JPH0724997U - 抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置 - Google Patents

抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置

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JPH0724997U
JPH0724997U JP7231693U JP7231693U JPH0724997U JP H0724997 U JPH0724997 U JP H0724997U JP 7231693 U JP7231693 U JP 7231693U JP 7231693 U JP7231693 U JP 7231693U JP H0724997 U JPH0724997 U JP H0724997U
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勝一 天野
正迪 竹内
千尋 窪寺
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石川島播磨重工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料液の熱の影響によるボトムリップの熱変
形を修正する。 【構成】 すき網3上に原料液15を流出させるための
スライス7をヘッドボックス8の前壁部に有する。スラ
イス7を構成するトップリップ5とボトムリップ6のう
ち、ボトムリップ6の先端部下面に、厚さの薄いラバー
ヒータ20を面長方向に配列して取り付ける。各ラバー
ヒータ20の温度をコントロールするコントロール装置
21を設ける。検出した紙の厚み分布に応じて、コント
ロール装置21により各ラバーヒータ20を遠隔コント
ロールし、ボトムリップ6の先端部を平面化する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
抄紙機の湿部は、図5にその一例を示す如く、すき網部(Wire part )1とプ レス部(Press part)2を有し、上記すき網部1には、スクリーンを通過させた 後の原料液を均一な薄い膜状の水流として、走っているすき網3上に流すように する原料供給部4を有する。
【0003】 上記原料供給部4としては、図6及び図7に一例を示す如く、トップリップ5 とボトムリップ6により構成されるスライス7を、流出水頭を与えるためのヘッ ドボックス8の前壁部に設け、且つ該ヘッドボックス8の前壁面側の支持フレー ム9に複数台のジャッキ10を面長方向(幅方向:矢印X方向)に配列設置し、 該各ジャッキ10の駆動によりロッド11を介して昇降させられるようにしたブ レード12を、上記トップリップ5の先端面に沿って面長方向に配し、原料液流 出口であるノズル13への該ブレード12の突出量を上記ジャッキ10の駆動で 変えてノズル13の開口量を変えることにより、ブレストロール14に巻き掛け られて移動しているすき網3上にスライス7から流出させる原料液15の厚みを 制御できるようにしてある(特開平3−152287号等)。
【0004】 しかし、上記原料供給部4の場合、各ジャッキ10の駆動でブレード12を昇 降させることにより流出原料液15の厚みを任意の値に設定することができるが 、スライス7を構成するボトムリップ6の先端部が原料液15の温度(30〜4 0℃位)によって熱変形してうねりが発生してしまうので、流出原料液15の厚 みが面長方向で均一にならなくなってしまう。そのため、ボトムリップ6の先端 部の変形量に合わせてブレード12を各部で変形させることで対処しているが、 ブレード12の機械的変形では対処しきれないことがある。すなわち、上記ブレ ード12は、通常、6mm位の厚さであり、これをピッチ100mm程度で設置した ジャッキ10で変形させてボトムリップ6の変形を修正するには限界があり、又 、たとえ、ブレード12を局部的に大きく変形させることができたとしても、原 料液15の繊維配向性や坪量プロファイル等に支障を来す問題がある。
【0005】 そのため、図8に示す如く、ボトムリップ6の下部に、複数のチャンバ16を 面長方向に配列して形成し、ヒータ17にて温めたタンク18内の温水をポンプ 19の運転で所要のチャンバ16へ供給して循環させることにより、ボトムリッ プ6の熱変形を修正させるようにしたり、あるいは、図9に示す如く、ボトムリ ップ6の下部に、図8と同様にチャンバ16を形成して、該各チャンバ16内に ヒータ17を設置し、所要個所のチャンバ16内のヒータ17によりチャンバ1 6内の水を加熱することにより、ボトムリップ6の熱変形を修正させるようにす ることが提案されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記図8及び図9に示すいずれの方式の場合も、原料液15の厚み に最も影響を与えるボトムリップ6の先端部から離れた位置に形成したチャンバ 16の部分で熱膨張作用を利用するようにしているため、ボトムリップ6の先端 部の熱変形を思うように修正することができない、という問題がある。
【0007】 そこで、本考案は、ボトムリップの先端部の熱変形を効果的に修正することが できるようにして、流出原料液の厚みを面長方向で一定に制御することができる ような抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置を提供しようとするもので ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記課題を解決するために、ヘッドボックスのトップリップとボト ムリップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流出させるようにしてある 抄紙機すき網部における上記ボトムリップの先端部下面に、複数のラバーヒータ を面長方向に配列して取り付け、且つ該各ラバーヒータに、温度をコントロール するためのコントロール装置を接続した構成とする。
【0009】 又、ヘッドボックスのトップリップとボトムリップとからなるスライスよりす き網上に原料液を流出させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボトム リップの下面側の先端部より所要距離離れた位置に、面長方向に延びる溝を設け 、且つ該溝内に、複数の圧電アクチュエータを、溝の幅方向に伸縮できるように 配列し、更に、該各圧電アクチュエータの作動量をコントロールするためのコン トロール装置を備えた構成としてもよく、更に、溝の底部に溝の長手方向に延び るスリットを設けた構成とすることができる。
【0010】
【作用】
検出された紙の厚み分布に基づき、コントロール装置を用いて各ラバーヒータ の温度をコントロールすると、ボトムリップの先端部の変形を、平面状態に近付 けるように直接的に修正することができる。
【0011】 又、ボトムリップの下面側に設けた溝に圧電アクチュエータを設置した構成と した場合は、圧電アクチュエータを駆動すると、ボトムリップを溝の部分から上 下方向に変位させることができるので、先端部の変形を修正することができる。
【0012】
【実施例】
以下、図面に基づき本考案の実施例を説明する。
【0013】 図1及び図2は本考案の一実施例を示すもので、図6及び図7に示してある抄 紙機すき網部1の原料供給部4と同様な構成において、トップリップ5とボトム リップ6とからなるスライス7の上記ボトムリップ6の先端部下面に、複数枚の 温度センサー付のラバーヒータ20を、面長方向に沿い所要間隔(たとえば、1 00mm間隔)で取り付け、且つ上記各ラバーヒータ20の温度を遠隔操作にてコ ントロールするためコントロール装置21を備える。なお、22はシャワーパイ プを示す。
【0014】 上記ラバーヒータ20は、上下2枚のシリコンゴムシートの間に抵抗エレメン トを配して全体を薄いシート状に一体化構成を有する面状ヒータである。
【0015】 スライス7からすき網3上に流出される原料液15の厚みを制御する場合、面 長方向に並ぶ各ジャッキ10の駆動でロッド11を介しブレード12を上下させ 、スライス7の原料液流出口であるノズル13へのブレード12の突出量を変え るようにするが、このとき、同時に、スライス7を構成するボトムリップ6の先 端部下面に取り付けてある各ラバーヒータ20の温度をコントロールするように する。
【0016】 すなわち、すき網部1のすき網3上へスライス7から流出させられた原料液1 5は、順次、プレス部2、乾燥部を経て、抄紙機末尾部のリールにて巻き取られ るが、この際、リールの前に紙の坪量や厚み等を計測するために設置してあるB M計の如き重量分布計測器にて紙の重量分布を確認し、その値を基にラバーヒー タ20用のコントロール装置21を用いて、面長方向に配列されたラバーヒータ 20を加熱し各部の温度を遠隔にてコントロールすることにより、スライス7の ボトムリップ6の先端部の変形を修正して真面度を出すようにする。
【0017】 上記において、スライス7のボトムリップ6の先端部とブレストロール14と の間の隙間は、通常、8mm程度であるが、ラバーヒータ20の厚さは2〜3mmで あるため、該ラバーヒータ20を、原料液15の温度によって最も熱影響を受け 易いボトムリップ6の先端部の下面に何ら支障なく取り付けることができる。し たがって、ラバーヒータ20の熱によって温度変化を与えることにより、原料液 15によって熱変形させられたボトムリップ6の先端部の熱変形を直接的に修正 して平面状態に近付けることができ、その結果、ブレード12の機械的変形量を 少なくすることができ、これにより、繊維配向性や坪量プロファイル等を精度よ くコントロールすることが可能となる。
【0018】 次に、図3及び図4は本考案の他の実施例を示すもので、図6及び図7に示し てある抄紙機すき網部1の原料供給部4と同様な構成において、トップリップ5 とボトムリップ6とからなるスライス7における上記ボトムリップ6の下面側の 先端部より所要距離離れた位置に、所要の深さ及び幅とした溝23を面長方向に 延びるように設けると共に、該溝23の底部(上面側)に、溝23の延びる方向 に沿ってスリット24を適宜数設けて、上記ボトムリップ6を溝23の部分から 上下方向へ変位可能な可撓構造とし、且つ上記溝23内に、圧電セラミックスの 積層体からなる圧電アクチュエータ(ピエゾスタック)25を、溝23の長手方 向に対し直角方向に作動するように、面長方向へ所要間隔(たとえば、100mm 間隔)を隔てて配列設置し、更に、該各圧電アクチュエータ25ごとに備えられ ている駆動装置である電圧発生装置26に指令を送って各圧電アクチュエータ2 5の作動量を個々にコントロールするためのコントロール装置27を備えたもの である。
【0019】 図3及び図4の実施例の場合には、図1及び図2に示す実施例の場合と同様に 、重量分布計測器にて計測した紙の重量分布の値を基に、圧電アクチュエータ2 5用のコントロール装置27を用いて、面長方向に配列された圧電アクチュエー タ25の電圧発生装置26を駆動し、各部の圧電アクチュエータ25の作動量を 遠隔にてコントロールすることにより、スライス7のボトムリップ6の先端部の 変形を修正して真面度を出すようにする。すなわち、圧電アクチュエータ25を 伸長作動させると、溝23の幅が押し拡げられるため、図3の二点鎖線で示す如 く、ボトムリップ6は溝23の部分から上方へ変形させられる。なお、このボト ムリップ6の変形は、溝23にスリット24を有することから僅かな力で行わせ ることができる。したがって、各圧電アクチュエータ25の作動量を個々にコン トロールすることで、原料液15によって熱変形させられたボトムリップ6の先 端部の熱変形を機械的に修正して平面状態に近付けることができる。これにより 、上記実施例と同様に、繊維配向性や坪量プロファイル等を精度よくコントロー ルすることが可能となる。
【0020】 なお、本考案は上記実施例のみに限定されるものではなく、本考案の要旨を逸 脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【考案の効果】
以上述べた如く、本考案の抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置によ れば、ボトムリップの先端部下面に面長方向に沿って複数のラバーヒータを取り 付け、各ラバーヒータの温度をコントロール装置で個々にコントロールできるよ うにしたので、原料液の温度の影響を最も受け易いボトムリップの先端部の変形 をラバーヒータの熱によって平面状態に近付けるように修正することができ、又 、ボトムリップの下面側に面長方向に延びる溝を設け、該溝内に面長方向に沿っ て複数の圧電アクチュエータを設置し、各圧電アクチュエータの作動量をコント ロール装置で個々にコントロールできるようにした構成とすることにより、ボト ムリップの先端部の変形を機械的に修正することができ、更に、溝の底部にスリ ットを設けた構成にすると、ボトムリップ先端部の変形を僅かな力で容易に行う ことができることになり、したがって、トップリップ側に装備させてある流出原 料液厚み調整用のブレードの機械的変形量を少なくすることができ、紙の厚みや 坪量を安定化させることができて面長方向の品質を一定化することができる、と いう優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の抄紙機すき網部のスライスリップ変形
調節装置の一実施例を示す概要図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】本考案の他の実施例を示す概要図である。
【図4】図3に示すボトムリップを下面から見た斜視図
である。
【図5】抄紙機の湿部の一例を示す概略構成図である。
【図6】湿部に有する原料供給部の一例を示す拡大図で
ある。
【図7】図6の正面図である。
【図8】最近提案されているボトムリップの変形防止方
式の一例を示す概要図である。
【図9】図8とは別の例を示す概要図である。
【符号の説明】
1 すき網部 3 すき網 5 トップリップ 6 ボトムリップ 7 スライス 15 原料液 20 ラバーヒータ 21 コントロール装置 23 溝 24 スリット 25 圧電アクチュエータ 27 コントロール装置

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドボックスのトップリップとボトム
    リップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流出
    させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボト
    ムリップの先端部下面に、複数のラバーヒータを面長方
    向に配列して取り付け、且つ該各ラバーヒータに、温度
    をコントロールするためのコントロール装置を接続した
    構成を有することを特徴とする抄紙機すき網部のスライ
    スリップ変形調節装置。
  2. 【請求項2】 ヘッドボックスのトップリップとボトム
    リップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流出
    させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボト
    ムリップの下面側の先端部より所要距離離れた位置に、
    面長方向に延びる溝を設け、且つ該溝内に、複数の圧電
    アクチュエータを、溝の幅方向に伸縮できるように配列
    し、更に、該各圧電アクチュエータの作動量をコントロ
    ールするためのコントロール装置を備えた構成を有する
    ことを特徴とする抄紙機すき網部のスライスリップ変形
    調節装置。
  3. 【請求項3】 溝の底部に溝の長手方向に延びるスリッ
    トを設けた請求項2記載の抄紙機すき網部のスライスリ
    ップ変形調節装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5132831B1 (ja) * 2012-06-28 2013-01-30 三菱化工機株式会社 多孔質セラミック焼成体のディスクの製造装置およびそのディスク

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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