JPH07248118A

JPH07248118A - 予混合燃焼器

Info

Publication number: JPH07248118A
Application number: JP6762394A
Authority: JP
Inventors: Junichi Kitajima; 潤一北嶋; Yoshinori Seki; 美範関; Yasuhiro Kinoshita; 康裕木下
Original assignee: Kawasaki Heavy Industries Ltd
Current assignee: Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date: 1994-03-11
Filing date: 1994-03-11
Publication date: 1995-09-26
Anticipated expiration: 2021-09-27
Also published as: JP3826200B2

Abstract

(57)【要約】【目的】火炎を安定させることができるとともに、予
混合気の逆火や自己着火のおそれもなく、しかもＮＯＸ
の発生を低減しながら燃焼効率を向上できるガスタービ
ン等の予混合燃焼器を提供する。【構成】例えば筒体２により予混合燃焼器Ｃを構成
し、その円筒体２の頭部２１に、予混合燃焼器Ｃ内に燃
焼用空気の旋回流を生じせしめる筒状体群、例えば短管
からなる予混合手段３が配設されてなるものである。こ
れによれば、予混合燃焼器Ｃ内に循環流が形成されて、
予混合燃焼がなされＮＯＸの発生が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はガスタービンやジェット
・エンジンに用いられる予混合燃焼器に関する。さらに
詳しくは、高燃焼効率を維持しながらＮＯＸの発生が低
減されてなるガスタービンやジェット・エンジンに用い
られる予混合燃焼器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ガスタービンやジェット・エ
ンジン（以下、単にガスタービンという）の燃焼器によ
り発生するＮＯＸを低減するために、予混合燃焼器が提
案されている。この予混合燃焼器としては、例えば燃料
噴射ノズルの下流側にスワラーを設けて、燃料と燃焼用
空気との混合気をスワラーにより旋回させて予混合する
ものや、燃料と燃焼用空気とを旋回させることなく予混
合管により予混合させるものが提案されている。

【０００３】例えば、前者に属するものとして、例えば
特開平４ー４３２２０号に提案されてなるものがある。
すなわち、燃料を直接燃焼室内に噴出する１個の拡散燃
焼式のパイロットバーナーを燃焼室の上流側の中心に設
け、燃料を空気と混合させた後に燃焼室内に噴出する４
個以上の予混合燃焼式のバーナーをパイロットバーナー
の周囲にパイロットバーナーに近接して設け、着火させ
る予混合バーナーの数を負荷の変動に応じて変えるよう
にしたガスタービンの燃焼器において、予混合バーナー
として、燃焼室側の端部に旋回スワラーが設けられた空
気流入管内に、分散型ノズルを有する燃料管が燃焼室と
は反対側から挿入されて構成されており、分散型ノズル
は燃料管の半径方向に放射状に延びかつ先端の閉じた複
数のパイプに多数の噴孔が形成されており、分散型ノズ
ルは旋回スワラーの近傍に位置させられているものが提
案されている。

【０００４】また、後者に属するものとして、例えば実
公昭６３ー３００７０号に提案されてなるものがある。
すなわち、パイロット部およびメイン部からなり、前記
パイロット部を囲繞して予混通路を形成し、この予混通
路は内外壁周面よりなる筒形のものとし、複数の予混ノ
ズルを、前記筒形の予混通路の内壁周面に噴出方向を放
射状として開口するように設けてなる予混合型燃焼器が
提案されている。

【０００５】しかしながら、従来の予混合燃焼器は次の
ような問題を有している。

【０００６】例えば予混合気をスワラーで旋回させる前
者のタイプでは、予混合気の逆火や自己着火を生ずると
いう問題がある。この傾向は、燃焼用空気が高圧・高温
になるほど助長される。また、燃焼用空気を旋回させず
に予混合管により予混合気を得る後者のタイプでは、火
炎の安定性が悪いという問題がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点に鑑みなされたもので、火炎を安定させるこ
とができるとともに、予混合気の逆火や自己着火のおそ
れもなく、しかもＮＯＸの発生を低減しながら燃焼効率
を向上できるガスタービン等の予混合燃焼器を提供する
ことを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の予混合燃焼器
は、予混合空間を有する下流側が開放されている予混合
燃焼器形成体を備え、該形成体の予混合部に、前記予混
合空間に燃焼用空気の旋回流を生じせしめる筒状体群か
らなる予混合手段が配設されてなることを特徴とするも
のである。

【０００９】本発明の予混合燃焼器においては、前記筒
状体群の各々に燃料噴射手段が配設されてなるのが好ま
しい。

【００１０】また、本発明の予混合燃焼器においては、
パイロット燃料噴射手段が備えられていてもよい。

【００１１】より具体的には、予混合燃焼器を形成して
いる筒体の頭部に複数の予混合管を同心円状に等間隔に
て、同筒体内部に燃焼用空気の旋回流が生ずる角度に傾
斜させて装着してなるものである。あるいは、予混合燃
焼器を形成している環状筒体が複数の予混合部を有し、
該予混合部の各々に、複数の予混合管を同心円状に等間
隔にて、同環状筒体の内部に燃焼用空気の旋回流が生ず
る角度に傾斜させて装着してなるものである。

【００１２】ここで、前記予混合管の傾斜角度が、筒体
の中心軸または環状筒体の予混合部の中心軸に対して５
度乃至８０度とされ、筒体の頭部の基準軸または環状筒
体の予混合部の基準軸に対して５度乃至９０度とされて
いるのが好ましく、筒体の中心軸または環状筒体の予混
合部の中心軸に対して２５度乃至５０度とされ、筒体の
頭部の基準軸または環状筒体の予混合部の基準軸に対し
て２５度乃至５０度とされているのがさらに好ましい。

【００１３】また、本発明の予混合燃焼器においては、
前記予混合管に燃料噴射ノズルが備えられてなるのが好
ましい。

【００１４】ここで、前記燃料噴射ノズルは、燃料噴射
位置が前記予混合管の入口部、中央部または出口部とな
るように位置調整されていてもよく。あるいは、前記予
混合管の入口外方に配設されていてもよい。

【００１５】また、前記燃料噴射ノズルは、中空状の主
材と、該主材の側面から突出されるとともに、同主材と
連通されている複数の突起部材とを備え、前記突起部材
に所要数の燃料噴射孔が所定配列により設けられてなる
のが好ましい。

【００１６】さらに、本発明の予混合燃焼器において
は、予混合燃焼器を構成している筒体の頭部または環状
筒体の予混合部にパイロット燃料噴射管が配設されてな
るのが好ましい。

【００１７】

【作用】本発明の予混合燃焼器においては、予混合空間
を構成している形成体の予混合部に、燃焼用空気の旋回
流を生じせしめる筒状体群からなる予混合手段が配設さ
れているので、この予混合手段から予混合空間内に噴出
された燃焼用空気により予混合燃焼室内に循環流が形成
される。そのため、火炎を安定させながら希薄混合燃焼
させることができる。したがって、燃焼効率を高く維持
しながら、ＮＯＸの発生を低減することができる。

【００１８】

【実施例】以下、添付図面を参照しながら実施例に基づ
いて本発明を説明するが、本発明はかかる実施例のみに
限定されるものではない。

【００１９】本発明の予混合燃焼器の一実施例を図１に
示し、本実施例においては、予混合燃焼器Ｃは、いわゆ
るカン型とされ、外筒１の内部に、一端に平板状の端板
２１を有し、他端が開放されている円筒体２を、その端
板２１を上流側に向けて構成してなるものである。すな
わち、端板２１を頭部としてなるものである。この端板
（頭部）２１には、外筒１から供給される燃焼用空気を
旋回させて予混合燃焼器Ｃ内に導き入れるため、予混合
管３が複数所定の配置および傾斜角にて取付けられてい
る。

【００２０】この予混合管３は、図２に示すように、端
板２１に同心円状に等間隔で取付けられている。図２に
示す例においては、予混合管３の本数は６本とされてい
るが、これに限定されるものではなく、予混合燃焼器Ｃ
のサイズに応じて適宜選定される。この予混合管３は、
図３に示すように、円筒体２の軸線（中心軸）Ｌ₁に対
して所定の傾斜角αにて取付けられ、また図２に示すよ
うに、端板２１の基準線（基準軸）Ｌ₂に対して所定の
傾斜角βにて取付けられている。この傾斜角αおよびβ
は、燃焼用空気に所望の旋回力を付与して予混合燃焼器
Ｃ内に、保炎のための循環流が形成されるように、傾斜
角αについては５度から８０度の範囲、好ましくは２５
度から５０度の範囲とされ、また傾斜角βについては５
度から９０度の範囲、好ましくは２５度から５０度の範
囲とされている。

【００２１】また、図３に分解して示すように、この予
混合管３の内部には燃料噴射ノズル４が装着されてい
る。この燃料噴射ノズル４の先端には、図４に示すよう
に、複数の燃料噴射孔４１，４１・・・が同心円状に形
成されている。この燃料噴射孔４１のサイズおよび個数
は、噴射燃料量に応じて従来の手法を用いて適宜選定さ
れる。なお、燃料噴射ノズル４は、図３に示されるもの
に限定されるものではなく、図５に示すように、燃料噴
射ノズル４の胴部４２に突起管４３を設けてそれに燃料
噴射孔４１，４１・・・を形成してもよい。

【００２２】この燃料噴射孔４１の位置は、予混合管３
の入口部でもよく、中央部でもよく、あるいは出口部で
もよい。ただし、通常の燃焼器においては予混合気の均
一度向上の点から入口部とされるのが好ましく、高温、
高圧条件で作動する燃焼器においては逆火防止の点から
出口部とされるのが好ましい。

【００２３】なお、燃料噴射ノズル５は、予混合管３の
入口外方において、同入口を臨む位置に配設されてもよ
い。

【００２４】端板２１の予混合管３に囲まれている部分
は、火炎に曝されて焼損するおそれがあるので、図示は
されていないが、その部分には、予混合管３と同一の傾
斜角度を有する直径が１ｍｍ程度の透孔が所要数設けら
れて冷却が図られている。

【００２５】また、図６に示すように、この頭部２１の
予混合管３に囲まれている部分の中央部に、図７に示す
ような、先端部に所要数、例えば８個の燃料噴射孔５１
が等間隔で形成されているパイロット燃料噴射ノズル５
を設けてもよい。

【００２６】この円筒体２の後部には、図１に示すよう
に、二次空気供給用開口２２が設けられて、予混合燃焼
器Ｃ内に二次空気が供給されるようにされている。これ
により、燃焼ガスが冷却されるとともに希釈化されるの
で、ＮＯＸの発生が抑制される。この二次空気用開口２
２は、図８に示すように、弁体２３により開口面積が調
節されて、二次空気流量が制御されるようにされていて
もよい。このようにすると、二次空気流量を最適流量と
することができる。

【００２７】実施例および比較例図１に示す構成にて、予混合燃焼器Ｃを作製して燃焼テ
ストを行った。その結果を図９に実線で示す。なお、こ
の実施例における予混合燃焼器Ｃの要目は、次のとおり
である。すなわち、予混合管は内径が２５ｍｍ、本数は
６本、傾斜角α、βはともに４５度であり、また円筒体
は内径が１４０ｍｍ、長さが３５０ｍｍ、二次空気供給
口は直径１８ｍｍのものが４個とされている。

【００２８】比較のために、従来の拡散型燃焼器により
燃焼テストを行った。その結果を図９に併せて点線で示
す。

【００２９】図９より明らかなように、実施例において
は、燃焼効率が従来のものと略同様に高く維持されてい
るにもかかわらず、ＮＯＸの発生量が減少しているのが
わかる。

【００３０】以上、本発明を実施例に基づてい説明して
きたが、本発明は前記実施例のみに限定されるものでは
なく、種々改変が可能である。例えば、予混合管は円形
のパイプのみに限定されるものではなく、例えば角パイ
プとすることもできる。

【００３１】また、実施例においては燃焼器は、いわゆ
るカン型とされているが、マルチカン型、あるいは環状
筒体に複数の予混合燃焼部が形成されているアンニュラ
型とされてもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、予混合管により燃焼用空気に旋回力を付与して予混
合燃焼器内に供給しているので、予混合燃焼器内に循環
流を生じさせながら予混合燃焼させることができる。そ
のため、逆火や自己着火を生ずることなく、火炎安定さ
せることができる。したがって、燃焼効率を従来と同様
に維持しながら、ＮＯＸの発生量を低減できるという優
れた効果が得られる。

【００３３】さらに、本発明では、複数の予混合管によ
り燃料とともに燃焼用空気を予混合燃焼器内に供給して
いるので、均一な予混合気を形成できるという効果も得
られる。そのため、本発明の予混合燃焼器は、高温・高
圧の燃焼器に好適に用いることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の予混合燃焼器の縦断面図で
ある。

【図２】同実施例における予混合管の配置説明図であ
る。

【図３】燃料噴射ノズルを分解して示している予混合管
の縦断面図である。

【図４】図３に示す燃料噴射ノズルの縦断面図である。

【図５】燃料噴射ノズルの他の例の正面図である。

【図６】頭部にパイロット燃料噴射ノズルが設けられた
予混合燃焼器の概略図である。

【図７】パイロット燃料噴射ノズルの概略図である。

【図８】開口面積が調整可能な二次空気用開口の説明図
である。

【図９】実施例および比較例の燃焼特性のグラフであ
る。

【符号の説明】

１外筒２円筒体２１端板（頭部）２２二次空気用開口２３弁体３予混合管４燃料噴射ノズル４１燃料噴射孔５パイロット燃料噴射ノズル５１燃料噴射孔Ｃ予混合燃焼器Ｌ₁ 円筒体の中心軸Ｌ₂ 端板の基準軸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】予混合空間を有する下流側が開放されて
いる予混合燃焼器形成体を備え、該形成体の予混合部
に、前記予混合空間に燃焼用空気の旋回流を生じせしめ
る筒状体群からなる予混合手段が配設されてなることを
特徴とする予混合燃焼器。
【請求項２】前記筒状体群の各々に燃料噴射手段が配
設されてなることを特徴とする請求項１記載の予混合燃
焼器。
【請求項３】パイロット燃料噴射手段が備えられてな
ることを特徴とする請求項１または２記載の予混合燃焼
器。
【請求項４】予混合燃焼器を形成している筒体の頭部
に複数の予混合管を同心円状に等間隔にて、同筒体内部
に燃焼用空気の旋回流が生ずる角度に傾斜させて装着し
てなることを特徴とする予混合燃焼器。
【請求項５】予混合燃焼器を形成している環状筒体が
複数の予混合部を有し、該予混合部の各々に、複数の予
混合管を同心円状に等間隔にて、同予混合部内部に燃焼
用空気の旋回流が生ずる角度に傾斜させて装着してなる
ことを特徴とする予混合燃焼器。
【請求項６】前記予混合管の傾斜角度が、筒体の中心
軸または環状筒体の予混合部の中心軸に対して５度乃至
８０度とされ、筒体の頭部の基準軸または環状筒体の予
混合部の基準軸に対して５度乃至９０度とされているこ
とを特徴とする請求項４または５記載の予混合燃焼器。
【請求項７】前記予混合管の傾斜角度が、筒体の中心
軸または環状筒体の予混合部の中心軸に対して２５度乃
至５０度とされ、筒体の頭部の基準軸または環状筒体の
予混合部の基準軸に対して２５度乃至５０度とされてい
ることを特徴とする請求項６記載の予混合燃焼器。
【請求項８】前記予混合管に燃料噴射ノズルが備えら
れてなることを特徴とする請求項４または５記載の予混
合燃焼器。
【請求項９】前記燃料噴射ノズルが、前記予混合管内
に挿入されてなることを特徴とする請求項８記載の予混
合燃焼器。
【請求項１０】前記燃料噴射ノズルの燃料噴射位置が
前記予混合管の入口部とされていることを特徴とする請
求項９記載の予混合燃焼器。
【請求項１１】前記燃料噴射ノズルの燃料噴射位置が
前記予混合管の中央部とされていることを特徴とする請
求項９記載の予混合燃焼器。
【請求項１２】前記燃料噴射ノズルの燃料噴射位置が
前記予混合管の出口部とされていることを特徴とする請
求項９記載の予混合燃焼器。
【請求項１３】前記燃料噴射ノズルが、前記予混合管
の入口外方に配設されてなることを特徴とする請求項８
記載の予混合燃焼器。
【請求項１４】前記燃料噴射ノズルが、中空状の主材
と、該主材の側面から突出されるとともに、同主材と連
通されている複数の突起部材とを備え、前記突起部材に
所要数の燃料噴射孔が所定配列により設けられてなるこ
とを特徴とする請求項８、９、１０、１１、１２または
１３記載の予混合燃焼器。
【請求項１５】予混合燃焼器を構成している筒体の頭
部にパイロット燃料噴射管が配設されてなることを特徴
とする請求項４記載の予混合燃焼器。
【請求項１６】予混合燃焼器を構成している環状筒体の
予混合部にパイロット燃料噴射管が配設されてなること
を特徴とする請求項５記載の予混合燃焼器。
【請求項１７】中空状の主材と、該主材の側面から突
出されるとともに、同主材と連通されている複数の突起
部材とを備え、前記突起部材に所要数の燃料噴射孔が所
定配列により設けられてなることを特徴とする燃料噴射
ノズル。