JPH07255315A - カニ飼育装置 - Google Patents

カニ飼育装置

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JPH07255315A
JPH07255315A JP6053344A JP5334494A JPH07255315A JP H07255315 A JPH07255315 A JP H07255315A JP 6053344 A JP6053344 A JP 6053344A JP 5334494 A JP5334494 A JP 5334494A JP H07255315 A JPH07255315 A JP H07255315A
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tank
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crab
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water injection
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文慶 林
Yoshiisa Koshikawa
義功 越川
Nobuo Sakuse
信夫 柵瀬
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Kajima Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スナガニ類の生態の研究を充分に行うことが
でき、人工干潟造成や干潟復元のための技術開発、さら
に、沿岸・河口工事のための一時的なカニの飼育保護、
沿岸資源維持や保護事業、水族館や他の教育機関の展示
設備カウンセリングなどに寄与する。 【構成】 底質である砂地4と泥地5と海水21を収容し
た飼育槽1を斜設し、空調装置2に接続したダクト2a
を飼育槽1の上方に開口し、注水ポンプ13を配設した貯
水槽12を注水管12aを介して飼育槽1に接続し、水温制
御装置14を貯水槽12に接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カニ、特にスナガニ類
の飼育装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】沿岸開発による干拓や埋立てにより干潟
の多くが消滅したが、近年、自然環境保護の観点から、
干潟の復元や造成が望まれている。この人工干潟造成、
干潟復元のための技術開発の一つとして、かかる干潟に
生息するスナガニ類の生息環境の研究やカニによる干潟
環境への寄与、カニの種の保存技術などの研究が行われ
ようとしている。
【0003】しかし、従来はスナガニ類の飼育装置とし
て確立されたものはなく、例えば水族館で見られるよう
な水槽内に泥や海水を入れた程度のものしか存在しなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように特に干潟に
生息するスナガニ類の飼育装置として専用のものがなか
ったため、スナガニ類の生態を充分研究することが困難
で、その結果、スニガニ類が生息する人工干潟造成や干
潟復元のための技術開発、さらに、沿岸・河口工事のた
めの一時的なカニの飼育保護、沿岸資源維持や保護事
業、水族館や他の教育機関の展示設備カウンセリングな
ども充分に行えなかった。
【0005】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、スナガニ類の生態の研究を充分に行うことができ、
人工干潟造成や干潟復元のための技術開発、さらに、沿
岸・河口工事のための一時的なカニの飼育保護、沿岸資
源維持や保護事業、水族館や他の教育機関の展示設備カ
ウンセリングなどに寄与できるカニ飼育装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、底質と海水とを収容した飼育槽を斜
設し、空調装置に接続したダクトを飼育槽の上方に開口
し、ポンプを配設した貯水槽を注水管を介して飼育槽に
接続し、水温制御装置を貯水槽に接続したことを要旨と
するものである。
【0007】第2に、底質は、カニの種類に対応させて
砂地と泥地との飼育区に区分することを要旨とするもの
である。
【0008】第3に、ポンプにタイマを接続し、潮汐の
満ち引きとほぼ同時間毎にタイマの出力によりポンプを
オンオフして貯水槽から飼育槽への注水と排水を行うよ
う制御することを要旨とするものである。
【0009】第4に、飼育槽の上方に、12時間毎にオ
ンオフする照明具を配設することを要旨とするものであ
る。
【0010】第5に、ブロワーを飼育槽と貯水槽にそれ
ぞれ接続することを要旨とするものである。
【0011】第6に、底質の底部に水抜き管を埋設した
ことを要旨とするものである。
【0012】第7に、注水管の先端の注水口は飼育槽の
底部に下方に向けて開口し、該注水口近傍の注水管をカ
ニ進入防止用の篭体で覆うことを要旨とするものであ
る。
【0013】第8に、飼育槽の周囲に反射鏡を配設した
ことを要旨とするものである。
【0014】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、底質と海水と
を収容した飼育槽を斜設することで、干潟と同様の傾斜
した地形を形成でき、空調装置によって飼育槽周囲の気
温を干潟における自然環境に近いものにでき、また、水
温制御装置によって飼育槽に送る貯水槽内の海水の温度
を干潟の海水温度と同様の温度に設定でき、さらに、注
水管によって海水を飼育槽に出入れすることで、干潟に
おける潮の満ち引きと同様の作用が行え、カニを自然の
干潟に近い状態で飼育できる。
【0015】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、底質を、砂地と泥地との飼育区に区分するこ
とで、例えばチゴガニを泥質域に、コメツキガニを砂質
域に収容することによって、多様種類のカニ類を飼育で
きる。
【0016】請求項3記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、潮汐の満ち引きとほぼ同時間毎にタイマの出
力によりポンプをオンオフして貯水槽から飼育槽への注
水と排水を行うよう制御するから、飼育槽内をより自然
の干潟に近い状態にできる。
【0017】請求項4記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、飼育槽の上方に配設した照明具を12時間毎
にオンオフすることで、昼夜の別も形成できる。
【0018】請求項5記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、ブロワーで貯水槽内に空気を送ることで飼育
水に空気を含ませることができ、また、飼育槽に空気を
送ることでエアバブルカーテンを形成でき、泥土及びカ
ニの流出を防止できる。
【0019】請求項6記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、底質の底部に水抜き管を埋設することで、泥
土中に嫌気層(無酸素状態)の形成が防げる。
【0020】請求項7記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、注水管の先端の注水口は飼育槽の底部に下方
に向けて開口したから、ポンプを停止すれば、サイホン
作用によって飼育槽内の海水は注水管を通って自然に貯
水槽に戻る。また、注水口近傍の注水管を篭体で覆うこ
とで、カニが注水口に進入することを防止できる。
【0021】請求項8記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、飼育槽の周囲に配設した反射鏡によって、カ
ニの行動を全角度から常時観察できる。
【0022】
【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は本発明のカニ飼育装置の実施例を示す
斜視図、図2は同上正面図で、図中1は基台20上に自然
の干潟と同様の傾斜、例えば4〜6度の傾きで斜設した
飼育槽を示し、この飼育槽1内に底質と海水21を収容す
る。
【0023】底質は、多様種類のカニ類に対応できるよ
う、例えば飼育槽1の傾斜の高い方の箇所に粒径0.125m
m 以上の砂を収容した砂地4による飼育区と、低い方の
箇所に粒径0.063mm 以下の土を収容した泥地5による飼
育区とに区分し、いずれも底質の深さは10cm以上に形成
する。
【0024】また、底質の底部に水抜き管8を傾斜方向
にそって複数本埋設する。この水抜き管8は、例えば塩
ビ管に多数の小孔を穿設して形成する。
【0025】海水21の塩分は、例えば1.0 〜3.5 %、pH
7.8 〜8.6 とする。なお、図中9は泥止めのブロックを
示す。
【0026】かかる飼育槽1の近傍に空調装置2を設置
し、該空調装置2に接続するダクト2aの先端を飼育槽
1の上方に開口する。
【0027】注水ポンプ13を配設した貯水槽12を注水管
12aを介して飼育槽1内の底質のない部分に開口する。
この場合、注水管12aの先端の注水口6は飼育槽1の底
部に下方に向けて開口し、該注水口6の近傍の注水管12
aをカニ進入防止用の網篭19で覆う。
【0028】この貯水槽12の容量は、例えば飼育槽1を
「1」とする場合、「3」の比に設定し、該貯水槽12に
水温制御装置14を接続する。
【0029】前記注水ポンプ13には、タイマ17を接続
し、潮汐の満ち引きとほぼ同時間である例えば2時間と
10時間毎に注水ポンプ13がオンオフして貯水槽12から
飼育槽1への注水と排水を行うよう制御する。
【0030】また、飼育槽1内の底質のない部分に、飼
育槽1内の水位が一定以上にならなすように保持するた
めのオーバーフロー管としての排水管7を開口し、該排
水管7の他端を貯水槽12に開口する。
【0031】さらに、貯水槽12の近傍にブロワー15を設
け、該ブロワー15に接続するエアレション16を貯水槽12
内に設置するとともに、送気管15aを飼育槽1内のブロ
ック9に併設して、泥地5による飼育区の下流側にエア
バブルカーテン11を形成する。
【0032】飼育槽1の上方に12時間毎にオンオフす
る照明具3を配設し、飼育槽1の左右両側方と上方とに
マジックミラーなどによる反射鏡10を配設した。
【0033】図中、18はコンセントを示す。
【0034】次に使用法について説明する。貯水槽12内
の飼育水の飼育水温を水温制御装置14によって、常に一
定の水温、例えば15℃〜35℃に設定し、注水ポンプ
13を作動してこの飼育水である海水21を注水管12aを介
して飼育槽1に注水する。飼育槽1内の水位が所定値に
達すると、排水管6から余分の飼育水はオーバーフロー
して貯水槽12に戻り、飼育槽1内の水位は所定に保持さ
れる。
【0035】また、空調装置2を作動して、ダクト2a
により飼育槽1に送る空気の温度を所定温度、例えば1
5℃〜35℃に制御するとともに湿度も自然の干潟環境
に近い値に制御する。
【0036】こうして飼育水である海水21と底質とを収
容し、空間環境条件も自然の干潟に近いものに形成した
飼育槽1内にスナガニ類を収容する。ここで、スナガニ
類とは、スナガニ、シオマネキ、ハクセンシオマネキ、
ヒメシオマネキ、チゴガニ、ミナミチゴガニ、ハラグク
レチゴガニ、コメツキガニ、オサガニ、ヤマトオサガ
ニ、アリアケモドキなどであり、例えば、チゴガニは泥
質の飼育区である泥地5に、コメツキガニは砂質の飼育
区である砂地4に収容する。
【0037】飼育槽1内に収容するカニの密度は、カニ
の大きさ(甲長など)によって決定し、例えば、チゴガ
ニの収容密度は、5mm甲長個体の場合で200尾/m2
以下である。
【0038】海水21の注水と排水は干潟における自然の
潮汐の満ち引きと同様に、タイマ17の出力により注水ポ
ンプ13を制御することで、例えば2時間と10時間毎に
行い、注入排出の速度は、砂地4や泥地5の表面土が攪
拌されたり、流されないような30〜40ml/秒で行う。
【0039】この場合、注水口6は網篭19で覆ってある
から、注水口6にカニが入り込むことを防げる。
【0040】排水は、注水ポンプ13を停止することによ
り行い、該ポンプ13が停止すると、飼育槽1の底部に開
口してある注水口6からサイホン現象によって飼育槽1
内の海水21は重力により注水管12aに自然に流れ込み、
貯水槽12に戻る。
【0041】そして、貯水槽12内の飼育水は、ブロワー
15によりエアレション16に送られる空気が混入し、新た
に空気を含んだものとなる。また、飼育槽1内にもブロ
ワー15から送られる空気によりエアバブルカーテン11が
形成され、泥地5及びカニの流出を防ぐ。
【0042】こうして空気を含んだ飼育水が飼育槽1に
送られ、さらに底部に設けた水抜き管8によって泥地5
の底部の水抜きをよくすることで、ここに酸素状態の嫌
気層が形成されることを防ぐ。
【0043】さらに、照明具3を12時間毎にオンオフ
して昼夜の明暗を作り、自然の干潟環境に近いものを形
成する。なお、その照度は例えば2000lux 以上に設定す
る。
【0044】以上のようにして、底質及びその傾斜角
度、飼育水の温度、飼育水の塩分の濃度、空気の温度及
び湿度、海水の注入排出のサイクルや速度などを飼育槽
1で自然の干潟に近いものに設定し、スナガニを飼育観
察する。
【0045】なお、スナガニは人や物の動く気配で巣孔
に逃げ込み隠れる習性があるが、飼育槽1の周囲に配設
したマジックミラーによる反射鏡10によりスナガニの生
態をくまなく観察できる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように本発明のカニ飼育装置
は、飼育槽の環境を自然の干潟の環境に近いものに形成
したから、スナガニ類の生態の研究を充分に行うことが
でき、人工干潟造成や干潟復元のための技術開発、さら
に、沿岸・河口工事のための一時的なカニの飼育保護、
沿岸資源維持や保護事業、水族館や他の教育機関の展示
設備カウンセリングなどに寄与できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカニ飼育装置の実施例を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明のカニ飼育装置の実施例を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
1…飼育槽 2…空調装置 2a…ダクト 3…照明具 4…砂地 5…泥地 6…注水口 7…排水管 8…水抜き管 9…ブロック 10…反射鏡 11…エアバブルカー
テン 12…貯水槽 12a…注水管 13…注水ポンプ 14…水温制御装置 15…ブロワー 15a…送気管 16…エアレション 17…タイマ 18…コンセント 19…網篭 20…基台 21…海水

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底質と海水とを収容した飼育槽を斜設
    し、空調装置に接続したダクトを飼育槽の上方に開口
    し、ポンプを配設した貯水槽を注水管を介して飼育槽に
    接続し、水温制御装置を貯水槽に接続したことを特徴と
    するカニ飼育装置。
  2. 【請求項2】 底質は、カニの種類に対応させて砂地と
    泥地との飼育区に区分した請求項1記載のカニ飼育装
    置。
  3. 【請求項3】 ポンプにタイマを接続し、潮汐の満ち引
    きとほぼ同時間毎にタイマの出力によりポンプをオンオ
    フして貯水槽から飼育槽への注水と排水を行うよう制御
    する請求項1記載のカニ飼育装置。
  4. 【請求項4】 飼育槽の上方に、12時間毎にオンオフ
    する照明具を配設した請求項1記載のカニ飼育装置。
  5. 【請求項5】 ブロワーを飼育槽と貯水槽にそれぞれ接
    続した請求項1記載のカニ飼育装置。
  6. 【請求項6】 底質の底部に水抜き管を埋設した請求項
    1記載のカニ飼育装置。
  7. 【請求項7】 注水管の先端の注水口は飼育槽の底部に
    下方に向けて開口し、該注水口近傍の注水管をカニ進入
    防止用の篭体で覆う請求項1記載のカニ飼育装置。
  8. 【請求項8】 飼育槽の周囲に反射鏡を配設した請求項
    1記載のカニ飼育装置。
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