JPH07250565A - 接ぎ木の活着方法及びその装置 - Google Patents

接ぎ木の活着方法及びその装置

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JPH07250565A
JPH07250565A JP6316785A JP31678594A JPH07250565A JP H07250565 A JPH07250565 A JP H07250565A JP 6316785 A JP6316785 A JP 6316785A JP 31678594 A JP31678594 A JP 31678594A JP H07250565 A JPH07250565 A JP H07250565A
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JP
Japan
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grafted
seedlings
water
grafting
rootstock
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Pending
Application number
JP6316785A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Sato
博之 佐藤
Osamu Namikawa
治 並河
Toshiaki Sakai
俊昭 酒井
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National Federation of Agricultural Cooperative Associations
Original Assignee
National Federation of Agricultural Cooperative Associations
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Publication date
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多量の接ぎ木苗を効率よく確実に活着させ
る。 【構成】 培土を有しない台木10と穂木12の切断面
を密に接合して接合保持手段14により接合状態を保持
して接ぎ木苗16とし、この接ぎ木苗16を起立姿勢に
して、底部に水を湛えたバット状容器18’に多数本接
近させて入れると共に基部が上記水に接した状態で立て
掛け、この接ぎ木苗16入りのバット状容器18’を、
温度、湿度、光量等を調整した活着促進装置中に導入
し、接ぎ木苗16の接合部が活着するまで養生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、西瓜,メロン,キュウ
リなどのウリ科、トマト,ナス,ピーマンなどのナス科
等の果菜類、カーネーシヨン,カスミ草などの花卉類等
の草本性及びバラ,ライラックなどの花木類、ブドウ,
リンゴなどの果樹類等の木本性植物等の植物の接ぎ木に
係り、詳しくは該接ぎ木の活着方法及びそれに用いられ
る活着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人等は、接ぎ木苗の台木と穂木の
接合部分を接合保持具又は接着剤等の接合保持手段によ
り接合状態を保持し、この接合部が完全に接着するよう
にするために接合直後の接ぎ木苗を温度、湿度、光量な
どが一定の条件に調整された活着促進装置に入れて養生
する接ぎ木の活着方法を特開平5−95732号等によ
り既に提案し、現にこの発明による装置は実用的に普及
している。
【0003】また、高度の環境制御はできないが、設備
費を安くするため、例えば、加温、加湿した状態のビニ
ールハウスに接ぎ木苗を入れて活着促進する方法も既に
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記既知の接ぎ木の活
着方法中、環境を制御するための活着促進装置を使用す
る方式は、設備費が高くかつ運転コストもかなりかかる
ことと、台木を培土の入ったトレイに植えたまま接ぎ木
した場合は、各接ぎ木苗が占有する空間が大きくなり、
これをそのまま一定容積の活着促進装置に入れると、収
容し得る苗本数が制限されて、所定期間を要する一工程
で活着処理し得る苗本数が少なくなって1本当たりのコ
ストが高くなると共に、同時期に多くの需要がある場合
に、それに応じられないという問題点があった。
【0005】また、ビニールハウスを使用する方式は、
一般に活着率がかなり低く、かつ、活着するまでにより
多くの日数を要し、また外部環境の変動により活着率が
不安定となり易いので、1本当りのコストを安くするこ
とができず、しかも、接ぎ木苗の品質が低下するという
間題点があった。
【0006】更に、上記各方式はいずれも接ぎ木苗を培
土に植えた状態で処理していたので重量が大になって活
着促進装置又はビニールハウスヘの搬入、搬出作業に多
くの労力を要した。
【0007】この発明は、斯かる課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、多量の接ぎ
木苗を密に収容可能として効率良くかつ確実に活着処理
を行うと共に、低コストで接ぎ木苗を供給することので
きる接ぎ木の活着方法及びそれに用いる装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、培土を有しな
い台木(10)と穂木(12)の切断面を密に接合して
接合保持手段(14)により接合状態を保持して接ぎ木
苗(16)とし、この接ぎ木苗(16)を起立姿勢にし
て、底部に水を湛えたバット状容器(18’)に多数本
接近させて入れると共に基部が上記水に接した状態で起
立姿勢を保持し、この接ぎ木苗(16)入りのバット状
容器(18’)を、温度,湿度,光量等を調整した活着
促進装置(図示せず)中に導入し、接ぎ木苗(16)の
接合部が活着するまで養生するようにして前述の課題を
解決した。
【0009】これを具体的例により更に詳細に説明する
と、接ぎ木苗(16)を接合する前に台木(10)をト
レー等の苗床から引き抜いて、これに別途育成してある
穂木(12)を用意し、接合すべき胚軸、茎又は枝の断
面を両者が良く接合するように一定角度(斜め切りのみ
でなく、直角も含む)に鋭利なカッターなどで切断す
る。
【0010】そして、図1に示すように、台木(10)
と穂木(12)の切断面を密着するように、ゴム等の弾
性材からなる筒体,接ぎ木クリップ,ピン,接着テープ
などの接合保持具(14)で接合状態に保持する(尚、
果菜類などの苗で接合部を接着剤で接合する時は台木が
トレイに植えられたままの状態の方が機械的に大量に接
合させ易いので、このような場合は接着剤で接着させた
苗を一定時間置いてから、台木の基部を持って根を引き
抜いてから、以下の処理をしても良い)。
【0011】この際、台木(10)は果菜類などの幼苗
では根をつけたまま、又はキユウリ,西瓜などでカボチ
ャ,ユウガオなどの台木(10)を使用する場合は、胚
軸の基部を切断した状態で接合(いわゆる断根接ぎ木)
しても良いし、カーネーシヨン,カスミ草などの草本性
花卉では、台木(10)として使用する(1本の)茎を
適当な長さとして何本かに切断したり、バラ,ライラッ
クなどの果樹類等の木本類、又はブドウ,リンゴなどの
果樹類等の木本性では、台木(10)となる(1本)の
枝を適当な長さに何本かに切断して、穂木(12)と適
当な接合保持具(14)を用いて接合させる。
【0012】以上のように接合した接ぎ木苗(16)
を、図2に示すような養生補助容器(18)に収容し、
この養生補助容器(18)を図示しない活着促進装置中
に導入して接ぎ木苗(16)の接合部が活着するまで養
生するものである。
【0013】前記養生補助容器(18)は、バット状の
容器(18’)の中に適当な深さまで水を満たすか、あ
るいは底部に吸水マット(20)を収容したものであ
り、この吸水マット(20)の上方には、接ぎ木苗(1
6)の基部を前記吸水マット(20)に接した状態で接
ぎ木苗(16)を起立姿勢で保持する姿勢保持手段(2
2)を備えている。
【0014】この姿勢保持手段(22)は、図3に示す
ように、吸水マット(20)の上方の容器内部を複数の
空間に区画するアクリル板(24)と、このアクリル板
(24)の表裏両面側に所定間隔で多数設けられたフッ
ク(26)から成っている。前記アクリル板(24)
は、容器(18’)の内壁に形成された溝(28)に挿
入装着されていて、図4に示すように、前記フック(2
6)に接ぎ木苗(16)の接合保持具(14)を矢印方
向に引っ掛けて、起立姿勢の状態で係止する。なお、こ
のとき前記接ぎ木苗(16)の基部(根)は吸水マット
(20)に接した状態を保っている。
【0015】図5および図6は、前記姿勢保持手段(2
2)の他の実施例を示す図であり、この実施例では、吸
水マット(20)の上方に、平行する2本の針金状の部
材(30)が所定間隔で多数配置されている。そして、
前記2本の針金状の部材(30)の間に前記接ぎ木苗
(16)を吊下する。なお、この場合も前記接ぎ木苗
(16)の基部(根)は吸水マット(20)に接した状
態を保っている。
【0016】図7および図8は、前記姿勢保持手段(2
2)の更に他の実施例を示す図であり、この実施例で
は、吸水マット(20)の上方に、ます目を有する網
(32)が張設されていて、この網(32)の目に接ぎ
木苗(16)を吊下する。この場合にも、接ぎ木苗(1
6)の基部(根)は吸水マット(20)に接した状態を
保持しなければならないので、例えば、接合保持具(1
4)として筒体のようなものを用い、前記網(32)の
ます目の部分に接ぎ木苗(16)を通して葉の部分で係
止するようにする。
【0017】なお、前述した姿勢保持手段(22)は、
接合部の活着処理期間中、接ぎ木苗(16)の根部、又
は下端部が容器(18’)内の水または吸水マット(2
0)に浸かつた状態で、接ぎ木苗(16)を直立姿勢乃
至傾斜姿勢に保持し得るものであれば良く、容器(1
8’)の上面にかぶせる方式を採用する場合は、接ぎ木
苗(16)を上方から挿入することが可能なものであれ
ば良い。また、接ぎ木苗(16)を1本ずつ独立状態で
保持するものの外、複数本グループとして保持するも
の、可撓性、又は伸縮性を有する材料で構成したもの
(根を有する接ぎ木苗に適用すると差し込み易い)とし
ても良い。更に、幅の狭い長い容器(18’)を採用し
た場合は、長い両側板にて起立姿勢を保持することがで
きるので、側板がそのまま姿勢保持手段(22)とな
る。
【0018】以上において、果菜類などのように胚軸が
軟弱なものでは、3〜数日で活着が完了するので、水は
単なる水か、適量の殺菌剤を混入したものでもよいが、
カーネーション,カスミ草などの草本性花卉類では、活
着までに数日以上かかることが多いので、水の中に殺菌
剤の他に必要に応じて肥料や、発根促進剤を使用しても
良い。また、水中の通気性を良くするために吸水性のあ
るマット(20)の他,敷料等を水に浸すか、水中に空
気ポンプで通気しても良い。
【0019】なお、果菜類などの幼苗で台木(10)に
根がついている場合は、子葉を2つとも全部カットして
も活着する場合もあるが、活着率が低下しがちなので、
望ましくは一部の子葉を残しておく。
【0020】カーネーシヨン,カスミ草などの草木性花
卉類の場合は、台木(10)は単純な茎のみより望まし
くは1−2節を含んで、葉が2〜4枚付いている方が活
着し易い。バラやリンゴなどの木本類のように活着し難
い品種では、台木(10)の枝は葉や芽を除去してその
まま接ぎ木操作するか、それでは活着し難い場合は、葉
を2〜3枚残した台木(10)だけ一旦発根促進剤を含
む水などに浸けて、一定日数おいて発根を確認してから
台木(10)として使用しても良い。
【0021】本発明において、根を有しない台木(1
0)とは、断根した台木、茎や枝を切断することにより
得られる台木、及びこれに発根処理した台木は勿論のこ
と、台木苗を育成する培土、又は人工培地が、苗を引き
抜いた後に多少付着している(実質的には付着していな
いもの)ものを含むものである。
【0022】
【作用】培土を有しない台木(10)とは、多数のポッ
ト部が平面状に多数連結してなるトレイのポット部に培
土を入れ、これにて育成した台木苗を引き抜いたもの
(少量の培土が付着しているが実質的に培土が取除かれ
たもの)、人工培地にて育成した台木苗を培地から引き
抜いたもの、子葉の一部又は全部残して胚軸の基部から
切断して断根状態にしたもの、茎や枝を根を付けること
なく切取ったもの等であって、この台木(10)と穂木
(12)の切断面を密に接合して筒状の弾性材からなる
保持具、挟み具、接着剤などの接合保持手段(14)に
より接合状態を保持して接ぎ木苗(16)とし、この接
ぎ木苗(16)を起立姿勢にして、底部に水を湛えたバ
ット状容器(18’)に多数本接近させて入れると共に
基部が上記水に接した状態で、適宜の姿勢保持手段(2
2)により起立姿勢を保持し、この接ぎ木苗(16)入
りのバット状容器(18’)を、温度,湿度,光量等を
調整した活着促進装置中に搬入し、接ぎ木苗(16)の
接合部が活着するまで養生した後に搬出し、必要に応じ
てポットに鉢上げして出荷する。
【0023】なお、上述したカッコ内の符号は図面を参
照するために示すものであって、本発明の構成を何ら限
定するものではない。
【0024】
【発明の効果】本発明は前述のように構成したので、所
定面積の容器に、培土を有しない多数の接ぎ木苗を、活
着可能な状態を保ちながら密に収容することが可能にな
り、これにより所定容積の活着促進装置に、従来方式に
比べ2倍乃至数倍の本数という多量の接ぎ木苗を収容し
て接合面活着処理を行うことができ、その結果、活着効
率も実用上十分な値を得ながら、接ぎ木の活着に要する
1本当たりのコストを低減することができる。しかも、
接ぎ木苗の需要は、所定の時期に集中する傾向がある
が、そのような場合に、接ぎ木生産のネックになってい
る活着工程の処理効率が著しく向上するので、接ぎ木苗
の供給がスムーズになり、供給者にとっても、需要者に
とっても極めて有利である。
【0025】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。 (1)トマトの接ぎ木苗 図9に示すように、トマトの台木用品種「種影武者」を
バーミキュライトなどの苗床に播種して20〜30日後
の本葉が2〜3枚展開した後に、苗床から根ごと引き抜
いて子葉の直上の節間を30度の角度でかみそりで切断
し、これを台木10とする。また、別に用意した穂木用
品種「ハウス桃太郎」を播種してから20〜30日間育
苗し、第1本葉の基部からlcm下方を30度の角度に
かみそりで切断し、これを穂木12とする。そして、こ
の穂木12の切断面を前記台木10の切断面に密に接合
した後、ゴム等の弾性材からなる筒状の接合保持具14
により接合状態を保つようにし、接ぎ木苗16とする。
なお、苗床に育成されている台木10を切断して穂木1
2を接合すると共に接合保持具14により接合保持状態
で接ぎ木苗16の台木10を持って引き抜いても良い。
【0026】この状態の接ぎ木苗16を多数用意し、図
10および図11に示すように、3O×56cmの面積
で深さ5cmのバット状容器18’に0.5cm厚さの
グラスウールからなる吸水マット20を下に敷き、これ
に水を十分含ませて、バット18’の上面に網目が2.
O×2.Ocmの網32を載せ、その網目の中に上記接
ぎ木苗16を1本づつ根側から差し込んで根の下部がマ
ット20に十分接するようにして接ぎ木苗16を起立姿
勢(多少斜めでも可)に保持する。この時、1個のバッ
ト18’に15×28=420本の接ぎ木苗16を収容
することができた。
【0027】なお、従来の培土入りのトレイに収容し得
る接ぎ木苗16の数は51〜73本程度が限度であった
が、この実施例ではその数倍セットすることができた。
【0028】このようにして接ぎ木苗16を収容して起
立保持したバット18’を、28度C、湿度90%、照
度5000Luxの条件(但し、夜間は25度、暗黒)
に制御した活着促進装置に搬入して3日間養生した後、
装置外に取り出して調べたところ96%が活着してい
た。活着した接ぎ木苗16は3.5〜4号鉢のポットに
鉢上げした。 (2)キュウリの接ぎ木苗 図12に示すように、キュウリの台木用品種「輝虎」を
播種後5〜7日の子葉が展開した直後の苗を根ごと引き
抜いて、根は胚軸の基部でカットし、子葉は活着促進装
置内で邪魔になるので、先端の芽と共に片方を30度の
角度でカットして台木10とした。
【0029】一方、穂木用品種「シヤープ1」を播種後
5〜7日の苗の子葉の約lcm下を30度の角度でカッ
トし穂木12として、上記台木10と穂木12の切断面
が密着するように接ぎ木クリップ14で接合保持し、こ
の接ぎ木苗16を多数用意して、前述した図10と同様
に、3OX56cmのバット18’に底からlcmに水
を入れ、空気ボンプで上記水に空気を送り続ける。バッ
ト18’の上面に網目3.O×2.8cmの網32をか
ぶせ、各網目に接ぎ木苗16を1本づつ差し込んで台木
10の下端が十分に水に浸かるようにして立て掛ける。
その際、上記バット1個に10×20=200本の接ぎ
木苗16を立て掛けて収容することができる。
【0030】キュウリの苗を、トレイのまま接ぎ木して
収容する従来方式では、前記バットと同じ面積のトレイ
に接ぎ木苗を最大51本しか収容することができなかっ
たが、この実施例では、その4倍近くセットすることが
できる。
【0031】このようにキュウリの接ぎ木苗16を立て
掛けセットしたバット18’を、温度28度C,湿度9
3%,照度3000Lux(夜間は暗黒)に制御した活
着促進装置に搬入して4日間、活着養生して取り出した
ところ、94%が発根・活着していた。活着した苗は3
〜3.5号鉢のポットに鉢上げした。 (3)カーネーシヨンの接ぎ木苗 図13に示すように、台木10となるカワラナデシコ
(ハマナデシコでも可)の新芽が伸びて本葉が6枚以上
になった茎を2節4葉を残して5〜6cmの長さに切断
(下端は平切り)し、上端は約30度の角度に鋭利なカ
ッターで切断し、また、穂木用品種「スケニヤ」を芽の
先端から3〜4葉付けて5〜6cmの長さに下端を約3
0度の角度にカッターで切断し穂木12とする。そし
て、両切断面を密着させてからクリップ14で接合状態
に保ち、この状態で、台木10の下面に発根促進剤オキ
シベロン5倍液を噴霧した。この接ぎ木苗16を、前述
した図10と同様に、30×56cmのバット18’に
lcm厚さのグラスウールのマット20を敷いて水を十
分含ませ、殺菌剤ベンレートを1000倍になるように
溶かし、バット18’の上面に網目3.0×2.8cm
の網32をかぶせ、台木10の下端がマット20に十分
接するように、接ぎ木苗200本を網目に挿入して立て
掛けた。接ぎ木苗16がトレイに植えられたままの従来
方式では同じ面積に70本程度セットするのが限度であ
ったが、この実施例では3倍近くセットすることができ
た。
【0032】前記バットに収容した接ぎ木苗16を、温
度25度C,湿度93%,照度8000Luxに制御し
た活着促進装置に搬入して12日間養生処理した後、取
り出したところ、90%が活着していた。この活着苗を
3号鉢のポットに鉢上げした。 (4)バラの接ぎ木 図14に示すように、オドラータの若芽が伸びて2カ月
程度経た緑枝を2節を含み7〜8cmの長さに下端を平
切りし、葉と芽は取り除き、上端は約30度にカッター
で切断してこれを台木10とする。別に用意した新芽が
伸びて1カ月又は2カ月程度経た穂木用品種「ソニア」
の若枝を先端から2葉付けて7〜8cmの長さに下端を
約30度の傾斜でカッターにより切断し穂木12とし
て、両切断面を密着させてから接合部を接ぎ木テープ1
4で3〜4回タイトに縛り、台木10の下面に発根促進
用としてIBA0.4%液を噴霧した。この接ぎ木苗1
6を多数用意し、前述した図10と同様に、30×56
cmのバット18’に約2cm水を入れ、このバット1
8’の上面に網目3.0×2.8cmの網32を掛け、
上記の苗を各網目に1本づつ200本差し込んで下端を
水に浸け、この状態でバット18’ごと前記活着促進装
置に搬入し、水中の酸素含有量を多くするため、空気ポ
ンプで空気を送り続け、前記装置内を、温度25度C,
湿度93%,照度10000Luxに制御して15日間
養生した後、取り出して調査したとところ、その90%
が発根活着していた。活着苗は3号鉢のポットに鉢上げ
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】接ぎ木苗の外観を示す斜視図である。
【図2】養生補助容器の外観を示す斜視図である。
【図3】接ぎ木苗をフックに引っ掛けて保持する形式の
姿勢保持手段の外観を示す斜視図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】接ぎ木苗を針金状のもので吊下する形式の姿勢
保持手段の外観を示す斜視図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】接ぎ木苗を網のます目に通して吊下する形式の
姿勢保持手段の外観を示す斜視図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】トマトの接ぎ木苗の外観を示す斜視図である。
【図10】接ぎ木苗を網のます目に通して保持した状態
を示す斜視図である。
【図11】図10の要部拡大図である。
【図12】キュウリの接ぎ木苗の外観を示す斜視図であ
る。
【図13】カーネーションの接ぎ木苗の外観を示す斜視
図である。
【図14】バラの接ぎ木苗の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 台木 12 穂木 14 接合保持具 16 接ぎ木苗 18’ 容器 18 養生補助容器 20 吸水マット 22 姿勢保持手段 24 アクリル板 26 フック 28 溝 30 針金状の部材 32 網

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培土を有しない台木と穂木の切断面を密
    に接合して接合保持手段により接合状態を保持して接ぎ
    木苗とし、この接ぎ木苗を起立姿勢にして、底部に水を
    湛えたバット状容器に多数本接近させて入れると共に基
    部が上記水に接した状態で立て掛け、この接ぎ木苗入り
    のバット状容器を、温度、湿度、光量等を調整した活着
    促進装置中に導入し、接ぎ木苗の接合部が活着するまで
    養生することを特徴とする接ぎ木の活着方法。
  2. 【請求項2】 ウリ科、ナス科などの果菜類の幼苗を接
    ぎ木するに際して、台木は根を付けたまま苗床から引き
    抜いて台木及び穂木とも胚軸を所定角度に切断して切断
    面を密着させると共に接合保持手段により保持して接ぎ
    木苗とし、この接ぎ木苗を起立姿勢にして、底部に水を
    湛えたバット状容器に多数本接近させて入れると共に根
    部が上記水に接した状態で起立姿勢を保持するようにし
    た請求項1記載の接ぎ木活着方法。
  3. 【請求項3】 カーネーシヨン,カスミ草などの花卉類
    等の草本性、及びバラ,ライラック,ブドウ,リンゴ等
    の花木類又は果樹類等の木本性植物を接ぎ木するに際し
    て、台木にする茎又は枝は根を付けずに適当な長さに切
    断する請求項1記載の接ぎ木活着方法。
  4. 【請求項4】 バットに入れた接ぎ木苗を、水面より上
    方で、接ぎ木苗の茎が前後左右に移動しないように受け
    止める多数の係止部を有する姿勢保持手段により起立姿
    勢を保持する請求項1ないし3のいずれかに記載の接ぎ
    木の活着方法。
  5. 【請求項5】 培土を有しない台木と穂木の切断面を密
    に接合して接合保持具により接合状態を保持して接ぎ木
    苗とし、この接ぎ木苗を養生補助容器に収容し、該養生
    補助容器を活着促進装置中に導入して接ぎ木苗の接合部
    が活着するまで養生する接ぎ木の活着装置において、 前記養生補助容器は、底部に吸水マットを収容したマッ
    ト部と、該マット部の上方に設けられ、かつ接ぎ木苗の
    基部を前記吸水マットに接した状態で該接ぎ木苗を起立
    姿勢で保持する姿勢保持手段と、を備えて成る、 ことを特徴とする接ぎ木の活着装置。
  6. 【請求項6】 前記姿勢保持手段は、前記マット部の上
    方の容器内部を複数の空間に区画する隔壁と、該隔壁の
    壁面に多数設けられて前記接ぎ木苗を引っ掛ける係止部
    材とである、 ことを特徴とする請求項5記載の接ぎ木の活着装置。
  7. 【請求項7】 前記姿勢保持手段は、前記マット部の上
    方に所定間隔で多数配置された平行する2本の棒状部材
    であって、該2本の棒状部材の間に前記接ぎ木苗を吊下
    する、 ことを特徴とする請求項5記載の接ぎ木の活着装置。
  8. 【請求項8】 前記姿勢保持手段は、前記マット部の上
    方に張設され、かつ前記接ぎ木苗を吊下する網部材であ
    る、 ことを特徴とする請求項5記載の接ぎ木の活着装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109511437A (zh) * 2019-01-09 2019-03-26 黑龙江省带岭林业科学研究所 一种寒地核桃楸裸根嫁接体恒温保湿培育箱及其培育方法
CN111066509A (zh) * 2020-01-19 2020-04-28 华中农业大学 一种提高西瓜砧木零子叶嫁接苗质量的方法
CN111194669A (zh) * 2020-03-02 2020-05-26 广西特色作物研究院 一种培育整齐健壮葫芦砧木幼苗的方法

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