JPH07249115A - 臓器輪郭の自動抽出方法 - Google Patents

臓器輪郭の自動抽出方法

Info

Publication number
JPH07249115A
JPH07249115A JP6065726A JP6572694A JPH07249115A JP H07249115 A JPH07249115 A JP H07249115A JP 6065726 A JP6065726 A JP 6065726A JP 6572694 A JP6572694 A JP 6572694A JP H07249115 A JPH07249115 A JP H07249115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contour
image
points
point
organ
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6065726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2903995B2 (ja
Inventor
Shinichi Utsunomiya
真一 宇都宮
Kentaro Matsumura
憲太郎 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP6065726A priority Critical patent/JP2903995B2/ja
Publication of JPH07249115A publication Critical patent/JPH07249115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2903995B2 publication Critical patent/JP2903995B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮像画像中の診断に重要な情報を喪失するこ
となく、臓器輪郭を高い信頼性で抽出する。 【構成】 第1画像の複数個の輪郭点をオペレータが入
力指定する。入力輪郭点を基に第1画像の中心点を算出
し、放射状に走査線を設定する。各走査線について輪郭
候補点を抽出する。入力輪郭点を手掛かり情報として、
各走査線の輪郭候補点の組合せの評価を、臓器輪郭が滑
らかであるという特性を利用して行い、輪郭候補点の最
適な組合せを選出する。第2画像以降の各画像につい
て、輪郭候補点の組合せの評価を、当該撮像画像の輪郭
点は時間的または位置的に近い撮像画像の輪郭点の近く
にあり、また、臓器輪郭は滑らかであるという特性を利
用して行い、最適な輪郭候補点の組合せを選出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、MRI(Magnetic R
esonance Imaging) 、DSA(Digital Subtraction An
giography)、シンチレーションカメラ、超音波断層像撮
像装置等の医用画像装置に用いられる臓器輪郭の自動抽
出方法に係り、特に、臓器を含む対象物断面を時間的に
連続して撮像した複数枚の撮像画像それぞれから、関心
領域として臓器輪郭を自動的に抽出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の臓器輪郭の自動抽出方法
として以下のようなものがある。
【0003】<第1従来例>図17を参照する。この手
法は、診断対象となる臓器の撮像画像の領域内に設定し
た点Oを中心に、放射状に複数本の走査線SLを設定し
(同図(a)参照)、各走査線SLに沿った画像濃度値
と、予め適宜に定められた閾値THとを比較して、閾値
THと等しい画像濃度値をもった点(半径座標)を輪郭
点Pとして抽出している(同図(b)参照)。
【0004】<第2従来例>この手法は、特開平5−3
17288号公報に開示されたもので、MRIによる心
臓撮像画像のように臓器部分と臓器以外の部分との間で
画像濃度値の差異が小さい、時間的に連続して得られた
複数枚の撮像画像の各画像中の臓器の輪郭点を抽出する
のに利用される。まず、第1画像の臓器輪郭をオペレー
タが手入力でなぞることによって輪郭線を抽出する。第
2画像では、第1画像の輪郭線との相関演算により輪郭
候補点を抽出する。そして、第1画像上の輪郭点と第2
画像上の輪郭候補点との差が、対象臓器の特性に基づく
許容範囲内であるかどうかを判定する。ここで、上記の
対象臓器の特定とは、対象臓器が例えば左心室内壁であ
れば、左心室内壁の運動が拡張か収縮か、フレーム間に
どのくらい変位するか、誤差はどのくらいか等である。
第2画像上の輪郭候補点が前記許容範囲内であれば、そ
輪郭候補点を輪郭点として確定する。許容範囲外であれ
ば、その輪郭候補点を捨てて、その個所の輪郭点を近傍
の他の輪郭点から補間により求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。
【0006】第1従来例によれば、臓器部分と臓器以外
の部分の画像濃度値の差異が小さい場合や、撮像画像に
ノイズ成分が重畳する等して画像濃度分布が一様でない
場合に、抽出された輪郭点の信頼性が低く、本来滑らか
であるべき臓器の輪郭が、凹凸の多い歪んだものになる
ことがある。
【0007】第2の従来例によれば、濃度勾配の低い撮
像画像であっても比較的良好に輪郭点の抽出を行うこと
を目的としているが、輪郭候補点を確定するにあたり、
対象臓器の特性に基づく定量的な許容範囲(一定時間に
おける左心室内壁の変位量、誤差量)を判断基準として
いるので、次のような問題点が生じる。すなわち、この
従来例によれば、抽出した輪郭点の信頼性を高めるため
には、対象臓器の特性に基づく定量的な許容範囲を余り
広く設定することができず、必然的に、臓器の通常の動
きを前提とした比較的狭い許容範囲を定める必要があ
る。しかし、疾患をもつ被検体の臓器(例えば、左心室
内壁)は、必ずしも通常の動きをするものでなく、時と
して異常な動きをすることがある。このような臓器の異
常な動きが撮像されていたとしても、この従来例によれ
ば、その臓器の異常個所の輪郭候補点が前記許容範囲外
であるとして捨てられることにより、撮像画像中の臓器
の異常な動きを示す、診断上の重要な情報が輪郭点の評
価過程で失われる危険性がある。また、捨てられた輪郭
候補点に対応する個所の輪郭点は、近傍の輪郭点の位置
情報を使った補間により求められるので、その個所の輪
郭点は実際の撮像画像の情報を反映しない不正確なもの
になりやすい。
【0008】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、臓器部分と臓器以外の部分の画像濃
度値の差異が小さい場合や画像濃度分布が一様でない場
合であっても、撮像画像中の診断に重要な情報を喪失す
ることなく、臓器輪郭を高い信頼性で抽出することがで
きる臓器輪郭の自動抽出方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明は、診断対象となる臓器の同一断面を時間
的に連続して撮像して得られた複数枚の撮像画像、また
は診断対象となる臓器の異なる断面を位置的に連続して
撮像して得られた複数枚の撮像画像について、各撮像画
像の臓器輪郭を自動的に抽出する方法であって、(a)
第1画像の臓器輪郭上の複数個所の輪郭点をオペレータ
が手入力で指示する過程と、(b)前記過程で入力され
た輪郭点(入力輪郭点)に基づいて、またはオペレータ
が手入力で指示することにより第1画像の中心点を求
め、この中心点から第1画像上に放射状に走査線を設定
する過程と、(c)各走査線に沿った画像濃度変化に着
目して、前記入力輪郭点がある走査線以外の各走査線ご
とに、輪郭点となる可能性がある輪郭候補点を抽出する
過程と、(d)前記複数個の入力輪郭点の一つを第1画
像の確定した輪郭線の始端とし、他の一つを確定した輪
郭線の終端として、前記両入力輪郭点間に存在する隣接
した各走査線上の輪郭候補点を相互につないだ複数個の
輪郭候補点の組合せを、臓器輪郭が滑らかであるという
特性を利用して評価することにより、最適な輪郭候補点
の組合せを選出する操作を全ての入力輪郭点の間で繰り
返し行い、選出された最適な輪郭候補点の組合せを第1
画像の輪郭点として確定する過程と、(e)第2画像以
降の各撮像画像について、第1画像の中心点に対応する
点から放射状に走査線を設定する過程と、(f)各走査
線上の画像濃度変化に着目して各走査線ごとに複数個の
輪郭候補点を抽出する過程と、(g)隣接した前記各走
査線の輪郭候補点を相互につないだ複数個の輪郭候補点
の組合せを、第2画像以降の各撮像画像の輪郭点は当該
撮像画像に対して時間的、または位置的に実質的に近い
撮像画像の確定した輪郭点の近くにあり、かつ、臓器輪
郭は滑らかであるという特性を利用して評価することに
より、最適な輪郭候補点の組合せを第2画像以降の各撮
像画像について選出し、これらを各撮像画像の輪郭点と
して確定する過程と、を備えたものである。
【0010】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。まず、複
数枚の撮像画像の中から適宜の第1画像が選択され、こ
の第1画像の輪郭線が、以下の各過程によって抽出され
る。
【0011】オペレータは、第1画像の輪郭上に、手入
力で複数個所の輪郭点を指示する。この第1画像が、臓
器部分と臓器以外の部分の画像濃度値の差異が小さい画
像であったり、あるいは画像濃度分布が一様でない画像
であったとしても、オペレータは、経験的に臓器と臓器
以外の部分を識別する能力を備えているので、入力指示
された輪郭点は信頼性が高く、以後の処理で確定した輪
郭点として用いることができる。
【0012】次の過程では、複数個の入力輪郭点に基づ
いて、あるいはオペレータが手入力で指示することによ
り、第1画像の中心点を求め、この中心点から第1画像
中に放射状に走査線を設定する。この中心点は、臓器の
画像領域内にあるので、各走査線は必ず臓器の輪郭線を
横切る。
【0013】そして、入力輪郭点がある走査線以外の各
走査線に沿って画像濃度の変化を調べる。画像濃度が走
査線上において比較的大きく変化している個所に臓器の
輪郭が存在する可能性が高いので、これらの個所を輪郭
候補点として走査線ごとに抽出する。画像濃度の変化の
比較的大きな個所は各走査線について必ずしも1個所で
ないので、輪郭候補点は、各走査線について通常、複数
個存在する。
【0014】複数個の入力輪郭点の中の一つを第1画像
の確定した輪郭線の始端とし、他の一つを確定した輪郭
線の終端として、両入力輪郭点間に存在する隣接した各
走査線上の輪郭候補点を相互につなぐごとにより、複数
個の輪郭候補点の組合せをつくる。これらの輪郭候補点
の組合せの中の一つが第1画像の輪郭線として最適なも
のであると考えられる。そこで、各輪郭候補点の組合せ
を評価するために、臓器輪郭が滑らかであるという、臓
器の定性的な特性を利用する。結果、最も滑らかな臓器
輪郭を与える輪郭候補点の組合せが選出され、これをこ
の両入力輪郭点間の第1画像の輪郭点として確定する。
この操作を全ての入力輪郭点間で繰り返すことにより第
1画像の全輪郭点を確定する。臓器が異常な動きをして
も、その部分の輪郭の滑らかさが失われないことは経験
的に認められているので、前記の評価過程において、異
常な動きをした臓器の輪郭部分が喪失されることはな
い。
【0015】以上で第1画像の輪郭線抽出処理が終り、
続いて、第1画像の確定した輪郭点を利用して、第2画
像以降の各撮像画像の輪郭点を以下の各過程で抽出す
る。
【0016】第2画像について、第1画像の中心点に対
応する点から放射状に走査線を設定し、第1画像と同様
に各走査線ごとに複数個の輪郭候補点を抽出する。そし
て、隣接した各走査線の輪郭候補点を相互につないだ複
数個の輪郭候補点の組合せをつくり、各輪郭候補点の組
合せを評価する。第2画像以降の輪郭候補点の組合せの
評価では、各撮像画像の輪郭点は当該撮像画像に対して
時間的、または位置的に実質的に近い撮像画像の確定し
た輪郭点の近くにあり、かつ、臓器輪郭は滑らかである
という、臓器の定性的特性を利用する。第2画像以降で
臓器が異常な動きをしても、その部分の輪郭点はその撮
像画像に時間的、または位置的に近い撮像画像の輪郭点
の近くにあり、また、その部分の輪郭の滑らかさが失わ
れないことは経験的に認められているので、前記の評価
過程において、異常な動きをした臓器の輪郭部分が喪失
されることはない。このような評価によって最適な輪郭
候補点の組合せを選出し、その輪郭候補点の組合せを第
2画像の輪郭点として確定する。
【0017】第3画像については、第2画像の確定した
輪郭点を利用して、第2画像と同様の評価を行って、最
適な輪郭候補点の組合せを選出し、輪郭点を確定する。
以後、各撮像画像について同様の処理を繰り返し行うこ
とにより、全ての撮像画像について輪郭線が自動的に抽
出される。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。まず、図2を参照して、この発明方法が適用
される装置の一例である、磁気共鳴断層撮影(MRI)
装置の概略構成を説明する。ただし、この発明はMRI
装置に限定されず、DSA装置等にも適用することがで
きる。
【0019】主マグネット11は静磁場を発生するため
のもので、この静磁場に重畳するように傾斜磁場コイル
12によって傾斜磁場が印加される。傾斜磁場コイル1
2はX,Y,Zの3軸方向に磁場強度がそれぞれ傾斜す
る傾斜磁場GX ,GY ,GZを発生するように配置され
ている。この静磁場及び傾斜磁場が加えられる空間に、
図示しない被検体(患者)が配置され、その被検体にR
Fコイル13が取り付けられる。
【0020】傾斜磁場コイル12には傾斜磁場電源21
が接続され、GX ,GY ,GZ の各傾斜磁場発生用電力
が供給される。この傾斜磁場電源21には波形発生器2
2からの波形信号が入力されてGX ,GY ,GZ の各傾
斜磁場波形が制御される。RFコイル13にはRFパワ
ーアンプ33からRF信号が供給され、これにより被検
体へのRF信号照射が行われる。このRF信号は、RF
信号発生器31より発生させられたRF信号を、変調器
32で、波形発生器22から送られてきた波形に応じて
AM変調したものとなっている。
【0021】被検体で発生したNMR信号はRFコイル
13により受信され、プリアンプ41を経て位相検波器
42に送られる。位相検波器42において、受信信号は
RF信号発生器31からのRF信号を参照信号として位
相検波され、検波出力がA/D変換器43に送られる。
このA/D変換器43にはサンプリングパルス発生器2
4からサンプリングパルスが入力されており、このサン
プリングパルスに応じて検波出力のデジタルデータへの
変換が行われる。そのデジタルデータはホストコンピュ
ータ51に取り込まれる。
【0022】ホストコンピュータ51は、取り込まれた
データを処理して画像を再構成するとともに、タイミン
グ発生器23を介してシーケンス全体のタイミングを定
める。すなわち、タイミング発生器23は、ホストコン
ピュータ51の制御の下に、波形発生器22、RF信号
発生器31、サンプリングパルス発生器24にタイミン
グ信号を送り、波形発生器22から各波形信号が出力さ
れるタイミングを定めるとともに、RF信号発生器31
からRF信号発生タイミングを定め、さらにサンプリン
グパルス発生器24からのサンプリングパルス発生タイ
ミングを定める。また、ホストコンピュータ51は、波
形発生器22に波形情報を送り、GX ,GY ,GZ の各
傾斜磁場パルスの波形、強度等を制御するとともに、R
Fコイル13から被検体に照射するRF信号のエンベロ
ープを定め、さらにRF信号発生器31に信号を送って
RF信号の周波数や位相を制御する。
【0023】このホストコンピュータ51には画像表示
装置52と入力装置53とが接続されている。画像表示
装置52は再構成画像等を表示する。入力装置53は、
キーボードや切り換えスイッチあるいはトラックボー
ル、マウス等のポインティングデバイス等からなる。
【0024】上述したMRI装置によって、被検体の診
断対象となる臓器(例えば、心臓)の同一断面が時間的
に連続して撮像されて、各々の再構成画像がホストコン
ピュータ51に格納される。また、傾斜磁場を適宜に制
御して、診断対象となる臓器の異なる断面が位置的に連
続して撮像(マルチスライス)され、各々の再構成画像
がホストコンピュータ51に格納されることもある。
【0025】そして、心臓(特に、左心室)の体積変化
を調べて心機能を診断する場合等、必要に応じて、臓器
の再構成画像(以下、撮像画像、あるいは単に画像とい
う)の輪郭線の抽出処理が、ホストコンピュータ51に
よって行われる。
【0026】以下、臓器の同一断面が時間的に連続して
撮像されて得られた複数枚の画像について、輪郭線を自
動的に抽出するための処理を図1のフローチャートを参
照して説明する。
【0027】ステップS1:まず、複数枚の撮像画像の
中から適宜な第1番目の撮像画像(第1画像)が画像表
示装置52に表示される。図3に示すように、オペレー
タは、この第1画像を見ながら、入力装置53の例えば
マウスを使って、第1画像の臓器輪郭上の複数個所の輪
郭点(入力輪郭点)PIN1 ,PIN2 ,PIN3 を入力指示
する。図3中、斜線領域は臓器の撮像断面を示す。第1
画像が、その臓器部分と臓器以外の部分とで画像濃度の
差異が小さい撮像画像であったり、あるいはノイズが重
畳して濃度分布が一様でなかったとしても、オペレータ
は、その経験により、微妙な濃度差や臓器の形態的特性
に基づいて臓器の輪郭点を正確に指定することができ
る。指定された各入力輪郭点PIN1 ,PIN2 ,PIN3
座標はホストコンピュータ51に取り込まれる。
【0028】入力輪郭点の個数は3個に限らず、2個、
あるいは4個以上でもよい。ただし、4個以上の入力輪
郭点を指定しても、後述する説明から明らかなように、
輪郭線の抽出処理の精度の向上に余り影響しないので、
操作性の面からは、2個または3個が好ましい。何れに
しても、各入力輪郭点は臓器輪郭上に均等に指定されの
が好ましい。入力輪郭点が偏って指定されると、入力輪
郭点から中心を求める場合に中心点が臓器に対して偏っ
た位置にきて、後述する放射状の走査線上に抽出された
輪郭点相互の間隔に広狭ができて、輪郭線のガタツキが
目立つことがある。
【0029】ステップS2:図4に示すように、入力輪
郭点PIN1 ,PIN2 ,PIN3 から第1画像(臓器断面)
の中心点Oを算出し、その中心点Oから放射状に走査線
SLを設定する。第1画像の中心点は、放射状の走査線
SLが切る輪郭線の長さが略均等になるように設定され
るのが輪郭のガタツキを少なくする上で好ましい。例え
ば、撮像画像が左心室の短軸像のような円形に近い臓器
断面像である場合には、中心点Oとして、入力輪郭点P
IN1 ,PIN2 ,PIN3 で定まる三角形の重心を採用すれ
ばよい。一方、図5に示すように、撮像画像が左心室の
長軸像のように一方が脹らんだ長細い形をしている場合
は、重心O1 を中心点として採用するよりも、入力輪郭
点PIN1 とPIN3 の中点Nと、入力輪郭点PIN2 との中
点O2 を中心点として採用する方が好ましい。入力輪郭
点が2個の場合は、その中点を中心点とする。また、第
1画像の中心点の設定をオペレータに委ねても、処理の
効率はそれほど悪くならないので、オペレータ自身が設
定するようにしてもよい。
【0030】走査線の数は、後述する演算処理に要する
時間と、抽出する輪郭線のガタツキとの兼ね合いで適宜
に定められる。例えば、走査線の数は、32本あるいは
64本程度で、各走査線は等角度に設定される。設定さ
れた走査線上に入力輪郭点が位置しない場合、例えば、
その入力輪郭点から最も近い走査線上に入力輪郭点を移
動(中心点回りに回転変位)させて、全ての入力輪郭点
が走査線上に位置するように設定する。もちろん、入力
輪郭点を移動させずに、各入力輪郭点を通過するように
数本の走査線を先に設定し、これらの走査線の間に複数
本の走査線を適宜に設定するようにしてもよい。この場
合、走査線の間隔は必ずしも等角度でなくてもよい。
【0031】ステップS3:各走査線に沿った画像濃度
変化に着目して、入力輪郭点が存在する走査線以外の各
走査線について、輪郭点となる可能性のある輪郭候補点
を抽出する。図6を参照して、輪郭候補点の抽出法を説
明する。図6(a)は走査線に沿った画像濃度値を示
し、図6(b)はその微分値を示す。対象臓器の画像濃
度値がそれ以外の周囲の画像濃度値よりも高い撮像画像
の場合は、走査線を中心点側から外方向に沿ってみた場
合に、『明』から『暗』に切り変わる部分が輪郭点とな
る可能性のある点である。そこで、各走査線に沿った画
像濃度値を、中心側から外方向に向かって微分処理し、
その微分値が極小値をとる全ての点を輪郭候補点として
抽出(その半径座標を記憶)する。逆に、対象臓器の画
像濃度値がそれ以外の周囲の画像濃度値よりも低い撮像
画像の場合は微分値が極大値をとる点を輪郭候補点とし
て抽出する。他の例として、画像濃度値自身が極小値を
とる点や、極大値をとる点を輪郭候補点として抽出して
もよい。図7は、ステップS3で抽出された第1画像の
輪郭候補点の分布を示す。図中の黒丸印は入力輪郭点、
三角印は輪郭候補点である。
【0032】ステップS4:複数個の入力輪郭点の一つ
を第1画像の確定した輪郭線の始端とし、他の一つを確
定した輪郭線の終端として、前記両入力輪郭点間に存在
する隣接した各走査線上の輪郭候補点を相互につないだ
複数個の輪郭候補点の組合せを、臓器輪郭が滑らかであ
るという、臓器の定性的な特性を利用して評価すること
により、最適な輪郭候補点の組合せを選出し、これを前
記両入力輪郭点間の第1画像の輪郭点として確定する。
この操作を全ての入力輪郭点間で繰り返し行い、第1画
像の全輪郭点を確定する。以下、輪郭候補点の組合せの
評価手法の例を挙げ、各手法ごとに説明する。
【0033】<第1の評価手法>この評価手法は、複数
個の輪郭候補点の組合せによって得られる複数種類の輪
郭線の内、どの輪郭線が最も滑らかであるかという評価
を、隣接する走査線上の各輪郭候補点の半径の差分の累
積値に基づいて行うものである。以下、図8を参照して
説明する。
【0034】まず、走査線SL0 上の入力輪郭点PIN1
を始端とし、走査線SLn 上の入力輪郭点PIN2 を終端
とし、両入力輪郭点PIN1 ,PIN2 の間にある各走査線
SL1 、SL2 、…上の各輪郭候補点の組合せを評価す
る。いま、走査線SL1 上の輪郭候補点をP11,P12
13とした場合、各輪郭候補点の評価値C11,C12,C
13として、次のように中心点Oからの各輪郭候補点の半
径と入力輪郭点PIN1の半径の差分の絶対値を設定す
る。 P11の評価値:C11=|r11−r0 | P12の評価値:C12=|r12−r0 | P13の評価値:C13=|r13−r0
【0035】そして、各輪郭候補点P11,P12,P13
ついて、各輪郭候補点の評価値C11,C12,C13と、各
輪郭候補点の相手先である入力輪郭点P1 とを記憶して
おく。以下に記憶内容を模式的に示す。 P11={C11,PIN1 } P12={C12,PIN1 } P13={C13,PIN1
【0036】次の走査線SL2 上の各輪郭候補点P21
22,P23,P24について、以下のように累積した評価
値を設定する。各輪郭候補点P21,P22,P23,P24
ついて、その相手先として3個の輪郭候補点P11
12,P13がある。そこで、各輪郭候補点P21,P22
23,P24について、相手先P11,P12,P13との半径
の差分の絶対値と、相手先P11,P12,P13がもってい
る評価値C11,C12,C13との累積値(和)をそれぞれ
求め、これらの累積値の中から最小のものを各輪郭候補
点P21,P22,P23,P24の評価値C21,C22,C23
24として設定する。以下に、評価値C21,C22
23,C24の算出式を示す。各式中のMINは、括弧内
の複数個の累積評価値の内、最小のもの選択することを
示す。 P21の評価値:C21=MIN(|r21−r11|+C11
|r21−r12|+C12,|r21−r13|+C13) P22の評価値:C22=MIN(|r22−r11|+C11
|r22−r12|+C12,|r22−r13|+C13) P23の評価値:C23=MIN(|r23−r11|+C11
|r23−r12|+C12,|r23−r13|+C13) P24の評価値:C24=MIN(|r24−r11|+C11
|r24−r12|+C12,|r24−r13|+C13
【0037】上記の演算処理により、例えば、輪郭候補
点P21について、|r21−r11|+C11が選択されたと
すると、この累積評価値と、その相手先である輪郭候補
点P11とを、輪郭候補点P21に対応付けて記憶する。ま
た、輪郭候補点P22については相手先としてP12が、輪
郭候補点P23についてもP12が、輪郭候補点P24につい
てはP13が、それぞれ選択されたとする。以下に、各各
輪郭候補点P21,P22,P23,P24の累積評価値と相手
先との記憶内容を模式的に示す。 P21={C21,P11} P22={C22,P12} P23={C23,P12} P24={C24,P13
【0038】以下、同様の処理を隣接する走査線S
3 ,SL4 ,…の各輪郭候補点について実行して、各
輪郭候補点に対応付けて累積評価値と相手先とを記憶す
る。そして、最終の走査線SLn 上では、終端の入力輪
郭点PIN2 が一つだけであるので、その評価値CIN2
次に示すように一義的に定まる。 PIN2 の評価値:CIN2 =MIN(|rn −rn-1,1
+Cn-1,1 |rn −rn-1,2 |+Cn-1,2 |rn −r
n-1,3 |+Cn-1,3
【0039】上記のPIN2 の評価値の演算により、例え
ば輪郭候補点Pn-1,2 が選ばれたとすると、この輪郭候
補点Pn-1,2 が走査線SLn-1 上の輪郭点として確定す
る。輪郭点として確定した輪郭候補点Pn-1,2 に対応つ
けて、累積評価値が最小となる相手先の輪郭候補点が既
に記憶されているので、その輪郭候補点が一つ前の走査
線SLn-2 上の輪郭点として確定する。以下、順に、い
わゆるバックトレースされることによって、走査線SL
n-3 、…、SL2 、SL1 上の輪郭点が確定し、入力輪
郭点PIN1 とPIN2 間の輪郭線が抽出される。図9に各
走査線上の輪郭点のバックトレースの様子を示す。
【0040】以上と同様の処理を入力輪郭点PIN2 −P
IN3 間、PIN3 −PIN1 間についてそれぞれ実行するこ
とにより、各入力輪郭点間の輪郭点が抽出される。確定
した全ての輪郭点を順につなぐことにより第1画像の臓
器の輪郭線が得られる。
【0041】上述した説明から明らかなように、この第
1の評価法は、隣接する走査線上の各輪郭候補点の半径
の差分の絶対値が小さくなる輪郭候補点を輪郭点として
確定していくので、臓器輪郭が円形に近い、例えば左心
室の短軸像の輪郭線抽出に適している。
【0042】<第2の評価手法>この評価手法は、複数
個の輪郭候補点の組合せによって得られる複数種類の輪
郭線の内、どの輪郭線が最も滑らかであるかという評価
を、隣接する走査線上の各輪郭候補点間の距離の累積値
に基づいて行うものである。以下、図10を参照して説
明する。
【0043】第1の評価方法で説明したと同様に、ま
ず、入力輪郭点PIN1 とPIN2 との間にある各走査線上
の輪郭候補点の組合せを評価する。最初に走査線SL1
上の輪郭候補点P11,P12,P13の各評価値C11
12,C13として、各輪郭候補点P11,P12,P13から
入力輪郭点PIN1 までの距離を設定する。 P11の評価値:C11=L11-IN112の評価値:C12=L12-IN113の評価値:C13=L13-IN1
【0044】各輪郭候補点P11,P12,P13について、
それぞれ評価値C11,C12,C13と、相手先PIN1 とを
対応付けて記憶する。 P11={C11,PIN1 } P12={C12,PIN1 } P13={C12,PIN1
【0045】次の走査線上の輪郭候補点P21,P22につ
いて、最小となる累積評価値C21,C22を求め、その相
手先を対応付けて記憶する。ここでは、輪郭候補点P21
の相手先がP12であり、輪郭候補点P22の相手先がP13
であったとする。 P21の評価値:C21=MIN(L21-11 +C11,L
21-12 +C12,L21-13 +C13) P22の評価値:C22=MIN(L22-11 +C11,L
22-12 +C12,L22-13 +C13) P21={C21,P12} P22={C22,P13
【0046】以下、同様の処理を隣接する走査線S
3 ,SL4 ,…の各輪郭候補点について実行して、各
輪郭候補点に対応付けて累積評価値と相手先とを記憶す
る。そして、最終の走査線SLn 上では、終端の入力輪
郭点PIN2 が一つだけであるので、その評価値CIN2
次に示すように一義的に定まる。 PIN2 の評価値:CIN2 =MIN(LIN2-n-1,1 +C
n-1,1IN2-n-1,2 +Cn-1,2 IN2-n-1,3 +C
n-1,3
【0047】PIN2 の評価値が一義的に定まると、その
相手先の輪郭候補点が走査線SLn- 1 上の輪郭点として
確定し、以下、走査線SL1 までの各走査線の輪郭点が
第1の評価法と同様にバックトレースされる。他の入力
輪郭点間の輪郭線も同様に抽出される。図11に各走査
線上の輪郭点のバックトレースの様子を示す。
【0048】上述した説明から明らかなように、この第
2の評価法は、隣接する走査線上の各輪郭候補点の距離
の累積値が小さくなる、換言すれば曲率の小さなライン
に沿った輪郭候補点を輪郭点として確定していくので、
臓器輪郭が比較的細長い、例えば左心室の長軸像の輪郭
線抽出に適している。
【0049】<第3の評価手法>上述した第1の評価手
法によれば、抽出された輪郭線が丸みを帯びる傾向があ
り、また、第2の評価手法によれば、抽出された輪郭線
が細長くなる傾向がある。臓器によっては、いずれの傾
向が好ましいとも言えない場合があるので、このような
場合には、隣接する走査線上の輪郭候補点の半径の差の
絶対値|rn −rn-1 |と、輪郭候補点間の距離Lとの
和を、各輪郭候補点の評価値Cとして採用してもよい。 C=|rn −rn-1 |+L そして、累積した評価値C(ΣC)が最小となる輪郭候
補点の組合せを最適なものと選択して、各走査線上の輪
郭点を確定するようにしてもよい。
【0050】対象となる臓器の輪郭形状に応じて、何れ
かの傾向を重視したい場合は、次に示すように、重み係
数k1 ,k2 を適宜に設定するようにしてもよい。 C=k1 ・|rn −rn-1 |+k2 ・L
【0051】<第4の評価手法>左心室の長軸像のよう
に、同じ撮像画像内でも輪郭がはっきりしている領域
と、ぼやけている領域(例えば、僧帽弁の付近)が混在
する撮像画像もある。このような撮像画像の場合、比較
的輪郭がはっきりしている部分の輪郭候補点が選択され
易くなるように、その輪郭候補点に優先度を付けるよう
にしてもよい。
【0052】例えば、図12に示すように、画像濃度値
の微分値の極小値が、予め定められた基準値REFを越
える場合は、その点を優先度の高い輪郭候補点として、
基準値を越えない他の輪郭候補点と区別する。そして、
優先輪郭候補点については、上述したような演算で求め
られた評価値を例えば、半分にする等、その値を小さく
して、その優先輪郭候補点が輪郭点として抽出され易く
する。
【0053】ステップS5:第1画像の輪郭点が確定す
ると、第2画像を処理対象として選択する。
【0054】ステップS6:第i(第2)画像中に第i
−1(第1)画像の中心点に対応した中心点を設定し、
その中心点から放射状に走査線を設定する。走査線の設
定手法はステップS2で説明したと同様であるので、こ
こでの説明は省略する。
【0055】ステップS7:各走査線に沿った画像濃度
値の変化を調べることにより、各走査線ごとに輪郭候補
点を抽出する。輪郭候補点の抽出法は、ステップS3と
同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0056】ステップS8:第i(第2)画像の輪郭点
は第i−1(第1)画像の輪郭点の近くにあり、かつ、
臓器輪郭は滑らかであるという、臓器の定性的な特性を
利用して、隣接した各走査線の輪郭候補点を相互につな
いだ複数個の輪郭候補点の組合せの中から最適の組合せ
を選出し、その輪郭候補点を第i(第2)画像の輪郭点
として確定する。以下、図13および図14を参照して
説明する。
【0057】図13で実線でつながれた黒丸印は第i−
1(第1)画像の輪郭点であり、三角印は第i(第2)
画像から抽出された輪郭候補点である。輪郭候補点の組
合せの評価にあたっては、いずれの走査線を起点として
よいが、ここでは図14に示すように走査線SL0 を起
点として説明する。まず、走査線SL0 上の輪郭候補点
01,P02,P03の評価値C01,C02,C03の初期値と
して、第1画像の輪郭点Q0 までの距離L01,L02,L
03を設定する。 P01の評価値:C01=L0102の評価値:C02=L0203の評価値:C03=L03
【0058】次の走査線SL1 上の輪郭候補点P1i(P
11,P12,P13)について、以下のように評価値C
1i(C11,C12,C13)を設定する。 C1i=MIN((P01との半径差+P011i間の距離)
+Q1 1i間の距離+P01の評価値,(P02との半径差
+P021i間の距離)+Q1 1i間の距離+P02の評価
値,(P03との半径差+P031i間の距離)+Q1 1i
間の距離+P03の評価値)
【0059】上式中で、隣接輪郭候補点との半径差と隣
接輪郭候補点間の距離との和は、臓器輪郭が滑らかであ
るという特性の評価値である。上述したように、この評
価値としては、隣接輪郭候補点との半径差、あるいは隣
接輪郭候補点間の距離のみを用いてもよく、あるいは、
各々に重み付けの係数を作用させてもよい。第i−1画
像の輪郭点Q1 間の距離は、第i画像の輪郭点が第i−
1画像の輪郭点の近くに存在するという特性の評価値で
ある。各輪郭候補点P11,P12,P13について最小とな
る評価値が求められると、その評価値と相手先の輪郭候
補点とを、各輪郭候補点P11,P12,P13ごとに記憶す
る。
【0060】以下、同様に走査線SL2 、SL3 、…、
SLn の順に各輪郭候補点について最小の評価値とその
相手先を求めていく。そして、最後の走査線SLn の各
輪郭候補点Pn1, n2, n3の評価値Cn1, n2, n3
を比較し、最小の評価値をもつ輪郭候補点を、その走査
線SLn 上の輪郭点として確定する。走査線SLn 上の
輪郭点が確定すると、その輪郭点の相手先(走査線SL
n-1 の輪郭候補点)が確定するので、その輪郭候補点を
走査線SLn-1 上の輪郭点として確定する。以下、起点
となった走査線SL0 までバックトレースすることによ
り、第i(第2)画像の各走査線上の輪郭点を確定す
る。図13中の破線は、第i(第2)画像の抽出された
輪郭線を示す。
【0061】ステップS9,S10:以上のステップS
6〜S8の処理を最終画像(i=m)まで繰り返し行う
ことにより、全ての撮像画像の輪郭線の抽出処理を完了
する。
【0062】なお、上述の実施例では、第i画像の輪郭
候補点の最適な組合せを評価するために、一つ前の第i
−1画像の輪郭点を利用したが、この発明はこれに限定
されない。例えば、図15に示すように、左心室の体積
変化は周期的(位相1〜位相10)に繰り返しているの
で、位相10の撮像画像の輪郭候補点の組合せの評価
は、必ずしも一つ前の位相9の撮像画像の輪郭点に基づ
いて行われる必要はなく、第1画像である位相1の撮像
画像の輪郭点に基づいて行ってもよい。以下、同様に位
相9の撮像画像の輪郭候補点の組合せの評価を、位相1
0の輪郭点に基づいて行ってもよい。要するに、実質
上、時間的(または位置的)に近いに撮像画像の輪郭点
に基づいて評価すればよい。
【0063】また、上述した実施例では、臓器の同じ断
面の時間的に連続した複数枚の撮像画像の各画像の輪郭
抽出について説明したが、この発明はこれに限定され
ず、例えば、図16に示す左心室の短軸のマルチスライ
ス像MS1 〜MSm のように、位置的に連続している複
数枚の撮像画像の輪郭抽出にも適用することができる。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば以下の効果を奏する。
【0065】一連の撮像画像の輪郭線の抽出処理は、第
1画像においてオペレータによって指定された複数個の
輪郭点を基礎としており、しかも、各撮像画像の走査線
上にある複数個の輪郭候補点の組合せの中から、臓器輪
郭が滑らかであるという特性を利用して、最適な輪郭候
補点の組合せを選出して輪郭点を確定しているので、臓
器部分と臓器以外の部分との間で画像濃度値の差異が小
さい撮像画像や、濃度分布が一様でない撮像画像であっ
ても、輪郭線を高い精度で抽出することができる。
【0066】また、確定した入力輪郭点をもつ第1画像
では、臓器輪郭が滑らかであるという臓器の定性的特性
を評価の基準とし、第2画像以降では、前記定性的特性
に基づく評価に加えて、処理対象の撮像画像の輪郭点
は、当該撮像画像に対して時間的、または位置的に実質
的に近い撮像画像の確定した輪郭点の近くにあるという
定性的特性に基づいて評価している。このような臓器の
定性的特性は、臓器の動きの正常・異常にかかわらず成
立するものであるので、臓器の異常な動きを映し出した
画像に対しても、その異常部分の輪郭を忠実に抽出する
ことができ、診断上、貴重な情報を損なうことのない信
頼性の高い輪郭線抽出を行うことができる。
【0067】さらに、第1画像では、複数個所の輪郭点
をポイント的に指定するだけでよいので、第2の従来例
で説明した手法のように、第1画像の臓器の輪郭線を一
周なぞるものに比べて、操作が簡単であり、臓器の輪郭
線の抽出を迅速に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る臓器輪郭の自動抽出方法の処理
手順を示すフローチャートである。
【図2】この発明方法が適用されるMRI装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図3】第1画像の入力輪郭点の説明図である。
【図4】第1画像に設定される走査線の説明図である。
【図5】第1画像の中心点の設定処理の変形例の説明に
供する図である。
【図6】輪郭候補点の抽出処理の説明図である。
【図7】第1画像の輪郭候補点の分布状態を示す模式図
である。
【図8】輪郭候補点の組合せ評価の説明図である。
【図9】第1画像の輪郭点のバックトレースの説明図で
ある。
【図10】輪郭候補点の組合せの別の評価例の説明に供
する図である。
【図11】輪郭候補点の組合せの別の評価例におけるバ
ックトレースの説明図である。
【図12】輪郭候補点の組合せの更に別の評価例の説明
に供する図である。
【図13】第2画像の輪郭候補点の分布状態を示す模式
図である。
【図14】第2画像の輪郭候補点の組合せ評価の説明図
である。
【図15】別実施例の説明に供する左心室の体積変化を
示す図である。
【図16】別実施例の説明に供する左心室の短軸のマル
チスライス像を示す図である。
【図17】従来例の説明に供する図である。
【符号の説明】 51…ホストコンピュータ 52…画像表示装置 53…入力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01R 33/54 7459−5L G06F 15/70 335 Z G01N 24/02 530 Y

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 診断対象となる臓器の同一断面を時間的
    に連続して撮像して得られた複数枚の撮像画像、または
    診断対象となる臓器の異なる断面を位置的に連続して撮
    像して得られた複数枚の撮像画像について、各撮像画像
    の臓器輪郭を自動的に抽出する方法であって、(a)第
    1画像の臓器輪郭上の複数個所の輪郭点をオペレータが
    手入力で指示する過程と、(b)前記過程で入力された
    輪郭点(入力輪郭点)に基づいて、またはオペレータが
    手入力で指示することにより第1画像の中心点を求め、
    この中心点から第1画像上に放射状に走査線を設定する
    過程と、(c)各走査線に沿った画像濃度変化に着目し
    て、前記入力輪郭点がある走査線以外の各走査線ごと
    に、輪郭点となる可能性がある輪郭候補点を抽出する過
    程と、(d)前記複数個の入力輪郭点の一つを第1画像
    の確定した輪郭線の始端とし、他の一つを確定した輪郭
    線の終端として、前記両入力輪郭点間に存在する隣接し
    た各走査線上の輪郭候補点を相互につないだ複数個の輪
    郭候補点の組合せを、臓器輪郭が滑らかであるという特
    性を利用して評価することにより、最適な輪郭候補点の
    組合せを選出する操作を全ての入力輪郭点の間で繰り返
    し行い、選出された最適な輪郭候補点の組合せを第1画
    像の輪郭点として確定する過程と、(e)第2画像以降
    の各撮像画像について、第1画像の中心点に対応する点
    から放射状に走査線を設定する過程と、(f)各走査線
    上の画像濃度変化に着目して各走査線ごとに複数個の輪
    郭候補点を抽出する過程と、(g)隣接した前記各走査
    線の輪郭候補点を相互につないだ複数個の輪郭候補点の
    組合せを、第2画像以降の各撮像画像の輪郭点は当該撮
    像画像に対して時間的、または位置的に実質的に近い撮
    像画像の確定した輪郭点の近くにあり、かつ、臓器輪郭
    は滑らかであるという特性を利用して評価することによ
    り、最適な輪郭候補点の組合せを第2画像以降の各撮像
    画像について選出し、これらを各撮像画像の輪郭点とし
    て確定する過程と、を備えたことを特徴とする臓器輪郭
    の自動抽出方法。
JP6065726A 1994-03-08 1994-03-08 臓器輪郭の自動抽出方法 Expired - Fee Related JP2903995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6065726A JP2903995B2 (ja) 1994-03-08 1994-03-08 臓器輪郭の自動抽出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6065726A JP2903995B2 (ja) 1994-03-08 1994-03-08 臓器輪郭の自動抽出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07249115A true JPH07249115A (ja) 1995-09-26
JP2903995B2 JP2903995B2 (ja) 1999-06-14

Family

ID=13295321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6065726A Expired - Fee Related JP2903995B2 (ja) 1994-03-08 1994-03-08 臓器輪郭の自動抽出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2903995B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003503141A (ja) * 1999-07-02 2003-01-28 ザ・クリーブランド・クリニツク・フアンデーシヨン 有効な輪郭線作成法及びシステムを使用する血管内の超音波分析
US6859548B2 (en) 1996-09-25 2005-02-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultrasonic picture processing method and ultrasonic picture processing apparatus
JP2008049158A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Medison Co Ltd 映像処理システム及び方法
JP2010253274A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Lvmh Recherche 皮膚欠陥を特性化する方法及び装置、並びに化粧用薬剤、外皮用薬剤、又は薬剤を使用する皮膚欠陥のための処置の有効性を評価する方法
JP2014108164A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 検出装置、磁気共鳴装置、検出方法、およびプログラム
JP2020131019A (ja) * 2019-02-18 2020-08-31 国立大学法人旭川医科大学 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
WO2021124683A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24 富士フイルム株式会社 輪郭抽出装置、輪郭抽出方法、及び輪郭抽出プログラム

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6859548B2 (en) 1996-09-25 2005-02-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultrasonic picture processing method and ultrasonic picture processing apparatus
US7460698B2 (en) 1996-09-25 2008-12-02 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultrasonic picture processing method and ultrasonic picture processing apparatus
JP2003503141A (ja) * 1999-07-02 2003-01-28 ザ・クリーブランド・クリニツク・フアンデーシヨン 有効な輪郭線作成法及びシステムを使用する血管内の超音波分析
JP2008049158A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Medison Co Ltd 映像処理システム及び方法
JP2010253274A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Lvmh Recherche 皮膚欠陥を特性化する方法及び装置、並びに化粧用薬剤、外皮用薬剤、又は薬剤を使用する皮膚欠陥のための処置の有効性を評価する方法
JP2014108164A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 検出装置、磁気共鳴装置、検出方法、およびプログラム
JP2020131019A (ja) * 2019-02-18 2020-08-31 国立大学法人旭川医科大学 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
WO2021124683A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24 富士フイルム株式会社 輪郭抽出装置、輪郭抽出方法、及び輪郭抽出プログラム
JPWO2021124683A1 (ja) * 2019-12-16 2021-06-24

Also Published As

Publication number Publication date
JP2903995B2 (ja) 1999-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6508769B2 (en) Ultrasonic image processing method and examination system for displaying an ultrasonic color-coded image sequence of an object having moving parts
Zhang et al. Tissue characterization in intravascular ultrasound images
JP4614548B2 (ja) 超音波診断装置
US7068831B2 (en) Image processing method and system for extracting a string of points following a threadlike structure in a sequence of images
US7819808B2 (en) Ultrasound image diagnosis apparatus and method displaying a diastolic and/or systolic end period
US5042485A (en) Cine mr imaging method and apparatus
JPH04218139A (ja) 磁気共鳴イメージング法を用いた心臓左室の容積算出方法
US20100074475A1 (en) Medical image diagnostic device
JP4584553B2 (ja) 空間的に一致した画像において時間変化を表示する改良型方法
US5879302A (en) Imaging method and apparatus using MIP projection of doppler power values
JP2009540911A (ja) 三次元超音波イメージングのための方法、装置及びコンピュータプログラム
US6436043B2 (en) Ultrasonic image processing method and examination system for displaying an ultrasonic composite image sequence of an artery
JP2016202920A (ja) 4d mr画像データのフロー分析
JP4077929B2 (ja) 血管計測装置
CN113096061B (zh) 图像诊断辅助装置、医用图像取得装置以及计算机可读记录介质
JPH07255703A (ja) 左心室、左心房輪郭の自動抽出方法
JP2903995B2 (ja) 臓器輪郭の自動抽出方法
JP5154751B2 (ja) 医用画像処理装置
JP5364334B2 (ja) 医用画像処理装置
KR102009233B1 (ko) Ct 영상 분석을 이용한 간 섬유화 예측 장치 및 그 방법
US6358206B1 (en) Ultrasound process for the determination of the location of a parietal surface in a tissue and of the absolute radius of an artery, and ultrasound apparatus for carrying out such process
US7907764B2 (en) Apparatus, program and method for motion analysis in internal body
JP2006129937A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
Adame et al. Automatic plaque characterization and vessel wall segmentation in magnetic resonance images of atherosclerotic carotid arteries
CN113096116A (zh) 一种基于灰阶图像的医用超声设备性能的自动检测方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees