JPH0725745Y2 - 時計装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、任意のデザインを施した化粧カバーを備えた
時計装置に関するものである。

［従来の技術］ 最近の時計技術の発展は、時計を多様化かつ低廉化し、
その用途は耐久消費財から一般的な消費財の範囲まで拡
大している。すなわち従来の報時機能を主目的とするも
のから、置物や壁飾りに付属させたり、家具や鞄類の物
品に付属させたり、あるいは贈答品として用いられたり
するなど広い用途に供されている。

その好例として時計枠体の外面に、飲み物やたばこなど
の商標、観光地の風景、人気漫画のキャラクタなど任意
のデザインを施すことがある。このとき、時計枠体に直
接印刷して模様付けをすると共に文字板は別部材で製作
している。

［解決しようとする課題］ このように時計枠体に直接印刷して模様付けをする一
方、文字板は別に製作した部材を用いているため、時計
枠体のデザインと文字板のデザインとの間に不連続性が
できるという問題があった。また同じ形状で異なるデザ
インの時計装置を製作するにも印刷のマスクを新規に興
し時計枠体毎作り直していたため、コストが高くつくと
いう問題があった。

本考案の目的は、外装カバーと文字板との間にデザイン
上の連続性がある時計装置を安価に提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案の時計装置は、時計機械体が収納してある時計枠
体と、折り目より箱状に折り曲げられて時計枠体の外面
全てを覆っている１枚のシートより一体に連設してある
化粧カバーとを具備し、この化粧カバーは、少なくとも
正面部に任意のデザインが施してあり、かつ時計枠体の
文字板部に対向する部分が切り抜かれ化粧カバーの切り
抜かれた部分は、文字板部に文字板として使用してあ
り、文字板のデザインが、化粧カバーのデザインと連続
性を有しているものである。

［作用］ 文字板は、化粧カバーの文字板部に対向する部分を切り
抜いて使用することにより、化粧カバーのデザインと文
字板のデザインとの間の連続性が得られる。

［実施例］ 以下本考案の一実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図に示すように、時計機械体１を収納してある時計
枠体２の外面全面は、化粧カバー３で覆われている。

時計枠体２は、第２図に示すような無模様のプラスチッ
ク成形品からなり、正面に円形の凹部が設けてあり、こ
の凹部の底面は文字板部2aとなっている。文字板部2aの
中心部には指針軸1aが突出し、時計機械体１により回転
駆動される。文字板部2aの前面には、後で化粧カバー３
から切り抜かれた文字板４が貼付される。

化粧カバー３は、第３図に示すように時計枠体２の外面
全面を覆うことができる形状に、外周を切り抜いた１枚
のシートからなり、このシートは、この時計枠体の各稜
線に沿って箱状に折り曲げられるもので、破線で示す折
り目3a…によって正面部3cを中心としてその左右には、
右側面部3dと左側面部3eとが，上方向には上面部3fおよ
び背面部3hが，下方向には底面部3gがそれぞれ一体に連
設してある。側面部3d,3e及び底面部3gの周囲には、接
着に必要なのりしろ3b…が折り目3aを介して連設してあ
る。化粧カバー３の正面部3cと両側面部3d,3eには、雪
景色の中をトナカイが引くそりに乗ったサンタクロース
の絵が描いてあり、上面部3fには降雪が描かれ、さらに
背面部3hには、これを時計枠体２に装着したときに、雪
を被った樹木が正姿勢になるように風景が逆さに描かれ
ている。

化粧カバー３の正面部3cにおいて、文字板部2aに対向す
る部分に、この文字板部の外周部と一致する大きさの円
形の切り抜き線3iが施してある。切り抜き線3iに囲まれ
た内部が、後で文字板４として利用される面である。文
字板４の中心には、指針軸1aが貫通可能な孔3jが設けて
あり、背面部3hには針回し用の孔3kが設けてある。

上記のように一体に連設したシート状の化粧カバー３
は、その正面部3cの切り抜き線3iで切り抜いて窓孔をあ
け、この切り抜き線内の部分を抜き出しておき、これを
後で文字板４として利用する。そこで化粧カバー３の正
面部3cを、時計枠体２の正面に位置合わせし、折り目3a
…で折り曲げながら時計枠体２の外面全てを覆ってゆ
く。のりしろ3bでのり付けすると、時計枠体２の外面は
全て化粧カバー３で覆われる。そこで抜き出しておいた
文字板４を、時計枠体２の文字板部2aの前面に貼着し、
指針軸1aに指針５を取り付け、前面ガラス６を固定する
ことにより組立が完成する。これによって第４図に示す
ような風景を立体的にデザインした時計装置ができ上が
り、化粧カバー３の正面部分と文字板４との間は、連続
性を有するデザインが施される。

また、時計枠体２内には電池７が収納してあり、電池蓋
2bから交換が可能である。さらに時計枠体２の背面には
針回し1bが設けてあり、化粧ケース３の孔3kから外部に
突出させてある。

なお、本実施例では、折り目3a…によって正面部3cとは
右側面部3d,左側面部3e,上面部3f,及び底面部3gが連設
し、上面部3fとは背面部3hが連設してあるが、折り目3a
…が連設する各面部はこれに限られるものではなく、折
り目3a…より箱状に折り曲げられるように連設してあれ
ばどのように組み合わせても良い。

本考案の化粧カバー３のデザインは、上記したものの
他、例えば第５図（ａ）に示すようにピアノの鍵盤を表
したものや、第５図（ｂ）に示すようにコンピュータの
キーボードを図案化したものなどのように、任意のデザ
インが採用可能である。

なお電池交換を必要としない場合には化粧カバー３の背
面部に電池取出し口を設けなくてもよいが、本実施例の
ように化粧カバーの背面に電池取出し口を設けることに
よって電池交換を可能にし、長期間の使用が可能とな
る。

［効果］ 以上説明したように、本考案は、化粧カバーを作る際に
文字板部に対向する部分を切り抜いて、この切り抜いた
面をそのまま文字板として使用するため、化粧カバーの
デザインと文字板のデザインとに連続性を持たせること
ができる。また化粧カバーを用いたので、同じ形状で異
なるデザインの時計装置を製作する場合には時計枠体を
新規に興す必要がなく、新規に化粧カバーの印刷だけす
れば良いので、同じ形状で異なるデザインの時計装置を
安価に製造できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は指針
と前面ガラスを除いた状態を示す時計枠体の斜視図、第
３図は化粧カバーの展開図、第４図は本考案の完成品を
示す斜視図、第５図はその他のデザインを施した時計装
置を例示した斜視図である。 １……時計機械体、２……時計枠体、2a……文字板部、
３……化粧カバー、3a……折り目、3c……正面部、４…
…文字板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】時計機械体が収納してある時計枠体と、折
   り目より箱状に折り曲げられて上記時計枠体の外面全て
   を覆っている１枚のシートより一体に連設してある化粧
   カバーとを具備し、 上記時計枠体は、文字板部を有し、 上記化粧カバーは、少なくとも正面部に任意のデザイン
   が施してあり、かつ上記時計枠体の文字板部に対向する
   部分が切り抜かれ、 上記化粧カバーの切り抜かれた部分は、上記文字板部に
   文字板として使用してあり、 上記文字板のデザインは、上記化粧カバーのデザインと
   連続性を有していることを特徴とする時計装置。