JPH0725686B2 - 胃潰瘍治療薬 - Google Patents
胃潰瘍治療薬Info
- Publication number
- JPH0725686B2 JPH0725686B2 JP61234170A JP23417086A JPH0725686B2 JP H0725686 B2 JPH0725686 B2 JP H0725686B2 JP 61234170 A JP61234170 A JP 61234170A JP 23417086 A JP23417086 A JP 23417086A JP H0725686 B2 JPH0725686 B2 JP H0725686B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gastric ulcer
- therapeutic agent
- streptococcus
- penicillin
- cells
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は溶血性連鎖球菌(溶連菌)の菌体成分を有効成
分として含有する胃潰瘍治療剤に関する。
分として含有する胃潰瘍治療剤に関する。
従来の技術 溶連菌の生菌が抗腫瘍活性を有することは古くから知ら
れている。またこの溶連菌の弱毒株の生菌を比較的高濃
度のペニシリンGの存在下、一定条件で処理し連結乾燥
したものはピシバニールの商品名で抗腫瘍剤として販売
されている。
れている。またこの溶連菌の弱毒株の生菌を比較的高濃
度のペニシリンGの存在下、一定条件で処理し連結乾燥
したものはピシバニールの商品名で抗腫瘍剤として販売
されている。
OK−432が宿主機能、例えば、γ−インターフェロン産
生能およびNK細胞の活性に及ぼす影響等を介して腫瘍抵
抗性を発揮することも明らかにされている。(Celluer
Immunology,1982,68:187〜192,JNCI,1982,69,807〜81
2)しかしながらこの薬剤が胃潰瘍に対して有効である
ことについては全く知られていない。
生能およびNK細胞の活性に及ぼす影響等を介して腫瘍抵
抗性を発揮することも明らかにされている。(Celluer
Immunology,1982,68:187〜192,JNCI,1982,69,807〜81
2)しかしながらこの薬剤が胃潰瘍に対して有効である
ことについては全く知られていない。
発明が解決しようとする問題点およびその解決手段 本発明者は胃潰瘍、殊に高齢患者など従来用いられてい
る内服薬では改善しにくい症例にOK−432が著効を示す
ことを見いだした。本発明はこの新知見に基づき更に研
究を重ねて完成したものである。
る内服薬では改善しにくい症例にOK−432が著効を示す
ことを見いだした。本発明はこの新知見に基づき更に研
究を重ねて完成したものである。
本発明において溶連菌とは、例えばA群ストレプトコッ
カス ピオゲネスSu株、例えばATCC 21060である。し
かしながら溶連菌は丹毒、産じょく熱等の病原菌であ
り、生菌体をそのまま用いることは危険なため通常生菌
体をペニシリンG、セファロスポリンCまたはサイクロ
セリンを含有する培地、例えばバーンハイマー基礎培地
に懸濁し、30〜38℃に保持した後、更に40〜50℃で熱処
理することによって菌体の毒性を著しく低下させたもの
が用いられる。これらの中で抗生物質としてペニシリン
Gを用いたものがPCB−45として知られている(Japanes
e Journal of Experimental Medicine,36,175〜186,196
6)。OK−432はPCB−45にペニシリンGカリウム含有DL
−メチオニン水溶液を加え凍結乾燥した製剤である。本
発明で毒性を低減させた溶連菌とは、上述したように抗
生物質を用いて、一定条件で処理した菌体であり具体的
には、例えば特公昭46−2674号公報の記載に従って製造
されたもの、PCB−45およびOK−432等である。なおPCB
−45を製造した後、その中からペニシリンGを除いたも
のも本発明の胃潰瘍治療剤として用い得る。
カス ピオゲネスSu株、例えばATCC 21060である。し
かしながら溶連菌は丹毒、産じょく熱等の病原菌であ
り、生菌体をそのまま用いることは危険なため通常生菌
体をペニシリンG、セファロスポリンCまたはサイクロ
セリンを含有する培地、例えばバーンハイマー基礎培地
に懸濁し、30〜38℃に保持した後、更に40〜50℃で熱処
理することによって菌体の毒性を著しく低下させたもの
が用いられる。これらの中で抗生物質としてペニシリン
Gを用いたものがPCB−45として知られている(Japanes
e Journal of Experimental Medicine,36,175〜186,196
6)。OK−432はPCB−45にペニシリンGカリウム含有DL
−メチオニン水溶液を加え凍結乾燥した製剤である。本
発明で毒性を低減させた溶連菌とは、上述したように抗
生物質を用いて、一定条件で処理した菌体であり具体的
には、例えば特公昭46−2674号公報の記載に従って製造
されたもの、PCB−45およびOK−432等である。なおPCB
−45を製造した後、その中からペニシリンGを除いたも
のも本発明の胃潰瘍治療剤として用い得る。
本発明でこれらの溶連菌製剤は経口剤または注射剤の形
で用いられるが、最も好ましい投与形態は、胃粘膜下へ
の局所投与である。局所投与は内視鏡を用いて容易に行
うことができる。本発明の薬剤の投与量は投与経路およ
び症状により異なるが、胃粘膜への局所投与の場合は通
常成人に対し1日当り乾燥菌体として0.01mg乃至1mgの
範囲である。また投与は毎日行う必要はなく、週1回程
度で充分治療効果が得られる。本発明の薬剤は生理食塩
水またはブドウ糖液に溶解した形で投与される。
で用いられるが、最も好ましい投与形態は、胃粘膜下へ
の局所投与である。局所投与は内視鏡を用いて容易に行
うことができる。本発明の薬剤の投与量は投与経路およ
び症状により異なるが、胃粘膜への局所投与の場合は通
常成人に対し1日当り乾燥菌体として0.01mg乃至1mgの
範囲である。また投与は毎日行う必要はなく、週1回程
度で充分治療効果が得られる。本発明の薬剤は生理食塩
水またはブドウ糖液に溶解した形で投与される。
臨床例 症例1 T.K.,70才,女性,無職 現病歴:上腹部痛で来院,胃X線および胃カメラ撮影の
結果、胃潰瘍と診断された。
結果、胃潰瘍と診断された。
治療経過:一般に使用されている消化性潰瘍治療薬では
完全に治癒せず、来院後28日目および35日目にOK−432
(商品名:ピシバニール)0.2KE(凍結乾燥粉末として
0.56mg,乾燥菌体として0.02mg)を生理食塩水2mlに溶解
し、内視鏡下、潰瘍部位付近2〜4ヶ所に分注した。2
回目のOK−432投与後7日目に胃カメラ撮影を行った結
果、胃潰瘍の治癒が確認された。
完全に治癒せず、来院後28日目および35日目にOK−432
(商品名:ピシバニール)0.2KE(凍結乾燥粉末として
0.56mg,乾燥菌体として0.02mg)を生理食塩水2mlに溶解
し、内視鏡下、潰瘍部位付近2〜4ヶ所に分注した。2
回目のOK−432投与後7日目に胃カメラ撮影を行った結
果、胃潰瘍の治癒が確認された。
症例2〜11 症例2〜11を次表に示す。症例2〜11は全て胃X線また
は胃カメラ撮影の結果、胃潰瘍と診断されたものであ
る。OK−432の投与法は前記症例1に示すのと同様に行
った。
は胃カメラ撮影の結果、胃潰瘍と診断されたものであ
る。OK−432の投与法は前記症例1に示すのと同様に行
った。
表中OK−432の投与は来院日を0日目とし、治癒の確認
日は最後に行ったOK−432の投与日を0日目として示し
てある。なお、次表に示す症例2〜11はいずれも既存の
薬剤、例えばメトクロピラミド、ゲファルナート,スク
ラルフェート,シメチジン,臭化ブチルスコポラミン等
の投与では完全に治癒が確認されなかったものである。
日は最後に行ったOK−432の投与日を0日目として示し
てある。なお、次表に示す症例2〜11はいずれも既存の
薬剤、例えばメトクロピラミド、ゲファルナート,スク
ラルフェート,シメチジン,臭化ブチルスコポラミン等
の投与では完全に治癒が確認されなかったものである。
毒性 臨床例で用いたOK−432の急性毒性[LD50(乾燥菌体重
量/kg)]を表に示す。
量/kg)]を表に示す。
参考例1.(PCB−45およびOK−432製造例) A群ストレプトコッカス ピオゲネスSu株(ATCC2106
0)を37℃で24時間静置培養し、得られた培養液50mlを
5%酵母エキス培地1l(酵母エキス50gを蒸留水700mlに
溶解し、NaOHにてpH7.4に調整、100℃で60分間加熱後冷
却した後濾過し、濾液を蒸留水で全量1とする。これ
を滅菌フラスコに入れ、1kg/cm2で10分間蒸気滅菌した
もの)に接種し、37℃で20時間静置培養する。この培養
液を遠沈により集菌し、この菌体に過酸化水素を1%含
む生理食塩水50mlを加え懸濁液とし、氷冷下に30分間保
持する。次いでこの懸濁液を冷時遠沈し、菌体に冷生理
食塩水を加えて再び懸濁したのち遠沈し、菌体について
更に1回同じ操作を繰返す。
0)を37℃で24時間静置培養し、得られた培養液50mlを
5%酵母エキス培地1l(酵母エキス50gを蒸留水700mlに
溶解し、NaOHにてpH7.4に調整、100℃で60分間加熱後冷
却した後濾過し、濾液を蒸留水で全量1とする。これ
を滅菌フラスコに入れ、1kg/cm2で10分間蒸気滅菌した
もの)に接種し、37℃で20時間静置培養する。この培養
液を遠沈により集菌し、この菌体に過酸化水素を1%含
む生理食塩水50mlを加え懸濁液とし、氷冷下に30分間保
持する。次いでこの懸濁液を冷時遠沈し、菌体に冷生理
食塩水を加えて再び懸濁したのち遠沈し、菌体について
更に1回同じ操作を繰返す。
得られた菌体を冷BBM(バーン ハイマー基礎培地)に
懸濁し、660mμにおける吸光度を測定し、その値から乾
燥菌体量を算出して6mg/mlとなるようにBBMの液量を調
整する(全液量60ml)。この懸濁液50mlにペニシリンG
カリウムを生理食塩水に溶解した液(1.6×105単位/m
l)を10ml加え、37℃に20分間、更に45℃で30分間保持
した後直ちに氷冷する(PCB−45,乾燥菌体量として5mg/
ml)。この液に氷冷したペニシリンGカリウム含有1%
DL−メチオニン水溶液(ペニシリンGカリウム、1.08×
105単位/ml)60mlを加え、5ml容バイアル瓶に2mlずつ分
注し、凍結乾燥して粉末製剤(OK−432)とする。この
乾燥製剤は、生理食塩水5mlで懸濁液に戻した時、乾燥
菌体量1mg/mlを含む。
懸濁し、660mμにおける吸光度を測定し、その値から乾
燥菌体量を算出して6mg/mlとなるようにBBMの液量を調
整する(全液量60ml)。この懸濁液50mlにペニシリンG
カリウムを生理食塩水に溶解した液(1.6×105単位/m
l)を10ml加え、37℃に20分間、更に45℃で30分間保持
した後直ちに氷冷する(PCB−45,乾燥菌体量として5mg/
ml)。この液に氷冷したペニシリンGカリウム含有1%
DL−メチオニン水溶液(ペニシリンGカリウム、1.08×
105単位/ml)60mlを加え、5ml容バイアル瓶に2mlずつ分
注し、凍結乾燥して粉末製剤(OK−432)とする。この
乾燥製剤は、生理食塩水5mlで懸濁液に戻した時、乾燥
菌体量1mg/mlを含む。
参考例 2. 参考例1においてペニシリンGカリウムを生理食塩水に
溶解した液の代りにセファロスポリンCを生理食塩水に
溶解した液[108mg(力価)/ml]またはサイクロセリン
を生理食塩水に溶解した液[26.4mg(力価/ml]を用い
その他は参考例1と同様にして2種の凍結乾燥粉末製剤
を得る。
溶解した液の代りにセファロスポリンCを生理食塩水に
溶解した液[108mg(力価)/ml]またはサイクロセリン
を生理食塩水に溶解した液[26.4mg(力価/ml]を用い
その他は参考例1と同様にして2種の凍結乾燥粉末製剤
を得る。
Claims (4)
- 【請求項1】毒性を低減させた溶血性連鎖球菌を有効成
分として含有する胃潰瘍治療剤。 - 【請求項2】溶血性連鎖球菌がA群ストレプトコッカス
ピオゲネスSu株である特許請求の範囲第1項記載の治
療剤。 - 【請求項3】生菌体をペニシリンG,セファロスポリンC
またはサイクロセリンを含有する培地に懸濁し、30〜38
℃に保持した後、更に40〜50℃で熱処理することによっ
て菌体の毒性を低減させた溶血性連鎖球菌を用いる特許
請求の範囲第1項または2項記載の治療剤。 - 【請求項4】PCB−45またはOK−432である特許請求の範
囲第1項乃至3項記載の治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61234170A JPH0725686B2 (ja) | 1986-10-01 | 1986-10-01 | 胃潰瘍治療薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61234170A JPH0725686B2 (ja) | 1986-10-01 | 1986-10-01 | 胃潰瘍治療薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6388132A JPS6388132A (ja) | 1988-04-19 |
JPH0725686B2 true JPH0725686B2 (ja) | 1995-03-22 |
Family
ID=16966760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61234170A Expired - Lifetime JPH0725686B2 (ja) | 1986-10-01 | 1986-10-01 | 胃潰瘍治療薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0725686B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2428006A (en) * | 2005-07-07 | 2007-01-17 | Jevgenis Morov | AMI-3 vaccine comprising group A Streptococcus pyogenes bacteria |
-
1986
- 1986-10-01 JP JP61234170A patent/JPH0725686B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6388132A (ja) | 1988-04-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |