JPH07248401A - 光学機器用防曇接眼レンズ及びこの製法 - Google Patents
光学機器用防曇接眼レンズ及びこの製法Info
- Publication number
- JPH07248401A JPH07248401A JP6037166A JP3716694A JPH07248401A JP H07248401 A JPH07248401 A JP H07248401A JP 6037166 A JP6037166 A JP 6037166A JP 3716694 A JP3716694 A JP 3716694A JP H07248401 A JPH07248401 A JP H07248401A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- eyepiece
- lens
- fog
- sintered layer
- heat resistance
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 曇らない光学機器用接眼レンズを得る。
【構成】 ポリカーボネート、ポリアセテート、CR3
9の様な耐熱性で透過率の高い樹脂から成る基板レンズ
2の表面に、耐熱性を有し光透過率の高いメラミン系親
水性樹脂を焼結して防曇用の焼結層3を形成すると共に
裏面にシリコーン系非親水性樹脂を焼結して形成した焼
結層4を形成して防曇接眼レンズ1となし、これを光学
機器の接眼レンズ6の後方に着脱自在に取り付ける。
9の様な耐熱性で透過率の高い樹脂から成る基板レンズ
2の表面に、耐熱性を有し光透過率の高いメラミン系親
水性樹脂を焼結して防曇用の焼結層3を形成すると共に
裏面にシリコーン系非親水性樹脂を焼結して形成した焼
結層4を形成して防曇接眼レンズ1となし、これを光学
機器の接眼レンズ6の後方に着脱自在に取り付ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、双眼鏡、望遠鏡、顕微
鏡等の光学機器の接眼レンズに曇りが発生するのを防止
するために、接眼レンズの後方に取り付けて使用される
光学用防曇接眼レンズ及びこの製法に関する。
鏡等の光学機器の接眼レンズに曇りが発生するのを防止
するために、接眼レンズの後方に取り付けて使用される
光学用防曇接眼レンズ及びこの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】双眼鏡等の場合、接眼レンズと気温との
間に大きな温度差があると、接眼レンズの表面に曇りが
発生して見にくくなったり、良く拭きとらないと見えな
いことがある。そこで、曇りが発生しないように接眼レ
ンズの表面に防曇剤をスプレーしたりしているのが現状
である。
間に大きな温度差があると、接眼レンズの表面に曇りが
発生して見にくくなったり、良く拭きとらないと見えな
いことがある。そこで、曇りが発生しないように接眼レ
ンズの表面に防曇剤をスプレーしたりしているのが現状
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、防曇剤使用の
場合、次のような欠点がある。
場合、次のような欠点がある。
【0004】a.耐久性がないことから、長時間使用し
たり、空気が乾燥していたりすると短時間で効果が無く
なる。
たり、空気が乾燥していたりすると短時間で効果が無く
なる。
【0005】b.使用の度ごと或いは何回もスプレーす
る必要があって面倒である。
る必要があって面倒である。
【0006】c.手近に防曇剤がない場合もある。
【0007】本発明の目的は、光学機器において、接眼
レンズに曇が発生するのを防止すると共に恒久的に防曇
効果を消失しない光学機器用防曇接眼レンズ及びこの製
法を提案することである。
レンズに曇が発生するのを防止すると共に恒久的に防曇
効果を消失しない光学機器用防曇接眼レンズ及びこの製
法を提案することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学機器用
防曇接眼レンズ及びこの製法の構成は次のとおりであ
る。
防曇接眼レンズ及びこの製法の構成は次のとおりであ
る。
【0009】1.耐熱性と光透過率の高いプラスチック
基板レンズの表面に透明度の高いメラミン系親水性樹脂
を塗布すると共にこのプラスチック基板レンズの裏側に
シリコーン系樹脂を塗布して110℃〜130℃の範囲
で30〜50分間焼結処理を行って防曇用焼結層を形成
する光学機器用防曇接眼レンズの製法。
基板レンズの表面に透明度の高いメラミン系親水性樹脂
を塗布すると共にこのプラスチック基板レンズの裏側に
シリコーン系樹脂を塗布して110℃〜130℃の範囲
で30〜50分間焼結処理を行って防曇用焼結層を形成
する光学機器用防曇接眼レンズの製法。
【0010】2.耐熱性と光透過率の高いプラスチック
基板レンズの表面に、透明度の高いメラミン系親水性樹
脂から成る焼結層を形成し、更にこのプラスチック基板
レンズの裏面にシリコーン系樹脂から成る焼結層を形成
して成る光学機器用防曇接眼レンズ。
基板レンズの表面に、透明度の高いメラミン系親水性樹
脂から成る焼結層を形成し、更にこのプラスチック基板
レンズの裏面にシリコーン系樹脂から成る焼結層を形成
して成る光学機器用防曇接眼レンズ。
【0011】上記構成において、耐熱性と光透過率に優
れており、本発明の実施に使用できるプラスチック基板
レンズの材料としては、ポリカーボネート、CR39、
ポリアセテート等がある。
れており、本発明の実施に使用できるプラスチック基板
レンズの材料としては、ポリカーボネート、CR39、
ポリアセテート等がある。
【0012】プラスチック基板レンズの表面に塗布する
メラミン系親水性樹脂は、無色透明、耐熱性に優れ、表
面硬度が大きい等の特徴を有し、これを一旦溶融したも
のを30ミクロン程度の厚さにコーティングする。同じ
ように、基板レンズの裏側にも耐熱性に優れたシリコー
ン樹脂を一旦溶融し、これを30ミクロン程度の厚さに
コーティングする。このようにしてコーティングした基
板レンズを約120℃の炉に入れて約40分間加熱して
焼結処理を行う。焼結処理された基板レンズの表面のコ
ーティング層は、その表面強度が強化されて傷つきにく
く、耐久性が増大する。焼結処理温度は120℃程度が
最良であるが、±10℃程度は実用範囲である。同じ
く、焼結処理時間は40分程度が最良であるが、±10
分程度は実用範囲であって、この温度と時間は、作業能
率等を考慮して決定される。
メラミン系親水性樹脂は、無色透明、耐熱性に優れ、表
面硬度が大きい等の特徴を有し、これを一旦溶融したも
のを30ミクロン程度の厚さにコーティングする。同じ
ように、基板レンズの裏側にも耐熱性に優れたシリコー
ン樹脂を一旦溶融し、これを30ミクロン程度の厚さに
コーティングする。このようにしてコーティングした基
板レンズを約120℃の炉に入れて約40分間加熱して
焼結処理を行う。焼結処理された基板レンズの表面のコ
ーティング層は、その表面強度が強化されて傷つきにく
く、耐久性が増大する。焼結処理温度は120℃程度が
最良であるが、±10℃程度は実用範囲である。同じ
く、焼結処理時間は40分程度が最良であるが、±10
分程度は実用範囲であって、この温度と時間は、作業能
率等を考慮して決定される。
【0013】
【作用】焼結層が形成された基板レンズ(防曇接眼レン
ズ)は、光学機器の接眼レンズの外側に、接眼レンズを
密封するように、そして、少し間隔をあけて取付リング
等の固定手段を用いて着脱自在に取り付けられる。気温
とレンズ間に温度差が大きくなり、空気中の水分が防曇
接眼レンズの表面に付着すると、この水滴は瞬時に焼結
したメラミン樹脂層の親水性の作用で吸収され、レンズ
表面に曇りを発生させない。一方、防曇接眼レンズ内側
と接眼レンズ間の空間内の水分は密閉されていて発散さ
れず、水滴となって接眼レンズの表面に付着して曇らせ
てしまうことになるが、非親水性樹脂であるシリコーン
樹脂の焼結層は、これを防止する。
ズ)は、光学機器の接眼レンズの外側に、接眼レンズを
密封するように、そして、少し間隔をあけて取付リング
等の固定手段を用いて着脱自在に取り付けられる。気温
とレンズ間に温度差が大きくなり、空気中の水分が防曇
接眼レンズの表面に付着すると、この水滴は瞬時に焼結
したメラミン樹脂層の親水性の作用で吸収され、レンズ
表面に曇りを発生させない。一方、防曇接眼レンズ内側
と接眼レンズ間の空間内の水分は密閉されていて発散さ
れず、水滴となって接眼レンズの表面に付着して曇らせ
てしまうことになるが、非親水性樹脂であるシリコーン
樹脂の焼結層は、これを防止する。
【0014】
【実施例】図1は本発明に係る防曇接眼レンズであっ
て、この防曇接眼レンズ1は、耐熱性と光透過率の高い
ポリカーボネートから成る基板レンズ2と、この基板レ
ンズ2の表面に形成された耐熱性と親水性に優れた30
ミクロンの厚さのメラミン樹脂焼結層3と、基板レンズ
2の裏面に形成された30ミクロンの厚さのシリコーン
樹脂焼結層4から成る。
て、この防曇接眼レンズ1は、耐熱性と光透過率の高い
ポリカーボネートから成る基板レンズ2と、この基板レ
ンズ2の表面に形成された耐熱性と親水性に優れた30
ミクロンの厚さのメラミン樹脂焼結層3と、基板レンズ
2の裏面に形成された30ミクロンの厚さのシリコーン
樹脂焼結層4から成る。
【0015】メラミン樹脂焼結層3とシリコーン樹脂焼
結層4は、夫々溶融した樹脂をコーティングしたのち、
炉内で120℃で40分間加熱することにより焼結処理
されたもので、この防曇接眼レンズ1は、図2に示すよ
うに、例えば双眼鏡5の左右の接眼レンズ6の後方に、
少し間隔をあけて取付リング7により着脱自在に取り付
けられる。
結層4は、夫々溶融した樹脂をコーティングしたのち、
炉内で120℃で40分間加熱することにより焼結処理
されたもので、この防曇接眼レンズ1は、図2に示すよ
うに、例えば双眼鏡5の左右の接眼レンズ6の後方に、
少し間隔をあけて取付リング7により着脱自在に取り付
けられる。
【0016】なお、双眼鏡、望遠鏡、顕微鏡等の光学機
器において、本発明防曇接眼レンズの構成と取り付け
は、上記実施例と同一の手段で行うことができる。
器において、本発明防曇接眼レンズの構成と取り付け
は、上記実施例と同一の手段で行うことができる。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上のように、接眼レンズの外
側に防曇接眼レンズを取り付けたことにより、使用に際
して曇ることがなくて便利であると共に防曇層は焼結処
理により強化されているので、長期に亘り防曇効果を消
失することはない。
側に防曇接眼レンズを取り付けたことにより、使用に際
して曇ることがなくて便利であると共に防曇層は焼結処
理により強化されているので、長期に亘り防曇効果を消
失することはない。
【0018】又、防曇接眼レンズは、取付リングにより
着脱自在に取り付けてあるため、万一傷がついた場合に
は新品と交換することができる。
着脱自在に取り付けてあるため、万一傷がついた場合に
は新品と交換することができる。
【図1】防曇接眼レンズの断面図。
【図2】本発明に係る防曇接眼レンズ付双眼鏡の接眼部
の説明図。
の説明図。
1 防曇接眼レンズ 2 基板レンズ 3 メラミン樹脂焼結層 4 シリコーン樹脂焼結層 5 双眼鏡 6 接眼レンズ 7 取付リング
Claims (2)
- 【請求項1】 耐熱性と光透過率の高いプラスチック基
板レンズの表面に透明度の高いメラミン系親水性樹脂を
塗布すると共にこのプラスチック基板レンズの裏側にシ
リコーン系樹脂を塗布して110℃〜130℃の範囲で
30〜50分間焼結処理を行って防曇用焼結層を形成す
る光学機器用防曇接眼レンズの製法。 - 【請求項2】 耐熱性と光透過率の高いプラスチック基
板レンズの表面に、透明度の高いメラミン系親水性樹脂
から成る焼結層を形成し、更にこのプラスチック基板レ
ンズの裏面にシリコーン系樹脂から成る焼結層を形成し
て成る光学機器用防曇接眼レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6037166A JPH07248401A (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 光学機器用防曇接眼レンズ及びこの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6037166A JPH07248401A (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 光学機器用防曇接眼レンズ及びこの製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07248401A true JPH07248401A (ja) | 1995-09-26 |
Family
ID=12490020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6037166A Pending JPH07248401A (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 光学機器用防曇接眼レンズ及びこの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07248401A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0901036A1 (en) * | 1997-09-05 | 1999-03-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Observation optical system and optical apparatus having the same |
KR20030071054A (ko) * | 2002-02-27 | 2003-09-03 | 주식회사 림스텍 | 플라스틱 렌즈의 플라즈마 코팅방법 및 이 플라즈마코팅방법을 적용한 플라스틱 렌즈 |
CN103635833A (zh) * | 2011-07-06 | 2014-03-12 | 东海光学株式会社 | 防雾光学制品及其制造方法 |
-
1994
- 1994-03-08 JP JP6037166A patent/JPH07248401A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0901036A1 (en) * | 1997-09-05 | 1999-03-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Observation optical system and optical apparatus having the same |
US6055376A (en) * | 1997-09-05 | 2000-04-25 | Canon Kabushiki Kaisha | Observation optical system and optical apparatus having the same |
KR20030071054A (ko) * | 2002-02-27 | 2003-09-03 | 주식회사 림스텍 | 플라스틱 렌즈의 플라즈마 코팅방법 및 이 플라즈마코팅방법을 적용한 플라스틱 렌즈 |
CN103635833A (zh) * | 2011-07-06 | 2014-03-12 | 东海光学株式会社 | 防雾光学制品及其制造方法 |
CN103635833B (zh) * | 2011-07-06 | 2015-07-22 | 东海光学株式会社 | 防雾光学制品及其制造方法 |
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