JPH0725012A - インク噴射装置 - Google Patents
インク噴射装置Info
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- JPH0725012A JPH0725012A JP17518893A JP17518893A JPH0725012A JP H0725012 A JPH0725012 A JP H0725012A JP 17518893 A JP17518893 A JP 17518893A JP 17518893 A JP17518893 A JP 17518893A JP H0725012 A JPH0725012 A JP H0725012A
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Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
く、信頼性が高いインク噴射装置を提供すること。 【構成】 アクチュエータセラミックスプレート5に
は、第1PTC電極層7と圧電セラミックス層6と第2
PTC電極層8とを積層してなる複数の側壁111が設
けられている。また、側壁111に隔てられ、図中上方
に開口する複数のインク液室12が設けられている。圧
電セラミックス層6は矢印16、17の方向に分極され
ている。第1PTC電極層7と第2PTC電極層8は、
常温においては導電体であるが、所定の温度T1以上で
絶縁体となるPTCサーミスタ材料にて構成されてい
る。
Description
るものである。
ミックスを応用したドロップオンデマンド方式のインク
ジェットプリンタヘッドが提案されている。これは、圧
電セラミックスの変形によってインク液室の容積を変化
させることにより、その容積減少時にインク液室内のイ
ンクをノズルから液滴として噴射し、容積増大時に他方
のインク導入路からインク液室内にインクを導入するよ
うにしたものである。そして、このようなインク液室を
多数互いに近接して配置し、所望の印字データに従って
所望の位置のノズルからインク液滴を噴射させることに
より、そのノズルと対向する紙面上等に所望の文字や画
像を形成するものである。
特開昭63−247051号公報、特開昭63−252
750号公報及び特開平2−150355号公報に記載
されているものがある。図13、図14、図15、図1
6、及び図17にそれら従来例の概略図を示す。以下、
インク噴射装置の断面図を示す図13によって、従来例
の構成を具体的に説明する。複数の溝15(図15)及
び該溝15を隔てる側壁11を有し、かつ矢印4の方向
に分極処理を施した圧電セラミックスプレート1と、セ
ラミックス材料または樹脂材料等からなるカバープレー
ト2とを、エポキシ系接着剤等からなる接合層3を介し
て接合することで、溝15(図15)は横方向に互いに
間隔を有する複数のインク液室12となる。インク液室
12は長方形断面の細長い形状であり、側壁11はイン
ク液室12の全長にわたって伸びている。側壁11の接
着層3付近の側壁11上部から側壁11中央部までの両
表面には、駆動電界印加用の電極13が形成されてい
る。全てのインク液室12内には、インクが充填され
る。
4によって、従来例の動作を説明する。該インク噴射装
置において、所望の印字データに従って例えばインク液
室12bが選択されると、電極13eと13fに急速に
正の駆動電圧が印加され、電極13dと13gは接地さ
れる。これにより側壁11bには矢印14bの方向の駆
動電界が、側壁11cには矢印14cの方向の駆動電界
が作用する。このとき駆動電界方向14b及び14cと
分極方向4とが直交しているため、側壁11b及び11
cは、圧電厚みすべり効果によってインク液室12bの
内部方向に急速に変形する。この変形によってインク液
室12bの容積が減少してインク液室12bのインク圧
力が急速に増大し、圧力波が発生して、インク液室12
bに連通するノズル32(図15)からインク液滴が噴
射される。また、駆動電圧の印加を徐々に停止すると、
側壁11b及び11cが変形前の位置(図13参照)に
戻るためインク液室12b内のインク圧力が徐々に低下
し、インク供給口21(図15)からマニホールド22
(図15)を通してインク液室12b内にインクが供給
される。
連通する2つのノズルから同時にインク液滴を噴射する
ことができないため、例えば、左端から奇数番目のイン
ク液室12a、12cに連通するノズルからインク液滴
を噴射した後、偶数番目のインク液室12b、12dに
連通するノズルからインク液滴を噴射し、次に再び奇数
番目からインク液滴を噴射するというように、インク液
室12及びノズル32を複数のグループに分割してイン
ク液滴の噴射を行う。
ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電圧
を容積が増加する方向に印加し、先にインク液室12b
にインクを供給させた後に、駆動電圧の印加を停止して
元の状態(図13参照)にしてインクを噴射させること
もある。
5によって、従来例の構成及び製造法を説明する。分極
処理を施した圧電セラミックスプレート1に、薄い円板
状のダイヤモンドブレードを使用した研削加工等によっ
て、前記インク液室12を形成する平行な溝15を作製
する。溝15は圧電セラミックスプレート1のほぼ全域
で同じ深さの平行な溝であるが、端面17に近づくにつ
れて徐々に浅くなり、端面17付近では浅く平行な溝1
8となるよう作製される。この溝15及び浅く平行な溝
18の内面には、前記の電極13がスパッタリング等に
よって形成される。溝15の内面にはその側面の上半分
のみに電極13が形成されるが、浅く平行な溝18の内
面にはその側面及び底面全体に電極13が形成される。
また、セラミックス材料または樹脂材料等からなるカバ
ープレート2に、研削または切削加工等によって、イン
ク導入口21及びマニホールド22を作成する。
5加工側の面とカバープレート2のマニホールド22加
工側の面とを、エポキシ系接着剤等によって、各々の溝
15が前記の形状のインク液室12を形成するように接
着する。次に、圧電セラミックスプレート1及びカバー
プレート2の端面16に、各インク液室12の位置に対
応した位置にノズル32が設けられたノズルプレート3
1を接着する。圧電セラミックスプレート1の溝15加
工側と反対側の面には、各インク液室12の位置に対応
した位置に導電層のパターン42が設けられた基板41
を、エポキシ系接着剤等によって接着する。そして、浅
く平行な溝18の底面の電極13と導電層のパターン4
2とを、周知のワイヤボンディングによって導線43で
接続する。
よって、従来例の制御部の構成を説明する。基板41に
設けられた導電層のパターン42は各々個々にLSIチ
ップ51に接続され、クロックライン52、データライ
ン53、電圧ライン54及びアースライン55もLSI
チップ51に接続されている。LSIチップ51は、ク
ロックライン52から供給された連続するクロックパル
スに基づいて、データライン53上に現れるデータか
ら、どのノズル32からインク液滴の噴射を行うべきか
を判断し、駆動するインク液室12内の電極13に導通
する導電層のパターン42に、電圧ライン54の電圧V
を印加する。また、前記インク液室12以外の電極13
に導通する導電層のパターン42にアースライン55の
電圧0を印加する。
って、従来例の構成及び動作を説明する。インク噴射装
置61及びノズルプレート31は、図13、図14及び
図15で説明した構成、動作をもつものである。インク
噴射装置61はキャリッジ62上に固定され、インク供
給チューブ63はインク供給口21(図15)に連通
し、LSIチップ51(図16)はキャリッジ62に内
蔵され、フレキシブルケーブル64は図16に示したク
ロックライン52、データライン53、電圧ライン54
及びアースライン55に対応している。キャリッジ62
はスライダ66に沿って矢印65方向に記録紙71の全
幅にわたって往復移動し、インク噴射装置61はキャリ
ッジ62が移動している時にプラテンローラ72に保持
された記録紙71に対して、ノズルプレート31に設け
られたノズル32(図15)からインク液滴を噴射し、
記録紙71上にインク液滴を付着させる。
インク液滴を噴射しているときは静止しているが、キャ
リッジ62が往復動作を行う度に紙送りローラ73及び
74によって矢印75方向に一定量ずつ移送される。こ
れによって、インク噴射装置61は記録紙71の全面に
所望の文字や画像を形成することが可能となる。
ような従来のインク噴射装置61では、分極方向(矢印
4)と電極13への印加により発生する電界方向(矢印
14b,14c)とが直交しているために、圧電セラミ
ックスプレート1の圧電特性が劣化した場合に再分極処
理をすることが不可能である。そのため該電極13の形
成工程及び該圧電セラミックスプレート1とカバープレ
ート2との接合行程をはじめとするの各部品の接合工程
において、圧電材料のキュリー温度(圧電特性を失う温
度)よりも高い温度で熱処理をすることが出来なかっ
た。その結果、電極13の圧電セラミックスプレート1
との密着強度および、各部品の接合強度が低いために、
駆動時に接合部が破損したり、電極13が剥離したりす
る。このため、側壁11の変形量が小さくなったり、電
極13が断線して側壁11の一部に電圧が伝わらなくな
って側壁11の一部が変形しなくなったりして、噴射が
不安定になるという問題点もあった。従って、インク噴
射装置の信頼性が低いという問題点があった。
になされたものであり、各部品間の接合強度が高く、電
極の寿命が長く、信頼性が高いインク噴射装置を提供す
ることを目的とする。
に本発明の請求項1では、インクが充填されたインク液
室と、前記インク液室を隔て、少なくとも一部が分極さ
れた圧電部で構成された側壁と、前記分極方向と略直交
する電界を発生するように前記圧電部に形成された駆動
用電極とを有し、前記駆動用電極への電圧の印加により
前記側壁が圧電厚みすべり効果の変形をして、前記イン
ク液室内のインクに圧力を与えてインクを噴射するイン
ク噴射装置であって、前記駆動用電極が、所定温度T1
以上で電気抵抗が増大して絶縁体となり、前記所定温度
T1未満で電気抵抗が減少して導電体となる材料にて構
成されていることを特徴とする。
圧電部が圧電特性を失う温度より、低いことを特徴とす
る。
バリウム系の正温度特性サーミスタ材料から構成されて
いることを特徴とする。
は、前記圧電部に形成された駆動用電極が、所定温度T
1以上で電気抵抗が増大して絶縁体となり、前記所定温
度T1未満で電気抵抗が減少して導電体となる材料にて
構成されているため、駆動時は駆動用電極に駆動電圧を
印加するが、分極をする時には、所定温度T1以上の環
境下として、前記駆動用電極を絶縁体にするので、前記
圧電部に分極電圧を印加して、電界を圧電部に均一の発
生し、その圧電部を分極する。
参照して説明する。尚、従来技術と同一の部材には同一
の符号を付し、その説明を省略する。
置に用いられるアレイの断面図で、アクチュエータセラ
ミックスプレート5には、第1PTC電極層7と圧電セ
ラミックス層6と第2PTC電極層8とを積層してなる
複数の側壁111が設けられている。また、側壁111
に隔てられ、図中上方に開口する複数の溝15が設けら
れている。
するチタン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスにて構成さ
れており、矢印16、17の方向に分極されている。次
に、図5を用いて第1PTC電極層7、第2PTC電極
層8について説明する。第1PTC電極層7と第2PT
C電極層8は、常温においては導電体であるが、前記キ
ュリー温度(例えば250℃)よりも低い所定の温度T
1(例えば130℃)以上で電気抵抗が急激に増加して
絶縁体となるチタン酸バリウム系の正温度特性サーミス
タ材料(PTCサーミスタ材料)にて構成されている。
は以下の製造方法によって製造される。
タン酸ジルコン酸鉛系のセラミックス材料、及び第1P
TC電極層7と第2PTC電極層8と構成するチタン酸
バリウム系の正温度特性サーミスタ材料とを用意し、そ
れらをドクターブレード法などによりそれぞれ所定の厚
さのシート状に成形して、図3に示すように、積層した
後に加圧圧着し、所定の寸法形状に切断して一体焼成す
る。この段階では圧電セラミックス層6の自発分極方向
はランダムであり、圧電特性を有さない。
ダイヤモンドカッティング円盤の回転またはレーザ等に
より必要な本数だけ形成し、アクチュエータセラミック
スプレート5となる。
ミックスプレート5と、セラミックス材料または樹脂材
料からなるカバープレート2とを、図1に示すように側
壁111の上部にてエポキシ系接着剤等からなる接合層
3を介して接合することで溝15は横方向に互いに間隔
を有するインク液室12となる。インク液室12は長方
形断面の細長い形状であり、側壁111はインク液室1
2の全長にわたって伸びている。圧電セラミックス層6
の分極工程よりも先にカバープレート2の接合を行うた
め、圧電セラミックス層6のキュリー温度(例えば25
0℃)以上の温度の熱処理プロセスにより、前記接合を
行っても全く問題が無く、アクチュエータセラミックス
プレート5とカバープレート2との強固な接合が可能で
ある。
用アース端子19と分極用プラス端子20とをインク液
室毎交互にインク液室12中に充填した導電ペースト9
に接触させて、分極用アース端子19と分極用プラス端
子20を介してアクチュエータセラミックスプレート5
の積層方向と垂直である方向に電圧を印加する。このと
きの温度は、第1PTC電極層7と第2PTC電極層8
が導電体となる温度T2(本実施例では130℃)より
も高く、かつ圧電セラミックス層6のキュリー温度(本
実施例では250℃)よりも低い温度、例えば150℃
程度である。すると第1PTC電極層7と第2PTC電
極層8は絶縁体となり、圧電セラミックス層6は強誘電
性を有する。このため第1PTC電極層7と第2PTC
電極層8との間に電圧が印加されることになり、圧電セ
ラミックス層6には矢印16、17の方向に良好に分極
される。このとき圧電セラミックス層6に印加される電
界は例えば2kV/mm程度である。
5の通常の使用温度は第1PTC電極層7と第2PTC
電極層8が絶縁体となる温度T1(本実施例では130
℃)よりも十分低く、第1PTC電極層7と第2PTC
電極層8は導電体となり駆動用の電極として機能する。
この分極工程は従来例(図13)においては、電極13
の形成前に必ず行う必要があったが、本実施例において
はいつ行ってもよく、例えばインク噴射装置として使用
した後でもよいので圧電セラミックス層6の圧電特性が
熱、駆動電界等により劣化した場合に再分極処理を行
い、再び使用することが出来る。
られるアレイには、図2に示す電気回路が設けられてお
り、また全てのインク液室12内にはインクが充填され
ている。この電気回路において、各溝15内に形成され
た第1PTC電極層7がそれぞれ別々にLSIチップ5
1に接続され、クロックライン52、データライン5
3、電圧ライン54及びアースライン55もLSIチッ
プ51に接続されている。
プに分けられており、クロックライン52から供給され
た連続するクロックパルスにより、LSIチップ51が
この複数グループを続けて駆動する。データライン53
上に現れる多ビット・ワード形式のデータにより、LS
Iチップ51が各グループのうちのどのインク液室12
を作動すべきかを決定し、その選ばれたインク液室12
の第1PTC電極層7に電圧ライン54の電圧Vを印加
する。この選ばれたインク液室12の両側の側壁111
が圧電セラミックス層6の圧電効果による変形をし、従
って各グループに於て全てのインク液室12が作動可能
になる。このとき作動されていない同一グループのイン
ク液室12の第1PTC電極層7と、他のグループに属
する全てのインク液室12の第1PTC電極層7と第2
PTC電極層8は接地される。
タに従って例えばインク液室12bが選択されると、第
1PTC電極層7a、7bに急速に正の駆動電圧が印加
される。これにより圧電セラミックス層6a、6bには
矢印18の方向の駆動電界が作用する。このとき駆動電
界方向14と分極方向16、17とが直交しているた
め、側壁111a及び111bは、圧電厚みすべり効果
によってインク液室12bの内部方向に急速に変形す
る。この変形によってインク液室12bの容積が減少し
てインク液室12bのインク圧力が急速に増大し、圧力
波が発生して、インク液室12bに連通する図示しない
ノズルからインク液滴が噴射される。また、駆動電圧の
印加を停止すると、側壁111a及び111bが変形前
の位置(図1参照)に戻るためインク液室12b内のイ
ンク圧力が低下し、図示しないインク供給口からインク
液室12b内にインクが供給される。
過ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電
圧を容積が増加する方向に印加し、先にインク液室12
bにインクを供給させた後に、駆動電圧の印加を停止し
て元の状態(図1参照)にしてインクを噴射させること
もある。
の接続方法として、図7に示すように予めアクチュエー
タセラミックスプレート5の作製時(図3参照)に第1
PTC電極層7を分割パターン化しておき、溝15後部
位置の第1PTC電極層7の分割電極部24にてリード
線23を介してLSIチップ51接続してもよい。この
とき図7のように分割電極部24のピッチを溝15のピ
ッチよりも広くするとリード線23の半田付け、または
ワイヤボンディングが容易となる。
は、側壁111の圧電セラミックス層6に、駆動用電極
となる第1PTC電極層7及び第2PTC電極層8が形
成されている。その第1PTC電極層7及び第2PTC
電極層8は、温度T1(130℃)以上で絶縁体であ
り、温度T1未満で導電体である。すなわち、常温にお
いては、第1PTC電極層7及び第2PTC電極層8が
導電体であって、第1PTC電極層7及び第2PTC電
極層8への電圧印加により側壁111が、圧電セラミッ
クス層6の圧電厚みすべり効果によって変形してインク
を噴射する。
は、第1PTC電極層7及び第2PTC電極層8が絶縁
体であって、第1PTC電極層7及び第2PTC電極層
8への電圧印加によって圧電セラミックス層6を分極処
理することができる。このように圧電セラミックス層6
の分極をいつでも行うことが出来るため、アクチュエー
タセラミックスプレート5とカバープレート2との接合
などの各種製造工程に於て、圧電セラミックス層6のキ
ュリー温度(圧電特性を失う温度)よりも高い温度で熱
処理をすることが出来る。その結果、各部品とアクチュ
エータセラミックスプレート5などの接合強度が高くな
り、駆動時に接合部が破損することが防止される。
がインク液室12内部のインクに接するため、インク中
に含まれる水分などによって電極13 が腐食されるこ
とにより、電極13の耐久性が低くなるという問題もあ
った。本実施例では、電極材料が腐食しにくいセラミッ
クスサーミスタ材料であるので、特別な保護をしなくて
もインクによる腐食は全く起こらない。
圧電セラミックス層6の圧電特性が熱、駆動電界等によ
り劣化した場合には再分極処理を行い、再び使用するこ
とが出来るため、省資源にもつながる。
命が長く、信頼性が高いインク噴射装置が実現できるの
である。
の圧電セラミックス層6を有しているが、第1PTC電
極層7を介して複数の圧電セラミックス層6を有しても
よい。例えば1つの側壁111が上下2つの圧電セラミ
ックス層6を有する構造にすれば、駆動電圧が上記実施
例の約半分になるため、圧電セラミックス層6の駆動に
よる劣化が抑えられインク噴射装置の信頼性が向上す
る。
を図8乃至12を参照して説明する。尚、従来例及び本
発明の第1の実施例と同一の部材には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
射装置に用いられるアレイの断面図で、アクチュエータ
セラミックスプレート25は、圧電セラミックス10か
らなる複数の側壁111が設けられている。また側壁1
11に隔てられ、図中上方に開口する複数の溝15が設
けられている。側壁111の上半分の表面にはPTC外
部電極29が形成されている。
チタン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスにて構成されて
おり、それぞれ矢印4の方向に分極されている。一方、
PTC外部電極29は、常温においては導電体である
が、上記チタン酸ジルコン酸鉛系のセラミックスの強誘
電性を失う温度、すなわちキュリー温度(例えば250
℃)よりも低い所定の温度T1(例えば130℃)以上
で電気抵抗が急激に増加して絶縁体となるチタン酸バリ
ウム系の正温度特性サーミスタ材料(PTCサーミスタ
材料)にて構成されている。
は以下の製造方法によって製造される。
タン酸ジルコン酸鉛系のセラミックス材料の板を図10
に示すように溝15を形成し、さらに図11に示すよう
に溝15の内部表面の図中上半分ににPTC外部電極2
9が形成される。圧電セラミックス10の分極工程より
も先にPTC外部電極29の形成を行うため、圧電セラ
ミックス10のキュリー温度(例えば250℃)以上の
温度の熱処理プロセスを行っても全く問題が無く、圧電
セラミックス10とPTC外部電極29の強固な密着が
可能である。PTC外部電極の形成方法としては、スパ
ッタ法、蒸着法、PVD法、CVD法等がある。
ミックスプレート25と、セラミックス材料または樹脂
材料からなるカバープレート2とを、図8に示すように
側壁111の上部にてエポキシ系接着剤等からなる接合
層3を介して接合することで溝15は横方向に互いに間
隔を有するインク液室12となる。圧電セラミックス1
0の分極工程よりも先に該カバープレート2の接合を行
うため、圧電セラミックス10のキュリー温度(例えば
250℃)以上の温度の熱処理プロセスを行っても全く
問題が無く、アクチュエータセラミックスプレート25
とカバープレート2の強固な接合が可能である。
バープレート2の上部表面に分極用アース電極30を、
アクチュエータセラミックスプレート25の下部表面に
分極用正電極31を銀焼付け法等により形成する。その
後分極用アース電極30を接地し、分極用正電極31に
分極用電圧を、図示しないシリコンオイル等の絶縁オイ
ル中にて印加する。図示しない絶縁オイルの温度は、P
TC外部電極29が絶縁体となる温度T1(本実施例で
は130℃)よりも高く、かつ前記圧電セラミックス1
0のキュリー温度(本実施例では250℃)よりも低い
温度、例えば150℃程度である。
なり、圧電セラミックス層10は強誘電性を有する。こ
のため側壁111の図中上下方向に電圧が印加されるこ
とになり、圧電セラミックス10にはそれぞれ矢印4の
方向に良好に分極される。このとき圧電セラミックス1
0に印加される電界は例えば2kV/mm程度である。
25の通常の使用温度はPTC外部電極29が絶縁体と
なる温度T1(本実施例では130℃)よりも十分低
く、PTC外部電極29は導電体となり駆動用の電極と
して機能する。
は、電極13の形成前に必ず行う必要があったが、本実
施例においてはいつ行ってもよく、例えばインク噴射装
置として使用した後でもよいので圧電セラミックス10
の圧電特性が熱、駆動電界等により劣化した場合に再分
極処理を行い、再び使用することが出来る。
用いられるアレイには、図9に示す電気回路が設けられ
ており、また全てのインク液室12内にはインクが充填
されている。この電気回路において、各溝15内に形成
されたPTC外部電極29a乃至29fがそれぞれ別々
にLSIチップ51に接続され、クロックライン52、
データライン53、電圧ライン54及びアースライン5
5もLSIチップ51に接続されている。インク液室1
2は隣合わない複数のグループに分けられており、クロ
ックライン52から供給された連続するクロックパルス
により、LSIチップ51がこの複数グループを続けて
駆動する。データライン53上に現れる多ビット・ワー
ド形式のデータによりLSIチップ51が各グループの
うちのどのインク液室12を作動すべきかを決定し、そ
の選ばれたグループのインク液室12のPTC外部電極
29に電圧ライン54の電圧Vを印加する。
111が圧電セラミックス層10の圧電効果による変形
をし、従って各グループに於て全てのインク液室12が
作動可能になる。このとき作動されていない同一グルー
プのインク液室12のPTC外部電極29と、他のグル
ープに属する全てのインク液室12のPTC外部電極2
9は接地される。
タに従って例えばインク液室12bが選択されると、P
TC外部電極29c、29dに急速に正の駆動電圧が印
加され、PTC外部電極29a、29b、29e、29
fは接地される。これにより圧電セラミックス10aに
は矢印14aの方向の駆動電界が、圧電セラミックス1
0bには矢印14bの方向の駆動電界が作用する。この
とき駆動電界方向14a及び14bと分極方向4とが直
交しているため、側壁111a及び111bは、圧電厚
みすべり効果によってインク液室12bの内部方向に急
速に変形する。この変形によってインク液室12bの容
積が減少してインク液室12bのインク圧力が急速に増
大し、圧力波が発生して、インク液室12bに連通する
図示しないノズルからインク液滴が噴射される。
111a及び111bが変形前の位置(図8参照)に戻
るためインク液室12b内のインク圧力が低下し、図示
しないインク供給口からインク液室12b内にインクが
供給される。
過ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電
圧を容積が増加する方向に印加し、先にインク液室12
bにインクを供給させた後に、駆動電圧の印加を停止し
て元の状態(図8参照)にしてインクを噴射させること
もある。
おいても、上述した第1の実施例と同様の効果が得られ
る。
命が長く、信頼性が高い、さらに製造コストの低いイン
ク噴射装置が実現できるのである。
明によれば、駆動用電極が、所定温度T1以上で電気抵
抗が増大して絶縁体となり、所定温度T1未満で電気抵
抗が減少して導電体となる材料にて構成されている。従
って常温においては前記駆動用電極が導電体となるのに
対し、所定温度T1以上の温度では前記駆動用電極が絶
縁体となる。その結果、駆動用電極形成後においても所
定温度T1以上の温度とすれば、圧電セラミックスの分
極を行うことが出来るため、圧電セラミックスプレート
とカバープレートとの接合などの各種製造工程に於て、
圧電材料のキュリー温度(圧電特性を失う温度)よりも
高い温度で熱処理をすることが出来る。その結果、各部
品と圧電セラミックスプレートなどの接合強度が高くな
り、駆動時に接合部が破損することが防止される。従っ
て、各部品の接合部、および電極の寿命が長く、信頼性
が高いインク噴射装置を提供することができる。
図である。
す説明図である。
スプレートの製造工程を示す斜視図である。
スプレートの製造工程を示す断面図である。
の温度特性を示す説明図である。
スプレートの分極工程を示す断面図である。
の接続を示す説明図である。
である。
説明図である。
スプレートの製造工程を示す斜視図である。
スプレートの製造工程を示す断面図である。
を示す斜視図である。
る。
である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 インクが充填されたインク液室と、前記
インク液室を隔て、少なくとも一部が分極された圧電部
で構成された側壁と、前記分極方向と略直交する電界を
発生するように前記圧電部に形成された駆動用電極とを
有し、前記駆動用電極への電圧の印加による前記圧電部
の圧電厚みすべり効果により前記側壁が変形して、前記
インク液室内のインクに圧力を与えてインクを噴射する
インク噴射装置に於て、 前記駆動用電極が、所定温度T1以上で電気抵抗が増大
して絶縁体となり、前記所定温度T1未満で電気抵抗が
減少して導電体となる材料にて構成されていることを特
徴とするインク噴射装置。 - 【請求項2】 前記所定温度T1は、前記圧電部が圧電
特性を失う温度より、低いことを特徴とする請求項1記
載のインク噴射装置。 - 【請求項3】 前記駆動用電極がチタン酸バリウム系の
正温度特性サーミスタ材料から構成されていることを特
徴とする請求項1記載のインク噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17518893A JP3152020B2 (ja) | 1993-07-15 | 1993-07-15 | インク噴射装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17518893A JP3152020B2 (ja) | 1993-07-15 | 1993-07-15 | インク噴射装置およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0725012A true JPH0725012A (ja) | 1995-01-27 |
JP3152020B2 JP3152020B2 (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=15991829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17518893A Expired - Lifetime JP3152020B2 (ja) | 1993-07-15 | 1993-07-15 | インク噴射装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3152020B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013132832A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Seiko Epson Corp | 液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの制御方法 |
-
1993
- 1993-07-15 JP JP17518893A patent/JP3152020B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013132832A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Seiko Epson Corp | 液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの制御方法 |
US9259929B2 (en) | 2011-12-26 | 2016-02-16 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus and control method of liquid ejecting head |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3152020B2 (ja) | 2001-04-03 |
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