 増強効果=未処理の場合の生存細胞数/処理した場合の
生存細胞数
【0014】
【表1】 6-4PyMeG: O6-(4-ピリジルメチル)グアニン 6-3PyMeG: O6-(3-ピリジルメチル)グアニン 6-2PyMeG: O6-(2-ピリジルメチル)グアニン
【0015】 分配係数 本発明の誘導体の水溶性を既存の誘導体と比較するため
に、水/オクタノール系での分配係数を、当該誘導体の
オクタノール中における濃度を280nmの紫外線吸収の
測定により求め、表2に示した。
に、水/オクタノール系での分配係数を、当該誘導体の
オクタノール中における濃度を280nmの紫外線吸収の
測定により求め、表2に示した。
【0016】
【表2】 6-BzlG: O6-ベンジルグアニン
【0017】
【発明の効果】本発明はO6-メチルグアニンDNAメチ
ルトランスフェラーゼの酵素活性阻害剤さらにはアルキ
ル化型抗癌剤の増強剤を提供できるという優れた効果を
奏するものである。
ルトランスフェラーゼの酵素活性阻害剤さらにはアルキ
ル化型抗癌剤の増強剤を提供できるという優れた効果を
奏するものである。
【図1】 図1はO6-(4-ピリジルメチル)グアニンの
1H-NMR スペクトルを示す図である。
1H-NMR スペクトルを示す図である。
【図2】 図2はO6-(4-ピリジルメチル)グアニンの
UV スペクトルを示す図である。なお実線は水、一点破
線は0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液、点線は0.0
1Nの塩酸水溶液での測定値である。
UV スペクトルを示す図である。なお実線は水、一点破
線は0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液、点線は0.0
1Nの塩酸水溶液での測定値である。
【図3】 図3はO6-(3-ピリジルメチル)グアニンの
1H-NMR スペクトルを示す図である。
1H-NMR スペクトルを示す図である。
【図4】 図4はO6-(3-ピリジルメチル)グアニンの
UV スペクトルを示す図である。なお実線は水、一点破
線は0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液、点線は0.0
1Nの塩酸水溶液での測定値である。
UV スペクトルを示す図である。なお実線は水、一点破
線は0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液、点線は0.0
1Nの塩酸水溶液での測定値である。
Claims (1)
- 【請求項1】下記構造式(1)または(2)で表されること
を特徴とするベンジルグアニン誘導体。 【化1】 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7388494A JPH07258255A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | ベンジルグアニン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7388494A JPH07258255A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | ベンジルグアニン誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07258255A true JPH07258255A (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=13531091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7388494A Pending JPH07258255A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | ベンジルグアニン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07258255A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006501289A (ja) * | 2002-10-03 | 2006-01-12 | エコル・ポリテクニック・フェデラル・ドゥ・ローザンヌ(エーペーエフエル) | O6−アルキルグアニン−dnaアルキルトランスフェラーゼのための基質 |
JP2010518108A (ja) * | 2007-02-06 | 2010-05-27 | ユニバーシティ オブ ルーイビル リサーチ ファウンデーション,インコーポレーテッド | 治療化合物 |
-
1994
- 1994-03-18 JP JP7388494A patent/JPH07258255A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006501289A (ja) * | 2002-10-03 | 2006-01-12 | エコル・ポリテクニック・フェデラル・ドゥ・ローザンヌ(エーペーエフエル) | O6−アルキルグアニン−dnaアルキルトランスフェラーゼのための基質 |
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