JPH07244143A - 電磁石の磁界測定方法 - Google Patents

電磁石の磁界測定方法

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JPH07244143A
JPH07244143A JP3372394A JP3372394A JPH07244143A JP H07244143 A JPH07244143 A JP H07244143A JP 3372394 A JP3372394 A JP 3372394A JP 3372394 A JP3372394 A JP 3372394A JP H07244143 A JPH07244143 A JP H07244143A
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electromagnet
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measuring
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JP3372394A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Matsuda
哲也 松田
Toshie Takeuchi
敏恵 竹内
Takeo Kawaguchi
武男 川口
Itsuo Kodera
溢男 小寺
Masao Morita
正夫 守田
Shunji Yamamoto
俊二 山本
Shiro Nakamura
史朗 中村
Tadatoshi Yamada
忠利 山田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビーム用超電導電磁石の偏向磁界の測定
時、液体ヘリウム消費量の少ない測定方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 磁界測定時には電子ビーム用超電導電磁石に
センサー部をガイドするガイドレール22が取り付けら
れた磁界測定用チェンバー20を組み込み磁界測定を実
施する。コイル容器1には液体ヘリウムが充填されてお
り、超電導コイル9を液体ヘリウム温度に保持できる。
磁界測定終了後は磁界測定用チェンバーを真空チェンバ
ーに交換する。真空チェンバーにはレールがとりつけて
おらず効率良く電子ビームを蓄積できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電磁石の磁界測定方法
に関し、主に高均一な磁界を発生させる超電導偏向電磁
石やソレノイド電磁石等の磁界測定方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図30は文献(Microelectronic Engin
eering 11 (1990)P225-228)に示された従来の電子ビー
ム用超電導電磁石の構造を模式的に示す一部破断断面図
であり、図31は電子ビームを偏向させる超電導コイル
を示す模式的に示す斜視図である。更に、図32は本超
電導コイルの磁界測定装置を示す断面図である。図30
において、1は超電導コイルを収納するコイル容器であ
り、2は真空槽、3は電子ビームのビーム軌道、4はビ
ーム進行方向、5はSR光(シンクロトロン放射光)を
取り出すSR光ポート、6はコイル容器1を真空槽2に
対し保持するコイルサポート、7はビームの通過する超
高真空領域、8は電子ビーム用超電導電磁石である。ま
た、図31において、9はコイル容器1に収納される超
電導コイル、10は超電導コイル9の発生する偏向磁界
である。さらに、図32において、11は超電導コイル
の発生する磁界を測定するための磁界測定素子、12は
磁界測定素子11を支え磁界測定素子11を移動させる
アームである。アーム12を回転させることにより磁界
測定素子11を移動させる。14は超電導コイル9をヘ
リウム温度に保持する液体ヘリウム容器、16は冷媒で
ある液体ヘリウムである。更に、図33は図32の磁界
測定装置を用いて測定された磁界分布を示す図であり、
横軸はビーム進行方向、縦軸は偏向磁界である。
【0003】次に動作について説明する。ここではま
ず、電子ビーム蓄積リングについて述べた後、電子ビー
ム蓄積リングに用いられる電子ビーム用超電導電磁石に
ついて述べ、最後に図32の磁界測定装置について述べ
る。
【0004】電子ビーム蓄積リングは半導体パターン転
写用のSR光源である。このSR光は磁界中で電子ビー
ムが曲げられた場合に接線方向に発生する。電子ビーム
蓄積リングでは上記磁界の発生源として電磁石を用いる
が、小型化が必要な場合この電磁石を超電導化するのが
望ましい。この電子ビーム用超電導電磁石8では電子ビ
ームを180度曲げるため、これを2台組み合わせ、他
の機器と併せて電子ビーム蓄積リングを形成する。
【0005】次に電子ビーム用超電導電磁石の構造につ
いて述べる(図30、図31参照)。この電子ビーム用
超電導電磁石8において、超電導コイル9は偏向磁界1
0を発生する。この超電導コイル9はコイル容器1に収
納され、更にコイル容器1はコイルサポート6を介して
真空槽2に取り付けられている。コイル容器1と真空槽
2の間は真空断熱され、常温からの熱侵入を低減してい
る。SR光ポート5では、電子ビームが曲がるときに発
生するSR光を外部に取り出し、ステッパへと導入す
る。更に、電子ビーム蓄積リングでは電子ビームを長時
間保持しSR光を長時間発生させるために、電子ビーム
軌道3付近を超高真空に保持する。7は超高真空領域で
ある。超高真空に保持するには超電導電磁石はなるべく
開口部は少ない方がよい。従って、SR光の取り出しポ
ート5も小さな構造となっている。
【0006】ところで、電子ビーム軌道を水平面で周回
させる場合、電子ビーム軌道3の形状を決める一つの要
因としては、電子ビーム用超電導電磁石8の発生する偏
向磁界10の鉛直成分のビーム進行方向4の分布が挙げ
られる。この鉛直成分の磁界強度と電子ビーム軌道の半
径の大きさとは反比例する。従って、偏向磁界が異なれ
ば、電子ビームの軌道半径が異なり、異なる経路を電子
ビームが通過することになる。以上より、電子ビーム軌
道の位置を把握するため、電子ビーム用超電導電磁石の
偏向磁界の鉛直磁界成分のビーム進行方向分布を測定し
確認しておくことは大切である。
【0007】以上、電子ビーム用超電導電磁石の磁界測
定の重要性について述べたが、次に、実際の磁界測定装
置について述べる。図32の例では後で述べる様に超電
導電磁石8ではなく超電導コイルのみの磁界測定を実施
している。超電導コイル9を収納したコイル容器1は超
電導コイル9を液体ヘリウム温度に保持するため、液体
ヘリウム容器14に収納される。液体ヘリウム容器14
に液体ヘリウム16を充填し、超電導コイル9とコイル
容器1を液体ヘリウム16に浸け、超電導コイル9を液
体ヘリウム温度に保持する。更に、超電導コイル9を励
磁し、この超電導コイル9が発生する磁界をアーム12
に取り付けられた磁界測定素子11で測定する。磁界分
布を測定するために磁界測定素子11をビーム進行方向
4に移動する。この移動のため、液体ヘリウム容器14
外部でアーム12を回転させる。この磁界測定装置で測
定した偏向磁界鉛直成分のビーム進行方向分布の例を図
33に示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図32に示す従来例で
は、超電導電磁石の磁界測定は、超電導電磁石8に超電
導コイル9とコイル容器1を組み込む前に、超電導コイ
ル9とコイル容器1のみの状態で磁界測定を実施してい
る。ところで、超電導コイル9が磁気シールドでおおわ
れている形状の電磁石では、超電導コイル9を励磁する
と磁気シールドが磁化され磁界を発生する。従って、こ
の形状の電磁石では超電導コイル9単体のみならず、磁
気シールドを含めた状態で、超電導コイル9に電流を通
電し磁界測定を実施する必要がある。この場合、図32
に示す方法では、超電導コイル9だけではなく磁気シー
ルド全体すなわち超電導電磁石8全体を冷媒である液体
ヘリウム16に浸けなければならず、液体ヘリウム容器
14が大型化するばかりか冷却に必要な液体ヘリウム1
6の量も膨大になるという問題点が生じる。また、電磁
石の偏向磁界の鉛直方向からの傾きの高精度測定や、偏
向磁界の鉛直方向成分の高精度測定が困難であった。
【0009】この発明は上記問題点を解決するためにな
されたもので、超電導コイルが磁気シールドでおおわれ
ている形状の超電導電磁石でも磁界測定時に超電導電磁
石全体を冷媒に浸けなくてもよく、冷媒の消費量を少な
くできる磁界測定方法を提供することを目的とする。さ
らに、この発明では電磁石の偏向磁界の鉛直方向からの
傾きの高精度測定方法、偏向磁界の鉛直方向成分の測定
の高精度化の方法、および簡略化した磁界測定により偏
向磁界の鉛直方向からの傾きを測定する方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
わる電磁石の磁界測定方法は、真空槽内に配置され冷媒
が充填されたコイル容器に超電導コイルを収納し、磁界
測定時においては磁界測定用チェンバーを組み込み上記
超電導コイルを励磁して磁界分布測定を行うと共に、磁
界測定後は、上記磁界測定チェンバーを真空チェンバー
に交換して励磁するものである。
【0011】請求項2記載の発明に係わる電磁石の磁界
測定方法は、基準電磁石で基準磁界を発生させこの基準
磁界下で磁界測定素子基準面を基準方向に向ける較正を
行った後、被測定電磁石に上記基準面の方向が変化しな
い様に上記磁界測定素子を配置し、上記被測定電磁石の
上記基準方向に垂直な方向の磁界の大きさを測定するも
のである。
【0012】請求項3記載の発明に係わる電磁石の磁界
測定方法は、基準電磁石で基準磁界を発生させ、この磁
界下で磁界測定素子基準面と基準方向との角度を測定し
た後、被測定電磁石に上記磁界測定素子を移動配置し、
移動時に発生する上記角度の変化および上記被測定電磁
石の磁界測定素子の面に垂直な方向の磁界の大きさを測
定するものである。
【0013】請求項4記載の発明に係わる電磁石の磁界
測定方法は、請求項2または3記載の測定方法におい
て、基準方向と基準電磁石の発生する基準磁界方向とは
同方向であるものである。
【0014】請求項5記載の発明に係わる電磁石の磁界
測定方法は、請求項2または3記載の測定方法におい
て、基準方向と基準電磁石の発生する基準磁界方向とは
垂直方向であるものである。
【0015】請求項6記載の発明に係わる電磁石の磁界
測定方法は、請求項1記載のものにおいて、磁界測定チ
ェンバーは、被測定電磁石内に配置されたガイドレール
に磁界測定素子および傾きセンサーを有するセンサー部
を取付けて上記ガイドレールに沿って磁界測定を行うよ
うに構成されており、基準電磁石における鉛直または水
平方向と上記傾きセンサーの基準軸とのなす角度Aを傾
きセンサーで測定し、基準電磁石の発生する基準磁界の
もとで上記磁界測定素子の基準面と基準方向のなす角度
Bを上記磁界測定素子により測定し、次に上記ガイドレ
ールにセンサー部を取付けて上記ガイドレールに沿って
上記センサー部を移動させ、鉛直または水平方向と傾き
センサーの基準軸のなす角度Cの分布を上記傾きセンサ
ーにより測定し、上記A、B、Cにより上記ガイドレー
ルに沿った上記被測定電磁石の磁界分布を補正するもの
である。
【0016】請求項7記載の発明に係わる電磁石の磁界
測定方法は、請求項1ないし3の何れかに記載の測定方
法において、基準電磁石で基準磁界を発生させ、この磁
界下で基準面を基準方向に較正した磁界測定素子を被測
定電磁石に設置し、上記被測定電磁石の発生する主磁界
方向を軸として上記磁界測定素子を回転させて各方向の
磁界を測定するものである。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明では、真空槽内に配置され
冷媒が充填されたコイル容器に超電導コイルを収納し、
磁界測定時においては磁界測定用チェンバーを組み込み
上記超電導コイルを励磁して磁界分布測定を行うと共
に、磁界測定後は、上記磁界測定チェンバーを真空チェ
ンバーに交換して励磁するので、超電導電磁石が磁気シ
ールドを有する場合にも全体を冷却することなく超電導
コイルを冷却、励磁して磁界分布測定を行え、膨大な冷
媒を使わなくてもよい。また、磁界測定後は、磁界測定
チェンバーを真空チェンバーに交換して励磁する。
【0018】請求項2記載の発明では、基準電磁石で基
準磁界を発生させこの基準磁界下で磁界測定素子基準面
を基準方向に向ける較正を行った後、被測定電磁石に上
記基準面の方向が変化しない様に上記磁界測定素子を配
置し、上記被測定電磁石の上記基準方向に垂直な方向の
磁界の大きさを測定するので、被測定電磁石の発生する
磁界の内、基準方向とは垂直な方向の磁界成分のみを高
精度に測定できるものである。さらに別途被測定電磁石
の磁界の大きさを求めることにより電磁石の磁界と基準
方向のなす角度を求められる。
【0019】請求項3記載の発明では、基準電磁石で基
準磁界を発生させ、この磁界下で磁界測定素子基準面と
基準方向との角度を測定した後、被測定電磁石に上記磁
界測定素子を移動配置し、移動時に発生する上記角度の
変化および上記被測定電磁石の磁界測定素子の面に垂直
な方向の磁界の大きさを測定するので、被測定電磁石に
磁界測定素子を設置した場合の磁界測定素子基準面と基
準方向のなす角度がわかり、さらに被測定電磁石の磁界
測定により磁界と磁界測定素子基準面の角度がわかる。
これらの2つの角度から、基準方向と電磁石の磁界のな
す角度が求められる。
【0020】請求項4記載の発明では、請求項2または
3記載の測定方法において、基準方向と基準電磁石の発
生する基準磁界方向とは同方向であるので、基準磁界方
向と磁界測定素子の基準面とが同方向になるように磁界
測定素子が被測定電磁石に配置される。これにより、被
測定電磁石の磁界の内、基準磁界方向とは垂直方向の磁
界成分のみを測定できる。特に基準磁界が鉛直方向の場
合、水平方向磁界成分のみを測定できる。
【0021】請求項5記載の発明では、請求項2または
3記載の測定方法において、基準方向と基準電磁石の発
生する基準磁界方向とは垂直方向であるので、基準磁界
方向と磁界測定素子の基準面とが垂直方向になるように
磁界測定素子が被測定電磁石に配置される。これによ
り、被測定電磁石の磁界の内、基準磁界方向の磁界成分
のみを測定できる。特に基準磁界が鉛直方向の場合、鉛
直方向磁界成分のみを測定できる。
【0022】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
ものにおいて、磁界測定チェンバーは、被測定電磁石内
に配置されたガイドレールに磁界測定素子および傾きセ
ンサーを有するセンサー部を取付けて上記ガイドレール
に沿って磁界測定を行うように構成されており、基準電
磁石における鉛直または水平方向と上記傾きセンサーの
基準軸とのなす角度Aを傾きセンサーで測定し、基準電
磁石の発生する基準磁界のもとで上記磁界測定素子の基
準面と基準方向のなす角度Bを上記磁界測定素子により
測定し、上記ガイドレールにセンサー部を取付けて上記
ガイドレールに沿って上記センサー部を移動させ、鉛直
または水平方向と傾きセンサーの基準軸のなす角度Cの
分布を上記傾きセンサーにより測定し、上記A、B、C
により上記ガイドレールに沿った上記磁界測定素子基準
面と基準方向のなす角度の分布を求めるので、ガイドレ
ールに沿って電磁石の磁界分布を測定することにより、
この磁界分布から磁界測定素子基準面と電磁石の磁界の
間の角度の分布がわかり、この角度分布を上記磁界測定
素子基準面と基準方向のなす角度の分布で補正すること
により、電磁石の磁界の基準方向からの傾きを求めるこ
とができる。
【0023】請求項7記載の発明では、請求項1ないし
3の何れかに記載の測定方法において、基準電磁石で基
準磁界を発生させ、この磁界下で基準面を基準方向に較
正した磁界測定素子を被測定電磁石に設置し、上記被測
定電磁石の発生する主磁界方向を軸として上記磁界測定
素子を回転させて各方向の磁界を測定するので、主磁界
がある方向に傾いた場合に、傾いた方向に主磁界方向に
垂直な磁界成分が発生するが、磁界測定素子の基準面が
回転し、基準面が上記垂直磁界成分に垂直になった場合
上記磁界を検出するが、基準面が平行の場合には磁界を
検出しない。よって、回転方向を計測することにより、
主磁界に垂直な磁界成分の方向すなわち主磁界の傾き方
向を測定できる。
【0024】
【実施例】
実施例1.請求項1記載の発明の一実施例を図をもとに
説明する。図1、2は請求項1記載の発明の一実施例に
よる磁界測定方法を説明する構成図であり、 図1は超
電導電磁石に磁界測定チェンバーを組み込んだ様子、図
2は超電導電磁石に真空チェンバーを組み込んだ様子を
それぞれ示している。図において、20は磁界測定チェ
ンバー、22はガイドレール、24は真空チェンバー、
26は磁気シールドであり真空槽も兼ねている。更に、
図1、2に示す様にx’−y’−z’座標系は超電導電
磁石8の中心を原点とし、X−Y−S座標系はビーム軌
道3を原点とする。S方向は電子ビーム進行方向4に等
しい。x’−y’面は磁気中心28であり、通常磁気中
心28は電子ビーム軌道3が存在する面と同じであり、
更に水平面でもある。図3、4は図1、2のx’方向の
断面図であり、図3は図1の断面図、図4は図2の断面
図である。更に、図5は実際に磁界測定チェンバーを用
いた磁界分布測定装置の一例の平面図であり、図6
(a)(b)は図5のセンサー部の拡大図である。図
5、6において、30は磁界測定素子11が取り付けら
れたセンサー部、32はセンサー部30を移動させるベ
ルト、34はプーリー、35はベルト32を駆動するS
ステッピングモータ、36はXアーム、37はXステッ
ピングモータ、38はYアーム、39はYステッピング
モータである。
【0025】次に動作について説明する。図1、2に示
す例は従来例同様、電子ビーム蓄積リング用の超電導電
磁石に関するものである。磁界測定時には図1に示す様
に超電導電磁石8にガイドレール22が付いた磁界測定
チェンバー20を組み込む。更に、コイル容器1には冷
媒例えば液体ヘリウムが充填されており、超電導コイル
9を液体ヘリウム温度に保持する。これにより、磁気シ
ールド26全体を冷却することなく、超電導コイル9を
液体ヘリウム温度に保持できるので、超電導コイル9を
超電導状態に保持できかつ励磁できる。更に、超電導コ
イル9を励磁しこの磁界測定チェンバー20を利用して
磁界を測定する。この磁界分布測定装置の構成は一例を
図5、6に示すように、ガイドレール22にセンサー部
30を取り付け、センサー部30には磁界測定素子であ
るホール素子11が取り付けられている。このセンサー
部30はベルト32によりガイドレール22に沿ってビ
ーム進行方向4であるS方向に移動する。更にSステッ
ピングモータ35はベルト32を駆動する。これによ
り、ビーム進行方向4の磁界分布が測定できる。更に、
XおよびY方向への磁界測定素子11の移動はXアーム
36およびYアーム38に沿って行う。XおよびY方向
への移動に使用するXステッピングモータ37およびY
ステッピングモータ39は、超電導電磁石外部のある位
置すなわちステッピングモータが配置された位置にセン
サー部30が移動した場合に駆動する。これにより、磁
界チェンバー20内で3次元方向への磁界測定が可能で
ある。
【0026】一方、電子ビーム蓄積時にはこのガイドレ
ール22は電子ビームにとって障害物となるので、ガイ
ドレール22は無い方が良い。従って磁界測定終了後は
図1に示すガイドレール付きの磁界測定用チェンバー2
0を取り外し、図2に示すガイドレールが無い電子ビー
ム蓄積専用の真空チェンバー24に交換する。
【0027】このように、本方式では、超電導電磁石8
に磁界測定時には磁界測定チェンバー20を組み込み、
磁界測定終了後には真空チェンバー24を組み込む様に
構成したので、超電導コイルが磁気シールドで覆われて
いる形状の超電導電磁石8でも全体を冷媒例えば液体ヘ
リウムに浸けなくても磁界測定が実施でき、超電導コイ
ル冷却のための液体ヘリウムの量を低減できる。磁界測
定終了後は磁界測定チェンバー20を真空チェンバー2
4に置き換えることにより、効率良く電子ビームを蓄積
できる。
【0028】実施例2.請求項2記載の発明の一実施例
について図をもとに説明する。図7は請求項2記載の発
明の一実施例による磁界測定方法を説明する構成斜視図
である。図において、50は基準電磁石、52は基準電
磁石50の発生する基準磁界、54は基準方向であり、
被測定電磁石における磁界測定したい方向に対し垂直方
向である。さらに、56は基準電磁石50の基準面、5
7は基準電磁石のギャップ側鉄芯面、58は基準電磁石
のコイル、60は基準電磁石のアライメント機構、62
はセンサー部、64は磁界測定素子であるホール素子1
1の基準面、66は磁界測定素子11の角度調整機構、
68はセンサー部のアーム、70はセンサー部の角度基
準面、72はセンサー部角度基準面調整機構の内、角度
測定機構であり基準面70の傾きを測定する。なお角度
測定機構としては例えば水準器などが一般的に用いられ
る。また、73はセンサー部角度基準面調整機構の内、
角度補正機構、74は基準磁界52の内、磁界測定素子
の基準面64に垂直な磁界成分である。また、θ1は基
準磁界方向52とホール素子基準面64の角度、θ2
基準磁界52と基準方向54の角度である。図8(a)
は更に、センサー部62を超電導電磁石8に挿入した全
体図であり、図8(b)に(a)の破線で囲んだ部分を
拡大して示す。図において、75は超電導電磁石が発生
する偏向磁界、78は偏向磁界の内、磁界測定素子11
の基準面64に垂直な磁界成分であり、θ3は偏向磁界
75と基準方向54の角度である。更に、図9は本磁界
測定方法の原理を説明する説明図である。図9(a)お
よび(b)は図7同様、基準電磁石50での磁界測定素
子11の傾き調整の図であり、図9(a)は磁界測定素
子11の傾き調整前の図、図9(b)は傾き調整後で基
準方向54に磁界測定素子11の基準面64を合わせた
図、図9(c)は超電導電磁石8に磁界測定素子11を
挿入した要部拡大図である。なお、図9(c)では明確
のため磁界測定素子11は拡大して示されている。更
に、図10に偏向磁界75の鉛直磁界成分および水平磁
界成分を示す。偏向磁界75の内、水平方向の磁界を水
平方向磁界80と呼ぶ。更に、水平方向磁界80の内、
82はビーム進行方向であるS方向の磁界Bs、84は
ビームの進行方向に垂直なX方向の磁界Bxと呼ぶ。ま
た、偏向磁界75の内、86は鉛直方向の磁界であり、
偏向磁界75が鉛直方向に向いている場合は鉛直磁界8
6と偏向磁界75は等しくなる。更に、鉛直方向磁界8
6をByとも呼ぶ。なお、XおよびS方向の座標系につ
いては図1に示した。更に、図11(a)(b)に磁界
測定素子11であるホール素子の基準面64に垂直な磁
界成分74をホール素子11が検出する様子を示してい
る。また、図12は基準電磁石にホール素子11を挿入
した様子を示す断面図である。
【0029】ところで、請求項2記載の発明による磁界
測定方法は、超電導電磁石8の発生する磁界すなわち偏
向磁界75の内、測定したい方向の磁界成分78のみを
測定し(この磁界測定したい方向に対し垂直な方向をこ
こでは基準方向54という)、更に偏向磁界75と基準
方向54の角度θ3を求める方法である。
【0030】測定したい方向の磁界成分のみを測定する
には、ホール素子の様な方向性のある磁界測定素子11
を用い、ホール素子の出力電圧が図11(b)に示す様
にホール素子基準面64に垂直な磁界の大きさ74に比
例する性質を利用する。従って、ホール素子基準面64
を測定したい方向に対し垂直方向すなわち基準方向に配
置すれば、ホール素子基準面64に垂直な方向の磁界成
分のみを精度良く測定できる。
【0031】ところで、ホール素子11は通常0.5m
m程度の小さな素子であるため、取り扱いが容易な様に
かつ保護用にパッケージに収納されている。ホール素子
11の基準面64を特定方向に向けるには、パッケージ
を機械的に基準方向に合わせても不可能である。なぜな
ら、パッケージ中でホール素子11が傾いていることが
あるためであり、外部からはこの傾きは検出できない。
また、パッケージに接着材等でホール素子11が固定さ
れていることが多く、この場合パッケージからホール素
子11を取り出してホール素子の基準面64を合わせる
のは困難である。
【0032】磁界はパッケージの有無に関係なくホール
素子11が検出できるので、以下で述べる様に、磁界を
用いてホール素子の基準面64を磁界測定したい方向に
垂直な方向に合わせることが可能である。以下では、磁
界測定素子はホール素子11に限定し、ホール素子基準
面64を測定したい方向に垂直方向である基準方向54
に向けて超電導電磁石8内に設置する方法について述べ
る。
【0033】まず、図7に示す様に基準電磁石50で基
準となる磁界52を発生させる。ここでは基準磁界の方
向を鉛直方向とする。鉛直方向の基準磁界52を発生さ
せる手段をここでは基準電磁石50と呼ぶが、この基準
電磁石については後で述べる。次に、図7に破線矢印で
示すように基準電磁石内にホール素子11を挿入して基
準磁界中にホール素子11を配置し、ホール素子11を
支持するセンサー部62の角度基準面70を水平に合わ
せる。これには、センサー部角度基準面測定機構72が
水平の値を示す様に、センサー部角度基準面補正機構7
3を用いて角度基準面70を合わせれば良い。センサー
部角度基準面測定機構73は水準器が一般的に使用され
る。次に、基準磁界発生下でホール素子11の出力を観
測する。もし、ホール素子基準面64が基準磁界方向5
2である鉛直方向ではなく鉛直方向から傾いていれば、
ホール素子11にはホール素子基準面64に垂直な磁界
74が生じ、磁界相当の電圧が発生する。もし、鉛直方
向成分である基準磁界52の大きさが別途磁界測定で分
かれば、ホール素子11の出力すなわちホール素子11
の基準面64に垂直な磁界成分74の大きさを観測する
ことにより、ホール素子11の基準面64の鉛直方向か
らの傾きθ1が分かる。磁界測定した方向に垂直な基準
方向54と鉛直方向とのなす角度をθ2とすると、θ1
θ2より、ホール素子基準面64と基準方向54との角
度が分かる。更に、ホール素子11の出力電圧が基準方
向54相当の電圧になるようにホール素子11を角度調
整機構66で回転させれば、ホール素子基準面64を基
準方向54に向けることが可能であり、ホール素子基準
面64と鉛直方向の角度はθ2となる。最後に、角度調
節後ホール素子基準面64が動かないようにセンサー部
62に固定する。
【0034】次に、図8に示す様に被測定磁界である偏
向磁界75を発生する被測定電磁石中8にホール素子1
1を設置する。この場合、ホール素子11を支持するセ
ンサー部62の角度基準面70をセンサー部角度測定機
構72とセンサー部角度補正機構73を用いて水平に合
わせれば、ホール素子基準面64は基準方向54に設定
される。更にホール素子11の出力を検出すれば、偏向
磁界成分75の内、基準方向54に垂直な磁界成分78
を測定できる。更に別途偏向磁界75の大きさを測定す
れば、偏向磁界75と基準方向54のなす角度θ3が分
かる。以上の工程を模式的に示した図が図9(a)〜
(c)である。
【0035】なお、偏向磁界75の大きさの測定は例え
ば以下の様にすれば良い。別のホール素子を用いて上記
磁界測定位置でホール素子を回転させて最大磁界を求め
れば、最大磁界が偏向磁界75の大きさになる。更に一
般に偏向磁界75はほぼ鉛直方向を向いているので、鉛
直方向の磁界成分の大きさを測定すればほぼ偏向磁界7
5の大きさに近似できる。この鉛直成分の測定方法につ
いては実施例5で詳細に述べる。
【0036】次に、基準電磁石50による鉛直磁界の発
生方法について図12を用いて説明する。基準電磁石5
0は鉄芯で磁界を発生させる銅鉄電磁石であることが望
ましい。なぜなら、精度の悪い空心コイルよりも機械精
度が高い銅鉄電磁石の方が、鉛直磁界を発生させやすい
からである。鉛直磁界を発生させるために必要な銅鉄電
磁石の条件を以下にまとめる。 (1)鉛直磁界を発生させるに充分な広さと精度のギャ
ップ側鉄心面57を持つ。 (2)ギャップ側の鉄芯面57と平行でかつ水準器が設
置できる基準となる面56を持ち、基準面を水平に合わ
せる機能60を有している。例えば、図12の形状の電
磁石ではギャップ側の鉄芯面57に垂直方向の磁界が発
生する。従って、この電磁石の基準面56を水平調整機
能60により水平に合わせれば、基準面56とギャップ
面側の鉄芯面57は平行なので、電磁石中心には鉛直磁
界52が発生する。
【0037】なお、上記例では偏向磁界75の傾きまで
求めたが、これは必ずしも必要ではなく、偏向磁界の水
平成分が求まれば良い場合もある。この場合、ビームエ
ネルギーと水平磁界の大きさが分かればビームの上下方
向の蹴り角が分かる。
【0038】また、上記実施例2では偏向磁界75がほ
ぼ鉛直方向を向いており、更に基準磁界52が鉛直方向
に向いている場合の例について述べたが、偏向磁界75
および基準電磁石50の発生磁界の方向が鉛直方向でな
なく、任意の方向に向いていてもよい。
【0039】また、上記実施例2では磁界測定素子11
がホール素子である例について述べたが、必ずもホール
素子でなくてもよく、他の方向性磁界測定素子であって
もよいのは言うまでもない。
【0040】また、上記実施例2では測定点について述
べなかったが、上下、左右、奥行きの3方向にホール素
子11を移動可能な構造にすれば、偏向磁界75の傾き
の分布の測定も可能である。
【0041】また、上記実施例2では被測定電磁石が電
子ビーム用超電導電磁石である例について述べたが、こ
れに限るものではなく、他の陽子、重イオンなどに使わ
れる超電導電磁石の磁界の基準方向からの傾きの測定に
も適用できる。
【0042】さらに、上記実施例2では電子ビーム用超
電導電磁石の磁界の鉛直方向からの傾きについて述べた
が、他の形状の電磁石例えば空心ソレノイド電磁石の磁
界の基準方向からの傾きの測定にも適用できる。
【0043】実施例3.次に請求項3記載の発明の一実
施例による磁界測定方法について述べる。上記実施例2
で説明したように、請求項2記載の発明による磁界測定
方法では基準方向54と偏向磁界75のなす角度を求め
るのに、ホール素子基準面64を基準方向54に合わせ
ると共にセンサー部の角度基準面70を水平に合わせる
と述べたが、必ずしもこれらは必要ではなく、これらの
角度のずれが分ればよい。以下では更にこの方法につい
て図13、14をもとに説明する。図13は基準磁界5
2でホール素子基準面64を調整中の説明図であり。図
14は被測定超電導電磁石8中で磁界測定中の説明図で
ある。図14において、偏向磁界75と基準方向54と
のなす角度Fが測定したい角度である。
【0044】図13に示すように、基準電磁石でのホー
ル素子11の基準面64の角度調整時に、センサー部6
2の角度基準面70の水平からの傾きを測定しこれを角
度Aとする。この測定はセンサー部角度基準面測定機構
72を用いるが、水準器あるいは傾きセンサー等を使用
すればよい。さらに、ホール素子基準面64と鉛直方向
のなす角度B’が基準磁界52の大きさとホール素子の
基準面64に垂直な磁界74からから分る。更に基準方
向54と鉛直方向とのなす角度θからホール素子基準面
64と基準方向54のなす角度BがB=B’−θより分
かる。次に、図14に示すように、超電導電磁石8にセ
ンサー部62を配置する。この時のセンサー部62の角
度基準面70の水平方向からの傾きを角度Cとする。
【0045】これらの値を用いて、まず磁界測定時にお
けるホール素子基準面64の基準方向54からのずれE
を求める。基準磁界での調整時とセンサー部62を被測
定物である電磁石8に移動させた場合のセンサー部62
の基準面70の角度変化はC−Aで求められ、さらに、
磁界測定時におけるホール素子基準面64の基準方向5
4からのずれEは上記C−Aと基準電磁石の調整時の基
準方向54からのホール素子11の傾きBを用いて次式
で求められる。 E=B+(C−A) さらに、ホール素子基準面64に垂直な磁界78の大き
さと偏向磁界75の大きさから、ホール素子基準面64
と偏向磁界75との角度が分かりこれをDとする。最後
に、磁界の基準方向54からの傾きFは、ホール素子基
準面64と偏向磁界75のなす角度Dとホール素子基準
面64の基準方向54からの傾きEから F=D−E の関係で求められる。このように、実施例2で説明した
ようにホール素子基準面64を基準方向54に、および
センサー部の角度基準面70を水平に合わせなくても偏
向磁界75と基準方向54とのなす角度Fが測定でき
た。
【0046】実施例4.次に、請求項4記載の発明の一
実施例による磁界測定方法について述べる。請求項4記
載の発明は請求項2あるいは3記載のものにおいて、基
準方向54を鉛直方向としたものである。基準方向54
を鉛直方向とすることにより、水平方向成分を測定でき
る。図15はこの磁界測定方法の原理を説明する図であ
る。図15において、(a)は基準電磁石50でのホー
ル素子基準面64の角度調整の図、(b)は角度調整が
終わりホール素子の基準面64を基準磁界52方向に向
けた図、(c)は超電導電磁石における偏向磁界75の
水平方向磁界成分を測定する図である。また、図15
(c)において、ホール素子基準面64に垂直な磁界成
分78は偏向磁界75の水平方向磁界成分80に等しく
なる。ここでは、まず磁界75の傾き測定あるいは水平
成分測定の重要性ついて述べ、後で具体例について述べ
る。
【0047】電子ビームを水平面上で周回させるには偏
向磁界75がなるべく鉛直方向に向いていることが必要
である。仮に、ビームの進行方向に垂直な水平方向磁界
成分78があると電子ビームは鉛直方向に蹴られる。更
に、水平方向磁界が大きい場合、電子ビームの鉛直方向
への蹴られ方が大きくなり真空チェンバー24に電子ビ
ームが当たり、電子ビームが失われる可能性がある。と
ころで、特に偏向磁界を発生する電子ビーム用超電導電
磁石の場合、磁界を発生する超電導コイルが水平方向か
ら傾く場合あるいは超電導コイルの製作精度が不良の場
合、鉛直方向から偏向磁界が傾き、水平方向の磁界成分
が発生する可能性がある。従って、上記の水平磁界成分
78すなわち偏向磁界の傾きを評価することは重要であ
る。この鉛直磁界の傾きの大きさは通常1mrad程度
以内であることが必要であると言われている。従って、
磁界の傾き測定として0.1mrad程度の高精度が必
要である。
【0048】測定の原理は実施例2で述べた様に、ホー
ル素子基準面64を鉛直方向に向けて超電導電磁石に配
置すれば、水平磁界80を精度良く測定できる。更に、
鉛直方向の磁界を別途測定すれば偏向磁界の傾きがわか
る。超電導電磁石内でホール素子基準面64を鉛直方向
に配置するには、実施例2で述べた方法を用いる。すな
わち、基準磁界下でホール素子11の出力電圧がゼロ磁
界相当の電圧になる様にホール素子の角度調整を行いホ
ール素子基準面64を基準磁界方向である鉛直方向に向
け、更にホール素子基準面64の角度が変化しない様に
実施例2で述べたセンサー部角度調整機構72、73を
用いて超電導電磁石にホール素子を配置する。
【0049】次に、偏向磁界75の大きさBmが磁界計
算あるいは他の磁界測定によりわかれば、水平方向磁界
78の大きさBhより偏向磁界75の鉛直方向からの傾
きθhが以下の式より求められる。 θh=tan-1(Bh/Bm) 次に、水平方向の磁界Bh、偏向磁界Bmの磁界測定精
度について考察しよう。θhの測定精度が0.1mra
dの場合、偏向磁界を1000Gとし、水平方向磁界を
1mrad相当の磁界1Gとすると、0.1mradの
精度には水平方向磁界の測定精度は0.1Gであるのに
対し、偏向磁界の測定精度は100Gでよい。従って、
偏向磁界は精密測定を行なわなくてもまた計算から求め
ても充分精度を確保できる。
【0050】なお、偏向磁界75が傾いた場合、図10
に示す様に2方向の水平磁界82、84が発生する可能
性があるため、磁界測定素子を2個取付けるとより傾き
の測定に効果がある。この2方向の水平方向の磁界をそ
れぞれBhs、Bhxとすれば磁界の傾きθhs、θhxは
以下の様になる。 θhs=tan-1(Bhs/Bm) θhx=tan-1(Bhx/Bm)
【0051】なお、本実施例では水平方向の磁界の測定
の例について述べたが、電磁石を90度回転させて水平
方向の偏向磁界を発生する電磁石の場合には、基準方向
を水平方向としホール素子の基準面64を超電導電磁石
内に水平方向に向けて配置すれば、鉛直磁界成分が測定
できる。
【0052】また、本実施例ではホール素子の基準面6
4を被測定物である電磁石中で鉛直あるいは水平向に合
わせる方法について述べたが、これは必ずしも必要では
なく、請求項3で述べた方法を用いて、被測定物である
電磁石中でホール素子の基準面64の鉛直あるいは水平
方向からのずれの角度を測定し、この値を用いて磁界測
定結果から求めた偏向磁界の傾き結果を補正すれば良
い。したがって、基準方向と基準電磁石の発生する基準
磁界方向とが同方向であればよい。
【0053】実施例5.次に請求項4記載の発明の他の
実施例による磁界測定方法について述べる。図16は文
献(Nuclear Instruments and Methods in Physics Res
earch A 304(1991) p290 )に示されたα電磁石を用い
たビームラインの例である。図17(a)はα電磁石の
断面図であり、図17(b)はα電磁石の水平方向磁界
分布である。また、図18(a)(b)は本実施例によ
る磁界の水平方向成分の測定方法の原理を説明する説明
図である。図16において、90はα電磁石、92は電
子銃、93は電子ビームの軌道、94はライナックであ
る。また、図17(a)において、96はα電磁石の磁
極、98はα電磁石のコイル、100はα電磁石の磁
界、102はビーム軌道面、104は真空チェンバーで
ある。α電磁石の鉛直方向磁界はX方向に増加する磁界
である。また、図17(b)において、106はα電磁
石の磁界の水平方向磁界である。水平方向磁界は鉛直方
向にほぼ1次で増加する磁界を発生する。さらに、図1
8において、108はα電磁石の磁界の鉛直成分、11
0は磁界測定素子であるホール素子11の上下方向の中
心である。
【0054】まず、α電磁石90の動作について説明す
る。α電磁石90はある特定の運動量のみを持つ電子ビ
ームを選択するために用いられ別名モーメンタムフィル
ターとも呼ばれる。α電磁石90に図16に示す様に電
子銃92から取り出された電子ビームを注入するとα電
磁石90はX方向に増加する磁界を発生するため、電子
ビームはα形状の軌道93を描き270度曲げられ、更
にα電磁石90から取り出されライナック94へと導か
れる。電子ビームの運動量が大きすぎるあるいは小さす
ぎると、この軌道93は形成されずライナック94へは
電子ビームは導入されない。従って、ある特定の運動量
のみを持った電子ビームのみをライナック94へと導入
することができる。
【0055】次に、図17に示すように、α電磁石90
は4極電磁石の片側のみの構成になっており、図17
(a)に示す様にX方向に強くなる磁界を発生する。更
に、ビーム軌道面では水平方向の磁界はゼロであるが、
ビーム軌道面からずれると水平方向の磁界が発生する。
この磁界分布を示したのが、図17(b)である。
【0056】ところで、ビームは実施例4で述べた様
に、ビーム軌道面102上で回す必要がある。ビーム軌
道面102からずれると水平方向磁界が発生し、荷電粒
子ビームは鉛直方向に蹴られ、最悪真空チェンバー10
4に当たり電子ビームは失われてしまう。更に、α電磁
石90が傾くあるいはα電磁石90が上下方向からずれ
るとビーム軌道面102でも水平方向磁界が発生し、電
子ビームが上下に蹴られる。従って、ビーム軌道面10
2での水平方向磁界を測定し、水平磁界成分が無いこと
を確認することが重要である。
【0057】水平方向磁界の測定は実施例4と全く同様
にできる。図18にこの原理図を示す。ホール素子の基
準面64を基準電磁石50の発生する基準磁界52に合
わせる。更に、基準面64の傾きが変化しない様にα電
磁石90にホール素子を設置すれば(これは請求項2の
一実施例である実施例2で述べた方法で可能である)、
ビーム軌道面102の磁界の水平成分のみが測定でき
る。ここで、本実施例では、ホール素子11の上下方向
中心110をビーム軌道面102に合わる必要がある点
が請求項4の一実施例である実施例4の場合と異なる点
である。鉛直方向にずれるとα電磁石90の磁界が傾い
ていなくても図17(b)に示す水平方向成分106が
発生するため、α電磁石90が傾くことにより発生した
水平成分の測定誤差になる。このため、ホール素子11
の上下方向中心110をビーム軌道面102に合わせる
ための鉛直方向の調整機能が必要である。
【0058】なお、この実施例の場合も実施例2と同
様、水平磁界のみ測定すれば良く、磁界の傾きまで測定
することは必ずしも必要ではない。
【0059】実施例6.請求項5記載の発明の一実施例
による磁界測定方法について述べる。上記実施例4、5
で説明した請求項4記載の発明は水平方向磁界成分の例
であったが、請求項5は鉛直磁界成分の測定に関するも
のである。なお、基準磁界52が鉛直方向に向いている
とする。図19は請求項5記載の発明の一実施例による
鉛直方向磁界成分の測定の原理を説明する図である。図
19(a)は基準電磁石の発生する基準磁界52下での
ホール素子の基準面64の傾き調整の様子であり、図1
9(b)は被測定磁界を発生する超電導電磁石にホール
素子11を設置して磁界測定を行う様子を示す図であ
る。図19(b)において、ホール素子基準面64が水
平方向を向いている場合、ホール素子基準面64に垂直
な磁界78と偏向磁界75の鉛直成分86とは等しくな
る。
【0060】偏向磁界75の鉛直磁界成分86の測定の
重要性は従来例で述べた通りであるが、ここではまず、
鉛直方向の磁界成分86の必要測定精度について述べ
る。偏向磁界75の鉛直方向磁界成分86は磁界の測定
精度として約1×10-4程度必要とされる。これを達成
するには、ホール素子の基準面64が垂直方向からの角
度が0.5度以内に設定されていることおよびホール素
子11の校正時に、校正用電磁石の偏向磁界とホール素
子の基準面64の角度が90度±0.5度以内に設定さ
れていることが必要である。ホール素子11の校正時の
角度調整はホール素子11の出力が最大になるようにホ
ール素子基準面64の角度を調整すれば良い。しかし、
磁界測定すべき電磁石にホール素子11を設置して磁界
測定を行う場合、通常は水平方向からホール素子基準面
を0.5度以内に設定することは困難である。
【0061】以下で超電導電磁石にホール素子基準面6
4を水平方向から0.5度以内に設定し、鉛直方向磁界
成分のみを高精度で測定できる方法について述べる。ホ
ール素子11の校正は校正用電磁石の磁界のもとでホー
ル素子11の出力が最大になるように角度を調整する。
一般に、被測定磁界が超電導電磁石の場合、校正用電磁
石も超電導電磁石が用いられる。この場合校正用の電磁
石の磁界は必ずしも鉛直方向を向いている必要はない。
ホール素子11の出力電圧が最大になる様にホール素子
の基準面64を調整すれば良い。この場合ホール素子の
基準面64は校正用超電導電磁石の磁界に対し垂直方向
を向く。また、校正用の電磁石は通常超電導電磁石であ
るので、鉛直方向の磁界を発生させるのは容易ではな
い。次に、従来は校正後、偏向磁界75を発生する被測
定超電導電磁石にホール素子11を設定し磁界測定を実
施する。この場合、ホール素子基準面64が水平方向に
向いていれば、偏向磁界の鉛直成分の正確な測定が可能
であるが、一般に、ホール素子基準面64を水平方向に
合わせるのは困難で、ホール素子基準面64は水平方向
から傾き、鉛直方向磁界成分の測定誤差になる。
【0062】従って、校正用超電導電磁石での校正後、
偏向磁界を発生する超電導電磁石にホール素子11を設
置する前に、ホール素子基準面64を水平方向に設定す
る必要がある。これには、実施例2で述べた方法におい
て、基準方向を水平方向にすれば良い。ここでは、この
方法についてさらに詳しく述べる。ホール素子基準面6
4を水平方向に合わせるには、図19(a)に示す様に
基準電磁石(銅鉄電磁石)で鉛直方向の基準磁界52を
発生させ、ホール素子11が最大出力になる様に角度を
調整する。ホール素子11の出力電圧が最大になること
は、ホール素子基準面64と鉛直磁界52のなす角度が
垂直になること。つまり、ホール素子基準面64は水平
に向くことを意味する。更に、ホール素子基準面64が
回転しない様にホール素子11をセンサー部(図示せ
ず)に対し固定する。次に、図9(b)に示すように、
超電導電磁石中にホール素子11を設置した場合におい
て、基準鉛直磁界52下でのホール素子11の角度調整
時とのセンサー部の角度変化を角度0.5度以内に設定
できれば、ホール素子基準面64の傾きは水平からの傾
きが0.5度以内になり、磁界測定精度は1×10-4
できる。基準電磁石の調整時と超電導電磁石にホール素
子11を設置した場合の角度変化を0.5度以内に設定
する方法はたとえば実施例2で述べたセンサー部角度調
整機構72、73を使用すれば良い。すなわち、基準電
磁石調整時にセンサー部の基準面をセンサー部角度調整
機構で水平にあわせ、磁界測定時にもセンサー部の基準
面をセンサー部角度調整機構で水平にあわせれば良い。
このように、偏向磁界75の鉛直磁界成分86が高精度
に測定できる。
【0063】なお、本実施例では垂直方向の磁界の高精
度測定の例について述べたが、電磁石を90度回転させ
て水平方向の偏向磁界を発生する電磁石の場合には、基
準方向を鉛直方向としホール素子の基準面64を超電導
電磁石内に鉛直方向に向けて配置すれば、水平方向磁界
成分が高精度で測定できる。
【0064】また、本実施例ではホール素子の基準面6
4を被測定物である電磁石中で鉛直あるいは水平方向に
合わせる方法について述べたが、これは必ずしも必要で
はなく、請求項3で述べた方法を用いて、被測定物であ
る電磁石中でホール素子の基準面64の鉛直あるいは水
平方向からのずれの角度を測定し、この値を用いて磁界
測定結果から求めた偏向磁界の測定結果を補正すれば良
い。
【0065】実施例7.次に請求項6記載の発明の一実
施例による磁界測定方法について述べる。ここでは実施
例1で述べた磁界測定チェンバーを用いて基準磁界から
の傾きを測定する方法について述べる。図20、21は
本実施例による傾き測定の原理を説明する図であり、図
20は基準電磁石50でのホール素子11の基準面64
の調整の図であり、図21は超電導電磁石での偏向磁界
75の傾き測定の図である。図20において、130は
傾きセンサー、131は傾きセンサーの基準軸である。
133は鉛直方向であり、基準磁界方向52および基準
方向54に等しい。132は基準電磁石近傍に取りつけ
られたセンサー部30を保持するためのガイドレールで
ある。更に図22は請求項6記載の発明の一実施例に係
わる傾き測定装置の全体図である。この図では超電導電
磁石を省略し、磁界測定チェンバーのみを描いた。図2
2の装置は、基本は図5、6と同様の構成であるが、以
下の点が異なる。センサー部30に傾きセンサー130
が設けられていること、ホール素子の基準面64が略鉛
直方向に向いていること、および偏向磁界の傾きは図1
0に示した様に2方向あるので、2方向の磁界を測定で
きる様ホール素子が2個取り付けられていることであ
る。134はX方向の水平磁界を測定する磁界測定素子
例えばXホール素子であり、136はS方向の水平磁界
を測定する磁界測定素子例えばSホール素子である。な
お、XおよびSホール素子はホール素子11の方向を指
定しただけであり、上記各実施例で示したホール素子1
1と全く同様の働きをする。更に、図23はガイドレー
ルを用いた場合の傾き測定の原理を説明する図である。
図23(a)は図20と同じであり、図23(b)は図
21のセンサー部の拡大図であり、超電導電磁石の磁界
測定チェンバーのガイドレール22にセンサー部30を
設置した場合のX方向の傾き測定の原理を説明する図で
ある。図において、138は偏向磁界の内、Xホール素
子基準面64に垂直な磁界成分、139は偏向磁界のX
ホール素子基準面64方向の磁界成分である。傾きはX
方向とS方向の2種類あるが、図23(b)はX方向の
みを示した。なお、X方向の傾きとはXY面内でのS軸
回りの回転のことを言う。なお、座標系については図1
に示した。
【0066】ところで、一般に超電導電磁石8中では図
21に示すガイドレール22の傾きは一定でない。ガイ
ドレール22の傾きが変化するとセンサー部30が傾
き、センサー部30をレール22に設置した場合に仮に
最初にホール素子基準面64を鉛直方向に合わせること
ができても、ビーム進行方向に測定した場合、ホール素
子基準面64が鉛直方向からずれ、水平方向磁界成分す
なわち傾き測定の測定誤差が生じる。ガイドレール22
の傾きを一定に保持するには高精度の加工組立が必要で
あり、これは容易ではない。ここではガイドレール22
が傾いた場合にも、精度良く水平方向磁界成分すなわち
偏向磁界の傾きを測定できる方法について述べる。
【0067】以下では、主に図23を用いて説明する。
図23(b)のθx(s)が測定したい値である。ま
ず、図23(a)に示す様に、基準電磁石50にセンサ
ー部30を配置する。この場合、基準電磁石にセンサー
部が配置可能な様に基準電磁石のそばにレール132が
配置されている。基準電磁石の鉛直磁界下52でホール
素子134の基準面64を略鉛直に合わせ固定する。こ
の調整時におけるセンサ部の基準軸131の鉛直方向1
33からの傾きθkを、傾きセンサー130で測定す
る。傾きセンサーとして例えば重力加速度計の原理を応
用したもので精度が0.1mradより良いものが市販
されている。
【0068】次に、超電導電磁石でのセンサー部の傾き
分布測定について述べる。図23(b)に示す様に磁界
測定チェンバーのガイドレール22にセンサー部30を
設置し、まずガイドレールに沿ってセンサー部30を移
動させて、傾きセンサー130で鉛直方向からのセンサ
ー部30の傾きのビーム進行方向分布θr(s)を測定
する。図23(a)では以前述べた様にX方向の傾きのみ
を示した。ガイドレール22にセンサー部30が密着す
る構造であれば、X方向傾きは再現性よく測定可能であ
る。なお、x方向の傾きとはxy面内でのs軸回りの回
転をいう。次に、磁界測定を行うが、傾きセンサー13
0は磁界中では使用できないので、傾きセンサー130
を外す必要がある。傾きセンサー130をはずした場合
の、角度変化を極力減少させるため、傾きセンサー13
0と同じ重さの重りをセンサーに取り付ければ良い。以
上より各ガイドレールに沿った方向すなわちビーム進行
方向位置でのセンサー部の傾きが測定できる。このセン
サー部のX方向傾きのガイドレールに沿った方向すなわ
ちビーム進行方向分布の測定例を図24に示す。図24
の例では横軸がビーム進行方向、縦軸がX方向のセンサ
ー部の傾きである。X方向のセンサー部の傾きは+3m
radからー8mradの範囲にあることが分かる。
【0069】以上より、磁界測定時のホール素子基準面
64の鉛直方向からのずれθhx(s)が以下のように
して分かる。基準電磁石調整時にホール素子基準面64
を鉛直に合わせるとすると、図23(b)に示す様にこ
のセンサー部の傾きのθrx(s)および基準電磁石の
傾き調整時のセンサー部の傾きθkxから、傾きθhx
(s)が求まる。 θhx(s)=θrx(s)−θkx
【0070】次に、ホール素子基準面64と偏向磁界7
4のなす角度θbx(s)の測定方法について述べ、最
後に偏向磁界74の傾きのビーム進行方向分布θx
(s)の測定方法について述べる。まず、ホール素子を
用いて磁界分布を測定する。図23(b)ではホール素
子のうちX方向の水平磁界を測定するXホール素子13
4の例を示した。磁界測定は基本的には実施例1で述べ
た方法と同じであるが、Xホール素子134の基準面6
4は略鉛直方向を向いている点が請求項1の磁界測定装
置と異なる。ホール素子により測定された磁界138を
Bhx(s)とする。鉛直磁界By(s)86を測定す
るホール素子が付いていれば、同時にBhx(s)13
8とBy(s)86を測定できる。更に、3個ついてい
れば3方向の磁界が同時に測定できる。また、これらは
別々に測定しても良い。これらにより測定されたホール
素子基準面64と偏向磁界のなす角度θbx(s)は、
偏向磁界のXホール素子基準面方向の磁界成分139と
By(s)86がほぼ等しいことを利用して、以下の関
係から求めることができる。 θbx(s)=tan-1(Bhx(s)/By(s)) 最後に,前記θbx(s)とホール素子基準面と鉛直方
向からの傾きθhx(s)から偏向磁界の傾きのビーム
進行方向分布θx(s)は θx(s)=θbx(s)−θhx(s) の様に表わされる。
【0071】以上の様にして測定したX方向の偏向磁界
の傾きのビーム進行方向分布の実測例を図25に示す。
横軸はビーム進行方向であり、縦軸は偏向磁界の傾きで
ある。図25より偏向磁界の傾きは、全領域で十分1m
rad以内であることが分かる。
【0072】なお、上記実施例では偏向磁界の傾き測定
について述べたが、センサー部の傾き測定結果は請求項
4で述べた鉛直磁界測定において、ホール素子基準面が
0.5度以内であることの確認にも使える。図24の例
ではセンサー部の傾きの変化は±8mrad以内すなわ
ち±0.45度以内であることが分かる。
【0073】なお、上記実施例ではセンサー部の傾きを
鉛直方向からの傾きを測定する傾きセンサーの例につい
て述べたが水準器などの様な他の傾きセンサーでもよ
く、水準器を用いた場合は水平面からの傾きが測定でき
る。
【0074】なお、上記実施例では、X方向の偏向磁界
の傾きのみについて述べたが図22に示すS方向ホール
素子136でも上記X方向の偏向磁界の傾き測定と同様
にできる。
【0075】なお、上記実施例では、ホール素子を鉛直
に合わせる例について述べたが、必ずしもこれは必要で
はなく、基準電磁石からの傾きを測定しておけばよい。
この場合の磁界の傾き測定は、実施例3で述べた方法と
同様の方法で求めることができる。
【0076】また、上記実施例では基準磁界の方向が鉛
直方向の場合について述べたが、基準磁界はからなずし
も鉛直方向でなくても良く、基準磁界は他の方向を向い
てもよい。
【0077】実施例8.請求項7記載の発明の一実施例
による磁界測定方法について図をもとに説明する。実施
例6では2方向の磁界の傾きを測定するために磁界測定
素子がXホール素子とSホール素子の2個必要であっ
た。ここでは磁界測定素子が1個で2方向の傾きが測定
できる測定方法について述べる。
【0078】図26はこの方法についての原理を説明す
る図である。図26(a)は実施例2で述べたのと同じ
基準電磁石50でのホール素子の傾きの調整の図であ
り、図26(b)はソレノイド電磁石の傾きを測定して
いる図である。図26(b)において、140はソレノ
イノイド電磁石、142はソレノイド電磁石の主磁界、
143は主磁界方向、144は主磁界の垂直磁界成分で
ある。
【0079】基準電磁石50を用いて基準磁界方向54
にホール素子基準面64の較正を行った後、ホール素子
11をソレノイド電磁石140中に基準面の角度が変化
しない様に配置する。なお、基準磁界方向52と図26
(b)のz’方向とは同じ方向であるとする。ソレノイ
ド電磁石は通常はz’軸方向である主磁界方向143の
磁界を発生する。ところが、ソレノイド電磁石が傾け
ば、主磁界142は主磁界方向143から傾き、主磁界
方向143とは垂直方向の磁界144が発生する。特
に、ソレノイド電磁石がy’方向のみに傾くとすると
y’軸方向に磁界が発生する。主磁界の垂直方向磁界成
分144はy’軸方向の磁界である。一方、x’軸方向
に主磁界が傾かなければx’軸方向の磁界は発生しな
い。この主磁界がy’方向のみに傾いていることを確認
しようとすると、実施例2ではホール素子の基準面64
がy’方向に対し垂直方向を向いたホール素子とx’方
向に対し垂直方向を向いたホール素子の2個のホール素
子が必要であった。しかし、以下の方法を採用すること
によりホール素子が1個でも磁界の傾き方向が分かる。
主磁界方向143であるz’軸を軸としてホール素子1
1を回転させる。ホール素子の基準面64がy’軸に垂
直方向を向いた場合、ホール素子はy’軸方向の磁界の
みを検出する。一方、ホール素子がx’軸方向を向いた
場合、x’軸方向の磁界はゼロであるので、ホール素子
の出力電圧にはゼロ磁界相当の電圧が出力する。これに
より、y’方向のみに磁界が発生していることが分か
り、主磁界はy’方向のみに傾いていることが分かる。
このように1個のホール素子で主磁界の2方向の傾きを
測定できる。
【0080】実施例9.請求項7記載の発明の他の実施
例による磁界測定方法について図をもとに説明する。上
記実施例8はソレノイド電磁石の主磁界の傾きを1個の
ホール素子で測定する方法であった。この実施例9では
実施例7で述べた方法において偏向磁界の傾き方向が1
個のホール素子で分かる方法について述べる。図27は
超電導コイル9がy’軸回りにx’方向にθ傾いた図で
ある。図において、150は超電導コイルがx’方向に
傾くことにより発生した偏向磁界75のx’方向磁界成
分である。なお、x’軸は電磁石を中心とした座標系で
あり、X軸はセンサー部を中心とした座標系である。X
とx’とは異なる。この座標系は図1に示した通りであ
る。図28は請求項7記載の発明の他の実施例による磁
界測定方法の原理を説明する説明図である。図28の構
成は図22と同様の構成である。また、X、Sホール素
子は前記ホール素子11と全く同様の働きをする。すな
わち基準面の垂直方向磁界が測定できる。なお、図28
において図中にセンサー部30が2個描かれているが、
これはセンサー部が−y’軸上に存在する場合と、更に
センサー部が移動してx’軸上に存在する場合について
描いたものである。x’軸上に存在するセンサー部を
A、−y’軸上に存在する場合のセンサー部をBとし
た。また、図28において、z’軸方向は主磁界方向に
相当する。また、図29は図28の磁界測定装置で測定
された磁界分布の一例である。図29において、152
はXホール素子により測定された傾きのビーム進行方向
分布曲線であり、154はSホール素子により測定され
た傾きのビーム進行方向分布曲線である。
【0081】次に動作について説明する。磁界測定チェ
ンバー20内ではホール素子134、136はある略半
円形状のガイドレール22に沿って移動する。仮に、超
電導コイル9が図27の様にy’軸回りに回転し、x’
軸方向に傾く場合、図27に示す様にx’方向の磁界1
50が発生する。この磁界成分はほぼ一様で、図28に
示すy’軸上にも発生する。なお、y’軸方向の磁界は
発生しない。次に、例えばXホール素子134をビーム
進行方向4であるS方向に移動させると、Xホール素子
134は実施例7でも述べた様にz’軸回りで回転する
ことになる。これより、図28のXホール素子で傾きの
分布を測定する場合、x’軸と交差する点すなわち図2
8のA点でXホール素子134の基準面がx’軸に垂直
になり、Xホール素子の基準面が水平磁界Bxにたいし
垂直になるためBxの磁界を検出し出力が最大となる。
一方、y’軸と交差する点B点ではXホール素子134
の基準面は水平磁界Bxとは平行になるため、出力はゼ
ロとなる。従って、Xホール素子で測定したビーム進行
方向のBxの分布をプロットすると図29の152の様
にx’で最大になり、±y’でゼロになる。このよう
に、2個のホール素子を使用せず、1個のホール素子で
偏向磁界75がx’方向のみに傾いていることが分か
る。逆に、図28において、Sホール素子136はx’
軸と交差するA点では磁界素子面は水平磁界Bxに平行
になり、Sホール素子の出力はゼロである。一方、y’
軸との交差点であるB点では水平磁界に対しSホール素
子136の基準面は垂直になるためBxの磁界を検出し
出力は最大となる。従って、ビーム進行方向の磁界分布
の形状は図29の曲線154のようになり、Xホール素
子で測定した分布とは反対の形状となる。なお、コイル
の傾きがx’軸方向(y’軸回り)ではなくy’軸方向
(x’軸回り)であると上記関係は逆になる。
【0082】次にコイルが捩れている場合について考え
る。コイルが捩れていると局部的に水平磁界が発生す
る。従って、例えばXホール素子134の出力は水平磁
界の発生する位置で極大になる。出力の極大が上記の様
に1個であるとコイルが傾いていると推測されるが、数
個ある場合にはコイル全体の傾きではなくコイルが局部
的に数箇所捩れていると推測される。更にコイルの傾き
がない場合には分布の形状はゼロでフラットになる。
【0083】図25の傾きの実測例では偏向磁界の傾き
が1mrad以下でフラットであり、コイルの傾きおよ
びねじり等により発生する磁界の傾きは1mrad以下
であることが分かる。
【0084】さらに、上記方法では、基準電磁石におい
てホール素子を必ずしも鉛直方向に合わせる、または、
鉛直方向からの角度を正確に測定する必要はない。この
場合、ホール素子が鉛直方向から傾くため、ホール素子
は偏向磁界成分を検出し、磁界分布に一定の傾き成分が
上乗せされるが、分布の形状がフラットであるか否かす
なわち分布の形状のみで偏向磁界の傾きが分かるため、
一定の傾き成分が上乗せされても問題ない。
【0085】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、真空槽内に配置され冷媒が充填されたコイル容器
に超電導コイルを収納し、磁界測定時においては磁界測
定用チェンバーを組み込み上記超電導コイルを励磁して
磁界分布測定を行うと共に、磁界測定後は、上記磁界測
定チェンバーを真空チェンバーに交換して励磁するの
で、超電導電磁石が磁気シールドを有する場合にも全体
を冷却することなく超電導コイルを冷却、励磁して磁界
分布測定を行え、膨大な冷媒を使わなくてもよい。ま
た、磁界測定後は、磁界測定チェンバーを真空チェンバ
ーに交換して超高真空が得られる。
【0086】請求項2記載の発明によれば、基準電磁石
で基準磁界を発生させこの基準磁界下で磁界測定素子基
準面を基準方向に向ける較正を行った後、被測定電磁石
に上記基準面の方向が変化しない様に上記磁界測定素子
を配置し、上記被測定電磁石の上記基準方向に垂直な方
向の磁界の大きさを測定するので、被測定電磁石の発生
する磁界の内、基準方向とは垂直な方向の磁界成分のみ
を高精度に測定できるものである。さらに別途被測定電
磁石の磁界の大きさを求めることにより電磁石の磁界と
基準方向のなす角度を求められる。
【0087】請求項3記載の発明によれば、基準電磁石
で基準磁界を発生させ、この磁界下で磁界測定素子基準
面と基準方向との角度を測定した後、被測定電磁石に上
記磁界測定素子を移動配置し、移動時に発生する上記角
度の変化および上記被測定電磁石の磁界測定素子の面に
垂直な方向の磁界の大きさを測定するので、被測定電磁
石に磁界測定素子を設置した場合の磁界測定素子基準面
と基準方向のなす角度がわかり、さらに被測定電磁石の
磁界測定により磁界と磁界測定素子基準面の角度がわか
る。これらの2つの角度から、基準方向と電磁石の磁界
のなす角度が求められる。
【0088】請求項4記載の発明によれば、請求項2ま
たは3記載の測定方法において、基準方向と基準電磁石
の発生する基準磁界方向とは同方向であるので、基準磁
界方向と磁界測定素子の基準面とが同方向になるように
磁界測定素子が被測定電磁石に配置される。これによ
り、被測定電磁石の磁界の内、基準磁界方向とは垂直方
向の磁界成分のみを測定できる。特に基準磁界が鉛直方
向の場合、水平方向磁界成分のみを測定できる。
【0089】請求項5記載の発明によれば、請求項2ま
たは3記載の測定方法において、基準方向と基準電磁石
の発生する基準磁界方向とは垂直方向であるので、基準
磁界方向と磁界測定素子の基準面とが垂直方向になるよ
うに磁界測定素子が被測定電磁石に配置される。これに
より、被測定電磁石の磁界の内、基準磁界方向の磁界成
分のみを測定できる。特に基準磁界が鉛直方向の場合、
鉛直方向磁界成分のみを測定できる。
【0090】請求項6記載の発明によれば、請求項1記
載のものにおいて、磁界測定チェンバーは、被測定電磁
石内に配置されたガイドレールに磁界測定素子および傾
きセンサーを有するセンサー部を取付けて上記ガイドレ
ールに沿って磁界測定を行うように構成されており、基
準電磁石における鉛直または水平方向と上記傾きセンサ
ーの基準軸とのなす角度Aを傾きセンサーで測定し、基
準電磁石の発生する基準磁界のもとで上記磁界測定素子
の基準面と基準方向のなす角度Bを上記磁界測定素子に
より測定し、上記ガイドレールにセンサー部を取付けて
上記ガイドレールに沿って上記センサー部を移動させ、
鉛直または水平方向と傾きセンサーの基準軸のなす角度
Cの分布を上記傾きセンサーにより測定し、上記A、
B、Cにより上記ガイドレールに沿った上記磁界測定素
子基準面と基準方向のなす角度の分布を求めるので、ガ
イドレールに沿って電磁石の磁界分布を測定することに
より、この磁界分布から磁界測定素子基準面と電磁石の
磁界の間の角度の分布がわかり、この角度分布を上記磁
界測定素子基準面と基準方向のなす角度の分布で補正す
ることにより、電磁石の磁界の基準方向からの傾きを求
めることができる。
【0091】請求項7記載の発明によれば、請求項1な
いし3の何れかに記載の測定方法において、基準電磁石
で基準磁界を発生させ、この磁界下で基準面を基準方向
に較正した磁界測定素子を被測定電磁石に設置し、上記
被測定電磁石の発生する主磁界方向を軸として上記磁界
測定素子を回転させて各方向の磁界を測定するので、主
磁界がある方向に傾いた場合に、傾いた方向に主磁界方
向に垂直な磁界成分が発生するが、磁界測定素子の基準
面が回転し、基準面が上記垂直磁界成分に垂直になった
場合上記磁界を検出するが、基準面が平行の場合には磁
界を検出しない。よって、回転方向を計測することによ
り、主磁界に垂直な磁界成分の方向すなわち主磁界の傾
き方向を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の一実施例による磁界測定
方法を説明する構成図である。
【図2】請求項1記載の発明の一実施例による磁界測定
方法を説明する構成図である。
【図3】図1のx’方向の断面を示す図である。
【図4】図2のx’方向の断面を示す図である。
【図5】磁界測定チェンバーを用いた磁界分布測定装置
の一例を示す平面図である。
【図6】図5のセンサー部を拡大して示し、(a)は平
面図、(b)は側面図である。
【図7】請求項2記載発明の一実施例による磁界測定方
法を説明する構成斜視図である。
【図8】請求項2記載の発明の一実施例による磁界測定
方法を説明する構成図である。
【図9】請求項2記載の発明の一実施例による磁界測定
方法の原理を説明する説明図である。
【図10】偏向磁界の鉛直磁界成分および水平磁界成分
を示す説明図である。
【図11】ホール素子の検出する磁界成分を示す説明図
である。
【図12】基準電磁石にホール素子を挿入した様子を示
す断面図である。
【図13】請求項3記載の発明の一実施例による磁界測
定方法を説明し磁界測定素子の基準面調整中の説明図で
ある。
【図14】請求項3記載の発明の一実施例による磁界測
定方法を説明し磁界測定中の説明図である。
【図15】請求項4記載の発明の一実施例による磁界測
定方法の原理を説明する説明図である。
【図16】請求項4記載の発明の他の実施例に係わる電
磁石の全体構成を示す構成図である。
【図17】図16の電磁石を示し、(a)は電磁石の断
面図、(b)は水平方向の磁界分布を示す特性図であ
る。
【図18】請求項4記載の発明の他の実施例による磁界
測定方法の原理を説明する説明図である。
【図19】請求項5記載の発明の一実施例による磁界測
定方法の原理を説明する説明図である。
【図20】請求項6記載の発明の一実施例による磁界測
定方法の原理を説明する説明図である。
【図21】請求項6記載の発明の一実施例による磁界測
定方法の原理を説明する説明図である。
【図22】請求項6記載の発明の一実施例による磁界測
定方法の全体構成装置を示す構成図である。
【図23】請求項6記載の発明の一実施例による磁界測
定方法の原理を説明する説明図である。
【図24】請求項6記載の発明の一実施例による磁界測
定方法で測定されたセンサー部の傾きを示す特性図であ
る。
【図25】請求項6記載の発明の一実施例による磁界測
定方法で測定された偏向磁界の傾きを示す特性図であ
る。
【図26】請求項7記載の発明の一実施例による磁界測
定方法の原理を説明する説明図である。
【図27】請求項7記載の発明の他の実施例による磁界
測定方法の超電導コイルの傾きを示す説明図である。
【図28】請求項7記載の発明の他の実施例による磁界
測定方法の原理を説明する説明図である。
【図29】請求項7記載の発明の他の実施例による磁界
測定方法で測定された偏向磁界の傾きの一例を示す特性
図である。
【図30】従来の超電導電磁石の磁界測定方法を説明す
る一部破断斜視図である。
【図31】図30の超電導コイルを示す斜視図である。
【図32】従来の超電導コイルの磁界測定方法を説明す
る断面構成図である。
【図33】従来の超電導コイルの磁界測定方法で測定さ
れた磁界分布を示す特性図である。
【符号の説明】
1 コイル容器 2 真空槽 3 電子ビーム軌道 4 ビーム進行方向 5 SR光ポート 8 電子ビーム用超電導電磁石 9 超電導コイル 11 磁界測定素子 20 磁界測定チェンバー 22 ガイドレール 24 真空チェンバー 26 磁気シールド兼真空槽 30 センサー部 32 センサー部移動用ベルト 34 プーリー 35 Sステッピングモータ 37 Xステッピングモータ 39 Yステッピングモータ 50 基準電磁石 52 基準磁界 54 基準方向 62 センサー部 64 磁界測定素子の基準面 66 磁界測定素子の角度調整機構 70 センサー部の角度基準面 72 センサー部の角度測定機構 73 センサー部の角度補正機構 75 被測定電磁石の磁界 80 水平方向の磁界 82 S方向の磁界 84 X方向の磁界 86 鉛直方向の磁界 90 α電磁石 92 電子銃 93 電子ビーム軌道 94 ライナック 96 磁極 100 磁界 102 ビーム軌道面 104 真空チェンバー 108 磁界の鉛直成分 130 傾きセンサー 131 傾きセンサー基準軸 133 鉛直方向 134 X方向磁界測定素子 136 S方向磁界測定素子 140 電磁石 143 主磁界方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小寺 溢男 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 守田 正夫 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 山本 俊二 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 中村 史朗 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 山田 忠利 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内に配置され冷媒が充填されたコ
    イル容器に超電導コイルを収納し、磁界測定時において
    は磁界測定用チェンバーを組み込み上記超電導コイルを
    励磁して磁界分布測定を行うと共に、磁界測定後は、上
    記磁界測定チェンバーを真空チェンバーに交換して励磁
    することを特徴とする電磁石の磁界測定方法。
  2. 【請求項2】 基準電磁石で基準磁界を発生させこの基
    準磁界下で磁界測定素子基準面を基準方向に向ける較正
    を行った後、被測定電磁石に上記基準面の方向が変化し
    ない様に上記磁界測定素子を配置し、上記被測定電磁石
    の上記基準方向に垂直な方向の磁界の大きさを測定する
    ことを特徴とする電磁石の磁界測定方法。
  3. 【請求項3】 基準電磁石で基準磁界を発生させ、この
    磁界下で磁界測定素子基準面と基準方向との角度を測定
    した後、被測定電磁石に上記磁界測定素子を移動配置
    し、移動時に発生する上記角度の変化および上記被測定
    電磁石の磁界測定素子の面に垂直な方向の磁界の大きさ
    を測定することを特徴とする電磁石の磁界測定方法。
  4. 【請求項4】 基準方向と基準電磁石の発生する基準磁
    界方向とは同方向である請求項2または3記載の電磁石
    の磁界測定方法。
  5. 【請求項5】 基準方向と基準電磁石の発生する基準磁
    界方向とは垂直方向である請求項2または3記載の電磁
    石の磁界測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の磁界測定チェンバーは、
    被測定電磁石内に配置されたガイドレールに磁界測定素
    子および傾きセンサーを有するセンサー部を取付けて上
    記ガイドレールに沿って磁界測定を行うように構成され
    ており、基準電磁石における鉛直または水平方向と上記
    傾きセンサーの基準軸とのなす角度Aを傾きセンサーで
    測定し、基準電磁石の発生する基準磁界のもとで上記磁
    界測定素子の基準面と基準方向のなす角度Bを上記磁界
    測定素子により測定し、上記ガイドレールにセンサー部
    を取付けて上記ガイドレールに沿って上記センサー部を
    移動させ、鉛直または水平方向と傾きセンサーの基準軸
    のなす角度Cの分布を上記傾きセンサーにより測定し、
    上記A、B、Cにより上記ガイドレールに沿った上記被
    測定電磁石の磁界分布を補正することを特徴とする請求
    項1記載の電磁石の磁界測定方法。
  7. 【請求項7】 基準電磁石で基準磁界を発生させ、この
    磁界下で基準面を基準方向に較正した磁界測定素子を被
    測定電磁石に設置し、上記被測定電磁石の発生する主磁
    界方向を軸として上記磁界測定素子を回転させて各方向
    の磁界を測定することを特徴とする請求項1ないし3の
    何れかに記載の電磁石の磁界測定方法。
JP3372394A 1994-03-03 1994-03-03 電磁石の磁界測定方法 Pending JPH07244143A (ja)

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