JPH07253163A - シリンダヘッドガスケット - Google Patents

シリンダヘッドガスケット

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JPH07253163A
JPH07253163A JP6992494A JP6992494A JPH07253163A JP H07253163 A JPH07253163 A JP H07253163A JP 6992494 A JP6992494 A JP 6992494A JP 6992494 A JP6992494 A JP 6992494A JP H07253163 A JPH07253163 A JP H07253163A
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勝秀 藤沢
Masuhiko Murata
益彦 村田
Fumio Kishi
文男 岸
Kazutoshi Yoshida
和年 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼室用穴の周縁部にゴム、プラスチックよ
りなるシール材層を設けずに充分なシール性を確保でき
るようにし、よって、シール材層の熱劣化により燃焼室
用穴周りのシール性が損われる危険をなくすとともに、
シール材層に安価な耐熱性ゴムを使用できるようにす
る。 【構成】 中間板4の燃焼室用穴2の周縁部6に該穴2
を囲むように同心状の複数の凸条7又は凹溝10を設
け、中間板の少くとも片側には上記周縁部6よりも外側
において燃焼室用穴を囲むビード8を備えたビード板
3、5を積層する。積層されたビード板、中間板の外表
面及び互いに対向する板面の少くとも一方に、それぞ
れ、燃焼室用穴2の周縁部6、6′を除いてゴム、プラ
スチックよりなるシール材層9を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンのシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの間の密封に使用するシリンダ
ヘッドガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリンダヘッドガスケット用の積層金属
ガスケットを、燃焼室用穴の周縁に厚肉部を形成してい
わゆる補償部とした中間板の両側に、上記厚肉部(すな
わち補償部)の外側において燃焼室用穴を囲むビードを
形成したビード板を積層して構成することは既によく知
られている。
【0003】また、かかる積層金属ガスケットにおい
て、シリンダヘッド及びブロックの接合面に当接するビ
ード板の外表面に、また中間板の表面もしくは中間板に
対向するビード板の表面の何れか一方の表面に、ゴム、
プラスチックより成る薄膜のシール材層を被覆し、該シ
ール材層に接合面及び対向する金属板の表面の微小なキ
ズ、粗さ、歪み等の不整を補償するいわゆるミクロシー
ルの機能をもたせることも公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のシール材層は、
通常、ガスケットを構成するビード板、中間板等の金属
板の表面全体にわたり被覆され、燃焼室用穴の周辺にお
いては高耐熱性を要求されるので、ふっ素ゴム等の高耐
熱性である一方、高価でもあるゴムにより形成されてい
る。このため、シール材層がコスト高となる憾みがあ
る。尤も、ふっ素ゴム等の高耐熱性かつ高価なゴム、プ
ラスチックより成るシール材層は、特に高耐熱性が要求
される燃焼室用穴の周辺部のみに止め、その他の部分の
シール材層はより安価な耐熱性のゴム、プラスチックに
より形成することもあるが、この場合は、シール材層の
コーティングを2回に分けて行わなければならない面倒
さがあり、作業及び材料の管理も複雑になる問題があ
る。しかも、ふっ素ゴム等は高耐熱性とはいえ、その耐
熱性には有機ゴム、プラスチック材料としての限界があ
り、長期使用中には燃焼室用穴周辺のシール材層が劣
化、分解して燃焼室内のガスのシール性を損う危険があ
る。
【0005】本発明は上記の問題点を解消するもので、
エンジンの運転中に高温に曝される燃焼室用穴の周縁部
にシール材層を設けることなしに燃焼室周りの充分な密
封性を確保し得るようにし、よって、シール材層の熱劣
化により燃焼室用穴周りのシール性が損われる危険がな
く、また、シール材層に安価な耐熱性材料を使用でき
る、シリンダヘッドガスケットを提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のシリンダヘッドヘッドガスケットは、燃焼室用穴の
周縁部の表面に燃焼室用穴を囲む複数の同心状の凸条も
しくは凹溝を設けた、金属板よりなる中間板の少くとも
片側に、上記の複数の凸条もしくは凹溝を設けた周縁部
よりも外側の位置において燃焼室用穴を囲むビードを備
えた、弾性金属板よりなるビード板を積層するととも
に、積層されたビード板及び中間板の外表面及び互いに
対向する板面の少くとも一方に、それぞれ燃焼室用穴の
周縁部を除いて、ゴム、プラスチックよりなるシール材
層を被覆したことを特徴とするものである。
【0007】また、本発明のシリンダヘッドガスケット
は、上記した複数の凸条もしくは凹溝を設けた燃焼室用
穴の周縁部が中間板の他の部分よりも厚さが厚い厚肉部
に形成されていることを特徴とし、更に、中間板の燃焼
室用穴の周縁部が、中間板の本体とは別体に形成され、
中間板本体に形成された燃焼室用穴よりも大きい穴の内
周に固着され、かつ厚さが中間板の厚さより厚い金属リ
ング帯により形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】本発明のシリンダヘッドガスケットにおいて
は、中間板の燃焼室用穴の周縁部に燃焼室用穴を囲む凸
条を同心状に複数条、好ましくは3〜4条設けているの
で、本発明のガスケットをシリンダヘッドとシリンダブ
ロックの接合面間に装着し、ボルト締結により締付けた
とき、上記凸条に基づき、接合面の燃焼室用穴周縁部に
は燃焼室用穴を囲む複数の高面圧シール線が同心状に形
成され、ラビリンス効果により燃焼室内のガスを効果的
にシールする。そして、仮に接合面に微小なキズ、粗
さ、歪み等が存在し、これが高面圧シール線の一つを横
切り燃焼ガスの漏洩パスが形成されても、他の高面圧シ
ール線によりこれをシールすることができるので、本発
明によれば、燃焼室用穴の周縁部の表面にシール材層が
被覆されていなくても燃焼室内のガスをよく密封するこ
とができる。
【0009】中間板に対向するビード板の表面に微小な
キズ等があるときも同様であり、シール材層なしで、燃
焼室内のガスが板間に洩れるのを防止することができ
る。また、中間板の燃焼室用穴の周縁部に凸条の代りに
凹条を複数個同心状に設けた場合は凹溝と凹溝に挟まれ
た輪状部分が上記の凸条と同様に作用し、同様に上記周
縁部にシール材層を設けなくても燃焼室内のガスを密封
することができる。そして、本発明においては、凸条も
しくは凹溝を有する燃焼室用穴周縁部を備えた中間板の
両側にビード板或は副板等が積層されており、上記の凸
条や凹溝がシリンダヘッド及びブロックの接合面に直接
当接することがないので、凸条や凹溝が接合面を傷つけ
るおそれはない。
【0010】燃焼室用穴の周縁部にシール材層を設けな
い本発明のガスケットは、当然、シール材層の劣化によ
り燃焼室用穴周りのシール性が損われるおそれはない。
また、シール材層は燃焼室用穴の周縁部以外の部分に設
けられるので、シール材層に対する耐熱性の要求が軽減
され、より安価な耐熱性のゴム、例えば、NBR(ブタ
ジエン−アクリルニトリル共重合体)、SBR(ブタジ
エンスチレン共重合体)、アクリルゴム、アクリルシリ
コンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム等により
シール材層を形成することができるので、シール材層の
コストを低減できる。
【0011】
【実施例】本発明の詳細を実施例の図面に基づき説明す
る。図1は本発明のシリンダヘッドガスケットの実施例
の平面図である。ただし、同図においては図面を簡単化
するために、該ガスケットが備えている冷却水通路穴、
オイル通路穴、ボルト挿通用穴の図示を省略している。
図2は図1のA−A線による断面図である。図3は第二
の実施例についての同様な断面図であり、図4は図3の
周縁部6の拡大断面図である。図5は第三の実施例につ
いての同様な断面図である。
【0012】図1及び図2において、1は本発明による
シリンダヘッドガスケットで、該ガスケット1は、金属
板よりなる中間板4の両側に、弾性金属板よりなり、ビ
ード8を備えたビード板3及び5を積層した構成であ
る。図1においてはビード9は一点鎖線で示されてい
る。中間板4は燃焼室用穴2の周縁部6の表面に燃焼室
用穴2を囲む凸条7を同心状に複数条(図面では3条)
備えており、ビード板3及び5のビード8、8は上記周
縁部6よりも外側の位置において燃焼室用穴2を囲むよ
うに設けられている。
【0013】この実施例においては、中間板4における
燃焼室用穴2の周縁部6は、中間板本体40とは別体
で、中間板本体40よりも厚さが厚く、かつ表面に凸条
7を備えた金属リング帯42を、中間板本体に形成され
た燃焼室用穴2よりも大きい寸法の穴41の内周面に溶
接、接着、圧入或はかしめ等により固着することにより
形成されている。
【0014】かくして、中間板本体よりも厚肉に形成さ
れた周縁部6は、前述の作用以外にガスケットをシリン
ダヘッドとシリンダブロックとの接合面間に装着してボ
ルト締結したときにシリンダヘッドの湾曲のために燃焼
室周りに間隙を生じても、これを補償することができ、
複数の凸条7による前述のラビリンス効果と相俟って燃
焼室内のガスのリークを防止し、また燃焼室内のガス圧
による接合面間の間隙の拡縮に基づきビードに加わる交
番荷重を軽減してビード8、8のへたりや損傷を防止す
る作用効果を奏する。また、金属リング帯42は中間板
よりも厚さが厚いので、凸条7或は後記の凹溝10の形
成、中間板本体40への固着等の加工、取扱が容易であ
る利点もある。
【0015】シール材層9は、図1及び図2に示す実施
例においては、ビード板3及び5の外側表面すなわちシ
リンダヘッド及びブロックの接合面に当接される表面
と、中間板4の両側の表面とを被覆しているが、中間板
4、ビード板3及び5の何れにおいても燃焼室用穴2の
周縁部6及び6′を除いた部分を被覆している。シール
材層9は安価な耐熱性のゴム、前述例示したようなゴム
により形成されている。
【0016】図3に断面図を示す第二の実施例は燃焼室
用穴2の周縁部6の表面に、図1及び図2の第一の実施
例における凸条7の代りに凹溝10を複数条(図では3
条)同心状に設けたものであり、この点以外は上記の第
一の実施例におけると同様である。凹溝10は両側の表
面に対称的に設けてもよいが、図3及び後記の図4に示
すように、両側の表面で非対称的に千鳥状に設けてもよ
い(この点は凸条7においても同様)。
【0017】この第二の実施例の場合は凹溝10に挟ま
れた部分11或は凹溝10と周縁部6の端面との間の部
分12が前記の凸条7と同様に作用し、ラビリンス効果
により燃焼室内のガスを効果的にシールすることができ
る。また燃焼室用穴2の周縁部6の表面にシール材層を
設けることなしに、上記のシール性を確保することがで
きる。
【0018】この第二の実施例は、第一の実施例におけ
るように凸条7を形成する場合に較べて、凹溝10をコ
イニング加工等により容易に形成できるという加工上の
有利性があるが、殊に、凹溝10がコイニング加工によ
り形成されているときは、図4の拡大断面図に示すよう
に、凹溝の両側に隆起部13を生じ、この隆起部13が
局部的な増厚効果を与え、凹溝に挟まれた部分11や部
分12に基づく高面圧シール線を局部的に更に高面圧化
するとともに高面圧シール線を更に多重化し、ラビリン
ス効果を一層高めるという効果がある。
【0019】図5に断面図を示す第三の実施例において
は、中間板4の燃焼室用穴2の周縁に環状の凹段部14
を設け、この凹段部14に燃焼室用穴2を囲むように形
成された同心状の複数の凹溝16を有し、かつ厚さが上
記凹段部14の深さよりも厚い環状のシム板15を溶
接、接着等により固着しており、これにより中間板4の
燃焼室用穴2の周縁部6を厚肉化するとともに、該周縁
部に同心状の複数の凹溝16を形成している。中間板の
両側のビード板3及び5の構成及びシール材層の被覆に
ついては、図1及び図2の第一の実施例並びに図3の第
二の実施例におけると同様である。
【0020】上記の第三の実施例において、中間板に環
状の凹段部14を設け、この凹段部14にシム板15を
固着している理由は、シム板15の厚さを或る程度厚く
することを可能とし、凹溝16の形成、凹段部14への
固着等の加工、取扱を容易にするためである。シム板1
5には凹溝16の代りに凸条を形成させてもよい。
【0021】上記説明した本発明のシリンダヘッドガス
ケットは、上記した実施例及びその変形例以外にも種々
の変形が可能であり、例えばシール材層9はビード板3
及び5の両側の表面に設け、中間板4には設けないよう
にしてもよいし、また、燃焼室用穴2の周縁部6を除外
した板面全体をシール材層が被覆するように設けてもよ
いし、周縁部6を除外した板面の中で例えば冷却水通路
穴、オイル通路穴等の穴部周辺その他必要な部分に部分
的にシール材層を設けるようにしてもよい。
【0022】また、ガスケットにおける金属板の積層構
成についても、例えば、ビード板3及び5のビード8、
8を図示のように対向するように突出させる代りに、逆
に、ビード8、8が背中合わせになるように突出させて
もよいし、また、図示した中間板4、ビード板3及び5
の外に、他の中間板、副板、表面板等を適宜に付加する
こともできる。前記実施例においては、中間板の両側に
ビード板を設けているが、片側は必ずしもビード板であ
る必要はなく、片側のビード板に代えて、副板或は表面
板等としてもよい。
【0023】更に、中間板4の燃焼室用穴2の周縁部の
厚肉化及び該周縁部の表面の凸条もしくは凹溝の形成に
ついては、上記以外に種々の手段が考えられ、種々の変
形が可能である。なお、上記説明した実施例において
は、全て、中間板の燃焼室用穴2の周縁部を中間板の他
の部分よりも厚肉とし、かかる厚肉化によって燃焼室の
ガスのシール性を向上させているが、燃焼室用穴2の周
縁部に該穴2を囲む同心状の複数の凸条もしくは凹溝が
形成されている限り、該周縁部を厚肉化せずに中間板4
の他の部分と同じ厚さに形成している場合においても、
前述したラビリンス効果は得られるから、本発明のガス
ケットは、中間板4の燃焼室用穴2の周縁部を他の部分
と同じ厚さとしている場合を排除するものではない。
【0024】
【発明の効果】本発明のシリンダヘッドガスケットは上
記説明した通りの構成であり、かつ上記したように作用
し、中間板の燃焼室用穴の周縁部に該穴を囲むように同
心状に複数設けた凸条もしくは凹溝に基づくラビリンス
効果により燃焼室内のガスを効果的にシールすることが
できる。また、ガスケットを構成する各金属板の燃焼室
用穴の周縁部にはシール材層を設けず、該周縁部を除外
した部分にシール材層を設けるので、従来のように長期
使用中に燃焼室周りのシール材が劣化してシール性を損
うような危険は全くなく、またシール材層を安価な耐熱
性のゴム、プラスチックにより形成できるので、コスト
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスケットの実施例の平面図である。
【図2】図1のA−A線による断面図である。
【図3】本発明の第二の実施例についての図2と同様な
断面図である。
【図4】図3の周縁部6の拡大断面図である。
【図5】本発明の第三の実施例についての図2と同様な
断面図である。
【符号の説明】
2 燃焼室用穴 3及び5 ビード板 4 中間板 6 周縁部 7 凸条 8 ビード 9 シール材層 10 凹溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 和年 神奈川県大和市深見西1丁目5番2号 日 本ラインツ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室用穴の周縁部の表面に燃焼室用穴
    を囲む複数の同心状の凸条を設けた、金属板よりなる中
    間板の少くとも片側に、上記の複数の凸条を設けた周縁
    部よりも外側の位置において燃焼室用穴を囲むビードを
    備えた、弾性金属板よりなるビード板を積層するととも
    に、積層されたビード板及び中間板の外表面及び互いに
    対向する板面の少くとも一方に、それぞれ燃焼室用穴の
    周縁部を除いて、ゴム、プラスチックより成るシール材
    層を被覆したことを特徴とするシリンダヘッドガスケッ
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリンダヘッドガスケッ
    トにおいて、中間板の燃焼室用穴の周縁部の表面に複数
    の同心状の凸条を設ける代りに、複数の同心状の凹溝を
    設けたことを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
  3. 【請求項3】 中間板の燃焼室用穴の周縁部が中間板の
    他の部分よりも厚さが厚い厚肉部に形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載のシリンダヘッドガス
    ケット。
  4. 【請求項4】 中間板の燃焼室用穴の周縁部が、中間板
    本体とは別体に形成され、中間板本体に形成された燃焼
    室用穴よりも大きい穴の内周に固着されかつ厚さが中間
    板の厚さより厚い金属リング帯により形成されているこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3記載のシリンダヘッ
    ドガスケット。
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