JPH07251462A - 高分子シート、高分子シートの製造方法及び滑走材 - Google Patents

高分子シート、高分子シートの製造方法及び滑走材

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JPH07251462A
JPH07251462A JP7032927A JP3292795A JPH07251462A JP H07251462 A JPH07251462 A JP H07251462A JP 7032927 A JP7032927 A JP 7032927A JP 3292795 A JP3292795 A JP 3292795A JP H07251462 A JPH07251462 A JP H07251462A
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sheet
polymer
polymer sheet
polyethylene
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JP7032927A
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Kazufusa Moriguchi
和総 森口
Fumio Sakurai
文雄 桜井
Ikuo Sekiguchi
育男 関口
Yoshiaki Umezawa
美昭 梅澤
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Original Assignee
Somar Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 性状の異なった縦方向に延びた少なくとも2
種の帯域を有する高分子シート及びその製造方法を提供
するとともに、ストライプ模様を有する高分子シートか
らなる滑走材を提供すること。 【構成】 縦方向に延びた複数の帯域から構成される高
分子シートであって、それら帯域は隣接する帯域とは相
互に異なった性状を有することを特徴とする高分子シー
ト。相互に異なった性状を有する少なくとも2種の高分
子材料層からなる積層体ブロックの外周面部を切削し、
シート状切削物を得ることを特徴とする高分子シートの
製造方法。縦方向に延びた複数の帯域から構成される高
分子シートからなり、隣接する2つの帯域が相互に異な
った色相及び/又は耐摩耗性を有することを特徴とする
滑走材。縦方向に延びた複数の帯域から構成される高分
子シートからなり、隣接する2つの帯域が相互に異なっ
た耐摩耗性を有し、かつ耐摩耗性の低い帯域は溝状凹部
に形成されていることを特徴とする滑走材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子シート、高分子
シートの製造方法及び滑走材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スキーあるいはスノーボード等の滑走用
製品に適用する滑走材として超高分子量ポリエチレンや
高密度ポリエチレン等のポリエチレンからなるシートが
使用されている。このポリエチレンシートには、ポリ
エチレン原料をプレス成形してブロックを製造した後こ
のブロックを切削(スカイブ)してシートとしたシンタ
ードタイプのものと、ポリエチレン原料をTダイ方法
などの押出し成形によりシートとした押出しタイプのも
のがある。このようなシンタードタイプ及び押出しタイ
プのシートはいずれも、1種の材料から形成されたもの
であるため、全面が同一色となり、表面にストライプ模
様を有するシートを得ることはできない。ストライプ模
様を有するシートを得るために、基板となるシートに凹
溝を形成してこの凹溝に他のシートをラミネートする方
法(特開昭49−46876号)があるが、この方法の
場合、手間がかかる、細い線の形成が困難であるなどの
問題がある。
【0003】滑走面に縦溝をつけるとスキーの滑走性能
が上がることは周知である。これは縦溝によりスキーの
滑りに方向性が生じて直進性がよくなること及び溝中に
ワックスが充填されるためワックスの保持性に効果があ
ることによる。この縦溝をつける方法としては、組み立
てが終わったスキーの滑走面をベルトサンダー、砥石な
どで研磨して研粒による引っ掻き傷からなる細かい溝を
形成させるもので、この溝をストラクチャーと称してい
る。しかし、このストラクチャーの効果は比較的短時間
で失われる。その原因として、滑走中あるいは移動中に
おいて滑走面が砂、石などによって削られて無数の引っ
掻き傷ができストラクチャーが消滅するためである。ま
た、同時に摩耗の進行に伴って滑走面全面にポリエチレ
ンの無数の毛羽が発生し滑走抵抗が増大するという問題
も生じた。このため度々ストラクチャーを加工し直す必
要があった。また、着色剤を配合したシンタードタイプ
及びスタンダードタイプの着色シートは、その表面に色
むらが生じやすく、色むらによる製品歩留まりが低いと
いう問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は以下の
通りである。 (1)ストライプ模様を形成するのが容易な新しい構造
の高分子シートを提供すること。 (2)性状の異なった縦方向に延びた2種の帯域を有す
る高分子シートを提供すること。 (3)色相の異なった縦方向に延びた少なくとも2種の
帯域(ストライプ模様)を有する高分子シートを提供す
ること。 (4)物性の異なった縦方向に延びた少なくとも2種の
帯域を有する高分子シートを提供すること。 (5)種類の異なった高分子からなる縦方向に延びた少
なくとも2種の帯域を有する高分子シートを提供するこ
と。 (6)前記高分子シートの製造方法を提供すること。 (7)同一色相を有する高分子シートを歩留まりよく製
造する方法を提供すること。 (8)新しい構造の高分子シートからなる滑走材を提供
すること。 (9)ストライプ模様を有する高分子シートからなる滑
走材を提供すること。 (10)耐摩耗性の異なった縦方向に延びた少なくとも
2種の帯域を有する高分子シートからなる滑走材を提供
すること。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0006】即ち、本発明によれば、縦方向に延びた複
数の帯域から構成される高分子シートであって、それら
帯域は隣接する帯域とは相互に異なった性状を有するこ
とを特徴とする高分子シートが提供される。
【0007】また、本発明によれば、相互に異なった性
状を有する少なくとも2種の高分子材料層からなる積層
体ブロックの外周面部を切削し、シート状切削物を得る
ことを特徴とする高分子シートの製造方法が提供され
る。さらに、本発明によれば、同一色相に着色された高
分子材料からなる積層体ブロックの外周面部を切削し、
シート状切削物を得ることを特徴とする高分子シートの
製造方法が提供される。
【0008】さらにまた、本発明によれば、縦方向に延
びた複数の帯域から構成される高分子シートからなり、
隣接する2つの帯域が相互に異なった色相及び/又は耐
摩耗性を有することを特徴とする滑走材が提供される。
【0009】さらにまた、本発明によれば、縦方向に延
びた複数の帯域から構成される高分子シートからなり、
隣接する2つの帯域が相互に異なった耐摩耗性を有し、
かつ耐摩耗性の低い帯域は溝状凹部に形成されているこ
とを特徴とする滑走材が提供される。
【0010】本発明の高分子シートを製造するには、先
ず、高分子材料層の複数が積層接着された積層体ブロッ
ク(円柱体、円盤体、直方体等)を形成する。このブロ
ックの1例(円柱ブロック)について、その斜視図を図
1(a)に示し、そのA−A断面図を図1(b)に示
す。図1において、Lは積層体ブロックを示し、1、
2、…nは高分子材料層を示し、1’、2’、…n’は
高分子材料層の積層接着面を示す。
【0011】高分子材料層1〜nは、従来公知の各種の
高分子材料から構成することができる。このような高分
子材料層は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、合
成ゴム、その他の高分子材料から形成されたものである
ことができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリ
オレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂、AAS樹脂、A
ES樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、MBS
樹脂、エチレン塩ビ共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエ
チレン樹脂、フッ素樹脂(四フッ化樹脂、PFA樹脂、
三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共
重合体、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂
等)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、
ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテ
ル、ポリフェニレンサルファイド、メタクリル樹脂等が
挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、グ
アナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポ
リイミド等が挙げられる。合成ゴムとしては、シリコー
ンゴム、イソプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ウ
レタンゴム等が挙げられる。また、高分子材料層は、各
種の繊維強化プラスチック層や発泡プラスチック層、多
孔質高分子層、導電性高分子層の他、高分子を主体とす
る合成紙層や不織布層、合成木材層等であることができ
る。さらに、高分子材料層は着色剤を含むことができる
し、慣用の補助添加剤、例えば、充填剤、導電材、可塑
剤、酸化防止剤、滑材、紫外線吸収剤、難燃剤等を含む
ことができる。
【0012】前記積層体ブロックを形成する複数の高分
子材料層は、相互に異なった性状を有する少なくとも2
種の高分子材料層からなるものである。この場合の性状
には、色相、物性、材質、結晶性等が包含される。ま
た、物性には、耐摩耗性や機械的強度、ガス透過性、密
度、電気絶縁性等が包含される。
【0013】積層体ブロックの各高分子材料層間の接着
は、熱融着の他、接着剤を用いた接着であることができ
る。接着剤としては、従来公知の各種のもの、例えば、
尿素樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール
樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤、水性高分子−
イソシアネート系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、酢酸
ビニル系接着剤、アクリルエマルジョン系接着剤、ホッ
トメルト接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウ
レタン系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、ニトリル
ゴム系接着剤、エチレン共重合樹脂系接着剤等が挙げら
れる。
【0014】図1に示した積層体ブロックLにおいて、
その上端と下端との間の長さは、本発明の高分子シート
の幅寸法に関係するもので、所望する高分子シートの幅
寸法に応じて適宜定めるが、一般的には、30〜600
mmである。また、高分子材料層1、…nの厚さは、本
発明の高分子シートの最小構成単位に関係するもので、
所望に応じて適宜定めるが、一般的には、20μm〜5
mm、好ましくは50μm〜3mmである。
【0015】本発明においては、前記積層体ブロック
は、その外周面部を所定厚さに切削(スカイブ)する。
これにより、高分子シートを得ることができる。この高
分子シートの平面図を図2に示す。図2において、a
(1)、a(2)、…a(n)は、図1(b)における
高分子材料層1、2、…nの切削により形成された高分
子シートの最小構成単位を示す。これらの各高分子シー
ト最小構成単位は、その側端面において相互に接着さ
れ、全体として高分子シートMを形成する。図2におい
て、1’、2’、…n−1’は、高分子シート最小構成
単位a(1)、a(2)、…a(n)を相互に接着する
接着面を示す。
【0016】本発明の高分子シートは、前記したよう
に、図1(b)に示した高分子材料層1、2、…nの切
削により形成された複数の高分子シート最小構成単位a
(1)、a(2)、…a(n)がその側端面において一
体に接着された構造を有する。従って、本発明の高分子
シートは、図1に示す積層体ブロックLにおける高分子
材料層1、2、…nの性状に対応した性状を有するもの
となり、その高分子材料層として、その性状が相互に異
なった少なくとも2種のものを用いることにより、性状
の異なった2以上の部分を含有する高分子シートを得る
ことができる。この場合、図1(b)に示した高分子材
料層1、2、…nにおいて、それらの各高分子材料層を
隣接する高分子材料層とは異なった性状のものにするこ
とができるし、高分子材料層1、2、…nのうちの連続
する高分子材料層の複数層を同一性状のものとして、同
一性状を有する高分子材料層集合体部を形成させること
ができる。高分子材料層1、2、…nの中には、相互に
異なった性状を有する高分子材料層集合体部を複数存在
させることができる。
【0017】積層体ブロックLにおける前記した隣接す
る高分子材料層とは異なった性状を有する特定性状の高
分子材料層及び高分子材料層集合体部は、その積層体ブ
ロックLから得られた高分子シートには、同一性状を持
った縦方向に延びる帯域(ストライプ)として現われ、
高分子シートはこれらの帯域から構成されたものとな
る。本明細書において高分子シートについていう帯域と
は、隣接する高分子材料層又はその集合体部とは異なっ
た性状を有する高分子材料層又はその集合体部から形成
される高分子シート部を意味するものである。
【0018】次に、積層体ブロックLにおける高分子材
料層の積層配置例について示すと、例えば、図1(b)
の奇数層1、3、5、…として性状Aを有する高分子材
料層Aを用い、偶数層2、4、6…として性状Bを有す
る高分子材料層Bを用いることにより、図2において、
a(1)、a(3)、a(5)、…の高分子シート最小
構成単位が性状Aを有する帯域Aとなり、a(2)、a
(4)、a(6)、…の高分子シート最小構成単位が性
状Bを有する帯域(B)となり、これらの帯域A、Bが
A/B/A/B・・・・・・のように交互に組合さった高分子
シートMを得ることができる。この場合、高分子シート
構成最小単位a(1)、a(3)、a(5)、…が色相
Aを有する高分子材料層Aからなり、高分子シート最小
構成単位a(2)、a(4)、a(6)、…が色相Bを
有する高分子材料層Bからなるときには、高分子シート
Mは、色相Aと色相Bが交互に組合さったストライプ模
様を有するものとなる。また、高分子シート最小構成単
位a(1)、a(3)、a(5)、…が非発泡プラスチ
ック層Aからなり、高分子シート最小構成単位a
(2)、a(4)、a(6)、…が発泡プラスチック層
Bからなるときには、高分子シートMは、縦方向に延び
た非発泡部帯域Aと縦方向に延びた発泡部帯域Bとが交
互に組合さったものとなる。さらに、高分子シート最小
構成単位a(1)、a(3)、a(5)、…が電気抵抗
の比較的小さい導電性材料層Aからなり、高分子シート
最小構成単位a(2)、a(4)、a(6)、…が、電
気抵抗の比較的大きい導電性材料層Bからなるときは、
高分子シートMは、縦方向に延びた電気抵抗の比較的小
さい導電性部帯域Aと縦方向に延びた電気抵抗の比較的
大きい導電性部帯域Bとが交互に組合さったものとな
る。このような電気抵抗の比較的大きな導電性部帯域B
を有する高分子シートMは、電気抵抗が比較的大きい導
電性帯域Bをはさんでそれぞれ反対側に位置する電気抵
抗が比較的小さい導電性部帯域Aを電極とすることによ
り、面状発熱体として用いることができる。高分子シー
ト最小構成単位a(1)、a(3)、a(5)、…が導
電性高分子材料層Aからなり、高分子シート最小構成単
位a(2)、a(4)、a(6)、…が非導電性高分子
材料層Bからなるときは、高分子シートMは、縦方向に
延びた導電性部帯域Aと縦方向に延びた非導電性部帯域
Bとが交互に組合さったものとなる。このような導電性
部帯域Aと非導電性部帯域Bとが交互に組合さった高分
子シートMは摩擦によって表面に静電気が帯電すること
が少い。例えば、その導電性部帯域を有する高分子シー
トMをスキー板の滑走材として使用した場合は静電気に
よる雪の付着を防止できる。さらに、その導電性部帯域
を有する高分子シートMの各帯域に沿って、シートの一
方、又は両方の側面に金属(例えば、アルミニウム、
鉄、チタン、金、白金等)層を配置してもよく、さらに
また、その導電性部帯域を有する高分子シートMの導電
性部帯域Aが複数あるときは、その導電性部帯域の一部
の帯域を金属層と置きかえてもよい。この際、高分子材
料層と金属層との間にマレイン化ポリオレフィン樹脂の
ような接着剤を配置するのが良い。上記のような導電性
部帯域を有する高分子シートMは、電気分解装置等の電
極材として使用することもできる。
【0019】さらに、高分子シート最小構成単位a
(1)、a(2)、…a(n)のうち、そのa(1)〜
a(30)が同一性状Aを有するものからなり、(3
1)〜a(n=60)が同一性状Bを有するものからな
るときには、高分子シートMは、縦方向に延びた性状A
の帯域Aと縦方向に延びた性状Bの帯域Bからなり、こ
れらの帯域A、BがA/Bのように組合さったものとな
る。高分子シート最小構成単位a(1)、a(2)、…
a(n)のうち、そのa(1)〜a(10)が性状Aを
有するものからなり、a(11)〜a(20)が性状B
を有するものからなり、a(21)〜a(30)が性状
Cを有するものからなり、a(31)〜a(40)が性
状Dを有するものからなり、a(41)〜a(50)が
性状Eを有するものからなり、a(51)〜a(n=6
0)が性状Fを有するものからなるときには、高分子シ
ートMは、縦方向に延びた性状A、B、C、D、E、F
を有する各帯域A、B、C、D、E、FがA/B/C/
D/E/Fのように組合さったものとなる。高分子シー
ト最小構成単位a(1)、a(2)、…a(n)のう
ち、そのa(1)〜a(10)が性状Aを有するものか
らなり、a(11)〜a(20)が性状Bを有するもの
からなり、a(21)〜a(30)が性状Cを有するも
のからなり、a(31)〜a(40)が性状Bを有する
ものからなり、a(41)〜a(n=50)が性状Aを
有するものからなるときには、高分子シートMは、縦方
向に延びた性状A、B、Cからなる帯域がA/B/C/
B/Aのように組合さったものとなる。
【0020】本発明により高分子シートを製造する場
合、図1(b)における高分子材料層1、2、…nをい
ずれも同じ色相を有する同一高分子材料で形成させると
きには、同じ色相を有する高分子シートMを得ることが
できる。このような高分子シートMは、色むらのない均
一な色相を有するものである。着色剤を含有する高分子
材料を押出し成形して着色フィルムを製造する場合、前
記したように、得られるフィルムには縦方向における色
むらが生じやすいという問題があるが、本発明により得
られる前記着色高分子フィルムは、着色高分子フィルム
を、その色むらの生じにくい厚さ方向に切削し、その切
削を集合させて一体のフィルムに形成した構造を有する
ことから、縦方向における色むらのない均一色相を有す
るものである。
【0021】本発明の滑走材は、縦方向に延びた複数の
帯域から構成される高分子シートからなり、隣接する2
つの帯域が相互に異なった色相及び/又は耐摩耗性を有
することを特徴とするものである。この滑走材を製造す
るための高分子材料としては、低中密度ポリエチレン、
超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、架橋ポ
リエチレン等のポリエチレンが好ましく使用される他、
エチレン/プロピレン共重合体、アイオノマー樹脂、ポ
リエーテル/アミドブロックコポリマー、ポリアミド
(ナイロン)、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリテトラフルオロエチレン等のいわゆる
エンジニアリングプラスチック等が使用される。以下、
ポリエチレンを素材とする滑走材の製造について詳述す
る。
【0022】滑走材素材としてのポリエチレンとして
は、低中密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン等が用いられ
る。この場合、好ましいポリエチレンは、デカリン法に
おける極限粘度(ポリエチレン/デカリン=0.5mg
/mlからなるデカリン溶液の135℃における相対粘
度から計算した値、以下、I.Vと記す)が3dl/g
以上、特に好ましくは4dl/g以上のポリエチレンで
ある。I.Vの異なるポリエチレンを2種以上混合した
混合ポリエチレンも使用できるが、この混合ポリエチレ
ンの場合、I.Vが10dl/g以上のポリエチレンを
10重量%以上さらに好ましくは20重量%以上含有す
るものが好ましい。I.Vの値が大きいほど分子量の高
いポリエチレンであり、分子量が高くなるに従って耐摩
耗性が良くなる。
【0023】本発明で用いるポリエチレン基材シート
は、シンタードタイプのシート製造方法、押し出しタイ
プのシート製造方法等を用いて得ることができる。シン
タードタイプのシート製造方法においては、ポリエチレ
ンの粉体に着色材、紫外線吸収剤、熱安定材などの補助
添加材を配合して混合した原料を金型に充填し、所定の
条件下で加熱プレス後冷却してポリエチレンのブロック
を作成する。プレス条件は、加熱温度220℃前後、圧
力=0.5Mpa〜10Mpa、加圧時間=8時間以
上、冷却時間=4時間以上である。金型から取り出した
ポリエチレンブロックはバリ取りを行い、スカイブマシ
ンによりスカイブしてシートとする。押出しタイプのシ
ート製造方法においては前記補助添加材を配合したポリ
エチレンの粉体あるいはペレットの原料をTダイをセッ
トしたエキストルーダーに供給して、220℃前後でシ
ート状に押出し、冷却ロールにより固化してシートとす
る。前記のようにして得られた基材シートは、これを金
型に合わせて好ましくは円形に裁断するが、金型の内法
寸法よりもやや小さく裁断するのが好ましい。これはシ
ートが熱膨張して金型内法寸法よりも大となって、し
わ、歪みなどが発生することを防止するためと、加圧に
よりフローした余剰の樹脂の逃がし場を設けるためで、
金型の内法寸法よりも2〜5%小さく裁断すればよい。
例えば、金型の内法直径が350mmの場合には、シー
トは343〜332mmの直径に裁断すればよい。基材
シートの厚さは特に限定されないが、好ましくは20μ
m〜5mmで、さらに好ましくは50μm〜3mmであ
る。
【0024】前記のようにして得られる基材シートは、
これを積層させるが、その積層数は基材シートの厚さ
と、所望する滑走材の幅に関係する。例えば、100m
m幅の滑走材を得るには、積層体の厚さを100mmに
すればよく、これには厚さ500μmの基材シートでは
200枚、厚さが1000μmの基材シートでは100
枚を積層すればよい。滑走材シートにおける縦方向に延
びた同一色相及び/又は耐摩耗性部分(帯域)の幅は、
基材シートの厚さあるいは基材シートの枚数により調節
することができる。例えば、2mmの幅の縦方向に延び
た帯域を形成するには、厚さが2mmの基材シートでは
1枚でよく、厚さが500μmの基材シートでは4枚を
連続して隣合わせに積層すればよい。
【0025】基材シートの積層の仕方により、滑走材表
面に形成されるストライプ模様(縦方向に延びた複数の
帯域からなる模様)が決定される。例えば、厚さがそれ
ぞれ500μmの基材シートで、色が蛍光レッド
(R)、蛍光ピンク(P)、蛍光オレンジ(O)、蛍光
イエロー(Y)、蛍光イエローグリーン(YG)、蛍光
グリーン(G)、蛍光ブルー(B)の7種類の基材シー
トを交互に(R)/(P)/(O)/(Y)/(YG)
/(G)/(B)の順に繰り返して200枚積層した場
合には、幅100mmのレインボー模様を有した美麗な
滑走シートを得ることができる。この際に、着色基材シ
ートをその間に無色のシートを間挿して積層することに
より、着色ストライプ間に無色ストライプが間挿された
ストライプ模様の滑走材が得られるが、このような滑走
材においては、その無色ストライプ部分から入射した光
が隣の蛍光色ストライプ部分に回りこんで蛍光色を発色
させる光量を増やすことになり、蛍光色がより鮮明とな
る。無色の基材シートの厚さは蛍光色の基材シートより
も薄い方が好ましく、蛍光色シートの1/2位がよい。
無色基材シートが厚い場合には無色ストライプ部分が目
立ち過ぎるためである。
【0026】耐摩耗性の高い基材シートをその間に耐摩
耗性の低い基材シートを配して積層する場合、耐摩耗性
の高い部分と耐摩耗性の低い部分とが交互に出現する滑
走材が得られる。この滑走材の表面を研磨すると、その
耐摩耗性の低い部分が多く除去されるため、その耐摩耗
性の低い部分が縦方向に延びる溝(縦溝)に形成された
滑走材を得ることができる。ポリエチレンからなる滑走
材において、耐摩耗性の高い部分と低い部分を形成する
には、I.Vの差が好ましくは3dl/g以上、さらに
好ましくは4dl/g以上であるポリエチレンの組合わ
せが好適である。例えば、I.V=16dl/gの超高
分子量ポリエチレンからなる厚さ500μmの基材シー
ト(U)と、I.V=4dl/gの高密度ポリエチレン
からなる厚さ=300μmの基材シート(H)を交互に
積層した積層体ブロックから切削により形成した滑走材
をバフ研磨すると、(H)の層が多く摩耗して凹部
(溝)となり、(U)の層は摩耗が少ないために凸部と
なって残り、結果的に溝センターピッチ=800μmの
縦溝を有した滑走シートとなる。この溝センターピッチ
は、基材シートの厚さ、枚数及び基材シートの積層の仕
方により決まる。また、耐摩耗性の大きい基材シートの
積層体に対して間挿する耐摩耗性の低い基材シートの位
置を適当に選ぶことにより、溝部を滑走シートの任意の
場所に配することができる。溝部は耐摩耗性の低い部分
が多く摩耗することにより形成されるために、滑走材の
溝付けは、研磨の他、滑走中の摩耗によって行うことが
できる。即ち、滑走中の滑走面の摩耗に伴って永続的に
溝が形成され続くことになり、滑走性能が維持されるこ
とになる。ポリエチレンからなる基材シートの耐摩耗性
は主として分子量に依存するもので、着色剤等の影響は
あまり受けない。従ってI.V値により着色の自由度は
制限されない。但し、その溝部を区別するため、基材シ
ートの積層に際し、溝部を与える基材シートの色を特定
の色にしてもよい。
【0027】各種基材シートは、これを金型の中に前記
要領で積層配列した後、これを公知のプレス成形方法に
て積層体ブロックに成形する。積層体ブロックの形状は
円柱状、円筒状、直方体状等があり特に制限はないが、
スカイブ加工上からは円柱状あるいは円筒状が好適であ
る。プレス条件は、直径=350mm、厚さ=100m
mのサイズの積層体においては、圧力=0.2〜5MP
a、温度=210℃、プレス時間=5時間、冷却時間=
2時間が適用される。この際、金型及び金型中の積層基
材シートが昇温するまでの圧力をコントロールすること
により、積層接着面を直線状あるいは波状とすることが
できる。即ち、圧力を0.5MPa以上に保持した場合
は直線状の積層接着面が得られ、0.1〜0.4MPa
では1部の積層接着面が波状となり、0〜0.1MPa
では大部分の積層接着面が波状となる。低圧下で積層接
着面が波状になる理由は、低い圧力下においては基材シ
ートの熱膨張による動きを規制できないため皺が発生す
るのに対し、高圧力下ではこの動きが規制されることに
よる。また、I.Vの低いポリエチレンの基材シートと
I.Vの高いポリエチレンの基材シートを積層したもの
においては、高い圧力下でも波状の積層接着面が形成さ
れることがある。この理由は、高圧力下においてI.V
の低いポリエチレンがフローして部分的に厚さが異なる
場所が発生するためで、I.Vの差が8dl/g以上あ
るポリエチレンの基材シートの組み合わせにおいて多く
発生し、I.Vの低いポリエチレン基材シートの厚さが
厚くなるに従って、また、圧力が1MPa以上の場合
に、より顕著となる。積層接着面のこのような波打ち
は、滑走材においては、高分子表面に形成された縦方向
に延びた帯域間の界面の波打ちとなって現われ、例え
ば、図3に示すような滑走材が得られる。
【0028】金型に積層充填した基材シートをプレス加
圧下で金型温度を上昇させながら熱融着させて積層体ブ
ロックを得る場合、金型の昇温に伴って基材シートが熱
膨張してプレス盤を押圧するために、積層基材シートに
加わる圧力が上昇する。前記したように、この際のプレ
ス圧力を所定範囲にコントロールすることにより、積層
接着面が直線状又は波状となった積層体ブロックを得る
ことができる。前記のようにして、積層シートの熱圧着
を行った後、プレス圧力を保持しながら金型を冷却する
が、その冷却に伴って積層体ブロックが収縮してプレス
圧力が低下する。この場合、プレス圧力を所定範囲にコ
ントロールすることにより、積層接着面が直線状又は波
状となった積層体ブロックを得ることができる。冷却
後、金型から積層体ブロックを取出し、その積層体ブロ
ック周囲に形成したバリを除去し、このバリの除去され
た積層体ブロックをスカイブ工程に供する。
【0029】スカイブ加工は、積層体ブロックの外周表
面部を切削してシートを形成する加工であり、スカイブ
マシーンにより行うことができる。この際に得られるシ
ートの厚みは特に制約されないが、通常、0.8〜1.
5mmである。スカイブ加工において、切削刃は、その
刃先線が積層体ブロックの中心軸方向(積層方向)と同
一方向又はその中心軸方向に対して斜め方向になるよう
に配置させる。切削刃の刃先線を積層体ブロックの中心
軸と同一方向になるように配置してスカイブ加工を行う
ときには、その積層体ブロックの厚さと同寸法幅のシー
トを得ることができる。切削刃の刃先線を積層体ブロッ
クの中心軸方向に対し傾斜方向に配置してスカイブ加工
を行うときには、積層体ブロックの厚さより広幅のシー
トを得ることができる。このようにして得られるシート
は、滑走材として利用される。
【0030】前記のようにして得られる滑走材は、スキ
ーやスノーボード等の滑走用製品における滑走面を形成
する材料として用いられる。この滑走材を滑走用製品に
適用するには、その製品の滑走面と同一形状に裁断した
滑走材をその製品の滑走面に接着させる。この滑走材の
接着に際しては、その滑走材表面は、あらかじめ粗面化
及び/又は活性化させるのが好ましい。この場合の活性
化処理としては、火炎処理や、紫外線処理、コロナ放電
処理等が挙げられる。また、滑走材の接着に際しては、
その接着剤として白色不透明のエポキシ系接着剤の使用
が好ましい。蛍光着色剤を含有させた滑走材は、透明性
のもので、これを滑走用製品に適用すると、その製品本
体の素地が透けて見えるが、前記白色不透明のエポキシ
系接着剤の使用により、このような製品本体素地の透視
が防止され、同時に、その白色接着剤層により光反射率
が向上し、これにより滑走材の蛍光着色は一層鮮明にな
る。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。表1に本実施例において基材シート材料として
使用したポリエチレンの種類と物性を示す。
【0032】
【表1】 ─────┘
【0033】表2に、ポリエチレンに添加した助剤の種
類と添加した目的を示す。
【0034】
【表2】
【0035】表3に基材シート製造に用いたポリエチレ
ンと添加剤の配合組成を示す。
【0036】
【表3】
【0037】参考例1(高密度ポリエチレン基材シート
の製造) 表3のNo.1のポリエチレン組成物を調製した。先
ず、表3に示した添加剤、、、、を高速混合
機(ヘンシルミキサー)にて撹拌混合した。次にこの添
加剤の混合物を、80℃に予熱したの高密度ポリエチ
レンペレットに添加してドラムミキサー中で20分間混
合した。得られた添加剤のポリエチレンの混合物は個々
のポリエチレンペレットが添加剤により均一にまぶされ
たものであった。この混合物ペレットをTダイを備えた
単軸スクリュー押出し機から220℃の温度でシート状
に押出し、80℃の冷却ロールに引き入れ冷却固化し
て、厚さ=300μm、幅=360mm、長さ=200
mの押出しタイプのシートを得た。この際、着色剤を変
えて8種類のシートを製造した。即ち、着色剤なし=無
色(NC)、Epocolor FP−20(蛍光赤)
を使用したものは蛍光赤色、同様にEpocolor
FP−10(蛍光ピンク)、EpocolorFP−4
0(蛍光オレンジ)、Epocolor FP−300
H(蛍光イエロー)、Epocolor FP−100
7H(蛍光イエローグリーン)、Epocolor F
P−1025H(蛍光グリーン)、Epocolor
FP−1050(蛍光ブルー)の8種類である。これら
各シートを直径=340mmの円盤に打ち抜き積層に供
した。
【0038】参考例2(超高分子量ポリエチレン基材シ
ートの製造) 表3のNo.2の超高分子量ポリエチレン組成物を調製
した。先ず、表3に示した添加剤、、、、を
ヘンシルミキサーにて撹拌混合した。次にこの添加剤の
混合物と超高分子量ポリエチレンの粉体とを同じくヘン
シルミキサーにて撹拌混合した。次に、この粉体混合物
をプレス金型に充填し、温度=220℃、圧力=3MP
aで10時間加熱した後、圧力を保持したまま6時間か
けて30℃まで冷却した。このようにして直径350m
m、厚さ=120mmの成形体ブロックを得た。次いで
このブロックを厚さ=500μmにスライスしてシート
とした。この場合も着色剤を変え、参考例1と同じ8種
類の色のシートを製造した。これらの各シートを直径=
340mmの円盤に打ち抜き積層に供した。
【0039】参考例3(高分子量ポリエチレン基材シー
トの製造) 表3のNo.3の高分子量ポリエチレン組成物を調製
し、参考例1と同様にして、この組成物から高分子量ポ
リエチレンからなる8種類のシートを製造した後、参考
例1と同じく裁断して、直径=340mm、厚さ=50
0μmの円盤とし積層に供した。
【0040】実施例1(高密度ポリエチレン層と超高分
子量ポリエチレン層で構成した高分子シートの製造) 参考例1で得た高密度ポリエチレンからなる直径=34
0mm、厚さ=300μmの無色のシート(H)と、参
考例2で得た超高分子量ポリエチレンからなる直径=3
40mm、厚さ=500μmの無色のシート(U)を1
層目及び最終層が(U)となるように交互に積層、即
ち、(U)/(H)/(U)/(H)/・・・・・/
(H)/(U)の積層順で(U)の124枚と(H)の
123枚を金型中に積層充填した。
【0041】金型はプレス成形において一般的に使用さ
れている円筒状金型で、成形筒外周に加熱のためバンド
ヒーターを備えたものであり、金型の上下はプレス盤に
よって加熱及び冷却され側面はバンドヒーターによって
加熱されるタイプのもので、円筒部の内径=350m
m、外径=380mm、深さ=200mmのものを使用
した。前記シートを金型中に積層充填した後、蓋をして
プレス成形機にセットした。これを室温下にて2MPa
に加圧してシート層間の空気を除去した後、圧力を1M
Paに下げて昇温を開始した。圧力を1MPaに維持し
たまま210℃の温度下で5時間加熱して基材シートを
融着させた後、圧力を1MPaに維持したまま2時間か
けて40℃まで冷却した。冷却後、プレス機械から金型
を取り外し、次いで金型から積層体ブロックを取り出し
た。この積層体をスカイブマシンにより厚さ=1mmに
連続スカイブして幅=98mm、長さ=60mのシート
を製造した。この様にして得たシートは(U)の層と
(H)の層の透明度の差によりストライプ模様が視認で
きるものであった。
【0042】このシートの片面を羊毛ボンネットを取り
付けたポリッシャーで10秒間バフ研磨を行ったとこ
ろ、(H)層が摩耗して凹溝となり、(U)層は角が若
干とれた台形状の凸部となり、溝幅=約300μm、溝
深さ=20〜50μm、溝センターピッチ=800μm
を有するシートが得られた。さらにこの研磨を30秒間
続けたところ溝深さは60μm以上となり摩耗の進行に
伴って溝が形成され続くことが確認された。
【0043】実施例2(高密度ポリエチレン層と高分子
量ポリエチレン層で構成した高分子シートの製造) 参考例1で得た高密度ポリエチレンからなる直径=34
0mm、厚さ=300μmの無色のシート(H)と、参
考例2で得た高分子量ポリエチレンからなる直径=34
0mm、厚さ=500μmの無色のシート(VH)を1
層目及び最終層が(VH)となるように交互に積層、即
ち、(VH)/(H)/(VH)/(H)/・・・・・
/(H)/(VH)の積層順で(VH)を124枚と
(H)を123枚の計247枚を実施例1に示したと同
じ金型中に積層充填し、実施例1と同様にプレス成形し
た後、厚さ=1mmにスカイブして高密度ポリエチレン
と高分子量ポリエチレンとが交互に積層されたシートを
得た。このシートの片面を実施例1と同様に10秒間バ
フ研磨したところ、高密度ポリエチレンの層が凹溝とな
り高分子量ポリエチレンの層は尖った凸状となり全体で
は鋸歯状の凹凸面となった。この場合の溝深さ(山の頂
点を基準とした溝底までの深さ)は約40μm、溝セン
ターピッチ=800μmであった。さらにこの研磨を3
0秒間続けたところ、溝深さは100μm以上となり摩
耗の進行に伴って溝が形成され続くことが確認された。
着色シートにおいても同様の結果を得た。
【0044】実施例3(多色ストライプ模様を有する高
分子シートの製造) 参考例1に示した高密度ポリエチレンシートを用いて多
色ストライプ模様の高分子シートを製造した。高密度ポ
リエチレンシートとしては、その色が、無色、蛍光
赤、蛍光ピンク、蛍光オレンジ、蛍光イエロー、
蛍光イエローグリーン、蛍光グリーン、蛍光ブル
ーである8種のシートを使用した。各シートを実施例1
で使用したと同じ金型中に積層した。積層配列は、を
2枚積層し次いでその上にを11枚連続して積層し、
さらにその上にを11枚連続して積層していくやり方
で、順番にを2枚/を11枚/を11枚/を1
1枚/を11枚/を11枚/を11枚/を11
枚/を2枚の計81枚を1構成単位としてこれを4回
繰り返して積層し、この積層体を実施例1と同じ方法で
プレス成形及びスカイブして、厚さ=1mm、幅=95
mmのレインボー模様の美麗な高分子シートを得た。同
様にして、超高分子量ポリエチレン及び高分子量ポリエ
チレンシートからも、レインボー模様の美麗な高分子シ
ートをそれぞれ得た。
【0045】実施例4(グラデーション色模様を有する
高分子シートの製造) 実施例3で用いたと同じ高密度ポリエチレンのシートの
うち、無色と蛍光ピンクの2種の色のシートを用い
てグラデーションの色模様を有する高分子シートを製造
した。積層構成は、無色のシートと蛍光ピンクのシ
ートを次のように積層した。順番にを25枚/を1
枚/を20枚/を1枚/を15枚/を1枚/
を10枚/を1枚/を9枚/を1枚/を8枚/
を1枚/を7枚/を1枚/を6枚/を1枚/
を5枚/を1枚/を4枚/を1枚/を3枚/
を1枚/を2枚/を1枚/を1枚/を1枚/
を1枚/を1枚/を1枚/を1枚/を1枚/
を1枚/を1枚/を1枚/を1枚/を30枚
の計167枚を1組としたものを2組、それぞれ25
枚を中心として上下対称に実施例1で使用したと同じ金
型中に計334枚積層した。これを実施例1と同じ方法
でプレス成形及びスカイブして、厚さ=1mm、幅=1
00mmの高分子シートを製造した。この高分子シート
は中心部が濃いピンクで端にいくに従って段々と色が薄
くなるグラデーションのついた美麗なものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の高分子シートは、隣接する2つ
の帯域が相互に異なった性状を有する複数の帯域から構
成されるもので、その帯域の性状を種々変化させること
により、同一シートにおいて各種性状を同時に有する極
めて特異な高分子シートを容易に得ることができる。こ
のような高分子シートは、その性状に応じて、滑走材を
始めとし、ガイドレール、認識テープ等として有利に利
用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層体ブロックの構成図を示す。(a):斜視
図、(b):図1(a)のA−A断面図
【図2】図1に示す積層体ブロックから得られる高分子
シートの説明平面図を示す。
【図3】高分子シートにおいて、その帯域間の界面に波
打ちを生じたシートの説明平面図を示す。
【符号の説明】
1−n 高分子材料層 a(1)〜a(n) 高分子シートの最小構成単位 1’−n−1’ 高分子シートの最小構成単位間の接
触面 L 積層体ブロック M 高分子シート A 性状Aを有する帯域 B 性状Bを有する帯域
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 27/32 E 8115−4F B29K 23:00 (72)発明者 梅澤 美昭 東京都中央区銀座四丁目11番2号 ソマー ル株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦方向に延びた複数の帯域から構成され
    る高分子シートであって、それら帯域は隣接する帯域と
    は相互に異なった性状を有することを特徴とする高分子
    シート。
  2. 【請求項2】 隣接する2つの帯域が、相互に異なった
    色相又は物性を有するか、あるいは相互に異なった高分
    子材料で形成されている請求項1の高分子シート。
  3. 【請求項3】 各帯域の幅が20μm〜5mmである請
    求項1又は2の高分子シート。
  4. 【請求項4】 相互に異なった性状を有する少なくとも
    2種の高分子材料層からなる積層体ブロックの外周面部
    を切削し、シート状切削物を得ることを特徴とする高分
    子シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 同一色相に着色された高分子材料からな
    る積層体ブロックの外周面部を切削し、シート状切削物
    を得ることを特徴とする高分子シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 縦方向に延びた複数の帯域から構成され
    る高分子シートからなり、隣接する2つの帯域が相互に
    異なった色相及び/又は耐摩耗性を有することを特徴と
    する滑走材。
  7. 【請求項7】 縦方向に延びた複数の帯域から構成され
    る高分子シートからなり、隣接する2つの帯域が相互に
    異なった耐摩耗性を有し、かつ耐摩耗性の低い帯域は溝
    状凹部に形成されていることを特徴とする滑走材。
  8. 【請求項8】 高分子シートがポリエチレンからなる請
    求項6又は7の滑走材。
  9. 【請求項9】 耐摩耗性の高い帯域及び耐摩耗性の低い
    帯域がそれぞれポリエチレンで形成され、該帯域におけ
    るポリエチレンのデカリン法による極限粘度差が3dl
    /g以上である請求項6又は7の滑走材。
JP7032927A 1994-01-31 1995-01-31 高分子シート、高分子シートの製造方法及び滑走材 Pending JPH07251462A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002270739A (ja) * 2001-02-28 2002-09-20 Three M Innovative Properties Co 熱伝導性シートの製造方法及び製造装置
JP2006520211A (ja) * 2003-02-07 2006-09-07 フェリックス・フロリアン ウィンタースポーツ用具の滑走用コーティング材
JP2008525068A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 フェリックス・フロリアン ウィンタースポーツ用具のための滑走コーティング
JP2011518933A (ja) * 2008-04-29 2011-06-30 ノファメーア ベスローテン フェンノートシャップ 高強度ポリエチレンフィルムを製造する方法
JP2012517617A (ja) * 2009-02-06 2012-08-02 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光制御フィルム及び多層光学フィルムスタック

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